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歯ぎしりの対策は?歯ぎしりをなくせばエラ張りも改善する? 

2024年1月10日
歯ぎしりの対策は?歯ぎしりをなくせばエラ張りも改善する?

こんにちは!八尾市で60年、地域密着でがんばる歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康に関する悩みや、歯にまつわる身体の問題は、それぞれ異なります。歯科医師やスタッフが知っている情報でも、患者さまにとっては疑問や不安になることがあります。診療中には個々の患者さまに詳しく説明する時間が限られていますが、どうにかしてできるだけ多くの質問に詳しくお答えできないだろうかと考えました。

そこで、「歯に関する全力回答!」ブログをスタート! 診療中に頻繁にいただく質問について、こちらで詳しく解説していきます。このブログが、歯にまつわる疑問や不安を解消する患者さまの手助けになれば嬉しいです。

目次

歯ぎしりってどんなもの?

歯ぎしり(ブラキシズム)とは、上と下の歯を強くこすり合わせたり、ぎゅっと強くかみしめる悪習慣(習癖)のことを指します。この癖は無意識に行われているため、本人が気づかずしていることが多いです。

歯ぎしりは、その多くが就寝中に行われているのですが、日中、無意識のうちに歯を強くかみしめている場合も、歯ぎしりとして分類されます。

歯ぎしりする人って多いの?

年齢によっても違いますが、日本人では、だいたい10人に1人が歯ぎしりをしているとされています。20代よりも30代、30代よりも40代…と歯ぎしりをする人が増えていき、また男性と女性では男性のほうがより歯ぎしりをする傾向にあると言われています。

歯ぎしりの種類を教えて

歯ぎしりには、下のような種類があります。

歯ぎしりの種類

 グラインディング(磨耗型)

上下の歯をこすり合わせるタイプの歯ぎしりです。最も一般的で、歯ぎしりというと、このタイプをイメージすることが多いでしょう。ギリギリと音が出ることが多いため、睡眠中の歯ぎしりを家族に指摘されることもあります。

クレンチング(咬みしめ型)=食いしばり

上下の歯を強くかみしめる、つまり食いしばるタイプの歯ぎしりです。音が出ないことが多いため、本人も気づかずに行っていることが多いです。寝ている時だけでなく、日中に行っていることもあります。

タッピング(衝撃型)

上下の歯をぶつけ合うタイプの歯ぎしりです。カチカチ、カンカンといった音が出ることが多いため、家族に指摘されることもあります。

ナッシングタイプ(きしませ型)

特定の歯の場所で上下の歯をこすり合わせるタイプの歯ぎしりです。音は出ないか、もしくはキリキリといった、グラインディングよりも小さな音がします。

 

また、これらの種類を組み合わせて行う場合もあります。

 

歯ぎしりするとどうなるの?

歯ぎしりは、歯もちろん歯の周辺組織や顎にとってさまざまな悪影響があります。以下は歯ぎしりが引き起こす症状です。

歯の摩耗(すり減り)や変形

歯が強くこすり合わされることで、歯の表面が摩耗しやすくなります。これが進むと、歯の形状が変わり、歯の機能や寿命に影響を与える可能性があります。

歯ぎしりで摩耗した(すり減った)歯

歯の詰め物や被せが欠ける

歯ぎしりによって、歯に強い力が加わると、その力によって、歯の詰め物や被せが割れたり、欠けたり、取れたりすることがあります。また、上記のように歯の表面がすり減ったり、歯の形が変わったりすれば、歯の詰め物や被せがぴったりと合わなくなり、取れやすくなります。

歯周病が悪化する

歯ぎしりによる歯の強い圧力は歯周組織にも影響を与え、歯茎や顎の周りの組織に炎症などのダメージを引き起こすことがあります。

顎関節症の症状が出る

歯ぎしりが続くと、顎の関節に負担がかかり、顎関節症のリスクが高まります。顎関節症は、痛みが出たり、顎の開閉がしにくくなるなどの症状が出ます。

歯並びが悪くなる

歯ぎしりによって、歯に強い力が加わると、その力によって、歯の向きや位置が変化することがあります。

歯ぎしりってどのぐらいの力がかかるの?

普段食べ物を噛む力(咬合力)は、女性で40kg程度、男性で60kg程度とされています。つまり、だいたい自分の体重ぐらいと言えます。では、歯ぎしりの場合はというと、食事の時の約3倍以上の力が加わっているとされ、女性では約100〜200kg、男性では約200〜300kg、人によっては1tもの荷重がかかっていることもあると言われています。

噛む力と歯ぎしりでかかる力

歯ぎしりの原因は?

歯ぎしりの原因としては、大まかに下のようなものが挙げられます。

ストレスや緊張・不安など

歯ぎしりは、ストレスや緊張などの精神的な要因によって引き起こされることが多いと言われています。精神的なストレスや緊張によって、顎の筋肉が緊張し、歯を食いしばったり、強く噛みしめたりするようになるようです。

歯並びや噛み合わせ

噛み合わせ(咬合)が不安定な場合、歯が強く擦(こす)り合わされることがあります。

また歯並びや咬み合わせが悪いと、歯の接触面積が少なく、力が集中しやすいので、歯ぎしりによる影響を受けやすいと言われています。

歯並びや噛み合わせも歯ぎしりの原因のひとつ

遺伝的な要因

遺伝的要因によっても引き起こされる可能性があります。家族に歯ぎしりをする人がいると、自分も歯ぎしりをする可能性が高いと考えられています。

その他の要因

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(OSAS)などが原因の場合があります。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まったり、低下したりする睡眠障害ですが、睡眠中に酸素の供給が不足する(低酸素血症)ため眠りが浅くなり、眠りが浅くなると筋肉の緊張が解けにくくなり、結果、歯ぎしりを引き起こしやすくなるというわけです。

カフェインやアルコールの過剰摂取

カフェインやアルコール摂取自体が直接歯ぎしりに関係しているのではなく、カフェインが交感神経を刺激し、覚醒を促すと、筋肉の緊張が高まって歯ぎしりが引き起こされやすくなったり、アルコールを摂取することで、脳の働きが抑制され、睡眠の質が低下したことにより、筋肉の緊張が解けにくくなって、結果歯ぎしりにつながりやすくなると考えられています。

カフェイン・アルコールの過剰摂取も歯ぎしりに関係

また、歯ぎしりを起こしやすい要因(リスク因子)の確率比は下図が目安になるでしょう。

歯ぎしりの要因(リスク因子)確率比目安

歯ぎしりしやすい人ってどんな人?

上記のように、歯ぎしりの主な原因のひとつとしてストレスが挙げられていることから、次のような性格の人が歯ぎしりをしやすいと考えられています。

  • 真面目で責任感が強い人
  • 完璧主義な人
  • 競争心が強い人
  • 頑張りすぎる人
  • ストレス発散がうまくできない人
  • 緊張しやすい人
  • 不安を感じやすい人
  • イライラしやすい人

いずれも、ストレスを溜め込みやすい人が歯ぎしりをしやすい傾向にあると言えます。

ストレスを溜め込みやすい人は要注意

歯ぎしりするのは熟睡していない証拠ですか?

睡眠にはレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)があり、人は睡眠中これらを交互に繰り返しています。ノンレム睡眠はさらにその眠りの深さによって3または4段階に分けられますが、最近ではこの「浅いノンレム睡眠」時に歯ぎしりが起こりやすいとされています。歯ぎしりをするからと言って、「深いノンレム睡眠(熟睡)」に移行していないということにはなりません。

歯ぎしりの起きやすい睡眠状態

こどもの歯ぎしりの原因は?

こどもの歯ぎしりは、だいたい生後8か月頃から始まり、中学生ぐらいまで続くことがありますが、その原因のひとつは、実は、成長に伴うあごの位置や噛み合わせの調整です。永久歯が生えてくる際の歯のスペースを確保するために、歯ぎしりで顎の位置を決めたり、顎の筋肉の発達させたりしていると考えられています。つまり、こどもの歯ぎしりは成長にともない、やがて改善されるものとされています。

こどもの歯ぎしりは放っておいてもいいですか?

基本的には大丈夫です。ただ、ストレスなどが原因で歯ぎしりをしている場合もありますし、以下のような症状が出ている場合は早めに歯科医に相談してください。

  • 歯が減ったり、欠けたりしてしまった
  • 顎が痛い(顎関節症)や頭痛などの症状がある
  • 歯ぎしりの音が異常に大きい

エラ張りと歯ぎしりって関係ある?

はい、歯ぎしりとエラ張りには、密接な関係があります。

歯ぎしりは、睡眠中に歯を強く噛みしめたり、食いしばったりすることで起こります。歯ぎしりをすると、咬筋(こうきん)という顎の筋肉が過剰に働きます。咬筋は、歯を閉じるときに働く筋肉で、エラの部分に位置しています。

歯ぎしりを繰り返すと、咬筋が肥大し、エラが張ったように見えますから、歯ぎしりをしている人は、エラ張りにも注意が必要です。

気になるエラ張り

歯ぎしりしなくなればエラ張りはなくなりますか?

歯ぎしりを止めた直後は、咬筋がまだ肥大した状態のため、エラ張りが改善されにくい場合がありますが、歯ぎしりを止めれば、咬筋の過剰な働きがなくなり、徐々に肥大が解消され、エラ張りも改善していくと考えられます。一般的には、歯ぎしりを止めてから数ヶ月から1年程度で、エラ張りが改善されるといわれています。

また、最近ではエラボトックスといって、ボトックスの注入によって咬筋の緊張を緩ませ、歯ぎしりを改善させる治療を行っているところもあります。

歯ぎしりの対策は?

歯ぎしりの原因から導き出した対策としては、大きく3つに分けられます。

  • マウスピース療法

歯ぎしりを防止するための最も一般的な方法で、夜寝るときにマウスピースを口の中に装着することで、歯の摩耗(減り)や欠損(欠け)を防ぐ効果があります。

  • 生活習慣の改善

ストレスを溜め込まない生活を心がけましょう。

規則正しい生活をし、生活のリズムを整える。

規則正しい生活は、体のすべてに影響します。

十分な睡眠時間を確保する

睡眠が足りていないことも、体にはさまざまな悪影響を及ぼします。

寝室の環境(暗くする、静かにするなど)を整える

交感神経をできるだけ休ませるようにしましょう。

就寝前にカフェインやアルコールの摂取を控える

過剰な摂取は、眠りの深さにも関係しがちです。

 

またストレス自体を解消させるためには、以下のようなことも効果的でしょう。

・趣味やスポーツなど、自分に合ったストレス発散の方法を見つける

・マッサージなど、リラックスできる時間をつくる

・カウンセリングやセラピーなど、専門家に相談する

  • 原因治療

歯ぎしりの原因が、噛み合わせや、睡眠時無呼吸症候群などにある場合は、これらを改善することが必要です。歯科医や専門医などに相談するとよいでしょう。

歯ぎしり用のマウスピースについて教えてください

マウスピース(ナイトガード)は、就寝時に口の中に装着する器具で、マウスピースを使うことで、歯にかかる力が均等に分散され、歯や歯の被せ物が欠けたり割れたりするのを防げます。毎日使用することが大切です。歯科で作製するものと、市販のものがあり、またそれぞれソフトタイプとハードタイプがあります。

ナイトガード(マウスピース)

歯科作製(カスタムメイド)型

歯科医院で、患者さまの歯に合わせて作製するマウスピースです。歯の形状、噛み合わせに合わせ、最適な形状や硬さに調整することができるので、安心でおすすめです。

市販型

市販で買えるため、比較的安価で手軽ではありますが、その人の歯の形状、噛み合わせに合わせて調整することができず、使用感に差が出がちです。

ソフトタイプ

シリコーンなどの柔らかい素材でできています。

歯にやさしくフィットするので装着感に優れていますが、柔らかいのでハードタイプよりも早く摩耗するなど、耐久性にやや難があります。

ハードタイプ

プラスチックやアクリルなどの硬い素材でできています。硬いので、激しい歯ぎしりに対応でき、歯や被せ物の損傷を防ぐ効果が高いのが特長です。装着感はソフトタイプに比べるとやや違和感があることもあります。

まとめ

いかがでしたか? 歯ぎしり(食いしばり)は悪習慣(習癖)のひとつで、歯や歯の周りの組織に様々な悪影響を及ぼすものですので、マウスピースを適切に使ったり、生活習慣を改善したりなどして、できるだけなくしていきましょう。お顔のエラ張りが気になる方も、もしかしたらご自身で歯ぎしりに気づいていないかもしれませんから、気にかけてみてください。またおとなだけでなく、こどもの歯ぎしりについても、気になる場合はぜひ、大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科までご相談ください。

歯の摩耗(減り)や欠けをなくし、健康な歯を保ちましょう。

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