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小児の矯正は痛みがある?予防法と対処法を解説!

2023年4月20日
ワイヤー矯正をしている三つ編みの笑顔の女の子

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

矯正は、歯や顎に力を加えて動かすため、多少の違和感や痛みは生じます。小児矯正の場合「こどもの矯正を考えているけれど、痛みに耐えられるかな」と、不安を感じる親御さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、こどもが痛いと感じやすい矯正装置、痛みが出やすい時期について解説します。痛みが発生したときの対処法や予防法についても具体的に紹介しますので、お子様の矯正を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

小児の矯正は痛みがある?

歯の模型とインビザラインのマウスピースを持って驚いている顔の男の子

大人でも矯正すると痛みがあるため、こどもの場合、さらに痛みが強いのではないかと心配する親御さんもいらっしゃるでしょう。

ここでは、成人矯正と小児矯正の痛みの違いについてみていきます。

大人の矯正に比べて痛みは感じにくい

こどもは大人に比べて顎の骨が柔らかいため、矯正の痛みを感じにくいといわれています。矯正装置を装着すると、最初の数日間は圧迫感がありますが、すぐに慣れるでしょう。

また、こどもの歯列矯正は、顎の成長段階に合わせて矯正を行えるため、最小限の力で歯を動かせます。そのため、矯正力も小さく、痛みも少ないメリットがあります。小児の時期から矯正をすることで、矯正の期間を短くできるのも大きなメリットです。

ほとんどのこどもはすぐに慣れる

矯正装置を初めて装着したときや矯正力を加えたときに、痛みを感じやすくなります。通常、数日間は締め付けられるような痛みや、噛んだときに痛みを感じることがあります。小児矯正では、矯正の痛みが原因で矯正を中断する方はほとんどいません。

ただし、矯正の痛みには個人差があり、お子様によっては痛みが1週間程度続くこともあります。

また、矯正開始時期は、装置によるストレスもあります。ストレスを減らすためにも、初めて矯正装置をつけるときは、硬い食べ物は避け、細かく刻んで食べさせるなど注意しましょう。

痛みは矯正装置によって異なる?

肘をまげて頬に人差し指をあてながら考えている女性

矯正装置によって歯にかかる力の強さが違うため、痛みの度合いも異なります。矯正で痛みが生じるケースでも、常に痛みがあるわけではありません。

ここでは、矯正装置の種類別の痛みについて解説します。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットを取り付け、ワイヤーで歯に力を加える矯正装置です。ワイヤーの交換や調整をすると、数日間は痛みを感じることがあります。

また、ブラケットやワイヤーの端が粘膜に当たって傷ができて、痛みを感じることもあります。矯正装置が当たって痛みがある場合は、装置を保護したり、歯科医院で調整したりすることで痛みの改善が可能です。

マウスピース矯正

新しいマウスピースに交換すると、数日間は力が加わって締め付けられるような圧迫感があります。マウスピース矯正では、ワイヤー矯正のように装置が粘膜に当たって痛みを感じることは少ないです。また、マウスピースは外して食事ができるため、食事の制限もほとんどありません。

矯正装置の中でも痛みが少ない方法ですが、マウスピース矯正では対応できない症例もあります。

固定式の顎の拡大装置

上の歯の奥歯にバンドを取り付けて、太い針金で上顎を横に広げる矯正装置です。奥歯を支点に力を加えるため、装置を調節すると、数日間は奥歯に痛みを感じることがありますが、徐々に痛みは治まります。

痛みを緩和するために、調整のあと数日間は、以下の点に注意しましょう。

・硬いものを噛まない
・弾力のあるお肉を噛まない
・小さく切ってゆっくり食べる

取り外し可能な拡大床矯正装置

取り外しができる拡大床矯正装置は、永久歯が生える時期や顎が成長する時期に利用され、顎を広げる効果があります。この矯正装置は、保護者が自宅で装置を広げるように調整できるため、他の矯正装置に比べて痛みが少ないとされています。

顎間ゴム(エラスティックゴム)

矯正装置の補助として、上の歯と下の歯に渡るようにしてかけるゴムを、顎間ゴムといいます。

顎間ゴムをかけると歯に力が加わるため、痛みが出やすいです。ゴムによる痛みが強い場合は、ゴムの太さや大きさを調整します。

自己判断でゴムの使用を中断すると、歯がきれいに並ばない可能性もあるため、症状がある場合は必ず歯科医院に相談しましょう。

小児の矯正で痛みが出やすいケース

ワイヤー矯正をしている女性が歯を見せている

矯正で発生する痛みには、矯正力による痛みや装置が当たって生じる痛みがあります。痛みが出るタイミングを知ることで、痛みを予防し軽減できるでしょう。

矯正中に痛みが出やすい場面について、以下で詳しく解説します。

初めて矯正装置をつけたとき

矯正装置を初めてつけたときは、痛みが出やすいです。急激に強い力を加えると痛みが強いため、少しずつ歯に力を加えていきます。

また、矯正力の痛みではなく、矯正装置の違和感や異物感もあります。個人差はありますが、矯正装置の違和感は1週間程度で慣れるでしょう。

矯正装置を調整したあと

矯正装置を調整すると、歯に力が加わるため痛みが生じやすくなります。調整後の数日間は、硬いものを噛むと痛みが増すため、食事の際は注意しましょう。歯科医院で調整する当日は、治療前に食事を済ませておくことをおすすめします。

矯正装置が粘膜に当たっている場合

矯正治療中は、矯正力以外にも痛みが生じる場合があります。

ワイヤー矯正の場合、ブラケットやワイヤーが頬や舌に当たり、傷ができることがあります。専用のワックスで矯正装置の角をカバーすることで、傷を予防できるでしょう。ワイヤーが飛び出している場合は、ワイヤーをカットするなど歯科医院での調整が可能です。傷の部分に装置が当たり続けると口内炎ができてしまい、1〜2週間治癒せず痛みが続くため、注意しましょう。

また、装置のすき間は汚れが溜まりやすいです。不衛生になると、傷が炎症を起こして治癒しにくくなります。装置が付いた状態で歯磨きするのは大変ですが、こまめにうがいをしてお口の中を清潔に保ちましょう。

小児の矯正による痛みの予防法・対処法

歯科医院の治療台で歯科医師とハイタッチしている女の子

口内は敏感であるため、痛みや違和感があるとストレスが溜まり、食事が苦痛になります。お子様の痛みを予防するためには、工夫が必要です。

痛みが出たときの予防法や対処法について、以下で詳しく解説します。

硬い食べ物や弾力のある食べ物を避ける

硬い食べ物や弾力のある食べ物を食べると、歯に力が加わるため痛みが増します。特に、矯正装置を調整したあとの数日間は、以下の食べ物は避けるとよいでしょう。

・弾力のある肉
・ごぼうやれんこんなどの根菜類
・せんべい
・硬いアイスキャンディー
・グミやガムなど噛む回数が増えるお菓子

チキンやりんごなど、嚙みちぎったりかぶりついたりする食べ物も、歯に力が加わりやすいため注意が必要です。

硬い食べ物以外にも、ほうれん草、えのきといった繊維質の食べ物は、装置に絡まります。引っ張って取ると、ワイヤーが曲がったりブラケットが外れたりすることがあります。食べ物が挟まった場合は、指で引っ張らずに、歯ブラシで一方方向に軽くなでるようにして取りましょう。

ワックスをつけて装置を保護する

装置が粘膜に当たって痛みが出る場合は、ブラケットやワイヤーを専用のワックスで保護をすることで、痛みを予防できます。専用のワックスは、歯科医院で治療の際にもらうことが可能です。

ワックスをつける前に、装置周辺の唾液をしっかり拭き取り乾燥させることで、ワックスが外れにくくなります。

歯科医院で装置の不具合を調整する

痛みが長引く場合は、矯正力による痛みではなく、装置が当たって痛みが生じているのかもしれません。大人でも痛みが続くと、どこが痛いのか分からなくなります。こどもの場合は、具体的な痛みを表現することは難しいでしょう。

また、装置が外れ、誤った方向に力が加わることによって痛みが生じるケースもあります。痛みがあると、お子様が装置を触ってしまい、気付かないうちに装置がずれることもあります。お子様が痛みを訴える場合は、はやめに歯科医院を受診しましょう。

痛みが強いときは鎮痛剤を飲む

矯正治療中の痛みが強い場合は、痛み止めを飲んで痛みを抑えることも可能です。市販の鎮痛剤でもよいですし、歯科医院でも鎮痛剤を処方してもらえます。

痛み止めを服用する場合、容量や服用のタイミングは必ず守りましょう。

まとめ

両手で歯を指さしている髪の長い女の子

矯正では歯や顎の骨を動かすため、多少の痛みはあります。こどもは適応力が高いため、多くの場合はすぐに慣れますが、使用する矯正装置によっても痛みの症状が異なります。特に矯正のつけ始めの時期は注意が必要です。

痛みが続く場合は、装置が外れて誤った力が加わっている可能性があります。装置が外れたまま放置すると、矯正期間が延びるなどトラブルが起こるケースもあります。お子様が痛みを訴える場合は、はやめに歯科医院を受診するか、電話で相談しましょう。

小児矯正の痛みに不安のある方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。