こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。
顎が痛み出した時、虫歯があるのではないかと不安になるかもしれません。また、虫歯と思われる歯が見つけられなかったり、虫歯になっていることが考えられなかったりする場合は、顎の痛みの原因はなんなのか不安になるでしょう。
本記事では、顎が痛む原因に虫歯は関係あるのか、虫歯以外にも顎が痛くなる原因はあるのか詳しく解説します。顎が痛くなった時の対処法もご紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
虫歯が原因で顎が痛くなることはある?
結論から申し上げると、虫歯が原因で顎が痛くなることはあります。
しかし、初期~中期程度の虫歯であれば、顎の痛みは起こりません。虫歯で顎が痛くなるのは、虫歯が進行して重度になった場合です。
初期の虫歯は歯の表面に虫歯菌がとどまるのみですが、進行すると虫歯菌が歯を溶かしながら奥まで進行します。最終的には歯の神経を破壊するでしょう。
虫歯が進行すると歯根の先端部分や顎の骨までも細菌に感染し、膿を作り出します。膿が溜まると炎症を引き起こすため、膿が溜まっている顎の骨の部分が痛いと感じることがあるのです。
虫歯によって顎が痛くなった場合は、痛みの他にも腫れたり発熱したりなどの症状が現れます。
顎が痛いときに考えられる虫歯以外の原因
顎が痛くなるのは、虫歯だけが原因ではありません。虫歯以外にも、さまざまなことが原因で顎の痛みが引き起こされます。
虫歯以外に考えられる顎の痛みの原因は、以下のとおりです。
親知らず
親知らずとは、前歯から数えて8番目に生える奥歯のことです。10代後半~20代前半と、他の歯と比べて遅いタイミングで生えてきます。
親知らずの特徴は、他の歯と比べて綺麗に生えてくる人が少ないことです。例えば、顎が小さいと親知らずの生えるスペースが不足するため、斜めに生えたり半分だけ埋まっていたりします。
親知らずが綺麗に生えてこないと、歯磨きがしにくく磨き残しが生じやすい状態になります。歯垢や歯石などが蓄積しやすいため、細菌が繁殖して炎症が起こるのです。不衛生な口内環境を放置して症状が進行すると、顎にまで炎症が到達して痛みを引き起こすかもしれません。
また、親知らずは抜歯をしなければ痛みは治まらないことが多いですが、親知らずを抜歯した後も、数日は顎に抜歯後の炎症が起こる場合があります。強い痛みを感じることもあるでしょう。
歯周病
歯周病とは、歯垢や歯石に付着した細菌が繁殖し、歯茎や歯を支えている骨に炎症が生じる病気です。進行すると骨が溶かされ、最終的には歯がぬけ落ちる恐れがあります。
歯周病は、初期段階では虫歯と同様に顎の痛みは起こりません。
しかし、自覚症状が出にくいため、気が付かないうちに進行しているケースが多いです。歯周病が進行して重度になると、顎の骨にも強い炎症が引き起こされ、顎に痛みが生じる可能性があります。
人によって痛みの感じ方は異なるため、中程度の歯周病になったタイミングから顎が痛いと感じる方もいます。
顎関節症
顎関節症とは、顎の関節や顎を動かす筋肉に異常が起こり、口が開けにくくなったり、顎を開けた時にカクカクと音が鳴ったりする病気です。歯ぎしりなどによって、顎の関節や筋肉に負荷がかかり続けることが原因で発症するケースが多いでしょう。
無理矢理大きく口を開けようとしたり、食べ物を思いきり噛もうとしたりすると、顎に強い痛みが出ます。痛みが出たことをきっかけに、顎関節症を疑って受診する方が多い傾向にあります。
顎や歯茎の腫瘍
顎の骨や歯茎に腫瘍ができると、腫瘍が良性でも悪性でも顎が痛むことがあります。良性腫瘍の場合は、ある程度大きくならないと症状が出ません。そのため、顎の骨にできた腫瘍が原因で顎が痛む場合には、腫瘍が大きくなっている可能性もあるでしょう。
また、悪性腫瘍の場合も初期は症状がほとんどありませんが、進行すると顎の痛みを始めとするさまざまな症状が現れます。いずれにしても、症状のみでは顎の腫瘍が良性か悪性かの判断はできません。
腫瘍によっては、痛みの他にも歯の位置が変わったり、噛む機能に影響を及ぼしたりする可能性があります。口内に違和感を覚えた際は、早急に医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
口腔顔面痛
口腔顔面痛とは、顎や口の中、顔などに発生する全ての痛みのことを言います。虫歯や歯周病など、口内には異常がないため原因が分からないケースも多いです。
身体的なものだけでなく、心理的葛藤やストレスなど心理的なもの原因になるケースも少なくありません。原因によって治療法が異なるため、気になる方は医療機関を一度受診しましょう。
顎が痛いときの対処法
顎が痛い時、どう対処すればいいのか悩む方もいるかもしれません。ここからは、顎が痛い時の対処方法について解説します。
冷やす
まずは顎の痛む箇所を冷やしてみましょう。保冷剤や氷などを使って冷やすと、冷やしすぎによって血行が悪くなる可能性があるので、冷たいタオルや冷却シートを使用してください。冷やすことによって炎症が静まり、痛みの軽減や改善へとつながります。
また、氷を食べて口の中から冷やそうとする方もいますが、重度の虫歯の場合は口の中を冷やすと痛みが強くなる可能性があるので避けましょう。
冷却は一時的に痛みを和らげる効果がありますが、症状の緩和に過ぎず根本的な原因の改善にはなりません。冷却後も症状が改善しない場合は、早急に歯科医院を受診しましょう。
痛み止めを服用する
冷やしても痛みが治らないという場合には、痛み止めの服用も効果的です。抗炎症薬が含まれる痛み止めであれば、痛みを抑えるだけでなく炎症を和らげることが可能です。
痛みが落ち着いたことで治ったと勘違いする方もいますが、あくまで痛みを一時的に止めているだけなので、痛み止めの効果が切れれば再び痛みが起こります。痛み止めには既往歴や現病歴によっては服用できない種類があるため、自己判断せず医師や薬剤師へ相談しましょう。
口の中を清潔にする
口の中の炎症が原因になって顎の痛みが起こっている場合には、口の中を清潔にすることで痛みの改善へとつながります。口の中に食べかすや歯垢・歯石が蓄積していると、細菌が繁殖し炎症を引き起こしたり、悪化したりするのです。
この場合、口の中を綺麗にするだけでも痛みの改善につながります。応急処置の1つとして試してみると良いでしょう。
顎を休ませる
顎が痛いと、不安になってわざと顎を動かす方もいるかもしれません。
しかし、顎を休ませるだけでも痛みが回復する可能性があります。顎を動かす回数を極力減らして顎を休ませましょう。
長時間人と会話したり、硬い物を食べたりするのも顎を酷使するため避けたほうが良いかもしれません。ガムを噛んだり、飴や氷などを噛む癖があったりする方も、顎が痛い時には控えましょう。
歯科医院を受診する
顎の痛みは、原因に対する治療を受けなければ改善する見込みはありません。そのため、紹介してきた対処法を行っても改善しない、一時的に改善したがまたすぐに顎の痛みが出てきたという場合には、なるべく早く歯科医院を受診して診察してもらいましょう。
虫歯や歯周病、腫瘍などは放置するとどんどん悪化し、顎の痛みが増します。最悪の場合、全身にも不調が広がる可能性があります。
腫瘍だった場合には命に関わるリスクもあるため、なるべく早く歯科医院を受診して顎の痛みの原因を確認し、治療してもらいましょう。
まとめ
顎が痛いと感じる理由は、虫歯や親知らず、歯周病、顎関節症などさまざまです。顎の痛みは、顎を冷やしたり薬を飲んだりして一時的に落ち着かせることはできますが、痛みの原因を治療しなければ根本的な改善は見込めません。
そのため、顎が痛いと感じたら、一旦応急処置をしてから歯科医院を受診して、検査や治療をしてもらいましょう。根本的な原因を知り、原因に合わせた対処をすることが大切です。
顎の痛みにお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病治療、インプラント、セラミック治療、ホワイトニング、歯科矯正など、さまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、予約・お問い合わせも受け付けておりますので、ぜひご活用ください。