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子供の頃から歯医者に通った方がいい理由

2023年6月16日

子供の頃から歯医者に通った方がいい理由

こんにちは。大阪府八尾市志紀にある歯医者 医療法人 甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。
歯医者に通う理由って考えたことありますか?
虫歯になったら歯医者に行く、歯茎が痛いから歯医者に行くなど問題があってから歯医者さんにいく「治療」も必要ですが、歯医者は痛くなる前に問題が起こる前に通う「予防」が大切です。

ただ、歯医者に行くのを当たり前に習慣にしないとなかなか「予防」を意識する事は難しいです。
ここで、大切になっていくのが子供の時に歯医者に「治療」ではなく「予防」で通う事です。
今回のブログは「子供から歯医者にいった方がいい理由」です。
いつ歯医者に連れて行けばいいか迷われている方は是非、参考にしてみて下さい

何歳から歯医者に行けばいいの?

子供は何歳から歯医者に連れて行けばいいのかと言いますと3歳くらいからといつも伝えております。
理由としては、大体3歳くらいに乳歯が生え揃うのでそこを指標にしております。

子供の歯の「予防」で出来ることは?

大人は歯の掃除や歯石取りや歯医者で出来ることは馴染みがあると思います。
「子供の時に歯医者で出来ることは?」とよく質問がきます。
今回の記事では、出来る事やどういう効果なのかを深堀りしていきます。

1、歯の磨き方をチェック
2、フッ素塗布
3、シーラント塗布
4、口腔機能の向上
1〜4は保険範囲内で出来ます。

歯の磨き方をチェック

歯の磨き方をチェック

染色液を使って磨き残しをチェックしていきます。
どこの部分が磨き残しが多いのかをチェックして磨き方の指導をさせて頂いています。
本人の磨き方の指導であったり仕上げ磨きの時のポイントであったりしっかり確認して日々のケアの指導をさせて頂いております。
毎日の歯磨きを正しくすると虫歯のリスクを減らすことができます。

2、フッ素塗布

フッ素塗布の効果

フッ素を塗布することで歯を強くすることが出来ます。
作用としては 1、歯を強くする2、再石灰化の促進 3、菌の力を弱めるが挙げられます。
歯科医院でフッ素を塗ることで歯を強化することができるので定期的に歯科医院に通うようにして下さい。

3、シーラント塗布

シーラントで歯の溝を埋める

歯の頭の部分は溝があり汚れが詰まりやすく虫歯のリスクが高い状態です。
どうしても毎日歯ブラシに気を付けていたとしても虫歯になってしまいます。
シーラントと言って溝を埋める樹脂です。
溝を埋めることで汚れが入りにくくなり虫歯のリスクを下げる事ができます。

4、口腔機能の向上

「口ぽかん」は口周りの筋肉の緩み

お口の筋肉や舌の位置により歯並びに影響が出てきてしまいます。
歯医者に来て頂いている子もよくお口が空いてる「口ポカン」が多いです。

受け口の噛み合わせ
筋肉の緩みにより反対咬合も起きてしまいます。
成長の中で筋肉の使い方などがすごく重要になってきます。
保険範囲内でお口のトレーニングも出来ます。
歯並びにもいい影響を与えるので是非、歯科医院にてやって下さい。

いかがだったでしょうか?

今回は、「子供から歯医者にいった方がいい理由」でした。
子供の時に歯科医院に通う理由としては虫歯にならないことも大切ですが、歯科医院は「治療」する場所ではなく「予防」する場所と思ってもらう事が大切だと思います。
歯科医院に子供の時から通うことで大人になった時に歯科医院に通う事が当たり前になると思います。
親御さんの役割としては、虫歯なので歯医者に連れていくのではなく問題が起こる前に歯医者さんに連れていく事が大切になってきます。
子供の歯のことで気になることありましたら
医療法人甦歯会 もりかわ歯科 志紀診療所の所長末廣 赳史にお問合せ下さい。
優しく、丁寧にご対応させて頂きます。
優しい所長 末廣赳史

乳歯が生え変わるタイミングと注意点|永久歯への移行期について

2023年5月25日
こどもの歯が生え変わりで抜けている

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「乳歯はいつ生え変わるのだろう」と疑問を感じた方はいらっしゃいませんか。お子さまの乳歯が永久歯に生え変わりできているのか、不安を感じている親御さまも多いと思います。

本記事では、乳歯と永久歯の萌出時期や生え変わる時期・生え変わりの際に起こるトラブルと対処法について解説します。乳歯の生え変わりに疑問を感じていらっしゃる方は、ぜひ参考にしてください。

乳歯の数と生える順番

自分の歯を指さすこども

乳歯は生後6か月ごろに生えはじめ、3歳ごろまでに上下で20本の歯が生えそろいます。乳歯が生える目安は、以下のとおりです。

<乳歯の萌出時期の目安>

上の歯 萌出時期
乳中切歯 8~11か月
乳惻切歯 11~12か月
乳犬歯 1.8歳
第一乳臼歯 1.6歳
第二乳臼歯 2歳

 

下の歯 萌出時期
乳中切歯 6~7か月
乳惻切歯 10~11か月
乳犬歯 1.8歳
第一乳臼歯 1.6歳
第二乳臼歯 2歳

 

乳歯は生後6か月ごろに下の前歯から生えはじめるのが一般的です。その後、下の前歯と上の前歯が2本ずつ生え始め、前歯が4本生えそろいます。乳歯が生えそろう順番は、乳中切歯→乳側切歯→乳犬歯〜のように、表の上から順番に生えそろう場合が多いでしょう。

しかし、上記はあくまでも目安で、生える順番や時期は個人差があります。半年程度のずれであれば神経質になる必要はありません。1歳を過ぎても歯が生えない、萌出目安から1年以上経っても歯が生えてくる様子がない場合は、歯科医院を受診して確認してもらいましょう。

永久歯の数と生える順番

こどもが笑顔でこちらをみている

永久歯は6歳ごろに下の第一大臼歯(6歳臼歯)が生えはじめ、14歳ごろまでに上下で28本の歯が生えそろうのが一般的です。第三大臼歯(親知らず)は、生まれつき欠損している場合や萌出スペースが足りずに生えてこない場合が多くみられます。第三大臼歯まで生えそろった場合、永久歯は全部で32本となります。

永久歯が生える目安は、以下のとおりです。

<永久歯の萌出時期の目安>

上の歯 萌出時期
1.中切歯 7〜8歳
2.側切歯 8〜9歳
3.犬歯 11〜12歳
4.第一小臼歯 10〜11歳
5.第二小臼歯 10〜12歳
6.第一大臼歯 6〜7歳
7.第二大臼歯 12〜13歳
8.第三大臼歯 17〜21歳

 

下の歯 萌出時期
1.中切歯 6〜7歳
2.側切歯 7〜8歳
3.犬歯 9〜10歳
4.第一小臼歯 10〜12歳
5.第二小臼歯 11〜12歳
6.第一大臼歯 6〜7歳
7.第二大臼歯 11〜13歳
8.第三大臼歯 17〜21歳

 

6歳前後で下の乳中切歯が抜けて永久歯に生え変わり、第一大臼歯が生えはじめます。7歳ごろに上の前歯が生え変わり、順番に永久歯へ生え変わるのが一般的です。永久歯は、6→1→2→3→4→5→7→8の順番で生えそろうケースが多いでしょう。

ただし、乳歯と同様に歯が萌出する時期や順番は個人差が大きいため、順調に生え変わっている場合は順番を心配する必要はありません。

生え変わりの時期

砂時計が落ちる様子

乳歯が抜ける時期には個人差がありますが、6歳前後から12歳くらいまでに乳歯から永久歯へ生え変わります。

はじめに、下の乳中切歯が抜けて中切歯へ生え変わり、ほぼ同じ時期に奥歯の第一大臼歯(6歳臼歯)が生えるのが一般的です。8〜9歳ごろには、乳臼歯が小臼歯へと生え変わり、11歳ごろから上下の奥歯が生えはじめるでしょう。

なお、大臼歯は乳歯では存在せず、永久歯ではじめて生える歯となります。14歳前後で第二大臼歯までの28本の歯が生えそろうでしょう。

ただし、歯の生え変わりには個人差があります。永久歯は2年前後の差があっても問題ないので、多少の遅れは心配いりません。生え方に左右差がある場合や乳歯が抜けたのに永久歯が生える兆候がない場合は歯科医院に相談しましょう。

生え変わりのサインと注意点

拡声器で警告している

乳歯から永久歯に生え変わるサインは「歯がグラグラ揺れる」ことです。

永久歯への生え変わりが近くなると、永久歯は萌出の準備を始め、乳歯の歯の根は溶けはじめます。乳歯の歯の根が徐々に溶けていくと、歯がグラグラ揺れはじめ、根が完全に溶けてなくなると乳歯は抜け落ち、後続の永久歯が萌出します。

歯が揺れるので、食事など物を噛んだときに痛みがともなう場合もあるでしょう。お子さまが「歯がグラグラしてきた」「歯がグラグラ揺れて痛い」などと訴えたら、生え変わりが近いサインです。

生え変わりの時期に注意すべき3つの主なポイントは、以下のとおりです。

・乳歯の虫歯は早めに治療する

・虫歯にならないように予防する

・口内に異常がないか観察する

以下、それぞれ解説します。

乳歯の虫歯は早めに治療する

「乳歯は永久歯に生え変わるから虫歯になっても大丈夫」と判断して虫歯を放置すると、永久歯にも悪影響をおよぼします。乳歯の虫歯が歯の根まで到達すると、歯の根の下にある後続の永久歯に形成不全や変色などのトラブルが起きるリスクが高くなるでしょう。

また、虫歯で早期に乳歯を失った場合、周囲の乳歯が傾くことや伸びることがあるため、永久歯の歯並びにも悪影響が出る可能性があります。永久歯を守るためにも乳歯の虫歯は早めに治療しましょう。

虫歯にならないように予防する

生えたての永久歯は虫歯リスクが高く注意が必要です。歯の質が弱いため、虫歯菌の出す酸に溶けやすい特徴があります。

また、大臼歯については歯の溝が深く複雑なため、溝の部分に汚れが残りやすいです。虫歯予防は、毎日の歯磨きで虫歯菌の数を減らすことはもちろんですが、予防処置を積極的に活用するとよいでしょう。

歯科医院で高濃度フッ素を塗布する、大臼歯にシーラントを施術することで、歯の質が強くなり、虫歯になりにくい環境を整えることができます。乳歯と永久歯が混在する時期は、歯ブラシがあてにくく磨き残しが出やすいため、かならず仕上げ磨きを行いましょう。

口内に異常がないか観察する

乳歯がグラグラしている時期や乳歯が抜けたあとは、仕上げ磨きの際などに口内をよく観察しましょう。

永久歯が萌出しているのに乳歯が抜けない、永久歯が生えてこない、歯肉炎になっているなどのトラブルが起きやすい時期となります。トラブルや気になることがあったら早めに歯科医院で確認してもらうことが大切です。

生え変わりに関連するトラブルと対処法

積み木が倒れるのを手で防いでいる

乳歯から永久歯に生え変わる際、ごくまれにトラブルが起きるケースがあります。永久歯の萌出に影響が出る可能性や先天性の疾患がある可能性があるので、トラブルが起きた際は早めに歯科医院を受診してチェックしてもらいましょう。

生え変わりの時期に起こる3つの主なトラブルは、以下のとおりです。

・乳歯が抜けない

・永久歯が萌出しない

・永久歯の数が多い

以下、それぞれ解説します。

乳歯が抜けない

乳歯が抜ける前に永久歯が生えてしまうケースがあります。

乳歯が抜ける様子がなく永久歯が萌出している場合は、歯並びに悪影響をおよぼすリスクが高いです。歯科医院を受診して、経過観察でいいのか抜歯する必要があるのか、確認してもらいましょう。

また、まれに歯の生え変わりの時期を大きく過ぎても乳歯が抜けないケースがあります。思春期を過ぎても乳歯が抜けない場合「先天性欠損歯」である可能性が高いです。先天性欠損歯は、何らかの理由で永久歯が生まれつきない状態をさします。

歯並びや噛み合わせに問題が生じる場合は、乳歯を抜歯して、部分入れ歯やブリッジなどの治療が必要になることもあります。先天性欠損歯はレントゲン撮影で確認できるので、思春期を過ぎても乳歯が残っている場合は歯科医院で確認してもらいましょう。

永久歯が萌出しない

乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこない場合、埋伏歯の可能性があります。

埋伏歯とは、永久歯の生えるスペースが不足しているなどの理由から、歯がうまく萌出できずにいる状態をさします。埋伏歯は、ゆっくり時間をかけて萌出する場合もあるため、状態によっては経過観察となることもあるでしょう。

しかし、自然に萌出することが難しいと診断された場合は、歯茎の切開や矯正装置を装着して引っ張り出す処置が必要です。永久歯の状態はレントゲン撮影で確認できるので、永久歯がなかなか萌出しない場合は歯科医院で確認してもらいましょう。

永久歯の数が多い

永久歯は通常28本で、親知らずを加えると32本生えてきます。

しかし、まれに通常の本数よりも歯が多く形成される過剰歯がある方がいらっしゃいます。過剰歯は顎の骨に埋まっている場合や萌出している場合などさまざまです。

過剰歯がほかの永久歯の萌出や歯並びに影響している場合は抜歯する必要があります。周囲の歯や歯並びに悪影響がなければ経過観察となる場合が多いでしょう。

まとめ

ポイントを指さすこども

乳歯は生後6か月前後から生えはじめ、上下合わせて20本生えそろいます。永久歯は上下合わせて28本、親知らずも含めると32本の歯が生えそろい、6歳前後に第一大臼歯の萌出からはじまります。歯の萌出時期や順番は個人差が大きく、半年程度の誤差は心配する必要はありません。

ただし、乳歯が抜ける前に永久歯が萌出している、乳歯が思春期を過ぎても残っている、永久歯が萌出しないなどのトラブルがある際は、早めに歯科医院で確認してもらいましょう。

また、歯科医院の定期検診を受けていれば生え変わりの異常を早い段階で見つけることができます。お子さまの口内の健康を維持するためにも定期的に歯科医院で確認してもらいましょう。

乳歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

【進行度別】虫歯の治療期間はどれくらい?治療法も詳しく解説!

2023年5月4日
椅子に座った女性を心配する赤い服の女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

虫歯の治療期間は、進行度によって異なります。初期虫歯の場合は、自然治癒で治ることがほとんどなので、治療期間は0日です。歯根部まで感染が広がっている場合は、6か月以上かかることもあります。

今回は、虫歯の治療期間と治療法について、進行度別に解説します。

進行度別 | 虫歯の治療期間・治療法

口を大きく開けて虫歯を見せている子供

虫歯の進行度は、以下の5段階に分けられます。

・C0:初期虫歯

・C1:エナメル質の虫歯

・C2:象牙質の虫歯

・C3:神経に達した虫歯

・C4:歯根しか残っていない虫歯

進行度別に、症状の特徴や治療期間、治療法について解説します。

C0:初期虫歯

C0は、痛みなどの自覚症状がない初期の虫歯です。自覚症状がなく、見た目でもわかりにくいため、定期健診などで発覚することが多いです。

特徴

見た目ではほとんどわかりませんが、場合によっては歯にツヤがなくなったり、茶色や黒色に変色することがあります。

感染している部分が浅いため、自覚症状もありません。自然治癒で治ることが多い虫歯です。

治療期間

C0の虫歯は特別な治療を必要としないため、治療期間は0日といえます。歯の再石灰化のみで、自然に治癒できる虫歯です。

歯の再石灰化とは、エナメル質に起こる自然な現象で、初期の虫歯を修復することができます。口腔内のミネラル(主にカルシウムとリン酸)が歯のエナメル質に取り込まれ、弱ったエナメル質を補強することで歯を強化します。

治療法

再石灰化作用によって自然治癒が期待できるので、歯を削るなどの治療は必要ありません。丁寧なブラッシングやフロスの使用、フッ素入り歯磨き粉などを使って口腔内を清潔に保ち、進行させないことが重要です。

再石灰化を促す方法として、唾液の分泌量を増やすことが挙げられます。唾液には、歯を保護して再石灰化を促す作用があります。噛む動作によって唾液腺が刺激されるため、食事の際に噛む回数を増やしたり、ガムを噛んだりすると効果的です。

ただし、糖分が含まれているものは虫歯菌の活性化を促すので、無糖のガムを選びましょう。特に、キシリトールガムがおすすめです。キシリトールには、エナメル質を溶かす酸の産生を抑制する働きがあるため、初期虫歯の進行を抑えられる可能性があります。

C1:エナメル質の虫歯

C1は、エナメル質に虫歯が進行している状態です。エナメル質は、歯の外側を覆う非常に硬い層のことで、歯を保護する役割を果たしています。

特徴

エナメル質に虫歯が進行すると、小さな穴やくぼみが形成されることがあります。

この段階では、虫歯はまだ象牙質に達していないため、痛みはほとんど感じません。

治療期間

C1の虫歯の治療は、1日で終わることが多いです。

歯を削った直後に詰め物を装着し、形の調整などを行うため、治療は1回で完了します。

治療法

C1の虫歯は、エナメル質に侵食した虫歯をドリルを用いて取り除きます。そのあと、削った部分に詰め物を装着して、歯を修復します。

詰め物にはコンポジットレジンが用いられることが多いですが、より美しく仕上げたい場合はダイレクトボンディングを用いる場合もあるでしょう。コンポジットレジンは保険適用であり、劣化や変色しやすいことが特徴です。ダイレクトボンディングは自費診療ですが、長期間にわたって色や形状を保つことができます。

C2:象牙質の虫歯

C2は、象牙質まで虫歯が進行している状態です。治療方法はC1と同様に、虫歯部分を除去して、詰め物や被せ物で歯を補修しますが、C1に比べてより深く除去する必要があります。

被せ物を使用する場合、治療期間はC1よりも長くなることが多いです。

特徴

C2の虫歯は、虫歯が歯のエナメル質を超えて、内側の象牙質まで進行した状態です。

象牙質は、エナメル質よりも柔らかく、微細な穴が多数あるため、虫歯が進行する速度がC1よりも速くなります。虫歯が象牙質に達すると、歯の神経に近づくため自覚症状が出やすく、痛みを感じる場合もあるでしょう。冷たい飲み物や甘いもの、酸味のあるものなどを摂取すると、しみる感覚や痛みが生じる方が多いです。

また、象牙質まで進行した虫歯は歯の色に影響するため、黄色がかった色や茶色に変色することがあります。

治療期間

C2の虫歯は、治療に使用する素材や、詰め物か被せ物かによって治療期間が異なります。

コンポジットレジンの詰め物なら治療は1日で終了しますが、メタル(銀歯)の場合、詰め物・被せ物どちらの場合も、治療回数は2回必要です。自費診療のダイレクトボンディングやセラミック、ジルコニアを用いる場合も2〜3回の通院が必要になるため、治療期間は1週間ほどになるでしょう。C2の治療期間は、コンポジットレジンの詰め物なら1日、その他の治療法は1週間が目安です。

治療法

コンポジットレジンの詰め物を使用する場合は、C1と変わりありません。

虫歯が進行した象牙質の部分を、ドリルやレーザーを使用して丁寧に除去します。虫歯を除去したあと、詰め物を用いて歯を修復します。詰め物を装着したら噛み合わせを確認し、必要に応じて詰め物を調整して治療完了です。

被せ物の場合、詰め物のように削った箇所にそのまま装着するのではなく、型取りを行う必要があります。専門のスキルをもった歯科技工士が技工所で製作するため、完成までに1週間ほど待たなければなりません。

C3:神経に達した虫歯

C3は、歯髄に近い部分まで虫歯が進行した状態です。

歯の神経が炎症を起こしている場合、根管治療が必要になることがあります。治療期間は、数週間から数か月かかることが一般的です。

特徴

虫歯が神経に達した場合、神経が刺激されるため、激しい痛みが生じます。何もしていない状態でも痛みを感じ、食事などによって悪化する場合が多いです。

C3まで進行すると、見た目でも虫歯になっていることがわかります。歯の大きな欠けや、歯に穴が空いていることを確認できるでしょう。また、強い口臭が発生する場合もあります。

神経に炎症が起きた場合は歯髄炎、歯根膜に炎症が起きた場合は歯根膜炎など、さまざまなリスクが伴います。

治療期間

C3は、神経を抜く根管治療が必要なため、治療期間は1か月ほどです。根管治療後に被せ物の治療を行うため、治療期間が長くなります。

根管治療で3〜5回の通院、被せ物の治療で2〜3回ほどの通院が必要です。

治療法

虫歯が歯の神経まで到達しているため、神経を抜かなければならないことが多いです。神経を残せる場合もありますので、気になる方は歯科医師に相談してみましょう。

治療では、虫歯の部分と神経を取り除きます。特別な薬剤を使用して神経が入っている管をしっかりと洗浄し、再び細菌が入り込まないよう、抗菌作用のある薬剤を詰めます。根管治療を終え、被せ物を装着して歯の修復ができたら治療終了です。

被せ物は、C2のように、銀歯やセラミックなどの素材を選択できます。

C4:歯根しか残っていない虫歯

C4は、歯冠(歯茎から見える部分)の大部分が失われ、歯根部分のみが残っている状態を指します。

感染が広がり、虫歯が歯髄炎や歯周炎を引き起こすほど進行した状態です。根管治療が必要ですが、悪化した場合は抜歯が必要になることもあります。

特徴

C4は、虫歯によって歯冠が破壊されたり折れたりして、歯根部分のみが残っている状態です。虫歯菌の感染により歯の強度が大幅に低下し、噛む力や外的な衝撃に耐えられない状態を意味します。

C4まで進行すると神経が死んでしまっていることが多く、痛みを感じることは少ないです。

治療期間

選択する治療法によって治療期間は異なります。

歯が残せそうな場合は、C3と同じ治療法を行い、治療期間は1か月ほどです。抜歯が必要な場合は、抜歯後に骨や歯肉の回復を待ってから人工歯を取り付けるため、さらに時間がかかります。

ブリッジや入れ歯を装着する場合、治療期間は1か月ほどです。

インプラントを選択した場合は、人工歯根を埋め込む外科手術が必要になります。埋め込み後、骨の再生を待たなければならないため、治療期間は最低でも6か月以上になるでしょう。

治療法

歯が残せそうな場合は、C3と同様に根管治療と被せ物の治療を行います。抜歯が必要な場合は、抜歯したあとに人工歯を装着します。

親知らずなど、余分に歯がある場合は、歯牙移植という自分の歯を移植する治療法もありますが、形が合わない場合は行えません。

抜歯後に装着する人工歯は、以下の3つです。

・ブリッジ(保険適用)

・入れ歯(保険適用)

・インプラント(保険適用外)

ブリッジは、隣接する健康な歯を支えとして人工歯を固定する方法です。固定の際に、支えとなる歯を薄く削る必要があります。

入れ歯は、金属やプラスチックのフレームに取り付けられた人工歯で構成され、取り外すことができます。取り外し式であるため、インプラントやブリッジと比べて安定性が劣ることが多いです。

インプラントは、人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を取り付ける方法です。費用は高額になりますが、自然な見た目を実現し、隣接する歯に影響を与えることはありません。

虫歯の治療期間を短くするために

椅子に座って歯科医師の話を聞く女性患者

虫歯の治療期間を短くするためには、日頃から虫歯予防に努め、定期的に歯科医院を受診することが重要です。定期的な通院は、虫歯の早期発見につながり、治療期間を短くすることができるでしょう

早期発見

虫歯が初期段階であれば、治療期間も短く、より簡単な治療で対応できます。

歯磨きの際に、鏡で口の中をチェックする習慣をつけるとよいでしょう。白い斑点や茶色く変色した歯を見つけた場合は、歯科医師に相談してください。また、痛みやしみるなどの症状がある場合は、虫歯が進行している可能性があるので、早めに歯科医院を受診しましょう。

定期検診

定期的に歯科検診を受けることで、虫歯の早期発見・早期治療につながります。

虫歯や歯周病予防に効果的なクリーニングは、3〜6か月に1回の頻度で受けることが推奨されています。クリーニングを含む定期検診を受診することは、虫歯が進行する前に対処できるため、非常に重要です。

丁寧な歯磨き

口腔内を清潔な状態に保つことは、虫歯菌の活性化を防ぎます。

食べかすは虫歯菌のエサとなるため、できれば毎食後に歯を磨きましょう。外出時など難しい場合は、うがいだけでも効果的です。食後にうがいをすることで、口の中に残った食べかすを洗い流すことができます。

また、歯ブラシだけではなく、1日1回は歯間ブラシやフロスを使って歯間の汚れを除去しましょう。フッ素は虫歯予防に効果的なので、フッ素入りの歯磨き粉を使用するのもよいでしょう。

食生活の改善

糖分は、虫歯の発生や進行速度を早めることにつながります。

ふだんから糖分を多く含む飲食物を摂取している場合は、量や頻度を減らすことで虫歯のリスクを低減できます。また、食間の間隔を空けることは、歯に与える負担を減らすことにもなるので、間食が多い方は減らしましょう。

フッ素塗布

歯科医院で行なっているフッ素塗布をしましょう。

歯科医院では、虫歯予防に効果的なフッ素塗布の処置を行なっています。市販のフッ素入りの歯磨き粉よりも、歯科医院で扱っているフッ素は非常に濃度が高いです。フッ素は歯の再石灰化を促すため、虫歯の進行を抑えることができるでしょう。

まとめ

左頬を押さえる女性

虫歯の治療期間は進行度によって大きく異なります。初期虫歯なら自然に治る可能性が高いため、治療期間は0日ですが、中程度なら約1週間、神経まで進行した虫歯は1か月〜6か月ほどかかることが多いです。

また、進行するほど治療回数も増えます。治療回数が多いと、歯にかかる負担も大きくなるため、歯の寿命にも影響を与えるのです。詰め物や被せ物によって歯を修復することはできますが、使用する素材によっては劣化が早く、再治療が必要になる場合もあります。

虫歯は予防できる病気です。日頃から丁寧に歯を磨き、定期的に歯科医院を受診し、クリーニングを受けるなど、予防に努めましょう。

虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

虫歯治療後は食事を控えるべき?理由と注意点について解説!

2023年4月6日
2人の女性が食事をしている

こんにちは。大阪府八尾市にある、医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

虫歯治療をしたあとに、しばらく時間をあけてから食事をしてくださいといわれたことはありませんか。実は、虫歯治療の内容によりますが、治療後すぐに食事をすると詰め物が取れるなどさまざまなトラブルが起こることがあります。

そこで今回は、虫歯治療後に食事をひかえる理由と注意点について説明します。

歯の構造と虫歯治療の種類

虫歯を治療するイメージ図

虫歯治療と聞くと、虫歯を削って詰めるという印象はありませんか。

実は、虫歯の大きさや深さによって治療方法が異なります。虫歯治療の内容により、治療後における食事の注意点も異なるので、まずは歯の構造と虫歯治療の種類について説明します。

歯の構造

歯は、エナメル質、象牙質(ぞうげしつ)、セメント質の硬い組織と、それに取り込まれた歯髄(しずい)により構成されています。

それぞれの組織の特徴は、以下のとおりです。

エナメル質

歯の表面を覆っている白い部分がエナメル質です。体の組織の中で最も硬く、ダイアモンドと同じくらいの硬さといわれています。

しかし、ミュータンス菌が出す「酸」により、溶けてしまうという弱点があります。

象牙質

象牙質は、エナメル質の下層にある組織です。エナメル質よりも柔らかく、弾性や柔軟性があるため、エナメル質に加わる衝撃をおさえ、歯の破折(はせつ)を防ぐ働きがあります。エナメル質よりも虫歯になりやすいといわれています。

セメント質

セメント質は、歯の根っこの部分の表面を覆っている組織です。歯を支える働きがあります。

歯髄(しずい)

象牙質に囲まれた歯の中心には、歯髄があります。歯髄は、神経と血管から構成され、歯に栄養をあたえ、歯に伝わるさまざまな刺激を認識する働きがあります。

虫歯の種類と治療法

歯科医院の定期検診で「C」と先生が言っているのを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

Cは「Caries(カリエス)」の頭文字のことで、虫歯を意味します。このCに、アルファベットのO(オー)と1~4の数字を加えることで、虫歯の進行状態をあらわすことができるのです。

それぞれの状態がどの程度の虫歯を意味するか、以下に説明します。

CO(シーオー)

エナメル質の一部が少し溶けていますが、歯に穴が開く前の初期虫歯です。この状態では、歯を削るなどの治療は行わず、フッ素を歯の表面にぬり、経過観察をします。

C1(シーワン)

エナメル質が溶けて、歯に穴があいた状態です。この状態では、虫歯を取り、プラスティックで詰める治療を行います。虫歯は深くないので、局所麻酔薬を使用することはほとんどありません。

C2(シーツー)

エナメル質の下層にある象牙質(ぞうげしつ)にまで虫歯が進行した状態です。虫歯を取り、プラスティックの詰め物で治療します。虫歯が大きい場合は、型取りしたあとに詰め物を入れる治療を行うことがあります。治療中に痛みが出ることがあるため、局所麻酔薬を使用することもあるでしょう。

C3(シースリー)

象牙質の下層にある歯髄にまで虫歯が進行した状態で、虫歯の治療に加え、歯髄を取る治療を行います。歯髄を取る治療のことを根管治療(こんかんちりょう)といいますが、根管治療が終了したあとに、歯型を取って被せ物を作成します。

C4(シーフォー)

虫歯がかなり進行し、歯の根っこしか残っていない状態です。この状態では歯を残すことが難しいため抜歯となります。

虫歯の進行具合により虫歯治療の内容が大きく異なることがおわかりいただけたかと思います。

虫歯治療後は食事を控えるべき?

頬に手をあて歯を痛がる人とそれを見ている人

虫歯治療後に、食事を控えたほうがよい場合があります。

しかし、食事を控える理由や注意点は、どのような虫歯治療をしたかによって異なります。

虫歯治療の種類ごとの理由と注意点は、以下のとおりです。

フッ素を歯に塗布した場合

初期の虫歯(CO)では、歯を削らずにフッ素を塗布します。フッ素を塗ったあと、飲食をするとフッ素が流れてしまいます。そのため、フッ素塗布を行ったあとは、30分ほど飲食を控えましょう。

虫歯治療時に麻酔をした場合

C2以上の虫歯では、治療中に痛みが出る可能性があるため、局所麻酔薬を使用します。局所麻酔薬は、使用してから1~2時間ほど効果が持続します。そのため、虫歯治療後、しばらくの間は、お口の中がしびれているでしょう。

この状態で食事をすると、以下のことが起きる可能性があります。

・唇や頬の粘膜を噛んでしまう

・熱いものを食べてヤケドしてしまう

・お口をうまく動かせず、食べ物がお口からこぼれてしまう

お口の中のしびれが取れたあと、食事をしましょう。

虫歯治療で歯に詰め物などした場合

C2やC3の虫歯治療では、被せ物や仮フタなどをする場合があります。これらの治療をしたあとも注意が必要です。

被せ物や詰め物を装着した場合

被せ物や詰め物を装着する際、専用の接着剤を使用します。接着剤の性質にもよりますが、しっかりと固まるまで30分ほどかかります。被せ物や詰め物をしたあとは、30分ほど待ってから食事をしましょう。

仮フタを詰めた場合

虫歯治療が終了し、削った範囲が大きい場合は型取りをし、詰め物を作ることがあります。詰め物が完成するまでの間、歯に仮フタをします。仮フタは、接着力が高くなく取れる場合があるため、ガムやキャラメルなどの歯にくっつきやすく粘着性の高い食べ物は控えましょう。

仮歯を装着した場合

前歯の虫歯治療では、型取りをして歯が入るまで、仮歯を装着する場合があります。仮歯を装着しているあいだ、硬いものを前歯で噛むと、仮歯が割れたり外れたりする場合があるので、前歯で硬い物を噛まないようにしましょう。

根管治療をした場合

C3の虫歯では根管治療を行います。歯の神経を取るので、その刺激で冷たいものがしみることがあります。根管治療後は、冷たいものを食べるのは控えるようにしましょう。

抜歯をした場合

C4の虫歯では抜歯を行います。抜歯後の食事は、歯を抜いた箇所を刺激しないよう、歯を抜いた反対の歯で噛むようにしましょう。また、抜歯した当日は柔らかいものを食べましょう。

虫歯治療後、どれくらい経ったら食事ができる?

頬に手をあて悩んでいる

虫歯治療後は、どれくらい時間が経過したら食事ができるのでしょうか。

治療内容ごとに、以下まとめます。

フッ素を塗布した場合

フッ素塗布をしてから30分ほど待ちましょう。

局所麻酔薬を使用した場合

局所麻酔薬の効果が切れる1~2時間ほど待ってから食事をしましょう。

詰め物などを装着した場合

接着剤が完全に硬化するまで30分ほど待ちましょう。接着剤の種類により、食事までの時間が異なることもあるため、担当医に確認することをおすすめします。

仮フタを装着した場合

治療後すぐに食事をすることができますが、キャラメルなどの歯にくっつきやすい食べ物は避けてください。

根管治療をした場合

治療後すぐに食事をすることができますが、しみる可能性があるので、冷たい食べ物は控えましょう。

どうしてもお腹が空いてしまったら

頬に手を当て歯を痛がる女性

治療後に空腹に耐えられない場合でも、歯科医院で伝えられた時間は食事は我慢しましょう。

どうしてもい我慢できない場合は、治療した歯とは反対側の歯で噛みましょう。また、局所麻酔薬を使用している時はしびれていないほうで噛み、食べ物はうどんやゼリーなど、柔らかく粘着性のないものを食べましょう。

まとめ

ポイントを指さす女性

今回は、虫歯治療後の食事について説明しました。虫歯治療後の食事は、どのような虫歯治療を行なったのかにより異なります。

例えば、詰め物などを入れた場合は、接着剤が固まるまで30分ほど待ってから食事をする必要がありますし、仮フタなど比較的取れやすいものの場合は、キャラメルなどの粘着性のあるものは控えたほうがよいでしょう。また、局所麻酔薬を使用した場合、しびれがあるままで食事をすると、頬の粘膜や唇を噛んで怪我をすることがあります。局所麻酔薬の効果が切れてから食事をしましょう。

虫歯治療後の食事でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。