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入れ歯や差し歯ってどう違うの?

2024年7月24日
入れ歯と差し歯ってどう違うの?

みなさま、こんにちは!

大阪府八尾市で60年以上の歴史を持つ歯科医院、「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」です。当院は、地域に根ざし、患者様一人ひとりの不安や疑問に寄り添い、丁寧な説明と質の高い治療を提供することで、皆様の口腔内の健康をサポートしています。これまで、患者様とのコミュニケーション不足を感じていたことから、このブログを開設いたしました。歯科に関する様々な情報を発信し、患者様との相互理解を深めることを目指しています。ブログでは、歯に関する基本的な知識から、治療に関する疑問点まで、幅広いテーマを取り上げています。専門的な内容も、わかりやすい言葉で丁寧に解説しているので、どなたでも安心して読んでいただけます。また、皆様からのご質問やご意見も大歓迎です。いただいたご意見は、今後のブログ記事の改善や、より良い歯科治療の提供に役立ててまいります。八尾市で歯医者をお探しの方は、ぜひ「もりかわ歯科」にご相談ください。経験豊富な歯科医師とスタッフが、皆様の歯の健康を全力でサポートいたします。

 

「入れ歯と差し歯ってどう違うの?」の質問に全力回答!

今回は、「入れ歯と差し歯ってどう違うの?」などの質問に対して全力でお答えしていきます!

そもそも入れ歯と差し歯とは?

歯が大きく欠けてしまったり、重度の虫歯で歯を失ったりした場合、入れ歯や差し歯による治療が必要になることがあります。放置すると、欠けた部分から細菌が侵入し、悪影響を及ぼす可能性があるためです。では、差し歯と入れ歯にはどのような違いがあるのでしょうか。この記事では、差し歯と入れ歯の違いを解説し、それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。

差し歯と入れ歯はどう違うの?

入れ歯は失った歯を補うための装置

入れ歯は失った歯を補うための装置

入れ歯は、虫歯や歯周病、外傷などで歯を失った際に用いられる治療法です。失われた部分を人工歯で補い、残っている歯を支えにして装着することで、歯があった状態に近づけることができます。入れ歯には、「部分入れ歯」と「総入れ歯」の2種類があります。部分入れ歯は、1本または数本の歯を失った場合に適応され、総入れ歯はすべての歯を失った場合に適応されます。

差し歯は失った歯質を補うための人工歯

差し歯は失った歯質を補うための人工歯

差し歯は、一般的に「被せ物」と呼ばれるものとほぼ同じと考えて良いでしょう。専門的には「クラウン」と呼ばれる補綴物で、重度の虫歯治療などで歯の大部分を失った場合に作られます。差し歯治療を行うためには、少なくとも歯の根っこである歯根が残っている必要があります。歯根を土台として、失われた歯冠部分を補うのが差し歯治療の目的だからです。

それぞれのメリットとデメリットは?

入れ歯のメリット

入れ歯のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

取り外しが簡単で、日々の清掃がしやすい

清潔な状態を保ちやすく、口腔内の衛生管理に役立ちます。

1本から作製可能

失った歯の本数に合わせて、柔軟に対応できます。

保険適用で費用を抑えられる

保険診療の範囲内であれば、経済的な負担を軽減できます。

外科手術が不要

体への負担が少ないため、幅広い年齢層や健康状態の方に適応できます。

入れ歯は、失った歯の機能を回復させる一般的な治療法です。保険適用であれば費用を抑えられますが、自費診療の入れ歯は高額になるものの、より優れた機能性や審美性を備えています。また、外科手術を必要としないため、高齢者や持病のある方など、ほとんどの方に適応可能です。

入れ歯のメリット

入れ歯のデメリット

 

総入れ歯と部分入れ歯のデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

保険適用の部分入れ歯は、金属のバネが目立つ場合がある

入れ歯を固定するための金属バネが、口を開けた際に見えることがあります。

保険適用の総入れ歯は、床部分が厚く熱を感じにくい

食べ物の温度が伝わりにくいため、食事の楽しみが減ってしまうことがあります。

適切なケアをしないと、口臭の原因になる

 毎日丁寧に清掃しないと、入れ歯に汚れや細菌がたまり、口臭を引き起こす可能性があります。

自費診療で作ると費用が高額になる

より高機能な素材や審美性の高い入れ歯を選ぶ場合、費用が高くなることがあります。

 

保険適用の部分入れ歯では、金属のバネを使って固定するため、位置によっては目立つことがあります。また、バネをかける歯は汚れが溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクも高まるため、注意が必要です。保険適用の総入れ歯の場合、床部分が厚いため熱が伝わりにくく、食事の味がわかりにくいと感じる方もいます。入れ歯は毎日清掃することが大切です。手入れを怠ると、口臭の原因となることがあります。

入れ歯のデメリット

差し歯のメリット

差し歯のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

自分の歯を修復できる

 歯の根が残っていれば、それを活かして自然な歯の機能を回復できます。

保険診療の差し歯は比較的安価

保険が適用されるため、費用を抑えて治療を受けられます。

素材によっては、天然歯と変わらない美しさと強度がある: 自費診療では、より自然な見た目で耐久性の高い素材を選ぶことができます。

違和感がほとんどない

自分の歯根に土台をたて歯を修復するため、かみ合わせを改善しやすく、違和感もほとんど感じずに欠損を補うことができます。

外科手術が不要

体への負担が少ないため、幅広い層に適応可能です。

 

差し歯は、自分の歯を修復し、噛み合わせを改善する効果があります。保険診療の場合、費用は比較的抑えられますが、自費診療では天然歯に近い審美性や高い強度など、多くのメリットを得られます。

差し歯のメリット

差し歯のデメリット

差し歯のデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

素材によっては目立ちやすい

保険診療で使用する銀歯やレジンなどは、天然歯と比べて目立つことがあります。

歯の根っこが割れてしまうことがある

差し歯を支える歯根に負担がかかり、割れてしまうリスクがあります。

差し歯が欠けることがある

素材や噛み合わせの状態によっては、差し歯が欠けてしまう可能性があります。

より審美性や耐久性の高い素材を選ぶ場合、費用が高くなることがあります。

保険診療で差し歯を作る場合、銀歯や硬質レジン、CAD/CAM冠などの素材が使用されますが、自費診療のジルコニアなどに比べると、見た目が目立ちやすいことがあります。自費診療の差し歯は審美性と機能性に優れていますが、費用面での負担が大きくなります。

差し歯のデメリット

差し歯は永久的に使えるものではありません。素材によっては欠けることもあり、歯根が割れてしまう可能性もあります。また、残っている歯根が虫歯や歯周病などで痛みを伴う場合は、差し歯を外して再度根管治療が必要になることもあります。

入れ歯と差し歯などを選択するときの注意点

入れ歯や差し歯を選ぶ際は、治療後に後悔しないために、必ず歯科医師と十分に相談してから治療を進めることが大切です。口腔内の骨の状態や歯、歯ぐきの健康状態などから、入れ歯や差し歯が適しているかどうかを歯科医師が診断し、最適な治療法を提案してくれます。提案された補綴物のメリット・デメリット、費用、作製期間、清掃方法、メンテナンスについて詳しく確認しておきましょう。入れ歯と差し歯はどちらも保険診療が適用されますが、高額な自費診療の方が審美性や機能面で優れている場合があります。費用を重視するか、審美性や機能性を重視するか、自分の希望を歯科医師に伝えることも大切です。

歯を抜いた後、入れ歯はどのくらいで入りますか?

歯を抜いた後、入れ歯はどのくらいで入りますか?

歯を抜いた後、失われた歯の機能を補うために、入れ歯を作る必要があります。しかし、抜歯によってできた傷(抜歯窩)が治るには、2ヶ月から3ヶ月ほどかかります。さらに、入れ歯の作製にも最短で2週間から1ヶ月ほどかかるため、その間は歯がない状態になってしまいます。

歯がなくても差し歯はできますか?

差し歯は、歯の根っこで土台を作って義歯を差し込むので、歯の根っこがなければ差し歯はつけられません。 歯の根っこがない場合には、根っこの代わりになるインプラントを入れると、インプラントの上に差し歯ができます。 その他にも、入れ歯やブリッジなどの治療方法もあるので、自分の要望に合った治療方法を選ぶようにしましょう。

入れ歯と差し歯以外で歯を補う方法はあるの?

差し歯は、歯の根っこを土台にして人工の歯を被せるため、歯の根っこが残っていないと装着できません。もし歯の根っこがない場合は、インプラントという人工の歯根を埋め込むことで、その上に差し歯を装着することができます。根っこが残っている場合でも、状況に応じて入れ歯を選択するケースもあります。

差し歯と入れ歯以外の選択肢

差し歯や入れ歯以外にも、欠損した歯を補う治療法として、「インプラント」と「ブリッジ」の2つが挙げられます。それぞれの特徴について簡単に説明させていただきます!

インプラントの特徴

インプラントは、歯を失った部分の顎の骨に金属製の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。基本的には自由診療ですが、外傷や腫瘍などで顎の骨を失った場合や骨移植を行った場合、先天的に歯や顎の骨がない方など、一定の条件を満たせば健康保険が適用されるケースもあります。天然歯に近い感覚で噛むことができ、人工歯の素材によっては見た目も天然歯に近い審美性を保つことができます。

ブリッジの特徴

ブリッジは、橋をかけるように歯をつなぎ合わせて、欠損した部分を補う治療法です。欠損した歯の両隣の健康な歯を削り、土台となる歯冠を装着し、その上に人工歯を固定します。ただし、土台となる歯の歯根がひび割れたり、ぐらついたりしているなど、しっかりしていない場合は、ブリッジを装着することができません。

インプラントとブリッジ関しては、当院のブログで紹介しております「インプラント治療っていったい何?」「歯のブリッジって何?」もご覧ください!

まとめ

いかがだったでしょうか?義歯とは、様々な理由で歯を失った際に、その機能を補うために人工的に作られた歯の総称です。義歯と入れ歯は、広い意味では同じものを指しますが、厳密には義歯の種類の一つとして、入れ歯・インプラント・ブリッジがあります。どの種類の義歯を選ぶべきか迷った場合は、専門家である歯科医師に相談しましょう。疑問や不安な点があれば、遠慮なく質問することが大切です。

また、もりかわ歯科では、インプラント治療や自費の入れ歯治療に力を入れて対応しており、患者様ひとりひとりに合わせて治療計画をご提案しています。

毎日の歯磨きから、「歯並びも気になってきた」と思っている方、もりかわ歯科はマウスピース矯正にも力を入れております!矯正に少しでも興味のある方はお気軽にご相談ください。

矯正無料相談
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詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページも併せてご覧ください。

 

大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科では日々の診療で患者さまとの対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を行っております。

歯に関する心配事がございましたらいつでももりかわ歯科へお越しください。

 歯のブリッジって何?

2024年2月21日
歯のブリッジって何

こんにちは。大阪府八尾市の歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯科医や診療所のスタッフにとっては当たり前の知識でも、患者さんは歯の専門家ではありません。そのため、様々な疑問や不安を抱くのは当然です。

私たちは、患者さんが歯やそれに関連する体のことについて、納得して治療を受けられることが大切だと考えています。

診療中にすべての疑問にお答えできれば一番なのですが、時間をかけて詳しく説明することは難しい場合もあります。

そこで、通常の診療でよく寄せられる質問に対して、当院のブログで順次お答えしていくことにしました。

このブログを通じて、患者さんが歯医者さんに対して抱く疑問や不安を解消できるよう、少しでもお手伝いできればと願っています。

ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

「歯のブリッジって何?」の質問に全力回答!

今回は、歯のブリッジって?ブリッジってどんな物?などの質問に対して全力でお答えしていきます!

歯のブリッジって何?

歯のブリッジって何?ブリッジの図解

歯を失った時に、両隣の健康な歯を支えにして人工歯を装着する治療法です。取り外しの必要がなく、見た目も自然で、健康な歯と近い噛み心地が得られます。

入れ歯や被せ物とどう違うの?

歯のブリッジ、入れ歯、および被せ物は、いずれも歯科治療で使用される異なる種類の歯の補綴物です。それぞれの違いについて簡単に説明します。

ブリッジ(歯橋)

特徴

ブリッジは、欠損した歯の隣の健康な歯(またはインプラント)に支えられる人工の歯です。

取り外し

通常は取り外しできません。歯科医師がセメントなどの強力な接着剤を使用して歯に固定します。

適応

隣接する歯が強固で十分な場合に使用されます。

入れ歯(部分入れ歯や完全入れ歯)

特徴

入れ歯は、欠損した歯を置き換えるために取り外し可能なプロセスで製作された歯の補綴物です。

取り外し

患者が自分で取り外しできることが一般的です。

適応

多くの欠損歯の補綴や、歯のない場合に使用されます。

被せ物(クラウン)

特徴

被せ物は、単一の歯を覆うためのカスタムメイドのキャップです。欠損した歯に装着され、形状や機能を回復します。

取り外し

通常は取り外しできません。永久的に歯にセメントまたは他の強力な接着剤で固定されます。

適応

一つまたは複数の歯を修復する際に使用されます。

 

これらの歯の補綴物は、患者の具体的な状態や治療の必要性によって選択されます。歯科医師が患者と協力して、最適な治療計画を策定することが重要です。

ブリッジは何年くらい持ちますか?

ブリッジは、失った歯の代わりに隣の健康な歯を利用して架ける“歯の架け橋”。一般的には7~8年と言われています。しかし、それはあくまでも目安。虫歯や歯周病、噛み合わせなど、様々な要因によって大きく左右されます。

ブリッジを長持ちさせる方法は?

大切なのは、あなただけの“橋”を丁寧にケアすること。

  • 毎日の歯磨き:歯ブラシとデンタルフロスで、ブリッジと歯の間もしっかり清掃しましょう。
  • 定期検診:歯科医院で定期的に検診を受け、虫歯や歯周病の早期発見・早期治療を。
  • 適切なケア:歯科医師から指導された適切なケアを毎日行いましょう。

もしブリッジが使えなくなったら?

ブリッジが使えなくなっても、再治療は可能です。しかし、失った歯の状況によっては、インプラントなどの他の治療法が必要になる場合もあります。

治療を受ける前に

治療を受ける前に、歯科医師と以下の点をしっかり相談しましょう。

  • メンテナンス方法:日々のケア方法や定期検診の頻度など、あなたに合ったメンテナンス方法を相談しましょう。
  • 長期的な治療計画:ブリッジが将来的にどうなっていくのか、長期的な視野で治療計画を立てましょう。

あなただけの“歯の架け橋”を大切に

ブリッジは、あなたの歯の健康を支える大切な存在です。正しいケアと定期検診で、あなただけの“橋”を長持ちさせましょう。

ブリッジ治療の流れってどんな感じ?

抜けた歯を補うため、ブリッジを作ります

ブリッジ治療は、失った歯を両隣の健康な歯で支える治療法です。奥歯のブリッジ治療の流れを、分かりやすく解説します!

1. 土台となる歯を準備

ブリッジを作るために、両隣の歯を削り、土台を作ります。土台となる歯は、今まで以上に大きな負担を担うことになるため、慎重な検査が必要です。

土台となる歯を準備

2.ブリッジの土台を作ります

※注意

土台になる歯は今まで以上に歯に負荷がかかるため、この治療が適さない場合があります。

ブリッジの土台を作ります

3. 精密な型取りと咬み合わせの記録

削った歯と咬み合わせを精密に型取りし、記録します。この型をもとに、ぴったりフィットするブリッジを作製します。

精密な型取りと咬み合わせの記録

4.仮歯で快適な状態を維持

型取りまでの間、仮歯を装着することで、歯の移動や咬み合わせの変化を防ぎ、快適な状態を維持します。

仮歯で快適な状態を維持

5.あなただけのブリッジを設計・製作

型から模型を作製し、咬合器と呼ばれる精密な機械で咬み合わせを再現します。歯科医師と技工士が連携し、あなただけのブリッジを設計・製作します。

あなただけのブリッジを設計・製作

6.ブリッジを設計します

模型を器械に装着し、実際の咬み合わせを忠実に再現します。

ブリッジを設計します

7.素材を選んで、ぴったりフィットさせる

ブリッジの素材は、金属、セラミック、プラスチックなど、それぞれメリットとデメリットがあります。歯科医師と相談しながら、最適な素材を選びましょう。

素材を選んで、ぴったりフィットさせる

金属、セラミック、プラスチックなどの素材から最適な物を選びます。

8.最終調整で快適な咬み合わせを実現

完成したブリッジを装着し、咬み合わせや形態を丁寧に調整します。違和感がないか、しっかりと確認を行います。

最終調整で快適な咬み合わせを実現

歯のブリッジ治療は何日かかる?

歯のブリッジは最短で治療回数は2回、約1~2週間の治療で終わります。 1回目は歯を削って型を取ります。 2回目にブリッジを装着します。 インプラントの場合は最低5回、期間は3か月以上かかります。

 

ブリッジの費用はいくら?

ブリッジは1本いくら?

ブリッジ治療には保険と自費の選択肢があります。

それぞれ費用相場に違いがあります。

保険適用と自費の違い

保険適用内のブリッジは、欠損歯1本あたり2万円~3万円と費用を抑えられます。機能的な回復を重視する方におすすめです。

 

一方、自費治療では、審美性に優れたセラミック素材を使用するため、5万円~15万円と高くなります。自然な白さを追求し、美しい笑顔を手に入れたい方におすすめです。

素材別費用目安

ハイブリッドセラミック:5万円~8万円

メタルボンド:8万円~10万円

オールセラミック:12万円~15万円

その他費用

診察・診断:治療費に含まれることが多い

メンテナンス:1回あたり約1,000円~3,000円

自分にぴったりの治療を見つけよう

 

費用だけでなく、治療期間や耐久性、審美性など、様々な要素を考慮して、最適な治療方法を選びましょう。

歯科医院選びのポイント

費用体系が明確

患者とのコミュニケーションを大切にしている

豊富な経験と実績がある

複数の歯科医院を比較検討し、納得できる治療を受けましょう。

歯のブリッジのメリット・デメリットは?

歯を失った時に選択肢となる治療法の一つ、ブリッジ治療。ブリッジは、失った歯の両隣の歯を支えとして人工歯を固定する方法です。保険適用範囲が広く、費用を抑えながらもしっかり噛める機能性と自然な見た目を取り戻せる治療法として人気です。

ブリッジ治療のメリット

  • 保険適用で経済的:治療費が比較的安価で、経済的な負担を抑えられます。
  • しっかり噛める:天然歯に近い噛み心地を実現し、食事の楽しみを取り戻せます。
  • 異物感が少ない:取り外しの必要がなく、違和感が少ない快適な装着感です。
  • お手入れ簡単:取り外して洗浄する必要がなく、通常の歯磨きで簡単にお手入れできます。
  • 治療期間が短い:他の治療法と比べて治療期間が短く、短期間で歯を補えます。
  • 多くの歯科医院で対応可能:多くの歯科医院で治療を受けることができます。
  • 食べ物の温度を感じられる:入れ歯と異なり、床がないため、食べ物の冷たさや熱さを感じられます。

ブリッジ治療のデメリット

  • 両隣の歯を削る:支えとなる両隣の歯を削る必要があり、健康な歯を傷つける可能性があります。
  • 支える歯への負担:ブリッジ全体で噛む力を支えるため、支える歯に負担がかかります。
  • 適用範囲が限られる:両隣に健康な歯がない場合は治療ができない場合があります。
  • 定期的なクリーニングが必要:自分では清掃できない部分があるため、歯科医院で定期的なクリーニングが必要です。
  • 部分的な修理が難しい:ブリッジの一部に問題が発生した場合、全体を作り直す必要が生じる場合があります。

ブリッジ治療がおすすめの方

費用を抑えながらしっかり噛める治療法を求めている方

取り外しの必要がなく、自然な見た目と装着感を求めている方

治療期間を短くしたい方

ブリッジ治療は、メリットとデメリットを理解した上で、歯科医師と相談しながら自分に合った治療法を選択することが大切です。

歯をブリッジしないで放置するとどうなる?

ブリッジが出来ない場合は入れ歯かインプラントでの処置になります。 何もしないで歯がないまま放置すると、相手の歯が伸びて来てしまったり、歯が傾いたり、噛み合わせが悪くなってお顔が歪んだり、良くない現象が色々と起きてきます。 何年かして、治療しようとしても何の処置も出来ない、きれいにできない、などという状況に陥ります。

歯をブリッジしないで放置するとどうなる?

歯が何本あればブリッジができる?

ブリッジにするには両隣の歯が健康であることが条件で、失った歯が1~3本までが使用の目安となります。 固定式のため、装着による違和感が少なく、見た目も自然で、健康なときの歯と同程度にかむ力が保たれます。

歯のブリッジは外せますか?

歯のブリッジは通常、歯科医師によって取り外すことができますが、自分で簡単に外すことは難しいです。ブリッジは通常、歯科用セメントや他の強力な接着材を使用して歯に固定されています。ブリッジの外し方は、歯科医師が専門的な道具や技術を用いて行う必要があります。

ブリッジを取り外す主な理由

修理や交換が必要な場合、周囲の歯や歯ぐきの健康状態を確認するための歯科検査、他の治療を行う際にブリッジを一時的に外す必要がある場合などが挙げられます。

歯を傷つけたり、ブリッジ自体を損傷させる可能性があるため、ブリッジの取り外しには歯科医師の専門知識と注意が必要であり、自分で行うことはお勧めできません。必要な場合は、歯科医師に相談し、適切な処置を受けることが重要です。

ブリッジの利点は、取り外しがないために違和感が少なく、治療自体がシンプルであることです。

ブリッジができない例はある?

ブリッジ治療は、失った歯の両隣の歯を支えにして人工歯を装着する方法です。しかし、この治療法を選択するには、いくつかの条件を満たす必要があります。

1. 両隣の歯の健康状態

ブリッジ治療は、両隣の歯を土台として人工歯を支えるため、これらの歯が健康で丈夫であることが必須条件です。具体的には、以下の条件を満たす必要があります。

  • 虫歯や歯周病がない
  • 十分な強度があり、しっかりと噛むことができる
  • 歯並びが整っている

もし、両隣の歯に問題がある場合は、まずそれらの治療を完了する必要があります。虫歯や歯周病が進行していたり、歯が弱っていたりする場合、ブリッジを支えることができず、治療が失敗する可能性があります。

2. 一番奥の歯の場合

一番奥の歯を失った場合は、ブリッジ治療を選択することができません。これは、一番奥の歯には両隣の歯が存在しないため、ブリッジを支える土台がないからです。

3. 土台となる歯の状態

土台となる歯がぐらぐらしていたり、虫歯で根がわずかしか残っていない場合も、ブリッジ治療は難しいです。

  • 歯がぐらぐらしている場合:ブリッジを支える力が弱くなり、脱落や破損のリスクが高くなります。
  • 虫歯で根がわずかしか残っていない場合:土台となる歯の強度が不足し、ブリッジを支えることができません。

これらの状況では、インプラント治療や入れ歯などの他の治療法を検討する必要があります。

ブリッジ治療を選択する前に

ブリッジ治療は、失った歯を補う有効な方法ですが、上記のようにいくつかの条件を満たす必要があります。治療を受ける前に、歯科医師に相談し、自身の口腔状況に適した治療法を選択することが重要です。

自分でできるブリッジのメンテナンス方法は?

ご自身でのケア方法や、定期メンテナンスの頻度などについては、歯科医院にご相談ください。歯科医師や歯科衛生士が、あなたの口腔状態に合わせたアドバイスをさせていただきます。

ブリッジを長持ちさせるためには、歯科医院での定期メンテナンスとご自宅でのセルフケアを組み合わせることが大切です。

ブリッジの歯の洗い方は?

歯ブラシを使う方法

ポンティックや被せ物と歯茎の間は、磨き残しができやすい要注意ポイント!汚れが溜まるとむし歯や歯周病のリスクを高めてしまいます。

ポイント
  • 毛先を歯肉側に45度傾ける
  • 軽い力で歯を1本ずつ磨くイメージで細かく動かす
  • 大きく動かさない
  • ポンティックや被せ物の表面も丁寧に磨く
磨き方
  1. 歯ブラシの毛先を歯肉側に45度傾けます。
  2. 軽い力で歯を1本ずつ磨くイメージで、小刻みに動かします。
  3. 大きく動かさずに、歯茎に負担をかけないように注意しましょう。
  4. ポンティックや被せ物の表面も、忘れずに丁寧に磨きます。
補足
  • 歯ブラシは、柔らかめの毛先のものを使用することをおすすめします。
  • 歯磨き粉は、フッ素配合のものを使用すると効果的です。
  • 1日2回、朝晩の歯磨きを習慣化しましょう。

スーパーフロスを使う方法

ブリッジの清掃は、通常のフロスでは届かない部分が多く、汚れが溜まりやすいのが難点です。そこで役立つのが、ブリッジ専用のフロス「スーパーフロス」です。

スーパーフロスは、先端が固く加工されているので、ブリッジの間をスムーズに通すことができます。また、中央部分がスポンジ状になっているので、ポンティックと歯茎の間の汚れをしっかりキャッチしてくれます。

使い方
  1. スーパーフロスの先端を、ポンティックの脇下に通します。
  2. スポンジ部分が真ん中にくるようにし、ポンティックと歯茎の間を2~3回往復させます。
  3. 最後に、横から引き抜いてください。
ポイント
  • 使用後は、フロスに付いた汚れを拭き取ってから、別の部分に使用してください。
  • スーパーフロスは、歯科医院やドラッグストアで購入できます。
補足
  • 初めてスーパーフロスを使用する場合は、歯科医院で使い方を指導してもらうことをおすすめします。
  • スーパーフロスを使用する際は、無理に力を入れず、優しく動かしてください。

スーパーフロスを正しく使用することで、ブリッジを清潔に保ち、むし歯や歯周病を予防することができます。

さらに効果的な清掃方法
  • スーパーフロスに加えて、歯間ブラシを使用すると、より効果的に汚れを除去することができます。
  • 歯磨き粉は、フッ素配合のものを使用すると、むし歯予防に効果的です。
  • 1日1回、夜間の歯磨きにスーパーフロスを使用することをおすすめします。

これらのポイントを参考に、ブリッジを清潔に保ち、健康な口腔環境を維持しましょう!

歯間ブラシを使う方法

ポンティック下の汚れをすっきり!歯間ブラシの正しい使い方

ポンティック(人工の歯)の下は、歯ブラシだけでは磨ききれないため、食べかすや歯垢が溜まりやすく、むし歯や歯周病のリスクを高めてしまいます。

そこで今回は、ポンティック下の汚れを効果的に落とす歯間ブラシの使い方をご紹介します。

ポイント
  • 歯間に合ったサイズの歯間ブラシを選ぶ
  • 軽い力で、前後に小刻みに動かす
  • 無理に押し込めない
  • ポンティックの表面も丁寧に磨く
使い方
  1. 歯間に合ったサイズの歯間ブラシを選びます。
  2. 歯間ブラシを歯と歯の間に斜め45度くらいの角度で挿入します。
  3. 軽い力で、前後に小刻みに動かします。
  4. 無理に押し込まず、歯間ブラシがスムーズに動く範囲で清掃しましょう。
  5. ポンティックの表面も、忘れずに丁寧に磨きます。
補足
  • 歯間ブラシは、1日1回、就寝前の歯磨き後に使用するのがおすすめです。
  • 最初は、歯科医院で自分に合った歯間ブラシのサイズと使い方を指導してもらうと良いでしょう。
  • 歯間ブラシを使用する際は、歯茎を傷つけないように注意しましょう。

最終調整で快適な噛み合わせを実現

ブリッジ治療をお考えの方はもりかわ歯科に相談ください

ブリッジ治療に興味のある方、または過去に治療したブリッジ部分が壊れたり外れたりしている方はまず、もりかわ歯科に相談してください。

どんな状態でもお困りの場合はまずは歯医者に相談することが大切です。

決して自己判断で間違った処置をしないでください。

歯は大切です。

80歳で20本の歯を残すためには歯医者による定期的なメンテナンスがとても重要です。

もりかわ歯科のスタッフが全力でサポートいたします。

 

もりかわ歯科のブリッジ治療については当院ホームページにある「ブリッジ治療」ページをご覧ください。

まとめ

いかがだったでしょうか?

ブリッジ治療という言葉は聞いたことがある方も多いと思いますが、実際に入れ歯や被せ物とどう違うのか、機能面では何が違うのか、また、費用面や治療にかかる期間、メンテナンスの方法など、このブログを読んで少しでも理解を深めていただければ幸いです。

 

大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科では日々の診療で患者さまとの対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を行っております。

歯に関する心配事がございましたらいつでも大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科へお越しください。

 

審美歯科にご興味のある方、歯列矯正をお考えの方も当院では矯正無料相談を実施していますので、お気軽にお問い合わせください。

もりかわ歯科の矯正無料相談はこちら

詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページも併せてご覧ください。

虫歯治療にかかる費用はどれくらい?治療法ごとに解説!

2023年10月6日
指でOKを作って笑う女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

虫歯は長期的な治療が必要になるケースもあるため、治療にかかる費用が気になる方も多いのではないでしょうか。虫歯を放置すると歯を失う原因にもなるため、早い段階で治療を受けることが大切です。初期の段階で治療できれば、治療にかかる期間が短くなり、費用も抑えることができます。

今回は、虫歯治療にかかる費用について詳しく解説します。費用に影響を与える要因や保険適用、虫歯治療の重要性についても解説するので、虫歯治療の費用が気になっている方は、ぜひ参考にしてください。

虫歯治療にかかる費用

机に置かれたノートとペンと電卓

虫歯治療にかかる費用は、進行度や治療法によって異なります。虫歯が重度になるほど体に負担がかかる治療が必要になり、費用も高額になるのが一般的です。

虫歯治療にかかる費用を、進行度と治療法ごとに解説します。

進行度ごとの虫歯の治療費用

虫歯の状態によって、治療にかかる費用は異なります。進行度ごとの虫歯の治療費用は、以下のとおりです。

初診

虫歯治療に限らず、歯科医院を初めて受診したときは初診料が発生します。初診料を含め、虫歯治療の初診にかかる費用は、保険適用3割負担で3,000~4,000円程度が目安です。

初診では、口内の状態を把握するために歯科医師による診察やレントゲン撮影などの検査を行うでしょう。初診時に虫歯治療をする場合は、上記の費用に治療費が加算されます。

初期の虫歯

初期の虫歯治療にかかる費用は、保険適用3割負担で1,500~3,000円程度です。初期の虫歯は、歯の表面のエナメル質が溶かされた状態で痛みはありません。

虫歯の部分を削り、レジンという詰め物をして治療は完了です。初期の虫歯であれば、1回で治療が終わるケースが多いでしょう。

中等度の虫歯

中等度の虫歯治療にかかる費用は、保険適用3割負担で2,000~10,000円程度です。

中等度の虫歯とは、エナメル質の下にある象牙質まで進行した虫歯のことです。象牙質の下には神経があるため、冷たいものや甘いものがしみる場合があります。

歯を深く削る必要があるため、レジンでは対応できない場合も多いです。詰め物や被せ物の製作が必要になり、2~3回程度の通院が必要になるでしょう。

神経まで達した虫歯

歯髄(神経)まで達した虫歯の治療にかかる費用は、保険適用3割負担で7,000~20,000円程です。虫歯が神経まで達すると、強い痛みを感じるようになります。

この段階の虫歯では、神経を取り除く根管治療を行います。根幹治療をしっかりと行えば、自分の歯を残すことができるでしょう。治療期間は2~6か月と長く、費用も高くなります。

抜歯が必要な虫歯

抜歯が必要な虫歯の治療にかかる費用は、保険適用3割負担で3,000~7,000円程度です。歯の大部分が溶けてなくなり、神経が壊死するので痛みは感じません。

周囲の歯や歯の周りの組織への悪影響を防ぐため、抜歯します。抜歯したあとは、天然歯の代わりになる入れ歯やブリッジ、インプラント治療を行います。上記の費用に加えて、選択した治療法の費用が追加でかかるでしょう。

治療法ごとの虫歯の治療費用

虫歯治療では、選択する治療法によっても費用が変動します。それぞれに保険適用と自費診療のものがあるため、それぞれの特徴を理解して治療法を選択することが大切です。

治療法ごとの虫歯の治療費用について解説します。

詰め物(インレー)

歯を小さく削った場合、詰め物をして補います。詰め物の費用は、以下のとおりです。

・保険診療の詰め物の費用

金属やコンポジットレジンというプラスチック素材を使用した詰め物です。費用は4,000~6,000円程度でしょう。

レジンは歯の色に近い詰め物なので見た目がよいですが、金属の場合は見た目を気にする方もいます。

・自費診療の詰め物の費用

ゴールドインレーという金属の詰め物や、ジルコニア製、セラミック製の詰め物があります。費用は50,000~70,000円程度です。

ゴールドインレーは金属なので見た目はよくありませんが、強度が高く二次虫歯になりにくいメリットがあります。ジルコニアインレー、セラミックインレーは天然歯に近い審美性をもつ詰め物です。

被せ物(クラウン)

虫歯で歯を広範囲に削ったときは、歯の形をした被せ物を使用して治療を行います。被せ物の費用は、以下のとおりです。

・保険診療の被せ物の費用

金属やレジンを使用した被せ物です。費用は10,000~12,000円程度でしょう。

レジンは白いプラスチック製で見た目はよいですが、経年変化で色が悪くなり、着色やにおいが付きやすいというデメリットがあります。

・自費診療の被せ物の費用

自費診療の被せ物には、ゴールドクラウン、メタルボンド、オールセラミッククラウンなど、さまざまな種類があります。費用は60,000~130,000円程度です。

天然歯のような透明感があり、汚れが付着しにくいため二次的な虫歯になりにくいです。審美性や機能性に優れているといえます。

入れ歯

入れ歯とは、失った歯を補うための人工歯です。ご自身の歯が残っている場合は部分入れ歯、すべての歯を失った場合は総入れ歯を使用します。費用の目安は、以下のとおりです。

・保険適用の入れ歯の費用

保険適用の入れ歯の費用の相場は、部分入れ歯の場合5,000~20,000円、総入れ歯の場合10,000〜16,000円程度です。

保険適用の入れ歯は人工歯・床(歯茎の部分)ともに、レジンというプラスチックで作製されます。金具が目立つ、異物感がある、噛む力が低下するなどのデメリットがありますが、費用を抑えられます。

・自費診療の入れ歯の費用

自費診療の入れ歯の相場は、部分入れ歯の場合100,000~600,000円、総入れ歯の場合150,000~500,000円程度です。材料に制限がないため、金属やシリコンなど使用される素材はさまざまです。

自費診療の入れ歯は高額ですが性能がよく、金属の留め金がない、装着感がよい、審美性が高いなどのメリットがあります。

ブリッジ

ブリッジとは、失った歯の本数が少ない場合に用いられる治療法です。失った歯の両隣の天然歯を削って土台を作り、橋を架けるように人工歯を被せます。違和感が少なく、自分の歯のように噛むことができます。

費用の目安は、以下のとおりです。

・保険診療のブリッジの費用

保険適用のブリッジの相場は、1本あたり10,000~20,000円程度です。保険診療のルールを適用してブリッジ治療をすると、前歯から犬歯までには硬質レジンというプラスチック、それより奥の歯には金属を使用します。

レジンは白く見た目がよいですが、着色や汚れが付きやすいことがデメリットです。

・自費診療のブリッジの費用

自費診療では、ゴールドやジルコニア、オールセラミックなどの素材を選択できます。費用は1本あたり50,000~150,000円程度が目安です。

自費診療のブリッジは、色調を自分の歯に合わせて細かく調節でき、変色しにくいことが特徴です。強度があり、傷がつきにくい、二次虫歯になりにくいなどのメリットがあります。

インプラント

インプラントは基本的に自由診療で、1本あたり300,000~400,000円程度の費用がかかります。インプラントでも保険が適用になるケースもありますが、虫歯や歯周病で歯を失った場合には適用されません。

虫歯治療の費用に影響を与える要因

顎に手を当てて考える女性

虫歯治療の費用に影響を与える要因は、以下のとおりです。

虫歯の進行度

一般的に虫歯治療にかかる費用は、虫歯が進行すればするほど高額になります。初期の虫歯であれば歯の表面を削り、詰め物をするだけで治療は完了します。状態によっては、丁寧な歯磨きやフッ素塗布で再石灰化を促すだけで改善することもあるでしょう。

しかし、進行した虫歯の治療では歯を大きく削る、神経を抜く、抜歯をするなどの処置が必要になります。ブリッジや入れ歯、インプラントなど、失った歯を補うための治療に費用がかかるでしょう。重度の虫歯では治療期間が長くなるため通院回数が増え、その分費用が増加します。

費用を抑えるためにも、初期の段階で治療を行うことが大切です。

保険診療・自由診療の選択

詰め物や被せ物、ブリッジ、入れ歯が必要になった場合、保険診療か自由診療を選択することになります。保険診療と自費診療それぞれの特徴は、以下のとおりです。

保険診療

保険が適用されるため、費用の負担が少ないことが大きなメリットです。使用できる材料が金属やプラスチックに限られているため、機能性や審美性に欠けるデメリットがあります。

自由診療

自由診療は材料に制限がないため、費用が高額です。歯科医院によって費用が異なるため、同じ素材でも費用に幅があります。

質の高い材料を使用できるため、機能性・審美性・使用感に優れているのが特徴です。

虫歯治療は保険が適用される?

資料を見ながら電卓を叩く女性医師

虫歯治療は基本的に保険が適用されます。治療内容が同じであれば、どの歯科医院で治療を受けても費用は同じです。処置内容ごとに決められた点数をもとに1点10円として計算し、その金額の1~3割が窓口での負担金額となります。

ただし、機能性・審美性に優れた材料や高度な治療を必要とする場合は自費診療になります。治療費は全額自己負担しなければなりません。

虫歯治療の重要性

青い机に書かれたプラスマークを虫眼鏡で拡大する

生涯健康に過ごすためには、虫歯治療が非常に重要です。80歳までに自分の歯を20本以上残せば、生涯食事をおいしく摂ることができ、全身の健康にもつながるといわれています。

虫歯治療が重要な理由を解説します。

痛みが強くなる

虫歯が象牙質まで達すると、痛みを感じるようになるでしょう。さらに進行すれば、歯の神経にまで虫歯が到達し眠れないほどの強い痛みが現れます。さらに重症化すると、神経が通る根管中で細菌が増殖し、根幹の先にある骨にも炎症が及ぶ可能性があるのです。

顎の骨の骨髄に炎症が広がると、歯髄炎という状態になり、顎の痛みやリンパ節の腫れ、お顔の腫れを伴うこともあります。

大がかりな治療が必要になる

虫歯は、放置すればするほど身体に負担がかかる治療が必要になります。軽度の虫歯では、歯の表面を削って詰め物をするだけで治療は終了になりますが、重度の虫歯ではそうはいきません。

虫歯が進行すれば歯を深く削り、神経を抜く治療や抜歯、失った歯を補うための治療が必要になります。治療回数が増え治療期間が長くなり、費用の負担も大きくなるでしょう。

歯の寿命が短くなる

虫歯が神経に及んだ状態を放置すると、神経が死んで歯が黒く変色して見た目が悪くなります。神経のない歯は脆くなりますが、痛みなどの症状に気付きにくいため、歯の寿命が10年ほど短くなるといわれています。

命にかかわる状態になる

虫歯が進行すると、細菌が歯の内部の血管に入り込んで敗血症を発症するかもしれません。細菌が血流に乗って全身を巡り、多臓器不全という状態に陥ると、命に関わるケースもあるのです。

まとめ

歯科医院で治療を受ける女性患者

虫歯治療にかかる費用は、虫歯が進行すればするほど高くなります。重度の虫歯では、歯を補うための被せ物やブリッジ、入れ歯などが必要になり、その分費用がかかるでしょう。保険診療と自由診療、どちらを選択するかによっても費用が大きく異なるため、歯科医師と相談して選択することが大切です。

虫歯は、自然によくなることはありません。放置すると進行して痛みや腫れが強くなり、歯が溶けて失われます。口内だけでなく全身にも影響を及ぼすため、虫歯がある方は早めに歯科医師の診察を受け、治療を開始しましょう。

虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

虫歯を放置するとどうなる?リスクと予防法を詳しく解説!

2023年5月11日
歯が痛くて手でおさえている女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「歯医者が苦手で、虫歯を放置している」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。痛みもなく日常生活に支障がない場合、ついあとまわしにする方も少なくありません。虫歯は放置したままで問題ないのか、虫歯に心あたりがある方なら気になると思います。

本記事では、虫歯を放置するリスクについて、治療法や治療費用・治療期間、虫歯の予防法などを解説します。

虫歯の原因と進行の仕組み

「虫歯はどうしてできるのか」「虫歯はどのように進行するのか」疑問に思われている方も多いでしょう。虫歯の原因と進行の仕組みは、以下のとおりです。

虫歯の原因

虫歯は、以下の4つの条件が重なったときにできるといわれています。

・歯の質

・微生物

・糖質

・時間

以下、それぞれ解説します。

歯の質

歯の質とは、もともとの歯の質や唾液・歯並びのことです。

歯の質や唾液・歯並びは、個人差がでやすいです。もともとの歯の質が弱い方は、歯が酸の影響を受けやすく溶けてしまうので、虫歯リスクが高い口内環境にあります。乳歯や生えたばかりの永久歯は歯の質が弱いので、特に注意が必要です。

また、唾液には酸を中和する働きや、酸の影響で溶け出した歯を修復する働きがあります。唾液の分泌が多い方は、少ない方と比較して虫歯になりにくいといえるでしょう。

微生物

微生物とは、虫歯の原因となる細菌のことです。

虫歯の細菌は、糖を栄養源にして増殖し、歯を溶かす原因となる酸を作り出します。口内に多くの細菌が生息するほど多くの酸が作られるので、歯の表面が酸性に傾きやすいといえるでしょう。

歯の表面の酸性度が高くなると、歯は溶けてしまいます。

糖質

糖質とは、食べ物に含まれる糖分のことです。

糖分は、虫歯菌が増殖するためのエサとなり、酸を作る原因になります。甘いものをよく食べる方や間食が多い方は、糖分を多く摂取している可能性が高いので、口の中の虫歯菌が増殖しやすい環境にあるといえるでしょう。

時間

時間とは、歯が酸に触れている時間のことです。

歯が溶けてしまう原因は、虫歯菌が作る酸です。歯の表面で酸が作られていても、歯に触れる時間が短時間であれば問題ありません。

しかし、磨き残しがある場合やブラッシングをおこたった場合、長時間にわたり歯の表面に酸が触れ、歯が溶け出してしまいます。ダラダラと食べることが習慣化している方も、歯が酸に触れる時間が長くなるため注意が必要です。

虫歯の進行の仕組み

虫歯の進行は大きくCO・C1・C2・C3・C4の5段階に分類されます。数字が大きくなるほど虫歯が進行している状態で治療回数も多くなります。

進行度別の歯の状態や症状は、以下のとおりです。

CO

COは、治療する段階ではない初期の虫歯がみられる状態です。「要観察歯」ともいわれます。

歯の表面が虫歯菌の出す酸の影響で溶けて、白くにごったようにみえるのが特徴です。穴もあいておらず、自覚症状もないので気がつかない場合が多いでしょう。

COの段階では「ブラッシングをしっかりする」「歯科医院でフッ素塗布する」などの適切な対処を行うと、再石灰化作用で歯を健康な状態に改善できます。

C1

C1は、虫歯が歯の表面のエナメル質まで進行している状態です。

痛みはなく、歯の表面が薄茶色や黒っぽく変色して穴があいている場合が多いです。歯科医師が状態を確認して定期的に様子を見るか、虫歯を削って治療するか判断します。

C2

C2は、エナメル質よりさらに内側にある象牙質にまで虫歯が進行した状態です。

虫歯の部分が黒く、変色して穴があき、口臭がでる場合もあるでしょう。

象牙質はエナメル質と比較して、歯の質が柔らかいので虫歯が急速に進行することも少なくありません。また、象牙質には神経がとおっているので、痛む・冷たいものがしみるなどの自覚症状がみられます。

C2まで虫歯が進行すると虫歯治療が必要です。

C3

C3は、虫歯が象牙質から歯の神経部分まで到達した状態です。

大きな穴があき、激しい痛みをともなうため、多くの方が虫歯だと自覚する段階です。冷たいものやあたたかいものがしみるのはもちろん、何もしなくても歯がズキズキと痛む場合が多いでしょう。

C3まで進行した虫歯は、歯の神経の処置を行う必要があり、治療回数も多くなります。

C4

C4は、虫歯が神経まで到達し、歯が崩壊して根の部分のみ残っている状態です。

歯が大きく欠けた状態で、激しい痛みをともないますが、虫歯菌によって歯の神経が機能を失うと痛みを感じなくなります。

C4まで進行した虫歯は、C3と同様に歯の神経の処置を行います。虫歯によって歯がほとんど残っていない場合や予後が悪いと判断された場合は、抜歯処置が必要になるでしょう。

虫歯を放置するとどのようなリスクがある?

頬を手に当て歯を気にしている男性

虫歯を放置するとさまざまなリスクが生じます。

虫歯を放置すると生じる3つのリスクは、以下のとおりです。

・歯の神経を失う

・歯そのものを失う

・炎症性の疾患を引き起こす

以下、それぞれ解説します。

歯の神経を失う

虫歯を放置し続けると、虫歯は神経まで到達します。神経を刺激するので痛む・冷たいものやあたたかいものがしみるなどのリスクも生じるでしょう。

神経まで虫歯が達した場合、神経を取りのぞく処置が必要です。

ただし、神経には歯に栄養をあたえる働きもあるため、神経を失った歯は枯れ木のようにもろくなります。歯が割れるリスクや歯の根が細菌感染を引き起こすリスクが高く、歯の寿命も短くなりやすいです。また、神経まで虫歯が到達すると治療回数も多くなり、通院の負担が大きくなります。

歯の寿命を守り、通院の負担を減らすためにも、虫歯が疑わしい部分がある場合は早めに歯科医院を受診するとよいでしょう。

歯そのものを失う

虫歯を長期間放置すると、虫歯が神経まで到達し、やがて神経は機能を失い、歯は崩壊して根っこだけ残ります。歯が残っている量が少ない場合や根の先まで虫歯菌に感染が広がっている場合は抜歯となるリスクが高いです。

失った歯を補うには、入れ歯やブリッジ・インプラントを行う必要があります。治療期間も長くなるほか、インプラントを選択した場合は治療費も高額となるため、経済的負担も大きくなります。

炎症性の疾患を引き起こす

虫歯を放置すると、全身の健康にも悪影響をおよぼす場合があるため注意が必要です。

虫歯菌が鼻の粘膜に感染すると「副鼻腔炎」、顎骨の骨髄に感染すると「顎骨骨髄炎」になるリスクが高くなります。また、痛みや高熱・排膿などの症状もともないます。

虫歯は治療しなくても自然に治る?

口元に手を当て疑問の様子の男性

虫歯は、COの状態であればしっかりとブラッシングを行い、歯科医院で高濃度のフッ素を塗布するなど、適切な対応を行えば治る場合もあります。

しかし、一般的には虫歯は治療しない限り治ることはありません。たとえ痛みがなくても虫歯は進行しているので、突然耐えられない痛みに襲われるリスクがあります。

歯の変色や痛みなどの違和感があったら早めに歯科医院を受診しましょう。

虫歯を放置した場合の治療法

歯の治療をしている歯科医師と患者

虫歯治療は、虫歯の範囲によって治療法が異なります。進行度が軽いほど治療も簡単で、短期間で完了するケースが一般的です。

虫歯の進行度別の治療法は、以下のとおりです。

C1

C1は、虫歯の範囲がエナメル質に限定されている状態です。

表面に穴があいている場合は、虫歯の部分を削って白い樹脂をつめる治療を行います。C1は虫歯の範囲によっては歯科医師の判断で治療を行わず、経過観察する場合があります。

C2

C2は、虫歯の範囲が象牙質まで到達しているため治療が必要な状態です。

虫歯部分を削って白い樹脂をつめる、型取りをして銀歯・セラミックの詰め物を入れるなどの治療を行います。C2までの状態で虫歯治療を始めることができれば、治療回数も少なくすむ場合が多いでしょう。

C3

C3は、虫歯が神経まで到達している状態です。

歯には神経のとおる管があり、虫歯が神経まで到達している場合は、痛みの有無に関係なく神経の処置が必要です。C3の虫歯の治療は、歯の管をとおっている神経を取りのぞき、管のなかを綺麗に清掃します。神経の代わりとなる薬をつめたら神経の処置は完了です。その後、歯を削った量によって、詰め物をつめる・土台を作って被せ物をするなどの治療を行います。

C4

C4は、歯が崩壊して根の部分だけ残り、虫歯菌の影響で歯の神経が失われている状態です。

歯がほとんど残っていない状態なので、治療できないと判断された場合は抜歯となります。治療が可能な場合は、C3の状態と同様に神経の処置を行い、土台を作って被せ物を被せます。

虫歯治療にかかる費用・期間

費用を計算している様子

虫歯治療にかかる費用や期間はどれくらいかかるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。虫歯治療にかかる費用・期間の目安は、以下のとおりです。

<虫歯治療にかかる費用・期間の目安>

虫歯の進行度 費用の目安(保険適用3割負担) 治療期間
C1 1,500~3,000円 1回
C2 2,000~10,000円 2~3回
C3 7,000~20,000円 3回〜
C4 3,000~7,000円 1回~

虫歯治療は、虫歯が進行しているほど費用や期間がかかり負担も大きくなります。神経の処置が必要なC3では神経の管を綺麗に清掃する必要があるため、状態によって治療回数が前後します。

なお、C4は、抜歯処置の費用目安です。抜歯後に歯を補う治療を選択する場合は、別途選択した治療の費用・期間が必要です。

虫歯の予防法

2本ならんだ歯ブラシ

虫歯は、歯の質・微生物・糖質・時間の4つの条件が重なったときにできます。虫歯を予防するには、4つの条件が重ならない生活習慣を心がけることがポイントです。

たとえば、歯の質を強化するためには、フッ素塗布が効果的です。フッ素には、歯の質を強化する作用以外にも唾液の再石灰化作用を助ける働きや虫歯菌の活動を抑制する働きがあります。ふだんからフッ素入り歯磨き粉で歯を磨くことで、歯の質を強化させることができるでしょう。

また、定期的に歯科医院で高濃度フッ素を塗布してもらうとよいでしょう。唾液の分泌が少ない方は、食事のときはよく噛むことを心がけ、唾液腺マッサージなどで唾液の分泌を促進させるとよいでしょう。

微生物・糖質・時間については、ブラッシングと食習慣の見直しがポイントです。ふだんからダラダラと間食や甘いものを多くとる方は、回数や内容を見直しましょう。間食回数を減らして食後にしっかりとブラッシングを行うと、糖質が歯の表面に残らないので、虫歯になるリスクが軽減されます。

少しの工夫で虫歯は予防できるので、可能なことから生活習慣に取り入れるとよいでしょう。

まとめ

ポイントを指さす女性

一度虫歯になると自然に完治することはなく、歯科医院で治療しなければいけません。痛みがないからといって放置すると、やがて痛みや歯の表面に穴があくなどの症状があらわれ、重度の虫歯に進行すると抜歯する場合もあります。

虫歯は初期であれば治療も簡単のため、時間も費用も少ない負担ですみます。気になる症状がある場合は早めに歯科医院を受診しましょう。

歯科医院の定期検診に通うと、虫歯リスクを軽減できます。定期検診では、虫歯のチェックやブラッシング指導、歯石や着色汚れの除去を行います。定期検診に通っていれば、万が一虫歯が見つかっても早期であるケースが多く、簡単な治療ですむ場合が多いです。お口の健康を保つためにも、歯科医院を受診して定期検診を受けるのがよいでしょう。

虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

【進行度別】虫歯の治療期間はどれくらい?治療法も詳しく解説!

2023年5月4日
椅子に座った女性を心配する赤い服の女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

虫歯の治療期間は、進行度によって異なります。初期虫歯の場合は、自然治癒で治ることがほとんどなので、治療期間は0日です。歯根部まで感染が広がっている場合は、6か月以上かかることもあります。

今回は、虫歯の治療期間と治療法について、進行度別に解説します。

進行度別 | 虫歯の治療期間・治療法

口を大きく開けて虫歯を見せている子供

虫歯の進行度は、以下の5段階に分けられます。

・C0:初期虫歯

・C1:エナメル質の虫歯

・C2:象牙質の虫歯

・C3:神経に達した虫歯

・C4:歯根しか残っていない虫歯

進行度別に、症状の特徴や治療期間、治療法について解説します。

C0:初期虫歯

C0は、痛みなどの自覚症状がない初期の虫歯です。自覚症状がなく、見た目でもわかりにくいため、定期健診などで発覚することが多いです。

特徴

見た目ではほとんどわかりませんが、場合によっては歯にツヤがなくなったり、茶色や黒色に変色することがあります。

感染している部分が浅いため、自覚症状もありません。自然治癒で治ることが多い虫歯です。

治療期間

C0の虫歯は特別な治療を必要としないため、治療期間は0日といえます。歯の再石灰化のみで、自然に治癒できる虫歯です。

歯の再石灰化とは、エナメル質に起こる自然な現象で、初期の虫歯を修復することができます。口腔内のミネラル(主にカルシウムとリン酸)が歯のエナメル質に取り込まれ、弱ったエナメル質を補強することで歯を強化します。

治療法

再石灰化作用によって自然治癒が期待できるので、歯を削るなどの治療は必要ありません。丁寧なブラッシングやフロスの使用、フッ素入り歯磨き粉などを使って口腔内を清潔に保ち、進行させないことが重要です。

再石灰化を促す方法として、唾液の分泌量を増やすことが挙げられます。唾液には、歯を保護して再石灰化を促す作用があります。噛む動作によって唾液腺が刺激されるため、食事の際に噛む回数を増やしたり、ガムを噛んだりすると効果的です。

ただし、糖分が含まれているものは虫歯菌の活性化を促すので、無糖のガムを選びましょう。特に、キシリトールガムがおすすめです。キシリトールには、エナメル質を溶かす酸の産生を抑制する働きがあるため、初期虫歯の進行を抑えられる可能性があります。

C1:エナメル質の虫歯

C1は、エナメル質に虫歯が進行している状態です。エナメル質は、歯の外側を覆う非常に硬い層のことで、歯を保護する役割を果たしています。

特徴

エナメル質に虫歯が進行すると、小さな穴やくぼみが形成されることがあります。

この段階では、虫歯はまだ象牙質に達していないため、痛みはほとんど感じません。

治療期間

C1の虫歯の治療は、1日で終わることが多いです。

歯を削った直後に詰め物を装着し、形の調整などを行うため、治療は1回で完了します。

治療法

C1の虫歯は、エナメル質に侵食した虫歯をドリルを用いて取り除きます。そのあと、削った部分に詰め物を装着して、歯を修復します。

詰め物にはコンポジットレジンが用いられることが多いですが、より美しく仕上げたい場合はダイレクトボンディングを用いる場合もあるでしょう。コンポジットレジンは保険適用であり、劣化や変色しやすいことが特徴です。ダイレクトボンディングは自費診療ですが、長期間にわたって色や形状を保つことができます。

C2:象牙質の虫歯

C2は、象牙質まで虫歯が進行している状態です。治療方法はC1と同様に、虫歯部分を除去して、詰め物や被せ物で歯を補修しますが、C1に比べてより深く除去する必要があります。

被せ物を使用する場合、治療期間はC1よりも長くなることが多いです。

特徴

C2の虫歯は、虫歯が歯のエナメル質を超えて、内側の象牙質まで進行した状態です。

象牙質は、エナメル質よりも柔らかく、微細な穴が多数あるため、虫歯が進行する速度がC1よりも速くなります。虫歯が象牙質に達すると、歯の神経に近づくため自覚症状が出やすく、痛みを感じる場合もあるでしょう。冷たい飲み物や甘いもの、酸味のあるものなどを摂取すると、しみる感覚や痛みが生じる方が多いです。

また、象牙質まで進行した虫歯は歯の色に影響するため、黄色がかった色や茶色に変色することがあります。

治療期間

C2の虫歯は、治療に使用する素材や、詰め物か被せ物かによって治療期間が異なります。

コンポジットレジンの詰め物なら治療は1日で終了しますが、メタル(銀歯)の場合、詰め物・被せ物どちらの場合も、治療回数は2回必要です。自費診療のダイレクトボンディングやセラミック、ジルコニアを用いる場合も2〜3回の通院が必要になるため、治療期間は1週間ほどになるでしょう。C2の治療期間は、コンポジットレジンの詰め物なら1日、その他の治療法は1週間が目安です。

治療法

コンポジットレジンの詰め物を使用する場合は、C1と変わりありません。

虫歯が進行した象牙質の部分を、ドリルやレーザーを使用して丁寧に除去します。虫歯を除去したあと、詰め物を用いて歯を修復します。詰め物を装着したら噛み合わせを確認し、必要に応じて詰め物を調整して治療完了です。

被せ物の場合、詰め物のように削った箇所にそのまま装着するのではなく、型取りを行う必要があります。専門のスキルをもった歯科技工士が技工所で製作するため、完成までに1週間ほど待たなければなりません。

C3:神経に達した虫歯

C3は、歯髄に近い部分まで虫歯が進行した状態です。

歯の神経が炎症を起こしている場合、根管治療が必要になることがあります。治療期間は、数週間から数か月かかることが一般的です。

特徴

虫歯が神経に達した場合、神経が刺激されるため、激しい痛みが生じます。何もしていない状態でも痛みを感じ、食事などによって悪化する場合が多いです。

C3まで進行すると、見た目でも虫歯になっていることがわかります。歯の大きな欠けや、歯に穴が空いていることを確認できるでしょう。また、強い口臭が発生する場合もあります。

神経に炎症が起きた場合は歯髄炎、歯根膜に炎症が起きた場合は歯根膜炎など、さまざまなリスクが伴います。

治療期間

C3は、神経を抜く根管治療が必要なため、治療期間は1か月ほどです。根管治療後に被せ物の治療を行うため、治療期間が長くなります。

根管治療で3〜5回の通院、被せ物の治療で2〜3回ほどの通院が必要です。

治療法

虫歯が歯の神経まで到達しているため、神経を抜かなければならないことが多いです。神経を残せる場合もありますので、気になる方は歯科医師に相談してみましょう。

治療では、虫歯の部分と神経を取り除きます。特別な薬剤を使用して神経が入っている管をしっかりと洗浄し、再び細菌が入り込まないよう、抗菌作用のある薬剤を詰めます。根管治療を終え、被せ物を装着して歯の修復ができたら治療終了です。

被せ物は、C2のように、銀歯やセラミックなどの素材を選択できます。

C4:歯根しか残っていない虫歯

C4は、歯冠(歯茎から見える部分)の大部分が失われ、歯根部分のみが残っている状態を指します。

感染が広がり、虫歯が歯髄炎や歯周炎を引き起こすほど進行した状態です。根管治療が必要ですが、悪化した場合は抜歯が必要になることもあります。

特徴

C4は、虫歯によって歯冠が破壊されたり折れたりして、歯根部分のみが残っている状態です。虫歯菌の感染により歯の強度が大幅に低下し、噛む力や外的な衝撃に耐えられない状態を意味します。

C4まで進行すると神経が死んでしまっていることが多く、痛みを感じることは少ないです。

治療期間

選択する治療法によって治療期間は異なります。

歯が残せそうな場合は、C3と同じ治療法を行い、治療期間は1か月ほどです。抜歯が必要な場合は、抜歯後に骨や歯肉の回復を待ってから人工歯を取り付けるため、さらに時間がかかります。

ブリッジや入れ歯を装着する場合、治療期間は1か月ほどです。

インプラントを選択した場合は、人工歯根を埋め込む外科手術が必要になります。埋め込み後、骨の再生を待たなければならないため、治療期間は最低でも6か月以上になるでしょう。

治療法

歯が残せそうな場合は、C3と同様に根管治療と被せ物の治療を行います。抜歯が必要な場合は、抜歯したあとに人工歯を装着します。

親知らずなど、余分に歯がある場合は、歯牙移植という自分の歯を移植する治療法もありますが、形が合わない場合は行えません。

抜歯後に装着する人工歯は、以下の3つです。

・ブリッジ(保険適用)

・入れ歯(保険適用)

・インプラント(保険適用外)

ブリッジは、隣接する健康な歯を支えとして人工歯を固定する方法です。固定の際に、支えとなる歯を薄く削る必要があります。

入れ歯は、金属やプラスチックのフレームに取り付けられた人工歯で構成され、取り外すことができます。取り外し式であるため、インプラントやブリッジと比べて安定性が劣ることが多いです。

インプラントは、人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を取り付ける方法です。費用は高額になりますが、自然な見た目を実現し、隣接する歯に影響を与えることはありません。

虫歯の治療期間を短くするために

椅子に座って歯科医師の話を聞く女性患者

虫歯の治療期間を短くするためには、日頃から虫歯予防に努め、定期的に歯科医院を受診することが重要です。定期的な通院は、虫歯の早期発見につながり、治療期間を短くすることができるでしょう

早期発見

虫歯が初期段階であれば、治療期間も短く、より簡単な治療で対応できます。

歯磨きの際に、鏡で口の中をチェックする習慣をつけるとよいでしょう。白い斑点や茶色く変色した歯を見つけた場合は、歯科医師に相談してください。また、痛みやしみるなどの症状がある場合は、虫歯が進行している可能性があるので、早めに歯科医院を受診しましょう。

定期検診

定期的に歯科検診を受けることで、虫歯の早期発見・早期治療につながります。

虫歯や歯周病予防に効果的なクリーニングは、3〜6か月に1回の頻度で受けることが推奨されています。クリーニングを含む定期検診を受診することは、虫歯が進行する前に対処できるため、非常に重要です。

丁寧な歯磨き

口腔内を清潔な状態に保つことは、虫歯菌の活性化を防ぎます。

食べかすは虫歯菌のエサとなるため、できれば毎食後に歯を磨きましょう。外出時など難しい場合は、うがいだけでも効果的です。食後にうがいをすることで、口の中に残った食べかすを洗い流すことができます。

また、歯ブラシだけではなく、1日1回は歯間ブラシやフロスを使って歯間の汚れを除去しましょう。フッ素は虫歯予防に効果的なので、フッ素入りの歯磨き粉を使用するのもよいでしょう。

食生活の改善

糖分は、虫歯の発生や進行速度を早めることにつながります。

ふだんから糖分を多く含む飲食物を摂取している場合は、量や頻度を減らすことで虫歯のリスクを低減できます。また、食間の間隔を空けることは、歯に与える負担を減らすことにもなるので、間食が多い方は減らしましょう。

フッ素塗布

歯科医院で行なっているフッ素塗布をしましょう。

歯科医院では、虫歯予防に効果的なフッ素塗布の処置を行なっています。市販のフッ素入りの歯磨き粉よりも、歯科医院で扱っているフッ素は非常に濃度が高いです。フッ素は歯の再石灰化を促すため、虫歯の進行を抑えることができるでしょう。

まとめ

左頬を押さえる女性

虫歯の治療期間は進行度によって大きく異なります。初期虫歯なら自然に治る可能性が高いため、治療期間は0日ですが、中程度なら約1週間、神経まで進行した虫歯は1か月〜6か月ほどかかることが多いです。

また、進行するほど治療回数も増えます。治療回数が多いと、歯にかかる負担も大きくなるため、歯の寿命にも影響を与えるのです。詰め物や被せ物によって歯を修復することはできますが、使用する素材によっては劣化が早く、再治療が必要になる場合もあります。

虫歯は予防できる病気です。日頃から丁寧に歯を磨き、定期的に歯科医院を受診し、クリーニングを受けるなど、予防に努めましょう。

虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。