こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。
自分のこどもが口呼吸をしていても、あまり気にせずに過ごしている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、口呼吸は歯並びや身体へ様々な影響を及ぼすことが分かっています。改善できるよう導いてあげる必要があるでしょう。
本記事では、こどもの口呼吸による歯並びや身体への影響について詳しく解説します。口呼吸を改善する方法もご紹介するため、こどもの口呼吸が気になっている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
口呼吸が歯並びや身体へ及ぼす影響
口呼吸は20年以上前から問題視されており、歯並びや身体へ様々な影響を及ぼすことも徐々に明らかになってきました。もともと人は鼻で呼吸をする生き物であるため、口で呼吸をするのは正常な状態ではありません。
口呼吸によってどのような影響が生じるのかを解説します。
歯並びが悪くなる
口呼吸は、出っ歯と呼ばれる上顎前突や歯の生える位置がバラバラになる叢生、上下の前歯の間に隙間ができる開咬など、歯列不正の可能性が極めて高くなると言われています。
そもそも舌の先は上の前歯の後ろに接触しているのが正常ですが、口呼吸が習慣化すると舌の位置が下がり、下あごの歯列のアーチの中に収まってしまいます。本来治まるべき場所と異なるので、唇や頬からの圧力がかかりづらくなり上顎の発達が遅れて歯並びが悪くなるのです。
また、舌の位置が正常とは異なる場所にあると、舌を前歯の方向に突き出しやすくなります。前歯が舌で押され続けると、歯と歯の間に隙間ができやすくなるでしょう。
風邪をひきやすくなる
人は鼻で呼吸をしていますが、鼻には鼻毛があります。鼻毛は、空気中にあるホコリやごみ、花粉や細菌、ウイルスなどをキャッチしてくれます。
鼻の粘膜や鼻毛というフィルターを通さずに空気が直接体内に取りこまれると、風邪をひきやすくなったり、花粉症などのアレルギーを起こしやすくなったりします。
虫歯や歯周病の可能性が高まる
口腔内は、唾液による自浄作用や抗菌作用で清潔に保たれています。また、唾液によって乾燥が予防されることで、細菌の繁殖を予防しています。
口呼吸になると口の中が乾燥して唾液の分泌が不足するため、虫歯や歯周病といった口腔内の疾患にかかりやすくなるのです。
顔面への影響
口呼吸によって口がぽかんと開いている状態になると、口の周りの筋肉が十分に発達しません。引き締まった顔になりにくかったり、表情を作る筋肉が十分に発達しなかったり、顔貌や表情に影響を及ぼす可能性があります。
また、発音が不明瞭になったり、くちゃくちゃと音を立てて食事をするようになったりするので、対人関係へ影響を及ぼすこともあるでしょう。
こどもの口呼吸の原因
こどもの口呼吸は決して珍しいことではなく、日本人の30.7%が口呼吸になっていることが分かっています。特に地域差もなく、全国的に平均して約3人に1人のこどもが口呼吸をしているようです。
それでは、なぜこどもが口呼吸になるのでしょうか。
鼻の疾患
鼻に何らかのトラブルが生じると、鼻で呼吸ができなくなるため口呼吸になります。アレルギーや鼻中隔湾曲症などの影響によって慢性的に鼻が詰まっていると、口呼吸をせざるを得なくなり、口呼吸が習慣化するようになるのです。
両者とも治療をしなければ改善は望めませんが、鼻で呼吸できないならば口呼吸すればよいと考えて放置する方も少なくありません。
歯並びや口周りの形
口呼吸は歯並びや口周りの形を悪くする原因にもなりますが、悪い歯並びや口周りの形が口呼吸の原因にもなります。もともと上あごの幅が狭い子や、出っ歯の子は口が閉まりにくくなるため、口呼吸になりやすいです。
扁桃肥大
のどにある口蓋扁桃が通常よりも大きくなると、鼻から空気が流れ込みにくくなるため口呼吸になりやすいです。扁桃肥大は自然治癒する可能性は少ないため、切除しなければならなくなることもあります。
口周りの機能低下
現代の子どもは、口周りの機能が著しく低下していると考えられています。例えば、ハンバーガーやパン、麺類といった柔らかい食事を摂る機会が増えればしっかり咀嚼することが減るため、口周りや顎の筋肉が鍛えられません。
また、ゲーム機やスマートフォンなどの機器の発達によって、しゃべらなくても遊べるようになったため喋る機会も減っているとされています。咀嚼や会話の機会が減って口周りの機能が十分に発達しなかった結果、口呼吸になりやすくなっているとされています。
口呼吸をしているこどもの特徴
口呼吸をしているこどもには、さまざまな身体的特徴があります。自身のこどもが口呼吸をしているのかが判断できないという方は、口呼吸をしているこどもの特徴に当てはまるかどうかをチェックしてみましょう。
唇が白くよく舐めている
口呼吸をしているこどもは唇が乾燥するため、特に上の唇が白くなりやすいです。また、唇が厚くなって肌との境目があいまいになっているケースもあります。
一般的なこどもは、上下の唇の色は同じで色調の変化はありません。また、乾燥が気になることで唇を何度も舐める様子も見られます。
前歯が汚れている
口呼吸をしているこどもは、常に口を少し開けているため前歯が乾燥しやすいです。その結果として、変色しやすく前歯が汚れているように見えます。
また、乾燥している歯は汚れが付きやすいので、カレーなどの色素が強い食べ物を食べた後は前歯だけが極端に汚れてしまうのです。
猫背
猫背の子は、背骨が前に曲がって首や頭が前に突き出る姿勢となるため、空気の通り道が狭まり、呼吸がしにくくなるとされています。少しでも多くの空気を取り込もうと、口で呼吸するようになります。
発音が悪い
口呼吸のこどもは舌が前に出ているため、発音が不明瞭になり滑舌が悪くなりやすいです。特に、舌の先端を上唇や上歯茎につける発音であるタ行やナ行、サ行の発音がうまくできなくなる子供が多いです。
口呼吸を改善する方法はある?
こどもの健やかな成長のために、口呼吸を改善させたいと考える方もいるでしょう。口呼吸を改善させるためにはまず、口呼吸となっている原因を知ることが必要です。そのため、医療機関を受診して口呼吸の原因を調べましょう。
明らかに鼻が詰まっている、鼻をすんすんと吸う様子が見られていれば、耳鼻科を受診すべきでしょう。保護者から見て歯並びが悪いと感じた場合には、歯科医院を受診すると良いかもしれません。
それぞれの原因を取り除くことで、口呼吸は改善します。原因を改善した上で、あるいは、原因を探る時間の余裕がないという方に向けて、自宅でできる口呼吸を改善する方法をご紹介します。
鼻呼吸を意識させる
意識的に鼻呼吸をするように注意を向けることで、口呼吸を改善できます。口を閉じる時間が長くなるだけで口元の筋肉が発達するので、鼻で呼吸をすることをおぼえられます。
ゲーム感覚で保護者と鼻呼吸を練習しても良いでしょう。保護者が鼻呼吸をするように声掛けしてあげることも重要です。
テープを活用する
夜間は意識して鼻呼吸をするのが難しくなります。そのため、口に貼って口呼吸を抑制し、鼻呼吸へと移行させるための鼻呼吸テープを活用するとよいでしょう。
また、鼻に貼る鼻腔拡張テープでも、同様に鼻呼吸へと移行できるので活用してみましょう。
お口の遊びを増やす
現代のこどもは、口笛を始めとしたお口遊びの機会が減っています。そのため、お口遊びをして口周りの筋力を鍛えましょう。
口笛を楽しんだり、「あー」「いー」「うー」「べー」と大きく口を開いて行うお口の体操をしたりしても良いでしょう。
まとめ
こどもの口呼吸は、決して珍しい物ではありません。
しかし、放置することで、歯並びが悪くなったり、体調を崩しやすくなったり、こどもに様々な影響を及ぼします。そのため、こどもの口呼吸は放置せずに早めに対処しましょう。
自身のこどもがなぜ口呼吸になっているかわからないという方は、まず歯科医院で歯並びをチェックしてもらうとよいかもしれません。口呼吸の原因を解明し、早期に口呼吸を改善していきましょう。
こどもの口呼吸でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病治療、インプラント、セラミック治療、ホワイトニング、歯科矯正など、さまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、予約・お問い合わせも受け付けておりますので、ぜひご活用ください。