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フッ素塗布とは?こどもの虫歯予防に効果的な理由!

2023年9月5日
子どもの口の中を確認する女性医師

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

フッ素塗布は、こどもの虫歯予防として乳児健診でも行われている処置です。歯にフッ素を塗布することで、虫歯を予防する強い歯にできるといわれています。

定期的に歯科医院でフッ素塗布をしたほうがよいとされていますが、フッ素にはどのような効果があるのでしょうか。フッ素の塗布を継続することは、本当に虫歯予防の効果があるのでしょうか。

今回は、フッ素塗布がこどもの虫歯予防に効果的な理由、どのくらいの頻度でフッ素塗布をするとよいのかについて、わかりやすく解説します。小児歯科でのフッ素塗布の流れや自宅で取り入れられるフッ素についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

フッ素塗布にはどのような効果がある?

顎に手を当てて考える男性

フッ素は、虫歯予防に効果があるといわれています。虫歯予防に対して実際にどのような効果があるのでしょうか。フッ素の効果は、以下のとおりです。

細菌の働きを弱める

フッ素には、細菌の働きを弱める効果があります。

磨き残した食べ物のカスや汚れは歯垢となり、そのまま放置すると、繁殖した細菌と酸によって虫歯を引き起こします。虫歯を放置すると悪化し、歯周病の原因にもなりかねません。

フッ素を塗布することで、虫歯の原因となる菌の働きを弱め、歯を溶かす酸が作られることを防ぎます。

歯のエナメル質を修復する

フッ素には、歯の表面のエナメル質を修復する効果があります。

食事をすることで口の中は酸性になります。口の中が酸性になることで、歯を溶かす酸が発生するのです。通常、酸によって溶けた歯を修復する再石灰化が起こりますが、細菌の力が強いことなどが原因で修復できない場合、虫歯になります。

フッ素には歯の再石灰化を促進し、エナメル質を修復する効果があります。フッ素の力で初期虫歯を修復できる場合もあるでしょう。

歯のエナメル質を強化する

フッ素塗布を行うことで、歯のエナメル質が強化され虫歯になりにくい歯を作ることができます。

歯の表面を覆うエナメル質が弱ると、飲食物の温度の刺激を過敏に感じる、酸や虫歯菌によって溶かされるなど、外部からのダメージを受けやすくなります。

フッ素を塗布することでエナメル質が強化されるため、酸に溶けにくい歯になるでしょう。

こどもの歯にフッ素を塗布しても大丈夫なの?

ソファに座って考える家族

フッ素塗布は、こどもの歯を強くし、虫歯から歯を守るために重要な処置です。基本的に年齢制限がないため、小さいこどもでも問題なく受けられます。フッ素の塗布は歯科医師や歯科衛生士が行うため、安全性にも問題はありません。

フッ素中毒が話題になったことがあるので、心配に思う保護者の方も多いでしょう。高濃度のフッ素を日常的に塗布した場合やフッ素を一度に大量に摂取した場合、フッ素の中毒症状があらわれる可能性があります。

しかし、歯科医院で使用される高濃度のフッ素を日常的に使うことはできません。

市販されているフッ素入りの歯磨き粉などは、フッ素の含有量が制限されています。毎日使用しても、人体に影響がない濃度に抑えられているのです。

また、フッ素を一度に大量に摂取することも現実的ではありません。こども向けに市販されているフッ素入りの歯磨き粉をこども用の歯ブラシにつけて使用する場合、1回量をすべて飲み込んだとしても、中毒症状が出るとされるフッ素の量を超えることはないでしょう。

乳児健診で希望者に有料でフッ素の塗布を行う場合もあります。虫歯の予防は大人になってからでは遅いとされています。乳歯が生え始める頃から、虫歯に負けない歯を作ることが望ましいでしょう。

小児歯科でのフッ素塗布の流れ

子どもの歯のクリーニングを行う女性歯科衛生士

歯科医院でのフッ素塗布にかかる時間は20~30分程度です。虫歯などの治療がない限り、多くの時間は必要としません。こどもの負担にもならないでしょう。

歯科医院でのフッ素塗布の流れは、以下のとおりです。

カウンセリング

歯科医師や歯科衛生士がフッ素塗布の目的や効果、手順を保護者やこどもに説明します。

疑問や不安に思うことがある場合は、相談して解決しましょう。

歯のクリーニング

フッ素の塗布する前に歯をクリーニングします。

汚れが付着した状態でフッ素を塗布しても、十分な効果が得られません。フッ素の効果を最大化するため、歯のクリーニングを行うのです。

フッ素塗布の準備

フッ素を歯ブラシに染みこませ、歯に塗布する準備をします。

フッ素は、歯ブラシで塗布するのが一般的です。

フッ素塗布

前歯から奥歯に向かってフッ素を塗布します。歯の表と裏の両面にも塗布します。

特に、虫歯の発生リスクが高い奥歯や歯と歯の間、噛み合わせの面にしっかりと塗布することが多いです。

追加のフッ素塗布

フッ素の塗布が終わったら、歯ブラシにフッ素を追加し、再度すべての歯に塗布するのが一般的です。

歯にフッ素を浸透させるため、約30分うがいや飲食を控えるように指示があります。フッ素塗布後の歯磨きについて指示されることもあるので、歯科医師の指示に従ってください。

どれくらいの頻度でフッ素塗布を行うと効果的?

卓上カレンダーにスケジュールを書き込む

歯科医院でのフッ素塗布は、3~4か月に1回の頻度で行うとよいでしょう。フッ素塗布を継続的に行うことで、フッ素による虫歯予防の効果が高まります。定期検診の際にフッ素塗布を行うことで、より歯をきれいに維持できるでしょう。

歯科医院での次回のフッ素塗布までの間も、自宅でフッ素が配合された歯磨き粉を使用すると虫歯予防に効果的です。

フッ素塗布の頻度は、口内の状態やこどもの状況を考慮して歯科医師が決定します。すでに虫歯があるこども・ワイヤー矯正などを行っていて歯に装置を取り付けているこども・毎日歯磨きを行うことが難しいこどもの場合、頻度が高くなるでしょう。

お菓子やジュースなど、糖を多く含む飲食物を摂取する機会が少ない、唾液の量が十分にあるなど、虫歯のリスクが低い場合は、フッ素塗布の頻度も低くなります。

自宅での歯磨きにもフッ素を取り入れよう!

家の椅子で歯磨きをする女の子と母親

フッ素を自宅での歯磨きにも取り入れることで、さらに虫歯予防の効果を高められるでしょう。

フッ素が配合された歯磨き粉も数多く市販されています。市販のフッ素入り歯磨き粉は、歯科医院で使用するものに比べると効果は弱いですが、継続的に取り入れることが可能です。虫歯に負けない歯を維持するために推奨されています。

フッ素入りの歯磨き粉での歯磨きは、毎食後に行うのが理想です。あわせて、細菌が繁殖しやすい就寝前に行うことで、より虫歯予防の効果を得られるでしょう。

歯磨き後に何度もうがいすると、歯磨き粉に含まれているフッ素が流れるため注意してください。こどものうちから、日々の歯磨きで虫歯に負けない強い歯を育てましょう。

まとめ

歯科衛生士からブラッシング指導を受ける少女

フッ素塗布は、こどもの虫歯を予防するうえで非常に大切な処置です。

毎日丁寧に歯磨きをしていても、磨き残しは生まれます。磨き残しに集まる細菌が増殖し、虫歯になることがあります。虫歯から歯を守るために、フッ素をうまく活用するとよいでしょう。フッ素は歯を強くするため、万が一細菌による攻撃を受けても修復できるようになります。

ご自身の丈夫な歯で長い間生活するためには、歯へのフッ素塗布や正しい歯磨きが欠かせません。歯科医院でのフッ素塗布は、3〜4か月に一度を目安に行ってもらいましょう。こどもの歯を守るために、歯科医院でのフッ素塗布や自宅でのフッ素の使用を習慣化してください。虫歯に負けない強い歯を育てましょう。

お子さまの虫歯予防でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

初期虫歯を見逃さないために!特徴と治療の必要性を知ろう!

2023年7月28日
歯科医院で治療を受ける男性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

どんなに気をつけていても、虫歯になることはあります。「初期虫歯と虫歯の違いは?」「初期虫歯なら放置しても自然に治るのでは?」と思う方もいるでしょう。

今回は、初期虫歯の特徴や治療方法、治療にかかる費用・期間などを解説します。虫歯の予防法や初期虫歯を見つけるコツもご紹介するので、最後までご覧ください。

虫歯の原因

歯の模型と虫歯と歯科用器具

虫歯は、ミュータンス菌という細菌が原因で起きる病気の一種です。健康な歯を守るには、虫歯をどれだけ早く見つけられるかが大切です。

ミュータンス菌は、歯の表面に付着した歯垢(プラーク)に生息しています。食べ物に含まれる糖を餌にして繁殖し、酸を出します。ミュータンス菌が出した酸が歯を溶かし、虫歯になるのです。

初期虫歯の特徴

歯科医院で治療を受ける患者

虫歯と聞くと、歯が黒くなる、穴があく、痛みがあるというイメージをもつ方が多いのではないでしょうか。

しかし、初期虫歯の特徴は一般的なイメージとは異なります。初期虫歯の特徴は、以下のとおりです。

・痛みを感じない

・歯に穴があかない

・歯が白く濁る(茶色い場合もある)

虫歯は、CO〜C4の段階で評価します。エナメル質の脱灰が始まったCOの段階が初期虫歯です。初期虫歯は痛みを感じず、歯に穴もあきません。また、歯が白く濁ったり茶色く変色したりする場合があります。歯垢だと思って放置していると、虫歯だったというケースも少なくありません。

初期虫歯のCOの状態では、早めにアプローチできれば削らずに治療できることもあります。C1と判断された場合でも、削らずに経過観察するケースもあるでしょう。歯を大きく削ると歯の寿命が短くなるため、削らずに治療できる場合は経過観察します。

初期虫歯と虫歯の違い

エナメル質の脱灰が始まった初期虫歯はCO、エナメル質が虫歯になった状態をC1と評価します。違いは、エナメル質が虫歯になっているかどうかです。C1の特徴は、以下のとおりです。

・歯が黒くなる

・歯に穴があく

・痛みを感じないことが多い

C1では、歯が黒くなる、穴があくなどの症状があらわれますが、痛みを感じないことも少なくありません。虫歯が象牙質に進行したC2の段階で、痛みや冷たいものがしみる症状を自覚する方が多いです。

初期虫歯は治療が必要?

顎に手を当てて考える男性

初期虫歯の場合は削らなくてもよいことも多いですが、治療は必要です。できるだけ早く発見し、歯科医院を受診しましょう。

歯が白く濁っている場合は、白濁やプラークと見分けがつきにくいです。歯の異常を見つけたときは、すぐ歯科医院を受診することが大切です。

虫歯を放置すると、COからC1、C2へと進行します。痛みを感じるほど虫歯が進行している場合、虫歯が象牙質に達しているため削って治療をしなければなりません。

C3になると、虫歯は歯髄に達し、神経を取らなければならないこともあります。歯を削ると歯の寿命が短くなりますが、神経がない歯の寿命はさらに短くなります。初期虫歯を放置せず、早めに治療することが重要です。

COやC1の段階では、痛みを感じないケースも少なくありません。

しかし、C1では歯に穴があいた状態です。小さい見た目の虫歯でも、歯の中で大きくなっている可能性もあるでしょう。痛みがないからと放置せず、歯科医院を受診してください。

初期虫歯の治療法

男性患者の口腔内を確認する女性歯科医師

初期虫歯は、以下の方法で治療します。初期虫歯の段階で発見し治療を受けると、削らなくてよいことも少なくありません。

フッ素を塗布する

初期虫歯になっている歯を中心に、フッ素を塗布します。フッ素の効果は、以下のとおりです。

・エナメル質の石灰化を助ける

・ミュータンス菌が作り出す酸への抵抗力を高める

フッ素を塗布することで、エナメル質の脱灰が始まった歯の再生を図るとともに、ミュータンス菌が作り出す酸に抵抗します。フッ素塗布は歯科医院で実施できますが、自宅でも日常的にフッ素入りの歯磨き粉を使用するとよいでしょう。

キシリトールガムを噛む

キシリトールガムを噛むことも効果的です。キシリトールとは、虫歯予防効果のある代用甘味料です。キシリトールには、以下の効果があります。

・ミュータンス菌の繁殖を抑える

・歯の再石灰化を助ける

・唾液の分泌を促進する

虫歯の原因になるミュータンス菌は糖を餌にして増えますが、キシリトールはミュータンス菌の餌になりません。また、キシリトールはカルシウムと結合し、歯の再石灰化を助ける効果や唾液の分泌を促進する効果があります。

唾液にも歯の再石灰化を促進する成分が含まれているため、初期虫歯に効果的です。キシリトール含有量の多いガムを選び、食後に噛む習慣をつけましょう。

参照元:厚生労働省 e-ヘルスネット

歯磨き指導を受ける

歯科医師や歯科衛生士による歯磨き指導を受けることも大切です。人によって歯の形や歯並びは異なり、磨き方にも癖があるからです。

毎日歯をしっかりと磨いている方でも、同じ場所を磨き残しているケースがあります。プロに指導してもらい、以下の内容を学びましょう。

・自分の磨き方の癖と磨き残しやすい部分

・歯の形や歯並びに適した磨き方

・歯ブラシ以外のツールの使い方

自分の口腔内の状況や磨き方の癖を把握し、適した歯磨き方法を学ぶことで、磨き残しが減り虫歯を予防できるでしょう。

PMTC(プロによるクリーニング)を受ける

PMTCとは、プロが特別な機械や薬剤を使って行う口腔清掃のことです。ふだん歯ブラシが当たりにくい歯と歯の間、歯と歯茎の境目、奥歯などに残っている汚れをきれいに落とします。

PMTC後は歯の表面がなめらかになるため、汚れが付着しにくい歯になります。初期虫歯の治療としてはもちろん、初期虫歯の予防としても効果的です。

削って治療する

初期虫歯であるCOやC1は削らず治療するケースが多いですが、削って治療する場合もあります。外から見たときには小さな穴でも、レントゲンで確認すると内側で虫歯が広がっている場合があるからです。

一般的に、少し削ってレジン材で修復します。削らなければならないケースでも、早期に発見し歯科医院で治療を受ければ、大幅に削る必要はありません。

初期虫歯の治療期間

机の上に置かれたカレンダーと植物

初期虫歯の段階で歯科医院に行くと、治療期間は1回(1日)で終わる可能性が高いです。フッ素塗布やPMTC、歯磨き指導などを行って、経過観察をするケースが多いでしょう。C1で削って治療する場合でも、1回(1日)で完了することは珍しくありません。

C2へと虫歯が進行した場合、治療期間は1〜2週間程度です。C3へ進行し虫歯が神経に達すると、約2〜3週間の期間が必要です。

初期虫歯の治療費用

白い机に置かれた白いノートと白い電卓

虫歯の治療は保険が適用されます。3割負担の方が初期虫歯の治療を行う場合、必要な費用は1,500〜3,000円程度でしょう。C1の場合も同様です。

C2に進行した虫歯の治療費は、約2,000〜10,000円です。C3の場合は約7,000〜20,000円必要な場合が多いでしょう。初期の段階で治療したほうが、治療費は少なく済みます。

虫歯の予防法

歯科医院で患者に説明する男性歯科医師

虫歯になった場合はできるだけ早く発見し、治療することが大切です。

しかし、最も重要なのは虫歯にならないことです。ここでは、虫歯の予防方法をご紹介します。

定期的に歯科医院を受診する

定期検診に行くことで、虫歯になるリスクが下がります。日頃から口腔内のメンテナンスを意識することで「しっかりと歯磨きしよう」「健康な口腔内を維持しよう」というモチベーションを保てるからです。

初期虫歯は気づきにくく、自分では判断できないことも少なくありません。定期検診で口腔内をチェックしてもらえば、初期虫歯に早期に気づき、治療できるでしょう。

間食の内容やタイミングに気をつける

虫歯を予防するには、間食の内容やタイミングに注意をすることも大切です。具体的には、以下の内容を意識しましょう。

・糖を多く含むものばかり食べない

・ダラダラと食べない

ミュータンス菌は糖を餌に増殖します。糖を多く含むものを頻繁に食べると、虫歯になるリスクが高まります。ダラダラと食事をすると、口腔内が酸性の状態が続くため歯が再石灰化する時間がありません。間食する場合は時間を決めて、ダラダラと食べないようにしましょう。

丁寧に歯磨きする

歯磨きは虫歯予防にも効果的です。特に虫歯になりやすい部分を意識して、歯を磨きましょう。

・歯と歯の間

・歯と歯茎の境目

・上下の歯が噛み合う部分

上記は特に磨き残しが多い箇所です。正しい磨き方を習得すればセルフケアの質が上がり、虫歯のリスクが低減するでしょう。

歯をよく観察する

初期虫歯やC1の虫歯は、痛みを感じないため自分では気づかないことも珍しくありません。日頃から歯をよく観察する習慣を身につけましょう。

注意して観察するべきポイントは、以下のとおりです。

・歯の白濁や茶色に変色している部分がないか

・フロスが引っ掛からないか

白濁や変色、フロスの引っ掛かりが、すべて初期虫歯であるとは限りません。

しかし、気になる点を歯科医院で確認することで、虫歯の早期発見につながります。

まとめ

歯科医院で治療を受ける女性患者

初期虫歯は、早期発見し歯科医院を受診することで、削らずに治療できるケースが少なくありません。放置すると虫歯が悪化し、治療費も治療期間もかかるうえ、歯の寿命が短くなるリスクもあります。

初期虫歯の特徴を把握し、定期検診やセルフケア、毎日の観察などで、虫歯を予防しましょう。初期虫歯をどれだけ早く見つけ進行を防ぐかによって、歯の治療方法が大きく変わるのです。

虫歯にお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。