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銀歯の下が虫歯になりやすいのはなぜ?治療法と予防法も解説!

2023年7月7日
口を手でめくって銀歯を見せる人

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

銀歯の下が虫歯になりやすいのは、銀歯の材質が関係しています。銀歯に使用される金属は、傷がつきやすいため、溝に汚れが溜まることで虫歯のリスクが高まるのです。また、熱によって膨張する性質があるため、膨張や収縮によって銀歯が変形することで歯との間にすき間ができ、細菌が侵入しやすくなります。

今回は、銀歯の下が虫歯になりやすい理由、治療法や予防法を解説します。

銀歯とは

歯の模型と銀歯が机の上に置かれている

銀歯とは、金属をベースにした詰め物や被せ物のことです。銀色をした光沢のある材料で、耐久性の高さや加工の容易さなどから、歯科医療の現場で広く使われています。

銀歯の主な成分は、銀・パラジウム・銅・金などですが、それぞれ異なる特性を持っています。例えば、銀は耐久性と強度、銅は硬さと抗菌性があることが特徴です。複数の金属を適切な比率で混ぜ合わせることで、歯の形状にフィットし、長期間にわたって機能する銀歯を作ることが可能です。

しかし、銀歯は見た目の問題から避ける人も多くいます。白い歯に銀色の詰め物や被せ物が入っていると、笑ったときや話したときに目立つからです。また、金属の成分によりアレルギー反応を引き起こす可能性もあるでしょう。

見た目やアレルギーの問題から、現在では見た目が自然で人体に優しいセラミックやレジン(コンポジットレジン)などの材料が使われることが増えています。

銀歯の下は虫歯になりやすい?

顎に手を当てて考える白い服の女性

銀歯の下が虫歯になりやすいかどうかは、銀歯の施術方法やメンテナンス状況に大きく依存します。

正しく設置された場合、銀歯の下で虫歯が再発することはそれほど多くありません。治療時に歯科医師が虫歯菌を完全に除去し、細かく調整を行って装着されていれば、銀歯と歯との間にすき間が生じないため、新たな虫歯菌の侵入を防ぐことができます。

しかし、治療が不完全で虫歯菌が残ったまま銀歯が被せられた場合や装着が不完全ですき間が生じていた場合、すき間から虫歯菌が侵入して銀歯の下で虫歯が進行する可能性があります。また、メンテナンスが不十分でプラーク(歯垢)が溜まった場合や口腔内環境が悪化した場合も、虫歯リスクは高まるでしょう。

銀歯の下の虫歯を防ぐためには、銀歯が装着されたあとも正しい歯磨きと定期的なメンテナンスを行うことが重要です。銀歯の設置は、歯科医師の技術力に大きく影響されるので、信頼できる歯科医師に治療を依頼しましょう。

銀歯の下が虫歯になりやすい理由

机の上に置かれた画用紙とペンとREASONの積み木

銀歯は、汚れが付着しやすい特性があります。銀歯は天然の歯に比べて表面が滑らかでないため、プラーク(歯垢)が付着しやすいのです。プラークが口腔内の細菌の増殖を促進し、酸を生み出すことで、歯を溶かし虫歯を引き起こします。

銀歯が劣化しやすい素材であることも、銀歯の下が虫歯になりやすい一因でしょう。銀歯は、酸化や腐食が進みやすく、表面が徐々に溶け出し、歯との間に微小なすき間が生じる可能性があります。すき間が虫歯菌の侵入口となり、新たな虫歯を誘発する原因となるのです。

また、銀歯を歯に固定する際にセメントを用いますが、セメントは時間の経過とともに溶けます。セメントが溶けることで銀歯と歯との間にすき間ができ、虫歯菌が侵入しやすくなるのです。

銀歯は、熱により膨張し変形する性質があることも忘れてはいけません。熱い飲食物を摂取したときなどに銀歯が膨張し、冷めて収縮するというサイクルが繰り返されることで、歯との間にすき間が生じ、虫歯菌が侵入して虫歯が進行する可能性があります。

セラミックやレジンなどに比べて、銀歯は虫歯の再発リスクが高いことを理解し、日頃から丁寧に歯磨きを行い、定期的に通院することが重要です。

銀歯の下が虫歯になったときの治療法

患者の口内を診察する男性歯科医師

銀歯の下に虫歯が発生した場合の治療法は、虫歯の進行具合や範囲によって異なります。

早期に発見された場合は、銀歯を取り外して新たな銀歯で補うのが一般的です。銀歯を取り外して虫歯部分を除去し、再度銀歯やほかの素材(レジンやセラミックなど)で補います。

しかし、虫歯が進行し歯根にまで到達している場合、または銀歯が取り外せないほど大きい穴があいている場合は、根管治療が必要になる可能性があります。根管治療は、虫歯が神経(歯髄)にまで達した場合に行われ、歯の神経が入っている管を洗浄・消毒し、特殊な薬剤で封じる治療法です。根管を洗浄したあと、詰め物や被せ物を装着します。

虫歯が進行して歯を保存することが難しい場合は、抜歯することもあるでしょう。抜歯後は、空いたスペースを補うためにインプラントやブリッジなどの治療が必要です。

銀歯の下が虫歯にならないための予防法

ソファに座って歯磨きする若い男性

銀歯の下が虫歯にならないための予防法としては、日頃から丁寧に歯磨きをし、定期的にメンテナンスを受けて、口腔内を清潔に維持することが大切です。

日頃から丁寧に歯磨きする

銀歯の下が虫歯にならないためには、日頃の丁寧な歯磨きが必要不可欠といえます。虫歯は、食べかすや細菌が銀歯のすき間に蓄積されることで発症するからです。

歯磨きは、毎食後と就寝前に実施することが推奨されています。特に、就寝前の歯磨きは欠かさないようにしましょう。寝ている間は唾液の分泌量が減少するため、口内が乾燥し、虫歯菌が活発化します。就寝前にしっかりと歯磨きを行うことで、口腔内を清潔に保つことができます。

歯ブラシは、ブラシの先端が小さく、歯と歯茎の間や歯と銀歯のすき間にも届くタイプを選びましょう。外出などで食後に歯磨きができない場合は、うがいだけでも行ってください。うがいだけでもある程度の食べかすを流せるので、虫歯予防の効果があります。

歯ブラシで磨くだけでなく、フロスや歯間ブラシも忘れずに使いましょう。歯ブラシだけでは落とせない汚れも除去できます。特に、銀歯と天然の歯の間は虫歯になりやすいため、入念に磨きましょう。

定期的にメンテナンスを受ける

銀歯の下の虫歯を予防するためには、日常的なブラッシングに加えて、定期的なメンテナンスが非常に重要です。

歯科医院でのメンテナンスは、検査だけでなくPMTC(プロによるクリーニング)も含まれます。PMTCでは、ふだんの歯磨きだけでは取り除くことができないプラークや歯石が効率的に除去されます。徹底的に歯や歯茎を清掃することで、細菌の増殖を防止できるでしょう。また、銀歯の状態を評価し、必要に応じて修復や調整を行います。虫歯が発生しやすい状態を早期に修正し、銀歯の下の虫歯を未然に防ぐことにつながります。

特に銀歯が装着されている歯は、銀歯の下で虫歯が進行していても痛みを感じにくいため、早期発見が大切です。

セラミックなど銀歯以外の素材を選ぶ

銀歯の下が虫歯になるのを防ぐための方法として、銀歯ではなく、セラミックなどの素材を選択することも挙げられます。

セラミックの詰め物や被せ物は、銀歯と比べて多くのメリットがあり、虫歯のリスクを軽減します。セラミックは、自然な歯の色に近く、見た目が美しい特徴がありますが、メリットは見た目のよさだけではありません。セラミックは、汚れや細菌が付着しにくく、耐酸化性も高いです。銀歯に見られる腐食や汚れの付着、それに伴う虫歯の発生が抑制されます。

また、セラミックは、金属のように熱膨張しにくく、口内で変形するリスクが少ないメリットがあります。変形によってすき間が生じ、虫歯が発生するリスクを低減できるでしょう。

セラミックはレントゲンで透過するため、進行中の虫歯がある場合は早期に発見することが可能です。早期に適切な治療を受けることで、二次虫歯の進行を防ぎ、歯の喪失を防ぐことにつながります。

まとめ

歯科用器具を使って銀歯の状態を確認するところ

銀歯は、汚れが付着しやすく、歯との間に細菌が侵入しやすい人工歯です。費用が安く治療期間が短いことが特徴ですが、レジンやセラミックと比べて変形や劣化するリスクが高く、二次虫歯になりやすいことがデメリットといえるでしょう。

また、銀歯は金属のため、X線が透過せず、レントゲン撮影を行っても銀歯の下の虫歯を発見しにくいといえます。気づかないうちに虫歯が進行すると、最悪の場合、歯を失う可能性もあります。

「銀歯の下は虫歯になりやすい」という特性を理解して、予防に努めなければなりません。日頃から、歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシも使って丁寧に歯磨きをしましょう。定期的に歯科医院を受診し、クリーニングや銀歯の状態を確認してもらうことも重要です。

銀歯の下の虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

【進行度別】虫歯の治療期間はどれくらい?治療法も詳しく解説!

2023年5月4日
椅子に座った女性を心配する赤い服の女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

虫歯の治療期間は、進行度によって異なります。初期虫歯の場合は、自然治癒で治ることがほとんどなので、治療期間は0日です。歯根部まで感染が広がっている場合は、6か月以上かかることもあります。

今回は、虫歯の治療期間と治療法について、進行度別に解説します。

進行度別 | 虫歯の治療期間・治療法

口を大きく開けて虫歯を見せている子供

虫歯の進行度は、以下の5段階に分けられます。

・C0:初期虫歯

・C1:エナメル質の虫歯

・C2:象牙質の虫歯

・C3:神経に達した虫歯

・C4:歯根しか残っていない虫歯

進行度別に、症状の特徴や治療期間、治療法について解説します。

C0:初期虫歯

C0は、痛みなどの自覚症状がない初期の虫歯です。自覚症状がなく、見た目でもわかりにくいため、定期健診などで発覚することが多いです。

特徴

見た目ではほとんどわかりませんが、場合によっては歯にツヤがなくなったり、茶色や黒色に変色することがあります。

感染している部分が浅いため、自覚症状もありません。自然治癒で治ることが多い虫歯です。

治療期間

C0の虫歯は特別な治療を必要としないため、治療期間は0日といえます。歯の再石灰化のみで、自然に治癒できる虫歯です。

歯の再石灰化とは、エナメル質に起こる自然な現象で、初期の虫歯を修復することができます。口腔内のミネラル(主にカルシウムとリン酸)が歯のエナメル質に取り込まれ、弱ったエナメル質を補強することで歯を強化します。

治療法

再石灰化作用によって自然治癒が期待できるので、歯を削るなどの治療は必要ありません。丁寧なブラッシングやフロスの使用、フッ素入り歯磨き粉などを使って口腔内を清潔に保ち、進行させないことが重要です。

再石灰化を促す方法として、唾液の分泌量を増やすことが挙げられます。唾液には、歯を保護して再石灰化を促す作用があります。噛む動作によって唾液腺が刺激されるため、食事の際に噛む回数を増やしたり、ガムを噛んだりすると効果的です。

ただし、糖分が含まれているものは虫歯菌の活性化を促すので、無糖のガムを選びましょう。特に、キシリトールガムがおすすめです。キシリトールには、エナメル質を溶かす酸の産生を抑制する働きがあるため、初期虫歯の進行を抑えられる可能性があります。

C1:エナメル質の虫歯

C1は、エナメル質に虫歯が進行している状態です。エナメル質は、歯の外側を覆う非常に硬い層のことで、歯を保護する役割を果たしています。

特徴

エナメル質に虫歯が進行すると、小さな穴やくぼみが形成されることがあります。

この段階では、虫歯はまだ象牙質に達していないため、痛みはほとんど感じません。

治療期間

C1の虫歯の治療は、1日で終わることが多いです。

歯を削った直後に詰め物を装着し、形の調整などを行うため、治療は1回で完了します。

治療法

C1の虫歯は、エナメル質に侵食した虫歯をドリルを用いて取り除きます。そのあと、削った部分に詰め物を装着して、歯を修復します。

詰め物にはコンポジットレジンが用いられることが多いですが、より美しく仕上げたい場合はダイレクトボンディングを用いる場合もあるでしょう。コンポジットレジンは保険適用であり、劣化や変色しやすいことが特徴です。ダイレクトボンディングは自費診療ですが、長期間にわたって色や形状を保つことができます。

C2:象牙質の虫歯

C2は、象牙質まで虫歯が進行している状態です。治療方法はC1と同様に、虫歯部分を除去して、詰め物や被せ物で歯を補修しますが、C1に比べてより深く除去する必要があります。

被せ物を使用する場合、治療期間はC1よりも長くなることが多いです。

特徴

C2の虫歯は、虫歯が歯のエナメル質を超えて、内側の象牙質まで進行した状態です。

象牙質は、エナメル質よりも柔らかく、微細な穴が多数あるため、虫歯が進行する速度がC1よりも速くなります。虫歯が象牙質に達すると、歯の神経に近づくため自覚症状が出やすく、痛みを感じる場合もあるでしょう。冷たい飲み物や甘いもの、酸味のあるものなどを摂取すると、しみる感覚や痛みが生じる方が多いです。

また、象牙質まで進行した虫歯は歯の色に影響するため、黄色がかった色や茶色に変色することがあります。

治療期間

C2の虫歯は、治療に使用する素材や、詰め物か被せ物かによって治療期間が異なります。

コンポジットレジンの詰め物なら治療は1日で終了しますが、メタル(銀歯)の場合、詰め物・被せ物どちらの場合も、治療回数は2回必要です。自費診療のダイレクトボンディングやセラミック、ジルコニアを用いる場合も2〜3回の通院が必要になるため、治療期間は1週間ほどになるでしょう。C2の治療期間は、コンポジットレジンの詰め物なら1日、その他の治療法は1週間が目安です。

治療法

コンポジットレジンの詰め物を使用する場合は、C1と変わりありません。

虫歯が進行した象牙質の部分を、ドリルやレーザーを使用して丁寧に除去します。虫歯を除去したあと、詰め物を用いて歯を修復します。詰め物を装着したら噛み合わせを確認し、必要に応じて詰め物を調整して治療完了です。

被せ物の場合、詰め物のように削った箇所にそのまま装着するのではなく、型取りを行う必要があります。専門のスキルをもった歯科技工士が技工所で製作するため、完成までに1週間ほど待たなければなりません。

C3:神経に達した虫歯

C3は、歯髄に近い部分まで虫歯が進行した状態です。

歯の神経が炎症を起こしている場合、根管治療が必要になることがあります。治療期間は、数週間から数か月かかることが一般的です。

特徴

虫歯が神経に達した場合、神経が刺激されるため、激しい痛みが生じます。何もしていない状態でも痛みを感じ、食事などによって悪化する場合が多いです。

C3まで進行すると、見た目でも虫歯になっていることがわかります。歯の大きな欠けや、歯に穴が空いていることを確認できるでしょう。また、強い口臭が発生する場合もあります。

神経に炎症が起きた場合は歯髄炎、歯根膜に炎症が起きた場合は歯根膜炎など、さまざまなリスクが伴います。

治療期間

C3は、神経を抜く根管治療が必要なため、治療期間は1か月ほどです。根管治療後に被せ物の治療を行うため、治療期間が長くなります。

根管治療で3〜5回の通院、被せ物の治療で2〜3回ほどの通院が必要です。

治療法

虫歯が歯の神経まで到達しているため、神経を抜かなければならないことが多いです。神経を残せる場合もありますので、気になる方は歯科医師に相談してみましょう。

治療では、虫歯の部分と神経を取り除きます。特別な薬剤を使用して神経が入っている管をしっかりと洗浄し、再び細菌が入り込まないよう、抗菌作用のある薬剤を詰めます。根管治療を終え、被せ物を装着して歯の修復ができたら治療終了です。

被せ物は、C2のように、銀歯やセラミックなどの素材を選択できます。

C4:歯根しか残っていない虫歯

C4は、歯冠(歯茎から見える部分)の大部分が失われ、歯根部分のみが残っている状態を指します。

感染が広がり、虫歯が歯髄炎や歯周炎を引き起こすほど進行した状態です。根管治療が必要ですが、悪化した場合は抜歯が必要になることもあります。

特徴

C4は、虫歯によって歯冠が破壊されたり折れたりして、歯根部分のみが残っている状態です。虫歯菌の感染により歯の強度が大幅に低下し、噛む力や外的な衝撃に耐えられない状態を意味します。

C4まで進行すると神経が死んでしまっていることが多く、痛みを感じることは少ないです。

治療期間

選択する治療法によって治療期間は異なります。

歯が残せそうな場合は、C3と同じ治療法を行い、治療期間は1か月ほどです。抜歯が必要な場合は、抜歯後に骨や歯肉の回復を待ってから人工歯を取り付けるため、さらに時間がかかります。

ブリッジや入れ歯を装着する場合、治療期間は1か月ほどです。

インプラントを選択した場合は、人工歯根を埋め込む外科手術が必要になります。埋め込み後、骨の再生を待たなければならないため、治療期間は最低でも6か月以上になるでしょう。

治療法

歯が残せそうな場合は、C3と同様に根管治療と被せ物の治療を行います。抜歯が必要な場合は、抜歯したあとに人工歯を装着します。

親知らずなど、余分に歯がある場合は、歯牙移植という自分の歯を移植する治療法もありますが、形が合わない場合は行えません。

抜歯後に装着する人工歯は、以下の3つです。

・ブリッジ(保険適用)

・入れ歯(保険適用)

・インプラント(保険適用外)

ブリッジは、隣接する健康な歯を支えとして人工歯を固定する方法です。固定の際に、支えとなる歯を薄く削る必要があります。

入れ歯は、金属やプラスチックのフレームに取り付けられた人工歯で構成され、取り外すことができます。取り外し式であるため、インプラントやブリッジと比べて安定性が劣ることが多いです。

インプラントは、人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を取り付ける方法です。費用は高額になりますが、自然な見た目を実現し、隣接する歯に影響を与えることはありません。

虫歯の治療期間を短くするために

椅子に座って歯科医師の話を聞く女性患者

虫歯の治療期間を短くするためには、日頃から虫歯予防に努め、定期的に歯科医院を受診することが重要です。定期的な通院は、虫歯の早期発見につながり、治療期間を短くすることができるでしょう

早期発見

虫歯が初期段階であれば、治療期間も短く、より簡単な治療で対応できます。

歯磨きの際に、鏡で口の中をチェックする習慣をつけるとよいでしょう。白い斑点や茶色く変色した歯を見つけた場合は、歯科医師に相談してください。また、痛みやしみるなどの症状がある場合は、虫歯が進行している可能性があるので、早めに歯科医院を受診しましょう。

定期検診

定期的に歯科検診を受けることで、虫歯の早期発見・早期治療につながります。

虫歯や歯周病予防に効果的なクリーニングは、3〜6か月に1回の頻度で受けることが推奨されています。クリーニングを含む定期検診を受診することは、虫歯が進行する前に対処できるため、非常に重要です。

丁寧な歯磨き

口腔内を清潔な状態に保つことは、虫歯菌の活性化を防ぎます。

食べかすは虫歯菌のエサとなるため、できれば毎食後に歯を磨きましょう。外出時など難しい場合は、うがいだけでも効果的です。食後にうがいをすることで、口の中に残った食べかすを洗い流すことができます。

また、歯ブラシだけではなく、1日1回は歯間ブラシやフロスを使って歯間の汚れを除去しましょう。フッ素は虫歯予防に効果的なので、フッ素入りの歯磨き粉を使用するのもよいでしょう。

食生活の改善

糖分は、虫歯の発生や進行速度を早めることにつながります。

ふだんから糖分を多く含む飲食物を摂取している場合は、量や頻度を減らすことで虫歯のリスクを低減できます。また、食間の間隔を空けることは、歯に与える負担を減らすことにもなるので、間食が多い方は減らしましょう。

フッ素塗布

歯科医院で行なっているフッ素塗布をしましょう。

歯科医院では、虫歯予防に効果的なフッ素塗布の処置を行なっています。市販のフッ素入りの歯磨き粉よりも、歯科医院で扱っているフッ素は非常に濃度が高いです。フッ素は歯の再石灰化を促すため、虫歯の進行を抑えることができるでしょう。

まとめ

左頬を押さえる女性

虫歯の治療期間は進行度によって大きく異なります。初期虫歯なら自然に治る可能性が高いため、治療期間は0日ですが、中程度なら約1週間、神経まで進行した虫歯は1か月〜6か月ほどかかることが多いです。

また、進行するほど治療回数も増えます。治療回数が多いと、歯にかかる負担も大きくなるため、歯の寿命にも影響を与えるのです。詰め物や被せ物によって歯を修復することはできますが、使用する素材によっては劣化が早く、再治療が必要になる場合もあります。

虫歯は予防できる病気です。日頃から丁寧に歯を磨き、定期的に歯科医院を受診し、クリーニングを受けるなど、予防に努めましょう。

虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

虫歯治療後は食事を控えるべき?理由と注意点について解説!

2023年4月6日
2人の女性が食事をしている

こんにちは。大阪府八尾市にある、医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

虫歯治療をしたあとに、しばらく時間をあけてから食事をしてくださいといわれたことはありませんか。実は、虫歯治療の内容によりますが、治療後すぐに食事をすると詰め物が取れるなどさまざまなトラブルが起こることがあります。

そこで今回は、虫歯治療後に食事をひかえる理由と注意点について説明します。

歯の構造と虫歯治療の種類

虫歯を治療するイメージ図

虫歯治療と聞くと、虫歯を削って詰めるという印象はありませんか。

実は、虫歯の大きさや深さによって治療方法が異なります。虫歯治療の内容により、治療後における食事の注意点も異なるので、まずは歯の構造と虫歯治療の種類について説明します。

歯の構造

歯は、エナメル質、象牙質(ぞうげしつ)、セメント質の硬い組織と、それに取り込まれた歯髄(しずい)により構成されています。

それぞれの組織の特徴は、以下のとおりです。

エナメル質

歯の表面を覆っている白い部分がエナメル質です。体の組織の中で最も硬く、ダイアモンドと同じくらいの硬さといわれています。

しかし、ミュータンス菌が出す「酸」により、溶けてしまうという弱点があります。

象牙質

象牙質は、エナメル質の下層にある組織です。エナメル質よりも柔らかく、弾性や柔軟性があるため、エナメル質に加わる衝撃をおさえ、歯の破折(はせつ)を防ぐ働きがあります。エナメル質よりも虫歯になりやすいといわれています。

セメント質

セメント質は、歯の根っこの部分の表面を覆っている組織です。歯を支える働きがあります。

歯髄(しずい)

象牙質に囲まれた歯の中心には、歯髄があります。歯髄は、神経と血管から構成され、歯に栄養をあたえ、歯に伝わるさまざまな刺激を認識する働きがあります。

虫歯の種類と治療法

歯科医院の定期検診で「C」と先生が言っているのを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

Cは「Caries(カリエス)」の頭文字のことで、虫歯を意味します。このCに、アルファベットのO(オー)と1~4の数字を加えることで、虫歯の進行状態をあらわすことができるのです。

それぞれの状態がどの程度の虫歯を意味するか、以下に説明します。

CO(シーオー)

エナメル質の一部が少し溶けていますが、歯に穴が開く前の初期虫歯です。この状態では、歯を削るなどの治療は行わず、フッ素を歯の表面にぬり、経過観察をします。

C1(シーワン)

エナメル質が溶けて、歯に穴があいた状態です。この状態では、虫歯を取り、プラスティックで詰める治療を行います。虫歯は深くないので、局所麻酔薬を使用することはほとんどありません。

C2(シーツー)

エナメル質の下層にある象牙質(ぞうげしつ)にまで虫歯が進行した状態です。虫歯を取り、プラスティックの詰め物で治療します。虫歯が大きい場合は、型取りしたあとに詰め物を入れる治療を行うことがあります。治療中に痛みが出ることがあるため、局所麻酔薬を使用することもあるでしょう。

C3(シースリー)

象牙質の下層にある歯髄にまで虫歯が進行した状態で、虫歯の治療に加え、歯髄を取る治療を行います。歯髄を取る治療のことを根管治療(こんかんちりょう)といいますが、根管治療が終了したあとに、歯型を取って被せ物を作成します。

C4(シーフォー)

虫歯がかなり進行し、歯の根っこしか残っていない状態です。この状態では歯を残すことが難しいため抜歯となります。

虫歯の進行具合により虫歯治療の内容が大きく異なることがおわかりいただけたかと思います。

虫歯治療後は食事を控えるべき?

頬に手をあて歯を痛がる人とそれを見ている人

虫歯治療後に、食事を控えたほうがよい場合があります。

しかし、食事を控える理由や注意点は、どのような虫歯治療をしたかによって異なります。

虫歯治療の種類ごとの理由と注意点は、以下のとおりです。

フッ素を歯に塗布した場合

初期の虫歯(CO)では、歯を削らずにフッ素を塗布します。フッ素を塗ったあと、飲食をするとフッ素が流れてしまいます。そのため、フッ素塗布を行ったあとは、30分ほど飲食を控えましょう。

虫歯治療時に麻酔をした場合

C2以上の虫歯では、治療中に痛みが出る可能性があるため、局所麻酔薬を使用します。局所麻酔薬は、使用してから1~2時間ほど効果が持続します。そのため、虫歯治療後、しばらくの間は、お口の中がしびれているでしょう。

この状態で食事をすると、以下のことが起きる可能性があります。

・唇や頬の粘膜を噛んでしまう

・熱いものを食べてヤケドしてしまう

・お口をうまく動かせず、食べ物がお口からこぼれてしまう

お口の中のしびれが取れたあと、食事をしましょう。

虫歯治療で歯に詰め物などした場合

C2やC3の虫歯治療では、被せ物や仮フタなどをする場合があります。これらの治療をしたあとも注意が必要です。

被せ物や詰め物を装着した場合

被せ物や詰め物を装着する際、専用の接着剤を使用します。接着剤の性質にもよりますが、しっかりと固まるまで30分ほどかかります。被せ物や詰め物をしたあとは、30分ほど待ってから食事をしましょう。

仮フタを詰めた場合

虫歯治療が終了し、削った範囲が大きい場合は型取りをし、詰め物を作ることがあります。詰め物が完成するまでの間、歯に仮フタをします。仮フタは、接着力が高くなく取れる場合があるため、ガムやキャラメルなどの歯にくっつきやすく粘着性の高い食べ物は控えましょう。

仮歯を装着した場合

前歯の虫歯治療では、型取りをして歯が入るまで、仮歯を装着する場合があります。仮歯を装着しているあいだ、硬いものを前歯で噛むと、仮歯が割れたり外れたりする場合があるので、前歯で硬い物を噛まないようにしましょう。

根管治療をした場合

C3の虫歯では根管治療を行います。歯の神経を取るので、その刺激で冷たいものがしみることがあります。根管治療後は、冷たいものを食べるのは控えるようにしましょう。

抜歯をした場合

C4の虫歯では抜歯を行います。抜歯後の食事は、歯を抜いた箇所を刺激しないよう、歯を抜いた反対の歯で噛むようにしましょう。また、抜歯した当日は柔らかいものを食べましょう。

虫歯治療後、どれくらい経ったら食事ができる?

頬に手をあて悩んでいる

虫歯治療後は、どれくらい時間が経過したら食事ができるのでしょうか。

治療内容ごとに、以下まとめます。

フッ素を塗布した場合

フッ素塗布をしてから30分ほど待ちましょう。

局所麻酔薬を使用した場合

局所麻酔薬の効果が切れる1~2時間ほど待ってから食事をしましょう。

詰め物などを装着した場合

接着剤が完全に硬化するまで30分ほど待ちましょう。接着剤の種類により、食事までの時間が異なることもあるため、担当医に確認することをおすすめします。

仮フタを装着した場合

治療後すぐに食事をすることができますが、キャラメルなどの歯にくっつきやすい食べ物は避けてください。

根管治療をした場合

治療後すぐに食事をすることができますが、しみる可能性があるので、冷たい食べ物は控えましょう。

どうしてもお腹が空いてしまったら

頬に手を当て歯を痛がる女性

治療後に空腹に耐えられない場合でも、歯科医院で伝えられた時間は食事は我慢しましょう。

どうしてもい我慢できない場合は、治療した歯とは反対側の歯で噛みましょう。また、局所麻酔薬を使用している時はしびれていないほうで噛み、食べ物はうどんやゼリーなど、柔らかく粘着性のないものを食べましょう。

まとめ

ポイントを指さす女性

今回は、虫歯治療後の食事について説明しました。虫歯治療後の食事は、どのような虫歯治療を行なったのかにより異なります。

例えば、詰め物などを入れた場合は、接着剤が固まるまで30分ほど待ってから食事をする必要がありますし、仮フタなど比較的取れやすいものの場合は、キャラメルなどの粘着性のあるものは控えたほうがよいでしょう。また、局所麻酔薬を使用した場合、しびれがあるままで食事をすると、頬の粘膜や唇を噛んで怪我をすることがあります。局所麻酔薬の効果が切れてから食事をしましょう。

虫歯治療後の食事でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。