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喫煙と歯周病のリスク!口腔内への影響と禁煙効果を解説

2024年5月24日
喫煙するビジネスマン

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

喫煙が健康に良くない影響を与えることは、よく知られています。口の中の健康に関しても、喫煙は歯の着色汚れや口臭の原因になるなど、悪影響を及ぼすでしょう。

さらに、喫煙によって歯周病を発症しやすくなったり、進行が早くなったりするリスクもあります。

今回は、喫煙による歯周病のリスクについて解説します。禁煙できないときの対処法や受動喫煙のリスクについてもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

喫煙が口腔内に与える影響

タバコを吸う人

喫煙は、口腔内の健康に影響を与えます。タバコの煙に含まれる化学物質のうち、200種類以上が有害物質といわれています。

中でも影響が大きいとされるのが、ニコチン・タール・一酸化炭素です。それぞれが口腔内にどのような悪影響を及ぼすのか確認しましょう。

ニコチンの影響

ニコチンは、タバコに含まれる代表的な有害物質です。依存性や中毒性が高く、喫煙者がなかなか禁煙できないのはニコチンが原因です。

ニコチンには血管を収縮させる作用があり、脳や皮膚、歯肉への血流を阻害します。歯肉への血流障害が長期化し貧血状態が続くと、歯茎が徐々に黒ずんでいきます。

また、ニコチンによる血管収縮作用は、歯肉からの出血を抑制します。歯肉が腫れるなどの歯周病の症状があっても、出血しにくいので気づきにくいでしょう。

ニコチンには唾液の分泌を抑える作用もあります。口腔内が乾燥し細菌が増殖しやすくなるため、口臭やプラーク・歯石が付きやすくなるのです。

タールの影響

タールは、タバコの煙に含まれる粘着性のある有害物質です。歯の表面に付着して歯を変色させます。喫煙者の歯が黄ばんだり、茶色くなったりするのはタールが原因です。

タールは粒子状なので、歯に付くと歯面がざらざらになります。そのため、プラークが付着しやすくなり、虫歯や歯周病、口臭のリスクが高まります。

一酸化炭素の影響

一酸化炭素は、血液中のヘモグロビンと結合する性質を持っています。

ヘモグロビンが一酸化炭素と結合すると、酸素を運搬する能力が低下します。その結果、細胞への酸素供給が阻害され、組織が酸欠状態に陥ります。口腔内が貧血状態になり、歯茎が黒ずむことがあるのです。

さらに、歯周ポケット内の酸素濃度が低下すれば、歯周病の原因となる細菌が繁殖しやすくなり、歯周病の進行につながるでしょう。

喫煙は歯周病に影響する?

歯周病の男性

喫煙は口腔内の健康に深刻な影響を及ぼし、特に歯周病のリスクを高めます。1日10本以上の喫煙習慣がある人は、歯周病になる割合が高いというデータがあります。喫煙本数が多いほど歯周病のリスクが高まり、歯周病が進行する危険性も高くなるのです。

また、喫煙期間が長いほど、歯周病のリスクは高くなります。歯周病は徐々に進行する病気です。喫煙による歯肉や歯の健康への悪影響は、長年の積み重ねによって少しずつ現れます。

歯肉の退行や細菌への抵抗力の低下が進み、最終的に歯を失うこともあるでしょう。

タバコによって歯周病が悪化するメカニズム

タバコに含まれるタールが付着すると、歯の表面がざらざらと粗くなります。そのため、プラークが付着しやすくなり、歯周病を発症しやすい環境が作られます。

また、タバコを吸うと、血管の収縮によって歯茎への血液供給が阻害されます。血液が十分に行き渡らなければ、歯周ポケット内の酸素濃度も低下します。その結果、歯周病菌が活発に繁殖する環境が完成するのです。

喫煙は、口腔内だけでなく全身の免疫機能を低下させます。病原体に対する防御力が落ちれば、歯周病菌の活動を抑えにくくなります。これにより、喫煙者は歯周組織の破壊が進みやすくなります。

歯周病の進行を止めるには、早期に適切な治療を行うことが重要です。歯ブラシやフロスで擦った際に歯茎の出血があれば、歯周病の進行に気づくことができます。

しかし、喫煙者の場合は、歯茎の出血が起こりにくくなっています。そのため、初期の歯周病の症状に気づかずに、放置してしまう可能性が高いのです。

歯周病治療にも喫煙は影響する?

歯周病の治療

喫煙は歯周病の治療にも悪影響を与えます。ニコチンは、歯根膜を覆っているセメント質と結合する性質があります。歯周病の治療を行っても、再び喫煙するとニコチンが歯の根元に結合し、治療の効果が維持されないのです。

喫煙によって引き起こされる血行不良と組織への酸素供給不足により、歯肉が治癒する力も低下します。治療後の回復の遅れにもつながるでしょう。

治療によって一時的に歯肉の状態がよくなったとしても、喫煙を続けていれば、歯周病が再び悪化するリスクは高いままです。喫煙者は非喫煙者に比べて、歯周病を再発するまでの期間が短い傾向があります。

禁煙の効果

禁煙と喫煙の比較

禁煙することは、上述した喫煙による口腔内へのさまざまな悪影響をなくし、健康的な歯肉を取り戻すことにつながります。具体的には、歯肉の血流悪化・免疫機能の低下・プラークが付着しやすい環境などを改善することができます。

お口の中が清潔になれば、歯周病が進行しやすい環境も改善されます。歯茎に十分な血流があれば回復力が高まるので、治療の効果も出やすくなるでしょう。

禁煙ができないときの対処法

歯周病の治療を受ける

歯周病を予防し、進行を抑えるには禁煙することが理想です。禁煙ができない場合は、禁煙以外の対処法を徹底することが重要です。

禁煙ができないときの対処法を確認しましょう。

セルフケアを継続する

歯周病対策ではブラッシングに加え、歯間ブラシやデンタルフロスを使用して歯間の清掃を行うことが大切です。口腔内の清掃は、少なくとも1日2回は行うようにしましょう。

効果的なブラッシングとして、歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、優しく磨く方法が推奨されています。歯周ポケットに溜まったプラークを効果的に除去できます。

歯ブラシだけでは届かない歯間部分の清掃には、歯間ブラシやデンタルフロスが有効です。

歯間ブラシは、歯と歯の間に挿入しやすい形状をしており、歯間のプラークや食べかすを効率的に除去できます。デンタルフロスは、歯と歯の間の小さな隙間を清掃できる道具です。

毎日のセルフケアに取り入れて、しっかりと汚れを落としましょう。

定期的に歯科検診を受ける

定期的な歯科検診は、歯周病対策には欠かせません。歯科医院では、スケーリングやルートプレーニングなどの専門的なクリーニングを受けることができます。セルフケアでは落としきれない歯石やプラークを徹底的に除去することで、歯肉の健康が保たれます。

また、歯科検診は歯周病の早期発見につながります。歯周病の初期段階であれば、簡単な治療で完治する可能性が高いです。重度の歯周病に進行する前に、適切な治療を受けましょう。

糖尿病を治療する

糖尿病は歯周病と強い関連があり、糖尿病患者は歯周病になりやすいです。高血糖状態が続くことにより、白血球の機能が低下して感染に対する抵抗力が低くなるためです。

血糖値を定期的にチェックし、医師の指導のもとで食事療法・運動療法、必要に応じて薬物療法を行います。血糖値をコントロールできれば、歯周病のリスクを下げられるでしょう。

免疫力を高める

免疫力を高めることで、細菌やウイルスから身を守る力が向上します。そのためには、バランスの取れた食事や十分な睡眠、定期的な運動が大切です。

ビタミンCやビタミンD、亜鉛などは免疫機能をサポートするので、積極的に摂取しましょう。また、ストレスは免疫力を低下させます。趣味の時間を持つなど、ストレスをためない生活習慣づくりを心がけてください。

受動喫煙でもリスクがある?

受動喫煙のリスク

自分自身が喫煙をしなくても、他人のタバコの煙を吸い込む受動喫煙によって歯周病リスクが高くなるという報告があります。受動喫煙者の歯周病リスクは、受動喫煙がない人の3.6倍です。

また、受動喫煙による健康被害は歯周病だけではありません。癌や呼吸器疾患のリスクの増加、乳幼児の健康被害などにもつながります。

家庭内や職場などでタバコの煙を吸わないこと、吸わなくてもいい環境に整えることが大切です。

参照元:国立研究開発法人 国立がん研究センター「受動喫煙と歯周病のリスクとの関連について

まとめ

禁煙を進める歯科医師

喫煙によって、歯周病のリスクは高まります。喫煙は歯にプラークを溜まりやすくし、歯肉の血行も悪化させます。歯周病が進行しやすい環境が作られ、歯肉の回復力も低下するので、歯周病治療の効果も出にくくなるでしょう。

歯周病のリスクを減らすには、禁煙することが大切です。どうしても禁煙できない場合は、禁煙以外の歯周病対策をしっかり行いましょう。毎日のセルフケアや定期的な歯科検診を欠かさず、ストレスをためないことが、全身の健康状態を良好に保つために重要です。

歯周病でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

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