こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。
インビザラインは、透明なアライナーを使って歯並びを整える矯正方法として、多くの人に選ばれています。
装置の目立ちにくさや取り外しの利便性が魅力ですが、その一方でアライナーが歯から浮いてしまうというトラブルを経験する方も少なくありません。この浮きの状態を放置すると、矯正の進行に支障をきたす可能性があります。
今回は、インビザラインのアライナーが歯から浮いてしまう原因やそのリスク、さらに浮かないようにするための対策について詳しく解説します。インビザラインを検討されている方やインビザライン矯正中の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
インビザラインのアライナーが歯から浮く原因

まずは、アライナーが歯にぴったりとフィットせずに浮いてしまう主な原因を見ていきましょう。
新しいアライナーに交換した
インビザラインでは、治療の進行に合わせて定期的に新しいアライナーへと交換していきます。
新しいアライナーを装着した直後は、歯がまだ完全に動いていないため、装置が歯にしっかりとフィットしないことがあります。これはある程度想定される反応で、時間の経過とともに歯がアライナーに合わせて動いていくことで、解消されるケースが多いです。
ただし、装着時に強く浮いているように感じる場合や、数日経っても浮きが改善しない場合には、歯科医院で相談することが重要です。無理に装着を続けると、歯の移動に悪影響を与えることがあります。
アライナーの装着時間が不足している
インビザラインの効果を最大限に引き出すためには、アライナーを1日20〜22時間装着する必要があります。装着時間を守らずに短時間しか装着していないと、歯の移動が不十分になり、次のアライナーに交換した際にフィットせず、歯から浮くことがあります。
特に、装着時間が日によってバラついていたり、短い時間しか装着できていない日が続いたりすると、その影響は顕著に現れます。例えば、日中の会議や外出中に外したままにしたり、就寝中に外したりすると、歯の動きに遅れが生じます。
アライナーを適切に装着できていない
アライナーを装着する際、しっかりと歯に密着させないと正しい位置にフィットせず、浮いた状態になることがあります。とくに、前歯や奥歯の部分に隙間ができやすく、見た目に違和感を覚える場合もあります。
アライナーが変形している
インビザラインで使用するアライナーは非常に薄く作られています。また、熱や圧力に弱く、取り扱い方によっては簡単に変形します。
例えば、熱湯で洗浄したり、高温の場所に放置したりすると、アライナーの形状が変わり、歯にフィットしなくなることがあるのです。
計画通りに歯が動いていない
インビザラインでは事前に綿密なシミュレーションを行い、歯の動きを段階的に計画します。
しかし、計画通りに歯が動かない場合もあります。たとえば、骨の硬さや歯の根の形状、噛み合わせの影響などによって、思うように歯が移動しないことがあるのです。これによって、装置がフィットしなくなることがあります。
インビザラインのアライナーが歯から浮いたままだと

アライナーが歯から浮いた状態をそのまま放置すると、矯正治療に悪影響を及ぼす可能性があります。ここでは、具体的にどのようなリスクがあるのかをご紹介します。
歯が予定通りに動かない
アライナーが歯にしっかりフィットしていない状態が続くと、歯に必要な圧力が正しく伝わらず、予定していた位置まで歯が動かなくなってしまいます。これによって、治療が滞ったり、やり直しが必要になったりすることもあるでしょう。
口腔内を傷つける可能性がある
アライナーが浮いていると、歯ぐきや頬の内側などに余計な接触が生じ、口腔内を傷つけることがあります。
通常であれば滑らかなエッジが歯や歯ぐきに優しくフィットするように作られていますが、浮いた部分が引っかかったり、ズレたりすることで、違和感や痛みを伴うことがあるのです。また、無意識のうちに舌で触れて、炎症や口内炎の原因になることもあります。
これらの症状が続くと、日常生活に支障をきたすだけでなく、アライナーを装着できなくなり、さらに治療の進行に悪影響を及ぼすこともあります。口腔内の健康を守るためにも、装置が歯列にしっかり正しくフィットしているかどうか常に確認することが重要です。
アライナーが浮かないようにするには

アライナーの浮きを防ぐためには、日常的なケアや装着方法に注意することが重要です。ここでは、効果的な対策を具体的にご紹介します。
チューイーを使用する
アライナーを歯にしっかりと密着させるためのアイテムとして、チューイーと呼ばれる柔らかいシリコン製の補助具があります。アライナーを装着したあとにチューイーを噛むことで、アライナーと歯をしっかりフィットさせることができます。
特に新しいアライナーに交換した直後や、装着感に違和感がある場合に使用することが推奨されます。また、奥歯や前歯など、特定の部位が浮きやすい方は、その部分を重点的に噛みましょう。
毎日の習慣として取り入れることで、アライナーの浮きを防ぎ、治療の精度を高めることが可能になります。
1日の装着時間を守る
インビザライン治療では、アライナーを1日20〜22時間装着することが推奨されています。
この装着時間を守らないと、歯に加わる矯正力が不十分となり、計画通りに歯が動かなくなるリスクが高まります。その結果、アライナーが歯から浮いた状態になったり、次のステージのアライナーが歯列に合わなくなったりすることがあるのです。
食事や歯磨きの際に外すのは問題ありませんが、その後すぐに再装着する意識を持つことが大切です。外出先や仕事中でもアライナーを外す時間をできる限り短くし、使用状況を記録するアプリなどを活用して自己管理するのも効果的です。
日々の積み重ねが治療結果に直結するため「少しくらい大丈夫」と油断せず、アライナーの装着時間は守りましょう。
アライナーが変形していないかチェックする
アライナーが浮いてしまう原因の一つに、変形や破損があります。変形が起こると、歯列に合わなくなり、浮きや違和感の原因になります。
特に注意が必要なのが、高温環境や不適切な取り扱いです。熱湯で洗ったり、直射日光のあたる場所に置いたりすると、アライナーが変形する可能性があります。また、ケースに入れずにバッグやポケットに入れて持ち運ぶと、外的な力で変形する可能性もあります。
日常的にアライナーの状態を目視で確認し、違和感があればすぐに歯科医師に相談しましょう。
定期的に歯科検診を受ける
アライナーの浮きを防ぐためには、定期的に歯科医院でチェックを受けることも欠かせません。治療中は約1〜2ヶ月ごとの通院が一般的で、その際に歯の動きやアライナーのフィット具合を確認します。
浮きが発生している場合には、歯科医師がその原因を特定し、必要に応じて治療計画の調整や新たなスキャンの実施など、適切な対応をしてくれます。また、自分では気づきにくい変形やフィットのずれも、専門家にチェックしてもらうことで早期に発見することができます。
インビザライン治療は歯科医師との連携が重要な治療法です。定期検診をしっかり受け、指示に従うことで治療効果を最大限に高めることができます。
まとめ

インビザライン治療において、装置が浮くという現象は、誰にでも起こりうる問題です。
しかし、その原因を正しく理解し、適切に対処することで、治療への影響を最小限に抑えることができます。新しいアライナーへの交換時や装着時間の不足、変形・破損など、浮きが起こる理由はさまざまですが、日々のケアと意識によって防げることも多くあります。
もしアライナーの浮きを感じたら、放置せずにすぐに歯科医師に相談することが重要です。インビザラインの効果を最大限に引き出し、理想の歯並びを手に入れるためには、患者さん自身の行動と注意が大きな鍵となります。
インビザラインを検討されている方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。
当院では、虫歯・歯周病治療、インプラント、セラミック治療、ホワイトニング、歯科矯正など、さまざまな診療を行っています。ホームページはこちら、予約・お問い合わせも受け付けておりますので、ぜひご活用ください。






