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歯ぎしりの対策は?歯ぎしりをなくせばエラ張りも改善する? 

2024年1月10日
歯ぎしりの対策は?歯ぎしりをなくせばエラ張りも改善する?

こんにちは!八尾市で60年、地域密着でがんばる歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康に関する悩みや、歯にまつわる身体の問題は、それぞれ異なります。歯科医師やスタッフが知っている情報でも、患者さまにとっては疑問や不安になることがあります。診療中には個々の患者さまに詳しく説明する時間が限られていますが、どうにかしてできるだけ多くの質問に詳しくお答えできないだろうかと考えました。

そこで、「歯に関する全力回答!」ブログをスタート! 診療中に頻繁にいただく質問について、こちらで詳しく解説していきます。このブログが、歯にまつわる疑問や不安を解消する患者さまの手助けになれば嬉しいです。

歯ぎしりってどんなもの?

歯ぎしり(ブラキシズム)とは、上と下の歯を強くこすり合わせたり、ぎゅっと強くかみしめる悪習慣(習癖)のことを指します。この癖は無意識に行われているため、本人が気づかずしていることが多いです。

歯ぎしりは、その多くが就寝中に行われているのですが、日中、無意識のうちに歯を強くかみしめている場合も、歯ぎしりとして分類されます。

歯ぎしりする人って多いの?

年齢によっても違いますが、日本人では、だいたい10人に1人が歯ぎしりをしているとされています。20代よりも30代、30代よりも40代…と歯ぎしりをする人が増えていき、また男性と女性では男性のほうがより歯ぎしりをする傾向にあると言われています。

歯ぎしりの種類を教えて

歯ぎしりには、下のような種類があります。

歯ぎしりの種類

 グラインディング(磨耗型)

上下の歯をこすり合わせるタイプの歯ぎしりです。最も一般的で、歯ぎしりというと、このタイプをイメージすることが多いでしょう。ギリギリと音が出ることが多いため、睡眠中の歯ぎしりを家族に指摘されることもあります。

クレンチング(咬みしめ型)=食いしばり

上下の歯を強くかみしめる、つまり食いしばるタイプの歯ぎしりです。音が出ないことが多いため、本人も気づかずに行っていることが多いです。寝ている時だけでなく、日中に行っていることもあります。

タッピング(衝撃型)

上下の歯をぶつけ合うタイプの歯ぎしりです。カチカチ、カンカンといった音が出ることが多いため、家族に指摘されることもあります。

ナッシングタイプ(きしませ型)

特定の歯の場所で上下の歯をこすり合わせるタイプの歯ぎしりです。音は出ないか、もしくはキリキリといった、グラインディングよりも小さな音がします。

 

また、これらの種類を組み合わせて行う場合もあります。

 

歯ぎしりするとどうなるの?

歯ぎしりは、歯もちろん歯の周辺組織や顎にとってさまざまな悪影響があります。以下は歯ぎしりが引き起こす症状です。

歯の摩耗(すり減り)や変形

歯が強くこすり合わされることで、歯の表面が摩耗しやすくなります。これが進むと、歯の形状が変わり、歯の機能や寿命に影響を与える可能性があります。

歯ぎしりで摩耗した(すり減った)歯

歯の詰め物や被せが欠ける

歯ぎしりによって、歯に強い力が加わると、その力によって、歯の詰め物や被せが割れたり、欠けたり、取れたりすることがあります。また、上記のように歯の表面がすり減ったり、歯の形が変わったりすれば、歯の詰め物や被せがぴったりと合わなくなり、取れやすくなります。

歯周病が悪化する

歯ぎしりによる歯の強い圧力は歯周組織にも影響を与え、歯茎や顎の周りの組織に炎症などのダメージを引き起こすことがあります。

顎関節症の症状が出る

歯ぎしりが続くと、顎の関節に負担がかかり、顎関節症のリスクが高まります。顎関節症は、痛みが出たり、顎の開閉がしにくくなるなどの症状が出ます。

歯並びが悪くなる

歯ぎしりによって、歯に強い力が加わると、その力によって、歯の向きや位置が変化することがあります。

歯ぎしりってどのぐらいの力がかかるの?

普段食べ物を噛む力(咬合力)は、女性で40kg程度、男性で60kg程度とされています。つまり、だいたい自分の体重ぐらいと言えます。では、歯ぎしりの場合はというと、食事の時の約3倍以上の力が加わっているとされ、女性では約100〜200kg、男性では約200〜300kg、人によっては1tもの荷重がかかっていることもあると言われています。

噛む力と歯ぎしりでかかる力

歯ぎしりの原因は?

歯ぎしりの原因としては、大まかに下のようなものが挙げられます。

ストレスや緊張・不安など

歯ぎしりは、ストレスや緊張などの精神的な要因によって引き起こされることが多いと言われています。精神的なストレスや緊張によって、顎の筋肉が緊張し、歯を食いしばったり、強く噛みしめたりするようになるようです。

歯並びや噛み合わせ

噛み合わせ(咬合)が不安定な場合、歯が強く擦(こす)り合わされることがあります。

また歯並びや咬み合わせが悪いと、歯の接触面積が少なく、力が集中しやすいので、歯ぎしりによる影響を受けやすいと言われています。

歯並びや噛み合わせも歯ぎしりの原因のひとつ

遺伝的な要因

遺伝的要因によっても引き起こされる可能性があります。家族に歯ぎしりをする人がいると、自分も歯ぎしりをする可能性が高いと考えられています。

その他の要因

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(OSAS)などが原因の場合があります。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まったり、低下したりする睡眠障害ですが、睡眠中に酸素の供給が不足する(低酸素血症)ため眠りが浅くなり、眠りが浅くなると筋肉の緊張が解けにくくなり、結果、歯ぎしりを引き起こしやすくなるというわけです。

カフェインやアルコールの過剰摂取

カフェインやアルコール摂取自体が直接歯ぎしりに関係しているのではなく、カフェインが交感神経を刺激し、覚醒を促すと、筋肉の緊張が高まって歯ぎしりが引き起こされやすくなったり、アルコールを摂取することで、脳の働きが抑制され、睡眠の質が低下したことにより、筋肉の緊張が解けにくくなって、結果歯ぎしりにつながりやすくなると考えられています。

カフェイン・アルコールの過剰摂取も歯ぎしりに関係

また、歯ぎしりを起こしやすい要因(リスク因子)の確率比は下図が目安になるでしょう。

歯ぎしりの要因(リスク因子)確率比目安

歯ぎしりしやすい人ってどんな人?

上記のように、歯ぎしりの主な原因のひとつとしてストレスが挙げられていることから、次のような性格の人が歯ぎしりをしやすいと考えられています。

  • 真面目で責任感が強い人
  • 完璧主義な人
  • 競争心が強い人
  • 頑張りすぎる人
  • ストレス発散がうまくできない人
  • 緊張しやすい人
  • 不安を感じやすい人
  • イライラしやすい人

いずれも、ストレスを溜め込みやすい人が歯ぎしりをしやすい傾向にあると言えます。

ストレスを溜め込みやすい人は要注意

歯ぎしりするのは熟睡していない証拠ですか?

睡眠にはレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)があり、人は睡眠中これらを交互に繰り返しています。ノンレム睡眠はさらにその眠りの深さによって3または4段階に分けられますが、最近ではこの「浅いノンレム睡眠」時に歯ぎしりが起こりやすいとされています。歯ぎしりをするからと言って、「深いノンレム睡眠(熟睡)」に移行していないということにはなりません。

歯ぎしりの起きやすい睡眠状態

こどもの歯ぎしりの原因は?

こどもの歯ぎしりは、だいたい生後8か月頃から始まり、中学生ぐらいまで続くことがありますが、その原因のひとつは、実は、成長に伴うあごの位置や噛み合わせの調整です。永久歯が生えてくる際の歯のスペースを確保するために、歯ぎしりで顎の位置を決めたり、顎の筋肉の発達させたりしていると考えられています。つまり、こどもの歯ぎしりは成長にともない、やがて改善されるものとされています。

こどもの歯ぎしりは放っておいてもいいですか?

基本的には大丈夫です。ただ、ストレスなどが原因で歯ぎしりをしている場合もありますし、以下のような症状が出ている場合は早めに歯科医に相談してください。

  • 歯が減ったり、欠けたりしてしまった
  • 顎が痛い(顎関節症)や頭痛などの症状がある
  • 歯ぎしりの音が異常に大きい

エラ張りと歯ぎしりって関係ある?

はい、歯ぎしりとエラ張りには、密接な関係があります。

歯ぎしりは、睡眠中に歯を強く噛みしめたり、食いしばったりすることで起こります。歯ぎしりをすると、咬筋(こうきん)という顎の筋肉が過剰に働きます。咬筋は、歯を閉じるときに働く筋肉で、エラの部分に位置しています。

歯ぎしりを繰り返すと、咬筋が肥大し、エラが張ったように見えますから、歯ぎしりをしている人は、エラ張りにも注意が必要です。

気になるエラ張り

歯ぎしりしなくなればエラ張りはなくなりますか?

歯ぎしりを止めた直後は、咬筋がまだ肥大した状態のため、エラ張りが改善されにくい場合がありますが、歯ぎしりを止めれば、咬筋の過剰な働きがなくなり、徐々に肥大が解消され、エラ張りも改善していくと考えられます。一般的には、歯ぎしりを止めてから数ヶ月から1年程度で、エラ張りが改善されるといわれています。

また、最近ではエラボトックスといって、ボトックスの注入によって咬筋の緊張を緩ませ、歯ぎしりを改善させる治療を行っているところもあります。

歯ぎしりの対策は?

歯ぎしりの原因から導き出した対策としては、大きく3つに分けられます。

  • マウスピース療法

歯ぎしりを防止するための最も一般的な方法で、夜寝るときにマウスピースを口の中に装着することで、歯の摩耗(減り)や欠損(欠け)を防ぐ効果があります。

  • 生活習慣の改善

ストレスを溜め込まない生活を心がけましょう。

規則正しい生活をし、生活のリズムを整える。

規則正しい生活は、体のすべてに影響します。

十分な睡眠時間を確保する

睡眠が足りていないことも、体にはさまざまな悪影響を及ぼします。

寝室の環境(暗くする、静かにするなど)を整える

交感神経をできるだけ休ませるようにしましょう。

就寝前にカフェインやアルコールの摂取を控える

過剰な摂取は、眠りの深さにも関係しがちです。

 

またストレス自体を解消させるためには、以下のようなことも効果的でしょう。

・趣味やスポーツなど、自分に合ったストレス発散の方法を見つける

・マッサージなど、リラックスできる時間をつくる

・カウンセリングやセラピーなど、専門家に相談する

  • 原因治療

歯ぎしりの原因が、噛み合わせや、睡眠時無呼吸症候群などにある場合は、これらを改善することが必要です。歯科医や専門医などに相談するとよいでしょう。

歯ぎしり用のマウスピースについて教えてください

マウスピース(ナイトガード)は、就寝時に口の中に装着する器具で、マウスピースを使うことで、歯にかかる力が均等に分散され、歯や歯の被せ物が欠けたり割れたりするのを防げます。毎日使用することが大切です。歯科で作製するものと、市販のものがあり、またそれぞれソフトタイプとハードタイプがあります。

ナイトガード(マウスピース)

歯科作製(カスタムメイド)型

歯科医院で、患者さまの歯に合わせて作製するマウスピースです。歯の形状、噛み合わせに合わせ、最適な形状や硬さに調整することができるので、安心でおすすめです。

市販型

市販で買えるため、比較的安価で手軽ではありますが、その人の歯の形状、噛み合わせに合わせて調整することができず、使用感に差が出がちです。

ソフトタイプ

シリコーンなどの柔らかい素材でできています。

歯にやさしくフィットするので装着感に優れていますが、柔らかいのでハードタイプよりも早く摩耗するなど、耐久性にやや難があります。

ハードタイプ

プラスチックやアクリルなどの硬い素材でできています。硬いので、激しい歯ぎしりに対応でき、歯や被せ物の損傷を防ぐ効果が高いのが特長です。装着感はソフトタイプに比べるとやや違和感があることもあります。

まとめ

いかがでしたか? 歯ぎしり(食いしばり)は悪習慣(習癖)のひとつで、歯や歯の周りの組織に様々な悪影響を及ぼすものですので、マウスピースを適切に使ったり、生活習慣を改善したりなどして、できるだけなくしていきましょう。お顔のエラ張りが気になる方も、もしかしたらご自身で歯ぎしりに気づいていないかもしれませんから、気にかけてみてください。またおとなだけでなく、こどもの歯ぎしりについても、気になる場合はぜひ、大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科までご相談ください。

歯の摩耗(減り)や欠けをなくし、健康な歯を保ちましょう。

歯がぐらつくのは歯周病が原因?治療法や注意点を解説!

2024年1月9日
歯周病の人

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「歯が少しぐらぐらするけど問題ないのかな……」「歯がぐらつく原因は何?」など、悩みや疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

歯の健康は全身の健康にも影響を及ぼすため、歯がぐらつく場合は早期に対応したほうがよいでしょう。歯がぐらつく場合、歯周病の進行を示すサインかもしれません。

今回は、歯周病の基礎知識や、歯がぐらつく原因、治療法、注意点などを詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。

歯周病とは?

歯周病の歯

歯周病は、歯茎の腫れや出血などの症状が現れる疾患です。歯と歯茎のすき間である歯周ポケットから細菌が侵入し、歯を支える歯槽骨が溶かされると歯がぐらつくでしょう。

歯周病は、虫歯とともに歯科の2大疾患ともいわれています。大人が歯を失う原因にもなる恐ろしい病気です。

歯周病の原因

歯周病を引き起こす原因として、歯周病菌が挙げられます。歯磨きが不十分な場合、プラーク(歯垢)が増えます。特に、歯と歯茎の境目の歯周ポケットには細菌が停滞しやすく、炎症を起こす可能性が高いです。

1mgのプラークに1億個以上の細菌が含まれているともいわれているため、磨き残しがないようにブラッシングすることが重要です。プラークは粘着性があるため、うがい程度では除去できません。

歯周病は気づかないうちに進行するため、軽症のうちにしっかりとケアしましょう。

歯周病の進行度

次に、歯周病の進行度をご紹介します。歯周病は、軽度・中度・重度と3つの段階にわけられます。

また、歯の動揺度は以下のように分類されます。

<歯の動揺度>

0度 生理的な範囲内
1度 わずかに前後に動く(軽度歯周病)
2度 前後左右に動く(中度歯周病)
3度 前後左右上下に動く(重度歯周病)

 

歯科医院では、ピンセットで動揺度の検査を行って判断するのが一般的です。

軽度の状態では、歯茎の腫れが見られます。歯磨きの際に出血することもあるでしょう。

軽度の段階では、痛みなどの自覚症状がないため歯周病であることに気づきにくいです。歯槽骨への影響もないため、大きく歯がぐらつくことはありません。適切な対応によって、健康な状態に改善できる可能性があります。

中度の状態では、歯茎の腫れや炎症が悪化して歯周ポケットが深くなります。歯槽骨などの破壊も始まり、歯茎が下がり始めるでしょう。

重度の歯周病になると、歯周ポケットが非常に深くなります。歯の根まで汚れが付着し、歯がぐらつくでしょう。出血だけでなく、膿が出ることも多いです。食事にも支障をきたすほど痛む場合もあるでしょう。

歯がぐらつくのは歯周病が原因?

歯周病に対する疑問イメージ

歯周病が進行すると、歯がぐらつきます。歯周病によって歯周組織が破壊され、歯を支える組織が弱くなるためです。

歯がぐらつく場合、歯槽骨とよばれる歯を支える骨が吸収されている可能性が高いです。治療せずに放置すると、歯が抜け落ちるおそれがあります。

歯周病で歯がぐらつくときはどうしたらいい?

歯周病の治療の説明

歯周病で歯がぐらつく場合は、歯周病を治療しなければなりません。

歯周病が進行すると、細菌によって歯を支える歯槽骨が次第に溶かされます。歯周病が悪化して骨が溶け、歯をしっかり支えられなくなると、歯がぐらつくようになります。

歯周病で歯がぐらつくときの対処法は、以下のとおりです。

歯科医院を受診する

まずは、歯科医院を受診しましょう。歯周病の治療法は症状や進行度によって異なるため、歯科医師に適切に診断・対処してもらうことが重要です。

歯周病の治療法としては、プラークや歯石の除去、歯周ポケットのクリーニング、抗生物質の処方などが行われます。まずは口の中の状態を確認し、歯周ポケットの深さや歯茎からの出血の有無、歯のぐらつき具合などをチェックするでしょう。

歯磨きの仕方が適切でないと判断された場合は、歯磨き指導を行うこともあります。口の中をきれいにすることで、初期段階の歯周病であれば改善できるでしょう。

中度の歯周病の場合は、歯茎のなかにある歯の根に付着した歯石を除去しなければなりません。中度の歯周病でも、歯石を除去できれば改善されることが多いです。

上述した対応だけで改善されない重度の歯周病の場合は、必要に応じて外科的な処置が行われます。歯茎を切開して歯石を除去し、縫い合わせる手術です。

歯周組織の再生治療を同時に行う場合もあるでしょう。歯槽骨の状態などを考慮して、必要な治療を判断します。

食事内容に気をつける

ご自宅ですぐにできる対処法としては、食事内容を改善することが挙げられるでしょう。

硬いものや粘着性のあるものは、歯が抜ける可能性があるため控えてください。歯茎が腫れて痛む場合や歯がぐらつく場合などは、柔らかい食べ物を選択するとよいでしょう。

歯周病で歯がぐらつくときの注意点

歯周病で歯がぐらつくときの注意点イメージ

歯がぐらつく場合、適切なケアを行い、生活習慣を見直すことが重要です。歯磨きをしっかりと行うことはもちろん、歯間ブラシやデンタルフロスを用いるなど、日々のケアを徹底しましょう。

歯ぎしりなどの癖や、喫煙習慣なども歯周病の進行を助長する要因となります。歯周病の進行を助長する習慣がある場合は、改善しましょう。

歯周病で歯がぐらつく場合、セルフケアだけで治すのは困難です。歯がぐらぐらしている時点で、症状が進行していると考えられるためです。

また、歯がぐらつく原因は歯周病だけではありません。虫歯が進行した場合や、歯の根の先に膿が溜まって炎症を起こした場合にも、歯がぐらつくことがあるのです。

原因を明らかにするためにも、速やかに歯科医院を受診しましょう。

歯周病以外にも歯がぐらつく原因がある?

歯が痛くて頬を押さえる女性

歯がぐらつく原因として、歯ぎしりや虫歯、外部からの衝撃など、歯周病以外にもさまざまなことが考えられます。歯がぐらつくときは、歯科医院を受診して適切な治療を受け、歯の健康を守りましょう。

歯周病以外の歯がぐらつく原因をご紹介します。

歯根破折

歯根破折は、歯の根が割れた状態です。神経を除去した歯に見られることがあります。

神経のない歯には栄養が供給されないため、脆くなるのです。外傷や歯ぎしりなど、強い衝撃が加わることで歯の根が割れ、歯がぐらつくことがあります。

根尖性歯周炎

根尖性歯周炎とは、歯の根の部分に膿が溜まった状態です。歯の根に膿が溜まると、歯の根が膿の袋に接することで、歯が浮いたような感覚を覚えるでしょう。

歯の根が不安定になるため、歯がぐらつくこともあります。

外傷

転倒や事故などで強い衝撃を受けた場合、歯がぐらつくことがあります。歯が完全に抜けずにぐらぐらする場合や位置がずれた場合、亜脱臼といいますが、亜脱臼した歯はぐらつくでしょう。

歯ぎしり

歯ぎしりは、歯を強く噛みしめることです。歯茎や歯槽骨などに大きな負担をかけるので、長期間続くと歯がぐらつく原因になり得ます。

被せ物の不具合

被せ物が劣化して不具合が生じると、歯がぐらつくことがあります。被せ物の不具合を放置すると、歯が割れる原因にもなるでしょう。

まとめ

歯の模型

歯の健康を守るためには、定期的な歯科検診と適切なケアが重要です。歯がぐらつく場合は、速やかに歯科医師に相談しましょう。

歯がぐらつく場合、歯周病が原因であることが多いです。

しかし、ほかにもさまざまな原因が考えられます。歯周病の治療法や対応は、歯科医師が適切に判断します。自己判断で対応せず、歯科医師の指示に従って適切なケアを行いましょう。

定期的な歯科検診や適切なケアを心がけることで、歯の健康を維持し歯周病を予防することが可能です。

歯周病による歯のぐらつきにお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯茎の出血って何が原因なの?

2023年12月27日
歯茎の出血って何が原因なの?

みなさまこんにちは!

大阪府八尾市に60年にわたり、地域に根ざす歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。


当院では患者さまが抱える歯科に関するさまざまな疑問や不安に真摯に向き合い、
解消できるよう尽力しています。歯科医師やスタッフとのコミュニケーションが不足しがちな中、このブログを通じて患者さんとの対話の場を提供し、理解を深めるお手伝いができればと考えています。

日常生活での歯のお手入れや健康に関する知識は、自身の歯科状態を理解し、適切なケアを行う上で非常に重要です。そこで、このブログでは歯にまつわる基本的な情報から、診療に関する細かな疑問まで、幅広いトピックをカバーしています。患者さまがより良い歯科ケアの選択ができるよう、専門的な情報を分かりやすくお届けしています。

お気軽にご質問や疑問をお寄せいただき、私たちが提供する情報を通じて患者さまの歯科に関する理解を深めていただければ幸いです。何かお困りのことがあれば、お気軽にお問い合わせください。ご協力をお願い申し上げます。

歯茎の出血って何が原因なの?のご質問に全力回答!

歯茎からの出血は、歯周病の初期症状の一つであり、主な原因は歯垢(プラーク)に関連しています。以下に、歯茎からの出血の主な原因とその詳細をいくつか挙げてみましょう。

出血の主な原因は?

出血の主な原因は?

1. 歯垢(プラーク)の蓄積

歯垢(プラーク)は口内の細菌や食物のかすなどが混ざった薄い膜で、歯の表面や歯と歯の間に付着します。歯垢が適切に取り除かれないと、細菌が増殖し、歯茎の炎症を引き起こしてしまいます。

2. 歯周病[歯槽膿漏(しそうのうろう)]

歯垢が長期間放置され続けると、歯周ポケットと呼ばれる歯茎と歯の間のスペースができ、そこに細菌が蓄積します。これが進行すると歯周病が発症し、歯茎が炎症を起こし、出血します。

歯周病[歯槽膿漏(しそうのうろう)]

歯周病になりやすい生活習慣とは?
1.栄養摂取の偏り

バランスのとれていない食事は免疫機能の低下を引き起こし、歯周病の発症リスクを高めます。また、頻繁な食事摂取は口内の細菌の繁殖を促し、歯周病だけでなく虫歯のリスクも増大させます。

2.過度な飲酒と喫煙習慣

過度な飲酒は肝機能の障害から免疫機能の低下や、寝落ちなどによる歯磨きの怠りを招く可能性があり、これは歯周病のリスク因子となります。また、喫煙は血液循環の障害を引き起こし、歯周病の発症と進行を促進します。喫煙はリスクが2倍から9倍とされています。

3.日々の運動不足

近年の研究では、運動不足が歯周病の進行を促進し、脂肪組織由来の物質が歯周病の発症と進行を容易にすることが示されています。

4.ストレスと睡眠不足

ストレスや十分な睡眠の不足は免疫機能を低下させ、感染症だけでなく歯周病の発症リスクを高める可能性があります。

3. 歯石の形成

歯垢が時間とともに硬化して歯石(歯石質)となると、これは歯茎に対して刺激を与え、炎症を引き起こす可能性があります。歯石は歯科医によって専門的に除去する必要がございますので、もりかわ歯科の「歯周病予防ページ」をご覧いただき、当院にご相談くださいませ。

4. 歯磨き不足や不適切な歯磨き

小さいヘッドを選びましょう。通常、縦に3列の毛と横に2~2.5cm程度のサイズが適切です。大きなヘッドは奥歯や細かい箇所に十分にアクセスしにくく、磨き残しが生じやすくなります。

歯ブラシの選び方についてより詳しく知りたい方は、当院のブログで紹介しております「歯ブラシや歯間ブラシの選び方は?」もご覧ください。

5. 健康状態や生活習慣

喫煙、ストレス、不健康な食生活など、全体的な健康状態や生活習慣も歯茎の状態に影響を与えます。これらの要因が組み合わさると、歯茎の状態が悪化しやすくなり、出血の原因になります。

歯茎から出血したときの対処法は?

歯茎からの出血が起きた場合、簡単な対処法を以下にまとめてみました。ただし、これらは一時的なものであり、頻繁に起こる場合は、もりかわ歯科にご相談していただき適切な治療をお受けください。

1. 優しく歯を磨く

垢や歯石のために歯茎が腫れている場合、歯を優しく、円を描くように磨くことが重要です。歯磨きの際に過度な圧力をかけないように心掛けましょう。

2. 歯間ブラシや糸(フロス)を使用する

歯と歯の間や歯茎の隙間に歯垢が溜まりやすいです。歯間ブラシや歯間糸(フロス)を使って、これらの領域を丁寧に清潔に保つことが重要です。

3. 塩水で口をゆすぐ

口内の細菌を減少させ、歯茎の炎症を緩和するために、温かい塩水を使ってうがいすることが効果的です。塩水には血管を収縮させる作用があり、これにより出血を和らげることができます。ただし、明らかに出血が多く、歯茎からの出血がなかなか止まらない場合は、別の対処法が必要です。

歯茎から出血したときにやってはいけないことは?

歯茎からの出血がある場合、以下は避けるべき行動です。これらの行動は症状を悪化させる可能性がありますので注意が必要です。

1. 自己治療薬の無制限使用

歯茎からの出血が見られた場合、その症状を見かけ上緩和させるために市販の薬やうがい薬を無制限に使用するのは控えましょう。なぜなら、適切な診断が必要であり、歯科医の指導に基づいた正確な治療が望ましいからです。歯茎の出血は様々な原因が考えられ、それぞれに応じた適切なアプローチが求められます。自己判断や一般的な薬の使用では、症状の根本的な原因を見過ごす可能性があります。そのため、歯科医の診察やアドバイスを受けることで、適切な治療が行われ、再発や悪化を防ぐことが期待できます。自己処置に頼らず、プロの意見を求めることで、歯茎の健康を維持し、症状を根本的に改善する手助けとなります。

2. 喫煙

歯茎の血行を悪化させ、歯周病の進行を促進する可能性があるのが喫煙です。歯周病は歯茎の炎症から始まり、進行すると歯を支える組織にも影響を及ぼす重篤な状態となります。喫煙によって引き起こされる血行不良は、歯茎の組織に適切な酸素や栄養分が行き届かなくなり、免疫力の低下も招きます。これにより、歯周病が進行しやすくなります。

歯茎の健康を真剣に考えるなら、禁煙を検討することが非常に重要です。禁煙によって歯茎の血行が改善され、充分な栄養や酸素が供給され、自然治癒力が高まります。また、歯周病の進行リスクが低減し、歯茎の状態が維持されやすくなります。喫煙が歯茎に及ぼす悪影響を減少させることで、歯の健康を維持し、将来的な歯周病のリスクを軽減する一環として禁煙を検討することは、口腔健康全体に良い影響をもたらすでしょう。

喫煙は歯周病を進行させます!

3. 自己診断や自己治療

歯茎の出血が続く場合、自己診断や自己治療を行うのではなく、専門の歯科医に相談することが重要です。歯茎の出血は様々な原因による可能性があり、正確な診断が必要です。自己判断や市販の治療方法では、症状の根本的な原因を見逃す可能性が高まります。歯科医による専門的な診察によって、出血の具体的な原因を特定し、それに基づいた適切な治療プランを立てることができます。

歯茎の出血が続く場合、それは歯周病や他の歯科疾患の兆候である可能性があります。歯科医に相談することで、症状の進行や悪化を防ぐだけでなく、早期の治療で問題を解決することが期待できます。歯科医の専門的な知識と経験に基づくアドバイスは、症状の管理や再発予防に有益です。健康な歯茎を維持し、口腔全体の健康を促進するためには、歯科医との連携が不可欠です。

歯磨き時に歯茎からの出血リスクを抑えるためには?

歯磨き時に歯茎からの出血リスク

歯茎からの出血を予防するために、

以下は日常の歯磨き時に実践可能なシンプルな6つの方法をご紹介します。

1.歯磨きは1日に2~3回、各2分間行う

歯磨きは1日に2~3回、それぞれ2分間行います。歯磨きによってお口の中のプラーク細菌や食べかすを取り除きます。これらが残っていると、歯の表面や周辺、歯と歯の間に蓄積し、歯茎が炎症を起こし、歯肉炎などのトラブルにつながる可能性があります。フッ素配合のハミガキを使用して、1日2~3回、2分間ずつブラッシングを心がけましょう。

2.歯のすみずみまで注意深く磨く

歯のすみずみまで注意深く磨くことも大切です。歯と歯の間など、届きにくい部分を含め、お口の中のすべての箇所を丁寧にブラッシングしましょう。歯磨き残しがないように、全ての歯の内側と外側の面、咬み合わせの面を1本ずつ丁寧に磨くようにします。歯科医に相談して、自分に最適な歯磨き法について指導を受けることもおすすめです。

3.歯磨きは優しく行う

歯磨きは優しく行うことが大切です。力を入れすぎたり、歯を磨き過ぎたり、使い古したハブラシで磨くことは避け、常にていねいなブラッシングを心がけましょう。月に1回はハブラシを新しいものに交換することも忘れずに行いましょう。

4.ハブラシは歯に対して45度の角度で使う

ハブラシは歯茎に対して45度の角度で使います。歯茎に向けてハブラシを45度の角度で当て、弱い力で細かく振動させるように動かします。これにより、歯肉線(歯と歯茎の境目)を効果的に清掃できます。前歯の内側の面を磨く際は、ハブラシを垂直に当て、ヘッドの前方部分を使って磨くことがポイントです。

ハブラシは歯茎に対して45度の角度で使う

5.歯と歯の隙間(歯周ポケット)のブラッシングを忘れずに

歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)のブラッシングも忘れずに行います。歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)はプラーク細菌の影響を受けやすい部分です。歯磨きの際には、特にこの歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)を意識して歯垢を取り除きましょう。適切なブラッシングに加え、フロスまたは歯間ブラシを併用することで、歯垢(プラーク)の蓄積を抑えることができます。

歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)のブラッシングを忘れずに

6.舌も優しくブラッシングする

舌も優しくブラッシングしましょう。適切な口腔衛生には歯と歯茎だけでなく、舌も含まれます。舌を優しくブラッシングすることで、細菌を取り除き、口の中を清潔に保ちつつ、爽やかな息を保つことができます。

これらのステップを実践することで、歯茎からの出血のリスクを軽減できます。

特に歯周病の予防として、

もりかわ歯科までご相談いただき、適切なケアを行ってください。

まとめ

歯茎からの出血は、歯周病、強い歯みがき、日常の習慣、喫煙などさまざまな要因によって引き起こされます。これを放置すると、深刻な問題を見逃し、状況を悪化させる可能性があります。出血が見られた場合は、もりかわ歯科で早急に検査を受け、その原因を特定することが極めて重要です。

 

当院では、症状の緩和だけでなく、根本的な改善を目指した治療を提供しています。歯茎からの出血に悩む方や、将来の問題を予防したい方は、お気軽にご相談ください。歯のトラブルに時間を費やすことなく、人生をより楽しむためにも、歯科治療を検討してみてください。きっと、あなたの人生が豊かになるでしょう。歯の健康は、心身の健康にも密接に結びついています。

 

それでは、また次回のブログでお会いしましょう。

 

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2023年12月22日
虫歯の治療を受ける子供

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

乳歯は柔らかいこともあり、虫歯になりやすいといわれています。虫歯になった乳歯をそのまま放置すると、どのような影響があるのかご存じでしょうか。乳歯はいつか抜けるから問題ないと思う方がいるかもしれませんが、乳歯の虫歯は永久歯にも多大な影響を及ぼします。

今回は、乳歯の虫歯が永久歯に及ぼす影響について詳しく解説します。乳歯が虫歯になったときの対処法や、乳歯の虫歯の予防法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

乳歯の虫歯が永久歯に及ぼす4つの影響

4つのイメージ

乳歯の虫歯は、永久歯にも影響を及ぼします。

乳歯の虫歯が永久歯に及ぼす影響を確認しましょう。

歯並びが乱れる

乳歯が虫歯になって症状が進行した場合、抜歯しなければならないことがあります。

通常の生え変わりでは、乳歯の下で永久歯が成長することで、乳歯の根を溶かす細胞が作られます。乳歯の根の吸収が進んでグラグラと揺れ始め、自然と抜けて永久歯が生えてくるのです。

乳歯が抜けてあいたスペースにすぐに永久歯が生えてくるので、大きく歯並びが乱れることは少ないでしょう。

しかし、虫歯が原因で乳歯を抜いた場合は、すぐに永久歯が生えてきません。隣接する歯が倒れるなど、永久歯が生えるためのスペースが狭くなることがあります。

ほかの歯を避けるように永久歯が生えることで、歯並びが乱れる可能性があるのです。

いびつな形の永久歯が生える

乳歯の虫歯が神経にまで達すると、乳歯の根の先に膿が溜まることがあります。永久歯は乳歯の下で成長するので、永久歯にも影響を及ぼす場合があるのです。

例えば、永久歯が変色する場合や、いびつな形になる場合があるでしょう。

ほかの歯の虫歯リスクも高まる

虫歯の治療をしても、虫歯菌は口腔内に残るといわれています。そのため、次に生えてくる永久歯も虫歯になるリスクがあるでしょう。

永久歯だけでなく、隣接する乳歯にも虫歯菌が波及して虫歯になるリスクがあるのです。

適切な顎の使い方が身につかない

乳歯が虫歯になり、本来抜けるべきタイミングよりも早く乳歯を失うと、次の歯が生えてくるまでに時間がかかるケースがあります。永久歯が生えてくるまで、半年以上必要な場合もあるでしょう。

歯がない状態で半年以上食事をしていると、食事や会話の際に本来とは異なる顎の使い方をします。正しい食べ方や話し方が身につかない可能性が高いです。

乳歯の虫歯の特徴を知ろう!

乳歯

乳歯の虫歯には、永久歯とは異なるさまざまな特徴があります。

乳歯の虫歯を早期に発見できるように、乳歯の虫歯の特徴を確認しましょう。

虫歯になりやすい部位

上の前歯の外側や、奥歯の噛み合わせる部分、歯と歯の間の3か所が、特に虫歯になりやすいです。大人の虫歯は、歯の根元や以前治療した詰め物との間にできやすいため、大人と同じ感覚でこどもの歯の仕上げ磨きをしていると虫歯を防げないでしょう。

痛みの有無

大人の歯は、歯の痛みがきっかけで虫歯に気づくことが多いかもしれません。

しかし、乳歯の虫歯は重症化しなければ痛みを感じないといわれています。歯の痛みは、歯の神経圧が高まることで引き起こされます。

乳歯は柔らかいため、歯の神経圧が高まりづらく、痛みをなかなか感じられないのです。そのため、歯がボロボロになってから虫歯に気づくケースが少なくありません。

見た目

虫歯と聞くと、歯が黒くなるというイメージを持たれるかもしれません。

しかし、初期の乳歯の虫歯では、歯の一部が白く濁る、帯状に白く濁るなど、歯のツヤが失われた状態となります。しっかりと観察しなければ発見できないため、仕上げ磨きの際に確認していても見逃されることが非常に多いです。

歯の表面に穴があくこともありますが、重症化しているサインといえます。

進行速度

乳歯は柔らかく耐酸性が低いため、永久歯よりも虫歯の進行が早いといわれています。大人であれば数か月以上かけて徐々に進行していく場合でも、乳歯の虫歯は数か月で神経まで達することも珍しくありません。

進行が早く痛みが出ないので、早期に発見することが非常に難しいのです。

乳歯が虫歯になったときの対処法

虫歯の検査

乳歯が虫歯になっている場合は、早期に対処すべきです。

歯科医院を受診する

まずは、歯科医院を受診しましょう。痛みがないうえに見た目も大きく変わらないので、乳歯の虫歯に気づくことは難しいですが、気づいた場合は早急に歯科医院を受診してください。

早い段階で治療できれば、少し削るだけで治療を終えられるでしょう。適切に虫歯を取り除いて乳歯を温存できれば、上述した4つの影響を回避できます。

歯科医院を受診したときの治療方法は、進行度によって異なります。それぞれ確認しましょう。

軽度の虫歯

虫歯が軽度な場合は、虫歯部分を削ってレジンとよばれるプラスチックの詰め物を詰めます。治療は1回で終わるので、何度も通院する必要はありません。

中程度の虫歯

虫歯がエナメル質を溶かして象牙質まで進行しているものの、神経には達していない場合は、軽度の虫歯と同様に治療します。虫歯部分を削ってレジンを詰めます。

削ったあとの歯型を取って、銀歯などの詰め物を入れることもあるでしょう。

重症の虫歯

虫歯が神経にまで達している場合は、抜歯を選択することが多いです。虫歯が神経にまで達すると、歯を温存することは難しいのです。

こどもの場合は神経の再生能力が高いため、神経の一部と歯を残す生活歯髄切断法という治療を行うこともあります。抜歯をして放置すると、将来の歯並びに影響を及ぼす可能性があるため、永久歯の成長をサポートする目的で入れ歯を使用することもあるでしょう。

乳歯の虫歯を予防する方法

歯磨き指導

乳歯の虫歯を予防することは、永久歯のためにも非常に重要です。

乳歯の虫歯を予防する方法について解説します。

丁寧に歯のブラッシングを行う

虫歯予防のために最も重要なのが、歯のブラッシングです。こどもの場合、虫歯になりかけている初期段階であればブラッシングで改善できることもあるので、ブラッシングは非常に大切です。

しかし、すべての歯を1人で磨けるようになるのは6歳(就学後)頃といわれています。1人で磨けるようになるまでは、保護者による仕上げ磨きが必要です。

こどもが1人でも歯を磨けるように指導しながら、保護者はこどもの虫歯になりやすい部分を中心に全体的に仕上げ磨きをしてあげましょう。

特に、睡眠中は虫歯菌が活発になります。睡眠前には、デンタルフロスやデンタルリンスを活用して口の中を清潔に保ちましょう。

虫歯予防には、フッ素が配合された歯磨き粉を使うのも効果的です。

定期的に歯科検診を受ける

こどもの虫歯は、保護者では気づけないことが多いため、歯科医院で虫歯の有無をチェックしてもらってください。虫歯の早期発見・早期治療にもつながるでしょう。

ご家庭でどれだけしっかりと歯磨きをしていても、磨き残しは生じます。磨き残しによってできた歯垢には、1mgあたり2~3億個もの虫歯菌が潜んでいるとされています。歯科専用の機械を使って、口腔内をきれいにしてもらいましょう。

歯科医院では、虫歯を予防するフッ素の塗布や、シーラントという処置を行ってもらえます。シーラントは、プラスチック樹脂で虫歯になりやすい歯の溝を埋める処置のことです。

歯科医院では見慣れない器具が多いため、怖いことをされるのではないかと不安になるこどもが多いです。痛い処置がない定期検診を受けて歯科医院に慣れていれば、虫歯治療が必要なときもスムーズに進められるでしょう。

おやつの時間を決める

「甘いものを多く食べると虫歯になる」と思う方がいるかもしれません。

しかし、甘いものを食べる量ではなく、砂糖が口の中にどれくらいの時間停滞しているかが、虫歯の発生に関わります。飴やチョコなどをだらだらと食べていると、虫歯になるリスクが高まるのです。

おやつの時間を決め、だらだら食べさせないようにしましょう。また、食後は歯を磨き、口の中の砂糖をしっかりと洗い流してください。

ソフトキャンディーやキャラメル、チョコレートなどの歯にくっつきやすいものは、虫歯予防の観点からは控えたほうがよいでしょう。

まとめ

虫歯予防に歯磨きする子供

乳歯の虫歯を放置すると、永久歯の歯並びに悪影響を与える可能性や虫歯のリスクが高まる可能性があります。さまざまな影響を及ぼすため、早期に治療したほうがよいでしょう。

乳歯は虫歯になっても痛みを感じにくく、見た目でもわかりにくいです。そのため、予防することが非常に重要です。歯科医院を定期的に受診して、歯の状態をチェックしてもらいましょう。

ご自宅でのブラッシングや、おやつの食べ方を見直すことも虫歯予防につながります。親子で乳歯の虫歯に気をつけ、永久歯を守りましょう。

乳歯の虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

フッ素って虫歯予防にいいの?

2023年12月20日
フッ素って虫歯予防にいいの?

こんにちは!大阪府八尾市で60年!地域に根ざした歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康に関して気なることや、歯にまつわる体のお悩みなどは人それぞれ、千差万別です。歯科医師やスタッフが歯科知識として理解していることでも、患者さまにとっては疑問や不安になってしまうのだと、気づかされてはっとすることも度々あります。できるだけ多くの質問に詳しくお答えできればいいのですが、診療中に個々の患者さまに詳しくご説明する時間が限られていることが多いのが実状です。

そこで、「歯に関するご質問に全力回答!」ブログをスタート! 普段の診療中にご質問いただく内容について、この場で詳しく解説していくことを目的として掲げ、出発したブログです。このブログが、歯医者に対して患者さまが日頃抱えている疑問や不安の解消への近道になれば、と願ってやみません。

どんな些細な疑問や質問でも、お気軽にお寄せください! 患者さまの健康としあわせを支えることが私たちの役目です。どうぞよろしくお願いいたします。

フッ素って虫歯予防にいいの?

今回はフッ素のお話です。皆さまも「フッ素」というと、普段使われている歯磨き剤のパッケージに書かれていたり、CMなどで耳にしたりしたことがあると思います。最近では国内各地の河川や水道水などから高濃度の有機フッ素化合物が検出されたとか、WHOが発がん性の評価を引き上げたとか、ニュースでもお聞き及びかもしれません。そこで今回は、「フッ素配合?」「歯磨き剤に入ってるフッ素と有機フッ素化合物は違うものなの?」など、そんな疑問や不安にもお答えしていきたいと思います!

そもそもフッ素って何?

フッ素は周期表の17番目の元素で、化学記号はFです。無色・無臭の気体であり、高い電気陰性度を持っています。主に歯科の領域で、「歯のエナメル質を強化し虫歯の予防に役立つ」として知られています。歯磨き剤やマウスウォッシュにも配合されています。また、工業や医薬の分野でもさまざまな製造に関与するなど、総じて、フッ素は歯の保健や産業プロセスにおいて重要な役割を果たしています。

そもそもフッ素って何?

また、歯科の領域で使用されているフッ素は、主にフッ化ナトリウムなどで、「無機フッ素化合物」と呼ばれるもので、問題の「有機フッ素化合物」とはまったく別のものです。

フッ素はなぜ虫歯予防になるのですか?

フッ素が虫歯予防に効果がある主な理由は、以下の通りです。

エナメル質の強化

フッ素は歯のエナメル質を強化する作用があります。エナメル質は歯の表面を覆っている硬い層で、酸や細菌などから歯を守る役割を果たしています。フッ素がエナメル質に取り込まれることで、より強固な表面を維持できます。

歯の構造

歯の再石灰化

歯を構成するミネラル質を再び歯の表面に取り込むプロセスのことを再石灰化といい、これによって歯の硬さと強度が増します。

細菌の成長抑制

フッ素は歯の表面に付着した細菌の成長を抑制する効果があります。虫歯の主な原因は、口内の虫歯菌によって作られる酸によるものです。フッ素はこの虫歯菌の活動を抑え、虫歯の発生リスクを減らします。

歯石の形成阻止

フッ素は歯石の形成を阻止する効果もあります。歯石は歯の表面に細菌やプラークが堆積して硬くなったもので、歯ブラシなどで十分に取り除くことが難しくなります。フッ素はこの歯石の形成を妨げ、口の中の清潔を維持します。

このように、フッ素は虫歯の予防に効果的で、歯の健康を維持するのに役立つのです。

フッ素は虫歯になった歯にも効果があるの?

はい、初期の虫歯に効果があります。フッ素は初期虫歯の修復、つまり「再石灰化」と呼ばれる現象を効果的に促進します。初期虫歯は歯の表面が酸により傷ついている状態(脱灰)です。これが進行すると、表面が崩れて穴の開いたむし歯になる可能性があるのですが、フッ素によって再石灰化が活性化することにより、傷ついた歯の表面が修復され、虫歯の進行を防ぐこともできます。

フッ素のはたらき

フッ素で虫歯は治せますか?

前述の通り、フッ素は初期の虫歯を修復し、進行を抑制する効果があります。ですが、進行が進んでしまった虫歯に対しては、フッ素だけでは効果が限定的であり、歯科医の治療が必要となります。歯科医は、虫歯の進行具合に応じて適切な治療法を提案し、虫歯を治療するプロセスを進めます。フッ素の使用はあくまでも予防的な側面で重要で、歯の健康維持を助けるものです。

フッ素は歯のエナメル質を再生しますか?

フッ素は歯のエナメル質を再生するわけではなく、再石灰化と呼ばれるプロセスを促進し、エナメル質の表面を強化する役割を果たします。再石灰化は、歯の表面に微小な損傷が生じたとき、ミネラル成分を歯に戻すプロセスのことですが、つまりフッ素による再石灰化とは、フッ素イオンが歯のエナメル質の結晶構造に結合することなのです。こうして、歯のエナメル質が強固になるというわけです。

フッ素を使う時に気をつけなければいけないことはありますか?

このようにフッ素は歯科などで効果的に利用されていますが、注意が必要な点ももちろんあります。以下はフッ素の注意点です。

適切な濃度の使用

フッ素を過剰に摂取すると健康に悪影響を与える可能性があります。歯磨き剤やマウスウォッシュなどの製品に含まれるフッ素濃度は指定された使用量を守りましょう。

小児への摂取管理

特に小児は成長段階にあり、過剰なフッ素摂取は歯や骨の発育に悪影響を及ぼすことがあります。小児用の歯磨き剤などは、年齢に応じた適切な濃度を選ぶことが重要で、2023年1月に歯磨き剤のフッ素濃度の推奨基準が変更されたりもしました。

斑状歯

高濃度(適量の2〜3倍ほど)のフッ素を、成長期(あごの骨の中で歯がつくられる時期)に継続的に摂取することによって、エナメル質の色や形態に異常が起きることです。歯の表面に白斑や白濁、または縞模様が出たり、重症の場合は歯の一部が茶色くなったり穴が開いたりすることもあります。

適切な歯科ケア

フッ素の使用は歯科ケアの手段として適していますが、歯の清掃や歯医者の定期検診も重要です。フッ素だけでなく、総合的な口腔ケアが歯の健康に寄与します。

アレルギー反応

一部の人々はフッ素に対してアレルギー反応を示すことがあります。歯磨き剤やマウスウォッシュなどを使用する際に、異常な反応があれば医師に相談しましょう。

とはいうものの、フッ素の利用は総じて歯の健康維持に役立つもので、使用量や濃度などに十分注意して適量を使用するなら、いたずらに怖がる必要はありません。心配な場合は歯科医に相談して、適切な用量・用法を確認してくださいね。

 

フッ素は塗ったほうがいいのでしょうか?

フッ素の塗布は歯の表面にあるハイドロキシアパタイトと呼ばれるエナメル質の主成分に影響を与え、その結晶構造を強化・修復します。このプロセスにより、酸に対して強固で丈夫な歯になります。特に、乳歯や新しく生えた永久歯はフッ素を効果的に取り込みやすいので、小児期に定期的にフッ素を塗布することはたいへん有効です。これによって歯の健康を維持し、虫歯の発生を予防する効果が期待されます。

 

フッ素は何歳ぐらいまでに塗ると効果的なんですか?

フッ素の塗布が小児期に効果的なのは確かですが、具体的な適正年齢については、個々の子どもの歯の状態や成長によって異なります。一般的なガイドラインとしては、乳歯が生え始めた頃から永久歯が発育し終わるまでが、フッ素の塗布にとりわけ有益な時期とされています。

おおよそ6歳から16歳の間

歯科医師は子供が6歳から16歳の間にフッ素の塗布を勧めることがありますが、この期間がまさに永久歯の発育が進む時期で、フッ素によって歯のエナメル質が強化され、虫歯の予防に高い効果が見込めるからです。

具体的なスケジュールは歯科医や子どもの歯の状態により異なるため、子供の歯科健康に関する相談はぜひ歯科医になさってください。歯科医は子どもの歯の状態を評価し、最適な時期と頻度でフッ素の塗布を勧めることができます。

小児期のフッ素塗布

フッ素塗布は大人にも効果がありますか?

大人の歯においてもフッ素塗布が効果的な理由はいくつかあります

歯の再石灰化

歯が酸によって傷つく(脱灰)のは大人でも同じです。フッ素は歯のエナメル質に働きかけ、再石灰化を促進します。これにより、歯の表面の小さな損傷や脱灰を修復し、歯を強化します。

歯の耐久性向上

大人ならではの生活習慣や飲食習慣により、歯が酸や細菌の影響を受けることがあります。フッ素は歯の結晶構造を強化し、酸に対する耐性を向上させる効果があります。

歯周病の予防

フッ素は歯周病の予防にも寄与します。歯周病は歯の周囲の組織に影響を与えるため、歯を健康に保つためにもフッ素の利用が有益です。

歯石の防止

フッ素は歯石の形成を防ぎ、歯の表面を清潔な状態に保つことも期待されます。

大人の歯においても、歯科医の指導のもとでフッ素の塗布が行われることで、歯の健康維持が期待できます。歯の状態に合わせた適切なケアを、ぜひ歯科医にご相談ください。

どのぐらいの頻度で塗るのがいいんでしょうか

塗布したフッ素の効果はおおよそ3〜4カ月持続すると言われています。

フッ素塗布の頻度は、患者さまの歯の健康状態や抱えているリスクによって異なります。歯科医師が患者さまの状態を評価し、最適なスケジュールを提案しますが、一般的なガイドラインに基づいて以下のような頻度が考えられます。

子供(乳幼児から青年期)

通常は歯の発育が進む期間において、6ヶ月から1年に1回の頻度でフッ素塗布が行われます。

成人

 成人の場合は、通常は1年に1回のフッ素塗布が一般的です。

リスクが高い場合

虫歯のリスクが高い場合や特定の歯の状態に問題がある場合は、個別のケースとして、歯科医から最適なスケジュールを提案させていただきます。フッ素塗布も含めた予防歯科については、もりかわ歯科ホームページの診療メニュー「予防歯科」もぜひご覧ください。

フッ素を塗りすぎると歯が白くなるって本当ですか?

一般的に、適切に適量を使用していれば、歯が白くなりすぎたり、まだらになることは少ないです。また歯の表面に変色が生じる可能性があるのは、フッ素を過剰に使用した場合です。これは「フッローシス」と呼ばれ、以下のような症状が現れることがあります。

白斑症(White Spots)

 歯の表面に白い斑点が現れることがあります。これは歯のミネラル損失によって引き起こされます。

まだらな変色

過剰なフッ素使用により、歯の表面がまだらに変色することがあります。これはフッ素が歯の結晶構造に影響を与えた結果です。

これらの症状は通常、フッ素の過剰な摂取や長期間にわたる過度のフッ素使用が原因で引き起こされます。一般的な歯磨き粉やマウスウォッシュを通常の使用量で利用する限り、こういった症状を心配する必要はありません。フッ素製品の使用量や濃度に関しては、商品の取り扱い説明書や歯科医との相談が重要です。

歯磨き剤はフッ素入りがいいですか?

歯科用フッ化物配合歯磨剤(しまざい/歯磨き剤のこと)は、毎日の歯みがきでフッ化物を効果的に供給できるため、虫歯予防に重要な役割を果たします。世界保健機関(WHO)は、フッ化物配合歯磨剤の使用を、すべての人に推奨しています。

フッ化物配合歯磨き剤(子ども用)

多くの国々では、フッ化物配合歯磨剤が市場シェアの90%以上を占め、圧倒的な数の人々に活用されています。先進国では、この過去30年で虫歯の大幅な減少が見られており、その要因として「フッ化物配合歯磨剤が普及したこと」が挙げられています。

日本では、フッ化物配合歯磨剤は医薬部外品として規定されており、フッ化物の配合成分としてはフッ化ナトリウム(NaF)、フッ化スズ(SnF2)、モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)の3種類が認可されています。これらの成分は、濃度が1,000ppm(0.1%)以下に規制されています。

フッ素うがいもいいって聞いたけど?

正しくはフッ化物洗口(ふっかぶつせんこう)といいます。

学校などでの集団実施

フッ化物洗口は保育園、幼稚園、小中学校で集団で実施されてもいます。一定濃度のフッ化ナトリウム溶液(5~10ml)を使用し、1分間のブクブクうがいをする方法で行われていますが、永久歯の虫歯予防に効果的です。この方法は、第一大臼歯が生え始める就学前から始め、だいたい中学生まで継続します。

小児期のフッ化物洗口によるう蝕(虫歯)予防率

家庭での実施

歯科医院で購入できる洗口剤(同250ppm)や薬局で購入できるOTCフッ化物洗口剤(同225ppm)を用いて毎日1回行います。

フッ化物洗口は大人にもいいの?

はい、成人においても隣接面むし歯や根面むし歯の予防に効果的です。寝ている間は唾液の分泌量が減り、フッ素が長時間口内に留まることができるので、フッ化物洗口は就寝前がおすすめです。

就寝前のフッ化物洗口

フッ素洗口液って危なくないの?

適切な量の使用であれば危なくありません。フッ化物洗口に利用されるフッ化物の濃度は、体に影響が出ない程度に調整されています。また、万が一洗口液を飲み込んでしまっても、急性中毒の心配はありませんし、正しい容量・用法での継続使用ならば、副作用の心配もありません。

フッ素を塗った後やフッ素うがいの後、食事はしてもいいですか?

30分は飲食をひかえてください。これは、口の中にフッ素が残りやすい状態を維持することが目的です。そうすることで、フッ素が歯の表面に、より効果的に吸収され、再石灰化や虫歯の予防効果を最大限に引き出すことが期待されます。せっかくのフッ素を飲んだり食べたりすることで流してしまわないようにすることが大切なのです。

アメリカ人は虫歯にならないのはなぜ?

アメリカなど多くの国々では水道水にフッ素が添加されていて、これが虫歯予防につながっているとされています。この取り組みは公共衛生の一環として行われ、水道水中のフッ素が歯の健康に役立つことが確認されています。水道水中のフッ素濃度が適切であることにより、歯科保健の向上と虫歯の発生率の低下が期待されています。

フッ素はドイツで禁止されているのですか?

ドイツでは一般的には水道水にフッ素を添加してはいませんが、フッ素の使用に関する法的な禁止はありません。ドイツに限らず、各国の水道水へのフッ素の添加に関する方針は異なるため、国ごとに異なる取り決めや基準が存在しています。ちなみに日本では全国的に水道水にフッ素を添加する計画は今のところ存在していません。

フッ素の摂取で骨粗鬆症になるかもって聞きました

フッ素と骨粗鬆症については、適切な摂取量であれば一般的には関連性が低いとされています。むしろ、適切な量のフッ素摂取は骨にとってもプラスに働きます。骨粗鬆症のリスクにつながるとすれば、やはり過剰で不適切に摂取した場合です。

適切なフッ素摂取と骨の健康

フッ素はフッ素は、骨の形成に必要なカルシウムとリンの吸収を促進し、適切な量なら骨を強化する効果があります。歯科保健の一環として、水道水や歯磨き剤にフッ素を添加することで、歯や骨の健康を促進しています。

過剰なフッ素摂取と骨粗鬆症などのリスク

フッ素を過剰に摂取すると、骨の形成が促進されすぎ、骨が硬くなりすぎてもろくなる可能性があります。また、フッ素は骨の破骨細胞の働きを抑制します。破骨細胞は、骨の再構築を行う細胞です。フッ素を過剰に摂取すると、破骨細胞の働きが抑制され、骨の再構築が妨げられる可能性があります。

過剰にフッ素を摂取してしまう原因

フッ素の過剰摂取が生じる主な原因としては、地下水や井戸水など自然な水源からの高濃度のフッ素が摂取されることが考えられます。一般的に、通常の飲料水や歯科製品からのフッ素摂取では、このようなリスクはほとんどありません。

フッ素は癌になりますか?

一般的な水道水や歯磨き剤、歯科製品からのフッ素の摂取が適切な量である限り、がんのリスクが増加するという科学的なエビデンス(根拠やデータ)はありません。とはいえ、フッ素の過剰な摂取は健康に悪影響を与える可能性があります。

一部の地域では自然水源から高濃度のフッ素が含まれている場合があり、これが慢性フッ素中毒を引き起こすことが報告されています。しかし、通常の水道水や歯科用製品からのフッ素摂取では、健康に対する重篤な影響はほとんど見られません。

まとめ

いかがでしたか? おおまかに言って重要なのは、「フッ素は歯科の健康に効果がある」「適切に使用していればフッ素は危険ではない」の2点です。これだけ抑えておいていただければOKですので、患者さま個々の健康状態などに応じて「どう使用すれば効果的」で、「適量はどのぐらいなのか」などは、ぜひ大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科までご相談ください。もりかわ歯科では、予防歯科にも力を入れております。転ばぬ先の杖となり得るフッ素を上手に使って、お口の中の健康を守りましょう。

歯にまつわることならどんなことでもご質問にお答えしたいという熱い思いで書いているこのブログが、患者さまの不安を拭えたならばこんなに嬉しいことはありません。

親知らずが虫歯に!放置してはいけない理由と抜歯の必要性!

2023年12月15日
親知らずが虫歯

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「親知らずが虫歯になっているけど、放置していいかな」「親知らずの虫歯は抜歯するって本当?」など、親知らずの虫歯に関する疑問をお持ちの方もいるでしょう。

今回は、親知らずが虫歯になりやすい理由や、親知らずの虫歯を予防する方法について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

親知らずが虫歯になりやすい理由

親知らずが虫歯

親知らずが虫歯になりやすい最も大きな理由は、ブラッシングが難しいことでしょう。親知らずは最後に生える永久歯で、歯列の最も奥に生えてきます。口腔内は狭いため、奥に生える親知らずは磨きにくいのです。

また、最後に生えるため、まっすぐに生えるだけのスペースがない場合も多いです。斜めや横向きに生えてくる方が非常に多く、汚れが残りやすいといえます。

歯茎から一部分のみ露出している場合もあり、食べかすなどが残りやすいことも原因でしょう。

汚れや食べかすが溜まりやすくブラッシングが難しいことから、親知らずは虫歯になりやすいのです。

親知らずの虫歯を放置してはいけない理由

親知らずの虫歯を放置してはいけない

親知らずの虫歯を放置してはいけない理由は、主に5つです。それぞれ詳しく解説します。

腫れて痛むことがある

親知らずに限らず、虫歯を放置すると腫れて痛みが出ることが多いです。表面のエナメル質に限定されている虫歯は、痛むことはありません。

虫歯が象牙質や神経まで進行すると、痛みが出るでしょう。虫歯を放置しても、改善することはありません。

痛みや腫れが強くなり、眠れないほどになる方もいます。親知らずに限らず、虫歯は放置せずに早急に治療せねばなりません。

口臭が発生する

親知らずの虫歯を放置すると、口臭が発生することがあります。

親知らずが虫歯になっているということは、口内環境が整っていないということです。歯周病などの口臭の原因になる病気も発症している可能性が高いため、口臭が発生・悪化することがあるでしょう。

放置すると歯を失う可能性もあるので、早急に歯科医院を受診しましょう。

ほかの歯に悪影響を与える

虫歯を放置すると、虫歯菌が歯の神経にまで到達し神経が壊死します。神経が機能しなくなると、歯の色が変わってもろくなります。

神経に到達するほど虫歯を放置した場合、歯の根の先に細菌や膿が溜まることがあるでしょう。歯の根の炎症が進行すると、やがて顎の骨にも影響を及ぼします。

顎の骨に炎症が広がると、顎の骨が溶かされて歯がグラグラし始めることがあります。歯を支えられなくなり、自然と抜け落ちることもあるでしょう。

虫歯になった親知らずだけが抜ければよいかもしれませんが、顎の骨の炎症も治療しなければ進行します。健康な周囲の歯にも悪影響を与える可能性があるので、虫歯は放置せずに治療しましょう。

身体に悪影響を与える

親知らずの虫歯を放置すると、身体にも影響を与えます。例えば、虫歯菌が血液の中に入ると、心筋梗塞や脳梗塞の原因になり得るのです。

また、親知らずは鼻の近くにあるので、虫歯菌の影響で副鼻腔炎になることもあります。虫歯は、全身のさまざまな問題を引き起こす可能性があるのです。

親知らずが虫歯になったら抜歯をしなければならない?

親知らず抜歯のイメージ

親知らずが虫歯になったら、抜歯を選択することが多いでしょう。虫歯を治療してもブラッシングしにくいことは変わらないため、再び虫歯になる可能性が高いからです。

本来、親知らずはなくても問題のない歯です。もともと親知らずが1本もない方もいます。

また、親知らずは斜めや横向きに生えてくる方が多く、そもそも正常に機能していない場合が非常に多いです。そのため、抜いても特に問題はありません。

斜めに生えている親知らずを放置すると、隣の歯を押して歯並びに悪影響を与えることもあるでしょう。親知らずがよい影響を与えることは少ないので、虫歯になったのであれば抜歯するべきといえます。

親知らずを抜歯しないケース

親知らずが虫歯になっても、抜歯しないケースがあります。提供歯(ドナー歯)として利用できる場合は、抜歯せずに残すことがあるでしょう。

提供歯とは、移植に使う歯のことです。何らかの理由で奥歯を失った場合に、親知らずを移植して失った奥歯を補います。

患者さまご自身の歯を使うので拒絶反応が起きないことがメリットでしょう。入れ歯やブリッジよりも噛み心地がよく、自然に使えます。

親知らずがまっすぐに生えており、清潔に保つことが可能だと判断された場合は、提供歯として利用するために残すことがあるでしょう。

親知らずを抜歯しない治療法はある?

親知らずの治療に疑問があるイメージ

基本的には親知らずが虫歯になった場合、抜歯を選択します。

しかし、親知らずを残したいと思う方もいるでしょう。抜歯しない治療法や症例をご紹介します。

初期虫歯で治療が容易である

初期虫歯とは、まだ歯に穴があいていない虫歯です。溶け出したエナメル質の成分を再び取り込む現象を再石灰化とよびますが、再石灰化で修復が可能な虫歯の場合、特別な治療は必要ありません。

歯科医院でブラッシング指導を受け、親知らず周辺の正しい磨き方を習得しましょう。日常の口腔ケアの質を向上し、歯科医院でフッ素塗布などの処置を行えば、改善される可能性があります。

親知らずを露出させる

親知らずは歯茎に一部が埋まっていることも多く、部分的に露出している場合は非常にブラッシングが難しいです。歯茎の一部を除去して親知らずを露出させれば、ブラッシングしやすくなるでしょう。

虫歯のリスクを下げられる場合は、抜歯しなくてもよいかもしれません。

親知らずの虫歯を予防する方法

歯磨きをする女性

親知らずの虫歯を予防する方法は、以下のとおりです。

歯磨きを徹底する

親知らずに限らず、虫歯を予防するためには歯磨きが非常に重要といえます。親知らず周辺は磨きにくいですが、丁寧に磨きましょう。

一定の方向に歯ブラシを動かすだけでは、親知らずをきれいに磨けません。歯ブラシをさまざまな角度から当てて磨きましょう。

歯ブラシを優しい力で小刻みに動かすことも重要です。1本ずつ磨くイメージで、小刻みにブラッシングしましょう。

補助用具を使用する

歯ブラシだけでは、細かい部分に付着した汚れを落とせません。デンタルフロスや歯間ブラシを使用して、すき間に入った汚れもしっかり落としましょう。

タフトブラシも、親知らずを磨く際に役立つでしょう。タフトブラシとは、毛先が1束になった歯ブラシです。

通常の歯ブラシよりも細いので、細かい部分の汚れを除去するのに適しています。通常の歯ブラシでブラッシングを行ったあとに、使用するとよいでしょう。

特に、親知らずの後ろ側、奥歯と面していない部分を磨く際に便利です。

日常のケアにフッ素を取り入れる

親知らずの虫歯予防には、ほかの歯と同じようにフッ素が効果的です。フッ素は虫歯菌の活動を抑え、歯の再石灰化を促す効果があります。

歯科医院で定期的にフッ素を塗ってもらってもよいですが、セルフケアに取り入れると効率よく虫歯を予防できます。

手軽に使用できるフッ素入りのケア用品は、歯磨き粉とマウスウォッシュでしょう。市販されているので、使用を検討してください。

定期的なメンテナンスを欠かさない

セルフケアだけでは、すべての汚れを除去することは難しいです。親知らずの虫歯を予防するために、定期的に歯科医院を受診してプロにメンテナンスしてもらいましょう。

プロのメンテナンスでは歯石もしっかり落としてもらえるので、虫歯だけではなく歯周病も予防できます。

まとめ

歯の治療の器具

親知らずは最も奥に生えてくる永久歯です。汚れが溜まりやすくブラッシングしにくいため、虫歯になりやすいです。

虫歯になると抜歯することが多いので、抜歯を避けたい方は虫歯にならないように日々のセルフケアを丁寧に行いましょう。また、定期的に通院してプロのメンテナンスを受けると、口内を清潔に保てます。

親知らずが虫歯になった場合、放置することは避けてください。放置して悪化すると、腫れて激しい痛みが出る、膿が出て口臭が発生するなど、さまざまなトラブルにつながります。

親知らずに違和感がある場合は、痛みが出る前に歯科医院へ相談しましょう。

親知らずの虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

正しい歯磨きの方法は?

2023年12月13日
正しい歯磨きの方法は?

こんにちは!大阪府八尾市で60年!地域に根ざした歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康に関して気なることや、歯にまつわる体のお悩みなどは人それぞれ、千差万別です。歯科医師やスタッフが歯科知識として理解していることでも、患者さまにとっては疑問や不安になってしまうのだと、気づかされてはっとすることも度々あります。できるだけ多くの質問に詳しくお答えできればいいのですが、診療中に個々の患者さまに詳しくご説明する時間が限られていることが多いのが実状です。

そこで、「歯に関するご質問に全力回答!」ブログをスタート! 普段の診療中によく訊(き)かれる質問に対して、この場で詳しく解説していくことを目的として掲げ、出発したブログです。このブログが、歯医者に対して患者さまが日頃抱えている疑問や不安の解消への近道になれば、と願ってやみません。

どんな些細な疑問や質問でも、お気軽にお寄せください! 患者さまの健康としあわせを支えることが私たちの役目です。どうぞよろしくお願いいたします。

正しい歯の磨き方って?

毎日の習慣として行っている歯磨きですが、ふと「あれ?磨き残しがあるかも」「ちゃんと磨いてるつもりだけど、上手く磨けてるか自信がない」と不安に思ったり、定期検診で指摘されることがあったりなど、正しい磨き方を知りたい方は少なくないようです。そこで今回は、そんなお悩みを解決すべく、正しい歯の磨き方をレクチャーいたします。

歯磨きのタイミング

歯磨きのタイミング

朝・昼・晩? ご飯の前?後? 寝る前は? そこのところをちゃんと知りたい!にお答えします。

歯磨きは1日何回すべき?

一般的に理想的な回数は1日3回とされています。3回行うのが難しい場合は、少なくとも2回の歯磨きが推奨されています。なぜその回数なのかは、歯磨きをする目的を考えるとよく分かります。

歯磨きをする目的

歯磨きの主な目的は、食事後に付着した歯垢や食べカスを取り除き、口臭や歯周病、虫歯を予防し、口腔内を清潔で健康な状態に保つことです。つまり、「食事をしたら歯磨きをする」というのが、お口の中の清潔に直結するというわけです。

1日1回は少ないですか?

虫歯菌がつくるバイオフィルム(歯垢)は、唾液の働きを妨害し、歯の再石灰化を邪魔します。このバイオフィルムが生成されるのが約48時間なので、最低1日1回でも念入りに歯磨きをすれば虫歯菌の活動は抑制できるということにもなります。ですが、1日1回しか歯磨きをしない人に比べ、1日2回歯磨きをする人のほうが虫歯発生率が低いという研究結果もありますので、やはり歯磨きの回数は理想に近づけたほうがいいでしょう。

朝の歯磨きはいつがいいですか?

「朝ごはんの後」がいいのか「朝食前(起床時)」がいいのかについては、さまざまな意見がありますが、前述の歯磨きの目的を考えると、基本的には食後が推奨されます。ただ、寝ている間は唾液の分泌量が減っていることが原因で、寝起きの口の中は乾燥し、細菌が多くなっているのも事実です。このまま朝食を食べてしまうと、細菌を一緒に飲み込んでしまうことにもなります。結論からいうと、朝食前と朝食後の2回がもっとも効果的!ではありますが、忙しい朝にそれはなかなか難しいでしょうから、起床時にはうがいや軽くブラッシングすることで細菌を洗い流し、朝食後に歯磨きをして食べカスを取り除きましょう。

昼の歯磨きについて

1日3回磨くとすると、学校や仕事などで外出している昼の歯磨きが、いちばんやりづらいでしょう。無理な場合は、うがいだけでもするといいでしょう。特に、朝・晩しっかり磨いている場合はそれでOKです。お口の中のすみずみまで水が行き渡ることと、水の勢いを保つことで食べカスが取れやすくなるので、水はあまりたくさん含まず、少量の水でのぶくぶくうがいがおすすめです。

夜の歯磨き

夕食後の歯磨きも大切ですが、もっとも重要なのは寝る前の歯磨きです。寝ている間は唾液が減り、口の中が乾燥し、細菌が繁殖しやすい環境になってしまうため、虫歯や歯周病にとてもかかりやすい状態になります。これを防ぐための就寝前歯磨きです。就寝前の歯磨きを念入りに行なっている場合には、朝や昼の歯磨きが軽いものでも大丈夫とまで言われるほどですので、就寝前は特にしっかり歯磨きしましょう。

食後すぐの歯磨きはよくないって聞いたけど?

食後30分以内の歯磨きがおすすめできないのには理由があります。私たちが食べ物を噛むと唾液が出ますが、唾液の中の酵素が食べ物を分解する過程で酸がつくられます。つまり食後すぐは口の中が酸性になり、歯が酸にさらされている状態です。この状態では、実は歯のエナメル質が柔らかくなっていて、歯ブラシなどで削られやすくなっているため、食後すぐの歯磨きはおすすめできないのです。代わりに、食後30分以上経ってから歯磨きでは、口内の酸性が中和され、歯の表面が硬くなり、口の中の中性化が促進されます。

歯磨きと虫歯

歯磨きのいちばんの目的が虫歯予防ということを踏まえて、もう少しだけ歯磨きと虫歯の関係を知って、日々の歯磨きに役立ててください。

虫歯になりやすい部分(磨き残しやすい部分)

一般的に虫歯になりやすいと言われているのは、奥歯(臼歯)です。奥歯は食べ物をすりつぶす役割があるため、溝や窪みが多く、食べカスが残りやすいとされています。また、その他にも隣り合った歯と歯の間、歯と歯茎の境目などが虫歯になりやすい部分です。

虫歯になりやすい部分

歯磨きしているのに虫歯になるのはどうして?

自分ではちゃんと磨いている(磨けている)つもりでも、うまく歯ブラシが当たっていなかったりして食べカス(虫歯菌の栄養)が残ってしまっているケースが多くあります。また唾液の分泌量が少ないと、お口の中を中和する機能が損なわれ、虫歯になる可能性が高まります。唾液の分泌を促す水分の摂取量が少ない、または高齢、もしくは薬の副作用などで唾液量が減った方も、歯科医にご相談ください。

歯ブラシの選び方

正しい歯磨き(ブラッシング)のためには、ご自身に合った歯ブラシを選ぶことも大切です。「安かったから」や「家族の分をまとめ買いしてるから」などの理由もあるかも知れませんが、ご家族それぞれに合った歯ブラシを使うようにしましょう。

歯ブラシ選びのポイントは3つ!

  1. 使う目的:虫歯予防、歯周病予防、白い歯にしたい、などの目的をはっきりさせましょう。目的別にさまざまな商品がありますが、迷った時は歯科医に相談してください。
  2. 毛の硬さ:「メーカーの基準」と「JIS(日本産業規格)」によって若干の差異があることもありますが、メーカーは実際の使用感で決めているので、メーカーの基準を参考に、基本的には歯茎の状態に合わせて選びましょう。
  3. ヘッドの大きさ:お口の大きさに合わせて選びましょう。また磨き残しが気になる部分にも適したものがいいでしょう。

歯ブラシ選びのポイント

歯ブラシの硬さは「かたい」ほうがいいですか?

硬い歯ブラシは、確かに歯垢などの除去力はあるかもしれませんが、毛が硬ければそれだけ歯や歯茎の負担になってしまいます。エナメル質が傷つくと、知覚過敏などが発症しやすくなったり、着色(歯が黄ばむ)しやすくなってしまったりします。歯や歯茎が健康な方なら「ふつう」がおすすめです。

「ふつう」の歯ブラシのデメリットは?

汚れを落とす効果もちゃんとあり、歯と歯の間や、歯と歯茎の境目にも届きやすい「ふつう」の歯ブラシのデメリットは、適切な力加減で使用する限り、特に目立ったものはありません。

「やわらかい」歯ブラシはどうですか?

「やわらかい」歯ブラシは、優しく磨け、歯や歯茎を傷つけにくい反面、汚れを落とす力は弱いので、より丁寧に磨く必要があるでしょう。

毛先の形状や毛の太さについて教えてください

毛先の形はメーカーにより色々なものがありますが、おおまかにラウンド型とテーパード型の2つに分けられます。また毛の太い、細いにもそれぞれメリット・デメリットがありますので、下図を参考になさってください。

各種歯ブラシのメリット・デメリット

ヘッドは小さいほうがいいですか?

大きなヘッドは一気に磨けて便利!という意見もありますが、一般的にすみずみまできちんと磨くためにはヘッドは小さめがおすすめです。歯並びが気になる人も小さめがいいでしょう。

ヘッドの薄さはどうですか?

ヘッドが薄いと、お口の奥のほうまで入り込みやすく、また操作性も高まります。頬側にも届きやすいのがメリットです。

歯ブラシの持ち方

歯ブラシの基本的な持ち方には2通りあります。鉛筆を持つように持つ「ペングリップ」と、手のひらで握るように持つ「パームグリップ」です。磨く場所によっても持ちやすさが違いますので、いちばん磨きやすい方法で握りましょう。

歯ブラシの持ち方

パームグリップ

しっかりと持てるので力を入れやすい反面、力が加わりすぎて歯や歯茎を傷つけるおそれもあります。

ペングリップ

力が入りすぎず歯にも歯茎にも優しく磨け、また細かく動かしやすい握り方です。

歯ブラシの当て方(角度)

歯ブラシは、磨く場所によって最適な当て方があります。図を参考にしてみてください。

歯ブラシの当て方

歯ブラシの当て方のポイントは3つ!

  1. 毛先をケアしたい場所にきちんと当てる。
  2. 毛先が広がらない程度の力で当てる。
  3. 歯2本ぐらいを目安に、小刻みに動かす。

電動歯ブラシはどうですか?

基本的には手動か電動かの違いですので、当て方に違いはありません。製品の取り扱い説明書もよく読んでください。

矯正時の歯磨きはどうすればいいですか?

ワイヤー矯正の場合は、ワイヤーの上部/下部・ブラケット周りを歯ブラシを45度に傾けて丁寧に磨きます。またワイヤーと歯の隙間にも歯ブラシの毛が入り込むようにして磨くか、歯間ブラシを使用してもいいでしょう。

ワイヤー矯正時の歯磨き(歯間ブラシ)

マウスピース矯正の場合は、取り外しができるので通常と同じ歯磨きをしてください。マウスピースの洗浄は、指で全体をやさしくこすり、くぼんだ箇所などは歯ブラシで汚れを落とします。

ブラッシングの回数

1箇所(2本程度)20回を目安に動かしましょう。時間をかけても同じ箇所を磨いていては意味がなくなってしまうので、順番を決めて磨くのもいいでしょう。

歯磨き剤について

歯磨き「剤」と書きましたが、普段は歯磨き「粉」と言っている方が多いかと思います。これは昔歯磨き剤が「粉」だった時代の呼称の名残で、練り歯磨き(またはペースト状)になってからも通称として「歯磨き粉」が浸透しているせいなのです。

では、チューブに入ったお馴染みの歯磨き剤も含め、その種類を紹介していきます。

歯磨き剤の種類

ペースト状の歯磨き剤

ほとんどがチューブに入ったフッ素(フッ化合物)入の歯磨剤で、虫歯予防を目的として使用されるのが一般的です。発泡剤(口内に歯磨き剤を拡散させる)、清掃剤(汚れを落とす)、香味剤・清涼剤(爽快な使用感を与える)、湿潤剤、浸透剤、研磨剤などが配合されていることも。

ジェル状の歯磨き剤

フッ素配合で、研磨剤は入っていません。口内に拡がりやすいが、歯の付着物除去の効果を目的とはしていません。

フォーム(泡)状の歯磨き剤

空気が入っているために、ペーストより化合物の密度が低くなりますが、すすぎやすさに優れており、吐き出す力の弱い乳幼児や高齢者に適しています。

医薬品と医薬部外品の違いって?

歯磨き剤は、実はよく聞く「医薬品」と「医薬部外品」に加え「化粧品」の3つに分けられます。

医薬部外品:

薬用成分が入っているもので、処方箋が必要。また、歯科医院でのみ取り扱っているものもあり、「治療」が主な目的です。

医薬部外品:

有効成分が一定の濃度で配合されている、もっぱら「予防」を目的としたもの。「薬用」と表記されているものも医薬部外品です。

化粧品:

厚生労働省から認可されていないものです。「健やかさや清潔さを保つ」や「きれいにする」を目的にしていますが、その効果や効能についても認可はされていません。

歯磨き剤って使わないほうがいいの?

歯磨きの主目的は「汚れ(食べカス)や歯垢を除去する」ことですので、これが果たされるのであれば歯磨き剤は使用しなければならないものではありません。ですが、歯磨き剤には虫歯予防に有効な成分も含まれていて、歯磨き剤を使用したほうが歯垢の付着量が少なかったというレポートもあり、口臭の除去効果なども含め「歯磨き剤はサポート役」と考えるといいでしょう。

歯磨き剤とアレルギー

歯磨き剤には目的に合わせた様々な成分が含まれていますので、中にはアレルギーや口内炎、口内の痛みなどを引き起こす場合もあります。症状が出た場合は速やかに使用をやめ、医師に相談してください。

歯ブラシは濡らさないほうがいいって本当?

歯ブラシを濡らすと歯磨剤の泡立ちがよくなり、「よく磨けた気持ち」になってしまうのがマイナスです。また、有効成分が流れやすくなってしまうことも考えられるので、最近では歯ブラシを濡らさないほうがいいとされています。

歯磨き粉を混ぜて使ってもいいですか?

おすすめできません。それぞれの成分が拮抗(わかりやすく言い換えるなら「ケンカ」)してしまい、せっかくの効果が得られないことも考えられるからです。

歯間ブラシやフロスって必要ですか?

はい、ぜひ使ってください。歯ブラシでは取り除ききれない汚れでも、歯間ブラシやデンタルフロスを併用することにより、除去率がアップします。

デンタルフロスと歯間ブラシ

デンタルフロスや歯間ブラシはいつ使うのがいいの?

歯ブラシによるブラッシングの前がいいとされています。なぜなら、歯間ブラシやデンタルフロスでかき出した汚れを、ブラッシングで確実に排出させることができるからです。

歯磨きするときデンタルフロスや歯間ブラシは毎回使わないとだめですか?

もちろん理想は毎歯磨き後ですが、「最低1日1回でも念入りに歯磨きを」ということから考えると、就寝前の歯磨き時にでも1回は使用するといいでしょう。

歯磨きができないときどうすれば?

外出時、災害時、さまざまな理由で歯磨きができない時は、まずはうがいで口内を洗い流すことが大切です。また、マウスウォッシュ(洗口液)やキシリトールガムも完璧ではないものの代用になります。

マウスウォッシュ

マウスウォッシュ、と言っても正しくは液体タイプのオーラルケア製品。実はマウスウォッシュ(洗口液)とデンタルリンス(液体歯磨き)の2種類があります。どちらも液体ですが、マウスウォッシュは口に入れてすすいだ後吐き出すのに対して、デンタルリンスは口に入れた後歯ブラシでブラッシング、または口に含んだままでブラッシングすることで効果が発揮されます。

マウスウォッシュ

歯周病などで歯茎が弱っている場合は、アルコール配合のものは刺激が強すぎたりもしますので、目的や症状に合った配合成分の製品を選びましょう。

キシリトールガム

歯科専用のデンタルガム(キシリトール配合100%)がおすすめです。市販のものに比べてキシリトール配合の割合が高く、噛むことで唾液の分泌も促されるので、虫歯予防に効果があります。

キシリトールガム

まとめ

いかがでしたか? 正しい歯の磨き方のご参考になりましたでしょうか。実践で教えてほしい!など、ティーチングをご希望の方はぜひ、大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科までお越しください。もりかわ歯科ではTBI(ブラッシング指導)も行っております。1人として同じ口の中の方はいらっしゃいません。その人に合わせたブラッシングについてお伝えいたしますので、十分なセルフケアを目指しましょう。

歯にまつわることならどんなことでもご質問にお答えしたい。そんな思いで書いているこのブログが、患者さまの不安払拭の一助になれたなら幸いです。

歯周病予防に効果のある食べ物とは?食事以外に気をつけることも解説

2023年12月8日
食事をする女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯周病は予防できる病気です。歯周病が重度にまで進行すると、最悪の場合歯を失います。歯周病は重度になるまで気がつかないこともあるため、日頃から予防することが非常に重要です。

今回は、歯周病の原因や予防について、食事に焦点を当てて解説します。ぜひ参考にしてください。

歯周病の原因

歯周病の人

歯周病の原因は、歯周病菌です。歯周病菌は口腔内の細菌で、歯垢という細菌の集合体の中にいます。

歯周病菌は酸素の少ない場所を好むため、歯と歯茎の境目に生息しやすいです。歯周病菌が毒素を出し、歯茎や歯を支える骨などの歯周組織に炎症を起こすのが歯周病です。

歯茎に炎症が起こると、歯と歯茎の間に歯周ポケットという溝が出現します。歯周ポケットの内部は酸素が少ないため、歯周病菌がより繁殖するのです。

歯周病の間接的な原因

歯周病の原因である歯周病菌の存在に加えて、口腔内の環境や生活習慣、全身的な影響などの間接的な原因が加わり、歯周病を発症・悪化させることがあります。

具体的には、歯石が付着している場合や、歯並びが悪く汚れが溜まりやすい部分がある場合、不適合な被せ物がある場合などは、歯周病のリスクが高まるでしょう。全身的な要因としては、ストレスや睡眠不足、運動不足、食習慣などが影響します。

特に、喫煙する習慣がある方は、血管が収縮し歯茎に栄養が行き渡りません。歯周病菌に対する抵抗力が低下し、歯周病が重症化する傾向にあります。

また、女性ホルモンの影響で、妊娠中に特定の歯周病菌が増殖する場合や、生理中に歯茎が腫れる場合もあるでしょう。

歯周病は食事で予防できる?

歯周病は食事で予防できるか考える女性

歯周病菌の出す毒素に対する歯茎の抵抗力が弱いと、炎症を起こします。そのため、身体によい食べ物を食べて免疫力を高めることは、歯周病の予防につながります。

ただし、食事だけで完全に歯周病を予防することはできません。歯に付着している歯周病菌を歯磨きで物理的に取り除くことは、歯周病予防において非常に重要です。

歯磨きなどのケアに加えて、歯茎によい食事を取り入れると歯周病予防に効果的でしょう。

歯周病予防に効果のある食べ物とは?

歯周病予防に効果のある食べ物イメージ

歯周病予防に効果的な栄養素と、食べ物の例をご紹介します。

食物繊維が豊富な食べ物

食物繊維が豊富な食べ物をしっかり噛んで食べることで、唾液の分泌が促進されます。唾液は、人間が持っている抗菌作用のある物質です。

食物繊維が豊富な果物や野菜を食べて、唾液を多く分泌させれば、歯周病予防に効果があります。具体的には、人参やごぼう、レタスなどの野菜や、キノコ類などが挙げられるでしょう。

ビタミンエースを含んだ食べ物

ビタミンエースとは、ビタミンA・ビタミンC・ビタミンEのことを指します。身体の抵抗力を高める効果があるので、歯周病予防にも効果的でしょう。

ビタミンCは、歯茎のコラーゲン繊維を再生し、歯茎の健康を守る効果が期待できます。

それぞれのビタミンを多く含む食品は、以下のとおりです。

・ビタミンA:人参・ピーマン・ほうれん草などの緑黄色野菜
・ビタミンC:小松菜、ほうれん草、ブロッコリー、トマト、イチゴなど
・ビタミンE:ナッツ類、うなぎ、かぼちゃ、大豆製品など

炎症を抑える食べ物

歯周病の始まりは、歯茎の炎症です。歯茎の炎症を抑えることは、歯周病を予防することにつながります。

炎症を抑える効果がある食品は、根生姜やネギ、ニラ、ニンニク、ナッツ類が挙げられます。

特に根生姜は抗炎症作用があるため、歯茎の炎症そのものを防ぐ効果も期待できるでしょう。ネギ、ニラなどの香味野菜なども、炎症物質の産生を抑えるといわれています。

控えたほうがよい食べ物とは?

控えたほうがいい食べ物イメージ

歯周病予防に効果的な食べ物がある一方、控えたほうがよい食べ物も存在します。免疫力を下げる食べ物や、歯周病菌を増殖させる食べ物は、控えたほうがよいでしょう。

具体的に解説します。

免疫力を下げる食べ物

カップラーメンや冷凍食品などの加工食品ばかりを食べると、栄養のバランスが悪くなり、免疫力が低下します。免疫力が低下すると、歯周病菌に対する抵抗力が弱まり、歯周病が発症・進行しやすくなるでしょう。

免疫力を下げる食べ物を控えて身体の調子を整えることも、歯周病予防の観点では重要です。栄養バランスが悪い食事にならないように注意しながら、上述した食品を積極的に取り入れましょう。

歯周病菌を増殖させる食べ物

歯周病の原因である歯周病菌は、プラーク(歯垢)のなかに含まれます。プラークを作りやすい食べ物は、歯周病菌を増殖させやすい食べ物といえます。

菓子パンやクッキーなど、柔らかく唾液と混ざるとねばねばして口腔内に残りやすいものや、飴・チョコレートなど糖を多く含む食べ物は避けたほうがよいでしょう。清涼飲料水も、糖が含まれている場合があるため、ダラダラと飲むと歯垢ができる原因になります。

水分補給はお水かお茶で行ってください。抗菌作用のある緑茶も、歯周病予防に効果的です。

歯周病予防のために食事以外に気をつけること

歯磨きする女性

歯周病予防のために食事以外に気をつけることを確認しましょう。

歯磨きを丁寧に行う

歯周病を予防するには、丁寧な歯磨きが最も重要です。口腔内に汚れが溜まらないように毎日行いましょう。

歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスも使用して、口腔内の汚れをしっかり除去してください。

生活習慣を見直す

食事以外でも、免疫力を高める生活を心がけるとよいでしょう。歯周病菌への抵抗力を高められれば、歯周病を予防できます。

適度な運動を心がける、ストレスを溜めない、しっかりと睡眠を取るなど、生活習慣を見直すとよいでしょう。

喫煙習慣がある方は、非喫煙者と比較すると歯周病のリスクが高いことがわかっています。減塩・禁煙を意識すると、歯周病になるリスクを下げられるでしょう。

定期的にクリーニングを受ける

歯科医院のクリーニングを受けることも、歯周病予防に効果的です。どれだけ丁寧に歯磨きをしていても、セルフケアでは落とせない汚れが存在します。

磨き残しを放置すると歯周病の原因になるため、定期的に歯科医院のクリーニングを受けて、徹底的に汚れを落としてもらいましょう。

歯科医院でクリーニングを受ける場合、磨き残しの有無を確認してブラッシング指導を行うことが多いです。磨き方には癖があるので、磨けている部分と磨けていない部分が生じることがあります。

ブラッシング指導を受けて、ご自身に適した磨き方やツールの使い方を身につけましょう。セルフケアの質が向上するので、歯周病予防に効果があるでしょう。

また、定期的に歯科医院を受診していれば、自覚症状が出ていない初期の歯周病に気づいてもらえるかもしれません。早期に治療を開始できれば、歯を失うリスクを下げられます。

歯周病を予防するためだけでなく、ご自身の歯を守るためにも、定期的に歯科医院を受診しましょう。

まとめ

野菜が好きな女性

今回は、歯周病予防について、食事に焦点を当てて解説しました。

歯周病は、予防できる病気です。痛みなどの自覚症状が現れる頃には、症状が進行しているといえます。気づいたときには歯を残せない状態になっている可能性もあるので、歯周病は予防することが非常に重要です。

歯周病の予防の基本である歯磨きをしっかり行うことと並行して、歯周病予防に効果的な食べ物を積極的に摂取しましょう。唾液の分泌を促せる食べ物や、免疫力をアップさせる食べ物を選べば、歯周病を予防できる可能性があります。

歯周病は、日々の生活習慣とも深く関わりがある病気です。生活習慣も見直して、歯周病を予防しましょう。

歯周病予防に興味がある方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯のクラウンの寿命は?

2023年12月6日
歯のクラウンの寿命は?

こんにちは。大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。歯科医や診療所のスタッフにとっては当たり前の情報でも、患者さんは歯の専門家ではないため、さまざまな疑問や疑問が生じることは当然です。歯やそれに関連する体のことについて、患者さんが知りたいことを理解し、納得していただくことが重要だと考えています。

診療中にすべての疑問に答えることが理想的ですが、詳しく説明するには時間的な制約もあります。そこで、日々の診療でよく寄せられる質問に対して、このブログで順次お答えしていくことにしました!このブログを通じて、患者さんが歯医者に対して抱く疑問や不安を解消できるよう、お手伝いできればと願っています。最後までご覧いただければ幸いです。

歯のクラウンについてのご質問に全力回答!

今回は歯のクラウンについて、その用途や種類、寿命についてなど様々な質問に全力でお答えしていきます!

歯の”クラウン”とは何ですか?

歯の”クラウン”とは?

歯の「クラウン」は、歯の頂部にあたる部分で、歯冠(しかん)とも呼ばれます。歯のクラウンは、歯根と呼ばれる歯茎の下にある部分から生えている歯の部分です。歯冠は、エナメル質、象牙質、および歯髄(歯の中心にある神経組織)から構成されています。

歯のクラウンが損傷したり虫歯になったりした場合、歯を修復するために歯科治療が必要になることがあります。このとき、歯科医師は患者の歯の状態に応じて、クラウンを製作して歯を覆い、形状を修復します。このクラウンは通常、人工的に作られた材料でできており、天然の歯と同様の外観と機能を提供します。

クラウンは、歯を保護し、噛む力を分散させる役割を果たすだけでなく、歯の外観を美しく整える効果もあります。クラウンはさまざまな材料で製造され、患者の特定のニーズや好みに合わせて選択されます。クラウンは、単独の歯を補強するだけでなく、歯の形や色を改善し、審美的な修復を行うためにも使用されます。

クラウンとブリッジの違いは何ですか?

クラウンとブリッジは、歯の修復や置換に使用される歯科治療の手法ですが、それぞれ異なる役割を果たしています。

クラウンとブリッジの違い

クラウン(冠)

クラウンは、1本の歯を覆うキャップ状の装置です。損傷した、割れた、または虫歯になった歯を覆い、形状を修復し、機能を回復させます。クラウンは、歯を強化し、外観を美しくするために使用されます。患者の歯の上に合わせて作られ、接着剤で確実に固定されます。

ブリッジ(橋)

ブリッジは、欠損した歯を補うための装置で、周囲の健康な歯に支えられた人工の歯(ポンティック)で構成されます。ブリッジは、欠損した歯の箇所に固定され、両側の健康な歯に取り付けられたクラウン(アバットメント)が支えとなります。ブリッジは、歯の欠損を修復し、咬合力を分散させることで周囲の歯を保護します。

 

要するに、クラウンは1本の歯を覆うために使用され、損傷した歯を修復します。

一方、ブリッジは欠損した歯を置き換えるために使用され、周囲の健康な歯に支えられます。どちらも患者様の口腔健康を維持し、歯の損傷や欠損を修復するための重要な歯科治療オプションです。

クラウンとインレーの違いは?

クラウン(Crown)とインレー(Inlay)は、虫歯や他の理由により歯が欠けたり割れたりした際に、損失した部分を修復するための治療法です。インレーは部分的な詰め物であり、一方でクラウンは歯全体を覆う被せものです。このため、失われた範囲が比較的小さい場合にはインレーが適しており、歯の大部分が失われた場合にはクラウンが使用される傾向があります。

クラウンとインレーの違い

クラウン(冠)

  • クラウンは、1本の歯全体を覆うキャップ状の装置です。
  • 歯の大部分が損傷している、虫歯や割れが深い場合に使用されます。
  • クラウンは歯を強化し、外観を美しく修復するのに役立ちます。
  • 歯の表面全体を覆うため、歯を完全に包み込む形になります。

インレー(Inlay)

  • インレーは、歯のうち特定の部分のみを補強・修復する装置です。
  • 主に歯のうちのくぼみ(溝)や窪みに合わせて作られ、歯の中央部分に取り付けられます。
  • インレーは、歯の咬合面やう蝕(虫歯)の部分を修復するのに使用されます。
  • インレーは、クラウンよりも歯を温存するため、歯の構造を最小限に削ることができます。

 

クラウンが一本の歯を覆うために使用するものに対し、インレーは歯の一部分を補強し、くぼみや窪みに取り付けられ、歯の温存が可能な範囲で修復されます。どちらも患者様の特定の状況に合わせて選択され、歯科医との相談が重要です。

クラウンの種類

歯のクラウンは、患者様のニーズや歯科医の勧告に基づいて様々な材料で作られます。以下は一般的な歯のクラウンの種類です。

セラミッククラウン(陶磁器クラウン)

ポーセレン製で、天然の歯に近い外観と光沢を持っています。前歯や視認されやすい場所に適しています。

金属クラウン

金属(通常は合金)から作られ、丈夫で強力です。金属の色が天然の歯とは異なるため、見た目が気になるかもしれませんが、強度が求められる場合に選択されることがあります。

ポーセレンフュージョンメタルクラウン(PFMクラウン)

ポーセレンと金属を組み合わせたもので、金属の強度とポーセレンの天然な外観を組み合わせています。

ジルコニアクラウン

ジルコニアは非常に強力で、天然の歯に近い透明感があります。金属が不要なため、アレルギーがある患者様に適しています。

レジンクラウン

レジンはプラスチック製の歯のクラウンで、通常は一時的な修復に使用されます。他のクラウンよりも削り取りやすいため、長期的な使用には向いていません。

全金属クラウン

歯全体が金属でできており、主にバックティース(奥歯)で使用されることがあります。

オールセラミッククラウン

セラミックでできたクラウンで、金属を使用せずに自然な見た目を提供します。前歯や視認されやすい場所に適しています。

 

これらのクラウンの材料にはそれぞれメリット・デメリットがあり、患者様の個別の状況や好みによって最適な選択が異なります。歯科医とよく相談して、最適なクラウンの材料を選ぶことが重要です。

クラウン治療は何回くらいかかりますか?

通常、クラウンの治療にはおおよそ4〜5回の診療が必要です。ただし、虫歯がまったくない場合や仮歯を使用しない場合、治療回数は2〜3回で済むこともあります。虫歯や根の状態によっては、クラウンの前に神経の治療や根の再治療が必要な場合があり、その際は別途治療が必要となります。

クラウン治療の一般的な流れ

以下は一般的なケースの治療の流れですが、個々の状況によって変化する可能性がありますことをご了承ください。

1.初回の診断と治療計画

1.初回の診断と治療計画

初めて歯科医に相談する際に、歯の状態を評価し、治療計画を立てます。この段階では仮歯の取り付けや歯の調整が行われることがあります。

2.歯の削り準備

2.歯の削り準備

次に、クラウンを取り付けるために、対象となる歯を削ります。これにより、クラウンが適切にフィットするスペースが確保されます。

3.型取りと仮歯の取り付け

3.型取りと仮歯の取り付け

歯の削りが終わった後、歯の型を取り、これを基にクラウンが作成されます。同時に、仮歯が取り付けられることがあります。

4.クラウンの取り付け

4.クラウンの取り付け

クラウンが作成されたら、最終的な取り付けが行われます。歯科医はクラウンの適合性や咬み合わせを確認し、必要に応じて微調整を行います。

これらのステップは一般的な流れであり、特定の状況によっては追加の診療や調整が必要となることがあります。クラウン治療には患者様の個別の状態に基づいた計画が必要であり、歯科医との協力が重要です。

クラウンの寿命について

歯のクラウン(冠)の寿命は様々であり、いくつかの要因によって異なります。

クラウンの寿命に関する要因

以下は一般的なガイドラインですが、個々のケースによって異なる可能性がありますので、より詳しく知りたい方は歯科医へ問い合わせてください。

クラウンの素材

クラウンの素材によって寿命は異なります。金属合金やセラミックなどの素材は一般的に耐久性が高く、長寿命であることがあります。

メンテナンス

正しいケアとメンテナンスが行われれば、クラウンは長持ちします。適切な歯磨き、歯科検診、プロフェッショナルなクリーニングが寿命を延ばすのには重要です。

歯ぎしりや噛み合わせの問題

歯ぎしりや咬み合わせの不調和がある場合、クラウンへの負担が増加し、寿命が短くなる可能性があります。

 

歯ぎしりや噛み合わせに心配事がある方はインビザライン矯正のダイヤモンドプロバイダーである、もりかわ歯科の矯正無料相談へ一度お越しください。

クラウンの適合性

正確な歯科手術とクラウンの適切な合わせが行われると、寿命が向上します。

歯周病

歯周病が進行すると、クラウンの寿命が短くなる可能性があります。歯周病の管理が重要です。

 

もりかわ歯科の定期的なメンテナンスでクラウンも長持ちさせましょう。

個人の生活習慣

タバコの喫煙や過度なアルコール摂取など、生活習慣も寿命に影響を与える可能性があります。

 

通常、クラウンは数年から数十年にわたって持続することが期待されますが、個別の状況により異なります。歯のクラウンを長持ちさせるには歯科医との定期的な相談と検診がとても大切になってきます。

クラウン(主にセラミック)の寿命を伸ばす為に重要なこと

セラミック歯の寿命を短縮させる原因について

まずはセラミックの寿命を短縮させる原因について以下に4つご紹介いたします。セラミック歯は、メンテナンスを行いつつ適切に使用することで、長期間にわたり利用することが可能です。

歯ぎしり・食いしばりの習慣

歯ぎしりや食いしばりは、セラミック歯の寿命を縮める一因です。これにより、セラミック歯に不自然な圧力がかかり、摩耗、割れ、剥がれなどの問題が生じる可能性があります。歯科医院での定期的な検診を通じて、早期に問題を発見し対策することが重要です。

強い衝撃

セラミック歯は硬く耐久性がありますが、強い衝撃には弱いです。硬い食物を噛む、スポーツで口に強い衝撃を受けるなどが原因となり、セラミック歯に損傷を与え、寿命を短くします。

噛み合わせの不良

噛み合わせの悪さもセラミック歯の寿命を短くする要因となります。噛み合わせが悪い場合、セラミック歯に不必要な圧力がかかり、破損の可能性が高まります。噛み合わせの調整は専門的な技術が必要であり、歯科医院での治療が必要です。

 

噛み合せや歯並びでお悩みの方はインビザライン ダイヤモンドプロバイダーのもりかわ歯科で歯列矯正をしてみませんか?

興味のある方はもりかわ歯科の矯正ページをご覧ください。

矯正症例をはじめ矯正に関する様々な質問にお答えしています。

虫歯や歯周病

虫歯や歯周病もセラミック歯の寿命を短くします。セラミック歯は腐食に強いですが、周囲の天然歯や歯茎に問題があると影響を受けます。特に歯周病は歯肉や骨を侵し、セラミック歯の安定性を損ね、歯のぐらつきや抜け落ちの原因となります。毎日の適切な歯磨きで虫歯や歯周病を予防し、セラミック歯を含む全ての歯を注意深くケアしましょう。

セラミック歯の寿命を延ばすためのアドバイス

セラミック歯の寿命を向上させるために、以下に4つのヒントをご紹介いたします。

歯に強い衝撃を与えないこと

セラミック歯は非常に硬く耐久性がありますが、外部からの強い衝撃や上下歯のぶつかりなど、噛み合わせによる衝撃には弱いです。硬い食べ物を控え、奥歯を強く噛まないように心がけましょう。口元にダメージを受ける可能性のあるスポーツを行う際は、マウスガードを着用して歯を保護することが重要です。衝撃を最小限に抑えることが、セラミック歯の寿命を伸ばす一環となります。

歯ぎしり・食いしばりの癖を改善すること

歯ぎしりや食いしばりは、セラミック歯が割れる原因となります。これらの癖はストレスが原因となり、就寝時などに無意識に行われることが多いです。歯科医院で口腔ガードを処方してもらい、ストレスの軽減も心掛けましょう。心身がリラックスできる環境を整えることで、歯ぎしりや食いしばりの頻度を減少させることができます。

丁寧な歯磨きを実践すること

セラミック歯も日々のケアが不可欠です。歯磨きは歯に付着した細菌の除去や歯垢・歯石の予防に効果的です。歯周囲や天然歯にも注意深くケアを施し、毎食後と就寝前に歯磨きを行いましょう。フロスや歯間ブラシを使用して歯間の汚れも除去しましょう。清潔な歯と口内は、セラミック歯の寿命を延ばす要因となります。

定期的な歯科医院でのメンテナンス

セラミック歯の寿命を保つためには、信頼できる歯科医院での定期的なメンテナンスが必要です。歯科医師が口腔内の健康をチェックし、歯に付着した歯垢や歯石を除去します。定期的なメンテナンスは歯周病の早期発見や予防にもつながります。歯科医院でのプロのケアにより、自宅ケアでは難しい微細なダメージも確実にチェックできます。美しい口元と健康な歯を維持するために、歯科医院でのメンテナンスをお忘れなく。

 

クラウンの寿命を短くするも長くするのも歯医者での定期的なメンテナンスがとても重要です。もりかわ歯科のメンテナンスで口腔内の環境をより良くするお手伝いをさせてください。

もりかわ歯科のメンテナンスについて詳しくは当院ホームページの「予防歯科」ページをご覧ください。

まとめ

クラウンの寿命についてお話しましたが、そもそも虫歯にならないことが一番です。

そのためには歯医者に定期メンテナンスにお越しください。

予防歯科に通うことで歯に関する様々な悩みから解放されます。

万が一虫歯になってクラウンやその他の詰め物などの治療を受けた場合もやっぱりその後メンテナンスが大切です。

 

大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科では日々の診療で患者さまとの対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を行っております。

歯に関する心配事がございましたらいつでも大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科へお越しください。

 

歯列矯正をお考えの方も当院では矯正無料相談を実施していますので、お気軽にお問い合わせください。

詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページをご覧ください。

 

要注意乳歯とは?学校の歯科検診で指摘を受けたときの対処法を解説!

2023年12月1日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

かわいい女の子

「学校の歯科検診で要注意乳歯があると指摘された」「要注意乳歯とは?」など、お子さまの歯に関してお悩みの保護者の方は多いでしょう。要注意乳歯を指摘されたら、早めに歯科医院を受診してください。要注意乳歯を放置すると、さまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。

今回は、要注意乳歯とは何かを解説します。要注意乳歯を放置するリスクや、要注意乳歯と指摘されたときの対処法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

要注意乳歯とは?

要注意乳歯のある子供

要注意乳歯とは、乳歯と永久歯の生え変わりの時期において、注意が必要な歯のことです。具体的には、以下の状態の歯は要注意乳歯とされます。

・乳歯があるのに永久歯が生えようとしている
・乳歯が抜けておらず、異常な位置から永久歯が生えてきている
・乳歯が大きく動揺しており抜けそうである
・乳歯が欠けている・割れている
・適切に生え変わりできず、乳歯の欠片や根が残っている

まとめると、要注意乳歯とは、乳歯と永久歯の生え変わりがうまく進まない可能性があるため注意が必要な歯といえます。きれいに生え変われば問題ありませんが、何らかのトラブルを引き起こす可能性もあるでしょう。

要注意乳歯と聞くと、虫歯になるリスクが高い歯と思う方がいるかもしれません。

しかし、要注意乳歯と虫歯は無関係です。上述しましたが要注意乳歯とは、乳歯と永久歯の生え変わりにトラブルが生じる可能性があり、注意が必要な状態といえます。

要注意乳歯を放置するリスク

要注意乳歯のリスク

要注意乳歯を放置するリスクは、以下のとおりです。

・歯並びが悪くなる
・虫歯になりやすい
・歯茎の痛みや腫れが生じる
・噛み合わせが悪くなる

それぞれ解説します。

歯並びが悪くなる

要注意乳歯を放置すると、歯並びが悪くなる可能性があるでしょう。

乳歯が抜けるべきタイミングで抜けなかった場合、残っている乳歯を避けながら永久歯が生えてきます。真っ直ぐ生えることができず、誤った位置に生える、捻れるなど、歯並びに悪影響を及ぼすかもしれません。

乳歯が本来抜けるべきタイミングより早く抜けた場合も、歯並びに悪影響を及ぼします。通常、乳歯が抜けるとすぐに永久歯が生えてくるので、乳歯が抜けたことで生まれたスペースは永久歯で塞がれます。

しかし、乳歯が早期に抜けた場合、すぐに永久歯が生えてきません。あいたスペースに隣接する歯が移動する・倒れるなどして、永久歯が生えるためのスペースが奪われることがあるのです。

真っ直ぐに生えるためのスペースがない場合は、歯並びが乱れる原因になります。

虫歯になりやすい

要注意乳歯を放置していると、虫歯になるリスクが上がります。歯並びが乱れることで、歯磨きが難しくなるからです。

特に、歯の生え変わりが起こる6〜12歳頃のこどもは、適切に歯磨きをできない場合が多いです。歯磨きの必要性を完全に理解することも難しいので「したくない」と拒否することもあるでしょう。

磨き残しが生じると、虫歯のリスクが高まります。

歯茎の痛みや腫れが生じる

要注意乳歯を放置すると、歯茎に痛みや腫れなどの症状が出ることがあります。乳歯の抜け方や永久歯の生え方に問題があると、歯茎が炎症を起こす場合があるのです。

例えば、本来の位置や角度からずれて永久歯が生えた場合、歯茎や口腔内の粘膜に触れて傷つける可能性があるでしょう。圧迫され続けると、歯茎が腫れる・痛むなどの症状が出ます。

乳歯が適切に抜けておらず、一部分が歯茎の中に取り残された場合なども、歯茎の炎症につながるでしょう。

噛み合わせが悪くなる

要注意乳歯を放置すると、永久歯の噛み合わせが悪くなる可能性があります。歯が生え変わる時期にトラブルが起こると歯並びが悪くなりやすく、適切な噛み合わせにならない場合があるからです。

噛み合わせが悪いと、食べ物を噛むときに一部の歯だけに過度な負担がかかります。歯の寿命を縮める場合があるでしょう。

噛み合わせが悪いと顎にも負担がかかるので、顎関節症のリスクも上がります。

要注意乳歯と指摘を受けたときの対処法

要注意乳歯の治療

要注意乳歯と指摘を受けたときの対処法を確認しましょう。

・歯科医院を受診する
・無理に乳歯を抜かない
・動揺している乳歯を触らない
・丁寧に歯磨きする
・ゆっくり食事を摂る

それぞれ詳しく解説します。

歯科医院を受診する

まずは、歯科医院を受診しましょう。正常に生え変われば特に処置は必要ないかもしれませんが、経過を観察する必要があります。

処置が必要な状態であれば、できるだけ早い段階で治療するべきでしょう。早期に適切に対処すれば、正常に生え変わる可能性を高められます。

治療が必要な状態であるにも関わらず、放置すると上述したリスクにつながるでしょう。口腔内の健康を保つために、歯科医院を受診して確認してもらうことが重要です。

無理に乳歯を抜かない

グラグラしていて抜けそうな乳歯があっても、無理に抜くことは避けてください。乳歯の根が歯茎内に取り残される場合や、出血が止まらなくなる場合があります。

永久歯が生えてきているのに乳歯が抜けそうにないときは、歯科医院で抜歯してもらうのが最も安全です。抜歯する際に痛みや出血はあるかもしれませんが、プロが適切に対処してくれます。

痛みが続く可能性が高ければ、痛み止めを処方してもらえます。日常生活の負担を和らげることが可能でしょう。

グラグラしている乳歯があっても無理に抜かず、必要であれば歯科医院で対処してもらってください。

動揺している乳歯を触らない

抜けそうでグラグラしている歯があると、気になって触りたくなるかもしれません。

しかし、必要以上に手で触ることは避けましょう。手に付着した細菌が、歯茎の炎症を引き起こす恐れがあるからです。

炎症が起こると歯茎が腫れて痛みが生じる、膿が出るなどの症状が出ます。感染が重症化すると、発熱など全身の不調につながることもあるでしょう。

丁寧に歯磨きする

要注意乳歯がある場合は、丁寧に歯磨きすることが大切です。歯が生え変わる時期は、グラグラしている乳歯がある場合や、乳歯が抜けてすき間がある場合が多いです。

歯並びが安定していない状態のため、磨き残しが生じやすいでしょう。しっかり歯磨きをして汚れを除去しなければ、虫歯になるかもしれません。

ゆっくり食事を摂る

要注意乳歯を指摘されたときは、ゆっくり落ち着いて食事を摂る必要があります。グラグラしている乳歯が食事中に抜けて、飲み込む可能性があるからです。

また、食べ物を噛むと痛みを生じる場合もあります。無理せずゆっくり噛むことで、抜けた乳歯の誤飲を防ぎ、歯に負担をかけずに食事できるでしょう。

まとめ

元気な子供

今回は、要注意乳歯とは何かを解説しました。要注意乳歯を放置するリスクや、要注意乳歯を指摘されたときの対処法もご紹介しています。

要注意乳歯を放置すると、永久歯の歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼすでしょう。虫歯や歯周病のリスクが上がるなど、さまざまな問題を引き起こします。

学校の歯科検診で要注意乳歯を指摘された場合は、できるだけ早く歯科医院を受診してください。処置を行わず経過観察する場合もありますが、放置しても大丈夫だろうと自己判断することは避けましょう。

ご自宅では、丁寧な歯磨きを心がけてください。グラグラしている乳歯を不必要に触ることや無理に抜くことは控え、適切に対処しましょう。

要注意乳歯の治療をご検討の方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

診療スケジュール

当院へのお電話からの問い合わせは086-250-8800へ

診療時間
9:30〜13:00
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