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高齢者のための歯科治療!入れ歯やインプラント

2025年3月26日
高齢者のための歯科治療!入れ歯やインプラント

こんにちは。大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯科医療は専門性の高い分野であり、患者様にとって分かりにくい情報や誤解が生じやすい情報も少なくありません。診療時間内に患者様お一人おひとりに十分なご説明をすることが難しい場合もあるため、このブログを開設いたしました。

このブログでは患者様からよくいただく質問や、知っておいていただきたい歯科医療の知識を、分かりやすく解説することを目指しています。専門用語はできる限り避け、分かりやすい言葉で情報を提供いたします。皆様の疑問を解消し、安心して治療を受けていただけるよう最新の研究結果やエビデンスに基づいた情報も積極的に発信してまいります。

ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

「入れ歯やインプラント」について全力回答!

「食事のときに歯がうまく噛み合わなくて食べづらい…」

「入れ歯を使っているけれど、合わないから痛くて食事が楽しめない」

「年齢的にインプラントは無理だと思って諦めている…」

こうした悩みを抱えている方は意外と多いのではないでしょうか。

加齢によって歯や顎の骨が弱ると食事や会話の際に不便を感じる場面が増えます。
しかし、歯科医療の発展に伴って高齢者でも可能な治療法が充実してきました。

今回の記事では、入れ歯インプラントそれぞれの特徴や費用、リスク、そして生活の質(QOL: Quality of Life)を向上させる方法を詳しく解説します。

「年齢的に治療はもう難しいのでは」と思われる方にも、選択肢はまだまだあるのです。
一歩踏み出して、快適な食生活や会話を取り戻しませんか?

この記事を読めば分かること

  • 入れ歯とインプラントの基本的な違いが理解できる
  • 高齢者でも可能な歯科治療の方法が分かる
  • 歯を失ったまま放置するリスクが把握できる
  • 費用・期間の目安とトラブル事例を学べる
  • インプラントや入れ歯で生活の質(QOL)が上がる理由が分かる
  • 迷ったときにまず何をするべきかが分かる

基礎から知る、インプラントと入れ歯の違い

インプラントとは?

インプラントとは?

インプラントとは、顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工歯をかぶせる治療方法です。
歯根部分にはチタンなどの生体親和性が高い金属が用いられ、骨と結合することでしっかりと安定するのが特徴です。

自然な見た目と強度を兼ね備えており、他の歯に負担をかけずに独立して機能するため、噛み合わせの感覚や発音が比較的自然に近いといわれています。

インプラントのメリット

  • 骨に固定されるため、しっかり噛める
  • 周囲の歯を削る必要がほぼない
  • 見た目が自然に仕上がりやすい

インプラントのデメリット

  • 手術が必要
  • 費用が高額になりやすい
  • 適切なケアを怠るとトラブルに発展しやすい

入れ歯とは?

入れ歯とは?

入れ歯は、歯を失った箇所に義歯を装着して噛み合わせを補う方法です。

部分入れ歯と総入れ歯があり、取り外し可能な点がインプラントとの大きな違いです。
歯ぐきや周囲の歯にかかる負担を配慮しつつ、比較的安価で対応しやすい治療法として昔から広く使われています。

入れ歯のメリット

  • 比較的低コスト
  • 大がかりな手術が不要(抜歯などは別途必要な場合あり)
  • 調整や交換がしやすい

入れ歯のデメリット

  • 噛む力や安定性が弱い場合がある
  • 外れやすさや異物感が気になる人も
  • 周囲の歯に負担がかかることがある

高齢者目線での比較

高齢者にとって、手術への抵抗感費用負担が大きな関心事でしょう。

インプラントは高額になりがちですが、長期的に使える可能性が高いという利点があります。
一方で入れ歯は安価かつ手軽である反面、定期的な調整が必要で噛む力がインプラントより劣るケースが多いです。

どちらを選ぶかは、骨の状態、全身の健康状態、ライフスタイル、予算などを総合的に考慮して決める必要があります。

高齢者でもインプラントや入れ歯は可能ですか?

高齢者でもインプラントや入れ歯は可能ですか??

インプラントの年齢制限は?

「年を取ったらインプラントは無理」というイメージを持つ方もいますが、実は80歳以下であれば適切な骨の状態が確認できればインプラント治療は可能です。
もちろん、全身の健康状態(糖尿病や心疾患など)や骨密度をチェックする必要はあります。

主治医や歯科医師と連携し、手術に耐えられるかを慎重に判断する流れが一般的です。

骨密度の検査

高齢者の場合は骨粗しょう症のリスクが高まるため、顎骨の強度がインプラント治療の成否に直結します。

CT スキャンなどの検査を通じて、顎骨に十分な厚みや密度があるかを確認します。
不足している場合は、骨移植骨造成といった補助的な処置を行う選択肢もあります。

入れ歯の利用に年齢制限はある?

入れ歯の場合、基本的に年齢制限はありません。

むしろ、非常に高齢の方でも手軽に対応できるという利点があります。
ただし、装着後に定期的な調整を受けないと噛み合わせに不具合が生じたり歯茎に痛みが出たりする可能性があるため、通院可能な範囲で、計画的にケアを行う必要があります。

全身状態の考慮

全身疾患がある方でも、入れ歯であれば手術が不要なぶん負担は軽めです。

一方で、手先が不自由になってきた場合など、取り外しやお手入れが難しくなるという別の課題が出てくるケースも考えられます。
家族のサポートや介護サービスとの連携が必要となるかもしれません。

歯科医が見るポイント

  • 口腔内の状態:残存歯の本数や健康度、歯周病の有無。
  • 顎の骨の質と量:インプラントの場合は特に重視。
  • 全身疾患の有無:糖尿病、高血圧、心臓病などの管理状況。
  • 患者さんの生活スタイル:ケアにかけられる時間や介護環境。
  • 予算や希望:治療費や治療期間、外科手術への抵抗感など。

最終的には、歯科医師と相談しながら最適な治療法を選ぶのが賢明です。

「もう歳だから」と一概に諦めるのではなく、適切な検査と診断を経て、やりたいこと・できることを把握するステップが大切です。

歯がない状態を放置するとどうなる?

歯がない状態を放置するとどうなる??

放置するリスクの本質

歯を失った状態を放置していると食べ物を噛む力が低下するだけでなく、残存歯や顎関節に過度な負担をかけることになりかねません。
特に高齢者の場合、栄養バランスが崩れると全身状態の悪化にも直結し、フレイル(虚弱)やサルコペニア(筋肉量減少)が進行する恐れがあります。

栄養不良と全身健康への影響

噛みにくさから食事内容が偏ったり柔らかいものばかり摂取すると、たんぱく質やビタミン、ミネラルが不足しがちになります。
これが長期的に続けば、筋肉量の減少や免疫力の低下を招き、感染症リスクが高まるなど生活の質を大きく下げてしまいます。

口腔内の変化

隣接歯の移動

歯が抜けたスペースを長期間放置すると隣の歯や対合歯が移動して歯列が乱れ、噛み合わせ全体が変わってしまいます。
また、歯周病が進行しやすい環境ができあがり、残っている歯まで失うリスクが高まります。

顎関節への負担

片側だけで噛む状態が続いたり、上下の歯の高さが合わなくなると、顎関節や顎の筋肉に無理な力がかかります。
結果として顎関節症首・肩のこり、頭痛につながるケースも報告されており、単なる歯の問題とは切り離せない体調不良を引き起こすことがあります。

早期治療のメリット

  • 噛み合わせのバランスが保てる
  • 周囲の歯や顎関節に余計な負担がかからない
  • 食事や会話が楽になり、生活の質(QOL)が向上
  • 長期的な治療費を抑える可能性(放置すると骨造成など追加費用が発生しやすい)

治療に踏み切るタイミングが早いほど、対処もスムーズで費用も抑えやすいというメリットがあります。
まさに「思い立ったが吉日」という言葉が当てはまるでしょう。

インプラントと入れ歯の費用はどれくらいかかりますか?

インプラントと入れ歯の費用はどれくらい??

 

インプラントの費用目安

インプラント治療は、一般的に1本あたり数十万円(30万〜50万円程度)が目安といわれています。

これは手術費用、人工歯根の材料費、上部構造(被せ物)の製作費などを合算した金額であり、クリニックごとに異なります。
骨造成やサイナスリフトなど追加処置が必要な場合はさらに上乗せされることもあるので、事前の見積もりが重要です。

メリットと費用対効果

高額にはなりますが、長期的にしっかり噛めることや他の歯を削らなくて済むという利点を考慮すると、費用対効果が高いと感じる人も多いです。
長く使い続けることを前提に、メンテナンスに力を入れることでトラブルを減らし、結果的にコストを抑えられる場合もあります。

入れ歯の費用目安

一方、入れ歯は保険適用の範囲内で作成できることが多く、自己負担費用が抑えられる点が魅力です。

保険外(自費)でより精密な入れ歯を作る場合は、数万円〜数十万円程度かかることもありますが、インプラントに比べれば比較的安価に対応できます。

保険と自費の違い

保険診療で作る入れ歯は、使用できる素材や構造が制限されるため、耐久性や装着感の面で自費の入れ歯より劣る可能性があります。
自費診療では、金属床の入れ歯など高品質な素材を選択でき、薄くて快適な仕上がりを期待できるというメリットがあります。

分割払い・デンタルローンなど

高齢者の方でも、分割払いやデンタルローンを利用して費用負担を軽減する方法があります。
また、医療費控除の対象になる場合もあるため、詳しくは歯科医院のスタッフに相談してみると良いでしょう。

費用面で治療を諦めず、あらゆる選択肢を確認してから判断するのがおすすめです。

インプラントと入れ歯で起こりうるトラブルは?

インプラントのリスクや合併症

手術時の感染や炎症

インプラントは手術を伴うため、どうしても感染リスクはゼロにはなりません。

術後の傷口が塞がる期間には、抗生物質を服用したり、口腔内を清潔に保つ必要があります。
歯科医院での定期検診やクリーニングを怠ると、インプラント周囲炎というトラブルが進行し、最悪の場合インプラント体が抜け落ちてしまう可能性もあります。

骨との結合不良

インプラントは骨と結合してこそ本領を発揮しますが、糖尿病や喫煙習慣などがあると骨結合がうまくいかずインプラントが安定しないこともあります。
術前の健康状態の管理や生活習慣の見直しが大切です。

入れ歯のトラブル

装着不良

入れ歯が合わないと、痛みや噛み跡ができる、ガタつきで食事がしにくいなどの問題が発生します。

高齢者は骨の吸収が進みやすく、半年〜数年のスパンで顎の形が変化するため、入れ歯も定期的な調整や作り替えが必要となる場合があります。

口臭やむし歯のリスク増大

入れ歯を装着していると歯茎と入れ歯の間に食べかすが溜まりやすく、口臭やむし歯、歯周病を引き起こすリスクが高まることがあります。
毎日のケア(入れ歯のブラッシング、保管時の洗浄)が欠かせないのはもちろん、定期検診で残存歯の状態をチェックしてもらうことも重要です。

トラブルを防ぐコツ

  • 定期的な歯科検診:装着後も、インプラントや入れ歯を長持ちさせるために定期的なチェックが欠かせません。
  • 自己流ケアだけに頼らない:歯科医師や歯科衛生士から正しいケア方法を学ぶことで、トラブルを未然に防ぎやすいです。
  • 早めの対応:痛みや不快感を感じたら放置せず、すぐに歯科医院で相談することで大きなトラブルを回避できます。

インプラントや入れ歯で生活の質はどう向上する?

インプラントや入れ歯で生活の質はどう向上する??

噛む力を取り戻して食事が楽しくなる

しっかり噛めるようになると、食事の幅が広がり、好きなものを美味しく食べられるという喜びを再び体験できます。
噛む力は消化や栄養吸収だけでなく、脳への刺激にもつながり、認知機能の維持にも良い影響を及ぼすと言われています。

生活の質(QOL)の向上

高齢者にとって、食事は生活の楽しみやコミュニケーションの場でもあるため、インプラントや入れ歯で噛む力を補うことで心身の健康が同時に向上します。
「もう固いものは食べられない」と諦めていた方が、大好きな煎餅や肉料理を再び楽しめるようになる例も少なくありません。

見た目や発音の改善

歯がない状態だと唇や頬が内側へとへこんだり、発音が不明瞭になったりするケースがあります。
インプラントや入れ歯を導入することで、口元のシルエットが整い、自信を持って話したり笑ったりできるようになります。

社会的メリット

口元へのコンプレックスが軽減されるとコミュニケーションが活発になり、社会生活の質も高まります。
家族や友人との会話、外出や趣味の活動を楽しめる機会が増え、「歯のせいで外に出るのがおっくう…」という悪循環から抜け出しやすくなります。

歯科医院との連携で長く維持

インプラントや入れ歯は導入して終わりではありません。

メンテナンスや調整を継続的に行うことで、その機能を長く維持できます。
定期的に歯科医院を受診し、噛み合わせや清掃状態をチェックしてもらうことでトラブルを未然に防ぎ、安心して使い続けられるのです。

まとめ:インプラントと入れ歯で快適な生活を取り戻しましょう

本記事では「高齢者のための歯科治療!入れ歯やインプラント」をテーマに、基礎知識から費用・リスク、そして日常生活において得られるメリットまで幅広く解説しました。

歯を失った状態を放置していると食事や会話が不便になるだけでなく、全身の健康や精神面にも悪影響が及ぶ可能性があります。
一方で、インプラントや入れ歯を活用すれば十分に噛む力を取り戻し、美味しく食事ができる喜びや自信を持って人と接する楽しさを再発見できるでしょう。

「噛みづらくて困っている」

「入れ歯が合わない」

「インプラントに興味はあるけれど費用が気になる」

などの悩みをお持ちであれば、もりかわ歯科へお気軽にご相談ください。

高齢者でも安心して治療を受けられるよう、検査やカウンセリングを通じて最適なプランを提案いたします。
「治療はもう無理だろう」と諦めていた方でも、新しい選択肢を知ることでQOLを大きく向上できる可能性があります。

長い人生のなかで歯の問題を抱えたまま生活していると、健康面だけでなく心の面でも負担が増えてしまいます。
今こそインプラントや入れ歯を上手に利用して、美味しく食べる喜びや、はっきり話せる安心感を取り戻してみませんか?
ご自身のライフスタイルや予算、身体の状態に合わせた治療法を選択し、もう一度笑顔で食卓を囲む日々を目指しましょう。

もりかわ歯科はあなたの歯を守り、快適な生活をサポートするためのパートナーとして、いつでもお待ちしております!

大阪府八尾市の歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」

当院では日々の診療で患者様との対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を心がけています。

  • インプラント治療
  • 入れ歯・ブリッジ
  • 審美歯科
  • 歯列矯正

など、様々な治療に対応しておりますので、歯に関する心配事がございましたらいつでもお気軽にご来院ください。矯正治療に関する無料相談も実施しておりますので、歯並びでお悩みの方もぜひ一度お問い合わせください。

矯正無料相談
矯正無料相談

詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページも併せてご覧ください。

親知らずは抜くべき?抜かないべき?

2025年2月5日
親知らずは抜くべき?抜かないべき?

こんにちは。大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯科医療は専門性の高い分野であり、患者様にとって分かりにくい情報や誤解が生じやすい情報も少なくありません。診療時間内に患者様お一人おひとりに十分なご説明をすることが難しい場合もあるため、このブログを開設いたしました。

このブログでは患者様からよくいただく質問や、知っておいていただきたい歯科医療の知識を、分かりやすく解説することを目指しています。専門用語はできる限り避け、分かりやすい言葉で情報を提供いたします。皆様の疑問を解消し、安心して治療を受けていただけるよう最新の研究結果やエビデンスに基づいた情報も積極的に発信してまいります。

ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

「親知らずの抜歯」について全力回答!

「なんだか奥歯がズキズキするけど、これは親知らずのせい?」
「親知らずを抜くと、顔が変わるとか、すごく痛いって聞いたんだけど本当?」
「親知らずがあるけど、日常生活にそこまで困っていないから、このままでもいいかな?」

こうした声をよく耳にします。
実際、「親知らずは抜いたほうがいい」「いや、抜かずに放置して大丈夫」と、人によって意見はさまざま。
中には「抜歯してもメリットは少ないのでは?」と考える方もいるかもしれません。

しかし、本当にそのまま放置してよいものかどうかは、歯やあごの状態、今後の生活設計によって変わってきます。

本記事ではまだ親知らずを抜歯したことがなく日々の生活に大きな支障を感じていない方が、将来を考えて抜くべきかどうかの判断材料を得られることを目指します。

親知らずを抜歯するメリットやデメリット、費用や保険適用の有無、治療の流れや痛みの程度など、気になるポイントをわかりやすく解説していきます。
ぜひ最後まで目を通してみてください。

この記事を読めば分かること

  • 親知らずの基礎知識が身につく
  • 抜歯をする・しない場合のリスクとメリットが理解できる
  • 実際の治療費や保険適用、抜歯の流れがイメージできる
  • 歯科医師に相談する重要性を再確認できる

親知らずってどんな歯なの?

親知らずの基礎知識

親知らずの基礎知識

親知らずは、上下左右の奥歯の一番奥に生えてくる「第三大臼歯(だいさんだいきゅうし)」です。

思春期後半から20代半ばにかけて生えることが多いとされていますが、年齢や本数に個人差があるため生え方は人それぞれです。
実際に生えてくる時期が遅れたり、あごの骨の中に埋まったまま出てこなかったりするケースも珍しくありません。

こうした違いは、あごの大きさや遺伝的な要素が影響しているといわれています。
レントゲン撮影をすれば、あごの骨のなかに埋まっている親知らずの有無を確認できるので「自分には親知らずがない」と思い込んでいる方も一度検診を受けてみるとよいでしょう。

名前の由来と海外での呼び方

親知らずという独特の名前は「親が知らないうちに生えてくる歯」という由来が一般的です。

実際に成人期前後になって初めて痛みや腫れに気づき「いつの間にか存在していた」と感じる方も多いのではないでしょうか。
英語では“Wisdom tooth”と呼ばれ、成長した頃に生える歯というイメージが含まれています。

日本語と英語では呼び方が異なるものの、多くの国で「遅い時期に生えてくる、やっかいな歯」という扱いを受けているようです。

正しく生えるケースは多くない?

近年の食生活やあごの形態変化の影響で、親知らずがきれいに生えるスペースが足りない方が増えています。

まっすぐ生えずに斜めになったり、一部だけ歯ぐきを破って顔を出す「部分萌出(ぶぶんほうしゅつ)」の状態になったりすると歯みがきがしづらくなるため、むし歯や歯ぐきの炎症につながりやすいのが悩みの種です。

中には完全に埋まったまま出てこず、「レントゲン検査ではじめて骨の中に残っているとわかる」こともあります。

もし親知らずがしっかりと機能している場合は無理に抜歯しなくても問題ないことがありますが、明らかに生え方が悪かったり周囲の歯を圧迫したりするようであれば、適切なケアや抜歯を検討する必要性が出てきます。

「生え方が悪いかもしれないけれど痛みはまだない」と、そのまま放置すればトラブルが起こるリスクも否めません。

なぜ親知らずを抜くの?放置するとどうなる?

放置によるリスク

普段は何の症状もなくても、親知らずをそのままにしておくことで以下のようなトラブルが起きる可能性があります。

放置によるリスク

むし歯や歯周病の悪化

親知らずが斜めに生えていると、食べかすや汚れがたまりやすくなり、歯ブラシの届きにくい死角が増えてしまいます。
その結果、親知らずだけではなく手前の第二大臼歯(ふつうに噛むときにメインで使う歯)にまでむし歯や歯周病が広がりやすくなるが大きな問題です。

隣接歯への影響

傾いている親知らずが隣の歯を押すことで、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼすケースもあります。
歯並びが乱れると、プラーク(歯垢)がたまりやすくなるため、むし歯や歯ぐきの炎症などさらなるトラブルを招きかねません。

炎症の繰り返し

親知らずが完全に歯ぐきの外へ出ていない状態だと、歯と歯ぐきの隙間に細菌が入り込みやすくなります。
その結果、歯ぐきが腫れたり痛んだりする「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」を繰り返してしまう恐れが高まります。
こうした炎症が進行すると口腔内の衛生環境を悪化させるだけでなく、全身状態にまで影響することもあるため注意が必要です。

“将来抜くなら今がいい”は本当?

一般的には、若いうちに親知らずを抜いたほうが回復が早く、抜歯後の腫れや痛みも比較的少ないといわれています。
年齢を重ねるほど骨が硬くなり、全身的な影響も出やすくなるため、必要と判断されれば早めに抜歯を検討するのは一つの選択肢です。

ただし親知らずの向きや深さなどは個人差が大きいため、レントゲン写真やCT撮影などを通じて専門の歯科医師からアドバイスを受けることがとても重要です。

抜歯しなくてもいいケースはあるの?

まっすぐ生えていて噛み合わせも良好な場合

親知らずが本来の奥歯と同じようにまっすぐ生え、噛み合わせにも問題がないケースは決して多くありませんが、まれに歯磨きがしっかり行き届き、むし歯や歯周病のリスクが低い状態で「働く歯」として活用できることがあります。
こうした場合は、無理に抜歯をしなくても支障がないかもしれません。

ただし、将来的にトラブルが起きる可能性も考慮して定期的に歯科医院で状態を確認することが望ましいでしょう。

歯科矯正に利用できるケース

歯科矯正の計画によっては、親知らずを矯正治療の一部として利用する場合もあります。

たとえば、抜歯が必要となる矯正プランの中で「親知らずをあえて残し、移動源として活用する」という方法が検討されることもあるのです。
こうした判断は口腔全体のバランスと治療方針を踏まえて決定されるため、矯正歯科医と十分に相談して最適な方法を探ることが大切です。

体調・全身状態への配慮

抜歯は口腔内だけでなく、体全体の状態を見極める必要もあります。

重度の全身疾患を抱えている方や、妊娠中でリスクが高いと判断される方には抜歯を先延ばしにしたほうが良い場合もあるのです。
抜歯のタイミングや方法を適切に選択するためにも、歯科医師だけでなく必要に応じて医科とも連携を図りながら慎重に方針を決めることが重要です。

抜歯後の顔や痛みが気になる方へ

ここまで、親知らずを「抜かずに済む可能性があるケース」について解説しました。

実際には、生え方や体調など個人差が大きいため、一概に「抜かなくて問題ない」とは言い切れないのが現状です。では、抜歯を選択した場合に起こりうる痛みや顔つきの変化には、どのようなものがあるのでしょうか。次のセクションでは、抜歯後に予想される症状や回復までの流れを詳しくご紹介しますので、ぜひ引き続きご覧ください。

親知らずを抜くと顔は変わる?痛みはある?

親知らずを抜くと顔は変わる?痛みはある?

抜歯で顔の輪郭が激変することは少ない

「親知らずを抜くと顔が小さくなる」「輪郭が大きく変わる」という噂を聞いたことがある方も多いかもしれません。

実際には、親知らずの抜歯だけで劇的に顔のラインが変わるケースは非常にまれです。
もともと歯の出っ張りが大きく、抜歯後に腫れが引くことで一時的にスッキリと見えることはありますが、いわゆる「小顔効果」は過度に期待しないほうがよいでしょう。

痛みには個人差がある

抜歯後の痛みは個人差が大きく、親知らずの生え方によっても異なります。

歯ぐきや骨を多く削らなければならないケースでは、腫れや痛みが出やすくなる傾向があります。
一方で、まっすぐ生えていて抜きやすい状態であれば、比較的軽い痛みで済むことも少なくありません。いずれの場合も、処方された鎮痛薬や抗生物質を正しく服用し、数日から1週間ほどで症状が落ち着くことが多いです。

ダウンタイムと日常生活への影響

抜歯を行う部位や難易度にもよりますが、術後数日は腫れや違和感を覚えることがあります。

仕事や学校を休むほどではない場合が多いものの、力仕事や激しい運動を伴う生活スタイルの方は体調と相談しながらスケジュールを調整すると安心です。
痛みや腫れが続くようであれば、早めに歯科医師に相談して適切な対処を受けましょう。

抜歯の手順や費用はどれくらい?保険適用は?

一般的な抜歯の流れ

一般的な抜歯の流れ

検査・診断

レントゲンや口腔内検査で親知らずの位置や角度、神経や血管との位置関係を把握します。
必要に応じてCT撮影を行う場合もあり、事前の精密検査が安全な抜歯の土台となります。

局所麻酔

痛みを抑えるために局所麻酔を行います。
麻酔がしっかり効いていれば、処置中の痛みはほとんど感じません。

抜歯処置

歯ぐきを切開したり、歯を分割したりしながら徐々に取り除きます。
斜めに生えていたり、骨と癒着している場合は時間がかかることがあります。

止血・縫合

抜歯後はガーゼなどで出血を抑え、必要に応じて糸で縫合します。
縫合した箇所は1週間程度で抜糸を行うことが一般的です。

術後のケア

痛み止めや抗生物質を処方されることが多く、腫れや感染を予防しながら傷の回復を待ちます。
腫れやすい方はアイシングを行うなど、歯科医師の指示に従って経過を見守りましょう。

費用の目安と保険適用

親知らずの抜歯は多くの場合、保険診療の対象です。

ただし、埋伏(まったく外に出ていない)や神経に近い場合など、検査や処置の難易度が高いケースでは費用が上乗せされることがあります。
保険適用の場合、自己負担は3割(保険の種類や年齢によって異なることがあります)で、1本あたり数千円〜1万円台となるのが一般的です。正確な金額を知りたい方は、事前に歯科医院へ確認してみましょう。

通院回数や時間

1本の抜歯処置にかかる時間は、局所麻酔や術後の休憩などを含めて30分〜1時間程度が目安ですが、生え方の状態によっては前後します。
複数の親知らずが埋まっている場合には、1本ずつ抜くのか、あるいは複数本を同時に抜くのかで通院回数も変わります。
縫合した箇所を抜糸するために、通常は1週間ほど経ってから再度通院が必要です。

矯正治療にも影響するの?抜歯のメリットとは?

歯並びへの影響

歯並びへの影響

「なるべくきれいな歯並びを保ちたい」と願う方にとって、斜めに生えた親知らずは悩みの種になりやすいものです。

親知らずが前の歯を押してしまうと歯列にガタつきが生じたり、歯みがきの際に磨き残しが増えてむし歯や歯周病のリスクが上がったりします。
特に矯正治療後の方は、せっかく整えた歯並びに影響が出る可能性があるため、担当の矯正専門医から「親知らずは抜いておいたほうが良い」というアドバイスを受けることも少なくありません。

将来的なむし歯・歯周病リスクの軽減

親知らずは口腔内の一番奥に位置するため、どうしても歯ブラシが届きにくくなりがちです。

放置しておくと、歯ぐきの炎症やむし歯が他の歯にまで広がる恐れがあります。
抜歯によって磨き残しのリスクを減らすことで、長期的に見ても健康的な口腔環境を保ちやすくなるというメリットが期待できます。

矯正に親知らずを活用することも

まっすぐ生えて機能している親知らずを、矯正治療の計画の一部として組み込む場合もあります。

ただしこれは限定的なケースにすぎず、多くの場合は「不要歯」として扱われることが多いのが実情です。
抜歯の必要性は、口腔内の状態や矯正治療の方針によって変わるため、「本当に抜くべきかどうか」は専門医の診断を受けることが最善です。

 まとめ|将来を見据えて専門医に相談しよう

今回は「親知らずは抜くべき?抜かないべき?」という疑問にお応えする形で、親知らずの基礎知識から抜歯のメリット・デメリット、費用や保険適用のしくみまで、幅広く解説しました。親知らずはたとえ今は痛みがなくても、将来的にトラブルを引き起こす可能性を秘めているため、一度は歯科医院でチェックしてもらうことをおすすめします。

  • 親知らずがまっすぐ生えていて、しっかり機能している → 抜く必要がない場合がある
  • 親知らずが斜めや横向きで炎症や痛みが出やすい → 抜歯の検討が必要
  • 矯正治療を考えている → 親知らずの状態を含めた総合的な治療計画が重要

こうした判断は、素人だけでは難しく、レントゲンやCTでの確認が欠かせません。
さらに、全身状態や他の歯の状態との兼ね合いも考慮する必要があります。
そのため、「抜歯するか迷っている」「痛みが出る前に対策しておきたい」という方は、ぜひ専門医がいる歯科医院へご相談ください。

もりかわ歯科では、歯科口腔外科の領域や矯正治療の経験豊富なスタッフがそろっておりますので、安心してカウンセリングを受けていただけます。
あなたの歯並びやライフスタイル、今後の予定などを含めてトータルでサポートいたします。

本記事を通じて、親知らずに関する疑問や不安が少しでも解消されていれば幸いです。
今はまだ症状がなくても、将来的なトラブルを回避するため、ぜひ一度、歯科医院に足を運んでみてください。

自分の歯の健康を守るための第一歩として、「今の状態を把握し、必要な治療を計画する」ことが何より大切です。

あなたの大切な歯を長く守るためにも、気になることがあれば遠慮なくお問い合わせください。
私たちと一緒に、快適な口腔環境を目指しましょう!

大阪府八尾市の歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」

当院では日々の診療で患者様との対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を心がけています。

  • インプラント治療
  • 入れ歯・ブリッジ
  • 審美歯科
  • 歯列矯正

など、様々な治療に対応しておりますので、歯に関する心配事がございましたらいつでもお気軽にご来院ください。矯正治療に関する無料相談も実施しておりますので、歯並びでお悩みの方もぜひ一度お問い合わせください。

矯正無料相談
矯正無料相談

詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページも併せてご覧ください。

インプラントは一生持つ?メンテナンス方法と注意点

2025年1月22日
インプラントは一生持つ?メンテナンス方法と注意点

こんにちは。大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯科医療は専門性の高い分野であり、患者様にとって分かりにくい情報や誤解が生じやすい情報も少なくありません。診療時間内に患者様お一人おひとりに十分なご説明をすることが難しい場合もあるため、このブログを開設いたしました。

このブログでは患者様からよくいただく質問や、知っておいていただきたい歯科医療の知識を、分かりやすく解説することを目指しています。専門用語はできる限り避け、分かりやすい言葉で情報を提供いたします。皆様の疑問を解消し、安心して治療を受けていただけるよう最新の研究結果やエビデンスに基づいた情報も積極的に発信してまいります。

ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

「インプラントのメンテナンス方法と注意点」について全力回答!

「インプラントって、入れ歯やブリッジと何が違うの?」

「インプラントにしたら、自分の歯と同じように噛めるようになるって本当?」

「インプラントの手術って、痛いのかな… 腫れたりしないかな…」

「インプラントはどれくらい長持ちするの? メンテナンスはどうすればいいの?」

歯を失ってしまった時、治療方法としてインプラント治療を検討する方も多いのではないでしょうか?
インプラント治療はまだまだ新しい治療法であり、わからないことや不安なことも多いかもしれません。

この記事ではインプラント治療について、基礎知識からメリット・デメリット、リスク、費用、そして治療後のメンテナンス方法まで詳しく解説することで、読者の不安や疑問を解消しインプラント治療を検討する際の一助となることを目指します。

この記事を読めば分かること

  • インプラント治療がどんな治療法なのか理解できます。
  • インプラント治療のメリット・デメリット、他の治療法との違いがわかります。
  • インプラント治療の流れや費用、期間、リスクについて知ることができます。
  • インプラント治療後のメンテナンス方法や注意点がわかります。

 インプラントってどんな治療?

インプラント治療とは歯を失った部分に人工の歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。

インプラント体はチタンという金属でできており、骨と結合する性質があります。
この性質を利用して顎の骨にしっかりと固定することで、まるで自分の歯のように噛めるようになるのです。

インプラント治療のメリット・デメリット

メリット

  • よく噛めるようになる
  • 見た目が自然で美しい
  • 周りの歯に負担をかけない
  • 発音がしやすい
  • 食事を楽しめる
  • 自分に自信が持てる

デメリット

  • 外科手術が必要
  • 治療期間が比較的長い
  • 費用が高い
  • メンテナンスが必要

インプラント治療と他の治療法との違い

インプラント治療と他の治療法との違い

歯を失った場合の治療法にはインプラント治療の他に、入れ歯やブリッジといった治療法があります。

入れ歯

入れ歯

  • 取り外し式で歯ぐきで支えるため、安定感が悪く噛む力が弱い
  • 異物感や違和感がある
  • 発音がしにくい場合がある
  • 見た目が不自然
  • 残っている歯に負担がかかる場合がある

ブリッジ

ブリッジ

  • 固定式で両隣の歯を削って支えるため、安定感があり噛む力も強い
  • 異物感や違和感が少ない
  • 発音がしやすい
  • 見た目が自然
  • 健康な歯を削る必要がある
  • 支えている歯に負担がかかる

インプラント治療は、入れ歯やブリッジよりも、

  • よく噛める
  • 見た目が自然
  • 周りの歯に負担をかけない

といった点で優れています。

 インプラント治療のメリット

インプラント治療のメリット

インプラント治療は歯を失った部分に人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法ですが、他の治療法に比べて様々なメリットがあります。

ここではインプラント治療のメリットについて、詳しく解説していきます。

よく噛めるようになる

インプラントは顎の骨にしっかりと固定されているため、自分の歯と同じような感覚で噛むことができます。

硬い食べ物や粘着性のある食べ物も、しっかりと噛み砕くことができます。
そのため食事を美味しく楽しむことができ、栄養バランスも改善されます。

さらによく噛むことで脳への刺激が増え、認知症予防にも効果が期待できると言われています。

見た目が自然で美しい

インプラントは天然歯に近い色や形で作製されるため、見た目が自然で美しいです。

歯茎との境目も自然で、人工物であることがほとんどわかりません。
口元を気にせず自信を持って笑顔を見せることができます。

周りの歯に負担をかけない

インプラントは顎の骨に直接固定されるため、周りの歯に負担をかけません。

ブリッジのように健康な歯を削る必要もありません。
残っている歯を長持ちさせることができます。

発音がしやすい

インプラントは入れ歯のように動いたりずれたりすることがないため、発音がしやすくなります。

人工歯が歯茎に密着しているため空気が漏れることもなく、クリアな発音が可能です。
人前で話すときも自信を持って話せるようになるでしょう。

食事を楽しめる

インプラントは硬い食べ物や粘着性のある食べ物もしっかりと噛み砕くことができるため、食事をより楽しむことができます。

好きなものを好きなだけ食べることができ、食事の満足度が向上します。
食事のバリエーションが増えることで栄養バランスも改善され、健康的な食生活を送ることができます。

自分に自信が持てる

インプラント治療によって歯を失う前の状態に近づき、見た目も機能も回復することで自分に自信を持つことができます。

人前で話すことや笑うことに抵抗がなくなり、より積極的な毎日を送ることができるでしょう。
自分に自信を持つことで新しいことにチャレンジしたり人とのコミュニケーションを楽しんだりするなど、人生がより豊かになることが期待できます。

 インプラントの寿命ってどれくらい?

インプラントは適切なケアをすれば、10年以上、あるいは半永久的に使い続けることができます。

しかし、インプラントは決して「一生もの」というわけではありません。
インプラントの寿命は様々な要因によって左右されます。

インプラントの寿命を左右する要因

毎日のケア

毎日の歯磨きや歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使ったケアを怠ると、インプラント周囲炎という病気を引き起こしインプラントの寿命を縮めてしまう可能性があります。

インプラント周囲炎とはインプラント体の周囲に起こる炎症のことです。
歯周病と同様に歯茎が腫れたり、出血したり、膿が出たりといった症状が現れます。

重症化するとインプラント体が抜け落ちてしまうこともあります。

定期検診

定期的に歯科医院を受診してインプラントの状態をチェックしてもらうこと、そして専門家によるクリーニングを受けることで、インプラントを長持ちさせることができます。

歯科医院ではインプラント周囲炎のチェックや噛み合わせの調整、歯石除去、クリーニングなどを行います。
これらのケアを受けることでインプラント周囲炎やその他のトラブルを予防し、インプラントを長持ちさせることができます。

生活習慣

喫煙や過度の飲酒、歯ぎしりなどは、インプラントの寿命を縮める原因となります。

喫煙は歯周病やインプラント周囲炎のリスクを高めることが知られています。
また、過度の飲酒は免疫力を低下させ、歯周病菌への抵抗力を弱める可能性があります。
歯ぎしりはインプラントに過度な負担をかけ、破損や脱落の原因となることがあります。

全身疾患

糖尿病などの全身疾患はインプラント周囲炎のリスクを高める可能性があります。

糖尿病は免疫力を低下させ、歯周病菌への抵抗力を弱めるため、インプラント周囲炎のリスクが高まります。
骨粗鬆症などの骨の病気もインプラントの寿命に影響を与える可能性があります。

その他

  • インプラント体の材質や構造
  • 手術の精度
  • 噛み合わせの状態
  • 口腔内の衛生状態
  • 遺伝的な要因

これらもインプラントの寿命に影響を与える可能性があります。
このように、インプラントの寿命は様々な要因によって左右されます。

 インプラントのメンテナンス方法

インプラントのメンテナンス方法

インプラントを長持ちさせるためには毎日のセルフケアと、歯科医院での定期的なメンテナンスが重要です。

「インプラントは虫歯にならないからメンテナンスも不要でしょ?」

「人工の歯だし、特別なケアは必要ないんじゃないの?」

そう思っていませんか?

インプラントは毎日のセルフケアと定期的なメンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎などのトラブルを引き起こして寿命が短くなってしまう可能性があります。

インプラントを長持ちさせ、快適な食生活を送るためには正しいメンテナンス方法を知っておくことが大切です。

毎日のセルフケア

毎日のセルフケアはインプラントを長持ちさせるための基本です。

歯磨き

インプラントは虫歯にはなりませんが歯周病のような病気にかかる可能性があります。

毎食後そして寝る前に歯ブラシを使って丁寧に歯を磨き、歯垢(プラーク)を落としましょう。
インプラント周囲は歯周病菌が繁殖しやすいため、特に丁寧に磨く必要があります。

歯ブラシは毛先が柔らかく、インプラントに適したものを選びましょう。
歯磨き粉は研磨剤の入っていないものを使用するようにしましょう。

歯間ブラシ・デンタルフロス

歯ブラシだけでは届かない歯と歯の間は、歯間ブラシやデンタルフロスを使って清掃しましょう。

歯間ブラシは歯と歯の間に隙間がある場合に、ブラシを挿入して歯垢を除去します。
デンタルフロスは糸状の清掃用具で、歯と歯の間に通して歯垢を絡め取るようにして除去します。

インプラント周囲は歯周病菌が繁殖しやすいため、歯間ブラシやデンタルフロスを毎日使用することで歯垢を徹底的に除去しましょう。

洗口液

洗口液には殺菌効果や口臭予防効果があります。

歯磨き後や外出先で歯磨きができない時に使用すると良いでしょう。
ただしアルコール成分の強い洗口液は、口の中を乾燥させてしまう可能性がありますので注意が必要です。

定期検診

定期検診では歯科医師や歯科衛生士がインプラントの状態をチェックし、必要があればクリーニングや治療を行います。

専門家によるクリーニング

インプラント周囲炎を予防するためには専門家によるクリーニングが効果的です。

歯科医院では専用の器具を使って、インプラント周囲の歯垢や歯石を徹底的に除去します。
また歯の表面を研磨することで、歯垢や歯石が付着しにくい状態にします。

噛み合わせのチェック

インプラントは噛み合わせのバランスが崩れると支えている顎の骨に負担がかかり、インプラント周囲炎のリスクが高まります。
定期検診で噛み合わせをチェックして必要があれば調整を行います。

歯周病のチェック

歯周病はインプラント周囲炎に進行する可能性があります。
定期検診で歯周病のチェックを行い早期発見・早期治療に努めましょう。

 インプラント治療後の注意点

インプラント治療後は以下の点に注意することで、インプラントを長持ちさせ快適に使い続けることができます。

手術直後

手術直後は患部を清潔に保ち、安静にすることが大切です。

激しい運動や飲酒、喫煙は避け、指示された通りに薬を服用しましょう。

手術後は多少の痛みや腫れ、出血が見られることがありますが、通常は数日で治まります。
痛みや腫れが強い場合は痛み止めや抗炎症剤を処方いたしますのでご安心ください。

また、手術部位を清潔に保つためにうがい薬や抗生物質を処方する場合もあります。

食事

手術後しばらくは硬いものは避け、柔らかいものを食べるようにしましょう。

熱いものや冷たいものは、刺激になる場合があるので注意が必要です。
手術直後は麻酔が効いているため、熱いものを知らずに口に入れてしまう可能性があります。

やけどをしてしまう可能性もありますので、麻酔が切れるまでは飲食を控えるようにしましょう。
刺激物やアルコールも患部を刺激する可能性がありますので、避けましょう。

歯磨き

手術後1週間程度は手術部位を避けて歯磨きを行いましょう。

その後は歯科医師の指示に従って、歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使って丁寧に歯磨きを行いましょう。

インプラント周囲は歯周病菌が繁殖しやすいため、丁寧に歯磨きをすることが大切です。
歯ブラシは毛先が柔らかく、インプラントに適したものを選びましょう。

歯磨き粉は研磨剤の入っていないものを使用するようにしましょう。

定期検診

定期的に歯科医院を受診しインプラントの状態をチェックしてもらいましょう。

インプラント周囲炎などのトラブルを早期に発見して治療することができます。

定期検診ではインプラント周囲炎のチェックや噛み合わせの調整、歯石除去、クリーニングなどを行います。
これらのケアを受けることでインプラント周囲炎やその他のトラブルを予防し、インプラントを長持ちさせることができます。

 インプラント治療はもりかわ歯科医院へ

インプラント治療はもりかわ歯科医院へ

歯を失ってしまった時、治療方法としてインプラント治療を選択肢に入れる方も多いと思います。

しかしインプラント治療は外科手術を伴う治療法であり、費用や治療期間、安全性など気になる点も多いのではないでしょうか?

そんな時はぜひ、もりかわ歯科医院にご相談ください!

患者様一人ひとりに最適な治療を

もりかわ歯科医院では、患者様一人ひとりの状態に合わせたインプラント治療を提供しています。

丁寧なカウンセリングと検査

患者様のお悩みやご希望をじっくりお伺いします。
お口の状態を正確に把握するためレントゲン撮影やCT撮影などの検査を行います。

患者様の不安や疑問を解消するため治療内容や費用について、わかりやすく丁寧にご説明いたします。

安心・安全な治療

最新の設備と技術を導入し、安心・安全な治療を提供することに努めています。
治療中の痛みや腫れを最小限に抑えるために様々な工夫を凝らしています。

清潔な院内環境を維持し、感染症対策も徹底しています。

経験豊富な歯科医師による治療

豊富な知識と経験を持つ歯科医師が、患者様一人ひとりに最適な治療計画を立案します。
治療期間や通院回数、費用などについても事前に詳しくご説明いたします。

充実したアフターケア

治療後も定期的な検診やメンテナンスを行い、インプラントを長持ちさせるためのサポートをいたします。
インプラントに関する疑問や不安にもいつでもお答えいたします。

無料相談で疑問を解消

インプラント治療についてご不明な点やご不安な点がございましたら、お気軽に無料相談をご利用ください。
経験豊富な歯科医師が丁寧にご説明させていただきます。

 まとめ|インプラントで快適な食生活を!

この記事ではインプラント治療について解説してきました。

メリットだけでなくデメリットやリスク、そして治療後のメンテナンスの重要性についてご理解いただけたでしょうか?

インプラント治療は歯を失った方の生活の質を向上させる効果的な治療法ですが、
ご自身の状況や希望に合わせて慎重に判断する必要があります。

もりかわ歯科医院では患者様一人ひとりに最適な治療法をご提案していますので、お気軽にご相談ください。

インプラント治療で歯を失う前の笑顔と、快適な食生活を取り戻しましょう!

大阪府八尾市の歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」

当院では日々の診療で患者様との対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を心がけています。

  • インプラント治療
  • 入れ歯・ブリッジ
  • 審美歯科
  • 歯列矯正

など、様々な治療に対応しておりますので、歯に関する心配事がございましたらいつでもお気軽にご来院ください。矯正治療に関する無料相談も実施しておりますので、歯並びでお悩みの方もぜひ一度お問い合わせください。

矯正無料相談
矯正無料相談

詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページも併せてご覧ください。

インプラント治療とは?入れ歯やブリッジとの違い

2024年10月23日
インプラント治療とは?入れ歯やブリッジとの違い

こんにちは。大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯科医療は専門性の高い分野であり、患者様にとって分かりにくい情報や誤解が生じやすい情報も少なくありません。診療時間内に患者様お一人おひとりに十分なご説明をすることが難しい場合もあるため、このブログを開設いたしました。

このブログでは患者様からよくいただく質問や、知っておいていただきたい歯科医療の知識を、分かりやすく解説することを目指しています。専門用語はできる限り避け、分かりやすい言葉で情報を提供いたします。皆様の疑問を解消し、安心して治療を受けていただけるよう最新の研究結果やエビデンスに基づいた情報も積極的に発信してまいります。

ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

 「インプラントとその他の治療」について全力回答!

「歯が抜けてしまった…」

歯を失ってしまい、インプラント・入れ歯・ブリッジで悩んでいませんか?この記事では、それぞれの治療法の特徴やメリット・デメリットを比較し、あなたに最適な治療法を見つけるお手伝いをします。歯を失ったまま放置するリスクも解説しているので、ぜひ参考にしてください。それは誰にとってもショックな出来事です。食事がしづらくなったり、人前で話すことに自信がなくなったり、鏡を見るのも憂鬱になったりと心身に大きな影響を与えることも少なくありません。

しかし諦める必要はありません!現代の歯科医療では歯を失った部分を補うための様々な治療法があります。その代表的なものがインプラント、入れ歯、ブリッジです。

この記事ではそれぞれの治療法の特徴やメリット・デメリットを詳しく解説し、あなたに最適な治療法を見つけるお手伝いをします。

 歯を失ったまま放置すると…将来後悔するかも!?

「歯が抜けてしまったけど、まだ他の歯で噛めるから大丈夫…」
「入れ歯は見た目が気になるしインプラントは高そうだから…」

そんな風に考えて治療を先延ばしにしていませんか?

歯を失うことは誰にとっても辛い経験です。しかし、その喪失感を乗り越えて前向きに治療に向き合うことが、あなたの未来の健康と笑顔を守るためにとても大切です。

歯を失ったまま放置すると…こんな悪影響が!

歯を失ったまま放置すると…こんな悪影響が!

歯を失ったまま放置すると、以下のような問題が起こる可能性があります。

見た目の変化:口元が老け込んで見えることも…

歯を失った部分の骨は徐々に痩せていきます。すると顔の輪郭が変化したり、口元にしわが増えたりして老けて見えてしまうことがあります。

噛み合わせの悪化:他の歯にも悪影響が…

歯を失うと残った歯に余計な負担がかかり、噛み合わせが悪化します。その結果…

顎関節症

顎の関節に負担がかかり痛みや口が開きにくい、音が鳴るなどの症状が現れます。

歯の傾きや隙間

噛み合わせのバランスが崩れることで周りの歯が傾いたり、隙間ができたりします。

虫歯や歯周病のリスク増加

傾いた歯や隙間は歯磨きがしづらくなり、プラーク(歯垢)が溜まりやすくなるため虫歯や歯周病のリスクを高めます。

消化不良:胃腸にも負担が…

歯を失うと食べ物をうまく噛み砕くことができなくなり、消化不良を起こしやすくなります。
胃腸に負担がかかり、胃もたれや腹痛などの症状が現れることもあります。

発音障害:コミュニケーションに影響も

歯は発音においても重要な役割を果たしています。
特に前歯を失うとサ行やタ行などの発音が不明瞭になることがあります。滑舌が悪くなると相手に自分の気持ちをうまく伝えられず、コミュニケーションに支障をきたす可能性もあります。

全身疾患のリスク増加:放置すると全身の健康にも影響が

噛み合わせの悪化は頭痛や肩こり、顎関節症などを引き起こす可能性があります。さらに最近の研究では歯周病が心臓病や脳梗塞、糖尿病などの全身疾患のリスクを高める可能性も指摘されています。(※1)

※1 日本臨床歯周病学会 | 歯周病が全身に及ぼす影響

高齢者の方は特に注意が必要

特に高齢者の方は、歯を失うことで

低栄養

噛む力が弱まり食事量が減ることで、低栄養状態に陥りやすくなります。

誤嚥性肺炎

食べ物や唾液が誤って気管に入り、肺炎を起こすリスクが高まります。

といったリスクも高まります。

歯を失ったら早めの治療が大切です

歯を失った時の治療法の選択肢はそれぞれに特徴があり、あなたに最適な治療法は、歯を失った場所や本数、残っている歯の状態、そしてあなたのライフスタイルやご希望によって異なります。

あなたに合うのはどれ?インプラント・入れ歯・ブリッジを徹底比較!

あなたに合うのはどれ?インプラント・入れ歯・ブリッジを徹底比較!

ここでは「インプラント」「入れ歯」「ブリッジ」それぞれの治療法についての特徴やメリット・デメリットを詳しく解説していきます。

入れ歯

入れ歯

特徴

取り外し可能な人工の歯です。
歯を失った部分に合わせて、床と呼ばれる土台に人工歯を固定します。

メリット

費用が安い

保険適用のため、比較的安価に治療できます。

治療期間が短い

手術の必要がなく、短期間で治療が完了します。

調整がしやすい

歯並びや噛み合わせの変化に合わせて、調整が可能です。

デメリット

噛む力が弱い

天然歯に比べて噛む力が弱く、硬いものが食べづらい場合があります。

違和感がある

異物感や装着時の痛み、発音への影響など、慣れるまで時間がかかることがあります。

取り外しの手間

食事や歯磨きのたびに、取り外す必要があります。

残っている歯に負担がかかる

部分入れ歯の場合、バネをかける歯に負担がかかり、将来的にその歯を失うリスクがあります。

顎の骨が痩せる

顎の骨に刺激が伝わりにくいため、骨の吸収が進み、顔の輪郭が変化することがあります。

こんな方におすすめ

  • 多くの歯を失った方
  • 顎の骨が弱い方、または手術が難しい方
  • 費用を抑えたい方
  • 短期間で治療を完了したい方

ブリッジ

ブリッジ

特徴

歯を失った部分の両隣の歯を削り、それを土台にして橋渡しのように人工の歯を固定する治療法です。

メリット

保険適用で治療できる場合がある

条件によっては保険適用となり、費用を抑えられます。

治療期間が短い

手術の必要がなく、短期間で治療が完了します。

審美性がある程度高い

天然歯に近い色や形の人工歯を使用することで、自然な見た目を実現できます。

デメリット

健康な歯を削る必要がある

ブリッジを支えるために、健康な歯を大きく削る必要があります。

ブリッジの下に汚れが溜まりやすい

ブリッジの下は歯ブラシが届きにくく、汚れが溜まりやすいため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

噛む力が弱い

天然歯に比べて噛む力が弱く、硬いものが食べづらい場合があります。

寿命が短い

10年程度で再治療が必要になることが多いです。

こんな方におすすめ

  • 1~2本の歯を失った方
  • 両隣の歯が健康な方
  • 費用を抑えたい方
  • 短期間で治療を完了したい方

インプラント

インプラント

特徴

顎の骨にチタン製の人工歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。
天然歯のように顎の骨にしっかりと固定されるため、自分の歯のように力強く噛むことができます。

メリット

食事の楽しみを再発見

自分の歯のように噛めるので、硬いものや粘り気のあるものなど様々な食べ物を心ゆくまで味わえます。
食事の制限から解放され、毎日の食卓が豊かになります。

自然な笑顔を取り戻す

天然歯と見分けがつかないほど自然な見た目を実現できます。
口元への自信を取り戻し、笑顔で人と接することができます。

会話もスムーズに

発音のしづらさや入れ歯がずれる心配がなく、自信を持って会話できます。
円滑なコミュニケーションで、人間関係もより豊かに。

健康な歯を守り、長持ちさせる

ブリッジのように健康な歯を削る必要がなく周りの歯への負担を最小限に抑えます。
大切な歯を犠牲にすることなく、美しい歯並びを手に入れられます。

若々しい口元を保つ

顎の骨に刺激を与えることで、骨の吸収を防ぎ、顔の輪郭を維持する効果も期待できます。
口元のハリを保ち、若々しい印象をキープできます。

長期間安心して使える

適切なケアとメンテナンスを行えば、長期にわたって使用できます。
入れ歯のように毎日取り外して洗浄する手間もなく、快適な毎日を送れます。

デメリット

外科手術が必要

顎の骨にインプラント体を埋め込む手術が必要となります。
当院では経験豊富な歯科医師が、最新の技術と設備を用いて、安全かつ精密な手術を行います。

治療期間が長い

骨とインプラント体が結合するまで数ヶ月かかるため治療期間が比較的長くなります。
その間は仮歯を使用することも可能ですので日常生活に支障はありません。

費用が高い

保険適用外のため費用が高額になる傾向があります。
当院では患者様のご負担を軽減するため、分割払い、デンタルローンなど、様々な支払い方法をご用意しております。医療費控除の対象となる場合もありますので、ぜひご相談ください。

定期的なメンテナンスが必要

インプラント周囲炎などを予防するため定期的なクリーニングや検診が必要です。
これはご自身の歯を守るためにも大切なことです。当院ではインプラント治療後のメンテナンスプログラムをご用意し、インプラントを長持ちさせるサポートをいたします。

こんな方におすすめ

  • 1本または数本の歯を失った方
  • 顎の骨が健康な方
  • 審美性や機能性を重視する方
  • 長期的な安定性を求める方

インプラントは天然歯のように機能し見た目も美しく、まさに「第二の永久歯」と言える画期的な治療法です。これから詳しく解説するQ&Aを通じて、インプラント治療への理解を深め、あなたにとって最適な選択を見つけていきましょう。

 インプラント治療の気になる疑問を解消!

インプラント治療について、よくある質問にお答えします。

Q. 治療期間はどれくらいですか?

  1. 数ヶ月から半年程度が一般的です。

インプラント治療は顎の骨にインプラント(人工歯根)を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。インプラントが骨としっかり結合するまでには個人差はありますが、一般的に数ヶ月〜半年程度の期間が必要です。治療期間中には仮歯を使用することも可能です。

Q. 費用はいくらかかりますか?

  1. 1本あたり30万円〜50万円程度が目安です。

費用は保険適用外で、使用するインプラントの種類や本数、骨造成の有無などによって変動します。

当院では患者様のご負担を軽減するため分割払いデンタルローンなど、様々な支払い方法をご用意しています。また、インプラント治療は医療費控除の対象となる場合があり、治療費の一部が戻ってくる可能性がありますので、ぜひご活用ください。

Q. 痛みや腫れはありますか?

  1. 手術中の痛みはほとんどありません

インプラント治療は外科手術を伴いますが、麻酔を使用するため手術中の痛みはほとんどありません。術後は個人差はありますが、多少の腫れや痛みが出る場合もあります。しかし処方された薬を服用することで、ほとんどの場合、数日で落ち着きます。

Q. 手術は怖いのですが…

  1. ご安心ください。当院では手術前に丁寧なカウンセリングを行い、治療の流れや術後の注意点などを詳しくご説明いたします。また痛みや腫れを抑えるための工夫もしておりますので、安心して治療を受けていただけます。

Q. 治療後のメンテナンスは?

  1. 毎日の丁寧な歯磨きと、定期的な歯科検診が重要です。

インプラントを長持ちさせるためには毎日の丁寧な歯磨きと、3ヶ月〜半年に一度の定期的な歯科検診が欠かせません。専門的なクリーニングやチェックアップを通じてインプラント周囲の歯や歯茎の健康を維持し、インプラントを長持ちさせるサポートをいたします。

 まとめ|後悔しない治療選択のために、まずはご相談を

この記事では歯を失った時の治療選択肢として「インプラント」「入れ歯」「ブリッジ」をご紹介しました。それぞれの治療法の特徴やメリット・デメリットを理解し、あなたにとって最適な治療法を選択することが大切です。

「どの治療法を選べばいいか分からない…」
「費用や治療期間が心配…」

そんな方は、ぜひ一度当院にご相談ください。
経験豊富な歯科医師が、あなたのお口の状態やご要望を丁寧に伺い、最適な治療プランをご提案いたします。

大阪府八尾市の歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」

当院では日々の診療で患者様との対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を心がけています。

  • インプラント治療
  • 入れ歯・ブリッジ
  • 審美歯科
  • 歯列矯正

など、様々な治療に対応しておりますので、歯に関する心配事がございましたらいつでもお気軽にご来院ください。矯正治療に関する無料相談も実施しておりますので、歯並びでお悩みの方もぜひ一度お問い合わせください。

矯正無料相談
矯正無料相談

詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページも併せてご覧ください。

入れ歯や差し歯ってどう違うの?

2024年7月24日
入れ歯と差し歯ってどう違うの?

みなさま、こんにちは!

大阪府八尾市で60年以上の歴史を持つ歯科医院、「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」です。当院は、地域に根ざし、患者様一人ひとりの不安や疑問に寄り添い、丁寧な説明と質の高い治療を提供することで、皆様の口腔内の健康をサポートしています。これまで、患者様とのコミュニケーション不足を感じていたことから、このブログを開設いたしました。歯科に関する様々な情報を発信し、患者様との相互理解を深めることを目指しています。ブログでは、歯に関する基本的な知識から、治療に関する疑問点まで、幅広いテーマを取り上げています。専門的な内容も、わかりやすい言葉で丁寧に解説しているので、どなたでも安心して読んでいただけます。また、皆様からのご質問やご意見も大歓迎です。いただいたご意見は、今後のブログ記事の改善や、より良い歯科治療の提供に役立ててまいります。八尾市で歯医者をお探しの方は、ぜひ「もりかわ歯科」にご相談ください。経験豊富な歯科医師とスタッフが、皆様の歯の健康を全力でサポートいたします。

 

「入れ歯と差し歯ってどう違うの?」の質問に全力回答!

今回は、「入れ歯と差し歯ってどう違うの?」などの質問に対して全力でお答えしていきます!

そもそも入れ歯と差し歯とは?

歯が大きく欠けてしまったり、重度の虫歯で歯を失ったりした場合、入れ歯や差し歯による治療が必要になることがあります。放置すると、欠けた部分から細菌が侵入し、悪影響を及ぼす可能性があるためです。では、差し歯と入れ歯にはどのような違いがあるのでしょうか。この記事では、差し歯と入れ歯の違いを解説し、それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。

差し歯と入れ歯はどう違うの?

入れ歯は失った歯を補うための装置

入れ歯は失った歯を補うための装置

入れ歯は、虫歯や歯周病、外傷などで歯を失った際に用いられる治療法です。失われた部分を人工歯で補い、残っている歯を支えにして装着することで、歯があった状態に近づけることができます。入れ歯には、「部分入れ歯」と「総入れ歯」の2種類があります。部分入れ歯は、1本または数本の歯を失った場合に適応され、総入れ歯はすべての歯を失った場合に適応されます。

差し歯は失った歯質を補うための人工歯

差し歯は失った歯質を補うための人工歯

差し歯は、一般的に「被せ物」と呼ばれるものとほぼ同じと考えて良いでしょう。専門的には「クラウン」と呼ばれる補綴物で、重度の虫歯治療などで歯の大部分を失った場合に作られます。差し歯治療を行うためには、少なくとも歯の根っこである歯根が残っている必要があります。歯根を土台として、失われた歯冠部分を補うのが差し歯治療の目的だからです。

それぞれのメリットとデメリットは?

入れ歯のメリット

入れ歯のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

取り外しが簡単で、日々の清掃がしやすい

清潔な状態を保ちやすく、口腔内の衛生管理に役立ちます。

1本から作製可能

失った歯の本数に合わせて、柔軟に対応できます。

保険適用で費用を抑えられる

保険診療の範囲内であれば、経済的な負担を軽減できます。

外科手術が不要

体への負担が少ないため、幅広い年齢層や健康状態の方に適応できます。

入れ歯は、失った歯の機能を回復させる一般的な治療法です。保険適用であれば費用を抑えられますが、自費診療の入れ歯は高額になるものの、より優れた機能性や審美性を備えています。また、外科手術を必要としないため、高齢者や持病のある方など、ほとんどの方に適応可能です。

入れ歯のメリット

入れ歯のデメリット

 

総入れ歯と部分入れ歯のデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

保険適用の部分入れ歯は、金属のバネが目立つ場合がある

入れ歯を固定するための金属バネが、口を開けた際に見えることがあります。

保険適用の総入れ歯は、床部分が厚く熱を感じにくい

食べ物の温度が伝わりにくいため、食事の楽しみが減ってしまうことがあります。

適切なケアをしないと、口臭の原因になる

 毎日丁寧に清掃しないと、入れ歯に汚れや細菌がたまり、口臭を引き起こす可能性があります。

自費診療で作ると費用が高額になる

より高機能な素材や審美性の高い入れ歯を選ぶ場合、費用が高くなることがあります。

 

保険適用の部分入れ歯では、金属のバネを使って固定するため、位置によっては目立つことがあります。また、バネをかける歯は汚れが溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクも高まるため、注意が必要です。保険適用の総入れ歯の場合、床部分が厚いため熱が伝わりにくく、食事の味がわかりにくいと感じる方もいます。入れ歯は毎日清掃することが大切です。手入れを怠ると、口臭の原因となることがあります。

入れ歯のデメリット

差し歯のメリット

差し歯のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

自分の歯を修復できる

 歯の根が残っていれば、それを活かして自然な歯の機能を回復できます。

保険診療の差し歯は比較的安価

保険が適用されるため、費用を抑えて治療を受けられます。

素材によっては、天然歯と変わらない美しさと強度がある: 自費診療では、より自然な見た目で耐久性の高い素材を選ぶことができます。

違和感がほとんどない

自分の歯根に土台をたて歯を修復するため、かみ合わせを改善しやすく、違和感もほとんど感じずに欠損を補うことができます。

外科手術が不要

体への負担が少ないため、幅広い層に適応可能です。

 

差し歯は、自分の歯を修復し、噛み合わせを改善する効果があります。保険診療の場合、費用は比較的抑えられますが、自費診療では天然歯に近い審美性や高い強度など、多くのメリットを得られます。

差し歯のメリット

差し歯のデメリット

差し歯のデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

素材によっては目立ちやすい

保険診療で使用する銀歯やレジンなどは、天然歯と比べて目立つことがあります。

歯の根っこが割れてしまうことがある

差し歯を支える歯根に負担がかかり、割れてしまうリスクがあります。

差し歯が欠けることがある

素材や噛み合わせの状態によっては、差し歯が欠けてしまう可能性があります。

より審美性や耐久性の高い素材を選ぶ場合、費用が高くなることがあります。

保険診療で差し歯を作る場合、銀歯や硬質レジン、CAD/CAM冠などの素材が使用されますが、自費診療のジルコニアなどに比べると、見た目が目立ちやすいことがあります。自費診療の差し歯は審美性と機能性に優れていますが、費用面での負担が大きくなります。

差し歯のデメリット

差し歯は永久的に使えるものではありません。素材によっては欠けることもあり、歯根が割れてしまう可能性もあります。また、残っている歯根が虫歯や歯周病などで痛みを伴う場合は、差し歯を外して再度根管治療が必要になることもあります。

入れ歯と差し歯などを選択するときの注意点

入れ歯や差し歯を選ぶ際は、治療後に後悔しないために、必ず歯科医師と十分に相談してから治療を進めることが大切です。口腔内の骨の状態や歯、歯ぐきの健康状態などから、入れ歯や差し歯が適しているかどうかを歯科医師が診断し、最適な治療法を提案してくれます。提案された補綴物のメリット・デメリット、費用、作製期間、清掃方法、メンテナンスについて詳しく確認しておきましょう。入れ歯と差し歯はどちらも保険診療が適用されますが、高額な自費診療の方が審美性や機能面で優れている場合があります。費用を重視するか、審美性や機能性を重視するか、自分の希望を歯科医師に伝えることも大切です。

歯を抜いた後、入れ歯はどのくらいで入りますか?

歯を抜いた後、入れ歯はどのくらいで入りますか?

歯を抜いた後、失われた歯の機能を補うために、入れ歯を作る必要があります。しかし、抜歯によってできた傷(抜歯窩)が治るには、2ヶ月から3ヶ月ほどかかります。さらに、入れ歯の作製にも最短で2週間から1ヶ月ほどかかるため、その間は歯がない状態になってしまいます。

歯がなくても差し歯はできますか?

差し歯は、歯の根っこで土台を作って義歯を差し込むので、歯の根っこがなければ差し歯はつけられません。 歯の根っこがない場合には、根っこの代わりになるインプラントを入れると、インプラントの上に差し歯ができます。 その他にも、入れ歯やブリッジなどの治療方法もあるので、自分の要望に合った治療方法を選ぶようにしましょう。

入れ歯と差し歯以外で歯を補う方法はあるの?

差し歯は、歯の根っこを土台にして人工の歯を被せるため、歯の根っこが残っていないと装着できません。もし歯の根っこがない場合は、インプラントという人工の歯根を埋め込むことで、その上に差し歯を装着することができます。根っこが残っている場合でも、状況に応じて入れ歯を選択するケースもあります。

差し歯と入れ歯以外の選択肢

差し歯や入れ歯以外にも、欠損した歯を補う治療法として、「インプラント」と「ブリッジ」の2つが挙げられます。それぞれの特徴について簡単に説明させていただきます!

インプラントの特徴

インプラントは、歯を失った部分の顎の骨に金属製の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。基本的には自由診療ですが、外傷や腫瘍などで顎の骨を失った場合や骨移植を行った場合、先天的に歯や顎の骨がない方など、一定の条件を満たせば健康保険が適用されるケースもあります。天然歯に近い感覚で噛むことができ、人工歯の素材によっては見た目も天然歯に近い審美性を保つことができます。

ブリッジの特徴

ブリッジは、橋をかけるように歯をつなぎ合わせて、欠損した部分を補う治療法です。欠損した歯の両隣の健康な歯を削り、土台となる歯冠を装着し、その上に人工歯を固定します。ただし、土台となる歯の歯根がひび割れたり、ぐらついたりしているなど、しっかりしていない場合は、ブリッジを装着することができません。

インプラントとブリッジ関しては、当院のブログで紹介しております「インプラント治療っていったい何?」「歯のブリッジって何?」もご覧ください!

まとめ

いかがだったでしょうか?義歯とは、様々な理由で歯を失った際に、その機能を補うために人工的に作られた歯の総称です。義歯と入れ歯は、広い意味では同じものを指しますが、厳密には義歯の種類の一つとして、入れ歯・インプラント・ブリッジがあります。どの種類の義歯を選ぶべきか迷った場合は、専門家である歯科医師に相談しましょう。疑問や不安な点があれば、遠慮なく質問することが大切です。

また、もりかわ歯科では、インプラント治療や自費の入れ歯治療に力を入れて対応しており、患者様ひとりひとりに合わせて治療計画をご提案しています。

毎日の歯磨きから、「歯並びも気になってきた」と思っている方、もりかわ歯科はマウスピース矯正にも力を入れております!矯正に少しでも興味のある方はお気軽にご相談ください。

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詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページも併せてご覧ください。

 

大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科では日々の診療で患者さまとの対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を行っております。

歯に関する心配事がございましたらいつでももりかわ歯科へお越しください。

インプラントの費用っていくらぐらい?

2024年4月3日
インプラントの費用っていくらぐらい?

みなさんこんにちは!大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

日々、患者さまが歯科治療や歯の健康について十分に理解して、安心して治療に臨んでいただくことが大切だと考えています。しかし、歯の専門家である歯科医師・スタッフと患者さまとの間には、専門用語や治療内容に関することで理解の差が出てしまうことがたくさんあります。患者さまからの、さまざまな疑問や不安にお答えすることは、診療中にすべてを説明するのが難しい場合ももちろんあります。そのために、当院ではよく寄せられる質問や疑問について、ブログで解説しています。

このブログを通じて、患者さんがより理解を深め、不安を解消し、もりかわ歯科への信頼を高めていただければ幸いです。ぜひ、ご覧いただき、お役立ち情報をご活用ください!

「インプラントの費用っていくらぐらい?」の質問に全力回答!

今回は、インプラントの費用っていくらぐらい?などの質問に対して全力でお答えしていきます!

まず、インプラントについておさらい!

歯科におけるインプラントとは、歯を失ったあごの骨(顎骨)に体になじみやすい素材(生体材料)で生成された歯根の一部、もしくは全部を埋め込んで、それを土台にしてセラミックなどで作った人工歯を取り付けたものです。一般的には人工歯根(正式には口腔インプラント、あるいは歯科インプラント)、単にインプラントとも呼ばれます。

インプラントに関してさらに詳しく知りたい方は、以前当院のブログで紹介した「歯を失った場合、インプラントは選択肢ですか?」こちらも合わせてご覧ください!

インプラント治療の費用はいくら?

さて、ここからはインプラント治療の費用感に対して、具体例を挙げながら説明させていただきます!

インプラント費用の基礎知識

基本的には保険適用外

インプラントは自由診療となります。ほかの病気や事故の外傷で顎の骨を失った場合の治療などを除いて、保険が適用できるのは非常に稀なケースです。

人工歯の種類でも変動

人工歯の種類でも変動

インプラント治療の費用相場は、おおよそ1本あたり30万円から40万円程度とされています。この費用には、手術費用やインプラント体(歯根部分)とアバットメント(つなぎ部分)、人工歯(歯冠部分)の費用が含まれています。一般的に、前歯と奥歯での価格差はそこまでありませんが、治療の難易度や必要な追加処置によっては費用が変動することがあります。また、使用するインプラントのブランドや種類、人工歯の素材(金属、セラミック、ジルコニアなど)、そして治療を受ける歯科医院によっても費用は異なります。さらに、通常の費用には初期の診断や画像撮影、術後のフォローアップなどが含まれていない場合がありますので、治療開始前に治療計画と費用の詳細をしっかりと確認することが重要です。

 

人工歯の種類(素材)は、主に以下になります。

 

プラスチック・銀歯

虫歯の治療に使われる金パラジウム合金とプラスチックを合わせたもの。裏側は銀色になります。

ハイブリッド

プラスチックとセラミックの中間の素材です。セラミックよりやや強度が落ちます。

ジルコニア

ジルコニアは非常に強靭で、耐久性が高く、変色しにくい素材として知られています。

セラミック

審美性に優れ、汚れが付きにくく、変色しにくいことが特徴です。歯肉や歯質への黒ずみも起きません。

インプラント治療にかかる費用の内訳は?

インプラント治療にかかる費用の内訳は、一般的には以下のとおりです。

インプラント治療にかかる費用の内訳は?

前歯は口元の美しさを左右する重要な部位であり、そのために上部構造(人工歯)の製作費用が高くなることがあります。口元の美しさや自然な見た目を再現するために、前歯の治療にはより高度な技術や微細な調整が求められます。これにより、前歯の治療には通常よりも多くの時間と労力が必要となります。

また、インプラント治療の結果は歯科医師の技術力に大きく依存します。特に前歯の治療では、顕微鏡や高度な技術を用いて微細な調整を行うことが必要です。前歯の見た目や噛み合わせを自然な状態に近づけるためには、熟練した技術と経験が必要です。

このような理由から、前歯のインプラント治療の費用は通常の奥歯よりもやや高くなる傾向があります。それは、治療に必要な時間や技術の高度さに起因しています。したがって、前歯の治療を検討する際には、治療費用だけでなく歯科医師の経験や技術力も考慮することが重要です。

インプラント治療の費用が高額な理由とは

インプラント治療は、インプラント体そのものが高価です。生体親和性が高く、長期間体内に入れていても問題が起こりにくいため、安全性の高い素材で作られています。また、入れ歯やブリッジと違い、インプラント治療は歯茎を切開し、骨に穴を開けてインプラント体を埋めるという外科手術が必要です。

手術の内容も複雑なため、インプラント治療はほかの治療法に比べて費用が高額であるといえるでしょう。

インプラント体の材質が高価

様々なメーカーがインプラント本体を製造している中でそれぞれのメーカーの製品は、素材、設計、品質、価格などで大きく異なります。一般に、高価なインプラントを製造するメーカーは、体への適合性や耐久性を重視し、人体に馴染みやすい素材を使用します。

その結果、これらのインプラント本体の価格は高く設定されています。

また、高価なインプラントを製造するメーカーは、アフターケアにも力を入れており、インプラントの埋入後も定期的なメンテナンスやトラブル発生時の適切な対応が提供されます。一方で、安価なインプラントを製造するメーカーでは、品質やアフターケアが不十分な場合があります。これがトラブルの原因となり、最悪の場合、メーカーが撤退してしまい、適切なアフターケアを受けられない事態も考えられます。

インプラントは体内に埋め込む治療であり、通常は10〜15年以上の長期間使用されます。したがって、信頼できるメーカーのインプラントを選び、適切なアフターケアを提供する歯科医院を選択することは非常に重要です。安価な選択肢に惑わされるのではなく、インプラントの品質や医院の信頼性を慎重に考慮し、検討することが重要です。

最新の設備や徹底した衛生環境が必要

インプラント治療の費用が高額となる原因の一つは、治療の安全性や確実性を確保するために必要な設備投資です。特に、滅菌や感染予防のための設備が重要です。

インプラント手術は歯科治療の中でも高度なものであり、適切な手術を行うには専門的な設備が必要です。たとえば、歯科用CTやインプラント手術専用の機材などが挙げられますが、これらは高額な投資が必要です。さらに、インプラント手術では他の一般的な歯科治療よりも厳しい滅菌環境と清潔な設備が求められます。使い捨ての医療器具や滅菌設備、手術室の清掃管理などにも多額の費用がかかります。

しかし、安価なインプラント治療を提供する歯科医院では、十分な設備投資が行われていない場合があります。このような場合、治療の品質や安全性に影響を及ぼす可能性があるため、治療を受ける際には最新の設備が導入されているかを確認することが重要です。

インプラント治療の医療費控除の対象です!

インプラント治療に関連する費用は、医療費控除の対象となります。この制度を利用することで、治療にかかる負担をある程度軽減できます。医療費控除は、1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合に、所得控除が受けられる制度です。この制度により、一定の計算に基づいて還付金を受け取ることができます。また、この控除の対象となる医療費には、治療費だけでなく、交通費や薬代なども含まれます。つまり、インプラント治療に関連するさまざまな費用が、医療費控除の対象となり得るということです。

インプラント治療の医療費控除の対象です!

インプラントで医療費控除を申請するときの3つの注意点

インプラント治療後に医療費控除を利用する場合は以下の3つのポイントに注意!

まず、医療費控除を受けるには確定申告が必要ですので、その点に留意してください。

また、控除の申請期限も事前に確認しておくことが重要です。

確定申告を行う

医療費控除を受けるには、自ら確定申告を行う必要があります。年末調整では医療費控除が行われないため、会社にお勤めの方でも、毎年2月16日から3月15日までの期間に税務署へ行き、医療費控除の金額を明記した確定申告書と医療費の証憑書類(医療機関や薬局の領収書)を提出する必要があります。2017年からは、保険適用の治療の場合、証憑書類の保管が不要になりましたが、インプラント治療は自由診療なので、証憑書類は保管しておく必要があります。

申請を忘れても5年間の猶予期間がある

医療費控除の申請を忘れた場合でも、5年間の猶予期間があります。この期間内であれば、過去5年分の税金還付を受けることができます。医療費控除の存在を知らなかった場合でも申請することができます。

デンタルローンやクレジット払いでも医療費控除は利用可能

インプラント治療の費用をデンタルローンやクレジットカードで支払った場合でも、医療費控除を受けることができます。ただし、控除の対象は借り入れた金額の元金(金利や手数料を除いた金額)に限られます。領収書が手元にない場合は、ローン契約書や利用明細書を証明書として使用できます。

インプラントで医療費控除を申請するときの3つの注意点

インプラント治療を安く抑えるには?

インプラント治療の費用を抑える方法は限られていますが、先述のように、医療費控除制度を利用することで負担を軽減することができます。インプラント治療は、先進の医療技術を必要とするため、医療機器の高額なコストや医師の専門技術、設備投資、そしてインプラント本体のコストが費用の大部分を占めます。そのため、直接的に治療費を削減する手段は限られています。しかし、デンタルローンを利用することで、支払い負担を分割することができます。デンタルローンは医療専門のローンであり、高額な治療費を分割払いすることが可能です。この方法を活用することで、一度に大きな支払い負担を軽減し、治療を受ける際の負担を和らげることができます。また、一部の歯科医院では、クリニック独自の分割払いプランや割引制度を提供している場合もありますので、複数のクリニックで相談し、最適な支払い方法を選択することも重要です。

まとめ

いかがだったでしょうか?今回はインプラント治療の費用感についてお話させていただきました。一般的には、インプラント治療で奥歯と前歯の間には大きな価格の差はありません。

ただし、前歯においては見た目の美しさが重視されるため、人工歯の製作に関わる費用が若干高くなることがあります。これは、前歯の治療にはより高度な審美性が求められ、それに伴う技術や材料の使用によるものです。

インプラント治療は、高度な技術や最新の設備が必要とされるため、その費用が高額になる傾向があります。手術や人工歯の製作には専門的な技能と高度な機器が必要であり、これらの要素が費用に反映されると言えます。したがって、インプラント治療を検討する際には、費用面だけでなく、治療を行う医療機関の技術や設備についても検討することが重要です。

当院のHPでも、費用のことを詳しくご説明していますので、「インプラント治療」のページもご覧くださいませ!

また、審美歯科にご興味のある方、歯列矯正をお考えの方も当院では矯正無料相談を実施していますので、お気軽にお問い合わせください。

もりかわ歯科の矯正無料相談はこちら

詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページも併せてご覧ください。

 

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虫歯治療にかかる費用はどれくらい?治療法ごとに解説!

2023年10月6日
指でOKを作って笑う女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

虫歯は長期的な治療が必要になるケースもあるため、治療にかかる費用が気になる方も多いのではないでしょうか。虫歯を放置すると歯を失う原因にもなるため、早い段階で治療を受けることが大切です。初期の段階で治療できれば、治療にかかる期間が短くなり、費用も抑えることができます。

今回は、虫歯治療にかかる費用について詳しく解説します。費用に影響を与える要因や保険適用、虫歯治療の重要性についても解説するので、虫歯治療の費用が気になっている方は、ぜひ参考にしてください。

虫歯治療にかかる費用

机に置かれたノートとペンと電卓

虫歯治療にかかる費用は、進行度や治療法によって異なります。虫歯が重度になるほど体に負担がかかる治療が必要になり、費用も高額になるのが一般的です。

虫歯治療にかかる費用を、進行度と治療法ごとに解説します。

進行度ごとの虫歯の治療費用

虫歯の状態によって、治療にかかる費用は異なります。進行度ごとの虫歯の治療費用は、以下のとおりです。

初診

虫歯治療に限らず、歯科医院を初めて受診したときは初診料が発生します。初診料を含め、虫歯治療の初診にかかる費用は、保険適用3割負担で3,000~4,000円程度が目安です。

初診では、口内の状態を把握するために歯科医師による診察やレントゲン撮影などの検査を行うでしょう。初診時に虫歯治療をする場合は、上記の費用に治療費が加算されます。

初期の虫歯

初期の虫歯治療にかかる費用は、保険適用3割負担で1,500~3,000円程度です。初期の虫歯は、歯の表面のエナメル質が溶かされた状態で痛みはありません。

虫歯の部分を削り、レジンという詰め物をして治療は完了です。初期の虫歯であれば、1回で治療が終わるケースが多いでしょう。

中等度の虫歯

中等度の虫歯治療にかかる費用は、保険適用3割負担で2,000~10,000円程度です。

中等度の虫歯とは、エナメル質の下にある象牙質まで進行した虫歯のことです。象牙質の下には神経があるため、冷たいものや甘いものがしみる場合があります。

歯を深く削る必要があるため、レジンでは対応できない場合も多いです。詰め物や被せ物の製作が必要になり、2~3回程度の通院が必要になるでしょう。

神経まで達した虫歯

歯髄(神経)まで達した虫歯の治療にかかる費用は、保険適用3割負担で7,000~20,000円程です。虫歯が神経まで達すると、強い痛みを感じるようになります。

この段階の虫歯では、神経を取り除く根管治療を行います。根幹治療をしっかりと行えば、自分の歯を残すことができるでしょう。治療期間は2~6か月と長く、費用も高くなります。

抜歯が必要な虫歯

抜歯が必要な虫歯の治療にかかる費用は、保険適用3割負担で3,000~7,000円程度です。歯の大部分が溶けてなくなり、神経が壊死するので痛みは感じません。

周囲の歯や歯の周りの組織への悪影響を防ぐため、抜歯します。抜歯したあとは、天然歯の代わりになる入れ歯やブリッジ、インプラント治療を行います。上記の費用に加えて、選択した治療法の費用が追加でかかるでしょう。

治療法ごとの虫歯の治療費用

虫歯治療では、選択する治療法によっても費用が変動します。それぞれに保険適用と自費診療のものがあるため、それぞれの特徴を理解して治療法を選択することが大切です。

治療法ごとの虫歯の治療費用について解説します。

詰め物(インレー)

歯を小さく削った場合、詰め物をして補います。詰め物の費用は、以下のとおりです。

・保険診療の詰め物の費用

金属やコンポジットレジンというプラスチック素材を使用した詰め物です。費用は4,000~6,000円程度でしょう。

レジンは歯の色に近い詰め物なので見た目がよいですが、金属の場合は見た目を気にする方もいます。

・自費診療の詰め物の費用

ゴールドインレーという金属の詰め物や、ジルコニア製、セラミック製の詰め物があります。費用は50,000~70,000円程度です。

ゴールドインレーは金属なので見た目はよくありませんが、強度が高く二次虫歯になりにくいメリットがあります。ジルコニアインレー、セラミックインレーは天然歯に近い審美性をもつ詰め物です。

被せ物(クラウン)

虫歯で歯を広範囲に削ったときは、歯の形をした被せ物を使用して治療を行います。被せ物の費用は、以下のとおりです。

・保険診療の被せ物の費用

金属やレジンを使用した被せ物です。費用は10,000~12,000円程度でしょう。

レジンは白いプラスチック製で見た目はよいですが、経年変化で色が悪くなり、着色やにおいが付きやすいというデメリットがあります。

・自費診療の被せ物の費用

自費診療の被せ物には、ゴールドクラウン、メタルボンド、オールセラミッククラウンなど、さまざまな種類があります。費用は60,000~130,000円程度です。

天然歯のような透明感があり、汚れが付着しにくいため二次的な虫歯になりにくいです。審美性や機能性に優れているといえます。

入れ歯

入れ歯とは、失った歯を補うための人工歯です。ご自身の歯が残っている場合は部分入れ歯、すべての歯を失った場合は総入れ歯を使用します。費用の目安は、以下のとおりです。

・保険適用の入れ歯の費用

保険適用の入れ歯の費用の相場は、部分入れ歯の場合5,000~20,000円、総入れ歯の場合10,000〜16,000円程度です。

保険適用の入れ歯は人工歯・床(歯茎の部分)ともに、レジンというプラスチックで作製されます。金具が目立つ、異物感がある、噛む力が低下するなどのデメリットがありますが、費用を抑えられます。

・自費診療の入れ歯の費用

自費診療の入れ歯の相場は、部分入れ歯の場合100,000~600,000円、総入れ歯の場合150,000~500,000円程度です。材料に制限がないため、金属やシリコンなど使用される素材はさまざまです。

自費診療の入れ歯は高額ですが性能がよく、金属の留め金がない、装着感がよい、審美性が高いなどのメリットがあります。

ブリッジ

ブリッジとは、失った歯の本数が少ない場合に用いられる治療法です。失った歯の両隣の天然歯を削って土台を作り、橋を架けるように人工歯を被せます。違和感が少なく、自分の歯のように噛むことができます。

費用の目安は、以下のとおりです。

・保険診療のブリッジの費用

保険適用のブリッジの相場は、1本あたり10,000~20,000円程度です。保険診療のルールを適用してブリッジ治療をすると、前歯から犬歯までには硬質レジンというプラスチック、それより奥の歯には金属を使用します。

レジンは白く見た目がよいですが、着色や汚れが付きやすいことがデメリットです。

・自費診療のブリッジの費用

自費診療では、ゴールドやジルコニア、オールセラミックなどの素材を選択できます。費用は1本あたり50,000~150,000円程度が目安です。

自費診療のブリッジは、色調を自分の歯に合わせて細かく調節でき、変色しにくいことが特徴です。強度があり、傷がつきにくい、二次虫歯になりにくいなどのメリットがあります。

インプラント

インプラントは基本的に自由診療で、1本あたり300,000~400,000円程度の費用がかかります。インプラントでも保険が適用になるケースもありますが、虫歯や歯周病で歯を失った場合には適用されません。

虫歯治療の費用に影響を与える要因

顎に手を当てて考える女性

虫歯治療の費用に影響を与える要因は、以下のとおりです。

虫歯の進行度

一般的に虫歯治療にかかる費用は、虫歯が進行すればするほど高額になります。初期の虫歯であれば歯の表面を削り、詰め物をするだけで治療は完了します。状態によっては、丁寧な歯磨きやフッ素塗布で再石灰化を促すだけで改善することもあるでしょう。

しかし、進行した虫歯の治療では歯を大きく削る、神経を抜く、抜歯をするなどの処置が必要になります。ブリッジや入れ歯、インプラントなど、失った歯を補うための治療に費用がかかるでしょう。重度の虫歯では治療期間が長くなるため通院回数が増え、その分費用が増加します。

費用を抑えるためにも、初期の段階で治療を行うことが大切です。

保険診療・自由診療の選択

詰め物や被せ物、ブリッジ、入れ歯が必要になった場合、保険診療か自由診療を選択することになります。保険診療と自費診療それぞれの特徴は、以下のとおりです。

保険診療

保険が適用されるため、費用の負担が少ないことが大きなメリットです。使用できる材料が金属やプラスチックに限られているため、機能性や審美性に欠けるデメリットがあります。

自由診療

自由診療は材料に制限がないため、費用が高額です。歯科医院によって費用が異なるため、同じ素材でも費用に幅があります。

質の高い材料を使用できるため、機能性・審美性・使用感に優れているのが特徴です。

虫歯治療は保険が適用される?

資料を見ながら電卓を叩く女性医師

虫歯治療は基本的に保険が適用されます。治療内容が同じであれば、どの歯科医院で治療を受けても費用は同じです。処置内容ごとに決められた点数をもとに1点10円として計算し、その金額の1~3割が窓口での負担金額となります。

ただし、機能性・審美性に優れた材料や高度な治療を必要とする場合は自費診療になります。治療費は全額自己負担しなければなりません。

虫歯治療の重要性

青い机に書かれたプラスマークを虫眼鏡で拡大する

生涯健康に過ごすためには、虫歯治療が非常に重要です。80歳までに自分の歯を20本以上残せば、生涯食事をおいしく摂ることができ、全身の健康にもつながるといわれています。

虫歯治療が重要な理由を解説します。

痛みが強くなる

虫歯が象牙質まで達すると、痛みを感じるようになるでしょう。さらに進行すれば、歯の神経にまで虫歯が到達し眠れないほどの強い痛みが現れます。さらに重症化すると、神経が通る根管中で細菌が増殖し、根幹の先にある骨にも炎症が及ぶ可能性があるのです。

顎の骨の骨髄に炎症が広がると、歯髄炎という状態になり、顎の痛みやリンパ節の腫れ、お顔の腫れを伴うこともあります。

大がかりな治療が必要になる

虫歯は、放置すればするほど身体に負担がかかる治療が必要になります。軽度の虫歯では、歯の表面を削って詰め物をするだけで治療は終了になりますが、重度の虫歯ではそうはいきません。

虫歯が進行すれば歯を深く削り、神経を抜く治療や抜歯、失った歯を補うための治療が必要になります。治療回数が増え治療期間が長くなり、費用の負担も大きくなるでしょう。

歯の寿命が短くなる

虫歯が神経に及んだ状態を放置すると、神経が死んで歯が黒く変色して見た目が悪くなります。神経のない歯は脆くなりますが、痛みなどの症状に気付きにくいため、歯の寿命が10年ほど短くなるといわれています。

命にかかわる状態になる

虫歯が進行すると、細菌が歯の内部の血管に入り込んで敗血症を発症するかもしれません。細菌が血流に乗って全身を巡り、多臓器不全という状態に陥ると、命に関わるケースもあるのです。

まとめ

歯科医院で治療を受ける女性患者

虫歯治療にかかる費用は、虫歯が進行すればするほど高くなります。重度の虫歯では、歯を補うための被せ物やブリッジ、入れ歯などが必要になり、その分費用がかかるでしょう。保険診療と自由診療、どちらを選択するかによっても費用が大きく異なるため、歯科医師と相談して選択することが大切です。

虫歯は、自然によくなることはありません。放置すると進行して痛みや腫れが強くなり、歯が溶けて失われます。口内だけでなく全身にも影響を及ぼすため、虫歯がある方は早めに歯科医師の診察を受け、治療を開始しましょう。

虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

銀歯の下が虫歯になりやすいのはなぜ?治療法と予防法も解説!

2023年7月7日
口を手でめくって銀歯を見せる人

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

銀歯の下が虫歯になりやすいのは、銀歯の材質が関係しています。銀歯に使用される金属は、傷がつきやすいため、溝に汚れが溜まることで虫歯のリスクが高まるのです。また、熱によって膨張する性質があるため、膨張や収縮によって銀歯が変形することで歯との間にすき間ができ、細菌が侵入しやすくなります。

今回は、銀歯の下が虫歯になりやすい理由、治療法や予防法を解説します。

銀歯とは

歯の模型と銀歯が机の上に置かれている

銀歯とは、金属をベースにした詰め物や被せ物のことです。銀色をした光沢のある材料で、耐久性の高さや加工の容易さなどから、歯科医療の現場で広く使われています。

銀歯の主な成分は、銀・パラジウム・銅・金などですが、それぞれ異なる特性を持っています。例えば、銀は耐久性と強度、銅は硬さと抗菌性があることが特徴です。複数の金属を適切な比率で混ぜ合わせることで、歯の形状にフィットし、長期間にわたって機能する銀歯を作ることが可能です。

しかし、銀歯は見た目の問題から避ける人も多くいます。白い歯に銀色の詰め物や被せ物が入っていると、笑ったときや話したときに目立つからです。また、金属の成分によりアレルギー反応を引き起こす可能性もあるでしょう。

見た目やアレルギーの問題から、現在では見た目が自然で人体に優しいセラミックやレジン(コンポジットレジン)などの材料が使われることが増えています。

銀歯の下は虫歯になりやすい?

顎に手を当てて考える白い服の女性

銀歯の下が虫歯になりやすいかどうかは、銀歯の施術方法やメンテナンス状況に大きく依存します。

正しく設置された場合、銀歯の下で虫歯が再発することはそれほど多くありません。治療時に歯科医師が虫歯菌を完全に除去し、細かく調整を行って装着されていれば、銀歯と歯との間にすき間が生じないため、新たな虫歯菌の侵入を防ぐことができます。

しかし、治療が不完全で虫歯菌が残ったまま銀歯が被せられた場合や装着が不完全ですき間が生じていた場合、すき間から虫歯菌が侵入して銀歯の下で虫歯が進行する可能性があります。また、メンテナンスが不十分でプラーク(歯垢)が溜まった場合や口腔内環境が悪化した場合も、虫歯リスクは高まるでしょう。

銀歯の下の虫歯を防ぐためには、銀歯が装着されたあとも正しい歯磨きと定期的なメンテナンスを行うことが重要です。銀歯の設置は、歯科医師の技術力に大きく影響されるので、信頼できる歯科医師に治療を依頼しましょう。

銀歯の下が虫歯になりやすい理由

机の上に置かれた画用紙とペンとREASONの積み木

銀歯は、汚れが付着しやすい特性があります。銀歯は天然の歯に比べて表面が滑らかでないため、プラーク(歯垢)が付着しやすいのです。プラークが口腔内の細菌の増殖を促進し、酸を生み出すことで、歯を溶かし虫歯を引き起こします。

銀歯が劣化しやすい素材であることも、銀歯の下が虫歯になりやすい一因でしょう。銀歯は、酸化や腐食が進みやすく、表面が徐々に溶け出し、歯との間に微小なすき間が生じる可能性があります。すき間が虫歯菌の侵入口となり、新たな虫歯を誘発する原因となるのです。

また、銀歯を歯に固定する際にセメントを用いますが、セメントは時間の経過とともに溶けます。セメントが溶けることで銀歯と歯との間にすき間ができ、虫歯菌が侵入しやすくなるのです。

銀歯は、熱により膨張し変形する性質があることも忘れてはいけません。熱い飲食物を摂取したときなどに銀歯が膨張し、冷めて収縮するというサイクルが繰り返されることで、歯との間にすき間が生じ、虫歯菌が侵入して虫歯が進行する可能性があります。

セラミックやレジンなどに比べて、銀歯は虫歯の再発リスクが高いことを理解し、日頃から丁寧に歯磨きを行い、定期的に通院することが重要です。

銀歯の下が虫歯になったときの治療法

患者の口内を診察する男性歯科医師

銀歯の下に虫歯が発生した場合の治療法は、虫歯の進行具合や範囲によって異なります。

早期に発見された場合は、銀歯を取り外して新たな銀歯で補うのが一般的です。銀歯を取り外して虫歯部分を除去し、再度銀歯やほかの素材(レジンやセラミックなど)で補います。

しかし、虫歯が進行し歯根にまで到達している場合、または銀歯が取り外せないほど大きい穴があいている場合は、根管治療が必要になる可能性があります。根管治療は、虫歯が神経(歯髄)にまで達した場合に行われ、歯の神経が入っている管を洗浄・消毒し、特殊な薬剤で封じる治療法です。根管を洗浄したあと、詰め物や被せ物を装着します。

虫歯が進行して歯を保存することが難しい場合は、抜歯することもあるでしょう。抜歯後は、空いたスペースを補うためにインプラントやブリッジなどの治療が必要です。

銀歯の下が虫歯にならないための予防法

ソファに座って歯磨きする若い男性

銀歯の下が虫歯にならないための予防法としては、日頃から丁寧に歯磨きをし、定期的にメンテナンスを受けて、口腔内を清潔に維持することが大切です。

日頃から丁寧に歯磨きする

銀歯の下が虫歯にならないためには、日頃の丁寧な歯磨きが必要不可欠といえます。虫歯は、食べかすや細菌が銀歯のすき間に蓄積されることで発症するからです。

歯磨きは、毎食後と就寝前に実施することが推奨されています。特に、就寝前の歯磨きは欠かさないようにしましょう。寝ている間は唾液の分泌量が減少するため、口内が乾燥し、虫歯菌が活発化します。就寝前にしっかりと歯磨きを行うことで、口腔内を清潔に保つことができます。

歯ブラシは、ブラシの先端が小さく、歯と歯茎の間や歯と銀歯のすき間にも届くタイプを選びましょう。外出などで食後に歯磨きができない場合は、うがいだけでも行ってください。うがいだけでもある程度の食べかすを流せるので、虫歯予防の効果があります。

歯ブラシで磨くだけでなく、フロスや歯間ブラシも忘れずに使いましょう。歯ブラシだけでは落とせない汚れも除去できます。特に、銀歯と天然の歯の間は虫歯になりやすいため、入念に磨きましょう。

定期的にメンテナンスを受ける

銀歯の下の虫歯を予防するためには、日常的なブラッシングに加えて、定期的なメンテナンスが非常に重要です。

歯科医院でのメンテナンスは、検査だけでなくPMTC(プロによるクリーニング)も含まれます。PMTCでは、ふだんの歯磨きだけでは取り除くことができないプラークや歯石が効率的に除去されます。徹底的に歯や歯茎を清掃することで、細菌の増殖を防止できるでしょう。また、銀歯の状態を評価し、必要に応じて修復や調整を行います。虫歯が発生しやすい状態を早期に修正し、銀歯の下の虫歯を未然に防ぐことにつながります。

特に銀歯が装着されている歯は、銀歯の下で虫歯が進行していても痛みを感じにくいため、早期発見が大切です。

セラミックなど銀歯以外の素材を選ぶ

銀歯の下が虫歯になるのを防ぐための方法として、銀歯ではなく、セラミックなどの素材を選択することも挙げられます。

セラミックの詰め物や被せ物は、銀歯と比べて多くのメリットがあり、虫歯のリスクを軽減します。セラミックは、自然な歯の色に近く、見た目が美しい特徴がありますが、メリットは見た目のよさだけではありません。セラミックは、汚れや細菌が付着しにくく、耐酸化性も高いです。銀歯に見られる腐食や汚れの付着、それに伴う虫歯の発生が抑制されます。

また、セラミックは、金属のように熱膨張しにくく、口内で変形するリスクが少ないメリットがあります。変形によってすき間が生じ、虫歯が発生するリスクを低減できるでしょう。

セラミックはレントゲンで透過するため、進行中の虫歯がある場合は早期に発見することが可能です。早期に適切な治療を受けることで、二次虫歯の進行を防ぎ、歯の喪失を防ぐことにつながります。

まとめ

歯科用器具を使って銀歯の状態を確認するところ

銀歯は、汚れが付着しやすく、歯との間に細菌が侵入しやすい人工歯です。費用が安く治療期間が短いことが特徴ですが、レジンやセラミックと比べて変形や劣化するリスクが高く、二次虫歯になりやすいことがデメリットといえるでしょう。

また、銀歯は金属のため、X線が透過せず、レントゲン撮影を行っても銀歯の下の虫歯を発見しにくいといえます。気づかないうちに虫歯が進行すると、最悪の場合、歯を失う可能性もあります。

「銀歯の下は虫歯になりやすい」という特性を理解して、予防に努めなければなりません。日頃から、歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシも使って丁寧に歯磨きをしましょう。定期的に歯科医院を受診し、クリーニングや銀歯の状態を確認してもらうことも重要です。

銀歯の下の虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

虫歯を放置するとどうなる?リスクと予防法を詳しく解説!

2023年5月11日
歯が痛くて手でおさえている女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「歯医者が苦手で、虫歯を放置している」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。痛みもなく日常生活に支障がない場合、ついあとまわしにする方も少なくありません。虫歯は放置したままで問題ないのか、虫歯に心あたりがある方なら気になると思います。

本記事では、虫歯を放置するリスクについて、治療法や治療費用・治療期間、虫歯の予防法などを解説します。

虫歯の原因と進行の仕組み

「虫歯はどうしてできるのか」「虫歯はどのように進行するのか」疑問に思われている方も多いでしょう。虫歯の原因と進行の仕組みは、以下のとおりです。

虫歯の原因

虫歯は、以下の4つの条件が重なったときにできるといわれています。

・歯の質

・微生物

・糖質

・時間

以下、それぞれ解説します。

歯の質

歯の質とは、もともとの歯の質や唾液・歯並びのことです。

歯の質や唾液・歯並びは、個人差がでやすいです。もともとの歯の質が弱い方は、歯が酸の影響を受けやすく溶けてしまうので、虫歯リスクが高い口内環境にあります。乳歯や生えたばかりの永久歯は歯の質が弱いので、特に注意が必要です。

また、唾液には酸を中和する働きや、酸の影響で溶け出した歯を修復する働きがあります。唾液の分泌が多い方は、少ない方と比較して虫歯になりにくいといえるでしょう。

微生物

微生物とは、虫歯の原因となる細菌のことです。

虫歯の細菌は、糖を栄養源にして増殖し、歯を溶かす原因となる酸を作り出します。口内に多くの細菌が生息するほど多くの酸が作られるので、歯の表面が酸性に傾きやすいといえるでしょう。

歯の表面の酸性度が高くなると、歯は溶けてしまいます。

糖質

糖質とは、食べ物に含まれる糖分のことです。

糖分は、虫歯菌が増殖するためのエサとなり、酸を作る原因になります。甘いものをよく食べる方や間食が多い方は、糖分を多く摂取している可能性が高いので、口の中の虫歯菌が増殖しやすい環境にあるといえるでしょう。

時間

時間とは、歯が酸に触れている時間のことです。

歯が溶けてしまう原因は、虫歯菌が作る酸です。歯の表面で酸が作られていても、歯に触れる時間が短時間であれば問題ありません。

しかし、磨き残しがある場合やブラッシングをおこたった場合、長時間にわたり歯の表面に酸が触れ、歯が溶け出してしまいます。ダラダラと食べることが習慣化している方も、歯が酸に触れる時間が長くなるため注意が必要です。

虫歯の進行の仕組み

虫歯の進行は大きくCO・C1・C2・C3・C4の5段階に分類されます。数字が大きくなるほど虫歯が進行している状態で治療回数も多くなります。

進行度別の歯の状態や症状は、以下のとおりです。

CO

COは、治療する段階ではない初期の虫歯がみられる状態です。「要観察歯」ともいわれます。

歯の表面が虫歯菌の出す酸の影響で溶けて、白くにごったようにみえるのが特徴です。穴もあいておらず、自覚症状もないので気がつかない場合が多いでしょう。

COの段階では「ブラッシングをしっかりする」「歯科医院でフッ素塗布する」などの適切な対処を行うと、再石灰化作用で歯を健康な状態に改善できます。

C1

C1は、虫歯が歯の表面のエナメル質まで進行している状態です。

痛みはなく、歯の表面が薄茶色や黒っぽく変色して穴があいている場合が多いです。歯科医師が状態を確認して定期的に様子を見るか、虫歯を削って治療するか判断します。

C2

C2は、エナメル質よりさらに内側にある象牙質にまで虫歯が進行した状態です。

虫歯の部分が黒く、変色して穴があき、口臭がでる場合もあるでしょう。

象牙質はエナメル質と比較して、歯の質が柔らかいので虫歯が急速に進行することも少なくありません。また、象牙質には神経がとおっているので、痛む・冷たいものがしみるなどの自覚症状がみられます。

C2まで虫歯が進行すると虫歯治療が必要です。

C3

C3は、虫歯が象牙質から歯の神経部分まで到達した状態です。

大きな穴があき、激しい痛みをともなうため、多くの方が虫歯だと自覚する段階です。冷たいものやあたたかいものがしみるのはもちろん、何もしなくても歯がズキズキと痛む場合が多いでしょう。

C3まで進行した虫歯は、歯の神経の処置を行う必要があり、治療回数も多くなります。

C4

C4は、虫歯が神経まで到達し、歯が崩壊して根の部分のみ残っている状態です。

歯が大きく欠けた状態で、激しい痛みをともないますが、虫歯菌によって歯の神経が機能を失うと痛みを感じなくなります。

C4まで進行した虫歯は、C3と同様に歯の神経の処置を行います。虫歯によって歯がほとんど残っていない場合や予後が悪いと判断された場合は、抜歯処置が必要になるでしょう。

虫歯を放置するとどのようなリスクがある?

頬を手に当て歯を気にしている男性

虫歯を放置するとさまざまなリスクが生じます。

虫歯を放置すると生じる3つのリスクは、以下のとおりです。

・歯の神経を失う

・歯そのものを失う

・炎症性の疾患を引き起こす

以下、それぞれ解説します。

歯の神経を失う

虫歯を放置し続けると、虫歯は神経まで到達します。神経を刺激するので痛む・冷たいものやあたたかいものがしみるなどのリスクも生じるでしょう。

神経まで虫歯が達した場合、神経を取りのぞく処置が必要です。

ただし、神経には歯に栄養をあたえる働きもあるため、神経を失った歯は枯れ木のようにもろくなります。歯が割れるリスクや歯の根が細菌感染を引き起こすリスクが高く、歯の寿命も短くなりやすいです。また、神経まで虫歯が到達すると治療回数も多くなり、通院の負担が大きくなります。

歯の寿命を守り、通院の負担を減らすためにも、虫歯が疑わしい部分がある場合は早めに歯科医院を受診するとよいでしょう。

歯そのものを失う

虫歯を長期間放置すると、虫歯が神経まで到達し、やがて神経は機能を失い、歯は崩壊して根っこだけ残ります。歯が残っている量が少ない場合や根の先まで虫歯菌に感染が広がっている場合は抜歯となるリスクが高いです。

失った歯を補うには、入れ歯やブリッジ・インプラントを行う必要があります。治療期間も長くなるほか、インプラントを選択した場合は治療費も高額となるため、経済的負担も大きくなります。

炎症性の疾患を引き起こす

虫歯を放置すると、全身の健康にも悪影響をおよぼす場合があるため注意が必要です。

虫歯菌が鼻の粘膜に感染すると「副鼻腔炎」、顎骨の骨髄に感染すると「顎骨骨髄炎」になるリスクが高くなります。また、痛みや高熱・排膿などの症状もともないます。

虫歯は治療しなくても自然に治る?

口元に手を当て疑問の様子の男性

虫歯は、COの状態であればしっかりとブラッシングを行い、歯科医院で高濃度のフッ素を塗布するなど、適切な対応を行えば治る場合もあります。

しかし、一般的には虫歯は治療しない限り治ることはありません。たとえ痛みがなくても虫歯は進行しているので、突然耐えられない痛みに襲われるリスクがあります。

歯の変色や痛みなどの違和感があったら早めに歯科医院を受診しましょう。

虫歯を放置した場合の治療法

歯の治療をしている歯科医師と患者

虫歯治療は、虫歯の範囲によって治療法が異なります。進行度が軽いほど治療も簡単で、短期間で完了するケースが一般的です。

虫歯の進行度別の治療法は、以下のとおりです。

C1

C1は、虫歯の範囲がエナメル質に限定されている状態です。

表面に穴があいている場合は、虫歯の部分を削って白い樹脂をつめる治療を行います。C1は虫歯の範囲によっては歯科医師の判断で治療を行わず、経過観察する場合があります。

C2

C2は、虫歯の範囲が象牙質まで到達しているため治療が必要な状態です。

虫歯部分を削って白い樹脂をつめる、型取りをして銀歯・セラミックの詰め物を入れるなどの治療を行います。C2までの状態で虫歯治療を始めることができれば、治療回数も少なくすむ場合が多いでしょう。

C3

C3は、虫歯が神経まで到達している状態です。

歯には神経のとおる管があり、虫歯が神経まで到達している場合は、痛みの有無に関係なく神経の処置が必要です。C3の虫歯の治療は、歯の管をとおっている神経を取りのぞき、管のなかを綺麗に清掃します。神経の代わりとなる薬をつめたら神経の処置は完了です。その後、歯を削った量によって、詰め物をつめる・土台を作って被せ物をするなどの治療を行います。

C4

C4は、歯が崩壊して根の部分だけ残り、虫歯菌の影響で歯の神経が失われている状態です。

歯がほとんど残っていない状態なので、治療できないと判断された場合は抜歯となります。治療が可能な場合は、C3の状態と同様に神経の処置を行い、土台を作って被せ物を被せます。

虫歯治療にかかる費用・期間

費用を計算している様子

虫歯治療にかかる費用や期間はどれくらいかかるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。虫歯治療にかかる費用・期間の目安は、以下のとおりです。

<虫歯治療にかかる費用・期間の目安>

虫歯の進行度 費用の目安(保険適用3割負担) 治療期間
C1 1,500~3,000円 1回
C2 2,000~10,000円 2~3回
C3 7,000~20,000円 3回〜
C4 3,000~7,000円 1回~

虫歯治療は、虫歯が進行しているほど費用や期間がかかり負担も大きくなります。神経の処置が必要なC3では神経の管を綺麗に清掃する必要があるため、状態によって治療回数が前後します。

なお、C4は、抜歯処置の費用目安です。抜歯後に歯を補う治療を選択する場合は、別途選択した治療の費用・期間が必要です。

虫歯の予防法

2本ならんだ歯ブラシ

虫歯は、歯の質・微生物・糖質・時間の4つの条件が重なったときにできます。虫歯を予防するには、4つの条件が重ならない生活習慣を心がけることがポイントです。

たとえば、歯の質を強化するためには、フッ素塗布が効果的です。フッ素には、歯の質を強化する作用以外にも唾液の再石灰化作用を助ける働きや虫歯菌の活動を抑制する働きがあります。ふだんからフッ素入り歯磨き粉で歯を磨くことで、歯の質を強化させることができるでしょう。

また、定期的に歯科医院で高濃度フッ素を塗布してもらうとよいでしょう。唾液の分泌が少ない方は、食事のときはよく噛むことを心がけ、唾液腺マッサージなどで唾液の分泌を促進させるとよいでしょう。

微生物・糖質・時間については、ブラッシングと食習慣の見直しがポイントです。ふだんからダラダラと間食や甘いものを多くとる方は、回数や内容を見直しましょう。間食回数を減らして食後にしっかりとブラッシングを行うと、糖質が歯の表面に残らないので、虫歯になるリスクが軽減されます。

少しの工夫で虫歯は予防できるので、可能なことから生活習慣に取り入れるとよいでしょう。

まとめ

ポイントを指さす女性

一度虫歯になると自然に完治することはなく、歯科医院で治療しなければいけません。痛みがないからといって放置すると、やがて痛みや歯の表面に穴があくなどの症状があらわれ、重度の虫歯に進行すると抜歯する場合もあります。

虫歯は初期であれば治療も簡単のため、時間も費用も少ない負担ですみます。気になる症状がある場合は早めに歯科医院を受診しましょう。

歯科医院の定期検診に通うと、虫歯リスクを軽減できます。定期検診では、虫歯のチェックやブラッシング指導、歯石や着色汚れの除去を行います。定期検診に通っていれば、万が一虫歯が見つかっても早期であるケースが多く、簡単な治療ですむ場合が多いです。お口の健康を保つためにも、歯科医院を受診して定期検診を受けるのがよいでしょう。

虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

【進行度別】虫歯の治療期間はどれくらい?治療法も詳しく解説!

2023年5月4日
椅子に座った女性を心配する赤い服の女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

虫歯の治療期間は、進行度によって異なります。初期虫歯の場合は、自然治癒で治ることがほとんどなので、治療期間は0日です。歯根部まで感染が広がっている場合は、6か月以上かかることもあります。

今回は、虫歯の治療期間と治療法について、進行度別に解説します。

進行度別 | 虫歯の治療期間・治療法

口を大きく開けて虫歯を見せている子供

虫歯の進行度は、以下の5段階に分けられます。

・C0:初期虫歯

・C1:エナメル質の虫歯

・C2:象牙質の虫歯

・C3:神経に達した虫歯

・C4:歯根しか残っていない虫歯

進行度別に、症状の特徴や治療期間、治療法について解説します。

C0:初期虫歯

C0は、痛みなどの自覚症状がない初期の虫歯です。自覚症状がなく、見た目でもわかりにくいため、定期健診などで発覚することが多いです。

特徴

見た目ではほとんどわかりませんが、場合によっては歯にツヤがなくなったり、茶色や黒色に変色することがあります。

感染している部分が浅いため、自覚症状もありません。自然治癒で治ることが多い虫歯です。

治療期間

C0の虫歯は特別な治療を必要としないため、治療期間は0日といえます。歯の再石灰化のみで、自然に治癒できる虫歯です。

歯の再石灰化とは、エナメル質に起こる自然な現象で、初期の虫歯を修復することができます。口腔内のミネラル(主にカルシウムとリン酸)が歯のエナメル質に取り込まれ、弱ったエナメル質を補強することで歯を強化します。

治療法

再石灰化作用によって自然治癒が期待できるので、歯を削るなどの治療は必要ありません。丁寧なブラッシングやフロスの使用、フッ素入り歯磨き粉などを使って口腔内を清潔に保ち、進行させないことが重要です。

再石灰化を促す方法として、唾液の分泌量を増やすことが挙げられます。唾液には、歯を保護して再石灰化を促す作用があります。噛む動作によって唾液腺が刺激されるため、食事の際に噛む回数を増やしたり、ガムを噛んだりすると効果的です。

ただし、糖分が含まれているものは虫歯菌の活性化を促すので、無糖のガムを選びましょう。特に、キシリトールガムがおすすめです。キシリトールには、エナメル質を溶かす酸の産生を抑制する働きがあるため、初期虫歯の進行を抑えられる可能性があります。

C1:エナメル質の虫歯

C1は、エナメル質に虫歯が進行している状態です。エナメル質は、歯の外側を覆う非常に硬い層のことで、歯を保護する役割を果たしています。

特徴

エナメル質に虫歯が進行すると、小さな穴やくぼみが形成されることがあります。

この段階では、虫歯はまだ象牙質に達していないため、痛みはほとんど感じません。

治療期間

C1の虫歯の治療は、1日で終わることが多いです。

歯を削った直後に詰め物を装着し、形の調整などを行うため、治療は1回で完了します。

治療法

C1の虫歯は、エナメル質に侵食した虫歯をドリルを用いて取り除きます。そのあと、削った部分に詰め物を装着して、歯を修復します。

詰め物にはコンポジットレジンが用いられることが多いですが、より美しく仕上げたい場合はダイレクトボンディングを用いる場合もあるでしょう。コンポジットレジンは保険適用であり、劣化や変色しやすいことが特徴です。ダイレクトボンディングは自費診療ですが、長期間にわたって色や形状を保つことができます。

C2:象牙質の虫歯

C2は、象牙質まで虫歯が進行している状態です。治療方法はC1と同様に、虫歯部分を除去して、詰め物や被せ物で歯を補修しますが、C1に比べてより深く除去する必要があります。

被せ物を使用する場合、治療期間はC1よりも長くなることが多いです。

特徴

C2の虫歯は、虫歯が歯のエナメル質を超えて、内側の象牙質まで進行した状態です。

象牙質は、エナメル質よりも柔らかく、微細な穴が多数あるため、虫歯が進行する速度がC1よりも速くなります。虫歯が象牙質に達すると、歯の神経に近づくため自覚症状が出やすく、痛みを感じる場合もあるでしょう。冷たい飲み物や甘いもの、酸味のあるものなどを摂取すると、しみる感覚や痛みが生じる方が多いです。

また、象牙質まで進行した虫歯は歯の色に影響するため、黄色がかった色や茶色に変色することがあります。

治療期間

C2の虫歯は、治療に使用する素材や、詰め物か被せ物かによって治療期間が異なります。

コンポジットレジンの詰め物なら治療は1日で終了しますが、メタル(銀歯)の場合、詰め物・被せ物どちらの場合も、治療回数は2回必要です。自費診療のダイレクトボンディングやセラミック、ジルコニアを用いる場合も2〜3回の通院が必要になるため、治療期間は1週間ほどになるでしょう。C2の治療期間は、コンポジットレジンの詰め物なら1日、その他の治療法は1週間が目安です。

治療法

コンポジットレジンの詰め物を使用する場合は、C1と変わりありません。

虫歯が進行した象牙質の部分を、ドリルやレーザーを使用して丁寧に除去します。虫歯を除去したあと、詰め物を用いて歯を修復します。詰め物を装着したら噛み合わせを確認し、必要に応じて詰め物を調整して治療完了です。

被せ物の場合、詰め物のように削った箇所にそのまま装着するのではなく、型取りを行う必要があります。専門のスキルをもった歯科技工士が技工所で製作するため、完成までに1週間ほど待たなければなりません。

C3:神経に達した虫歯

C3は、歯髄に近い部分まで虫歯が進行した状態です。

歯の神経が炎症を起こしている場合、根管治療が必要になることがあります。治療期間は、数週間から数か月かかることが一般的です。

特徴

虫歯が神経に達した場合、神経が刺激されるため、激しい痛みが生じます。何もしていない状態でも痛みを感じ、食事などによって悪化する場合が多いです。

C3まで進行すると、見た目でも虫歯になっていることがわかります。歯の大きな欠けや、歯に穴が空いていることを確認できるでしょう。また、強い口臭が発生する場合もあります。

神経に炎症が起きた場合は歯髄炎、歯根膜に炎症が起きた場合は歯根膜炎など、さまざまなリスクが伴います。

治療期間

C3は、神経を抜く根管治療が必要なため、治療期間は1か月ほどです。根管治療後に被せ物の治療を行うため、治療期間が長くなります。

根管治療で3〜5回の通院、被せ物の治療で2〜3回ほどの通院が必要です。

治療法

虫歯が歯の神経まで到達しているため、神経を抜かなければならないことが多いです。神経を残せる場合もありますので、気になる方は歯科医師に相談してみましょう。

治療では、虫歯の部分と神経を取り除きます。特別な薬剤を使用して神経が入っている管をしっかりと洗浄し、再び細菌が入り込まないよう、抗菌作用のある薬剤を詰めます。根管治療を終え、被せ物を装着して歯の修復ができたら治療終了です。

被せ物は、C2のように、銀歯やセラミックなどの素材を選択できます。

C4:歯根しか残っていない虫歯

C4は、歯冠(歯茎から見える部分)の大部分が失われ、歯根部分のみが残っている状態を指します。

感染が広がり、虫歯が歯髄炎や歯周炎を引き起こすほど進行した状態です。根管治療が必要ですが、悪化した場合は抜歯が必要になることもあります。

特徴

C4は、虫歯によって歯冠が破壊されたり折れたりして、歯根部分のみが残っている状態です。虫歯菌の感染により歯の強度が大幅に低下し、噛む力や外的な衝撃に耐えられない状態を意味します。

C4まで進行すると神経が死んでしまっていることが多く、痛みを感じることは少ないです。

治療期間

選択する治療法によって治療期間は異なります。

歯が残せそうな場合は、C3と同じ治療法を行い、治療期間は1か月ほどです。抜歯が必要な場合は、抜歯後に骨や歯肉の回復を待ってから人工歯を取り付けるため、さらに時間がかかります。

ブリッジや入れ歯を装着する場合、治療期間は1か月ほどです。

インプラントを選択した場合は、人工歯根を埋め込む外科手術が必要になります。埋め込み後、骨の再生を待たなければならないため、治療期間は最低でも6か月以上になるでしょう。

治療法

歯が残せそうな場合は、C3と同様に根管治療と被せ物の治療を行います。抜歯が必要な場合は、抜歯したあとに人工歯を装着します。

親知らずなど、余分に歯がある場合は、歯牙移植という自分の歯を移植する治療法もありますが、形が合わない場合は行えません。

抜歯後に装着する人工歯は、以下の3つです。

・ブリッジ(保険適用)

・入れ歯(保険適用)

・インプラント(保険適用外)

ブリッジは、隣接する健康な歯を支えとして人工歯を固定する方法です。固定の際に、支えとなる歯を薄く削る必要があります。

入れ歯は、金属やプラスチックのフレームに取り付けられた人工歯で構成され、取り外すことができます。取り外し式であるため、インプラントやブリッジと比べて安定性が劣ることが多いです。

インプラントは、人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を取り付ける方法です。費用は高額になりますが、自然な見た目を実現し、隣接する歯に影響を与えることはありません。

虫歯の治療期間を短くするために

椅子に座って歯科医師の話を聞く女性患者

虫歯の治療期間を短くするためには、日頃から虫歯予防に努め、定期的に歯科医院を受診することが重要です。定期的な通院は、虫歯の早期発見につながり、治療期間を短くすることができるでしょう

早期発見

虫歯が初期段階であれば、治療期間も短く、より簡単な治療で対応できます。

歯磨きの際に、鏡で口の中をチェックする習慣をつけるとよいでしょう。白い斑点や茶色く変色した歯を見つけた場合は、歯科医師に相談してください。また、痛みやしみるなどの症状がある場合は、虫歯が進行している可能性があるので、早めに歯科医院を受診しましょう。

定期検診

定期的に歯科検診を受けることで、虫歯の早期発見・早期治療につながります。

虫歯や歯周病予防に効果的なクリーニングは、3〜6か月に1回の頻度で受けることが推奨されています。クリーニングを含む定期検診を受診することは、虫歯が進行する前に対処できるため、非常に重要です。

丁寧な歯磨き

口腔内を清潔な状態に保つことは、虫歯菌の活性化を防ぎます。

食べかすは虫歯菌のエサとなるため、できれば毎食後に歯を磨きましょう。外出時など難しい場合は、うがいだけでも効果的です。食後にうがいをすることで、口の中に残った食べかすを洗い流すことができます。

また、歯ブラシだけではなく、1日1回は歯間ブラシやフロスを使って歯間の汚れを除去しましょう。フッ素は虫歯予防に効果的なので、フッ素入りの歯磨き粉を使用するのもよいでしょう。

食生活の改善

糖分は、虫歯の発生や進行速度を早めることにつながります。

ふだんから糖分を多く含む飲食物を摂取している場合は、量や頻度を減らすことで虫歯のリスクを低減できます。また、食間の間隔を空けることは、歯に与える負担を減らすことにもなるので、間食が多い方は減らしましょう。

フッ素塗布

歯科医院で行なっているフッ素塗布をしましょう。

歯科医院では、虫歯予防に効果的なフッ素塗布の処置を行なっています。市販のフッ素入りの歯磨き粉よりも、歯科医院で扱っているフッ素は非常に濃度が高いです。フッ素は歯の再石灰化を促すため、虫歯の進行を抑えることができるでしょう。

まとめ

左頬を押さえる女性

虫歯の治療期間は進行度によって大きく異なります。初期虫歯なら自然に治る可能性が高いため、治療期間は0日ですが、中程度なら約1週間、神経まで進行した虫歯は1か月〜6か月ほどかかることが多いです。

また、進行するほど治療回数も増えます。治療回数が多いと、歯にかかる負担も大きくなるため、歯の寿命にも影響を与えるのです。詰め物や被せ物によって歯を修復することはできますが、使用する素材によっては劣化が早く、再治療が必要になる場合もあります。

虫歯は予防できる病気です。日頃から丁寧に歯を磨き、定期的に歯科医院を受診し、クリーニングを受けるなど、予防に努めましょう。

虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。