こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。
「親知らずが虫歯になっているけど、放置していいかな」「親知らずの虫歯は抜歯するって本当?」など、親知らずの虫歯に関する疑問をお持ちの方もいるでしょう。
今回は、親知らずが虫歯になりやすい理由や、親知らずの虫歯を予防する方法について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
目次
親知らずが虫歯になりやすい理由
親知らずが虫歯になりやすい最も大きな理由は、ブラッシングが難しいことでしょう。親知らずは最後に生える永久歯で、歯列の最も奥に生えてきます。口腔内は狭いため、奥に生える親知らずは磨きにくいのです。
また、最後に生えるため、まっすぐに生えるだけのスペースがない場合も多いです。斜めや横向きに生えてくる方が非常に多く、汚れが残りやすいといえます。
歯茎から一部分のみ露出している場合もあり、食べかすなどが残りやすいことも原因でしょう。
汚れや食べかすが溜まりやすくブラッシングが難しいことから、親知らずは虫歯になりやすいのです。
親知らずの虫歯を放置してはいけない理由
親知らずの虫歯を放置してはいけない理由は、主に5つです。それぞれ詳しく解説します。
腫れて痛むことがある
親知らずに限らず、虫歯を放置すると腫れて痛みが出ることが多いです。表面のエナメル質に限定されている虫歯は、痛むことはありません。
虫歯が象牙質や神経まで進行すると、痛みが出るでしょう。虫歯を放置しても、改善することはありません。
痛みや腫れが強くなり、眠れないほどになる方もいます。親知らずに限らず、虫歯は放置せずに早急に治療せねばなりません。
口臭が発生する
親知らずの虫歯を放置すると、口臭が発生することがあります。
親知らずが虫歯になっているということは、口内環境が整っていないということです。歯周病などの口臭の原因になる病気も発症している可能性が高いため、口臭が発生・悪化することがあるでしょう。
放置すると歯を失う可能性もあるので、早急に歯科医院を受診しましょう。
ほかの歯に悪影響を与える
虫歯を放置すると、虫歯菌が歯の神経にまで到達し神経が壊死します。神経が機能しなくなると、歯の色が変わってもろくなります。
神経に到達するほど虫歯を放置した場合、歯の根の先に細菌や膿が溜まることがあるでしょう。歯の根の炎症が進行すると、やがて顎の骨にも影響を及ぼします。
顎の骨に炎症が広がると、顎の骨が溶かされて歯がグラグラし始めることがあります。歯を支えられなくなり、自然と抜け落ちることもあるでしょう。
虫歯になった親知らずだけが抜ければよいかもしれませんが、顎の骨の炎症も治療しなければ進行します。健康な周囲の歯にも悪影響を与える可能性があるので、虫歯は放置せずに治療しましょう。
身体に悪影響を与える
親知らずの虫歯を放置すると、身体にも影響を与えます。例えば、虫歯菌が血液の中に入ると、心筋梗塞や脳梗塞の原因になり得るのです。
また、親知らずは鼻の近くにあるので、虫歯菌の影響で副鼻腔炎になることもあります。虫歯は、全身のさまざまな問題を引き起こす可能性があるのです。
親知らずが虫歯になったら抜歯をしなければならない?
親知らずが虫歯になったら、抜歯を選択することが多いでしょう。虫歯を治療してもブラッシングしにくいことは変わらないため、再び虫歯になる可能性が高いからです。
本来、親知らずはなくても問題のない歯です。もともと親知らずが1本もない方もいます。
また、親知らずは斜めや横向きに生えてくる方が多く、そもそも正常に機能していない場合が非常に多いです。そのため、抜いても特に問題はありません。
斜めに生えている親知らずを放置すると、隣の歯を押して歯並びに悪影響を与えることもあるでしょう。親知らずがよい影響を与えることは少ないので、虫歯になったのであれば抜歯するべきといえます。
親知らずを抜歯しないケース
親知らずが虫歯になっても、抜歯しないケースがあります。提供歯(ドナー歯)として利用できる場合は、抜歯せずに残すことがあるでしょう。
提供歯とは、移植に使う歯のことです。何らかの理由で奥歯を失った場合に、親知らずを移植して失った奥歯を補います。
患者さまご自身の歯を使うので拒絶反応が起きないことがメリットでしょう。入れ歯やブリッジよりも噛み心地がよく、自然に使えます。
親知らずがまっすぐに生えており、清潔に保つことが可能だと判断された場合は、提供歯として利用するために残すことがあるでしょう。
親知らずを抜歯しない治療法はある?
基本的には親知らずが虫歯になった場合、抜歯を選択します。
しかし、親知らずを残したいと思う方もいるでしょう。抜歯しない治療法や症例をご紹介します。
初期虫歯で治療が容易である
初期虫歯とは、まだ歯に穴があいていない虫歯です。溶け出したエナメル質の成分を再び取り込む現象を再石灰化とよびますが、再石灰化で修復が可能な虫歯の場合、特別な治療は必要ありません。
歯科医院でブラッシング指導を受け、親知らず周辺の正しい磨き方を習得しましょう。日常の口腔ケアの質を向上し、歯科医院でフッ素塗布などの処置を行えば、改善される可能性があります。
親知らずを露出させる
親知らずは歯茎に一部が埋まっていることも多く、部分的に露出している場合は非常にブラッシングが難しいです。歯茎の一部を除去して親知らずを露出させれば、ブラッシングしやすくなるでしょう。
虫歯のリスクを下げられる場合は、抜歯しなくてもよいかもしれません。
親知らずの虫歯を予防する方法
親知らずの虫歯を予防する方法は、以下のとおりです。
歯磨きを徹底する
親知らずに限らず、虫歯を予防するためには歯磨きが非常に重要といえます。親知らず周辺は磨きにくいですが、丁寧に磨きましょう。
一定の方向に歯ブラシを動かすだけでは、親知らずをきれいに磨けません。歯ブラシをさまざまな角度から当てて磨きましょう。
歯ブラシを優しい力で小刻みに動かすことも重要です。1本ずつ磨くイメージで、小刻みにブラッシングしましょう。
補助用具を使用する
歯ブラシだけでは、細かい部分に付着した汚れを落とせません。デンタルフロスや歯間ブラシを使用して、すき間に入った汚れもしっかり落としましょう。
タフトブラシも、親知らずを磨く際に役立つでしょう。タフトブラシとは、毛先が1束になった歯ブラシです。
通常の歯ブラシよりも細いので、細かい部分の汚れを除去するのに適しています。通常の歯ブラシでブラッシングを行ったあとに、使用するとよいでしょう。
特に、親知らずの後ろ側、奥歯と面していない部分を磨く際に便利です。
日常のケアにフッ素を取り入れる
親知らずの虫歯予防には、ほかの歯と同じようにフッ素が効果的です。フッ素は虫歯菌の活動を抑え、歯の再石灰化を促す効果があります。
歯科医院で定期的にフッ素を塗ってもらってもよいですが、セルフケアに取り入れると効率よく虫歯を予防できます。
手軽に使用できるフッ素入りのケア用品は、歯磨き粉とマウスウォッシュでしょう。市販されているので、使用を検討してください。
定期的なメンテナンスを欠かさない
セルフケアだけでは、すべての汚れを除去することは難しいです。親知らずの虫歯を予防するために、定期的に歯科医院を受診してプロにメンテナンスしてもらいましょう。
プロのメンテナンスでは歯石もしっかり落としてもらえるので、虫歯だけではなく歯周病も予防できます。
まとめ
親知らずは最も奥に生えてくる永久歯です。汚れが溜まりやすくブラッシングしにくいため、虫歯になりやすいです。
虫歯になると抜歯することが多いので、抜歯を避けたい方は虫歯にならないように日々のセルフケアを丁寧に行いましょう。また、定期的に通院してプロのメンテナンスを受けると、口内を清潔に保てます。
親知らずが虫歯になった場合、放置することは避けてください。放置して悪化すると、腫れて激しい痛みが出る、膿が出て口臭が発生するなど、さまざまなトラブルにつながります。
親知らずに違和感がある場合は、痛みが出る前に歯科医院へ相談しましょう。
親知らずの虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。