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親知らずを抜いた後の適切なケアは?

2024年4月24日
親知らずを抜いた後の適切なケアは?

みなさまこんにちは!

大阪府八尾市に60年にわたり、地域に根ざす歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

当院では、患者さまが抱える歯科に関する疑問や不安に真摯に向き合い、解消できるよう心がけています。歯科医師やスタッフとのコミュニケーションが不足しがちな中、このブログを通じて患者さまと対話し、理解を深める場を提供したいと考えています。

日常生活での歯のお手入れや健康に関する知識は、ご自身の歯の状態を理解し、適切なケアを行う上で非常に重要です。

このブログでは歯に関する基本的な情報から、診療に関する細かい疑問まで、様々なトピックを取り上げています。

患者さまがより良い歯科ケアの選択ができるよう、専門的な情報を分かりやすくお届けしています。

ご質問や疑問がございましたらお気軽にお寄せいただき、私たちが提供する情報を通じて患者様の歯科に関する理解が深まることを願っています。お困りの際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

こちらでお手伝いさせていただきます。よろしくお願いいたします!

「親知らずを抜いた後の適切なケアは?」の質問に全力回答!

今回のブログは、「親知らずを抜いた後の適切なケアは?」の質問に全力でお答えしていきます!

まずは「親知らず」についておさらい!

まずは「親知らず」についておさらい!

親知らず(おやしらず)は、歯の一番奥に生える永久歯であり、智歯(ちし)や第三大臼歯(だいさんだいし)とも呼ばれます。親知らずを含めると、人間の永久歯は合計32本生えます。一般的には15歳頃から生え始めますが、先天的に生えない場合や傾斜して途中で止まる場合もあります。正常に生える場合は特に問題ありませんが、う蝕(むし歯)や炎症などさまざまなトラブルが多いことで知られています。親知らずが生える際には歯肉が炎症を起こして腫れることがあり、生えた後も歯みがきが難しいため、プラーク(歯垢)がたまりやすくう蝕になりやすいです。また、親知らずの周りの歯肉に炎症(智歯周囲炎)を引き起こしたり、隣の歯を押し出すことで歯並びが変わることも報告されています。トラブルがある場合は、歯科医での抜歯が一般的ですが、親知らずの歯根が下あごの神経組織に触れている場合、通常の手術でも下唇が一時的に麻痺する可能性があるため、抜歯前には十分な説明を受けることが重要です。

親知らずのさらに詳細な説明に関しては、当院のブログで紹介しております「親知らずは抜いた方が良いの?」そちらもご覧ください!

親知らずを抜いた後の歯磨きはどうやってするの?

抜歯後は、歯を普段通りに磨いて良いのか、それとも触れない方が良いのか、よく分からない患者さまもおられると思います。一般的には、ヘッドの小さな柔らかめの歯ブラシが最適です。磨きにくい場合は、ワンタフトブラシを使用すると良いでしょう。以下に、抜歯後の歯磨き方法について説明します。

親知らずを抜いた後の歯磨きどうやってするの?

ワンタフトブラシとは…

ワンタフトブラシは、普通の歯ブラシとは異なる形状の歯磨き用具です。小さくて短い柄に、先端に1つのブラシ毛束がついています。主に局所的な歯の清掃や磨きが必要な箇所に使われます。例えば、親知らずや矯正装置の周囲、インプラントやブリッジの下など、通常の歯ブラシでは届きにくい場所を重点的に磨くのに適しています。

磨き方について

抜いた部分の歯ぐきに歯ブラシの毛先が強く当たらないように、軽い力で磨いてください。それ以外の歯は通常通りに磨いて問題ありません。

歯ブラシについて

歯科医院で指示がなければ、普段使用している歯ブラシで磨いて問題ありません。抜歯当日に専用の歯ブラシが処方された場合は、その歯ブラシを使用してください。

歯磨き粉について

抜歯後の歯磨きは通常通り行っても問題ありません。磨きにくい場合は、消毒効果の高い歯磨き粉や低発泡性のジェルタイプの歯磨き剤が適しています。

うがいについて

抜歯当日の強いうがいは避けてください。何度もうがいすると、傷口のふたの役割をしている血の塊が流れてしまい、細菌感染しやすくなります。抜歯後2日目以降から行い、歯科医院で処方されたうがい薬があれば、指示通りに使用してください。

うがい薬について

抜歯後にはうがい薬が処方されることがあります。1週間程度で使い切りましょう。その後も必要であれば、歯科医院で処方されるので、歯磨き後に使用して周囲を消毒しましょう。処方されない場合は、低刺激で薬用成分の配合されたうがい薬を購入して使用してください。

親知らずを抜いたあと、どれくらい安静にしていればいいの?

親知らずを抜いた後は、安静にしていることが重要です。以下のポイントに留意して経過を見守りましょう。運動や長時間の入浴、アルコールの摂取は控えるようにしてください。血行が良すぎると出血しやすくなるため、注意が必要です。抜歯後の出血は、時間が経つにつれて止まって固まっていきますが、それまでは比較的出血しやすい状態にあります。

手術後の安静

手術後は、可能な限り安静にしてください。特に抜歯部位に対して無理な圧力や刺激を避けることが重要です。

抜歯後の最初の24時間は、できるだけ横になって過ごすことが望ましいです。

運動や激しい活動の制限

抜歯後は、重い物の持ち上げや激しい運動を避けてください。これには激しいスポーツやジムでのトレーニングも含まれます。

過度な運動は、抜歯部位の出血や痛みを増大させる可能性があります。

親知らずを抜いた後、いつが1番痛いの?

親知らずを抜いた後、いつが1番痛いの?

親知らずを抜歯したあとは数日から1週間程度で、徐々に痛みが引いていきます。 しかし、2週間から一か月という長い期間痛みが治まらないのであれば、ドライソケットなどの可能性も考慮して医師に相談するとよいでしょう。

ドライソケットとは

「ドライソケット」とは、抜歯後に血が十分に出ない、もしくは血の塊が取れて骨に直接刺激が加わり、炎症が起こる状態のことです。この状態は非常に痛みが強く感じられます。

ドライソケットとは

親知らずを抜いた直後はどんな食事がいいの?

親知らずを抜いた直後はどんな食事がいいの?

親知らずを抜歯した直後の2〜3時間は、麻酔が切れるまで食事を控える必要があります。麻酔が効いている間は口の中がしびれており、食べ物を適切に噛むことが難しくなります。口の中のケガや火傷、誤飲などの危険があるため、食事は控えましょう。

食事を再開する際は、柔らかくて刺激の少ないものから始めます。抜歯当日は、ゼリーや雑炊のような流動食から始めて、数日から数週間かけて徐々に通常の食事に戻していきます。ただし、通常の抜歯とは異なり、歯ぐきを切ったり歯や骨を削った場合は、より長い期間をかけて食事を戻していく必要がありますので、注意が必要です。また、アルコールや刺激の強い食べ物は再び出血する可能性があるため、控えるようにしましょう。

オススメの食事は?

抜歯当日、麻酔が切れた後は、ゼリー、ヨーグルト、雑炊、スムージーなどの流動食が適しています。ただし、麻酔がまだ残っている可能性もあるため、火傷には注意しましょう。また、吸って飲む必要のあるゼリーなどは控えてください。翌日以降は、麺類、雑炊、ハンバーグなど、やわらかくて刺激の少ない食事が良いでしょう。また、傷の治りを早めるためには、大豆、緑黄色野菜、乳製品、卵など、ビタミンやミネラルが豊富な食品もおすすめです。

親知らずを抜いた後の6つの注意点!

抜歯後は処方された抗生物質・痛み止めを服用する

抜歯後は、歯科医院で処方された抗生物質と痛み止めをきちんと服用してください。痛み止めについては、痛みが出始める前に服用することが効果的です。麻酔が切れる前に服用するようにしましょう。また、手術後の痛みがなくなれば服用を中止しても問題ありませんが、抗生物質は必ず処方通りに飲み続けてください。

抗生物質は感染を防ぐために重要です。全ての量を飲み切らないと、合併症のリスクが高まる恐れがあります。

抜歯当日はうがいをしすぎない

抜歯後は、頻繁なうがいがかさぶたを剥がして傷の治りを遅くする可能性があります。手術後の傷口は最初は出血しますが、次第に血餅という塊ができて傷口を保護し、細菌感染を防ぎます。しかし、頻繁なうがいにより血餅が剥がれて流れ出ることがあります。そのため、抜歯後最低でも24時間は、強いうがいは避けるようにしましょう。

抜歯した箇所は触らない

抜歯後に舌や指で抜歯した箇所に触れると、出血が起きて縫合した糸が取れる可能性があります。糸が取れると傷口が開いてしまい、治りが遅くなる恐れがあります。特に、傷口が開くと上記で説明したドライソケットが起こることがあります。ドライソケットにより過度な刺激により血餅が流れ、骨が露出すると食べかすや汚れが侵入し、鋭い痛みを感じることがあります。通常、抜歯後は2〜3日で痛みがおさまり、痛み止めが不要になることが多いですが、ドライソケットになると痛みが10日から1ヶ月続く場合があります。このような症状が起きた場合は、速やかに歯科医院で治療を受ける必要があります。ドライソケットを避けるためにも、抜歯箇所への過度な触れを控えるようにしてください。

腫れた箇所は冷やす

抜歯後によく見られる症状の一つとして、頬の腫れが挙げられます。この腫れを軽減させるためには、腫れが始まる前に濡れタオルで患部を軽く冷やすことが効果的です。ただし、冷やしすぎると血液の循環が悪くなり、腫れの回復を遅らせる可能性があるため、注意が必要です。腫れがひどくて痛みが治まらない場合は、すぐにご相談してくださいませ。

喫煙を控える

タバコを吸うことで、傷口が治りにくくなったり細菌感染しやすくなるなどのリスクが生じます。喫煙者にとって禁煙は簡単なことではありませんが、親知らずの抜歯後は傷口が完全に塞がるまで禁煙することが推奨されます。

タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させる働きがあります。そのため、血管が収縮して血流が悪くなると、傷口を塞ぐために必要な血液が不足してしまい、抜歯した箇所の治りが遅くなります。また、タバコは免疫力を低下させることで、抜歯した傷口からの細菌感染リスクを高めます。

このようなリスクを避けるためにも、親知らずの抜歯後は完全に傷が治るまでタバコを控えるようにしましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は、親知らずを抜いた後の適切なケアは?の質問にお答えさせていただきました!

抜歯後に適切な処置を行うことで、経過は順調なものとなりますので、是非参考にしてください。

また、親知らずが隣の歯を圧迫することにより、歯並びが乱れてしまうこともあり、抜歯したとしても歯並びが良くなることはありません!

審美歯科にご興味のある方、歯列矯正をお考えの方も当院では矯正無料相談を実施していますので、お気軽にお問い合わせください。

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大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科では日々の診療で患者さまとの対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を行っております。

歯に関する心配事がございましたらいつでも大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科へお越しください。

 

フッ素塗布とは?こどもの虫歯予防に効果的な理由!

2023年9月5日
子どもの口の中を確認する女性医師

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

フッ素塗布は、こどもの虫歯予防として乳児健診でも行われている処置です。歯にフッ素を塗布することで、虫歯を予防する強い歯にできるといわれています。

定期的に歯科医院でフッ素塗布をしたほうがよいとされていますが、フッ素にはどのような効果があるのでしょうか。フッ素の塗布を継続することは、本当に虫歯予防の効果があるのでしょうか。

今回は、フッ素塗布がこどもの虫歯予防に効果的な理由、どのくらいの頻度でフッ素塗布をするとよいのかについて、わかりやすく解説します。小児歯科でのフッ素塗布の流れや自宅で取り入れられるフッ素についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

フッ素塗布にはどのような効果がある?

顎に手を当てて考える男性

フッ素は、虫歯予防に効果があるといわれています。虫歯予防に対して実際にどのような効果があるのでしょうか。フッ素の効果は、以下のとおりです。

細菌の働きを弱める

フッ素には、細菌の働きを弱める効果があります。

磨き残した食べ物のカスや汚れは歯垢となり、そのまま放置すると、繁殖した細菌と酸によって虫歯を引き起こします。虫歯を放置すると悪化し、歯周病の原因にもなりかねません。

フッ素を塗布することで、虫歯の原因となる菌の働きを弱め、歯を溶かす酸が作られることを防ぎます。

歯のエナメル質を修復する

フッ素には、歯の表面のエナメル質を修復する効果があります。

食事をすることで口の中は酸性になります。口の中が酸性になることで、歯を溶かす酸が発生するのです。通常、酸によって溶けた歯を修復する再石灰化が起こりますが、細菌の力が強いことなどが原因で修復できない場合、虫歯になります。

フッ素には歯の再石灰化を促進し、エナメル質を修復する効果があります。フッ素の力で初期虫歯を修復できる場合もあるでしょう。

歯のエナメル質を強化する

フッ素塗布を行うことで、歯のエナメル質が強化され虫歯になりにくい歯を作ることができます。

歯の表面を覆うエナメル質が弱ると、飲食物の温度の刺激を過敏に感じる、酸や虫歯菌によって溶かされるなど、外部からのダメージを受けやすくなります。

フッ素を塗布することでエナメル質が強化されるため、酸に溶けにくい歯になるでしょう。

こどもの歯にフッ素を塗布しても大丈夫なの?

ソファに座って考える家族

フッ素塗布は、こどもの歯を強くし、虫歯から歯を守るために重要な処置です。基本的に年齢制限がないため、小さいこどもでも問題なく受けられます。フッ素の塗布は歯科医師や歯科衛生士が行うため、安全性にも問題はありません。

フッ素中毒が話題になったことがあるので、心配に思う保護者の方も多いでしょう。高濃度のフッ素を日常的に塗布した場合やフッ素を一度に大量に摂取した場合、フッ素の中毒症状があらわれる可能性があります。

しかし、歯科医院で使用される高濃度のフッ素を日常的に使うことはできません。

市販されているフッ素入りの歯磨き粉などは、フッ素の含有量が制限されています。毎日使用しても、人体に影響がない濃度に抑えられているのです。

また、フッ素を一度に大量に摂取することも現実的ではありません。こども向けに市販されているフッ素入りの歯磨き粉をこども用の歯ブラシにつけて使用する場合、1回量をすべて飲み込んだとしても、中毒症状が出るとされるフッ素の量を超えることはないでしょう。

乳児健診で希望者に有料でフッ素の塗布を行う場合もあります。虫歯の予防は大人になってからでは遅いとされています。乳歯が生え始める頃から、虫歯に負けない歯を作ることが望ましいでしょう。

小児歯科でのフッ素塗布の流れ

子どもの歯のクリーニングを行う女性歯科衛生士

歯科医院でのフッ素塗布にかかる時間は20~30分程度です。虫歯などの治療がない限り、多くの時間は必要としません。こどもの負担にもならないでしょう。

歯科医院でのフッ素塗布の流れは、以下のとおりです。

カウンセリング

歯科医師や歯科衛生士がフッ素塗布の目的や効果、手順を保護者やこどもに説明します。

疑問や不安に思うことがある場合は、相談して解決しましょう。

歯のクリーニング

フッ素の塗布する前に歯をクリーニングします。

汚れが付着した状態でフッ素を塗布しても、十分な効果が得られません。フッ素の効果を最大化するため、歯のクリーニングを行うのです。

フッ素塗布の準備

フッ素を歯ブラシに染みこませ、歯に塗布する準備をします。

フッ素は、歯ブラシで塗布するのが一般的です。

フッ素塗布

前歯から奥歯に向かってフッ素を塗布します。歯の表と裏の両面にも塗布します。

特に、虫歯の発生リスクが高い奥歯や歯と歯の間、噛み合わせの面にしっかりと塗布することが多いです。

追加のフッ素塗布

フッ素の塗布が終わったら、歯ブラシにフッ素を追加し、再度すべての歯に塗布するのが一般的です。

歯にフッ素を浸透させるため、約30分うがいや飲食を控えるように指示があります。フッ素塗布後の歯磨きについて指示されることもあるので、歯科医師の指示に従ってください。

どれくらいの頻度でフッ素塗布を行うと効果的?

卓上カレンダーにスケジュールを書き込む

歯科医院でのフッ素塗布は、3~4か月に1回の頻度で行うとよいでしょう。フッ素塗布を継続的に行うことで、フッ素による虫歯予防の効果が高まります。定期検診の際にフッ素塗布を行うことで、より歯をきれいに維持できるでしょう。

歯科医院での次回のフッ素塗布までの間も、自宅でフッ素が配合された歯磨き粉を使用すると虫歯予防に効果的です。

フッ素塗布の頻度は、口内の状態やこどもの状況を考慮して歯科医師が決定します。すでに虫歯があるこども・ワイヤー矯正などを行っていて歯に装置を取り付けているこども・毎日歯磨きを行うことが難しいこどもの場合、頻度が高くなるでしょう。

お菓子やジュースなど、糖を多く含む飲食物を摂取する機会が少ない、唾液の量が十分にあるなど、虫歯のリスクが低い場合は、フッ素塗布の頻度も低くなります。

自宅での歯磨きにもフッ素を取り入れよう!

家の椅子で歯磨きをする女の子と母親

フッ素を自宅での歯磨きにも取り入れることで、さらに虫歯予防の効果を高められるでしょう。

フッ素が配合された歯磨き粉も数多く市販されています。市販のフッ素入り歯磨き粉は、歯科医院で使用するものに比べると効果は弱いですが、継続的に取り入れることが可能です。虫歯に負けない歯を維持するために推奨されています。

フッ素入りの歯磨き粉での歯磨きは、毎食後に行うのが理想です。あわせて、細菌が繁殖しやすい就寝前に行うことで、より虫歯予防の効果を得られるでしょう。

歯磨き後に何度もうがいすると、歯磨き粉に含まれているフッ素が流れるため注意してください。こどものうちから、日々の歯磨きで虫歯に負けない強い歯を育てましょう。

まとめ

歯科衛生士からブラッシング指導を受ける少女

フッ素塗布は、こどもの虫歯を予防するうえで非常に大切な処置です。

毎日丁寧に歯磨きをしていても、磨き残しは生まれます。磨き残しに集まる細菌が増殖し、虫歯になることがあります。虫歯から歯を守るために、フッ素をうまく活用するとよいでしょう。フッ素は歯を強くするため、万が一細菌による攻撃を受けても修復できるようになります。

ご自身の丈夫な歯で長い間生活するためには、歯へのフッ素塗布や正しい歯磨きが欠かせません。歯科医院でのフッ素塗布は、3〜4か月に一度を目安に行ってもらいましょう。こどもの歯を守るために、歯科医院でのフッ素塗布や自宅でのフッ素の使用を習慣化してください。虫歯に負けない強い歯を育てましょう。

お子さまの虫歯予防でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯が生えてきたら歯ブラシで歯磨きをしよう!赤ちゃんの歯の磨き方!

2023年6月19日
歯ブラシを持って自分で歯磨きする可愛い赤ちゃん

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

赤ちゃんの歯を守るために欠かせない歯磨きですが、いつからどのように始めるべきなのかわからない保護者の方も多いでしょう。

今回は、赤ちゃんの歯磨きを始める適切な時期や磨き方、嫌がったときの対処法などを詳しく解説します。

歯が生えてきたら歯ブラシで歯磨きしたほうがいい?

ソファに座って悩む母親とこども

赤ちゃんの歯磨きを始める時期は、乳歯が生えてきたタイミングです。1本でも乳歯が生えてきたら、すぐに歯磨きを始めましょう。歯が生えると同時に虫歯になるリスクが発生するため、1本でも乳歯が生えれば歯磨きをするべきです。

永久歯と違い、乳歯は歯の表面を覆っているエナメル質が薄いため非常に柔らかく、虫歯菌に侵食されやすい性質があります。また、赤ちゃんの虫歯は大人と比べて進行スピードも早いため、すぐに対処しなければ将来生えてくる永久歯にも影響を及ぼす可能性があります。そのため、乳歯が生えてきたらなるべく早く歯磨きを始めることが大切です。

赤ちゃんの歯の磨き方

洗面台に赤ちゃんを座らせて歯磨きの仕方を教える母親

赤ちゃんの歯磨きはどのように行うのでしょうか。3つのステップにわけて解説します。

1.歯磨きに慣れさせる

赤ちゃんの口の中は非常に敏感です。そのため、いきなり歯ブラシを口の中に入れて歯を磨こうとしても拒絶されるでしょう。歯磨きが嫌だと思われる前に、歯磨きに慣れることからスタートするのが大事です。

例えば、赤ちゃんの機嫌がよいときに歯磨きの歌を歌いながら「お口つんつん」や「ほっぺたつんつん」の声かけと一緒に、指で赤ちゃんの口のまわりを優しく触りましょう。口の周辺を触られることに慣れさせることが目的です。

口の周辺を触られることに慣れてきたら、口に入れても危なくない柔らかいおもちゃなどで遊ばせましょう。赤ちゃんの口腔内を刺激することで、さらに歯磨きに近い感覚に慣れさせます。

赤ちゃんの体をくすぐる、歌をうたう、口まわりを刺激するなどを同時に行って、楽しい雰囲気にすることで、歯磨きへステップアップしたあとも遊びの延長として受け入れやすくなるでしょう。

2.ガーゼで磨く

口の中に何かを入れる感覚に赤ちゃんが慣れてきたら、歯ブラシではなく、ガーゼ磨きを始めます。

歯が生えてきたら歯磨きをしなくてはなりませんが、赤ちゃんが慣れていないことに加え、保護者も赤ちゃんの歯磨きに慣れていないため、無理に歯ブラシで磨くのは双方にとってよくありません。

最初に生える下の前歯の近くには唾液腺があり唾液が常に流れているので、比較的虫歯になる可能性は低いとされています。完璧に磨けなくても気にせず、毎日歯磨きを行うこと、歯磨きに慣れてもらうことを意識しましょう。

指やおもちゃの刺激に十分に慣れてきたら、生後6〜7か月頃までは離乳食後に水でぬらしたガーゼで乳歯を優しく拭いてあげましょう。

3.歯ブラシ磨きに切り替える

ガーゼ磨きをスムーズに行えるようになり上の前歯が生えてきたら、歯ブラシでの歯磨きを始めます。特に、上の前歯は授乳の際の汚れがつきやすいため注意が必要です。

上の前歯が生え始めたら、まずはこれまでどおりガーゼで優しく拭き取り、そのあとに仕上げ磨きとして水だけをつけた歯ブラシで優しく磨きます。ベビー用のトレーニング歯ブラシを持たせ、噛んで遊ばせてもよいでしょう。

最初はガーゼ磨きと並行して行い、乳歯が生え揃ってきたらガーゼ磨きをやめて歯ブラシでの歯磨きに切り替えます。次第に歯磨き粉を使用した歯磨きができるようになるので、赤ちゃん自身の歯磨きと合わせて、就寝前の仕上げ磨きを習慣化しましょう。

歯磨き粉はいつから?

歯ブラシのおもちゃを持って歯磨きする赤ちゃん

歯磨き粉も歯磨きと同様、乳歯が生え始めたら使い始めるのが基本ですが、刺激が多いと嫌がる可能性が高いため、歯ブラシに慣れるまでは水だけの歯磨きで問題ありません。歯磨きに慣れてきたら歯磨き粉を使いましょう。

大人が使用する歯磨き粉は刺激が強いため、口の中が敏感な赤ちゃんに使用するには向いていません。最初はフッ素入りの赤ちゃん用歯磨き粉を使用してください。

フッ素には、虫歯を予防する3つの働きがあります。

・酸に負けない抵抗力のある歯を作る

・溶け出した歯を修復する再石灰化を促進する

・虫歯菌の働きを弱める

フッ素を活用することで、虫歯に負けない歯を作ることができるでしょう。

赤ちゃん用フッ素歯磨き粉の選び方

?を描く3つの歯磨き粉

「赤ちゃんの頃からフッ素が入った歯磨き粉を使ってもいいの?」と不安に思った方もいるでしょう。

フッ素(フッカ化合物)は、短時間に大量摂取することで吐き気や嘔吐などの急性フッ素中毒を引き起こすことが知られています。中毒を引き起こす量の目安は「体重1kgあたりフッ素2mg」とされています。乳歯が生え始める6か月頃の赤ちゃんの平均体重が約7kgなので、フッ素を14mg摂取すると中毒になるということです。

フッ素が高濃度に配合されている大人用の歯磨き粉でも、フッ素の濃度は1,500ppm(0.15%)で、大人が一度の歯磨きで使用する歯磨き粉の量が1g(1000mg)といわれています。つまり、一度の歯磨きで使用する歯磨き粉に含まれるフッ素はわずか1.5mgなのです。

体重7kgの赤ちゃんに、大人用の歯磨き粉を使って10回連続して歯磨きを行えば中毒症状が出る可能性がありますが、現実的ではないでしょう。

そもそも、フッ素は自然界にも存在し、私たちの体内や食べ物にも含まれている物質です。過度に恐れ、遠ざける必要はありません。

ただし、大人がこどもの年齢に合ったフッ素濃度の歯磨き粉を選び、管理する必要はあります。特に、現在は多くのフッ素入り歯磨き粉が販売されていて、どれを選べばよいかわからないという保護者の方も多いでしょう。

まずは、含まれているフッ素濃度が明記されている商品を選んでください。下記の表を参考に、こどもの年齢に合わせて適切な歯磨き粉を選択しましょう。

<こどもの年齢と適切なフッ素濃度>

年齢 フッ素濃度
6か月(歯の萌出)~2歳 500ppm
(泡タイプの歯磨き粉なら1,000ppm)
3歳~5歳 500ppm
(泡タイプまたはフッ素の種類がMFP(※)なら1,000ppm)
6歳~14歳 1,000ppm
15歳以上 1,000~1,500ppm

※ モノフルオロリン酸ナトリウム

こどもの歯磨きにおいて、歯ブラシや歯磨き粉と同じくらい重要なのが「うがい」です。

こども、特に赤ちゃんは、上手にうがいができない場合も多いので、最初はうがいをしなくてもよい歯磨き粉を選びましょう。「うがい不要」や「ブラッシングのあとに吐き出すだけでOK」などの記載があるので、確認して購入してください。

また、赤ちゃん用の歯磨き粉を選ぶ際は、発泡剤や研磨剤を使用していないものを選びましょう。大人が使用する歯磨き粉には、泡立ちをよくするために発泡剤が使われています。少量の歯磨き粉でも、泡立つことで薬剤がすみずみまで行き渡り、汚れを落としやすくする働きがあります。

一方で、泡ばかりが口内に広がって「しっかり磨いた」と勘違いしやすいことがデメリットです。特に、赤ちゃんの場合は、泡に不快感をおぼえて嫌がることで、仕上げ磨きが不十分になりかねません。泡立つことで歯を見ることができなくなり、磨き残しが生じる可能性もあります。磨いたことを目で確認するために、赤ちゃんの頃は発泡剤を使用していない歯磨き粉を選びましょう。

研磨剤は柔らかい赤ちゃんの乳歯を傷つけるおそれがあるため、適していません。赤ちゃんの歯磨き粉を選ぶ際は、研磨剤不使用と明記された商品を選びましょう。

歯に着色汚れがついた場合は、研磨剤の含有量がごく微量のこども用歯磨き粉を使う、小児歯科に相談してクリーニングしてもらうなどで対応してください。

赤ちゃんの歯はいつ磨くのが適切?

服をめくって腕時計を確認し、時間を見る女性

赤ちゃんは、大人と生活リズムが異なるので、1日のどのタイミングで歯を磨けばよいかわからない場合も多いでしょう。赤ちゃんの歯磨きのタイミングについて解説します。

1日に1~2回を目安に歯磨きを行う

歯磨きを初めたばかりの頃は、1日に1〜2回を目安に行いましょう。

特に、寝ている間は唾液の分泌量が減少するため、口の中で虫歯菌が繁殖しやすくなります。寝る前は必ずガーゼ、もしくは歯ブラシで歯を磨きましょう。

慣れてきたらミルクや離乳食のあとにも歯磨きを行う

赤ちゃんが歯磨きに慣れてきたら、ミルクや離乳食が終わるたびに磨くなど、徐々に歯磨きの回数を増やしましょう。

無理に磨くと痛がる場合や歯磨きを嫌がるようになる場合があるため、赤ちゃんの様子を見ながら進めてください。

歯磨きを嫌がるときはどうしたらいい?

赤ちゃんを抱っこして歯磨きの仕方を教える父親

赤ちゃんの歯磨きで多くの保護者の方が悩むのが、歯磨きを極度に嫌がることでしょう。ときには大声で泣きじゃくる、手足をばたつかせて暴れるなど、手がつけられなくなることもあります。

こどもが歯磨きを嫌がるときの対処法を解説します。

軽い力で手早く磨く

赤ちゃんの歯磨きは、時間をかければかけるほど嫌がるので、なるべく手早く行うことが大切です。

力を入れてゴシゴシ磨くと嫌がる原因になり、歯を傷つける可能性もあるため軽い力で磨きましょう。力加減は、歯ブラシを歯にあてたときに歯ブラシの毛先が広がらない程度が目安です。

上唇小帯に歯ブラシを当てない

保護者の方が仕上げ磨きをする際に、上唇の裏側と歯茎の間にある筋(上唇小帯:じょうしんしょうたい)に歯ブラシをあててしまうことがあります。上唇小帯に歯ブラシが強くあたると、痛みを感じて極度に嫌がるこどもが多いです。

上唇に指を添え、少し持ち上げて上唇小帯を視認しながら磨くことで、不意の接触を回避できるでしょう。

新しい歯ブラシに交換する

こどもが歯磨きを嫌がる原因の一つに、歯ブラシの毛羽立ちがあります。毛先が広がった歯ブラシを使用すると、赤ちゃんの口の中の粘膜や歯茎にあたって痛みを感じる場合があります。磨きたい場所以外にブラシがあたることで、口内を傷つけることにもつながるでしょう。

歯ブラシを交換するタイミングは1か月が目安ですが、歯ブラシの毛先が広がってきたと感じたら新しいものに交換しましょう。

嫌がるこどもを無理に追いかけない

虫歯になってほしくないという思いから、場合によってはこどもを押さえつけて歯磨きをすることがあるかもしれません。就寝前は保護者の方も疲れていることが多く、スムーズに歯磨きができないとイライラして大きな声を出してしまうこともあるでしょう。

保護者の方が怒りながら行う歯磨きは、こどもに恐怖をあたえる可能性があります。押さえつけられて歯磨きをされる体験が積み重なると「歯磨き=怖いもの」と認識し、将来の歯磨き習慣にも影響を及ぼすおそれがあるのです。

こどもが歯磨きを嫌がったときは無理に追いかけず、時間を置いて、落ち着いてから再チャレンジしましょう。

歯磨きに遊びの要素を取り入れる

こどもに歯磨きを好きになってもらう方法として、歯磨きに遊びの要素を取り入れるのが非常に有効です。ふだんから絵本や手遊び、歌などで歯磨きに触れさせることで、実際に歯磨きを行う際も受け入れられるでしょう。

また、こどもだけでなく親も一緒に歯磨きをするのも非常に効果的です。向かい合って「〇〇ちゃんも一緒に歯磨きしよう」と誘うと、次第に真似をして歯磨きをするようになります。

まとめ

娘の顎を持って歯磨きする母親

今回は、赤ちゃんの歯磨きについて解説しました。

赤ちゃんの歯磨きを行う場合は、まずは口のまわりを触ることから始め、徐々に歯ブラシでの歯磨きを行えるように慣れてもらいましょう。嫌がる場合は歌をうたう、保護者も一緒に歯磨きをするなどが効果的です。

赤ちゃんの頃に生えている乳歯は大人よりも虫歯になる危険性が高いため、大人以上に気をつけて歯磨きをする必要があります。フッ素が配合された歯磨き粉も使用して、虫歯予防に努めましょう。ときには歯磨きを極度に嫌がることもありますが、少しずつ時間をかけて習慣化できるよう工夫してください。

赤ちゃんの歯磨きでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

虫歯が痛くて寝れないときの対処法!痛みの原因も解説!

2023年3月25日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

夜は血流が増加するため、寝られないほど虫歯の痛みが強くなることがあります。夜は歯が痛くなっても、すぐに歯医者を受診することができません。

今回は、虫歯が痛くて寝られないときの対処法や歯が痛くなる原因について、詳しく解説します。

寝るときに虫歯が痛くなる原因

夜中にベッドで眠れず頭を抱えている女性

虫歯が痛くなるのは、歯の神経(歯髄)にまで感染が広がっているからです。寝るときは血流が増加するので、神経に刺激が加わりやすく痛みが悪化することがあります。

ここでは、夜に血流が増加する原因について解説します。

副交感神経が優位になるから

自律神経は、交感神経と副交感神経の2つの神経から成り立っています。

副交感神経が優位になるのは、身体がリラックスした状態のときです。そのため、夜は副交感神経が優位になりやすく、血管が広がり血流が増加します。血流が増加すると神経が圧迫され、虫歯の痛みを感じやすくなります。

横になる体勢をとるから

虫歯の痛みが悪化する原因は、寝るときの姿勢も影響します。

血流は重力の影響を受けるため、立っているときよりも寝ているときのほうが血流がよくなります。頭部の血液量が増加するので、顔の血管も膨張し、神経が圧迫されて虫歯の痛みが悪化する仕組みです。

入浴するから

副交感神経は、夜という時間帯だけでなく、活動によっても左右されます。

入浴は副交感神経を優位にさせる行為の一つです。入浴により副交感神経が優位になることで、全身を巡る血液の循環がよくなります。血流の促進は血管の膨張につながるので、入浴すると歯の痛みにつながることが多いでしょう。

虫歯が痛くて寝れないときの対処法

水を飲んでいて歯がしみり頬に手をあてる女性

虫歯が痛くて寝られないときの対処法を紹介します。

あくまでも応急処置なので、痛みを治すには早めに歯医者を受診してください。

患部を冷やす

炎症には冷やすことが有効です。

歯を直接冷やすと、かえって痛みが強くなることがあるので、間接的に冷やしましょう。冷やしたタオルなどを頬の上から当ててください。

鎮痛剤を飲む

虫歯の痛みには鎮痛剤が効果的です。痛みに直接アプローチできるので、即効性も期待できるでしょう。

市販のものでいいので、虫歯が痛くて寝られない場合は鎮痛剤を飲みましょう。

丁寧に歯磨きをする

虫歯は、細菌の繁殖によって引き起こされます。さらに細菌を増殖させないためにも、汚れや食べかすをしっかりと除去することが大切です。

痛みを増強させないよう、やさしく丁寧に磨きましょう。すぐに痛みを取ることはできませんが、悪化を防ぐには有効な手段です。

うがいをする

虫歯の痛みが強く歯磨きができない場合は、うがいだけでもいいので口の中を清潔にしましょう。

歯に食べかすがついていると細菌が活性化し、痛みが強くなる可能性があります。痛みを抑えるには、汚れが溜まらないようにすることが重要です。

ツボを押す

ツボを押して、虫歯の痛みをやわらげる方法もあります。

「合谷(ごうこく)」と呼ばれるツボは、虫歯の痛みに効くといわれています。手の甲に、人差し指と親指の骨が合流する部分があるので、押したときに痛みや刺激を感じるところを探してください。やや人差し指よりの部分を、少し強めに約2〜3分揉みます。

もうひとつのツボは「承漿(しょうしょう)」です。唇と顎のあいだにあるツボで、虫歯の痛みに効果的とされています。中央のくぼんだ部分を強めに、5秒間押してみてください。5回ほど繰り返しましょう。

救急外来を受診する

患部を冷やしたり鎮痛剤を飲んだりしても、寝られないほど虫歯の痛みが強い場合は、救急外来を受診しましょう。救急外来は通常の診療よりも治療費が高くなりますが、我慢できないほどの痛みがある場合は、受診するのも一つの手です。

救急外来での治療は、虫歯の治療ではなく痛みに対する治療を行います。痛みが引いたとしても、一般歯科を受診して虫歯を完治させてください。

虫歯以外で痛みを感じるケースも

親知らずが赤く光っている歯のレントゲン写真

実は、虫歯以外にも歯や歯茎に痛みを感じることがあります。

虫歯以外に考えられるケースについて紹介します。

知覚過敏

知覚過敏とは、熱いものや冷たいものを口にしたときに、歯にしみるような痛みが生じることです。

歯の表面であるエナメル質が薄くなると、象牙質が露出します。象牙質が露出されると刺激が神経に届きやすくなるため、痛みを感じやすくなります。

歯周病

歯と歯茎の間に細菌が侵入し、炎症を起こすことがあります。

歯周組織に細菌感染が起こることで歯の周りに痛みを感じるのが「歯周病」です。歯周組織の炎症は痛みのほか、膿が出ることもあります。歯周病は進行すると顎の骨が溶けて、歯を支えることができなくなるので、最終的に抜歯が必要な場合もあります。

親知らず

親知らずが斜めや真横に向かって生えている場合、隣の歯が圧迫されて痛みを感じることがあります。

さらに、親知らず周囲は汚れが溜まりやすく、細菌が増殖しやすいです。親知らずが原因で歯周組織に炎症が起きる「智歯周囲炎」になると、歯茎に痛みや腫れなどの症状が現れます。とくに、下の親知らずは、顎の神経との距離が近いので神経が刺激されやすいでしょう。

歯根膜炎

歯周組織の一つである「歯根膜」に炎症が起きた場合も、歯が痛くなることがあります。

歯根膜は、食べ物を噛み砕くときの衝撃をやわらげるクッションの役割を果たしています。歯根膜炎の原因には、食いしばりなどによる非感染性のものと、虫歯や歯周病などによる感染性のものに分けられます。

咀嚼筋(そしゃくきん)の負担

咀嚼筋とは、食べ物を噛み砕くときに使われる筋肉です。

硬いものばかり食べたり強く噛みしめたりすることが多いと、咀嚼筋が痛むことがあります。咀嚼筋は奥歯の近くに位置しているので、奥歯の痛みを感じることがあります。

歯ぎしり・食いしばり

歯ぎしりや食いしばりは、体重の2〜3倍の負荷が歯や顎の骨にかかります。また、強い噛みしめにより歯が削れ、エナメル質が薄くなり、象牙質が露出することがあります。

さらに、顎の関節や筋肉に炎症や損傷が起きることで、結果的に歯の痛みにつながる場合があるでしょう。

口腔がん

口腔がんの症状のひとつに、口腔内の痛みがあります。

初期段階で痛みが発生することは少なく、痛みを感じたときにはすでに進行している可能性があります。痛みのほかに、舌や歯茎の腫れ、硬いしこりのようなものがある場合は注意が必要です。

帯状疱疹

帯状疱疹は、歯の神経でもある「三叉神経(さんさしんけい)」に影響を及ぼし、歯や口腔内に痛みが現れることがあります。帯状疱疹による歯の痛みは、眠れないほど強く、虫歯と間違えられることもあるでしょう。

ただし、虫歯と違って1週間ほどで痛みがなくなることが多いです。

片頭痛

片頭痛とは、一時的に脳血管に炎症が起きている状態で、三叉神経が過敏になります。

三叉神経は上下の顎の近くを通っているため、三叉神経に刺激が加わると歯に痛みを感じることがあります。片頭痛が原因の歯の痛みは、片頭痛が治まれば一緒に治まることが多いです。

朝になって歯の痛みが治っていても

歯科で女性歯科医師から治療について説明を受ける女性

朝になって歯の痛みが治まっていても、歯科医院を受診しましょう。虫歯が原因の場合、放置すると進行するおそれがあるからです。

また、歯の痛みが虫歯ではなく、ほかの原因の可能性もあります。歯の痛みが必ずしも虫歯であるとは限らないので、痛みの原因を解明してもらうことが大切です。

放置すると痛みが悪化する場合があり、日常生活に支障をきたす可能性も考えられます。痛みの原因によって治療法も変わるので、専門知識をもつ歯科医師にみてもらうことが重要です。

まとめ

指を1本立てながら笑っている女性

虫歯が痛くて寝られないときは、患部を冷やして鎮痛剤を飲みましょう。我慢できないほどの痛みの場合は、救急外来を受診してください。とくに、夜は血流が増加することから、神経が圧迫されて痛みが強くなることがあります。

また、朝に痛みが落ち着いたからといって放置すると、虫歯が進行して抜歯など複雑な治療が必要になる可能性があります。早期に治療することで、病気の進行を抑え、痛みが悪化するのを防ぐことができるでしょう。痛みの原因は虫歯ではないかもしれません。原因によっては治療法が異なるので、できる限り早めに歯科医院を受診しましょう。

虫歯の痛みでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。