こんにちは。大阪府八尾市の歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。
歯科医やスタッフにとっては当たり前のことでも、患者さんにとっては歯の専門家ではありません。そのため、様々な疑問や不安を抱くのは当然です。
私たちは、患者さんが歯や口腔の健康について、安心して治療を受けられるように、疑問や不安を解消することが大切だと考えています。
診療中にすべての疑問にお答えできれば一番ですが、時間の制約や専門的な知識が必要となる場合、十分な説明ができないこともあります。
そこで、当院のブログで、患者さんからよくいただく質問をテーマに、わかりやすく解説していきます。
このブログを通じて、患者さんの歯医者さんへの疑問や不安が少しでも解消され、安心して治療を受けられるお手伝いができれば幸いです。
ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
目次
「アマルガムは除去した方がいいの?」の質問に全力回答!
今回は、アマルガムって除去した方がいいの?という質問に対して全力でお答えしていきます!
そもそもアマルガムって?銀歯と何が違うの?という方も多いと思います。
このコラムではアマルガムに関する素朴な疑問から除去治療の事まで詳しく解説していきますので、是非最後までお読みください!
まず、アマルガムとは?
水銀と銀、銅、亜鉛などの金属を混ぜた歯科材料です。安価で強度が高いため、長年歯の詰め物として広く使用されてきました。しかし、水銀が溶け出して体内に蓄積する可能性や、環境汚染への影響などが指摘され、近年では使用が減少しています。
アマルガムの種類
アマルガムは、水銀の含有量や配合される金属の種類によって、以下のように分類されます。
歯科用水銀アマルガム
水銀が約50%、銀が約35%、スズが約9%、銅が約6%、亜鉛が少量含まれる合金です。日本では、昭和初期から平成初期頃まで、虫歯の詰め物として広く使用されていました。
銀アマルガム
水銀が約70%、銀が約30%含まれる合金です。歯科用水銀アマルガムよりも水銀の含有量が多く、現在はほとんど使用されていません。
金アマルガム
水銀が約60%、金が約40%含まれる合金です。銀アマルガムよりも水銀の含有量が多く、現在はほとんど使用されていません。
アマルガムの特徴
アマルガムは、以下のような特徴があります。
加工性が高い
柔らかく、容易に加工することができます。
強度が高い
固まってから硬くなり、強い力に耐えることができます。
耐久性が高い
長期間にわたって使用することができます。
比較的安価
他の歯科用金属材料に比べて安価です。
アマルガムの欠点
アマルガムは、以下のような欠点もあります。
水銀を含む
水銀は、人体に有害な重金属です。近年では、アマルガムから溶け出した水銀が体内に蓄積し、健康被害を引き起こす可能性があることが指摘されています。
審美性に劣る
銀色のため、目立ちやすいという欠点があります。
金属アレルギーを引き起こす可能性がある
アマルガムに含まれる金属が、金属アレルギーを引き起こす可能性があります。
二次カリエスが発生しやすい
アマルガムと歯の間には隙間ができやすく、二次カリエスが発生しやすいという欠点があります。
アマルガムの使用状況
アマルガムの健康被害が指摘されていることから、近年では多くの国々で使用が制限されています。
日本におけるアマルガムの使用状況
2009年4月から、小児、妊婦、授乳中の女性へのアマルガムの使用が禁止されました。2020年4月からは、歯科用水銀アマルガムの使用が原則禁止となり、例外的に使用が認められる場合には、患者への十分な情報提供と同意が必要となりました。
欧州連合におけるアマルガムの使用状況
2000年から、歯科用水銀アマルガムの使用が段階的に廃止されています。
米国におけるアマルガムの使用状況
2009年から、小児へのアマルガムの使用が禁止されています。
アマルガム除去治療を希望される場合
アマルガムによる健康被害が懸念されていることから、アマルガムを他の歯科用金属材料やセラミック等に置き換える「アマルガム除去治療」を希望される患者さんが増えています。
アマルガム除去は、保険適用となる場合と、自費診療となる場合があります。また、除去後の治療内容によっても費用が異なります。
アマルガム除去を検討している場合は、事前に歯科医師に相談し、費用や治療内容について確認してください。
もりかわ歯科ではアマルガム除去を希望される患者さんからのご相談を随時受け付けております。当院予防歯科又は治療にお越しいただきお気軽にご相談ください。
詳しくはもりかわ歯科志記診療所の診療科目一覧をご覧ください。
アマルガムと銀歯の違いって?
アマルガムと銀歯は、どちらも虫歯の治療に使われる詰め物ですが、実は同じものではありません。
アマルガムは、水銀と銀、スズ、銅などの金属を混ぜ合わせた合金です。
一方、銀歯は、一般的に「金銀パラジウム合金」と呼ばれる金属で作られています。金銀パラジウム合金は、銀の他に、金、パラジウム、銅などが含まれています。
以下、アマルガムと銀歯の主な違いを表にしてみました。
アマルガムと銀歯の主な違い
近年では、アマルガムの健康被害が懸念されていることから、多くの国々で使用が制限されています。日本では、2020年4月から歯科用水銀アマルガムの使用が原則禁止となりました。
一方、銀歯は、審美性や安全性に優れていることから、現在でも広く使用されています。
まとめ
アマルガムと銀歯は、それぞれ異なる材料で作られており、利点と欠点も異なります。虫歯の治療を受ける際には、歯科医師と相談し、自分に合った詰め物を選ぶことが大切です。
過去のアマルガム詰め物、除去は慎重に!
知っておくべき危険性と安全な方法
かつて主流だった銀色の詰め物「アマルガム」。実は水銀が含まれており、近年は健康への影響が懸念されています。除去を希望する方も増えていますが、安易な除去は危険を伴います。
アマルガム除去の危険性
アマルガム除去は、適切な方法で行わなければ、以下の危険性を伴います。
水銀中毒
アマルガムを除去する際に発生する水銀蒸気は、体内に入り込むと水銀中毒を引き起こす可能性があります。頭痛、めまい、腎障害など、様々な症状が現れます。
二次感染
アマルガム除去によって歯の神経が露出してしまうと、細菌感染のリスクが高まります。
歯の損傷
アマルガム除去の際に、周囲の健康な歯質まで削ってしまう可能性があります。
安全なアマルガム除去
アマルガム除去を検討する場合は、以下の点に注意しましょう。
歯科医院選び
水銀対策に十分な設備と技術を持つ、実績のある歯科医院を選びましょう。
除去方法
安全性の高い「ラバーダム防湿」や「バキュームシステム」を用いるなど、水銀蒸気の飛散を徹底した方法で行う必要があります。
体調管理
体調が優れない場合は、アマルガム除去を延期しましょう。
アフターケア
除去後の経過観察や、必要に応じて他の治療を受けることが重要です。
アマルガム除去の必要性
アマルガム自体は安定した物質であり、短期的には健康被害を引き起こす可能性は低いと考えられています。しかし、長期的な影響や、体質によっては影響を受けやすい場合もあります。
以下のような場合は、アマルガム除去を検討した方が良い場合があります。
- 虫歯や破損など、アマルガム詰め物が劣化している場合
- 金属アレルギーがある場合
- 審美的な理由で詰め物を白磁などにしたい場合
- 水銀による健康被害が心配な場合
アマルガム除去は、適切な方法で行えば安全に行うことができます。しかし、安易な除去は危険を伴うため、慎重に検討する必要があります。
アマルガム除去を検討する際は、信頼できる歯科医院に相談し、十分な情報収集と説明を受けた上で判断することが重要です。
情報源
- 厚生労働省 水銀に関する情報:https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2013pdf/20131202112.pdf
- 日本歯科医師会 アマルガム:https://www.env.go.jp/council/05hoken/y0512-02b/12_%E5%8F%82%E8%80%83%E8%B3%87%E6%96%99_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%AD%AF%E7%A7%91%E5%8C%BB%E5%B8%AB%E4%BC%9A%E3%80%80%E8%B3%87%E6%96%99.pdf
アマルガム除去をお考えの方はもりかわ歯科に相談ください
もりかわ歯科ではアマルガム除去に関する知識豊富なドクターが在籍しております。
過去に銀の詰め物又は被せ物を入れる治療を受けたことのある方は一度ご来院いただき、お気軽にご相談ください。
歯は一生大事にしていくべき大切な体の一部です。
歯に関して少しでも不安がある方はできるだけ早めの受診をお願いしております。
手遅れになる前にご相談だけでもお越しください。
まとめ
いかがだったでしょうか?
アマルガムって除去した方が良いのか?の質問に全力回答いたしました!
アマルガムがお口の中にある方は不安になったかもしれません。
ですが、体に有害である場合は放置しても良いことは何もありません。
昔入れた銀の詰め物・被せ物がある方はアマルガム除去について一度真剣に考えてみてください。
このブログがそのきっかけになれば幸いです。
大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科では日々の診療で患者さまとの対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を行っております。
歯に関する心配事がございましたらいつでも大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科へお越しください。
審美歯科にご興味のある方、歯列矯正をお考えの方も当院では矯正無料相談を実施していますので、お気軽にお問い合わせください。
詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページも併せてご覧ください。