こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。
歯に黒い部分があると虫歯なのではないかと不安になる方もいるでしょう。毎日ブラッシングを行っているのにどうして黒い部分ができたのか、虫歯以外に黒くなる原因はあるのか気になっている方もいると思います。
歯の黒い部分は本当に虫歯なのでしょうか。また、歯が黒くなるのを防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか。
そこで本記事では、歯に黒い部分ができる原因や予防法について解説します。歯が黒く虫歯なのではないかとお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
歯が黒くなるのは虫歯?
歯が黒いと虫歯なのでしょうか。歯が黒く変色する原因にはさまざまあります。
以下に、歯が黒くなる原因と対処法を解説します。
初期虫歯
初期虫歯は白色や乳白色をしています。初期虫歯はブラッシングをおこなって適切に対処できれば治療が必要ない場合もあります。
しかし、なかには脱灰と再石灰化を繰り返しながら虫歯が慢性化するケースもあります。慢性化した虫歯は硬くなり、歯が黒く変色することがあるのです。
進行している様子がなければ経過観察をして様子をみる場合もありますが、中で虫歯が広がっている可能性もあります。自己判断せずに必ず歯科医院を受診して確認してもらいましょう。
初期虫歯と診断された場合は、治療はせずに経過を観察します。フッ素塗布やブラッシング指導をおこない、自宅でのセルフケアができるようにサポートして様子をみます。初期虫歯はケア次第では治る可能性があるため、しっかりと対処することが大切です。
着色
歯の溝や詰め物・被せ物の隙間は着色汚れが付きやすい部分です。歯の溝や詰め物・被せ物との境目に沿って黒く変色している場合は、着色汚れの可能性が高いでしょう。
特に、生えたての乳歯は歯の溝が深いため着色汚れがつきやすいです。また、喫煙している方やコーヒー・お茶などをよく飲む方は着色汚れがつきやすいといわれています。
着色汚れと初期の虫歯は見分けが付きにくく、虫歯だと思っていたけれど、実際は着色汚れだったというケースも多くみられます。着色汚れは虫歯ではないので歯を削る必要はありません。
しかし、着色汚れは歯ブラシでは除去できないため、歯科医院でクリーニングを受け、除去してもらう必要があります。歯に着色汚れが付きやすい方は、定期的に歯科医院でクリーニングを受けましょう。
歯石
歯と歯茎の境目に黒い点がある場合は、歯石の可能性が高いでしょう。歯石は乳白色をしているイメージをおもちの方もいるかもしれませんが、歯周病が原因で歯茎から出血があると歯石に血液が混じって黒色になります。
歯と歯茎の境目にある歯周ポケットの中に形成される歯石を縁下歯石といいます。歯周ポケット内の歯石を放置すると歯周病の原因になるため、歯石を取り除き清潔な状態を保つことが大切です。
歯石は歯ブラシでは除去できません。歯科医院でスケーラーと呼ばれる専用の器具を使用して取り除きます。
歯石はプラークが石灰化したものです。歯科医院で歯石を除去してもらっても、歯磨きが不十分で磨き残しが多いと、歯の表面に再び歯石が付着する可能性もあるでしょう。歯石の付着を予防するためには正しい歯磨きの仕方を身につける必要があります。
歯の神経が死んでいる
歯全体が黒く変色している場合、歯の神経が死んでいる可能性があります。
歯の神経が死んでしまう原因は、虫歯や打撲です。ボールが当たったり、口元を打ちつけたりして強い衝撃が加わると、時間が経ってから歯の神経が死んでしまうケースがあります。
歯の神経が死ぬと歯の神経や血管が働かなくなるため、歯に栄養が行き渡りません。長期間、栄養が届かなくなると、歯が黒くなるのです。
歯の神経が死んだまま放置すると、神経が通る管(歯髄)が細菌感染を起こし、痛みや歯茎の腫れなどの症状が出る可能性があります。神経が死んでしまった歯は削り、神経の処置をして詰め物・被せ物を装着する治療が必要になるでしょう。
歯を強く打ちつけたときは、症状がなくても歯科医院を受診して確認してもらうと安心です。
歯の黒い部分の検査方法
歯に黒い部分がある場合、黒い部分が虫歯なのか、また治療は必要なのか診断する必要があります。
歯科医院でおこなう歯の黒い部分の検査方法は、以下の4つです。
視診
視診とは、目で虫歯かどうか確認する方法です。歯と歯の間や歯と歯茎の境目、詰め物・被せ物との境目はご自身では確認しにくい部分のため、変色以外の変化を見落としやすいです。
黒く変色している以外に、穴が空いているなど明らかな虫歯の症状がないかを歯科医師が目で見てチェックします。
触診
触診とは、器具を使って歯を触り、異常がないか確認する方法です。黒くなった部分を触って、歯の硬さや穴が空いていないかを確認します。
視診では穴が空いているように見えなくても、実際に触ってみると小さな穴が空いているケースも少なくありません。
レントゲン撮影
レントゲン撮影をすると虫歯の部分は黒く写ります。歯の表面では小さな黒い点でも、中で虫歯が広がっているかどうかは、レントゲン撮影をしないとわかりません。
レントゲンでは、歯の神経の位置も確認できます。虫歯の大きさや神経との距離を確認できるので、診断や治療計画を策定する際の有益な情報を得られます。
レーザー光で測定する
レーザーの光を当てて虫歯の有無や進行状態を確認することもあります。虫歯の状態が数値化されるため、初期虫歯の診断などに有効な方法です。
歯が黒くならないためにはどうしたらいい?
歯が黒くならないためにはどのような対策をとればいいのでしょうか。
歯が黒くならないためのポイントは、以下のとおりです。
正しいブラッシング方法を習得する
歯を黒くさせないためには正しいブラッシング方法を習得することが大切です。ご自身では、しっかり歯磨きができていると思っていても、磨き癖などによってしっかり磨けていない場合があります。
正しいブラッシング方法がわからないという方は、歯科医院でブラッシング指導を受けるとよいでしょう。ブラッシング指導では、歯科衛生士が患者さん一人ひとりの歯並びに合わせた歯磨きの仕方を指導します。
ご自身の歯並びに合った歯磨きの仕方を習得・実践できれば、虫歯などによって歯が黒くなるのを予防できるでしょう。
補助清掃用具を使用する
歯磨きをする際は歯ブラシだけでなく補助清掃用具も使用するとよいでしょう。デンタルフロスや歯間ブラシ、ワンタフトブラシなどの補助清掃用具を使用することで、歯と歯の間や歯と歯茎の境目に付着した汚れもきれいに除去できます。
フッ素入り歯磨き粉・洗口液を使用する
フッ素には、歯質の強化や虫歯菌の活動を抑制する効果、再石灰化を助ける働きがあります。日頃のセルフケアにフッ素入りの歯磨き粉や洗口液を使用してセルフケアをしっかりとおこなえば、虫歯予防はもちろん初期虫歯の改善も期待できるでしょう。
また、歯科医院を受診して定期的にフッ素塗布をしてもらうとより効果的です。3か月に1回ほどの頻度で歯科医院を受診して、フッ素塗布を受けるとよいでしょう。
糖分を控える
歯が黒くなる原因のひとつに虫歯があります。虫歯菌は糖分をエサに増殖して酸を作りだします。歯の表面に酸が付着すると歯が溶け出し虫歯になるのです。糖分の多いものをよく口にする方は、虫歯リスクが高くなるでしょう。
時間を決めて食事をする
歯が黒くなる原因である虫歯を予防するためには、時間を決めて食事をすることも重要です。私たちの口の中は通常、中性の状態です。食べ物を口にすると酸性に傾きます。お口の中が酸性に傾くと、歯の表面が溶け出します。
間食が多かったり、ダラダラ食べをしていたりすると酸性の状態が長く続き、虫歯になるリスクが高まるのです。食事をするときは時間を決めるようにしましょう。
歯科医院で定期検診を受ける
歯が黒くなるのを予防するためには、歯科医院で定期検診を受けることも重要です。万が一、虫歯や歯周病が見つかっても、定期的に歯科医院を受診していれば早期に発見・治療でき、重症化を防げるでしょう。
また、定期検診では歯のクリーニングも行います。自宅での歯磨きでは、歯に付着した汚れを落としきることはできません。歯科医院では専用の器具や機械を使って、ふだんの歯磨きでは落としきれない汚れを徹底的に除去します。
歯が黒く見える原因のひとつである着色汚れや歯石はセルフケアでは落とせないため、定期的に歯科医院でクリーニングを受けることが重要なのです。歯科医院で定期的にクリーニングを受けることで、着色汚れや歯石を除去でき、お口の中を清潔に保てるでしょう。
まとめ
歯が黒くなる原因は、初期虫歯や着色汚れ、歯石などさまざまです。歯の神経が死んで黒くなることもあるでしょう。
歯が黒くなっているのを発見したら速やかに歯科医院を受診して問題ないか確認してもらいましょう。黒い部分が小さくても、中で大きく虫歯が広がっているケースもあります。
歯が黒くなるのを予防するためには、自宅でしっかりとブラッシングを行い、歯科医院で定期検診を受けることが重要です。
虫歯にお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。