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歯と唾液の関係って?

2024年7月10日
歯と唾液の関係って?

みなさまこんにちは!

大阪府八尾市で60年以上の歴史を持つ、地域に根ざした歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」です。患者様一人ひとりの不安や疑問に寄り添い、丁寧な説明と質の高い治療を提供することで、皆様の口腔内健康を守ります。

当院では、患者様とのコミュニケーション不足という課題を解消するため、このブログを立ち上げました。 ブログを通じて、歯科に関する様々な情報を発信し、患者様との理解を深めていきます。ブログでは、歯に関する基本知識から、治療に関する疑問まで、幅広いトピックを取り扱っています。 専門的な情報も、分かりやすく丁寧な言葉で説明しているので、どなたでも安心して読むことができます。また、ご質問やご意見も受け付けておりますので、お気軽にお寄せください。 患者様からいただいたご意見は、ブログ記事の改善や、より良い歯科治療の提供に活かしていきます。八尾市で歯医者をお探しの方は、ぜひもりかわ歯科へご相談ください。 経験豊富な歯科医師とスタッフが、皆様の歯の健康をサポートいたします。

「歯と唾液の関係って?」の質問に全力回答!

今回は、「歯磨きは1日に何回してもいいの?」などの質問に対して全力でお答えしていきます!

唾液は歯に対してどんな効果があるのですか?

唾液は歯に対してどんな効果があるのですか?

唾液には大きく分けて5つの機能があります。

①消化作用

唾液に含まれる「アミラーゼ」という消化酵素が、お米やパンなどに含まれるデンプン質を糖に変え、体内に吸収しやすくします。これにより、胃での消化が助けられます。

②粘膜保護作用

唾液に含まれる「ムチン」という粘り気のあるタンパク質は、口の中の粘膜を保護する役割を担っています。硬いフランスパンやクッキーを食べても口の中が傷つきにくいのは、ムチンのおかげです。また、ムチンは食べ物を飲み込みやすい塊にする「食塊形成作用」も持っています。水分だけでは食べ物がまとまりにくく、慌てて飲み込むと、むせてしまうことがありますよね。ムチンがしっかりと働くと、食べ物がまとまりやすくなり、誤嚥を防いでくれるのです。

③粘膜修復作用

唾液には、傷を治す上皮成長因子(EGF)や脳神経の老化を防止する神経成長因子(NGF)などが含まれています。EGFはその作用からアンチエイジング効果があるとして化粧品にも使われており、動物が傷口をなめるのは抗菌作用に加え、組織修復を促進するためと考えられています。NGFは神経の分化や維持に関与しており、海外の研究ではアルツハイマー型認知症の治療への応用も進められています。

④抗菌作用

お口は空気や食べ物の入り口であり、常に外界の雑菌にさらされています。このため、唾液には細菌の増殖を抑える「抗菌作用」があります。この作用が十分に働かないと、虫歯や歯周病にかかりやすくなり、さらには口からの細菌感染により風邪をひいたり、気管支炎や肺炎を引き起こすこともあります。

⑤再石灰化作用

唾液には、虫歯菌により溶けかけた歯を修復し、強化する能力があります。唾液中にはカルシウムやリンが豊富に含まれており、これらの成分が弱った歯の部分を再石灰化させます。

唾液が出なくなってしまったら一体どうなってしまうの?

唾液の分泌量が減ることで起こるドライマウス

唾液の分泌量が減ることで起こるドライマウス

ドライマウスは、様々な要因によって唾液の分泌量が減少し、口の中が乾燥する状態を指します。糖尿病や腎不全といった病気が原因となることもあれば、ストレスや筋力低下、薬の副作用によって引き起こされることもあります。例えば、更年期障害の不定愁訴で抗うつ剤を服用し、その副作用でドライマウスになり、唾液が出ないことにストレスを感じてさらに症状が悪化することもあります。このように、複数の要因が複雑に絡み合ってドライマウスが発症するケースも少なくありません。

ドライマウスへの対処法

口の渇きという症状は同じでも、ドライマウスの原因は人それぞれです。

まずは、ドライマウスの根本的な原因を特定し、適切な治療を行うことが最善の対処法です。自己判断せず、歯科医院に相談して症状を伝えましょう。ストレス、アルコールの過剰摂取、カフェインや塩分の摂りすぎが原因の場合は、生活習慣の見直しから始めましょう。

乾燥が原因の場合は、マスクの着用や加湿器の使用が効果的です。こまめな水分補給や、ガム・飴を舐めることで唾液の分泌を促すことも、症状の緩和に繋がります。

ドライマウスは虫歯・歯周病のリスクを高めます

唾液の分泌量が減り、口の中が乾燥するドライマウス。唾液の減少は、虫歯や歯周病のリスクを高めることを覚えておきましょう。唾液には、口の中の歯垢や細菌を洗い流す役割があります。しかし、ドライマウスによって唾液が減ると、口の中の汚れが除去されにくくなり、細菌が増殖して虫歯や歯周病になりやすくなるのです。虫歯・歯周病予防のためにも、ドライマウスの症状が続く場合は、歯科医院を受診しましょう。

ドライマウスは虫歯・歯周病のリスクを高めます

唾液が出にくくなる原因は?

①薬の副作用

睡眠薬、精神安定薬(抗不安薬)、抗うつ薬(SSRI)、抗アレルギー薬(抗ヒスタミン剤など)、風邪薬(消炎酵素剤など)、花粉症の薬などは口の乾燥を引き起こします。また、胃酸を抑える胃薬、頻尿を抑える抗コリン薬、降圧剤、骨粗鬆症の薬、抗がん剤や免疫抑制剤にもドライマウスを引き起こすものがあります。ただし、自己判断で治療薬を中断しないでください。病気の治療が優先されるべき場合が多いため、必ず主治医と相談し、薬の減量や変更について助言を受けましょう。

②ストレス

ストレスを感じると口や喉が乾きます。人前で話す際に水差しが用意されるのはこのためです。唾液を分泌する唾液腺は「自律神経」によって制御されています。緊張すると交感神経が優位になり、サラサラした唾液の分泌が抑制され、ネバネバした唾液が少量しか分泌されなくなります。その結果、口の中が粘つき、喉の渇きを感じます。

③筋力低下と老化

老化も唾液分泌の低下を引き起こします。「最近、口の中が乾くなぁ」と感じ、カバンに飴玉を入れている方も多いでしょう。老化による唾液の減少は、唾液腺自体の萎縮ではなく、唾液腺周囲の筋肉の筋力低下が原因とされています。しっかり噛んで食べることで筋力低下を予防し、唾液分泌を促すことが可能です。また、就寝時に筋力が低下した舌が重力で喉のほうに下がると、舌が気道をふさぎ口呼吸となり、口腔乾燥を引き起こすことがあります。

唾液を増やすためのポイントは?

唾液は、ストレス、口呼吸、脱水などにより分泌が減少することがあります。唾液の分泌が減少すると、口の中が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなります。その結果、虫歯が発生しやすくなり、口臭が発生したり、風邪をひきやすくなったりします。しかし、日常のちょっとした意識で唾液の分泌量を増やすことができます。

唾液の分泌を増やす5つのポイント 

①よく噛んで食べる

唾液は、ストレス、口呼吸、脱水などにより分泌が減少することがあります。唾液の分泌が減少すると、口の中が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなります。その結果、虫歯が発生しやすくなり、口臭が発生したり、風邪をひきやすくなったりします。しかし、日常のちょっとした意識で唾液の分泌量を増やすことができます。

 

②こまめに水分を補給する

唾液を生成するためには水分が必要です。水分補給の際は、カフェインを含むコーヒーや紅茶ではなく、麦茶や水をおすすめします。

③鼻呼吸を心がける

口呼吸は口の乾燥を招きやすいです。口を閉じて鼻で呼吸する「鼻呼吸」を心がけましょう。特にマスク着用時は口呼吸になりやすいので、鼻呼吸を意識することが重要です。

④舌を動かす

舌を動かすことで唾液腺が刺激され、唾液の分泌が促進されます。特別な運動をする必要はなく、口を閉じて舌を上下に動かすだけでも唾液が分泌されるのを実感できるでしょう。

⑤ 唾液腺をマッサージする

唾液腺に刺激を与えるマッサージを行うと、唾液の分泌が促進されます。

唾液はどこから分泌される?

1日に1リットル以上も分泌される唾液は、どこからどのように分泌されるのでしょうか?唾液は唾液腺(だえきせん)と呼ばれる器官で生成され、口の中に分泌されます。主な唾液腺には「耳下腺(じかせん)」、「顎下腺(がっかせん)」、「舌下腺(ぜっかせん)」の3つがあります。唾液の99%以上は水分で構成されており、その他に消化酵素、抗菌物質、タンパク質、ナトリウムなどを含んでいます。

唾液はどこから分泌される?

再石灰化されても虫歯になる?

再石灰化されても虫歯になる?

脱灰と再石灰化のバランスが鍵

上記で触れたように、唾液には歯を修復する再石灰化作用があるのに、なぜ虫歯になるのか疑問に思う方もいるかもしれません。これは、口の中のバランスが崩れることが原因です。口腔衛生が悪かったり、虫歯菌が多い状態が続くと、歯が溶ける「脱灰」が進んでしまい、唾液による再石灰化が追いつかなくなります。その結果、歯が溶け続け、虫歯になってしまうのです。

歯の修復が追いつかなくなる原因

唾液による歯の修復が追いつかなくなり、脱灰が優位になってしまう原因としては、以下のようなものが挙げられます。

唾液の不足

病気や加齢によって唾液腺の機能が低下すると、口の中が乾燥してしまいます。唾液による再石灰化作用だけでなく、自浄作用、抗菌作用、殺菌作用も低下するため、虫歯のリスクが大幅に高まります。

間食の頻度が高い

おやつなどの間食を頻繁に摂ると、口の中が長時間汚れた状態になり、脱灰が起こりやすい環境が続きます。これが歯の修復が追いつかなくなる原因の一つです。

口腔ケアが不十分

食後の歯磨きやうがいが不十分だと、虫歯菌が活発に活動し、脱灰が長時間続くことになります。毎食後だけでなく、ちょっとした間食後も必ず歯磨きをしましょう。少量の「つまみ食い」でも、何か食べ物を口にすれば、歯の脱灰は始まります。

 

適切な口腔ケアを継続することで、歯の脱灰と再石灰化のバランスは良好に保たれます。虫歯を予防したい方は、唾液の働きを理解し、毎日の口腔ケアにしっかりと取り組むことが大切です。

まとめ

いかがだったでしょうか?

唾液は歯の健康に欠かせない存在です!自浄作用や再石灰化作用など様々な機能を持っており、唾液不足は虫歯や口臭、感染症のリスクを高めます。よく噛む、水分補給、舌の運動などで唾液の分泌を促し、口腔ケアと合わせて健康な口内環境を保ちましょう!

また、もりかわ歯科はマウスピース矯正にも力を入れております!ご自身の歯の審美性が気になる方は、是非お気軽にご相談ください。

矯正無料相談

詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページも併せてご覧ください。

 

大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科では日々の診療で患者さまとの対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を行っております。

歯に関する心配事がございましたらいつでももりかわ歯科へお越しください。

 

虫歯予防に役立つ!虫歯ができやすい人の特徴とは?

2023年11月3日
虫歯予防のイメージ

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「歯磨きをしているはずなのに虫歯ができる」と悩む人は少なくありません。「虫歯になりやすい人の特徴は?」「虫歯にならないための方法を知りたい」と思う人もいるでしょう。

今回は、虫歯ができる原因やできやすい人の特徴、虫歯の予防方法について解説します。虫歯ができやすくて悩んでいる人は、ぜひ最後までご覧ください。

虫歯ができる原因とは?

虫歯のある人

虫歯ができる原因は、プラーク(歯垢)と、ミュータンス菌です。プラークとは、口腔内の細菌と、細菌の排出物でできた塊です。

プラークには粘着性があり、多くの細菌が繁殖しています。歯にプラークが付着した状態が続くと歯の脱灰が進み、虫歯になります。

ミュータンス菌は、虫歯菌とも呼ばれる細菌です。口腔内の食べかすを餌にして、酸を排出します。ミュータンス菌が排出した酸が歯を溶かし、虫歯になるのです。

虫歯ができる直接の原因はプラークとミュータンス菌ですが、以下の要素も大きく関係します。

・糖質

・歯質

・時間

虫歯の直接的な原因は、ミュータンス菌が排出する酸です。

しかし、ミュータンス菌の餌となる糖質が口内になければ、活発に動きません。ミュータンス菌は糖を餌にするため、甘いものを頻繁に摂取すると虫歯ができやすいのです。

もともとの歯質も虫歯に関係します。歯質が弱いと、酸の刺激を受けたときに簡単に脱灰するでしょう。プラークが付着している時間が長いと、歯の脱灰が進んで虫歯ができます。

また、生活習慣も虫歯に大きく関係します。甘い食べ物を好む人や間食が多い人、ダラダラと長時間食べる人、食後に歯磨きをしない人は、虫歯ができやすいでしょう。

虫歯ができやすい人の特徴

間食する人

上述したとおり、歯質やミュータンス菌だけが原因ではなく、さまざまな要素が重なって虫歯ができます。

しかし、虫歯ができやすい人は存在します。虫歯ができやすい人の特徴は、以下のとおりです。

適切に歯磨きできていない

虫歯ができやすい人は、歯磨きを適切にできていない可能性があります。例えば、食後に歯磨きをしない人や、寝る前に歯を磨かない人は虫歯ができやすいです。

「毎日しっかり磨いているのに」と思う人もいるでしょう。

しかし、毎日磨いていれば適切に磨けているというわけではありません。磨き方の癖が影響し、磨き残しが生じている可能性があります。

例えば、利き腕の方向は、磨き残しが多い傾向があります。右利きの人は右の歯の裏側、左利きの人は左の歯の裏側の磨き残しが多いです。

磨く習慣だけでなく、正しい磨き方を身につけることが大切です。

ダラダラと間食をする

ダラダラと間食をする癖がある人は、虫歯ができやすいです。いつも飴を舐めている、清涼飲料水を頻繁に飲むなど、口内に糖がある時間が長く続くと虫歯ができやすいでしょう。

口内は常に唾液で潤っていますが、唾液には口内の汚れを洗い流す自浄作用や、口内の菌の増殖を抑える作用などがあります。ダラダラ食べると唾液の作用が十分に働かないので、ミュータンス菌が活発に働ける状態になるのです。

歯並びが乱れている

歯並びが乱れている人は、虫歯ができやすいです。ガタガタしていると歯ブラシの毛先が当たりにくく、磨き残しが生じるでしょう。しっかり磨いたつもりでもプラークが残り、虫歯や歯周病になるリスクも高くなります。

歯並びが乱れている人は、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロス、タフトブラシを使って磨いてください。歯並びの乱れが原因で虫歯を繰り返す場合は、矯正治療を検討してもよいでしょう。

甘いものや粘着性があるものを好んで食べる

虫歯になりやすい人は、甘いものや粘着性のあるものを好んで食べる傾向があります。粘着性のあるものを頻繁に食べる場合、食べかすが歯に付着する時間が長くなります。

同じ甘いものでも、ゼリーのようにすぐに飲み込むものと、クッキーやキャラメルなどのように歯に付着しやすいものがあるでしょう。クッキーやキャラメルを好んで食べている場合、虫歯ができやすいです。

口内が乾燥している

上述しましたが、唾液には自浄作用など、口内を清潔に保つための働きがあります。唾液の分泌が少ない人や、口呼吸をしていて口内が乾燥している人は、唾液の作用を十分に受けられません。

そのため、虫歯ができやすいでしょう。虫歯・歯周病だけでなく、口臭の原因になる場合もあります。

虫歯予防のための具体的なアドバイス

歯磨きする人

虫歯予防のためには、虫歯になる4つの要素を考慮する必要があります。具体的な方法を、以下にまとめました。

正しい歯磨き方法を習得する

虫歯予防のためには、正しい歯磨き方法の習得は欠かせません。人によってそれぞれ歯磨きの癖があり、同じところを磨き残すことも珍しくありません。

一般的に磨き残しが多くなる場所は、以下のとおりです。

・上の奥歯の外側(頬側)

・下の奥歯の内側(舌側)

・歯並びが悪い部分

・歯と歯の間

・歯と歯茎の境目

また、利き手によっても磨き残しやすい部分が変わります。歯科医院で歯科衛生士による指導を受け、正しい磨き方を習得しましょう。

デンタルフロスや歯間ブラシも使って、口内の汚れを落としてください。食後3回デンタルフロスなどを使うのは難しい場合もあるでしょう。1日1回は使用して、口内を清潔に保ってください。

生活習慣を改善する

生活習慣を改善することで、虫歯になるリスクを減らせます。間食の内容を変える、食べるタイミングを減らす、食後はすぐに歯磨きをするなど、意識して生活を改善しましょう。

甘いものを好んで食べていた場合は、果物や煎餅、ナッツ類などへの変更を検討しましょう。食後すぐに歯磨きすれば、虫歯になるリスクを減らせます。歯磨きをするのが難しい場合は、うがいだけでも行いましょう。最後にお茶や水を飲むなど、食べかすが残らないようにしてください。

こまめに水を飲むことも、虫歯予防に効果的です。口内を洗浄できるだけでなく、細菌の繁殖を抑制できるでしょう。

フッ素塗布をする

虫歯予防には、フッ素塗布も効果的です。フッ素塗布には、以下のメリットがあります。

・ミュータンス菌の働きを抑制する

・脱灰した歯の再石灰化を促進する

・歯質を強化する

フッ素は、虫歯の原因となるミュータンス菌の働きを抑えつつ、歯質を強化します。虫歯予防だけでなく、初期虫歯にも効果的です。

高濃度のフッ素塗布は、歯科医院で施術してもらってください。家庭でも、低濃度のフッ素が配合された歯磨き剤や洗口剤を使用するとよいでしょう。

定期検診に通う

定期的に歯科医院に通うことも重要です。定期検診では、虫歯の有無や歯磨きの癖などを確認します。虫歯予防として効果があり、万が一虫歯ができている場合もすぐに処置できるでしょう。

定期検診の際にPMTC(プロが専用の機械を使って行う口腔ケア)をしてもらえば、口腔内を清潔に保てます。「歯が痛い」「歯が黒くなっている」と感じなくても、歯科医院に通う習慣をつけてください。

まとめ

虫歯の模型

虫歯の原因はミュータンス菌やプラークですが、頻繁に食べるものや、食べ方、磨き方なども大きく関係します。虫歯を防ぐには、甘いものを控える、完食のタイミングを減らすことも大切です。

また、ご自身の磨き方の癖を知り、正しい歯磨きの方法を習得しなければなりません。歯質の強化とミュータンス菌の抑制のために、フッ素塗布も行うとよいでしょう。

定期検診に通うことで、磨き残しや虫歯の有無を確認してもらえます。口腔内にトラブルが起きている場合も、すぐに対処できるでしょう。

歯科医師や歯科衛生士と一緒に虫歯のない健康的な口内を目指しましょう。

虫歯にお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

小児歯科で行う虫歯予防とは?こどもの虫歯の特徴と原因も解説!

2023年8月4日
歯科衛生士がこどものお口の中を確認している

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

虫歯になると、痛みを感じる方や、虫歯治療自体が大きなストレスとなる方も少なくありません。特に、小さなお子さまの場合、歯科医院へ行くのを嫌がる場合や虫歯の痛みを訴えるのが難しい場合があるため、親御さまは虫歯にならないように予防したいと思うでしょう。

今回は「小児歯科で行う虫歯予防にはどのようなものがあるのか」「こどもは大人に比べて虫歯になりやすいのは本当なのか」などの疑問に答えます。

虫歯になりやすいこどもの特徴とは

歯の治療を受けているこども

虫歯になりやすいこどもの特徴は、以下のとおりです。

・ひとりで上手に歯磨きできない

・甘い食べ物や飲み物を口にすることが多い

・口呼吸している

・歯並びが悪い

以下、それぞれ解説します。

ひとりで上手に歯磨きできない

小さいお子さまは、まだ上手に歯磨きができず、磨き残しが多いです。また、親御さまが歯磨きを手伝う場合でも、歯磨きが苦手でお子さまが暴れてしまったり歯磨きを拒否したりすることで、うまく歯磨きができず、虫歯のリスクが高まることがあります。

甘い食べ物や飲み物を口にすることが多い

虫歯の原因となる菌は糖をエサにするため、お菓子やジュースなどの甘いものを口にする機会が多いこどもは、虫歯のリスクを高めるといわれています。

特に、時間を決めずにダラダラとお菓子を食べる習慣がある場合は注意しましょう。虫歯菌が好む口内環境が続くため、さらに虫歯になる確率が高くなるのです。

口呼吸している

口呼吸していると、唾液の分泌が少なくなるため、虫歯になりやすくなります。

口を閉じて鼻で呼吸することで、埃や細菌などをそのまま吸い込まないようになっているため、鼻呼吸が理想の呼吸方法です。唾液には口内の汚れを洗い流す作用や抗菌作用がありますが、唾液の分泌が減ることで、虫歯の原因となる菌が繁殖しやすくなるのです。

歯並びが悪い

歯並びが悪く、歯と歯が重なっている部分があることで、歯ブラシだけでは十分に磨けない場合があります。歯が被さっている状態のため、虫歯があっても発見しにくい場合もあるでしょう。

また、噛み合わせが悪いと、口がうまく閉じられず、口呼吸になってしまう可能性もあるのです。

こどもの虫歯の特徴

虫歯治療をあらわすイメージ

こどもの虫歯の特徴は、以下のとおりです。

・虫歯になりやすく、進行が早い

・乳歯の虫歯は白く濁る

・年齢によって虫歯ができやすい場所が異なる

以下、それぞれ解説します。

虫歯になりやすく、進行が早い

こどもの歯は、永久歯に比べて「エナメル質」という歯の表面にある層が柔らかく薄いため、虫歯になりやすいです。乳歯の場合は、エナメル質やエナメル質の奥にある象牙質(ぞうげしつ)という部分の厚みが永久歯の半分しかないため、虫歯が一気に神経まで到達する可能性が高くなります。

乳歯の虫歯は白くにごる

永久歯が虫歯になると黒くなりますが、乳歯の場合は白くにごります。虫歯以外の理由でも歯が白くにごることがあるため、白くにごるからといって必ずしも虫歯とは限りませんが、虫歯になっている可能性もあります。

白色の場合、虫歯が見えにくく気づきにくいです。また、乳歯の虫歯は痛みをあまり感じないまま進行していくことがあります。虫歯に気づかないお子さまや、痛みをうまく伝えられないお子さまもいらっしゃるため、気づいたときには虫歯がかなり進行している場合があるでしょう。

年齢によって虫歯ができやすい場所が異なる

こどもの歯は、年齢によって虫歯ができやすい場所が異なります。年齢ごとの虫歯ができやすい場所は、以下のとおりです。

2歳ごろまでの虫歯ができやすい場所:上の前歯

2歳頃までは、哺乳瓶を使ったり、かじるようにして食事をしたりすることが多いため、上の前歯が虫歯になりやすいです。

特に、前歯の裏側は歯ブラシがあてづらく、見えにくい場所のため、虫歯ができていても気づかないことがあります。

2〜5歳ごろの虫歯ができやすい場所:奥歯

2、3歳ごろからは、少しずつ奥歯を使って食事ができるようになります。

汚れが溜まりやすく溝がある奥歯は、歯ブラシの毛先が届きにくいため、虫歯になりやすいでしょう。

6歳以降の虫歯ができやすい場所:6歳臼歯

6歳ごろからは、永久歯が生え始めます。6歳以降で最も虫歯になりやすいのは、6歳臼歯とよばれる歯です。6歳臼歯は、永久歯の中で最も早く生えてくる歯で、前から数えて6番目にあたる歯のことを指します。

6歳臼歯の生え始めは最も奥にあり、手前の乳歯のほうが背が高いため、歯ブラシが届きにくいです。また、6歳臼歯は、噛み合わせの面の溝が深いため、磨き残しが発生しやすい歯といえます。

虫歯になる原因

原因と結果

虫歯になる4つの原因は、以下のとおりです。

・歯の質

・細菌(微生物)

・糖質

・時間

以下、それぞれ解説します。

歯の質というのは、歯を構成するエナメル質や象牙質の状態のことを指します。大人の永久歯に比べ、乳歯や生えたばかりの永久歯は、エナメル質や象牙質がまだしっかり形成されていないため、柔らかく薄い状態です。そのため、虫歯になりやすい環境といえます。成長するにつれ、少しずつ歯が硬くなっていくため、大人の歯よりも歯の質が未熟であるこどものほうが虫歯になりやすいのです。

虫歯の原因となる細菌は、食材などに含まれる糖分を餌にして増え、ねばねばした物質をだすことでプラークを作り出します。その状態で時間が経つと、プラークの中で虫歯菌が酸を作り、エナメル質が酸によって溶かされることで歯に穴があき、虫歯になります。これが虫歯になるメカニズムです。

一般的には、食べ物や飲み物を口にすることで口内が酸に傾きますが、唾液の働きで中性に戻すことができます。

しかし、ダラダラと時間を決めずに甘いものを摂取すると、唾液の働きが間に合わず、口内が酸性になっている時間が多くなり、虫歯になる可能性が高まるでしょう。

小児歯科で行う虫歯予防

歯ブラシと歯磨き粉がおいてある

一度虫歯になってしまうと、歯を削ったり通院したりする場合があり、小さなお子さまにとってストレスになる可能性があります。虫歯予防をしっかりしておけば、歯の健康が守られるだけでなく、治療が必要ないため歯科医院への怖いイメージをもちにくいメリットもあります。

小児歯科で行う虫歯の予防方法は、以下のとおりです。

・歯のクリーニングやブラッシング指導

・フッ素の利用

・シーラントの利用

以下、それぞれ解説します。

歯のクリーニングやブラッシング指導

定期的に歯のクリーニングをすることで、歯ブラシでは落としきれない汚れを落とすことができます。プロに口内をチェックしてもらうことで、虫歯の早期発見にもつながります。

また、仕上げ磨きを含め、きちんと歯が磨けているかどうか不安な場合は、ご自宅で正しい歯磨きができるようにブラッシング指導をしてもらうことも可能です。

フッ素の利用

フッ素とはミネラルの一種で、自然界にも存在し、骨や歯のために必要な栄養素です。フッ素を利用して期待される効果は、以下のとおりです。

・歯の質の強化

・酸の産生の抑制

こどもの歯は歯の質が弱く、虫歯になりやすいため、フッ素によって歯の質を強化することで、虫歯になりにくい歯をつくる効果が期待できます。また、フッ素は虫歯の原因となる細菌を弱らせ、細菌が産生する酸を抑制できるといわれています。

歯の質が弱いこどもの時期に歯科医院でフッ素を塗布してもらうことで、虫歯予防できる可能性が高まるでしょう。

シーラントの利用

歯科医院でできるこどもの虫歯予防に「シーラント」とよばれる処置があります。

シーラントは、奥歯の溝を埋めることで食べかすが溝に入り込みにくくし、虫歯の発生を予防する目的で行われます。

ご自宅で行う虫歯予防

こどもを見守る親

歯科医院で虫歯予防をしても完全に虫歯を防げるわけではありません。ご自宅での毎日のケアや生活習慣を見直すことで、さらに虫歯のリスクを減らすことができるでしょう。ご自宅で行う虫歯予防は、以下のとおりです。

・食後の歯磨きを徹底する

・バランスのよい食事を心がける

・間食の時間を決める

以下、それぞれ解説します。

食後の歯磨きを徹底する

虫歯予防には食後の歯磨きが欠かせません。食後にしっかり歯を磨くことで菌の繁殖を最小限に防ぐことができます。小さなお子さまは隅々まできれいに磨くことが難しいため、仕上げ磨きをすることで、さらに口内を清潔に保てます。

また、フロスや部分用ブラシなどのアイテムを使うことで、細かい汚れも落とすことができるでしょう。

バランスのよい食事を心がける

糖を含むような甘い食べ物を口にする機会が多いと、虫歯のリスクを高めます。食事はバランスよく食べましょう。

間食をひかえるのが難しい場合は、チョコレートや飴などの糖を多く含む食べ物の代わりに、チーズやさつまいもにするなど、甘すぎないものに変えたり、頻度を減らしたりすることも効果的です。

間食の時間を決める

間食の時間を決めることなく、一日に何度も甘い食べ物や飲み物を口にしていると、唾液がもつ口内を中性に保つ作用が働きにくくなり、細菌が繁殖しやすい環境を作り出します。

間食するときはしっかり時間を決め、ダラダラ食べないようにしましょう。

まとめ

ポイントをまとめる女の子

今回は、こどもの虫歯予防について解説しました。虫歯になりやすいこどもの特徴や虫歯ができてしまう原因を知ると、小児歯科やご自宅で行う虫歯予防が重要かご理解いただけるかと思います。

一度虫歯になってしまうと、虫歯の痛みや歯科医院での虫歯治療は、こどもにとって大きなストレスやトラウマになることが予想されます。しっかり虫歯予防を行い、お子さまの大切な歯を守ってあげましょう。

お子さまの虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯が生えてきたら歯ブラシで歯磨きをしよう!赤ちゃんの歯の磨き方!

2023年6月19日
歯ブラシを持って自分で歯磨きする可愛い赤ちゃん

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

赤ちゃんの歯を守るために欠かせない歯磨きですが、いつからどのように始めるべきなのかわからない保護者の方も多いでしょう。

今回は、赤ちゃんの歯磨きを始める適切な時期や磨き方、嫌がったときの対処法などを詳しく解説します。

歯が生えてきたら歯ブラシで歯磨きしたほうがいい?

ソファに座って悩む母親とこども

赤ちゃんの歯磨きを始める時期は、乳歯が生えてきたタイミングです。1本でも乳歯が生えてきたら、すぐに歯磨きを始めましょう。歯が生えると同時に虫歯になるリスクが発生するため、1本でも乳歯が生えれば歯磨きをするべきです。

永久歯と違い、乳歯は歯の表面を覆っているエナメル質が薄いため非常に柔らかく、虫歯菌に侵食されやすい性質があります。また、赤ちゃんの虫歯は大人と比べて進行スピードも早いため、すぐに対処しなければ将来生えてくる永久歯にも影響を及ぼす可能性があります。そのため、乳歯が生えてきたらなるべく早く歯磨きを始めることが大切です。

赤ちゃんの歯の磨き方

洗面台に赤ちゃんを座らせて歯磨きの仕方を教える母親

赤ちゃんの歯磨きはどのように行うのでしょうか。3つのステップにわけて解説します。

1.歯磨きに慣れさせる

赤ちゃんの口の中は非常に敏感です。そのため、いきなり歯ブラシを口の中に入れて歯を磨こうとしても拒絶されるでしょう。歯磨きが嫌だと思われる前に、歯磨きに慣れることからスタートするのが大事です。

例えば、赤ちゃんの機嫌がよいときに歯磨きの歌を歌いながら「お口つんつん」や「ほっぺたつんつん」の声かけと一緒に、指で赤ちゃんの口のまわりを優しく触りましょう。口の周辺を触られることに慣れさせることが目的です。

口の周辺を触られることに慣れてきたら、口に入れても危なくない柔らかいおもちゃなどで遊ばせましょう。赤ちゃんの口腔内を刺激することで、さらに歯磨きに近い感覚に慣れさせます。

赤ちゃんの体をくすぐる、歌をうたう、口まわりを刺激するなどを同時に行って、楽しい雰囲気にすることで、歯磨きへステップアップしたあとも遊びの延長として受け入れやすくなるでしょう。

2.ガーゼで磨く

口の中に何かを入れる感覚に赤ちゃんが慣れてきたら、歯ブラシではなく、ガーゼ磨きを始めます。

歯が生えてきたら歯磨きをしなくてはなりませんが、赤ちゃんが慣れていないことに加え、保護者も赤ちゃんの歯磨きに慣れていないため、無理に歯ブラシで磨くのは双方にとってよくありません。

最初に生える下の前歯の近くには唾液腺があり唾液が常に流れているので、比較的虫歯になる可能性は低いとされています。完璧に磨けなくても気にせず、毎日歯磨きを行うこと、歯磨きに慣れてもらうことを意識しましょう。

指やおもちゃの刺激に十分に慣れてきたら、生後6〜7か月頃までは離乳食後に水でぬらしたガーゼで乳歯を優しく拭いてあげましょう。

3.歯ブラシ磨きに切り替える

ガーゼ磨きをスムーズに行えるようになり上の前歯が生えてきたら、歯ブラシでの歯磨きを始めます。特に、上の前歯は授乳の際の汚れがつきやすいため注意が必要です。

上の前歯が生え始めたら、まずはこれまでどおりガーゼで優しく拭き取り、そのあとに仕上げ磨きとして水だけをつけた歯ブラシで優しく磨きます。ベビー用のトレーニング歯ブラシを持たせ、噛んで遊ばせてもよいでしょう。

最初はガーゼ磨きと並行して行い、乳歯が生え揃ってきたらガーゼ磨きをやめて歯ブラシでの歯磨きに切り替えます。次第に歯磨き粉を使用した歯磨きができるようになるので、赤ちゃん自身の歯磨きと合わせて、就寝前の仕上げ磨きを習慣化しましょう。

歯磨き粉はいつから?

歯ブラシのおもちゃを持って歯磨きする赤ちゃん

歯磨き粉も歯磨きと同様、乳歯が生え始めたら使い始めるのが基本ですが、刺激が多いと嫌がる可能性が高いため、歯ブラシに慣れるまでは水だけの歯磨きで問題ありません。歯磨きに慣れてきたら歯磨き粉を使いましょう。

大人が使用する歯磨き粉は刺激が強いため、口の中が敏感な赤ちゃんに使用するには向いていません。最初はフッ素入りの赤ちゃん用歯磨き粉を使用してください。

フッ素には、虫歯を予防する3つの働きがあります。

・酸に負けない抵抗力のある歯を作る

・溶け出した歯を修復する再石灰化を促進する

・虫歯菌の働きを弱める

フッ素を活用することで、虫歯に負けない歯を作ることができるでしょう。

赤ちゃん用フッ素歯磨き粉の選び方

?を描く3つの歯磨き粉

「赤ちゃんの頃からフッ素が入った歯磨き粉を使ってもいいの?」と不安に思った方もいるでしょう。

フッ素(フッカ化合物)は、短時間に大量摂取することで吐き気や嘔吐などの急性フッ素中毒を引き起こすことが知られています。中毒を引き起こす量の目安は「体重1kgあたりフッ素2mg」とされています。乳歯が生え始める6か月頃の赤ちゃんの平均体重が約7kgなので、フッ素を14mg摂取すると中毒になるということです。

フッ素が高濃度に配合されている大人用の歯磨き粉でも、フッ素の濃度は1,500ppm(0.15%)で、大人が一度の歯磨きで使用する歯磨き粉の量が1g(1000mg)といわれています。つまり、一度の歯磨きで使用する歯磨き粉に含まれるフッ素はわずか1.5mgなのです。

体重7kgの赤ちゃんに、大人用の歯磨き粉を使って10回連続して歯磨きを行えば中毒症状が出る可能性がありますが、現実的ではないでしょう。

そもそも、フッ素は自然界にも存在し、私たちの体内や食べ物にも含まれている物質です。過度に恐れ、遠ざける必要はありません。

ただし、大人がこどもの年齢に合ったフッ素濃度の歯磨き粉を選び、管理する必要はあります。特に、現在は多くのフッ素入り歯磨き粉が販売されていて、どれを選べばよいかわからないという保護者の方も多いでしょう。

まずは、含まれているフッ素濃度が明記されている商品を選んでください。下記の表を参考に、こどもの年齢に合わせて適切な歯磨き粉を選択しましょう。

<こどもの年齢と適切なフッ素濃度>

年齢 フッ素濃度
6か月(歯の萌出)~2歳 500ppm
(泡タイプの歯磨き粉なら1,000ppm)
3歳~5歳 500ppm
(泡タイプまたはフッ素の種類がMFP(※)なら1,000ppm)
6歳~14歳 1,000ppm
15歳以上 1,000~1,500ppm

※ モノフルオロリン酸ナトリウム

こどもの歯磨きにおいて、歯ブラシや歯磨き粉と同じくらい重要なのが「うがい」です。

こども、特に赤ちゃんは、上手にうがいができない場合も多いので、最初はうがいをしなくてもよい歯磨き粉を選びましょう。「うがい不要」や「ブラッシングのあとに吐き出すだけでOK」などの記載があるので、確認して購入してください。

また、赤ちゃん用の歯磨き粉を選ぶ際は、発泡剤や研磨剤を使用していないものを選びましょう。大人が使用する歯磨き粉には、泡立ちをよくするために発泡剤が使われています。少量の歯磨き粉でも、泡立つことで薬剤がすみずみまで行き渡り、汚れを落としやすくする働きがあります。

一方で、泡ばかりが口内に広がって「しっかり磨いた」と勘違いしやすいことがデメリットです。特に、赤ちゃんの場合は、泡に不快感をおぼえて嫌がることで、仕上げ磨きが不十分になりかねません。泡立つことで歯を見ることができなくなり、磨き残しが生じる可能性もあります。磨いたことを目で確認するために、赤ちゃんの頃は発泡剤を使用していない歯磨き粉を選びましょう。

研磨剤は柔らかい赤ちゃんの乳歯を傷つけるおそれがあるため、適していません。赤ちゃんの歯磨き粉を選ぶ際は、研磨剤不使用と明記された商品を選びましょう。

歯に着色汚れがついた場合は、研磨剤の含有量がごく微量のこども用歯磨き粉を使う、小児歯科に相談してクリーニングしてもらうなどで対応してください。

赤ちゃんの歯はいつ磨くのが適切?

服をめくって腕時計を確認し、時間を見る女性

赤ちゃんは、大人と生活リズムが異なるので、1日のどのタイミングで歯を磨けばよいかわからない場合も多いでしょう。赤ちゃんの歯磨きのタイミングについて解説します。

1日に1~2回を目安に歯磨きを行う

歯磨きを初めたばかりの頃は、1日に1〜2回を目安に行いましょう。

特に、寝ている間は唾液の分泌量が減少するため、口の中で虫歯菌が繁殖しやすくなります。寝る前は必ずガーゼ、もしくは歯ブラシで歯を磨きましょう。

慣れてきたらミルクや離乳食のあとにも歯磨きを行う

赤ちゃんが歯磨きに慣れてきたら、ミルクや離乳食が終わるたびに磨くなど、徐々に歯磨きの回数を増やしましょう。

無理に磨くと痛がる場合や歯磨きを嫌がるようになる場合があるため、赤ちゃんの様子を見ながら進めてください。

歯磨きを嫌がるときはどうしたらいい?

赤ちゃんを抱っこして歯磨きの仕方を教える父親

赤ちゃんの歯磨きで多くの保護者の方が悩むのが、歯磨きを極度に嫌がることでしょう。ときには大声で泣きじゃくる、手足をばたつかせて暴れるなど、手がつけられなくなることもあります。

こどもが歯磨きを嫌がるときの対処法を解説します。

軽い力で手早く磨く

赤ちゃんの歯磨きは、時間をかければかけるほど嫌がるので、なるべく手早く行うことが大切です。

力を入れてゴシゴシ磨くと嫌がる原因になり、歯を傷つける可能性もあるため軽い力で磨きましょう。力加減は、歯ブラシを歯にあてたときに歯ブラシの毛先が広がらない程度が目安です。

上唇小帯に歯ブラシを当てない

保護者の方が仕上げ磨きをする際に、上唇の裏側と歯茎の間にある筋(上唇小帯:じょうしんしょうたい)に歯ブラシをあててしまうことがあります。上唇小帯に歯ブラシが強くあたると、痛みを感じて極度に嫌がるこどもが多いです。

上唇に指を添え、少し持ち上げて上唇小帯を視認しながら磨くことで、不意の接触を回避できるでしょう。

新しい歯ブラシに交換する

こどもが歯磨きを嫌がる原因の一つに、歯ブラシの毛羽立ちがあります。毛先が広がった歯ブラシを使用すると、赤ちゃんの口の中の粘膜や歯茎にあたって痛みを感じる場合があります。磨きたい場所以外にブラシがあたることで、口内を傷つけることにもつながるでしょう。

歯ブラシを交換するタイミングは1か月が目安ですが、歯ブラシの毛先が広がってきたと感じたら新しいものに交換しましょう。

嫌がるこどもを無理に追いかけない

虫歯になってほしくないという思いから、場合によってはこどもを押さえつけて歯磨きをすることがあるかもしれません。就寝前は保護者の方も疲れていることが多く、スムーズに歯磨きができないとイライラして大きな声を出してしまうこともあるでしょう。

保護者の方が怒りながら行う歯磨きは、こどもに恐怖をあたえる可能性があります。押さえつけられて歯磨きをされる体験が積み重なると「歯磨き=怖いもの」と認識し、将来の歯磨き習慣にも影響を及ぼすおそれがあるのです。

こどもが歯磨きを嫌がったときは無理に追いかけず、時間を置いて、落ち着いてから再チャレンジしましょう。

歯磨きに遊びの要素を取り入れる

こどもに歯磨きを好きになってもらう方法として、歯磨きに遊びの要素を取り入れるのが非常に有効です。ふだんから絵本や手遊び、歌などで歯磨きに触れさせることで、実際に歯磨きを行う際も受け入れられるでしょう。

また、こどもだけでなく親も一緒に歯磨きをするのも非常に効果的です。向かい合って「〇〇ちゃんも一緒に歯磨きしよう」と誘うと、次第に真似をして歯磨きをするようになります。

まとめ

娘の顎を持って歯磨きする母親

今回は、赤ちゃんの歯磨きについて解説しました。

赤ちゃんの歯磨きを行う場合は、まずは口のまわりを触ることから始め、徐々に歯ブラシでの歯磨きを行えるように慣れてもらいましょう。嫌がる場合は歌をうたう、保護者も一緒に歯磨きをするなどが効果的です。

赤ちゃんの頃に生えている乳歯は大人よりも虫歯になる危険性が高いため、大人以上に気をつけて歯磨きをする必要があります。フッ素が配合された歯磨き粉も使用して、虫歯予防に努めましょう。ときには歯磨きを極度に嫌がることもありますが、少しずつ時間をかけて習慣化できるよう工夫してください。

赤ちゃんの歯磨きでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

虫歯を放置するとどうなる?リスクと予防法を詳しく解説!

2023年5月11日
歯が痛くて手でおさえている女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「歯医者が苦手で、虫歯を放置している」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。痛みもなく日常生活に支障がない場合、ついあとまわしにする方も少なくありません。虫歯は放置したままで問題ないのか、虫歯に心あたりがある方なら気になると思います。

本記事では、虫歯を放置するリスクについて、治療法や治療費用・治療期間、虫歯の予防法などを解説します。

虫歯の原因と進行の仕組み

「虫歯はどうしてできるのか」「虫歯はどのように進行するのか」疑問に思われている方も多いでしょう。虫歯の原因と進行の仕組みは、以下のとおりです。

虫歯の原因

虫歯は、以下の4つの条件が重なったときにできるといわれています。

・歯の質

・微生物

・糖質

・時間

以下、それぞれ解説します。

歯の質

歯の質とは、もともとの歯の質や唾液・歯並びのことです。

歯の質や唾液・歯並びは、個人差がでやすいです。もともとの歯の質が弱い方は、歯が酸の影響を受けやすく溶けてしまうので、虫歯リスクが高い口内環境にあります。乳歯や生えたばかりの永久歯は歯の質が弱いので、特に注意が必要です。

また、唾液には酸を中和する働きや、酸の影響で溶け出した歯を修復する働きがあります。唾液の分泌が多い方は、少ない方と比較して虫歯になりにくいといえるでしょう。

微生物

微生物とは、虫歯の原因となる細菌のことです。

虫歯の細菌は、糖を栄養源にして増殖し、歯を溶かす原因となる酸を作り出します。口内に多くの細菌が生息するほど多くの酸が作られるので、歯の表面が酸性に傾きやすいといえるでしょう。

歯の表面の酸性度が高くなると、歯は溶けてしまいます。

糖質

糖質とは、食べ物に含まれる糖分のことです。

糖分は、虫歯菌が増殖するためのエサとなり、酸を作る原因になります。甘いものをよく食べる方や間食が多い方は、糖分を多く摂取している可能性が高いので、口の中の虫歯菌が増殖しやすい環境にあるといえるでしょう。

時間

時間とは、歯が酸に触れている時間のことです。

歯が溶けてしまう原因は、虫歯菌が作る酸です。歯の表面で酸が作られていても、歯に触れる時間が短時間であれば問題ありません。

しかし、磨き残しがある場合やブラッシングをおこたった場合、長時間にわたり歯の表面に酸が触れ、歯が溶け出してしまいます。ダラダラと食べることが習慣化している方も、歯が酸に触れる時間が長くなるため注意が必要です。

虫歯の進行の仕組み

虫歯の進行は大きくCO・C1・C2・C3・C4の5段階に分類されます。数字が大きくなるほど虫歯が進行している状態で治療回数も多くなります。

進行度別の歯の状態や症状は、以下のとおりです。

CO

COは、治療する段階ではない初期の虫歯がみられる状態です。「要観察歯」ともいわれます。

歯の表面が虫歯菌の出す酸の影響で溶けて、白くにごったようにみえるのが特徴です。穴もあいておらず、自覚症状もないので気がつかない場合が多いでしょう。

COの段階では「ブラッシングをしっかりする」「歯科医院でフッ素塗布する」などの適切な対処を行うと、再石灰化作用で歯を健康な状態に改善できます。

C1

C1は、虫歯が歯の表面のエナメル質まで進行している状態です。

痛みはなく、歯の表面が薄茶色や黒っぽく変色して穴があいている場合が多いです。歯科医師が状態を確認して定期的に様子を見るか、虫歯を削って治療するか判断します。

C2

C2は、エナメル質よりさらに内側にある象牙質にまで虫歯が進行した状態です。

虫歯の部分が黒く、変色して穴があき、口臭がでる場合もあるでしょう。

象牙質はエナメル質と比較して、歯の質が柔らかいので虫歯が急速に進行することも少なくありません。また、象牙質には神経がとおっているので、痛む・冷たいものがしみるなどの自覚症状がみられます。

C2まで虫歯が進行すると虫歯治療が必要です。

C3

C3は、虫歯が象牙質から歯の神経部分まで到達した状態です。

大きな穴があき、激しい痛みをともなうため、多くの方が虫歯だと自覚する段階です。冷たいものやあたたかいものがしみるのはもちろん、何もしなくても歯がズキズキと痛む場合が多いでしょう。

C3まで進行した虫歯は、歯の神経の処置を行う必要があり、治療回数も多くなります。

C4

C4は、虫歯が神経まで到達し、歯が崩壊して根の部分のみ残っている状態です。

歯が大きく欠けた状態で、激しい痛みをともないますが、虫歯菌によって歯の神経が機能を失うと痛みを感じなくなります。

C4まで進行した虫歯は、C3と同様に歯の神経の処置を行います。虫歯によって歯がほとんど残っていない場合や予後が悪いと判断された場合は、抜歯処置が必要になるでしょう。

虫歯を放置するとどのようなリスクがある?

頬を手に当て歯を気にしている男性

虫歯を放置するとさまざまなリスクが生じます。

虫歯を放置すると生じる3つのリスクは、以下のとおりです。

・歯の神経を失う

・歯そのものを失う

・炎症性の疾患を引き起こす

以下、それぞれ解説します。

歯の神経を失う

虫歯を放置し続けると、虫歯は神経まで到達します。神経を刺激するので痛む・冷たいものやあたたかいものがしみるなどのリスクも生じるでしょう。

神経まで虫歯が達した場合、神経を取りのぞく処置が必要です。

ただし、神経には歯に栄養をあたえる働きもあるため、神経を失った歯は枯れ木のようにもろくなります。歯が割れるリスクや歯の根が細菌感染を引き起こすリスクが高く、歯の寿命も短くなりやすいです。また、神経まで虫歯が到達すると治療回数も多くなり、通院の負担が大きくなります。

歯の寿命を守り、通院の負担を減らすためにも、虫歯が疑わしい部分がある場合は早めに歯科医院を受診するとよいでしょう。

歯そのものを失う

虫歯を長期間放置すると、虫歯が神経まで到達し、やがて神経は機能を失い、歯は崩壊して根っこだけ残ります。歯が残っている量が少ない場合や根の先まで虫歯菌に感染が広がっている場合は抜歯となるリスクが高いです。

失った歯を補うには、入れ歯やブリッジ・インプラントを行う必要があります。治療期間も長くなるほか、インプラントを選択した場合は治療費も高額となるため、経済的負担も大きくなります。

炎症性の疾患を引き起こす

虫歯を放置すると、全身の健康にも悪影響をおよぼす場合があるため注意が必要です。

虫歯菌が鼻の粘膜に感染すると「副鼻腔炎」、顎骨の骨髄に感染すると「顎骨骨髄炎」になるリスクが高くなります。また、痛みや高熱・排膿などの症状もともないます。

虫歯は治療しなくても自然に治る?

口元に手を当て疑問の様子の男性

虫歯は、COの状態であればしっかりとブラッシングを行い、歯科医院で高濃度のフッ素を塗布するなど、適切な対応を行えば治る場合もあります。

しかし、一般的には虫歯は治療しない限り治ることはありません。たとえ痛みがなくても虫歯は進行しているので、突然耐えられない痛みに襲われるリスクがあります。

歯の変色や痛みなどの違和感があったら早めに歯科医院を受診しましょう。

虫歯を放置した場合の治療法

歯の治療をしている歯科医師と患者

虫歯治療は、虫歯の範囲によって治療法が異なります。進行度が軽いほど治療も簡単で、短期間で完了するケースが一般的です。

虫歯の進行度別の治療法は、以下のとおりです。

C1

C1は、虫歯の範囲がエナメル質に限定されている状態です。

表面に穴があいている場合は、虫歯の部分を削って白い樹脂をつめる治療を行います。C1は虫歯の範囲によっては歯科医師の判断で治療を行わず、経過観察する場合があります。

C2

C2は、虫歯の範囲が象牙質まで到達しているため治療が必要な状態です。

虫歯部分を削って白い樹脂をつめる、型取りをして銀歯・セラミックの詰め物を入れるなどの治療を行います。C2までの状態で虫歯治療を始めることができれば、治療回数も少なくすむ場合が多いでしょう。

C3

C3は、虫歯が神経まで到達している状態です。

歯には神経のとおる管があり、虫歯が神経まで到達している場合は、痛みの有無に関係なく神経の処置が必要です。C3の虫歯の治療は、歯の管をとおっている神経を取りのぞき、管のなかを綺麗に清掃します。神経の代わりとなる薬をつめたら神経の処置は完了です。その後、歯を削った量によって、詰め物をつめる・土台を作って被せ物をするなどの治療を行います。

C4

C4は、歯が崩壊して根の部分だけ残り、虫歯菌の影響で歯の神経が失われている状態です。

歯がほとんど残っていない状態なので、治療できないと判断された場合は抜歯となります。治療が可能な場合は、C3の状態と同様に神経の処置を行い、土台を作って被せ物を被せます。

虫歯治療にかかる費用・期間

費用を計算している様子

虫歯治療にかかる費用や期間はどれくらいかかるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。虫歯治療にかかる費用・期間の目安は、以下のとおりです。

<虫歯治療にかかる費用・期間の目安>

虫歯の進行度 費用の目安(保険適用3割負担) 治療期間
C1 1,500~3,000円 1回
C2 2,000~10,000円 2~3回
C3 7,000~20,000円 3回〜
C4 3,000~7,000円 1回~

虫歯治療は、虫歯が進行しているほど費用や期間がかかり負担も大きくなります。神経の処置が必要なC3では神経の管を綺麗に清掃する必要があるため、状態によって治療回数が前後します。

なお、C4は、抜歯処置の費用目安です。抜歯後に歯を補う治療を選択する場合は、別途選択した治療の費用・期間が必要です。

虫歯の予防法

2本ならんだ歯ブラシ

虫歯は、歯の質・微生物・糖質・時間の4つの条件が重なったときにできます。虫歯を予防するには、4つの条件が重ならない生活習慣を心がけることがポイントです。

たとえば、歯の質を強化するためには、フッ素塗布が効果的です。フッ素には、歯の質を強化する作用以外にも唾液の再石灰化作用を助ける働きや虫歯菌の活動を抑制する働きがあります。ふだんからフッ素入り歯磨き粉で歯を磨くことで、歯の質を強化させることができるでしょう。

また、定期的に歯科医院で高濃度フッ素を塗布してもらうとよいでしょう。唾液の分泌が少ない方は、食事のときはよく噛むことを心がけ、唾液腺マッサージなどで唾液の分泌を促進させるとよいでしょう。

微生物・糖質・時間については、ブラッシングと食習慣の見直しがポイントです。ふだんからダラダラと間食や甘いものを多くとる方は、回数や内容を見直しましょう。間食回数を減らして食後にしっかりとブラッシングを行うと、糖質が歯の表面に残らないので、虫歯になるリスクが軽減されます。

少しの工夫で虫歯は予防できるので、可能なことから生活習慣に取り入れるとよいでしょう。

まとめ

ポイントを指さす女性

一度虫歯になると自然に完治することはなく、歯科医院で治療しなければいけません。痛みがないからといって放置すると、やがて痛みや歯の表面に穴があくなどの症状があらわれ、重度の虫歯に進行すると抜歯する場合もあります。

虫歯は初期であれば治療も簡単のため、時間も費用も少ない負担ですみます。気になる症状がある場合は早めに歯科医院を受診しましょう。

歯科医院の定期検診に通うと、虫歯リスクを軽減できます。定期検診では、虫歯のチェックやブラッシング指導、歯石や着色汚れの除去を行います。定期検診に通っていれば、万が一虫歯が見つかっても早期であるケースが多く、簡単な治療ですむ場合が多いです。お口の健康を保つためにも、歯科医院を受診して定期検診を受けるのがよいでしょう。

虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

【進行度別】虫歯の治療期間はどれくらい?治療法も詳しく解説!

2023年5月4日
椅子に座った女性を心配する赤い服の女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

虫歯の治療期間は、進行度によって異なります。初期虫歯の場合は、自然治癒で治ることがほとんどなので、治療期間は0日です。歯根部まで感染が広がっている場合は、6か月以上かかることもあります。

今回は、虫歯の治療期間と治療法について、進行度別に解説します。

進行度別 | 虫歯の治療期間・治療法

口を大きく開けて虫歯を見せている子供

虫歯の進行度は、以下の5段階に分けられます。

・C0:初期虫歯

・C1:エナメル質の虫歯

・C2:象牙質の虫歯

・C3:神経に達した虫歯

・C4:歯根しか残っていない虫歯

進行度別に、症状の特徴や治療期間、治療法について解説します。

C0:初期虫歯

C0は、痛みなどの自覚症状がない初期の虫歯です。自覚症状がなく、見た目でもわかりにくいため、定期健診などで発覚することが多いです。

特徴

見た目ではほとんどわかりませんが、場合によっては歯にツヤがなくなったり、茶色や黒色に変色することがあります。

感染している部分が浅いため、自覚症状もありません。自然治癒で治ることが多い虫歯です。

治療期間

C0の虫歯は特別な治療を必要としないため、治療期間は0日といえます。歯の再石灰化のみで、自然に治癒できる虫歯です。

歯の再石灰化とは、エナメル質に起こる自然な現象で、初期の虫歯を修復することができます。口腔内のミネラル(主にカルシウムとリン酸)が歯のエナメル質に取り込まれ、弱ったエナメル質を補強することで歯を強化します。

治療法

再石灰化作用によって自然治癒が期待できるので、歯を削るなどの治療は必要ありません。丁寧なブラッシングやフロスの使用、フッ素入り歯磨き粉などを使って口腔内を清潔に保ち、進行させないことが重要です。

再石灰化を促す方法として、唾液の分泌量を増やすことが挙げられます。唾液には、歯を保護して再石灰化を促す作用があります。噛む動作によって唾液腺が刺激されるため、食事の際に噛む回数を増やしたり、ガムを噛んだりすると効果的です。

ただし、糖分が含まれているものは虫歯菌の活性化を促すので、無糖のガムを選びましょう。特に、キシリトールガムがおすすめです。キシリトールには、エナメル質を溶かす酸の産生を抑制する働きがあるため、初期虫歯の進行を抑えられる可能性があります。

C1:エナメル質の虫歯

C1は、エナメル質に虫歯が進行している状態です。エナメル質は、歯の外側を覆う非常に硬い層のことで、歯を保護する役割を果たしています。

特徴

エナメル質に虫歯が進行すると、小さな穴やくぼみが形成されることがあります。

この段階では、虫歯はまだ象牙質に達していないため、痛みはほとんど感じません。

治療期間

C1の虫歯の治療は、1日で終わることが多いです。

歯を削った直後に詰め物を装着し、形の調整などを行うため、治療は1回で完了します。

治療法

C1の虫歯は、エナメル質に侵食した虫歯をドリルを用いて取り除きます。そのあと、削った部分に詰め物を装着して、歯を修復します。

詰め物にはコンポジットレジンが用いられることが多いですが、より美しく仕上げたい場合はダイレクトボンディングを用いる場合もあるでしょう。コンポジットレジンは保険適用であり、劣化や変色しやすいことが特徴です。ダイレクトボンディングは自費診療ですが、長期間にわたって色や形状を保つことができます。

C2:象牙質の虫歯

C2は、象牙質まで虫歯が進行している状態です。治療方法はC1と同様に、虫歯部分を除去して、詰め物や被せ物で歯を補修しますが、C1に比べてより深く除去する必要があります。

被せ物を使用する場合、治療期間はC1よりも長くなることが多いです。

特徴

C2の虫歯は、虫歯が歯のエナメル質を超えて、内側の象牙質まで進行した状態です。

象牙質は、エナメル質よりも柔らかく、微細な穴が多数あるため、虫歯が進行する速度がC1よりも速くなります。虫歯が象牙質に達すると、歯の神経に近づくため自覚症状が出やすく、痛みを感じる場合もあるでしょう。冷たい飲み物や甘いもの、酸味のあるものなどを摂取すると、しみる感覚や痛みが生じる方が多いです。

また、象牙質まで進行した虫歯は歯の色に影響するため、黄色がかった色や茶色に変色することがあります。

治療期間

C2の虫歯は、治療に使用する素材や、詰め物か被せ物かによって治療期間が異なります。

コンポジットレジンの詰め物なら治療は1日で終了しますが、メタル(銀歯)の場合、詰め物・被せ物どちらの場合も、治療回数は2回必要です。自費診療のダイレクトボンディングやセラミック、ジルコニアを用いる場合も2〜3回の通院が必要になるため、治療期間は1週間ほどになるでしょう。C2の治療期間は、コンポジットレジンの詰め物なら1日、その他の治療法は1週間が目安です。

治療法

コンポジットレジンの詰め物を使用する場合は、C1と変わりありません。

虫歯が進行した象牙質の部分を、ドリルやレーザーを使用して丁寧に除去します。虫歯を除去したあと、詰め物を用いて歯を修復します。詰め物を装着したら噛み合わせを確認し、必要に応じて詰め物を調整して治療完了です。

被せ物の場合、詰め物のように削った箇所にそのまま装着するのではなく、型取りを行う必要があります。専門のスキルをもった歯科技工士が技工所で製作するため、完成までに1週間ほど待たなければなりません。

C3:神経に達した虫歯

C3は、歯髄に近い部分まで虫歯が進行した状態です。

歯の神経が炎症を起こしている場合、根管治療が必要になることがあります。治療期間は、数週間から数か月かかることが一般的です。

特徴

虫歯が神経に達した場合、神経が刺激されるため、激しい痛みが生じます。何もしていない状態でも痛みを感じ、食事などによって悪化する場合が多いです。

C3まで進行すると、見た目でも虫歯になっていることがわかります。歯の大きな欠けや、歯に穴が空いていることを確認できるでしょう。また、強い口臭が発生する場合もあります。

神経に炎症が起きた場合は歯髄炎、歯根膜に炎症が起きた場合は歯根膜炎など、さまざまなリスクが伴います。

治療期間

C3は、神経を抜く根管治療が必要なため、治療期間は1か月ほどです。根管治療後に被せ物の治療を行うため、治療期間が長くなります。

根管治療で3〜5回の通院、被せ物の治療で2〜3回ほどの通院が必要です。

治療法

虫歯が歯の神経まで到達しているため、神経を抜かなければならないことが多いです。神経を残せる場合もありますので、気になる方は歯科医師に相談してみましょう。

治療では、虫歯の部分と神経を取り除きます。特別な薬剤を使用して神経が入っている管をしっかりと洗浄し、再び細菌が入り込まないよう、抗菌作用のある薬剤を詰めます。根管治療を終え、被せ物を装着して歯の修復ができたら治療終了です。

被せ物は、C2のように、銀歯やセラミックなどの素材を選択できます。

C4:歯根しか残っていない虫歯

C4は、歯冠(歯茎から見える部分)の大部分が失われ、歯根部分のみが残っている状態を指します。

感染が広がり、虫歯が歯髄炎や歯周炎を引き起こすほど進行した状態です。根管治療が必要ですが、悪化した場合は抜歯が必要になることもあります。

特徴

C4は、虫歯によって歯冠が破壊されたり折れたりして、歯根部分のみが残っている状態です。虫歯菌の感染により歯の強度が大幅に低下し、噛む力や外的な衝撃に耐えられない状態を意味します。

C4まで進行すると神経が死んでしまっていることが多く、痛みを感じることは少ないです。

治療期間

選択する治療法によって治療期間は異なります。

歯が残せそうな場合は、C3と同じ治療法を行い、治療期間は1か月ほどです。抜歯が必要な場合は、抜歯後に骨や歯肉の回復を待ってから人工歯を取り付けるため、さらに時間がかかります。

ブリッジや入れ歯を装着する場合、治療期間は1か月ほどです。

インプラントを選択した場合は、人工歯根を埋め込む外科手術が必要になります。埋め込み後、骨の再生を待たなければならないため、治療期間は最低でも6か月以上になるでしょう。

治療法

歯が残せそうな場合は、C3と同様に根管治療と被せ物の治療を行います。抜歯が必要な場合は、抜歯したあとに人工歯を装着します。

親知らずなど、余分に歯がある場合は、歯牙移植という自分の歯を移植する治療法もありますが、形が合わない場合は行えません。

抜歯後に装着する人工歯は、以下の3つです。

・ブリッジ(保険適用)

・入れ歯(保険適用)

・インプラント(保険適用外)

ブリッジは、隣接する健康な歯を支えとして人工歯を固定する方法です。固定の際に、支えとなる歯を薄く削る必要があります。

入れ歯は、金属やプラスチックのフレームに取り付けられた人工歯で構成され、取り外すことができます。取り外し式であるため、インプラントやブリッジと比べて安定性が劣ることが多いです。

インプラントは、人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を取り付ける方法です。費用は高額になりますが、自然な見た目を実現し、隣接する歯に影響を与えることはありません。

虫歯の治療期間を短くするために

椅子に座って歯科医師の話を聞く女性患者

虫歯の治療期間を短くするためには、日頃から虫歯予防に努め、定期的に歯科医院を受診することが重要です。定期的な通院は、虫歯の早期発見につながり、治療期間を短くすることができるでしょう

早期発見

虫歯が初期段階であれば、治療期間も短く、より簡単な治療で対応できます。

歯磨きの際に、鏡で口の中をチェックする習慣をつけるとよいでしょう。白い斑点や茶色く変色した歯を見つけた場合は、歯科医師に相談してください。また、痛みやしみるなどの症状がある場合は、虫歯が進行している可能性があるので、早めに歯科医院を受診しましょう。

定期検診

定期的に歯科検診を受けることで、虫歯の早期発見・早期治療につながります。

虫歯や歯周病予防に効果的なクリーニングは、3〜6か月に1回の頻度で受けることが推奨されています。クリーニングを含む定期検診を受診することは、虫歯が進行する前に対処できるため、非常に重要です。

丁寧な歯磨き

口腔内を清潔な状態に保つことは、虫歯菌の活性化を防ぎます。

食べかすは虫歯菌のエサとなるため、できれば毎食後に歯を磨きましょう。外出時など難しい場合は、うがいだけでも効果的です。食後にうがいをすることで、口の中に残った食べかすを洗い流すことができます。

また、歯ブラシだけではなく、1日1回は歯間ブラシやフロスを使って歯間の汚れを除去しましょう。フッ素は虫歯予防に効果的なので、フッ素入りの歯磨き粉を使用するのもよいでしょう。

食生活の改善

糖分は、虫歯の発生や進行速度を早めることにつながります。

ふだんから糖分を多く含む飲食物を摂取している場合は、量や頻度を減らすことで虫歯のリスクを低減できます。また、食間の間隔を空けることは、歯に与える負担を減らすことにもなるので、間食が多い方は減らしましょう。

フッ素塗布

歯科医院で行なっているフッ素塗布をしましょう。

歯科医院では、虫歯予防に効果的なフッ素塗布の処置を行なっています。市販のフッ素入りの歯磨き粉よりも、歯科医院で扱っているフッ素は非常に濃度が高いです。フッ素は歯の再石灰化を促すため、虫歯の進行を抑えることができるでしょう。

まとめ

左頬を押さえる女性

虫歯の治療期間は進行度によって大きく異なります。初期虫歯なら自然に治る可能性が高いため、治療期間は0日ですが、中程度なら約1週間、神経まで進行した虫歯は1か月〜6か月ほどかかることが多いです。

また、進行するほど治療回数も増えます。治療回数が多いと、歯にかかる負担も大きくなるため、歯の寿命にも影響を与えるのです。詰め物や被せ物によって歯を修復することはできますが、使用する素材によっては劣化が早く、再治療が必要になる場合もあります。

虫歯は予防できる病気です。日頃から丁寧に歯を磨き、定期的に歯科医院を受診し、クリーニングを受けるなど、予防に努めましょう。

虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯垢(プラーク)とは?放置するリスクと除去方法について解説!

2023年4月13日
歯垢(プラーク)がみえる歯

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯垢(プラーク)という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。歯垢は悪いものと知っていても、その正体や影響を詳しく知っている方は少ないかもしれません。

今回は、歯垢(プラーク)のリスクや除去方法について、詳しく解説します。

歯垢(プラーク)とは

歯垢(プラーク)がみえる歯

歯垢(プラーク)とは、歯に付着した細菌のかたまりです。白〜黄色っぽく、歯の色と似ており、歯垢1mgの中に1億個もの細菌が存在しています。

食べかすだと思っている方がいますが、それは正しくありません。お口の中は、たくさんの細菌が存在し、歯に付着してもほとんどが唾液によって流されます。

しかし、歯と歯のすき間や歯の根本など、細菌が流されにくい場所に溜まると、増殖して歯垢(プラーク)を形成するのです。

歯垢は、放っておくと虫歯や歯周病の原因となるため、ブラッシングで取りのぞく必要があります。ネバネバとした性質なので、うがいだけで除去することができません。歯ブラシなどで物理的にこすり取る必要があります。

歯垢(プラーク)と歯石の違い

何か疑問を抱いている様子

歯垢(プラーク)と歯石は、別のものです。

歯に歯垢が付着したままだと、唾液中の成分によって2〜3日で石灰化し始め、次第に歯石となって沈着します。歯垢は歯磨きなどで除去できますが、歯石はご自身で除去することができません。歯科医院で歯石除去を受ける必要があります。

歯垢(プラーク)の種類と付着しやすい部分

歯科医師と歯について相談している患者

歯垢はどの部分に付着するのでしょうか。

歯垢の種類と付着しやすい部分にわけて、それぞれ解説します。

歯垢(プラーク)の種類

歯垢は、付着する場所によって「歯肉縁上プラーク」と「歯肉縁下プラーク」に分けられます。歯肉縁上プラークは、歯茎より上部の歯の表面に付着する歯垢です。

一方、歯肉縁下プラークは、歯茎よりも下部、つまり歯周ポケット内にとどまる歯垢です。歯肉縁下の環境は、歯周病の原因となる細菌が繁殖しやすくなります。

付着しやすい部分

歯垢が付着しやすい部位は、以下のとおりです。

・歯と歯の間

・歯と歯茎の境目

・奥歯の噛み合わせ

・歯と歯が重なっている所

・抜けた歯の周りや1本孤立している歯

これらの部分は、歯に細菌が付着しても自然と流れにくいため、そのまま増殖し、歯垢が形成されやすくなります。歯磨きする際は、これらの場所に特に注意して磨きましょう。

歯垢(プラーク)を除去しないと

歯を痛がっている女性

歯垢を除去せず付着したままにすると、虫歯や歯周病になります。虫歯と歯周病はいずれも歯垢が原因ですが、それぞれ発生するメカニズムが異なります。

どうやって虫歯はできるのか

歯垢の中の細菌のうち、主に「ミュータンス菌」は、飲食により摂取された「糖」を栄養にして、歯を溶かす「酸」を作り出します。この酸によって、歯の表面のカルシウムが溶けて、やがて穴があき、虫歯ができます。

どうやって歯周病になるのか

主に歯の根本に付着した歯垢や、歯肉縁下に溜まった歯垢が歯周病の原因です。歯垢が付着したままだと、歯垢中の歯周病菌が毒素をだして、周りの組織に炎症を引き起こします。

最初は歯茎が赤くなる・少し腫れる程度ですが、進行すると、歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かし、破壊するのです。

歯垢(プラーク)が付着しやすい方とは

サイコロ状のお砂糖

歯に付着しやすい食べ物を好む方や、甘いものを好む方は、歯垢が付着しやすくなります。飲食物に含まれる「糖」は、お口の中の細菌の栄養源となり、細菌を増殖させるのです。

また、歯並びが悪い方や矯正装置をつけている方は、歯垢を除去するのが難しいため、歯垢が付着したままになりがちです。歯科医院でクリーニングやブラッシング指導を受けるとよいでしょう。

歯垢(プラーク)を除去する方法

歯ブラシをしている女性

歯垢(プラーク)を除去する方法は、ご自身で除去する方法と、歯科医院で除去してもらう方法があります。

毎日のケアは、歯ブラシ等で除去するのが基本です。日頃のケアで取りきれない歯垢を、定期的に歯科医院で除去してもらうのがよいでしょう。

ご自身で除去する方法

毎日の歯磨きは基本です。歯ブラシだけで除去できるのは「60%の歯垢」のみで、歯と歯の間の歯垢は歯ブラシでは除去できません。歯間ブラシやデンタルフロスを使って除去しましょう。これらの清掃補助用具を使うと、全体の80%程度の歯垢が除去できるといわれています。

しかし、いくら丁寧に磨いても人それぞれに磨き癖があるので、磨き残しは避けられないでしょう。歯科医院でブラッシング指導を受けて、効率のよい磨き方を学びましょう。

おすすめの清掃補助用具

先に述べたように、歯ブラシだけでは十分に歯垢を除去することができないため、清掃補助用具を使うとよいでしょう。主な清掃補助用具は、以下のとおりです。

・歯間ブラシ

持ち手の部分と、芯のある長い小さなブラシでできている清掃用具です。歯と歯の間の歯垢を除去するのに適しています。

真っ直ぐなI字タイプとブラシの根本部分が曲がっているL字タイプがあり、奥歯の場合は、L字タイプの方が使いやすいです。さまざまな太さがあるので、ご自身にあったサイズを使いましょう。わからない場合は、歯科医院で適したサイズを教えてもらいましょう。

歯を失いブリッジ(両隣の歯を土台として橋渡しするように被せるダミーの歯)をつけた場合は、ダミーの歯の下部に汚れが溜まるため、歯間ブラシは必須です。

・デンタルフロス

ナイロンの細い繊維でできた紐状の清掃用具です。歯と歯の間の清掃に使用します。

糸巻き状で必要な長さを切り取り、指で動かすタイプと、プラスチックのホルダーにフロスが取り付けられた「糸ようじ」とよばれるタイプがあります。糸巻き状の方が自由に動かせますが、操作が難しい方は糸ようじタイプがおすすめです。

使用方法でわからないことがあれば、歯科医院で指導を受けるのがよいでしょう。

・ワンタフトブラシ

一本の毛束でできた筆状のブラシです。

親知らずの周囲、歯並びが悪い所、奥歯のうしろ側、矯正装置の下など、普通の歯ブラシで落としにくい場所の歯垢を効果的に除去することができます。

歯科医院で除去する方法

ご自身でどんなに丁寧にブラッシングをしても、70〜80%の歯垢しか除去できません。歯垢除去を100%に近づけるため、定期的に歯科医院でクリーニングを受けるのがよいでしょう。

PMTCとは

歯科医院で受けられる歯垢を除去するクリーニングに「PMTC」クリーニングがあります。

PMTCは「プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニング」の略で、言葉のとおり、専門家(歯科医師や歯科衛生士)が専用の器械で行う歯のクリーニングです。歯磨きで除去できない歯垢を落とすことができ、歯面がつるつるになるため、新たな歯垢が付着しにくくなります。

まとめ

ポイントを指さす男性

歯垢(プラーク)は、付着したままだと虫歯や歯周病の原因となります。歯垢の除去は、自宅での清掃が基本です。清掃補助用具などを使い、丁寧に歯磨きしましょう。

また、自宅で除去しきれない歯垢は、定期的に歯科医院でクリーンングすることで、お口の中の衛生を保つことができます。虫歯や歯周病になる前に、歯垢をしっかり除去し、日々の習慣を見直しましょう。

歯垢(プラーク)でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。