こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。
「入れ歯が頬の内側が擦れて痛い」「食事や会話の際によくずれる」など、入れ歯のお悩みで受診される患者さまは少なくありません。
しかし、中には痛みや違和感などを覚えても、我慢して使っているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。フィット性が良くないものをつけ続けていると、日々の生活に支障が出る恐れもあるため注意が必要です。
今回は、入れ歯が合わないときの症状や合わなくなる原因、違和感や痛みがある状態で使い続けるリスク、合わないと感じるときの対処法などについて解説します。
入れ歯が合わないときの症状
以下のような症状がみられるケースでは、入れ歯が合っていない可能性が考えられるでしょう。
食べ物を噛むときに痛みを感じる
噛むときの痛みは、装置が合わないときにみられる代表的な症状のひとつです。入れ歯には、床(しょう)と呼ばれる歯茎のような部分がありますが、この部分が口の中に密着していないと噛む度にグラグラと動いて痛みが生じやすくなります。
通常、このような装置は口の中にぴったりと吸着するように作られます。
しかし、密着度が低い場合には、細かいすき間に食べ物のカスなどが入り込み、装置が動くことによって粘膜が傷つきやすくなるのです。時には、頬の内側が傷ついて口内炎ができることもあります。
食べ物や飲み物の温度や味を感じにくい
総入れ歯では、口の粘膜の大部分が覆われます。そのため、食べ物や飲み物の温度や味を感じにくくなることがあります。
特に、保険治療で作れるものはプラスチック素材でできており、厚みが出やすいという特徴があります。温度や味がダイレクトに伝わりにくいことによって、食事が楽しめなくなったり、ストレスを感じたりする方も多くいらっしゃいます。
装着時に吐き気がする
義歯は生来口の中にあるものではなく、異物といえます。そのため、つけている時に吐き気をもよおすことがあります。
特に、のどに近い奥歯の部分まで覆われるタイプでは、吐き気を感じる可能性が高くなるでしょう。このようなトラブルの多くは、設計や噛み合わせを調整することにより改善することが可能です。
吐き気をもよおしてつらい方は、我慢せずに早めにクリニックへ受診しましょう。
外れやすい
「会話や食事の際にカパカパ外れて困っている」「頻繁に外れて煩わしい」という方は、床の形が口の中の形に合っていない可能性が高いでしょう。口の中の形状と床の形状が合わずにすき間ができると、密着性が悪くなります。
また、人工歯が高く作られているケースでは、噛む力が部分的に集中しやすく、装置が外れやすくなることがあります。
喋りにくい
違和感が強いものを装着していると、発音に影響することがあります。特に、床や人工歯のサイズが大きいケースでは舌が動かしにくくなるため、サ行・タ行・ラ行の発音が難しくなります。
時間の経過とともに発音のしにくさが改善することもありますが、喋りにくさが続く場合には、装置の高さや土台部分の厚みを調整する必要があるでしょう。会話は日常生活とは切り離せない部分ですので、早めに対処するべきといえます。
入れ歯が合わなくなる原因
義歯は人工物ですので、時間が経つにつれて摩耗して安定感が悪くなることは十分に考えられます。快適性が損なわれる主な原因は、以下の通りです。
装置についた汚れ
入れ歯は毎日つけるものですので、食べカスやプラークなどの汚れが付着しやすくなります。すき間に汚れや食べカスなどが蓄積していると、装置のフィット性が悪くなる原因となるため注意しましょう。
装置の劣化
義歯はプラスチックや金属などの素材からつくられていますが、これらの素材は時間の経過とともに劣化していきます。特に、プラスチックは経年劣化によって形が変わったりひび割れたりすることが多いです。
また、長期間つけることによって擦り減ったり繰り返しブラシで洗浄することによって表面が傷ついたりすることも考えられるでしょう。このように、本体が劣化することによって形状が変化すると、密着性が失われる原因となります。
歯茎の変化
入れ歯は、患者さま一人ひとりに合わせて作られます。
しかし、歯茎の状態は年齢や体調によって日々変化しますので、時間の経過とともに合わなくなることがあります。特に、歯を失った箇所は歯茎が萎縮して形や厚みが変化するケースが多いです。
そのため、装置をつけた際にすき間ができ、そのスペースに唾液や空気が入り込んでカパカパしたり外れたりすることがあります。
顎関節の変化
顎の骨の状態も年齢や体調、ストレスなどによって変化していきます。また、入れ歯は噛むときの刺激が顎の骨に伝わりにくいため、骨が痩せる原因となります。
顎の骨が痩せると、義歯と口の中の粘膜との間にすき間が生じやすくなり、つけている時の安定感が損なわれる原因となります。
合わない入れ歯を使用し続けるリスク
「せっかく作ったのにわざわざ作り直すのはもったいない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、相性の悪いものをつけているとトラブルにつながる恐れがあります。ここからは、合わない装置を使い続けるリスクについて解説します。
口の中の粘膜に傷ができる
ご自身の口に合っていないものをつけ続けていると、歯茎や粘膜が擦れて傷つく可能性があります。炎症が生じて痛みが出たり口内炎ができたりすることも考えられるでしょう。
また、同じ箇所が繰り返し擦れることにより潰瘍ができることもあります。「入れ歯をつけるようになってから口内炎ができやすくなった」という方は、一度チェックを受けるとよいでしょう。
肩こりや頭痛が引き起こされる
装置の高さが高いものや噛み合わせが合っていないものを長時間に渡って使用していると、顎や口周りの筋肉が緊張して頭痛や肩こりの原因となります。また、口周りの筋肉が過度に緊張し、顔のバランスが崩れることも考えられるでしょう。
顎関節症を発症する
フィット性が良くないものをつけ続けていると顎の関節に負担がかかり、顎関節症が引き起こされることもあります。顎関節症を発症すると、顎に痛みがでたり口が開閉しづらくなったりする可能性があります。
重度になると、食事や会話など日常生活に支障が出るリスクも考えられるでしょう。
入れ歯が合わないと感じるときの対処法
入れ歯の装着時に痛みや違和感を覚えるときは、どうしたらよいのでしょうか。ここからは、装置が合わないときの対処法について解説します。
装置を洗浄する
食べカスや細菌の塊などは、安定性を損なう原因となります。そのため、丁寧に洗浄することが大切です。水とブラシで洗浄するだけでなく、専用のクリーナーを活用すると、より清潔な状態を保つことが可能です。
安定剤を活用する
安定剤を使用することで、違和感やフィット感を改善できることがあります。安定剤には、クリームやパウダー、シート、クッションなど様々なタイプの商品がありますので、義歯の種類に適したものを選ぶとよいでしょう。
相性のよいものが分からないという方は、お気軽に歯科医師にご相談ください。
口腔内の状態をチェックする
口の中が乾燥していると、安定感が悪く感じることがあります。こまめに水分補給を行い、常に口の中が潤った状態にしておくとよいでしょう。また、歯茎のトラブルを患っているケースでも、つけている時に違和感を覚えることがあります。
口の中をチェックして普段と異なる症状があれば、クリニックで診てもらってください。
クリニックを受診する
粘膜や顎の骨の状態などは日々変化します。また、装置自体も経年劣化によって変形や破損を起こすこともありますので、定期的にクリニックでチェックを受けましょう。不具合が生じているときには、調整を行って改善できることもあります。
しかし、場合によっては再作製が必要になるケースも考えられます。痛みを感じるような状態でつけ続けていると全身の健康に影響を及ぼすことがあるため、気になる症状があれば早めにクリニックへご相談ください。
その他の治療を検討する
入れ歯の違和感や痛みが強く負担が大きい場合には、その他の治療を検討することも方法のひとつです。自費治療であれば、床を薄くしたり吸着性の高いシリコン素材を選択したりすることも可能です。
また、入れ歯以外の選択肢としてブリッジやインプラントも挙げられます。費用はかかりますが、ご自身の希望に合ったものを選ぶことにより快適性が得られるでしょう。
まとめ
相性が悪い義歯を使用していると、痛みや違和感が生じるだけでなく、噛む力が低下したり発音しにくくなったりすることがあります。また、肩こりや頭痛などの症状がみられることもあるでしょう。
「少しくらいの違和感なら我慢できるかもしれない」「作り直すのが面倒だ」と感じて放っておく方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、簡単な調整で症状が改善できる可能性もありますので、できるだけ早めに受診することを心がけましょう。「最近、入れ歯が外れやすくなってきた」「頬の内側が擦れて何度も口内炎ができる」などのお悩みがある方は、お気軽にクリニックへご相談ください。
入れ歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病治療、インプラント、セラミック治療、ホワイトニング、歯科矯正など、さまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、予約・お問い合わせも受け付けておりますので、ぜひご活用ください。