こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。
乳歯は、子どものうちに生え変わって永久歯になります。
とはいえ、乳歯が抜けるのが早いと「大丈夫かな」と心配になることもあるかもしれません。また、なかには乳歯が抜けたあと、なかなか永久歯が生えてこないというケースもあるでしょう。
今回は、乳歯が抜けるのが早いと影響はあるのか解説します。歯が生え変わる時期や永久歯が生えてこないときの対処法についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
乳歯が抜け始める時期は?
乳歯が抜け始める時期は、男女とも5歳半〜7歳頃です。歯が抜ける時期には個人差があるため、周囲のお子さんの歯が抜け始めると心配になることもあるかもしれませんが、ゆっくりと待つようにしましょう。
歯は1本ずつ抜けるとは限りません。2本抜けることもあれば、次の歯が抜けるまでに期間があくこともあります。
心配な場合は、歯科医院でレントゲン写真を撮れば、歯ぐきの中の永久歯の状態が確認できます。歯科医院でじっとしていられるようになれば、レントゲン撮影ができますので、生え変わりの時期になったら、検討すると良いでしょう。
乳歯が抜けるのが早いと歯並びに影響はあるの?
乳歯が早く抜けてしまうと「歯並びに影響があるのではないか」と心配する保護者の方もいますが、心配しすぎる必要はありません。
乳歯が抜ける時期はあくまで目安です。個人差が大きく、永久歯が生える準備が整っていたり、顎の成長が早かったりするお子さんは歯が早く抜けることがあります。顎がしっかり成長してくれば、永久歯が並ぶ土台ができるため、見守るようにしましょう。
顎の成長と歯並びのバランスを見るためには、定期検診と併せてチェックしてもらうのが良いでしょう。継続的に経過をみていくことで、矯正治療が必要な場合も、適切な時期に始めることができます。
乳歯が抜けてから、永久歯がなかなか生えてこない場合は、歯並びに影響する可能性があるため、歯科医院を受診して相談しましょう。ほかにも、以下の場合は注意が必要です。
3歳よりも前に乳歯が抜けた場合
非常に頻度が少ない症例ですが、乳歯が抜けるのが早すぎる場合には、低ホスファターゼ症という遺伝性の難病の可能性があります。発症割合は10万人に1人と非常に少ないですが、乳歯が抜けたことがきっかけで病気に気がつくことがあります。
あまり低年齢で歯が抜けてしまった場合には、歯科医院を受診して相談しましょう。
乳歯が抜けるのが遅い場合
乳歯が抜けるのが遅く、横から永久歯が生えてきてしまった場合には、注意が必要です。乳歯がぐらぐらと揺れている場合には様子をみることもあります。
しかし、乳歯が抜ける様子がない場合は永久歯の歯並びに影響する可能性があるため、歯科医院で乳歯を抜くケースもあるでしょう。
乳歯が抜けたあとの注意点
歯ぐきの中の永久歯が成長すると、乳歯の根が溶かされていき、次第にポロリと抜けます。ここでは、乳歯が抜けたあとの注意点について解説します。お子さんの歯の健康を保つための参考にしてください。
清潔にする
乳歯は歯の根が溶かされた状態で取れるので、抜けたあとの傷口は深くありません。
とはいえ、乳歯が抜けた部分は傷になっているため出血しやすいです。感染を起こさないよう、指などでできるだけ触らないようにし、清潔に保つようにしてください。子どもは気になると触ってしまいますので、保護者の方が注意を促すようにしましょう。
抜けた歯の根を確認する
先ほども説明したように、乳歯が抜けるときは歯の根が溶かされた状態で抜けます。歯の根がなくなっていることを確認しましょう。歯の根の大部分が残っている場合には、病気が潜んでいる場合や、トラブルが起きている可能性があります。早めに歯科医院を受診しましょう。
丁寧に仕上げみがきをする
乳歯が抜けたあとは、歯みがきがしづらい状態のため、抜けた歯の周囲に汚れが溜まりやすくなります。歯ぐきの部分をゴシゴシとみがくと痛いので、うまく磨けていないことが多いです。保護者の方が意識して周囲の歯の仕上げみがきをしてあげましょう。
永久歯が生えてくることを確認する
乳歯が抜けたあとは、永久歯が生えてくることを確認しましょう。永久歯は乳歯が抜けてからおおむね3ヶ月程度で生えてきます。こちらも個人差が大きく、半年ほど経ってから生えてくる症例もあります。
乳歯が抜けたあとに永久歯が生えてこない場合は
上述のとおり、乳歯が抜けてから3ヶ月程度で永久歯が生えてきますが、半年以上経っても永久歯が生えてこない場合には、歯科医院を受診して相談したほうがよいでしょう。
乳歯が抜けたあとに永久歯が生えてこないときに考えられる原因と対処法を解説します。
永久歯の先天性欠如
永久歯の歯胚(しはい)という歯の元は、お腹に中にいるときにつくられ始めます。
しかし、何らかしらの原因で歯胚がつくられず、生まれつき永久歯がないという場合もあるのです。全ての永久歯がないことはほとんどありませんが、数本の歯がないという症例はあります。
日本小児歯科学会の調査によると、約10人に1人に先天性欠如歯があるという結果がわかっています。永久歯が先天的にない場合には、乳歯が抜けずにそのまま残り続けることが多いですが、稀に隣の歯の影響などで抜けることがあります。
この場合は経過観察をして歯がないところのスペースを埋めるように歯並びを整えたり、入れ歯やインプラント、ブリッジなどの人工歯で補ったりします。いずれの場合も、顎の骨が成長してからが望ましいので、定期的に歯科医院を受診して経過観察してもらいましょう。
参照元:日本小児歯科学会学術委員会「日本人小児の永久歯先天性欠如に関する疫学調査」
歯ぐきが厚すぎる
通常よりも歯ぐきが厚いと、なかなか永久歯が出てこられない場合があります。経過観察が基本ですが、なかなか出てこない場合には、歯ぐきを少し切開して、永久歯が出やすくすることもあります。
それでもなかなか出てこない場合には、歯を引っ張り出す治療を行うこともあるでしょう。
外傷で乳歯が早く抜けてしまった
通常は、歯ぐきの中にある永久歯が育ってくるにしたがって、乳歯の根が溶けて抜ける仕組みになっています。
ところが、歯ぐきの中の永久歯がまだ育っていないにも関わらず、外傷などで乳歯が早く抜けてしまうと、なかなか生えてこないことがあるのです。この場合も経過観察になります。
外傷によって乳歯が抜けたときには、必ず歯科医院を受診して、レントゲン撮影を行なってもらうのが良いでしょう。それにより、歯ぐきの中の永久歯の状態を確認することができます。
過剰歯が邪魔になっている
乳歯は本来、合計20本ですが、それ以上の数の乳歯がある状態を過剰歯と呼びます。過剰歯は、歯ぐきの中に埋まったままになっていることも多く、永久歯が生えるのを邪魔することがあります。
過剰歯は、永久歯が生える邪魔をするだけでなく、歯並びや噛み合わせが悪くなる原因にもなります。永久歯の歯根を溶かし、永久歯の寿命を縮めることもあるでしょう。
過剰歯がある場合、状況によっては早めに除去したほうが望ましいケースもあります。過剰歯を除去する場合には外科手術が必要です。過剰歯がほかの歯に影響を与えるようであれば、除去するのが良いでしょう。
まとめ
乳歯が抜け始める時期は、5歳半〜7歳頃です。乳歯が抜けるのがあまりにも早いと歯並びが悪くなるのではないかと心配になってしまうことがあるかもしれませんが、問題がないことが多いので見守るようにしましょう。
なかには、乳歯が抜けたのにも関わらず、なかなか永久歯が生えてこない場合もあるかもしれません。乳歯が抜けてから3ヶ月程度で永久歯が生えてくることが多いですが、半年以上経っても生えてこない場合には、何らかしらの問題が起こっているかもしれません。
早めに対処したほうがいい場合もあるため、一度歯科医院を受診して、レントゲン写真を撮ってもらうようにしましょう。
お子さまの歯の生えかわりにお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。