こんにちは。大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。
歯科医療は専門性の高い分野であり、患者様にとって分かりにくい情報や誤解が生じやすい情報も少なくありません。診療時間内に患者様お一人おひとりに十分なご説明をすることが難しい場合もあるため、このブログを開設いたしました。
このブログでは患者様からよくいただく質問や、知っておいていただきたい歯科医療の知識を、分かりやすく解説することを目指しています。専門用語はできる限り避け、分かりやすい言葉で情報を提供いたします。皆様の疑問を解消し、安心して治療を受けていただけるよう最新の研究結果やエビデンスに基づいた情報も積極的に発信してまいります。
ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
目次
「フロスの正しい使い方」について全力回答!
「歯磨きしてるのに、また虫歯になっちゃった…」
「歯と歯の間に食べ物が挟まりやすいんだよね…」
「フロスって使った方がいいって聞くけど、実際どうなの?」
「フロスってなんか難しそう…」
こんな風に思っていませんか?
実は、歯ブラシだけでは約6割の歯の表面しか磨けていないってご存知でしょうか。
残りの約4割は歯と歯の間や歯ぐきの境目など、歯ブラシの届きにくい部分。ここに汚れが溜まると虫歯や歯周病の原因になってしまうんです。
今回の記事では、そんな歯ブラシの弱点をカバーしてくれる「フロス」に焦点を当てて、その重要性や正しい使い方、そしてよくある疑問について詳しく解説していきます。
この記事を読めば分かること
- 歯ブラシだけでは落としきれない汚れの正体と、それが引き起こす問題がわかります。
- フロスの正しい使い方をマスターし、歯間ケアへの苦手意識を克服できます。
- 自分にぴったりのフロスを見つけることができます。
歯と歯の間の虫歯、その原因を知ろう!
あなたは歯と歯の間をじっくり見たことがありますか?
そこは歯ブラシの毛先が届きにくく、食べかすや歯垢(プラーク)が溜まりやすい場所なんです。
プラークの温床、歯間
歯垢は細菌のかたまり。その中には虫歯の原因菌である「ミュータンス菌」が潜んでいます。
ミュータンス菌は私たちが食事で摂取した糖分をエサにして酸を作り出し、その酸が歯のエナメル質を溶かしていくのです。さらに歯垢は時間が経つと硬くなり、歯石へと変化します。歯石は歯ブラシでは除去できず、歯周病を進行させる原因となります。
気づきにくいからこそ怖い、歯間部の虫歯
歯と歯の間の虫歯は自分では見えにくく、初期段階では自覚症状もほとんどありません。そのため鏡を見ても「あれ?こんなところに穴が!」と、かなり進行してから気づくことも珍しくありません。
放置すると冷たいものがしみたり、ズキズキと痛むように。さらに悪化すると歯の神経を取る治療や、最悪の場合は歯を失うことにもなりかねません。
「歯ブラシだけじゃダメなの?」
「フロスって本当に必要?」
そんな疑問をお持ちのあなたへ。
フロスを使うことで虫歯以外にも様々なトラブルを防ぐことができるんです。
次のセクションでは、フロスを使うことで得られる3つの具体的なメリットをご紹介します。
実は重要!フロスで防げる3つのトラブル
フロスは歯と歯の間のケアに特化したアイテム。
歯ブラシだけでは届かない歯間のプラーク(歯垢)を効果的に除去することで、様々なトラブルからあなたを守ってくれるんです。
歯と歯の間の虫歯を防ぐ!
歯と歯の間は歯ブラシの毛先が届きにくく、プラークが溜まりやすい場所。そこに潜む虫歯菌が、気づかぬうちに虫歯を進行させてしまいます。フロスを使うことで、この隠れたリスクを大幅に減らすことができるのです。
歯周病を予防し、健康な歯ぐきを保つ!
歯周病は歯ぐきや歯を支える骨が溶けてしまう怖い病気です。歯と歯茎の境目にある歯周ポケットにプラークが溜まると歯周病菌が繁殖し、炎症を引き起こします。フロスは歯周ポケットの奥深くまで届き、歯周病菌の温床となるプラークを除去する効果が期待できます。
口臭を予防し、さわやかな息に!
口臭の原因の一つは口の中に溜まったプラークです。プラークに含まれる細菌が食べかすを分解する過程で発生するガスが、あの嫌なニオイの元凶。フロスでプラークを除去することで口臭を予防・改善し、さわやかな息をキープできます。
さらに近年、歯周病が糖尿病や心疾患などの全身疾患にも影響を与えることが明らかになってきています*。毎日のフロス習慣は、お口の健康を守るだけでなく、全身の健康にもつながるのです。
*歯周病が全身に及ぼす影響については以下の記事でもご紹介しています。ぜひご覧ください。
歯周病を放置するとどうなる?症状や原因、進行のリスクと全身への影響
あなたは大丈夫?フロスを使うべき人の特徴
「フロスって、毎日使わないといけないの?」
「歯ブラシでしっかり磨いてるから、私は大丈夫だよね?」
そんな風に思っていませんか?
実は多くの方がフロスによるケアが必要な状態かもしれません。
こんな方は要注意!フロスが必要なサイン
歯並びが悪い、または矯正治療中である
歯並びが悪いと歯ブラシの毛先が上手く届かず、歯垢が溜まりやすくなります。
矯正装置をつけている場合も装置の周りに汚れが溜まりやすく、フロスでのケアが必須です。
歯と歯の間に食べ物が挟まりやすい
食事のたびに食べ物が挟まる場合は歯間が広い証拠。
歯ブラシだけでは汚れを落としきれないため、フロスでのケアが重要です。
歯ぐきから出血しやすい、または歯ぐきが腫れている
歯ぐきからの出血や腫れは歯周病のサインかもしれません。
歯周病は歯を失う原因にもなる恐ろしい病気です。フロスで歯周ポケットの汚れを取り除き、歯周病を予防しましょう。
口臭が気になる
口臭の原因の一つは歯垢や食べかすに繁殖した細菌です。
フロスで歯間の汚れをしっかり除去することで、口臭予防にも繋がります。
少しでも当てはまったら、フロスを試してみよう!
上記の特徴に一つでも当てはまる方は、フロスを使ったケアを始めてみましょう。
毎日の歯磨きだけでは落としきれない汚れをフロスで除去することで、お口の健康をさらに守ることができます。
歯間ケアの基本!フロスの正しい使い方をマスターしよう
「フロスって難しそう…」
「種類もたくさんあって、どれを選べばいいか分からない…」
そんなあなたも大丈夫!
ここではフロスの基本的な使い方から、タイプ別の選び方、より効果的な使い方のコツまで丁寧に解説していきます。
フロスにはどんな種類があるの?
大きく分けて、フロスには「ホルダータイプ」と「糸巻きタイプ」の2種類があります。
ホルダータイプ(糸ようじ)
- 初心者さんにおすすめ!
- 持ち手がついているので、フロスを扱いやすく、奥歯にも簡単に届きます。
- 使い捨てタイプと繰り返し使えるタイプがあります。
糸巻きタイプ
- 慣れると細かい部分まで丁寧にケアできます。
- 経済的で、環境にも優しいのがメリット。
- 糸の種類も豊富で、ワックスタイプやノンワックスタイプなど自分の歯や好みに合わせて選べます。
まずはここから!フロスの基本的な使い方
ここでは一般的な糸巻きタイプのフロスの使い方をご紹介します。
フロスを準備
約40cmほどのフロスをカットし、両端を中指に巻きつけます。
歯間に挿入
親指と人差し指でフロスをピンと張り、歯と歯の間にゆっくりと挿入します。この時、無理に押し込むと歯茎を傷つけてしまうので注意しましょう。
歯の側面を清掃
歯の側面にフロスを沿わせるように優しく上下に動かしてプラークを除去します。
全ての歯間をケア
同じフロスで全ての歯間をケアしようとせず、部位ごとに清潔な部分を使うようにしましょう。
さらに効果UP!フロス上級テクニック
歯間が狭い場合は?
無理にフロスを通そうとせず、ワックスタイプのフロスを使ったり歯間ブラシを試したりしてみましょう。
出血してしまった場合は?
歯周病の可能性があります。出血が続く場合は歯科医院を受診しましょう。
フロスが引っかかる場合は?
むし歯や詰め物の破損の可能性があります。歯科医院でチェックしてもらいましょう。
よくあるフロスに関する疑問を解決!
フロスに関する疑問や不安は人それぞれ。
患者様からよくいただく質問を中心に、改めて分かりやすい様にQ&A形式でまとめました。ぜひ活用ください。
Q1. フロスを使うタイミングはいつ?
基本的には、毎日の歯磨き後、就寝前がおすすめです。
就寝中は唾液の分泌が減って細菌が繁殖しやすくなるため、寝る前に歯垢をしっかり除去することが大切です。
Q2. フロスと歯磨き、どちらが先?
歯磨き→フロスの順番がおすすめです。
歯磨きである程度汚れを落としてからフロスを使うことで、歯間の汚れをより効果的に除去できます。
Q3. フロスを使うと歯と歯の隙間が広がるってホント?
いいえ、フロスを使うことで歯と歯の隙間が広がることはありません。
フロスは歯間の歯垢や食べかすを除去するもので、歯自体を動かすことはありませんのでご安心ください。
Q4. フロスで歯茎から血が出るのはなぜ?
歯茎が炎症を起こしている可能性があります。
歯周病の初期症状の可能性もあるので、出血が続く場合は歯科医院を受診しましょう。
Q5. フロスを使うと痛い場合はどうすればいい?
フロスを無理に通そうとせず、優しくゆっくりと挿入しましょう。
それでも痛みが続く場合は歯や歯茎に問題がある可能性がありますので、歯科医院にご相談ください。
Q6. フロスはどのくらいの時間をかけるべき?
個人差はありますが、全体で3〜5分程度が目安です。
慣れるまでは時間がかかるかもしれませんが、少しずつ慣れていきましょう。
Q7. フロスを使いすぎると歯茎が下がるってホント?
正しい使い方をしていればフロスで歯茎が下がることはありません。
むしろ歯周病を予防することで、歯茎の健康を保つことができます。
Q8. 糸ようじとフロス、どっちがいいの?
歯間が狭い場合はフロス、歯間が広い場合は糸ようじがおすすめです。
歯間が広い場合、フロスではプラークを十分に除去できない可能性があります。
Q9. フロスは使い捨て?
はい、基本的には使い捨てです。
繰り返し使うと細菌が付着し、かえって口内環境を悪化させる可能性があります。
Q10. 市販のフロスで問題ない?
市販のフロスでも問題ありません。
ただし種類が豊富なので、歯間幅や使い心地に合わせて選ぶことが大切です。迷った場合は歯科医院で相談してみるのも良いでしょう。
正しいフロス習慣で、虫歯や歯周病を予防しよう!
フロスは歯ブラシの届かない歯間をケアできる、まさに“隠れたヒーロー”のような存在です。
毎日の歯磨きだけでは防ぎきれない虫歯や歯周病のリスクを、フロスは大幅に軽減してくれます。
なぜフロスが必要なの?その理由を再確認
歯と歯の間は歯ブラシの毛先が届きにくく、プラーク(歯垢)が溜まりやすい場所です。このプラークこそが虫歯や歯周病を引き起こす細菌の温床。フロスはこの歯間のプラークを効果的に除去し、お口の健康を守ってくれるのです。
毎日フロスを使うメリット
虫歯予防:歯間部の虫歯リスクを大幅に軽減
歯周病予防:歯周ポケットのプラークを除去し、歯茎の健康を維持
口臭予防:プラークの除去により口臭の原因菌を減らす
歯の着色汚れ予防:コーヒーやワインなどによる着色汚れも除去可能
毎日の習慣に!フロスの効果的な使い方
タイミング: 毎晩の歯磨き後がおすすめです。
方法: 歯間にフロスを優しく挿入し、歯の側面に沿って上下に動かします。力を入れすぎると歯茎を傷つけることがあるので注意しましょう。
種類: 歯間が狭い場合はフロス、広い場合は糸ようじがおすすめです。
継続: 慣れるまでは時間がかかるかもしれませんが、毎日続けることが大切です。
それでも不安な方は…お気軽にご相談ください
「フロスの正しい使い方が分からない」「歯間が狭くてフロスが入らない」など、お悩みがある方はお気軽に「もりかわ歯科医院」にご相談ください。専門家があなたに合ったフロスの選び方や使い方を丁寧に指導いたします。
まとめ|フロスを使いこなして、自信の持てる笑顔に
今回はフロスの正しい使い方や、よくある疑問について解説しました。
フロスを使うことで歯ブラシだけでは落とせない歯垢を除去し、虫歯や歯周病や口臭を予防することができます。
毎日の歯磨きを丁寧に行うことはもちろん大切ですが、セルフケアだけでは限界があります。磨き残しや歯並びの問題など、自分では気づきにくいリスクが潜んでいるかもしれません。
虫歯を早期発見し適切な治療を受けるためには、定期的な歯科検診とプロによるクリーニングが欠かせません。さらに歯並びが気になる方は矯正治療によって磨き残しを減らし、虫歯になりにくい口内環境を整えることも可能です。
「もりかわ歯科医院」では患者様一人ひとりの口腔状態に合わせた歯磨き指導やクリーニングを行っています。フロスの使い方や選び方など、お気軽にご相談ください。
さあ、今日からフロスを習慣にして、自信の持てる笑顔を手に入れましょう!
大阪府八尾市の歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」
当院では日々の診療で患者様との対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を心がけています。
- インプラント治療
- 入れ歯・ブリッジ
- 審美歯科
- 歯列矯正
など、様々な治療に対応しておりますので、歯に関する心配事がございましたらいつでもお気軽にご来院ください。矯正治療に関する無料相談も実施しておりますので、歯並びでお悩みの方もぜひ一度お問い合わせください。
詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページも併せてご覧ください。