目次
- 1 おすすめの入れ歯はどれ?保険・自費・ノンクラスプデンチャーの選び方を歯科医師が解説
- 1.1 1. 入れ歯のメリット・デメリット
- 1.2 2. 入れ歯にはどんな種類がある?
- 1.3 3. 保険の入れ歯がおすすめな人
- 1.4 4. 金属床の入れ歯がおすすめな人
- 1.5 5. ノンクラスプデンチャーがおすすめな人
- 1.6 6. デジタルデンチャーという選択肢
- 1.7 7. 自分に合う入れ歯を選ぶポイント
- 1.8 8. DSSとは?歯を抜いた当日に入れる仮の入れ歯
- 1.9 9. 症例紹介|DSSからノンクラスプデンチャーへ移行した一例
- 1.10 10. 入れ歯の費用について
- 1.11 11. 入れ歯のメンテナンスと長く使うためのポイント
- 1.12 12. よくある質問
- 1.13 13. まとめ
- 1.14 免責事項
- 1.15 執筆者
おすすめの入れ歯はどれ?保険・自費・ノンクラスプデンチャーの選び方を歯科医師が解説
入れ歯を検討している方から、「どの入れ歯がおすすめですか?」「保険と自費では何が違いますか?」「目立ちにくい入れ歯はありますか?」とご相談いただくことがあります。
おすすめの入れ歯は、すべての人に同じではありません。残っている歯の本数、欠損の場所、歯ぐきや骨の状態、見た目の希望、噛みやすさ、費用、修理のしやすさによって変わります。
大切なのは、保険か自費かだけで選ぶのではなく、ご自身のお口の状態と生活に合った入れ歯を選ぶことです。この記事では、保険の入れ歯、金属床義歯、ノンクラスプデンチャー、デジタルデンチャー、DSSなどの違いと選び方を、八尾市志紀のもりかわ歯科が分かりやすく解説します。
1. 入れ歯のメリット・デメリット

入れ歯は、失った歯を補うための代表的な治療方法の一つです。ブリッジやインプラントとは異なり、取り外して清掃できることや、広い範囲の欠損にも対応しやすいことがあります。
一方で、入れ歯にはメリットだけでなくデメリットもあります。はじめて入れ歯を作る方は、良い面と注意点の両方を理解したうえで選ぶことが大切です。
- メリット:外科処置をせずに歯を補える場合があります。比較的広い欠損に対応しやすく、保険診療でも作れる場合があります。修理や調整ができる場合があり、取り外して清掃できます。
- デメリット:違和感が出る場合があります。噛む力が天然歯より弱くなることがあり、外れやすい、動きやすいと感じる場合もあります。慣れるまで時間がかかることがあり、定期的な調整や作り替えが必要になる場合があります。
2. 入れ歯にはどんな種類がある?

入れ歯には、保険診療で作る入れ歯、自費診療で素材や設計の自由度を高めた入れ歯、金属のバネが目立ちにくいノンクラスプデンチャー、デジタル技術を活用するデジタルデンチャーなど、さまざまな種類があります。
どれが一番良いというものではなく、どのような人に合いやすいかを考えることが大切です。
| 種類 | 特徴 | 検討されやすいケース |
|---|---|---|
| 保険の入れ歯 | 保険診療の範囲で作製する入れ歯です。費用を抑えやすく、修理しやすい場合があります。 | 費用を抑えたい方、まず入れ歯に慣れたい方 |
| 金属床義歯 | 床の一部に金属を使う入れ歯です。薄さや強度を確保しやすい場合があります。 | 違和感を少なくしたい方、強度を重視したい方 |
| ノンクラスプデンチャー | 金属のバネが目立ちにくい自費の入れ歯です。 | 見た目を重視したい方、前歯や小臼歯部の欠損が気になる方 |
| デジタルデンチャー | デジタル設計やデータを活用する入れ歯です。 | 再製作やコピー義歯、修理との連携を考えたい方 |
| DSS | 抜歯後の見た目や噛み合わせを一時的に補う仮の入れ歯です。 | 前歯など、抜歯後すぐに歯がない状態を避けたい方 |
| コピー義歯 | 今使っている入れ歯の形を参考にする方法です。 | 慣れている形を活かしながら新しい入れ歯を検討したい方 |
3. 保険の入れ歯がおすすめな人
保険の入れ歯は、費用や修理のしやすさを重視する方にとって選択肢になる場合があります。初めて入れ歯を作る方や、まず入れ歯に慣れたい方にも検討されることがあります。
保険診療では使用できる材料や設計に制限があります。そのため、見た目や厚み、違和感の少なさを強く希望される場合は、自費の入れ歯も含めて比較することがあります。
ただし、保険の入れ歯が悪い、自費の入れ歯が必ず良いというわけではありません。欠損の範囲や噛み合わせによっては、保険の入れ歯でも日常生活で使用できる場合があります。
4. 金属床の入れ歯がおすすめな人
金属床義歯は、入れ歯の床の一部に金属を使用する自費の入れ歯です。金属を使うことで、入れ歯を薄く作りやすい場合があり、違和感を少なくしたい方に検討されることがあります。
また、金属は強度を確保しやすく、食べ物や飲み物の温度を感じやすい場合があります。特に上あごの入れ歯では、厚みによる違和感が気になる方に選択肢となることがあります。
一方で、金属アレルギーの有無や、お口の中の状態、設計条件を確認する必要があります。金属床義歯がすべての方に適しているわけではありません。
5. ノンクラスプデンチャーがおすすめな人
ノンクラスプデンチャーは、金属のバネが目立ちにくい入れ歯です。前歯や小臼歯部など、笑ったときに入れ歯の金属が見えることが気になる方に検討されることがあります。
自然な見た目を重視したい方にとって、ノンクラスプデンチャーは有力な選択肢になる場合があります。ただし、症例によって向き不向きがあり、修理や調整に制限が出る場合もあります。
もりかわ歯科では、抜歯後すぐに見た目や噛み合わせに困らないよう、状態に応じてDSSを活用し、その後ノンクラスプデンチャーへ移行する流れを検討することがあります。
ただし、すべての方に同じ方法が適しているわけではありません。歯ぐきの治り方、残っている歯の状態、噛み合わせを確認しながら、適したタイミングで最終的な入れ歯を検討します。
6. デジタルデンチャーという選択肢
デジタルデンチャーとは、スキャンデータやデジタル設計を活用して作製する入れ歯です。従来の入れ歯作りと同じようにお口の状態を確認したうえで、デジタル技術を組み合わせて設計・製作を行います。
デジタルデンチャーの特徴は、設計情報をデータとして残しやすいことです。これにより、再製作やコピー義歯、修理との連携に役立つ場合があります。
デジタルデンチャーは、単に新しい技術というだけではなく、修理・再製作・コピー義歯など、将来の管理まで考えやすい選択肢です。
ただし、すべての症例に向くわけではありません。お口の状態、入れ歯の範囲、噛み合わせ、使用目的によって、従来の方法が適している場合もあります。
7. 自分に合う入れ歯を選ぶポイント

入れ歯を選ぶときは、見た目や費用だけでなく、使い続ける中での調整や修理、作り替えのしやすさも大切です。入れ歯は作ったときだけで終わるものではなく、歯ぐきや残っている歯の変化に合わせて調整が必要になることがあります。
- 欠損の本数と場所:前歯なのか奥歯なのか、1本だけなのか多数歯なのかによって、向きやすい入れ歯が変わります。
- 残っている歯の状態:入れ歯を支える歯の状態が重要です。揺れや虫歯、歯周病がある場合は、先に治療や管理が必要になることがあります。
- 歯ぐきや骨の状態:歯ぐきの厚みや骨の形によって、入れ歯の安定性や痛みの出やすさが変わる場合があります。
- 見た目の希望:前歯の欠損や笑ったときに見える部分では、金属のバネが目立ちにくい設計を検討することがあります。
- 噛みやすさと違和感:薄さ、安定性、噛み合わせのバランスを確認しながら設計します。
- 費用と修理のしやすさ:自費の入れ歯は見た目や素材の自由度が高い場合がありますが、修理方法や費用も確認しておくことが大切です。
- メンテナンスのしやすさ:入れ歯だけでなく、残っている歯や口腔内全体を清潔に保つことが重要です。
8. DSSとは?歯を抜いた当日に入れる仮の入れ歯

DSSは、抜歯後の見た目や噛み合わせを一時的に補うための仮の入れ歯として検討されることがあります。特に前歯など、歯を抜いた直後に見た目が気になりやすい部位では、DSSが選択肢になる場合があります。
DSSは最終的な入れ歯ではありません。抜歯後は歯ぐきの形が変化するため、治癒を待ってから本番の入れ歯を作製したり、調整したりする必要がある場合があります。
保険の入れ歯を作る場合もあれば、自費のノンクラスプデンチャーへ移行する場合もあります。大切なのは、抜歯直後の不安を軽減しながら、治癒後の状態を確認して最終的な入れ歯を考えることです。
9. 症例紹介|DSSからノンクラスプデンチャーへ移行した一例
こちらは、前歯の痛みを主訴に来院された60代女性の症例です。右上の前歯に破折が認められ、保存が難しい状態であったため、抜歯を行う方針となりました。
前歯は見た目に関わる部位のため、抜歯後すぐに歯がない状態になることへ不安を感じる方も少なくありません。そこで本症例では、抜歯後の見た目や噛み合わせを一時的に補うためにDSSを使用しました。
その後、歯ぐきの治癒状態や残っている歯の状態を確認しながら、最終的に金属のバネが目立ちにくいノンクラスプデンチャーへ移行しました。
このように、入れ歯治療では、最初から最終的な入れ歯を決めるのではなく、抜歯後の変化や使用感を確認しながら、段階的に進める場合があります。

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年齢 | 60代 |
| 性別 | 女性 |
| 主訴 | 前歯の痛み |
| 診断・状態 | 右上1番の破折による痛み |
| 治療内容 | 抜歯・DSS → ノンクラスプデンチャー |
| 治療期間 | DSS装着から本義歯完成まで約3か月 |
| 通院回数 | 3回 |
| 費用 | 165,000円(税込) |
| リスク・副作用 | 違和感、痛み、破損、調整、歯ぐきの変化、入れ歯が合わなくなる可能性など |
| 注意事項 | 治療結果には個人差があり、同様の結果を保証するものではありません |
※本症例は一例であり、治療結果には個人差があります。
※同様の結果を保証するものではありません。
※治療内容・治療期間・費用は、お口の状態や設計内容によって異なります。
※DSSは最終的な入れ歯ではなく、抜歯後の見た目や噛み合わせを一時的に補うための仮の入れ歯として使用する場合があります。
※入れ歯には、違和感、痛み、破損、調整が必要になる、歯ぐきの変化により合わなくなるなどのリスクがあります。
10. 入れ歯の費用について

入れ歯の費用は、保険診療か自費診療か、使用する材料、設計、欠損の範囲によって異なります。治療前に、選択肢と費用を確認しておくことが大切です。
もりかわ歯科では、保険の入れ歯から、自費のノンクラスプデンチャー、DSS、デジタルデンチャーなど、お口の状態やご希望に合わせて選択肢をご説明しています。
| 種類 | 費用の目安 |
|---|---|
| 保険の入れ歯 | 保険適用 |
| DSS | 1顎 33,000円(税込)/2顎 55,000円(税込) |
| ノンクラスプデンチャー | 150,000円(税込)〜 |
| 金属床義歯 | 要相談 |
| デジタルデンチャー | お口の状態や設計内容により異なります |
| コピー義歯 | 必要性に応じてご説明します |
| 入れ歯の修理 | 保険対応できる場合があります |
※費用はお口の状態、欠損の範囲、設計内容によって異なります。
※自費診療の場合は、治療前に費用をご説明します。
※DSSは最終的な入れ歯ではなく、抜歯後の見た目や噛み合わせを一時的に補うための仮の入れ歯として使用する場合があります。
※修理は入れ歯の状態や素材によって対応が異なる場合があります。
11. 入れ歯のメンテナンスと長く使うためのポイント
入れ歯は、作ったあとも定期的なメンテナンスが必要です。歯ぐきや残っている歯の状態は時間とともに変化するため、合わなくなった入れ歯を無理に使い続けると、痛みや噛みにくさにつながる場合があります。
入れ歯やお口の中を清潔に保つことは、誤嚥性肺炎のリスク管理にもつながると考えられています。特に高齢の方や持病のある方は、入れ歯だけでなく口腔内全体の清掃と定期確認が大切です。
- 毎日の清掃:入れ歯用ブラシや洗浄剤を使い、入れ歯に付着した汚れを落とします。
- 就寝時の取り扱い:外すかどうかは、お口の状態や入れ歯の種類によって異なります。歯科医師の指示に従ってください。
- 合わない入れ歯を無理に使わない:痛みや傷、噛みにくさがある場合は、早めに調整を受けましょう。
- 残っている歯のケア:部分入れ歯では、入れ歯を支える歯の虫歯や歯周病予防が重要です。
- 定期検診:入れ歯の状態、噛み合わせ、歯ぐき、残っている歯を定期的に確認します。
今使っている入れ歯が痛い、外れる、噛めない、合わないと感じる方は、こちらの記事もご覧ください。
入れ歯が合わない・痛い・噛めない原因とは?使用し続けるリスクと対処法
12. よくある質問
初めて入れ歯を作る場合、保険と自費のどちらがおすすめですか?
お口の状態やご希望によって異なります。費用を抑えたい方や、まず入れ歯に慣れたい方には保険の入れ歯が選択肢になる場合があります。一方で、見た目や違和感、素材にこだわりたい方は自費の入れ歯を検討することもあります。
ノンクラスプデンチャーは誰でも使えますか?
ノンクラスプデンチャーは金属のバネが目立ちにくい入れ歯ですが、すべての方に適しているわけではありません。残っている歯の状態、噛み合わせ、欠損の場所によって向き不向きがあります。
DSSは誰でも使えますか?
DSSは抜歯後の見た目や噛み合わせを一時的に補うために検討されることがありますが、すべての方に適しているわけではありません。抜歯する部位や歯ぐきの状態、噛み合わせによって判断します。
保険の入れ歯でもしっかり噛めますか?
保険の入れ歯でも、設計やお口の状態によっては日常生活で使用できる場合があります。ただし、素材や厚み、見た目、装着感には制限があります。
入れ歯が壊れた場合、修理できますか?
状態によっては修理できる場合があります。破損の程度や素材によって修理方法が変わるため、まずは現在の入れ歯を確認することが大切です。
デジタルデンチャーは何が違いますか?
デジタルデンチャーは、デジタル設計やデータを活用して作る入れ歯です。設計情報を残しやすく、再製作やコピー義歯、修理との連携に役立つ場合があります。
入れ歯のメンテナンスは必要ですか?
はい。入れ歯は使い続ける中で少しずつ合わなくなることがあります。また、汚れが付着すると口腔内環境に影響する場合があります。定期的な清掃、調整、歯科医院での確認が大切です。
自分に合う入れ歯はどう選べばいいですか?
欠損の本数や場所、残っている歯の状態、歯ぐきや骨の状態、見た目の希望、費用、修理のしやすさなどを確認して選ぶことが大切です。歯科医師と相談しながら、自分に合った入れ歯を検討しましょう。
13. まとめ
おすすめの入れ歯は人によって違います。保険の入れ歯、金属床義歯、ノンクラスプデンチャー、デジタルデンチャー、DSSにはそれぞれ特徴があります。
見た目だけでなく、噛みやすさ、違和感、修理のしやすさ、作り替えのしやすさ、メンテナンスのしやすさまで含めて考えることが大切です。
また、前歯の抜歯など見た目が気になるケースでは、DSSを使って一時的に見た目や噛み合わせを補い、その後ノンクラスプデンチャーへ段階的に移行する場合があります。
八尾市志紀で入れ歯をご検討中の方、今使っている入れ歯が合わない方、目立ちにくい入れ歯やデジタルデンチャーに興味がある方は、一度ご相談ください。保険・自費の選択肢を含めて、お口の状態やご希望に合った入れ歯を一緒に考えていきましょう。
免責事項
※本記事は、入れ歯に関する一般的な情報提供を目的としたものです。
※入れ歯の適応や種類は、欠損の本数、欠損部位、残っている歯の状態、歯ぐきや骨の状態、噛み合わせ、治療目標、ご希望によって異なります。
※保険診療と自費診療では、使用できる材料や設計、費用が異なります。
※入れ歯には、違和感、痛み、噛みにくさ、外れやすさ、破損、修理や調整が必要になるなどのリスクがあります。
※費用や治療回数は症例により異なります。詳しくは診察時にご説明します。
執筆者
森川 康司|もりかわ歯科 歯科医師
日本臨床歯科CADCAM学会 認定医
もりかわ歯科にて、マウスピース矯正、デジタル矯正、CAD/CAM技術を活用した歯科治療に取り組んでいます。日本臨床歯科CADCAM学会の認定医として、デジタル診断やCAD/CAM技術を活用した治療計画を大切にしています。
また、日本臨床歯科CADCAM学会 第11回学術大会にて、口頭発表部門 最優秀会員発表アワードを受賞しました。これらの学会活動で得た知見を、日々の診療に還元できるよう努めています。







