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歯周病は毎日の歯磨きで予防できる?効果的な歯磨き方法を解説

2023年7月21日
鏡を見ながら歯磨きする女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯周病とは、歯茎が腫れる・出血するなど、歯の周りが炎症を起こす病気のことです。歯周病の症状を放置すると、歯がぐらつき、最悪の場合抜け落ちるかもしれません。

今回は、毎日の歯磨きで歯周病は予防できるのかどうかについて解説します。歯ブラシ・歯磨き粉を選ぶポイントや、歯磨きの仕方もご紹介するので、歯周病にお悩みの方はぜひ参考にしてください。

歯周病は毎日の歯磨きで予防できる?

洗面台で歯磨きをする男性

歯周病は歯の周りが炎症を起こす病気のことで、進行度によって症状が異なります。最初は歯茎が腫れる歯肉炎程度ですが、歯肉炎を放置すると顎の骨にまで炎症が広がり、歯周炎になります。

歯周炎まで進行すると、慢性的に歯茎が腫れる場合が多いです。出血や冷たいものがしみるなどの症状が出ることもあります。さらに症状が悪化すると、歯を支える顎の骨が溶けて歯がぐらつき、最悪の場合歯が抜け落ちます。

歯周病になる原因は、歯磨きがしっかりできていないことです。歯の汚れ(プラーク)には多くの細菌が潜んでおり、お口の中で繁殖して歯茎の炎症を引き起こします。毎日の歯磨きがきちんとできていれば、歯周病を予防でき、歯周病の症状も改善できるのです。

しかし、歯磨きだけしていても、歯周病が治るわけではありません。プラークは、2~3日で歯ブラシでは除去できない歯石になります。

どれだけ丁寧に歯磨きをしても、歯と歯の間や歯茎の境目、歯が重なっているところなど、磨き残しはできるでしょう。毎日の歯磨きにくわえ、定期的に歯科医院でクリーニングを受けることが大切です。

歯肉炎や歯周病の初期段階であれば、毎日の丁寧な歯磨きと歯科医院でのクリーニングで症状が改善されるでしょう。進行した歯周病の場合も、しっかり歯磨きして磨き残しを減らすことで、歯茎の状態が改善されることが多いです。

歯磨きだけで歯周病を治すことはできませんが、歯周病の予防に毎日の歯磨きは欠かせません。

歯周病予防に効果的な歯ブラシ・歯磨き粉の選び方

洗面台に置かれたコップと歯ブラシ

歯周病予防には、毎日の歯磨きでの磨き残しをなくすことが重要です。歯周病予防に効果的な歯ブラシ・歯磨き粉の選び方をご紹介します。

歯ブラシの選び方

歯周病予防に効果的な歯ブラシを選ぶポイントは、以下のとおりです。

毛先の細さ

歯ブラシの毛先が細いものを選びましょう。細い歯ブラシなら、歯と歯の間や歯茎の境目もしっかりと磨ことができます。

市販のものを買う際は、毛先の細いものや「テーパード毛」と書かれている歯ブラシを選ぶとよいでしょう。

ヘッドの大きさ

ヘッドの大きい歯ブラシは、細かい部分や奥歯などが磨きづらいです。歯周病予防に使用する歯ブラシとしては適していません。

小回りのきく小さいヘッドの歯ブラシや、薄いヘッドの歯ブラシを選びましょう。

毛の硬さ

一般的な歯ブラシの硬さは、やわらかい・普通・硬いの3種類に分けられます。特に気になるお口の症状がない場合は、普通を選ぶとよいでしょう。

歯茎が赤く腫れている場合や出血がある場合、硬いものや普通のものを選ぶと、痛みや出血につながります。歯周病の症状がある場合は、歯茎を傷つけにくいやわらかい歯ブラシで歯磨きしてください。

歯磨き粉の選び方

歯周病予防に効果的な歯磨き粉を選ぶポイントは、以下のとおりです。

殺菌作用が高いものを選ぶ

殺菌作用が高い歯磨き粉を選びましょう。

歯周病の原因であるプラークは、放置するとバイオフィルムという膜に変化し、歯の表面だけでなく歯と歯の間や歯茎の境目まで入り込みます。うがいや歯磨きだけでは取り除区ことが困難になるのです。

バイオフィルムは歯周病を進行させる原因になるため、殺菌作用の高い歯磨き粉を使って歯磨きすることが欠かせません。浸透性の高い「IPMP」、殺菌成分の「CPC」が配合された歯磨き粉を選ぶとよいでしょう。

抗炎症作用や活性化作用があるものを選ぶ

歯周病になると、歯茎の腫れや出血、歯茎が下がるなどの症状があらわれます。歯周病の症状が出ている場合、それぞれの症状に合った成分が含まれた歯磨き粉を選ぶことが大切です。

・歯茎の腫れや出血:トラネキサム酸・オウバクエキス・グリチルリチン酸など

・歯茎が下がった:ビタミンE

歯周病の症状が出ている場合、抗炎症作用や歯茎の活性化が期待できる成分が配合された歯磨き粉を使用することで、症状の改善が見込めます。

また、歯周病の症状が悪化すると、歯茎の出血や膿、細菌の繁殖などが原因で、口臭がひどくなることがあります。口臭が気になる場合は、上記の成分にくわえて「LSS」「ラウロイルサルコシン」「CPC」などが入っている歯磨き粉を選ぶとよいでしょう。

研磨剤や発泡剤が少ないもの

研磨剤が入っている歯磨き粉には、歯の表面についた汚れや着色を効率的に落とすメリットがあります。

しかし、研磨剤は、歯の表面や歯茎を傷つける可能性があるため注意が必要です。歯周病の症状が出ているときに使うと、歯茎から出血するかもしれません。歯周病の予防には、研磨剤が少ないものや入っていないものを選ぶとよいでしょう。

また、歯磨き粉の泡立ちをよくする発泡剤も、少ない歯磨き粉を選んでください。歯磨き粉の際によく泡立つと効果が高いように感じますが、泡立つことで歯磨き粉の濃度が低くなったり頻回に口から吐き出すことで効果が薄くなったりする場合があります。歯磨き粉がよく泡立つので磨けたように感じ、磨き残しが多くなる方もいます。

毎日使う歯磨き粉には、研磨剤や発泡剤が少ないものを選ぶとよいでしょう。

歯周病予防に効果的な歯磨き方法

歯ブラシに歯磨き粉を絞る女性の手元

歯周病を予防するには、正しい歯磨きを行ってできる限り磨き残しを少なくすることが大切です。歯周病予防に効果的な歯磨きの方法と注意点をご紹介します。

歯磨きの注意点

歯磨きの注意点は、以下のとおりです。

・歯ブラシを濡らさない

・歯ブラシを鉛筆持ちする

・毛先が曲がらない程度の軽い力で磨く

歯磨きする際、歯ブラシを濡らしてから歯磨き粉をつける方が多いでしょう。

しかし、歯ブラシを水に濡らしてから歯磨き粉をつけると、歯磨き粉の成分が薄まります。歯ブラシが乾いた状態で歯磨き粉をつけて磨くことで、歯磨き粉の効果を最大限に発揮できるのです。

歯ブラシの持ち方や力加減も大切です。歯ブラシをグーで握って歯磨きすると、歯ブラシの毛先が曲がるほど力がかかります。毛先が曲がると磨けない部分が生じるので、磨き残しができやすいです。力のかかりすぎを防ぐためには、歯ブラシを鉛筆持ちするように握りましょう。

効果的な歯磨きの方法

歯周病予防に効果的な歯磨きの方法は、以下のとおりです。

・歯の表面:直角に歯ブラシを当てて磨く

・歯と歯の間:横向きだけでなく縦向きでも磨く

・歯と歯茎の境目:45度の角度で歯ブラシを当て、歯ブラシの毛先が入るように磨く

できる限り磨き残しをなくすには、磨きたい場所によって歯磨きの仕方を変えることが大切です。

歯の表面を磨く場合、歯ブラシを直角に当てて磨いてください。1本の歯に対して10~20回ほど左右に動かして、小刻みに磨きましょう。歯の表面に円を描くように、ぐるぐる磨くのも効果的です。

歯ブラシが入りづらい歯と歯の間は、磨き残しができやすいため注意が必要です。歯ブラシを横向き・縦向きにして磨くことで、磨き残しを少なくできるでしょう。

歯周病予防にとって大切なのは、歯と歯茎の境目の歯周ポケットをきれいに磨くことです。歯周ポケットに対して45度に歯ブラシを当て、歯ブラシの毛先が軽く入るように磨きましょう。力を入れて磨くと歯茎が下がる原因になるので、軽い力で磨いてください。

補助用具を使用する

磨きづらい歯と歯の間や奥歯、歯が重なっている部分などは、歯ブラシだけはきれいに磨けません。以下の補助道具を使うとよいでしょう。

・歯と歯の間:歯間ブラシ・デンタルフロス

・奥歯や歯と歯が重なっている部分:タフトブラシ

歯と歯の間を磨く用具には、歯間ブラシとデンタルフロスがあります。

歯間ブラシは、針金に毛が付いた小さなブラシのことで、すき間の大きさによってさまざまなサイズがあります。デンタルフロスは、歯と歯の間に糸を通して歯の側面を磨くものです。持ち手があるホルダータイプと、指に糸を巻いて使うロールタイプがあります。

歯と歯の間のすき間が大きい場合は歯間ブラシ、すき間が小さい場合はデンタルフロスを使いましょう。すき間が小さいところに歯間ブラシを無理やり入れると、歯茎を傷める原因になるので注意が必要です。

タフトブラシは、毛束が少ない歯ブラシです。奥歯の裏側や歯と歯が重なっている部分など、磨きにくい部分に当てやすいことが特徴でしょう。

丁寧に歯磨きしても磨き残しは生じるので、歯ブラシだけでなく補助用具を併用して歯磨きしてください。

まとめ

歯ブラシと歯科用器具と歯科模型

歯磨きだけでは歯周病を治すことはできませんが、歯周病の予防や症状の改善は可能です。毎日の歯磨きでの磨き残しをできる限りなくしましょう。

毎日歯磨きしていても、歯周病予防に効果的な歯磨き粉を選べていない場合や正しく歯磨きができていない場合は効果がないかもしれません。ご自身に合った歯ブラシや歯磨き粉が分からない方や、歯周病予防に効果的な歯磨きの仕方を知りたい方は、歯科医院を受診しましょう。

歯周病の治療では、毎日の歯磨きだけでなく定期的なクリーニングが欠かせません。

歯周病でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯周病による口のにおいが気になる!口臭の特徴と対策方法!

2023年6月26日
口臭のする男性と手で鼻を塞ぐ女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「朝起きたときに口がにおう気がする」「家族や友人に口臭を指摘された」などの経験をして口臭を改善したいとお悩みの方はいらっしゃいませんか。

口臭が強くなる原因のひとつに「歯周病」があげられます。歯周病は自覚症状が少なく、気がつきにくい疾患といわれています。検査してみたら口臭の原因が歯周病だったケースも少なくありません。

今回は、歯周病の概要や歯周病が原因で起こる口臭の特徴と対策方法を解説します。口臭の原因が歯周病かもしれないと心当たりのある方は、ぜひ参考にしてください。

歯周病とは

歯周病のチェックをしている男性

歯周病は、歯周病菌によって歯茎や顎の骨などの歯を支える周辺組織が細菌感染を起こしている状態です。病状が進行すると、支えとなるあごの骨(歯槽骨)が溶けてしまうので、最終的に歯が抜け落ちてしまいます。

歯を失う最大の原因は歯周病といわれていて、45歳以上の約半数が罹患している身近な疾患です。歯周病の原因は、歯の表面に残るプラーク(歯垢)です。

プラークは細菌の塊で、プラーク1mgあたり約10億個以上の細菌が生息しています。プラークは粘着性が強いため、うがいで落とすことができません。歯周病を予防するためには、歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどを使用してプラークを除去することが必要不可欠です。

歯周病は自覚症状が出たときには病状が進行しているケースが多いため、日頃から罹患しないように努めることがポイントといえるでしょう。

歯周病の症状

歯周病のチェックをしている女性

歯周病に罹患すると、歯周病菌が出す毒素の影響で歯茎が炎症を起こし、さまざまな症状があらわれます。先述したように、病状が進行すると歯を支えているあごの骨(歯槽骨)が溶けてしまうので、最終的に歯は抜け落ちてしまうのです。

歯周病は初期の段階では自覚症状が少なく、気がついていても放置してしまう場合が多いでしょう。以下のような症状がある場合は、歯周病の可能性があります。

・起床時に口のなかにネバつきがある

・歯磨きの際に出血する

・口臭がある

・歯茎が赤い

・歯茎が腫れる

・歯と歯の間にすき間ができている

・冷たいものがしみる

・歯が揺れる

・歯茎から膿がでる

上記の症状がある場合は、歯科医院を受診して検査を受けましょう。早めに対処すれば、歯周病の進行を止めることが可能です。

歯周病による口臭の特徴

口に手をあてて口臭を確認している

歯周病の症状のひとつに、口臭があげられます。

歯周病によって口臭が発生する原因は、歯周病菌が作り出すガスです。歯の表面に残る食べカスなどを栄養源に歯周病菌は増殖しますが、増殖の過程で「メチルカプタン」や「硫化水素」などのガスを作り出します。メチルカプタンは玉ねぎが腐ったようなにおい、硫化水素は卵が腐ったようなにおいと表現されることが多いです。

歯周病が進行すると、歯と歯茎との間に歯周ポケットとよばれるすき間が生じます。歯周ポケットのなかは酸素が届きにくいため、酸素が少ない環境を好む歯周病菌の活動が活性化するでしょう。結果として、歯周病菌が増殖して多くのメチルカプタンや硫化水素が作り出されるため、口臭が強くなり歯周病も進行する悪循環が起こる可能性が高いです。

また、重度の歯周病になると歯茎から出血や膿がでるようになり、口臭がさらに強くなります。

歯周病による口臭の対策方法

歯周病が原因で口臭があるケースでは、歯周病の進行を止めることが必要です。歯科医院での歯周病治療と、自宅でのセルフケアをしっかり行えば歯周病による口臭は改善されるでしょう。

以下、歯科医院で行う歯周病治療と自宅で行うセルフケアの方法をご紹介します。

歯科医院で行う歯周病の口臭対策

歯周病による口臭は、先述したとおり歯周病の進行を止めることで改善が期待できます。歯科医院で行う歯周病の治療は、大きく分けて以下の2つです。

・歯石を除去する

・ブラッシング指導をうける

以下、それぞれ解説します。

歯石を除去する

歯の表面や歯周ポケットのなかに歯石が付着している場合、歯石を取り除く必要があります。歯石自体に細菌は存在しませんが、歯石の表面は粗造なのでプラークが付着する足場となり、歯周病の進行を促進させるのです。

しかし、歯石は硬く、歯ブラシで取り除くことができません。歯科医院で「スケーリング」とよばれる専用の器具で歯石を取り除く治療を受ける必要があります。

スケーリングで歯石を取り除くとプラークが付きにくい環境に改善されるので、結果として歯周病の改善に繋がります。

ブラッシング指導をうける

歯科医院で歯石をきれいに取り除いてもらっても、ご自宅でのブラッシングが不十分だと、再び歯石がついてしまいます。

歯科医院では、虫歯・歯周病予防のため、歯科医師や歯科衛生士がブラッシング方法を指導します。歯ブラシの基本的なあて方はもちろん、一人ひとりの歯並びに合った適切な磨き方を知ることで、効率よく汚れを落とすことができるでしょう。

ご自身で磨きにくい場所がある場合やどのような歯ブラシやケアグッズを使用すべきなのか疑問がある場合は、積極的に質問するのがよいでしょう。歯科医院では、歯並びや手先の器用さなども考慮したうえで、適切なアドバイスを受けることが可能です。

自宅で行う歯周病の口臭対策

ドミノが倒れるのを手で防いでいる

歯周病の進行を止めるには、歯科医院での治療のほかに、自宅で行うセルフケアがポイントです。ご自宅でできる歯周病の予防・改善方法は、大きく分けて以下の2つです。

・毎日ブラッシングをする

・補助清掃用具を使用する

以下、それぞれ解説します。

毎日ブラッシングをする

歯周病の原因は、歯の表面に残るプラークです。歯周病を予防するためには、毎日しっかりブラッシングを行ってプラークを取り除くことがポイントです。

プラークを蓄積させないためには、正しいブラッシング方法で歯ブラシをすることはもちろん、歯ブラシの回数や時間も意識する必要があるでしょう。

しっかり歯ブラシが届いていても、ブラッシング時間や回数が不十分だと、プラークを落としきれずに口内に残ってしまいます。特に、唾液の分泌が減少する就寝前のブラッシングは必ず行うように心がけてください。

補助清掃用具を使用する

口のなかの汚れは、歯ブラシだけで清掃した場合60%しか落とすことができません。歯と歯の間や歯並びが悪い部分は、歯ブラシだけでは磨き残しができてしまいます。

歯ブラシだけで清掃が難しい部分は、デンタルフロスや糸ようじ・歯間ブラシ・ワンタフトブラシなどの補助清掃用具を使用しましょう。隅ずみまでプラークを取り除くことが可能で、歯と歯の間の汚れを効果的に取り除くことができます。

注意点として、歯と歯の間のすき間の状態によってデンタルフロスか歯間ブラシか適切な方を選択する必要があります。どちらを選択すべきなのか、サイズはどのくらいが適切なのかわからない場合は、歯科医院でブラッシング指導を受けると適切なケアグッズを案内してもらえるでしょう。

まとめ

ポイントを指さす女性

口臭の原因のひとつに、歯周病があげられます。

歯周病に罹患すると、歯周病菌の働きによって「メチルカプタン」や「硫化水素」などのガスが発生します。メチルカプタンや硫化水素は玉ねぎやタマゴが腐ったような強いにおいを発生させるため、歯周病に罹患している方は口臭が強くなる傾向にあります。口臭を改善するためには、歯周病の進行を止めて口内の環境を整えることがポイントです。

歯周病の原因は、プラーク(歯垢)です。プラークは、毎日のブラッシングで取り除く必要があります。正しいブラッシング方法はもちろん、歯ブラシの時間や回数も意識して、プラークが蓄積しないように心がけることが大切です。

ただし、セルフケアだけでは十分にケアできない可能性があるので、歯科医院を定期的に受診してチェックしてもらうのがよいでしょう。

歯周病による口のにおいでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

自分でできる歯周病の治し方はある?悪化させないためにできること

2023年6月12日
顎を抑えて歯の痛みに耐える女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯周病は、虫歯と並んで「歯科の二大疾患」とよばれるほど発症率が高い身近な病気です。歯の痛みで気づくことが多い虫歯とは対照的に、歯周病は進行中も痛みがなく、自分では気づきにくいとされています。歯科医院の定期検診で初めて気づく方も多いです。歯周病が悪化すると、最悪の場合、歯を失うこともあります。少しでも長く自分の歯で食事をするために、歯周病は避けるべき病気です。

今回は、歯周病を自分で治すことはできるのか、歯周病を予防し悪化させないためにはどうしたらいいのかを解説します。

歯周病とは

上を見ながら悩む白い服を着たカップル

歯周病とは、歯の周囲に歯垢などが付着し、菌が増殖して歯茎や骨を破壊する歯の病気です。

歯に歯垢が付着すると口内に菌が増殖しやすくなり、歯周病に発展することがあります。歯周病が進行すると、細菌の毒素によって歯を支える土台の歯槽骨が徐々に溶かされ、最悪の場合歯が抜けることもあります。

歯周病の進行は、痛みなどの自覚症状がないためセルフチェックが難しく、歯科医院で診てもらわないとなかなか気づけません。歯が抜けることを防ぐために、歯科医院で定期的な歯の診察を受けましょう。

歯周病の原因

積み木に書かれた虫眼鏡を組み立てる

歯周病を防ぐには、歯周病の原因を知り、対策することが大切です。歯周病の原因を確認しましょう。

磨き残し

歯周病になる原因は、歯磨きが不十分なことが考えられます。

磨き残しがあると、歯と歯茎の間に歯垢が蓄積し、徐々に歯石になります。歯石は歯磨きでは取れないため、歯科医院で除去しないといけません。歯石ができると歯石周辺で細菌が繁殖し、歯周病の原因となります。ふだんの歯磨きを丁寧に行い、汚れを残さないことが大切です。

歯石の周りに付着した菌の影響

歯石の周りに付着した菌は繁殖力が強く、徐々に細菌が増えます。口内が細菌に侵され、歯周病を引き起こすでしょう。

細菌が繁殖すると、歯茎が弱まる、骨が溶けるなどの症状もあらわれます。歯を失うこともあるため、歯石は放置せず見つけたらすぐに歯科医院で除去してもらいましょう。

歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりで歯に過剰に力が加わると、骨に負担がかかり、歯周病や顎関節症などを引き起こす恐れがあります。

就寝時はマウスピースを使用するなど、必要以上に歯に負担をかけないようにしましょう。

歯周病は自分で治せるのか?

鏡を見て自分の歯を確認する女性

磨き残しなどが蓄積されて発症する歯周病は、自分で治せるのでしょうか。「歯科医院に行かずに治せたら」と思う方も多いでしょう。ここからは、歯周病は自分で治せるのかどうか、詳しく解説します。

歯周病は自分で治せない

歯周病は、残念ながら自分で治すことは難しく、歯科医院での治療が必要です。

市販されている歯磨き粉などは、あくまで歯周病を予防するもので、歯周病の原因となる細菌を抹消するものではありません。歯周病を発症すると、自力では取れない歯石や歯茎の炎症など、さまざまなトラブルが発生します。専用の器具での除去が必要な歯石や、治療が必要な歯茎の炎症は、自分では対処できません。

症状には個人差もあるため、自力でどうにかしようと考えず、虫歯と同様に異変を感じたらすぐに歯科医院を受診しましょう。

歯周病はコントロールできる

歯周病は自分では治せませんが、進行スピードをコントロールすることは可能です。

進行スピードをコントロールするうえで大切なのは、日々のセルフケアで歯周病菌を減らすことです。歯周病の原因となる歯垢を残さないよう意識しましょう。就寝時や起床時、食後に丁寧な歯磨きを行い、歯垢の原因をなくすことで、歯周病に繋がるきっかけを断つことができるでしょう。

歯周病を悪化させないために自宅でできること

歯磨きをする女の子と母親

歯周病を少しでも悪化させないためにはどうしたらよいのか、自宅でできるセルフケアはないのか、疑問に思った方もいるのではないでしょうか。

自宅でできるセルフケアは、以下のとおりです。

丁寧に歯を磨く

もっとも力を入れるべきことは、ふだんの歯磨きです。

歯ブラシは毛先が広がっていない清潔なものを使用し、デンタルフロスや歯間ブラシも併用しましょう。また、歯のすき間の汚れを除去することも大切です。奥歯にはスポット用の小回りの利く歯ブラシを使用し、噛み合わせ部分から細かい部分までしっかり念入りに磨きましょう。

免疫力を上げる

歯周病を悪化させないためには、免疫力を上げることも大切です。早寝早起きやバランスのよい食事を摂りましょう。

歯周病と免疫力は一見関係ないように思えるかもしれませんが、免疫力が落ちているときは風邪をひきやすくなるように、免疫力は体全体の健康に大きく影響します。なるべくストレスをため込まないように生活することが大切です。

禁煙する

喫煙者は歯周病になりやすく、症状が悪化しやすいといわれています。また、歯周病にかかると治りにくいことも特徴です。体内に吸収されるたばこの有害物質によって血管が収縮し、血液循環が悪くなるためです。

喫煙すると血液量が減少し、歯茎に十分な酸素が行きわたりません。細菌が繁殖しやすくなり、歯を支える骨を溶かすなど悪化の一途をたどります。健康な歯を維持するためには、禁煙しましょう。

歯周病にならないための予防が重要!

歯ブラシを持って患者に歯磨き指導をする女性医師

歯周病にならないためには、日頃の予防が欠かせません。主な予防法は、以下のとおりです。

毎日の歯磨きの徹底

毎日の歯磨きは、丁寧にしっかり行いましょう。

不十分な歯磨きは歯周病の原因の一つであるため、歯磨きは非常に大切です。毎食後に丁寧に歯を磨くことで、歯石が歯に付着することを防げます。時間がないときは、水やうがい薬などでうがいするだけでもある程度の汚れは落とすことができます。

歯科医院での定期的なメンテナンス

歯周病を防ぐためには、歯科医院で定期的にメンテナンスを受けることが効果的です。

歯科医院では、歯周病はもちろん、虫歯などの早期発見にも繋がり、磨き残しの確認もしてくれます。さらに、歯科医師や歯科衛生士から歯磨きやふだんの生活の指導を受けることで歯磨きのスキルも向上するため、歯周病や虫歯予防に効果を発揮するでしょう。

生活習慣の見直し

歯周病を予防するには、免疫力が重要です。

免疫力を上げるために、規則正しい生活を送りましょう。栄養バランスのよい食事を心がけ、過度なアルコールの摂取は控えてください。また、十分に睡眠時間を確保し、早寝早起きをするなど規則正しい生活を送ることが望ましいです。

まとめ

唇をめくって歯を見せる若い女性

歯周病は、実は身近で怖い病気ですが、毎日の丁寧な歯磨きと歯科医院での定期的なメンテナンスによって、健康な歯を維持することが可能です。特に、歯科医院での早期発見が歯周病の重症化を防ぎます。定期的な受診はもちろん、口腔内に何か違和感があれば、必ず歯科医院を受診しましょう。

磨き残しなどのチェックを実施し、歯磨き指導を行ってくれる歯科医院もあります。自分の歯並びや磨き方の癖を把握し、日々の歯磨きでできるだけ歯垢を残さずきれいに磨けるようになることが、歯周病にならない一番の方法といえるでしょう。少しでも長く自分の歯でしっかりと食事ができるように、毎日の歯磨きを丁寧に行い、きれいな歯を維持し続けましょう。

歯周病でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯周病になりやすい人の特徴と予防法とは?

2023年5月18日
唇をめくって赤く腫れた歯茎を確認する人

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

十分に歯磨きができていない、生活習慣が乱れている人は、歯周病になりやすいといわれています。そのほか、加齢や糖尿病なども歯周病を発症する原因です。

今回は、歯周病になりやすい人の特徴と予防法について解説します。

歯周病とは

リビングで座って歯が痛くて頬に手を当てる女性

歯周病とは、歯と歯肉の周りの組織が炎症を起こす疾患のことです。歯周病は、口腔環境が悪化することによって口腔内の細菌が増殖し、歯肉が炎症を起こすことで発症します。歯周病は放置すると歯を失う原因になるだけでなく、全身疾患にも関連すると指摘されているのです。

歯周病の原因として、歯磨きが不十分なことによる歯垢(プラーク)や歯石の蓄積、喫煙、ストレス、栄養不良などが挙げられます。

初期の歯周病は自覚症状がほとんどないため、進行に気づくことが困難です。進行すると、歯肉が赤く腫れる、出血するなどの症状が現れます。また、歯肉が萎縮して歯が長く見える「歯肉退縮」を引き起こすこともあり、見た目にも影響が出ます。歯茎が下がることによって歯周ポケットが深くなると、たまった歯垢や歯石は簡単に除去することができません。

重度の歯周病になると、歯を支える骨が溶けて歯がグラグラする、歯肉から膿が出ることで口臭が発生するなどの症状が現れます。骨が大きく溶かされると、歯が抜け落ちることもあるでしょう。

歯周病が進行すると、歯周病菌が体内に侵入して全身疾患を引き起こすリスクがあります。例えば、心臓病や糖尿病、脳卒中、妊娠中の合併症などが挙げられます。歯周病菌が血液中に入り込むことにより、血管内皮に炎症を引き起こし、動脈硬化の進行を促進することも指摘されているのです。さらに、歯周病が進行している妊婦さんは、早産や低出生体重児のリスクが高くなることが報告されています。

歯周病は歯を失う原因となるだけでなく、全身の健康にも影響します。ふだんから丁寧に歯磨きを行い、歯科医院での定期的なクリーニングや歯科検診を受けることが重要です。

歯周病になりやすい人の特徴

鏡で自分の歯の状態を確認する女性

歯周病になりやすい人は、口腔内を清潔に保つことができていない、免疫力が低下していることが特徴です。

以下、歯周病になりやすい人の特徴を詳しく解説します。

歯磨きが不十分な人

歯の表面に残った歯垢は、時間が経つにつれて硬化し、歯石になります。歯石は歯ブラシでは取り除くことができず、歯肉を圧迫して炎症を引き起こすことがあるのです。

歯垢や歯石が、歯肉と歯の間にたまることで形成される空洞を「歯周ポケット」とよびます。歯周ポケットは、歯垢や歯石がたまりやすく炎症を悪化させるため、歯周病の進行を早めるのです。

歯磨きが不十分な場合、歯に残った歯垢や食べかすが細菌の増殖を招き、歯肉炎や歯周病のリスクが高まります。また、誤った歯磨きをしている場合も、歯垢や歯石を十分に取り除くことができず、歯周病の原因になるでしょう。

喫煙者

喫煙者が歯周病になりやすい理由として、タバコの有害物質が歯肉の炎症を悪化させることが挙げられます。タバコの煙には、口腔内で炎症を引き起こす物質や、歯周病菌を増殖させるニコチン、一酸化炭素などが含まれています。これらの物質が歯周組織に作用することで、歯肉の炎症が悪化し、歯周病を引き起こすリスクが高まるといえるでしょう。

また、喫煙によって免疫力が低下し、歯周病菌が増殖しやすくなることも原因の一つです。免疫力が低下すると、歯肉炎や歯周病が進行しやすくなるため、喫煙者は歯周病になりやすいといわれています。

喫煙によって血管が収縮すると、歯周組織に必要な酸素や栄養素の供給が十分に行われず、歯周組織の再生が妨げられるのです。

歯ぎしりをする人

歯ぎしりが長期間続くことで、歯と歯肉の組織に慢性的なダメージを与え、歯周病を引き起こすことがあります。歯ぎしりによって歯の表面が削れたり、歯肉が退縮したりすることで、歯周ポケットができ、細菌が蓄積しやすくなります。

歯ぎしりによる歯と歯肉のダメージを防ぐには、ナイトガードの装着やストレスの軽減などが有効です。

糖尿病の人

糖尿病は慢性的に高血糖が続く疾患で、免疫機能が低下することが知られています。口腔内の細菌に対する免疫力も低下するため、歯周病の原因となる細菌が増殖しやすくなるのです。

また、糖尿病は、口腔内の細菌のバランスを崩すこともあります。糖尿病によって口腔内のpHが低下し、酸性の環境が生まれることで、歯周病を引き起こす細菌の繁殖が促進されます。糖尿病によって唾液の分泌量が減少することもあり、口腔内の細菌のバランスが崩れ、歯周病の原因となる細菌が増殖しやすくなるのです。

ストレスが多い人

ストレスは、交感神経の興奮を促し、副交感神経の働きを抑制します。この状態が長期間続くと、免疫力が低下し、炎症を引き起こしやすくなります。

ストレスは、口腔内の乾燥を引き起こす原因の一つです。唾液は、口腔内を清潔に保つために重要な役割を果たしているため、口腔内の乾燥は細菌の増殖を促し、歯周病のリスクを高めるのです。

栄養状態が悪い人

栄養状態が悪いと歯肉の炎症が悪化し、歯周病の発症や進行を早めるリスクが高まります。また、栄養不足によって免疫力が低下し、口腔内の細菌が増殖しやすくなることもあるでしょう。

例えば、ビタミンCは歯肉の炎症を抑制する抗酸化物質であり、免疫力を高める作用があります。ビタミンDは歯や骨の健康を維持するために必要な栄養素で、カルシウムの吸収を促進します。

カルシウムは、歯や骨の成分の一部であり、骨の強化や歯のエナメル質の形成に重要な役割を果たしているのです。鉄は免疫力を高めるために必要な栄養素であり、亜鉛は細胞の新陳代謝を促進し、免疫力を高める作用があります。

栄養バランスの悪い食事を続けていると、ビタミンやミネラルが不足し、歯周病の発症リスクが高まるでしょう。

免疫力が低下している人

歯周病菌は、口腔内に生息している細菌の一種であり、歯垢や歯石が蓄積することで歯肉の炎症を引き起こす原因となります。

通常、健康な人は免疫によって歯周病菌を制御していますが、免疫力が低下している人は、歯周病菌に対して十分な免疫応答ができず、炎症が悪化することがあります。

免疫力が低下する原因は、加齢や病気による免疫機能の低下、ストレスや睡眠不足など、ライフスタイルの影響が考えられるでしょう。

ご高齢の人

歯周組織は、加齢に伴って細胞が老化し、弾力性や再生力が低下するため、歯周病菌に対する抵抗力が弱まります。また、年齢が高くなるにつれ歯磨きや歯科医院の受診など、歯のケアが困難になることがあり、歯周病のリスクが高まるのです。

加齢とともに免疫系の働きも衰えるため、歯周病菌に対する免疫応答が弱くなるでしょう。加齢に伴って免疫系の細胞数が減少することが報告されており、細菌感染症や炎症性疾患の発症リスクが高まることが知られています。

歯周病予防のためにできること

モザイクタイルの上に歯ブラシとコップを置いた

歯周病予防には、正しい歯磨きと定期的にクリーニングに通うことが効果的です。また、細菌に強い身体づくりも重要です。

正しい歯磨きを行う

歯垢や歯石は、口腔内に生息する細菌が増殖する原因となり、歯肉の炎症や口臭の原因になることがあります。そのため、正しい歯磨きで歯垢や歯石を除去し、口腔内を清潔に保つことが、歯周病予防につながります。

歯ブラシはやわらかいものを選び、歯ブラシの毛先を斜め45度に傾けて、歯と歯肉の境目にある歯周ポケットを意識して磨きましょう。力を入れすぎないことも大切です。強い力で磨くと、歯茎に傷ができ、細菌がたまりやすくなるからです。

また、フロスや歯間ブラシなどを使用して、歯のすき間も清潔にしましょう。歯周病は、歯垢や歯石が歯肉に沿ってたまり、歯肉の炎症を引き起こすことが原因のため、歯のすき間まできちんと磨くことが歯周病予防につながります。

定期的にクリーニングを受ける

クリーニングは、歯科医師や歯科衛生士が専用の器具を用いて歯垢や歯石を除去する処置であり、歯周病の原因となる細菌を減少させます。歯垢や歯石は、歯磨きでは除去できない部分に蓄積されるため、専用の器具で除去することが重要です。

さらに、クリーニングには歯垢や歯石の除去以外にも、口腔内の検査や歯磨きの指導も含まれます。口腔内の状態を確認し、異常があれば早期発見・治療を行うことができます。適切な歯磨きの指導を受けることで、自宅でのケアもより効果的に行うことができるでしょう。

クリーニングは定期的に受けることが重要です。歯垢や歯石は、定期的な歯科検診やクリーニングで早期に除去することができますが、長期間放置すると歯周病の原因となる菌が繁殖し、歯肉炎や歯周病を進行させることもあるのです。クリーニングは3〜6か月に1回の頻度で受けることが推奨されています。

健康的な生活習慣を維持する

健康的な生活習慣とは、バランスのよい食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレス軽減などを指します。バランスのよい食事は、免疫力を高めるだけでなく、歯や歯肉を強くするでしょう。

十分な睡眠は免疫力を回復させるために重要であり、適度な運動は免疫力を高めるだけでなく、ストレスを軽減する効果もあります。

ストレスは、免疫力を低下させる要因の一つです。ストレスがかかった状態が長期間続くと、免疫系の働きが弱まり、口腔内の細菌の増殖を促進することがあります。休息や趣味の時間を設け、免疫力を高めて歯周病を予防しましょう。

喫煙を避ける

喫煙は、口腔内の細菌のバランスを崩し、免疫力を低下させ、歯周病の原因となる歯垢や歯石の増加を促進します。

喫煙によって口腔内の細菌のバランスが崩れる理由は、ニコチンやタールなどの有害物質が細菌の生息環境を変えるためです。喫煙によって口腔内の細菌のバランスが崩れると、口腔内の細菌が増殖し、歯周病を引き起こす細菌の種類も変化することが知られています。

また、喫煙によって免疫力が低下するため、口腔内の細菌に対する免疫機能も低下します。歯周病を引き起こす細菌が口腔内に存在しやすくなり、歯周病の進行を促進するのです。

歯周病の治療について

女性患者の歯の治療をする男性歯科医師

歯周病の治療には、歯垢・歯石の除去や口腔内の清掃、歯周ポケットの洗浄や治療、外科治療などがあります。治療内容は、歯周病の進行度や症状によって異なります。

歯垢・歯石の除去や口腔内の清掃

歯科医師や歯科衛生士が行うプロフェッショナルなクリーニングのことです。

歯垢・歯石を除去することで、口腔内の細菌の数を減らし、炎症を抑えます。また、患者さま自身の歯磨きや口腔ケアの指導も行われます。

歯周ポケットの洗浄や治療

歯周ポケットが深く、クリーニングだけでは歯垢や歯石を除去できない場合に行われる処置です。

歯周ポケットの奥深くに蓄積した歯垢や歯石を除去することで、歯周病の進行を抑制します。

外科治療

重度の歯周病の場合に行われ、歯茎を切開して歯根に付着した歯石や汚れを取り除きます。

骨の一部分が溶けている場合は、特別な材料を用いて骨を再生する「再生療法」を行うこともあります。

まとめ

歯を痛がって頬を抑える高齢者女性と介護士の女性

歯磨きが十分に行えていない、免疫力が低下している人は、歯周病になりやすいです。

歯周病は、進行すると歯を失う可能性もあるので、早めの治療が重要です。早期発見・治療には、定期的な通院が欠かせません。日頃から正しい歯磨きを行い、3〜6か月に1回の頻度でクリーニングに通って歯周病予防に努めましょう。

歯周病でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯に黒い点が??これって虫歯なの?を徹底的に解説

2023年5月5日

歯に黒い点が??これって虫歯なの?を徹底的に解説

こんにちは。八尾市志紀にある歯医者 医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。
今回は、患者様からよく質問がくる
「歯に黒い点が??これって虫歯??」に対して掘り下げて説明させて頂きます。
ある日、突然歯に黒い点が出来たらびっくりしますよね。
この記事を読んで頂けましたら黒い点の正体をわかって頂けるかなと思うので是非読んで頂けましたら幸いです。

黒い点の正体は??

ある日、歯を磨いていたら発見してしまった黒い点
一体どういう状態なのかと言うと色々原因があります。

  1. 1、虫歯
  2. 2、着色
  3. 3、詰物との境目

主に3つの原因が挙げられます。
一つずつ説明させて頂きます。

黒い点の正体1、虫歯

黒い点の正体① 虫歯

虫歯の入口が出来てしまっている状態です。
可能性としては初期虫歯かエナメル質虫歯という状態です。
症状としては何もありません。
ですので自分で気づく事はなかなか難しいです。ただここから虫歯はどんどん進行していきます。

虫歯の進行

このように虫歯は進行していきます。
C1(エナメル質虫歯)の時点で早期に治療することで進行を防ぐことが出来ます。
症状がないのでなかなか発見は出来ませんがもし、自分で発見した場合すぐに歯科医院にお問い合わせして下さいね。

黒い点の正体2、着色

黒い点の正体② 着色

歯の溝は深く複雑な形をしています。非常に着色しやすいです。
溝に沿って黒くなっている場合虫歯ではなく着色が疑われます。
ただ、歯の溝は磨きにくく虫歯の好発部位なので歯科医院にて判別する必要が御座います。
気になる方は一度、お問い合わせ下さい。

黒い点の正体3、詰物との境目

黒い点の正体③ 詰物との境目

このように白い樹脂との先目が黒くなっています。
これは樹脂と歯はどうしても境目が出来てしまいます。そこに着色がついてしまい黒くなっています。
歯と樹脂の境目はどうしても汚れがついてしまいその境目から虫歯になることが多々あります。
2回目、3回目と虫歯になるとどんどん虫歯が大きくなり歯を失うリスクが上がってしまいます。
現状をしっかり診てもらうことは大切です。
昔、治療されて暫く歯医者に行っていない方は、是非一度歯科医院で診てもらうことをおすすめします。

対策は??

黒い点の正体は少し理解してもらえたかなと思いますのでここからは対策のお話をしていきます。

1、虫歯 2、着色 3、詰物との境目に共通することなので該当される方は参考にして頂けましたら幸いです。

1,歯の溝を埋める

歯の溝は磨き残しが多い場所です。理由は簡単で溝になっていると磨くのが難しいからです。

対策として歯の溝を埋めることによって歯を磨きやすくなります。
シーラントと言って歯の溝を樹脂で埋めます。歯を削ることなく施術するのでご安心ください。
※シーラントについて詳しくはもりかわ歯科志記診療所の「予防歯科」のページをご覧ください

シーラント治療のイメージ

2、定期的に歯科医院に通う

歯に問題があるから歯科医院に通うのではなく歯に問題が起こる前に歯科医院に通う事が大切です。要は「予防」です。

定期的に歯のお掃除に通いお口の中に問題がないかなどチェックしてもらう事、そして日々のケアの仕方などをしっかり教わり正しい磨き方を習得する事が大切です。

お口の中の問題の予防はプロと患者様との2人3脚で成り立ちます。

歯科医院に通い、しっかり予防をしましょう。

歯科医院に通い、しっかり予防をしましょう

3、詰め物の種類の選択

一度、虫歯になった時そこでしっかり立ち止まって考える事が大切です。
詰め物の材料の性質をしっかり理解することが必要です。

樹脂の詰め物

保険が効き、一度の来院で治療が終わる。という利点があります。
ただ、固まる時に縮むので歯と樹脂の間に境目が出来てしまいます。

銀の詰め物

保険が効くというのが利点です。
ただ、見た目的に目立つ、2回目の虫歯になりやすい、外れやすいなどの欠点があります。

セラミックの詰め物

歯との境目が少ない、見た目がいい、2回目の虫歯になりにくいなどの利点があります。
保険が効かないというのが欠点です

それぞれの利点、欠点を知り自分のお口の中になにが最適なのかを考えて選択することが大切です。

いかがだったでしょうか?

今回は、歯に黒い点が??これって虫歯なの?を徹底的に解説でした。
普段、自分のお口の中ってなかなか見る事はないと思います。
ただ、ふとした時に黒い点を見つけてしまうことがあると思います。
虫歯かな?と不安になる前に是非、ご相談ください。
あなたのお悩みを優しい所長 末廣 赳史が丁寧にご説明させて頂きますのでご安心下さい。

優しい所長 末廣赳史

親知らずが及ぼす影響をご存じですか?

2023年4月28日

親知らずが及ぼす影響をご存じですか?

こんにちは。八尾市 志紀にある歯医者 医療法人甦歯会もりかわ歯科志紀診療所です。
今回は「親知らずが及ぼす影響をご存じですか?」です。
親知らずは8番目の歯でみんなが萌えている訳ではありません。
また、親知らずが萌える方向も十人十色です。
横向いて萌えていたり、真っすぐ萌えていたり、骨の中に埋まっていたり色々なパターンがあります。
患者様からよく「親知らずって抜かないといけませんか?」と聞かれます。
親知らずを抜歯すると言われると腫れたりなどいい印象ないと思います。
今回は、親知らずが及ぼす影響を理解できるように解説させて頂きます。
この記事を読んで親知らずを抜くメリット、抜くことでのデメリットを比べてもらって抜歯を検討しもらえたらなと思っております。

親知らずが与える影響は?

親知らずの与える影響は様々あります。
虫歯、歯周病、歯並びにも影響を与えていきます。1つ1つ説明していきます。

虫歯のリスク

虫歯のリスク

親知らずが萌えていると磨き残しも増えてきてしまいます。どうしても奥の奥になるので歯を磨くときに器具が届かないので虫歯のリスクが高くなってしまいます。
親知らずが虫歯になるのは抜歯さえすれば大丈夫ですがもし、手前の歯が虫歯になってしまうとすごくもったいないです。
一度、虫歯になってしまうと再度虫歯のリスクが上がりますし、虫歯になる場所が悪ければ治療の質が下がってしまいます。
親知らずには気をつけましょう。

歯周病のリスク

歯周病のリスク

親知らずが横に萌えていたりすると磨き残しが出てきてしまいます。
そうすることによって歯茎に炎症が出てきてしまいます。
炎症が起こると口を閉じると痛みが強くごはんも食べられないと困っている患者様は多いです。
親知らずは歯周病のリスクにも影響を与えてきます。

歯並びに影響を与えるリスク

歯並びに影響を与えるリスク

親知らずが萌えていると手前に押してきます。そうすることによって前歯が押し出されてしまい歯並びに影響が出てきてしまいます。

親知らずによって押し出される前歯

年々、歯並びが悪くなっているなと感じることはありませんか?
それは親知らずの影響かもしれません。該当される方は一度、歯科医院にお問合せ下さい。
いかがだったでしょうか?
今回は、親知らずが及ぼす影響でした。
親知らずは埋まっていると抜歯の後に腫れたり、痛みが続いたりと大変な事が多いので抜きたいけど一歩踏み出せない人が多いです。
ただ、親知らずを抜歯せずを置いておくと取り返しのつかない事も起こることがあります。
自分の親知らずはどういう状況なのかなど詳しく知りたい方は一度お問合せ下さい。
優しい所長 末廣 赳史が優しく丁寧にご説明させて頂きます。

優しい所長 末廣赳史

歯周病の原因と予防法!進行度ごとの症状も解説!

2023年4月27日
唇をめくって歯を見せている女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯を失う原因の多くが、歯周病だといわれています。そのため、自分の歯で長く健康に過ごすためには、歯周病予防が欠かせません。

今回は、歯周病の原因と予防法を解説します。歯周病の進行度ごとの症状や治療法についても言及しています。歯茎の腫れや出血が気になる方や、歯周病予防について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

歯周病の進行度ごとの症状

痛みを感じて口元に手を当てる女性

歯周病とは、歯茎や歯槽骨(顎の骨)に炎症が起きる病気のことです。歯茎だけに起こっている場合を歯肉炎、歯槽骨まで広がっている場合を歯周炎といいます。このように、歯周病は進行していく病気で、進行度に応じて症状が変わります。

以下、歯周病の進行度ごとの症状を解説します。

歯肉炎

歯周病は、歯茎に炎症が起きる歯肉炎から始まります。歯肉炎の主な症状は、以下のとおりです。

・歯茎が赤く腫れる

・出血する

歯肉炎は、炎症による歯茎の赤い腫れや出血の症状が出ますが、症状に気づかないことも珍しくありません。歯磨きで歯の汚れを取ることができれば、炎症が治まることが多いです。

軽度歯周炎

歯肉炎が悪化すると、歯周炎を引き起こします。軽度歯周炎の主な症状は、以下のとおりです。

・歯茎が赤く腫れた状態が続く

・出血しやすい

・歯槽骨が溶け始める

・歯が長く見える

・冷たいものがしみる

・食べ物がはさまりやすい

軽度歯周炎は、歯茎の腫れや出血に加え、歯を支えている歯槽骨にまで炎症が広がっている状態です。

歯を支えている骨が溶け始めることで歯周ポケットが深くなり、知覚過敏を引き起こしたり食べものが挟まったりする場合があります。また、歯茎が下がることで、歯が長く見えることも症状のひとつです。

中度歯周炎

中度歯周炎の主な症状は、以下のとおりです。

・歯茎の炎症が悪化

・歯周ポケットがさらに深くなる

・歯槽骨が半分ほど溶ける

・歯がぐらつき始める

・口臭がひどくなる

・膿が出る

軽度歯周炎の症状よりも歯茎の炎症がさらに悪化した状態が中度歯周炎で、歯を支えている骨の半分ほどが溶けてしまっている状態です。

歯を支えている骨が溶けていくので、歯がぐらつき始め、固いものが食べづらく感じるでしょう。歯周ポケットがさらに深くなることで、汚れが溜まり、歯と歯茎の境目から膿が出ることもあります。歯茎の腫れや出血、膿が出ることによって、ひどい口臭にもつながります。

中度歯周炎まで症状が悪化すると、常に歯茎が痛む状態なので歯磨きができず、歯周病が悪化する場合が多いです。

重度歯周炎

重度歯周炎の症状は、以下のとおりです。

・歯の周りの骨がほとんど溶ける

・膿が常に出ている

・膿によって歯茎が腫れてひどい痛みがある

・食べ物を噛めない

・歯のぐらつきが悪化

・勝手に歯が抜けてしまう

重度歯周炎まで症状が進むと、歯の周りのほとんどの骨が溶けてしまいます。

歯周ポケットが非常に深くなり、歯の根まで汚れや膿が溜まり、いつ歯茎が大きく腫れて痛みが出てもおかしくない状態です。中度歯周炎よりも歯のぐらつきがひどいため、食べ物を噛めないだけではなく、そのまま放置していると勝手に歯が抜け落ちてしまうかもしれません。

ここまで歯周病が重症化すると、外科手術が必要な場合や抜歯するしかないケースもあります。

歯周病の原因

口元に手を当てる女性

ここでは、歯周病の原因を解説します。

プラーク(歯の汚れ)

歯周病は、磨き残しであるプラーク(歯の汚れ)が繁殖することによって起こります。歯茎が赤く腫れたり出血したりするのは、プラークが出す毒素によって歯茎が炎症を起こすためです。

プラークを放置しておくと、2〜3日で硬い歯石へと変化します。歯石はふだんの歯磨きだけでは取り除くことはできません。歯石の表面はザラザラしているため、さらにプラークを寄せ付けてしまい、歯周病を悪化させる原因になります。そのため、プラークや歯石をそのまま放置することは、歯周病が悪化する原因といえます。

生活習慣

歯周病の原因はプラークですが、生活習慣が歯周病を引き起こしたり悪化させたりすることがあります。特に注意すべき生活習慣は、以下とおりです。

・喫煙

・栄養不足

・甘いおかしを頻繁に食べる

・ストレス

・歯ぎしり

・口呼吸

喫煙は歯周病を悪化させる大きな要因のひとつです。喫煙によって歯茎が血行不良を起こすことで、免疫力が低下し、歯周病を悪化させます。

栄養の偏りや、ストレスをためることも免疫力の低下につながるので注意しましょう。また、甘いものをよく食べる習慣があると、歯周病の原因であるプラークを増殖させます。虫歯の原因でもあるので、甘いものを控える、食べたあとは歯を磨くなど、気を付けるとよいでしょう。

喫煙や食生活だけでなく、無意識に行う口呼吸や歯ぎしりも歯周病を悪化させる要因のひとつです。口呼吸は口の中が乾燥するため、プラークが繁殖しやすい口内環境を作ってしまいます。歯や歯茎などの歯周組織は、横からの力に弱いといわれています。そのため、大きな力のかかる歯ぎしりは、歯や歯茎に負担がかかり歯周病を悪化させるので注意が必要です。

歯周病の治療法

女性患者の歯を治療する女性医師

歯周病の治療法は進行度によって異なりますが、基本的には原因となる歯の汚れを取り除くことが重要です。

以下、歯周病の治療法について解説します。

歯周病検査

歯周病治療では、口腔内の状態の確認や歯周病の進行度など、現状を把握するために歯周病検査を行います。

検査の内容は、以下のとおりです。

検査名 内容
レントゲン撮影 骨がどれくらい残っているか、噛み合わせに異常がないかなど全体を確認
歯周ポケット検査 歯周ポケットの深さを確認
・健康な歯茎……3mm以下
・軽度歯周炎……3〜4mm
・中度歯周炎……4〜5mm
・重度歯周炎……6mm以上
動揺度 歯の揺れの程度を確認
・動揺度1……前後に揺れる
・動揺度2……前後・左右に揺れる
・動揺度3……前後・左右・上下に揺れる

レントゲンで全体を確認したあと、歯周ポケットの深さを測る検査と、歯の揺れを確認します。歯周病になっていない健康な歯茎であれば、歯周ポケットの深さは3mm以下で、歯が揺れることはありません。歯周病が進行し歯を支えている骨が溶けることで、歯周ポケットが深くなり、歯が揺れ始めます。

検査を行って口腔内全体を確認することで、歯周病の進行度だけなく、歯周病の原因となるプラークがどの部位に多く付着しているかを確認できます。

歯磨き指導

歯周病の症状を改善するには、毎日の正しい歯磨きでプラークを取り除くことが重要です。

正しい歯磨きの方法を身につけ、毎日の歯磨きでできるだけ磨き残しがないようにしなければ、歯周病は改善しません。正しい歯ブラシの持ち方、毛先の当て方、力の入れ具合、動かし方など、患者様それぞれにあった歯磨きの仕方を指導します。

クリーニング

どれだけ丁寧に歯を磨いても、毎日の歯磨きだけではすべての汚れを取り除くことはできません。歯周病の症状を改善するには日頃の歯磨きに加え、歯科医院でクリーニングを受けることが必須といえるでしょう。

クリーニングでは、超音波スケーラーという機械で、歯の表面や歯と歯の間、歯ブラシが入らない歯茎の境目に潜むプラークや歯石を徹底的に除去します。歯科医院でクリーニングしてもらうことによって、歯茎の炎症が治まり、歯茎が引き締まる効果が期待できます。歯石は歯ブラシだけでは取り除けない頑固な汚れです。3〜4か月に一度は歯科医院を受診し、できるだけ口腔内を清潔に保つようにしましょう。

歯周外科手術

歯周病の症状が進行すると、歯周ポケットがどんどん深くなり、歯の根までプラークや歯石が溜まります。

奥深くにある歯の汚れをクリーニングで除去しようとしても、しみたり痛んだりして完全に除去することはできません。そのため、麻酔して歯茎を切開し、歯の根についたプラークや歯石をきれいに取り除く必要があります。この手術は歯周外科手術と呼ばれ、中度歯周炎以上の場合に行う治療法です。また、保険外診療ですが、溶けてしまった骨を再生させる再生療法を行う場合もあります。

歯周病は症状が進めば進むほど、治療期間が長くなるだけでなく、外科手術など侵襲度の高い治療が必要になる場合があります。そのため、できるだけはやい段階で歯周病の症状に気付くことが、歯周病予防の近道といえるでしょう。

歯周病の予防法

コップを持って歯磨きする女性

歯周病を予防するには、毎日の歯磨きと定期的なメンテナンスで口腔内を清潔に保つことが大切です。また、歯周病を悪化させる要因になる生活習慣の改善を並行して行うとよいでしょう。

ここでは、歯周病の予防法を3つご紹介します。

丁寧な歯磨き

歯周病の予防には、毎日の丁寧な歯磨きが欠かせません。

以下、正しい歯磨きを行うために意識すべきことをご紹介します。

・1本1本丁寧に磨く

・毛先を歯に当てる

・力を入れすぎない

歯を磨く際は、歯ブラシを大きく動かすのでなく、1本1本丁寧に磨く意識を持って小刻みに動かすことが大事です。1本あたり10〜20往復くらいを目安に磨きましょう。また、毛先がきちんと歯に当たっているか意識することも大切です。特に、歯周病の原因となるプラークがつきやすい、歯と歯茎の境目は、ななめ45度の角度で磨くとよいでしょう。

力を入れて歯を磨くと、歯ブラシの先が寝てしまい、せっかく磨いてもきちんと汚れがとれません。グーの手で歯ブラシを持つと力が入りやすいので、力が入りすぎてしまう場合は歯ブラシを鉛筆持ちするとよいでしょう。

定期的に歯科医院に通う

歯周病の予防には、毎日の歯磨きでは取れなかった汚れを歯科医院のクリーニングで徹底的に除去するのが必須です。

プラークが歯石になってしまうと、歯ブラシだけでは取り除くことはできません。歯石の表面はザラザラしているので、プラークが溜まりやすく、歯周病が悪化する原因になります。また、初期の歯周病は症状に気付きにくいため、気付いた時には歯周病が進行していたということも珍しくありません。

何も症状がなくても定期的に歯科医院に通い、メンテナンスを受けることで、歯周病の早期発見につなげましょう。

生活習慣の改善

生活習慣を改善することは、歯周病の悪化を防ぐことにつながります。

意識するべき生活習慣は、以下のとおりです。

・バランスのよい食事

・甘いものを控える

・ストレスをためない

・禁煙する

免疫力の低下は、歯周病の悪化を招きます。喫煙を控え、バランスのよい食生活を心がけることで、歯周病だけでなく全身の健康維持にもつながるでしょう。

また、ストレスが溜まることも免疫力の低下につながります。趣味を楽しんだり、運動したり、ストレスを発散するように心がけることが重要です。

まとめ

口を開けて笑う女性

歯周病の原因は、歯磨きがきちんとできておらず、磨き残し(プラーク)があることです。歯周病は、進行すればするほど症状が重くなり、歯茎が腫れて痛むだけでなく、自然に歯が抜け落ちる可能性が生まれます。

歯周病の予防には、毎日丁寧な歯磨きをおこない、歯科医院で定期的なクリーニングを受けることが大切です。また、喫煙や食生活など生活習慣が歯周病の悪化を招いている可能性もあります。バランスのよい食事や禁煙を心がけましょう。ストレスをためない健康的な生活を目指すことも、歯周病の予防につながります。

初期の歯周病は症状に気付きにくく、知らない間に歯周病が進行してしまうことも珍しくありません。歯茎の腫れや出血などの症状がある場合は、我慢せずに一度歯科を受診しましょう。

歯周病でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯垢(プラーク)とは?放置するリスクと除去方法について解説!

2023年4月13日
歯垢(プラーク)がみえる歯

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯垢(プラーク)という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。歯垢は悪いものと知っていても、その正体や影響を詳しく知っている方は少ないかもしれません。

今回は、歯垢(プラーク)のリスクや除去方法について、詳しく解説します。

歯垢(プラーク)とは

歯垢(プラーク)がみえる歯

歯垢(プラーク)とは、歯に付着した細菌のかたまりです。白〜黄色っぽく、歯の色と似ており、歯垢1mgの中に1億個もの細菌が存在しています。

食べかすだと思っている方がいますが、それは正しくありません。お口の中は、たくさんの細菌が存在し、歯に付着してもほとんどが唾液によって流されます。

しかし、歯と歯のすき間や歯の根本など、細菌が流されにくい場所に溜まると、増殖して歯垢(プラーク)を形成するのです。

歯垢は、放っておくと虫歯や歯周病の原因となるため、ブラッシングで取りのぞく必要があります。ネバネバとした性質なので、うがいだけで除去することができません。歯ブラシなどで物理的にこすり取る必要があります。

歯垢(プラーク)と歯石の違い

何か疑問を抱いている様子

歯垢(プラーク)と歯石は、別のものです。

歯に歯垢が付着したままだと、唾液中の成分によって2〜3日で石灰化し始め、次第に歯石となって沈着します。歯垢は歯磨きなどで除去できますが、歯石はご自身で除去することができません。歯科医院で歯石除去を受ける必要があります。

歯垢(プラーク)の種類と付着しやすい部分

歯科医師と歯について相談している患者

歯垢はどの部分に付着するのでしょうか。

歯垢の種類と付着しやすい部分にわけて、それぞれ解説します。

歯垢(プラーク)の種類

歯垢は、付着する場所によって「歯肉縁上プラーク」と「歯肉縁下プラーク」に分けられます。歯肉縁上プラークは、歯茎より上部の歯の表面に付着する歯垢です。

一方、歯肉縁下プラークは、歯茎よりも下部、つまり歯周ポケット内にとどまる歯垢です。歯肉縁下の環境は、歯周病の原因となる細菌が繁殖しやすくなります。

付着しやすい部分

歯垢が付着しやすい部位は、以下のとおりです。

・歯と歯の間

・歯と歯茎の境目

・奥歯の噛み合わせ

・歯と歯が重なっている所

・抜けた歯の周りや1本孤立している歯

これらの部分は、歯に細菌が付着しても自然と流れにくいため、そのまま増殖し、歯垢が形成されやすくなります。歯磨きする際は、これらの場所に特に注意して磨きましょう。

歯垢(プラーク)を除去しないと

歯を痛がっている女性

歯垢を除去せず付着したままにすると、虫歯や歯周病になります。虫歯と歯周病はいずれも歯垢が原因ですが、それぞれ発生するメカニズムが異なります。

どうやって虫歯はできるのか

歯垢の中の細菌のうち、主に「ミュータンス菌」は、飲食により摂取された「糖」を栄養にして、歯を溶かす「酸」を作り出します。この酸によって、歯の表面のカルシウムが溶けて、やがて穴があき、虫歯ができます。

どうやって歯周病になるのか

主に歯の根本に付着した歯垢や、歯肉縁下に溜まった歯垢が歯周病の原因です。歯垢が付着したままだと、歯垢中の歯周病菌が毒素をだして、周りの組織に炎症を引き起こします。

最初は歯茎が赤くなる・少し腫れる程度ですが、進行すると、歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かし、破壊するのです。

歯垢(プラーク)が付着しやすい方とは

サイコロ状のお砂糖

歯に付着しやすい食べ物を好む方や、甘いものを好む方は、歯垢が付着しやすくなります。飲食物に含まれる「糖」は、お口の中の細菌の栄養源となり、細菌を増殖させるのです。

また、歯並びが悪い方や矯正装置をつけている方は、歯垢を除去するのが難しいため、歯垢が付着したままになりがちです。歯科医院でクリーニングやブラッシング指導を受けるとよいでしょう。

歯垢(プラーク)を除去する方法

歯ブラシをしている女性

歯垢(プラーク)を除去する方法は、ご自身で除去する方法と、歯科医院で除去してもらう方法があります。

毎日のケアは、歯ブラシ等で除去するのが基本です。日頃のケアで取りきれない歯垢を、定期的に歯科医院で除去してもらうのがよいでしょう。

ご自身で除去する方法

毎日の歯磨きは基本です。歯ブラシだけで除去できるのは「60%の歯垢」のみで、歯と歯の間の歯垢は歯ブラシでは除去できません。歯間ブラシやデンタルフロスを使って除去しましょう。これらの清掃補助用具を使うと、全体の80%程度の歯垢が除去できるといわれています。

しかし、いくら丁寧に磨いても人それぞれに磨き癖があるので、磨き残しは避けられないでしょう。歯科医院でブラッシング指導を受けて、効率のよい磨き方を学びましょう。

おすすめの清掃補助用具

先に述べたように、歯ブラシだけでは十分に歯垢を除去することができないため、清掃補助用具を使うとよいでしょう。主な清掃補助用具は、以下のとおりです。

・歯間ブラシ

持ち手の部分と、芯のある長い小さなブラシでできている清掃用具です。歯と歯の間の歯垢を除去するのに適しています。

真っ直ぐなI字タイプとブラシの根本部分が曲がっているL字タイプがあり、奥歯の場合は、L字タイプの方が使いやすいです。さまざまな太さがあるので、ご自身にあったサイズを使いましょう。わからない場合は、歯科医院で適したサイズを教えてもらいましょう。

歯を失いブリッジ(両隣の歯を土台として橋渡しするように被せるダミーの歯)をつけた場合は、ダミーの歯の下部に汚れが溜まるため、歯間ブラシは必須です。

・デンタルフロス

ナイロンの細い繊維でできた紐状の清掃用具です。歯と歯の間の清掃に使用します。

糸巻き状で必要な長さを切り取り、指で動かすタイプと、プラスチックのホルダーにフロスが取り付けられた「糸ようじ」とよばれるタイプがあります。糸巻き状の方が自由に動かせますが、操作が難しい方は糸ようじタイプがおすすめです。

使用方法でわからないことがあれば、歯科医院で指導を受けるのがよいでしょう。

・ワンタフトブラシ

一本の毛束でできた筆状のブラシです。

親知らずの周囲、歯並びが悪い所、奥歯のうしろ側、矯正装置の下など、普通の歯ブラシで落としにくい場所の歯垢を効果的に除去することができます。

歯科医院で除去する方法

ご自身でどんなに丁寧にブラッシングをしても、70〜80%の歯垢しか除去できません。歯垢除去を100%に近づけるため、定期的に歯科医院でクリーニングを受けるのがよいでしょう。

PMTCとは

歯科医院で受けられる歯垢を除去するクリーニングに「PMTC」クリーニングがあります。

PMTCは「プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニング」の略で、言葉のとおり、専門家(歯科医師や歯科衛生士)が専用の器械で行う歯のクリーニングです。歯磨きで除去できない歯垢を落とすことができ、歯面がつるつるになるため、新たな歯垢が付着しにくくなります。

まとめ

ポイントを指さす男性

歯垢(プラーク)は、付着したままだと虫歯や歯周病の原因となります。歯垢の除去は、自宅での清掃が基本です。清掃補助用具などを使い、丁寧に歯磨きしましょう。

また、自宅で除去しきれない歯垢は、定期的に歯科医院でクリーンングすることで、お口の中の衛生を保つことができます。虫歯や歯周病になる前に、歯垢をしっかり除去し、日々の習慣を見直しましょう。

歯垢(プラーク)でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

なぜ、一度治療したところが再治療になるの?

2023年4月7日

なぜ、一度治療したところが再治療になるの?

こんにちは。八尾市志紀にあるもりかわ歯科です。
今回は、患者様から質問があります。
「なぜ、一度治療したところが再治療になるの?」です。
治療したらもう悪くならないと思ってしまう方が多いです。
ただ、治療したところは尚更虫歯になりやすいです。
治療したところがなぜ、虫歯になりやすいのか?を今回はご説明させて頂きます。

なぜ、虫歯になりやすいのか?

虫歯が出来てしまって治療して終わり…と思いたいところですが、そうではありません。
日々、生活する中で虫歯になる要素がいっぱいあります。
治療後にまた虫歯ですと言われた経験があると言う方はいっぱいおられると思います。
虫歯になる理由を深堀りしてご説明していきます。

生活習慣

1日3回歯を磨くので大丈夫と思いがちですがそうではありません。
例えば1日3食以外に間食をすると思いますが1回にしっかり食べる人と何回にも分けて食べる人ではもし食べる量が一緒でもお口の中の環境が変わってきてしまいます。

食事の回数とpHの変化

このように左は1日3食の方です。
食べた瞬間は酸性といって歯が溶ける環境になってしまいます。
唾液の作用でまた中性に戻してくれます。

右の方は3食以外に間食をしている方です。
食べたらお口の中が酸性になり唾液の作用により中性に戻ろうとするのですが間食を食べるのでまた酸性になりと繰り返してしまいます。
そうすることによってお口の中の酸性の時間が長くなってしまい歯が溶けてしまう時間が増えてしまいます。

もし、虫歯になり治療したとしてもお口の環境が悪くなることで再び虫歯を繰り返してしまいます。

歯ブラシの仕方

1日3回歯磨きするなかで正しく歯を磨けているのかも関係しています。
自分の歯に合った歯ブラシはどれなのか?歯磨き粉は何がいいのか?歯ブラシの正しい使い方は??など一度、歯科医院にて歯ブラシ指導を受けることで現状のお口の中で磨く際に気を付けるべき場所、ポイントなど細かく知ることで普段の歯磨きの仕方が変わってきます。
3カ月に1回歯のお掃除をしているから虫歯にならないわけではありません。
日々のケアをしっかりしているからこそ歯の予防が出来ます。
歯科衛生士さんによるプロのケアとご自身で毎日行うセルフケアの2つが出来ている時に虫歯を防ぐことが出来ます。
今一度、ご自身のセルフケアを見直してみましょう。

ご自身のセルフケアを見直してみましょう

歯並び

前歯が重なった歯並び

虫歯の大きな要因として歯並びが関係しています。
このように前歯の重なりの部分はどうしても磨き残しが出てしまいます。
磨き残しがあると虫歯になってしまいます。

また、虫歯になってしまうと治療も困難になってしまい治療の質も悪くなってしまいます。
せっかく治療したのにまた虫歯になるリスクが上がってしまいます。
ご自身の歯並び、お口の中の環境を見直すのも一つの方法です。

“矯正して磨きやすくなった歯並び"

このように重なっているところが矯正治療することで磨きやすくもなります。
また、重なっていたところが矯正で綺麗になってくることで虫歯を見つける事も出来ます。
虫歯を早期発見することで歯を守ることが出来ます。

治療の材料

虫歯治療を行う上で保険治療か保険外治療を選んで材料を選択していきます。
この材料の選択が今後の虫歯の再治療をするかしないかを大きく左右します。

詰め物の材料の選択

保険治療(銀の詰め物、被せ物)は表面が凹凸になっています。
それに対して保険外治療(セラミックの詰め物、被せ物)は表面がツルっとしているので汚れの付き方が違います。

歯の表面の拡大図

また表面が凹凸になっていると汚れが取れにくくもなってきます。
保険治療(銀の詰め物、被せ物)は表面が凹凸になっているので汚れが付きやすく取れにくく一度、治療したところが再治療になりやすいです。

いかがだったでしょうか?
今回は「なぜ、一度治療したところが再治療になるの?」でした。
虫歯で悩まれてる方必見です。
一度、治療したところは出来るだけ虫歯になることを避けて欲しいです。
再治療を繰り返してしまうと歯の寿命は縮んでしまいます。
この記事を読んで自分のお口の中が気になる方はお問い合わせください。
優しい所長 末廣 赳史があなたのお悩み解消致します。

優しい所長 末廣赳史

歯周病が引き起こす病気とは?全身の健康との関係性について解説!

2023年3月30日
自分の歯を鏡で見ている女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯周病は、歯を失う大きな原因であることは多くの方がご存じだと思います。では、歯周病が原因で引き起こされる病気はご存じでしょうか。歯周病に罹患すると、口のなかはもちろん、全身の健康に悪影響を及ぼします。

本記事では、歯周病と全身の健康の関係性や、歯周病の治療法、予防策を解説します。歯周病と全身の健康の関係性に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

歯周病とは

歯茎から血が出ている

歯周病は、歯茎やあごの骨などの組織が歯周病菌に感染して、炎症を起こしている状態です。進行すると、歯の支えとなるあごの骨が溶け、最終的には歯が抜け落ちます。40歳以上の80%の方が歯周病に罹患しているといわれており、身近な疾患の1つといえるでしょう。

歯周病の原因は、口の中にある歯周病菌です。歯周病菌は、歯の表面の磨き残しやプラークに生息しています。口の中に歯周病菌が多く生息すると、細菌の出す毒素の影響で歯茎が炎症を起こします。初期症状は、歯茎の赤みや出血、腫れなどの症状で、痛みや違和感はありません。

しかし、歯周病が進行すると、歯茎から膿が出る症状や、あごの骨が溶けることで歯が揺れる症状などがあらわれます。この時期には、多くの方に痛みや違和感などの自覚症状がでるでしょう。

歯を失うもっとも大きな原因は「歯周病」です。ブラッシングや食習慣などの生活習慣が深く関わる疾患なので、日頃からしっかりと歯周病対策をとることがポイントです。

歯周病と全身の健康の関係性

自分の歯を指さしている女性

上述したとおり、歯周病は歯を失う原因の1つです。歯を失うと咀嚼(そしゃく)機能が低下します。咀嚼は、あごの骨に刺激が伝わり、脳の活性化に繋がるといわれています。

実際に、歯の本数が「20本以上」の郡と「20本未満」の郡を比較すると、歯の本数が「20本未満」の郡は認知症の発生率が1.9倍との結果が報告されているのです。歯周病で歯を失うことは、全身の健康に悪影響を及ぼしているといえるでしょう。

また、昨今、歯周病は全身の健康に悪影響を及ぼす原因であることがわかっています。歯周病に罹患していると、歯周病菌が出す毒素や炎症物質が、歯茎の毛細血管から吸収され全身に送られます。歯周病は、口の中に留まらず、全身の健康に関係しているといえるでしょう。

歯周病が引き起こす病気とは

心臓をおさえてしゃがみこむご年配

歯周病が原因となる病気は、以下の4つがあげられます。

・心筋梗塞・脳梗塞・動脈硬化

・糖尿病

・誤嚥性肺炎

・低体重児出産・早産

以下、順に解説します。

心筋梗塞・脳梗塞・動脈硬化

歯周病に罹患している方は、血管疾患にかかる確率が高いです。歯周病菌が出す毒素が、歯茎の毛細血管から侵入し、心臓や脳の血管で炎症を起こすと動脈硬化が起こり、血栓をつくります。

血栓ができると、血管が詰まる場合や、狭くなる場合があります。そして、血液の流れが悪くなり、心筋梗塞や脳梗塞の原因となるのです。

糖尿病

歯周病と糖尿病は密接に関わっています。糖尿病に罹患していると、細菌に対する抵抗力が弱くなり、歯周病になりやすいといわれています。歯茎の抵抗力も弱まっているので、症状の進行も早いです。

また、歯周病に罹患していると、歯茎の毛細血管から毒素や炎症物質が取り込まれ、血液のなかに入り込みます。毒素や炎症物質の影響により糖の代謝が妨げられ、インスリンの働きが低下するため、糖尿病の悪化にも繋がります。糖尿病が悪化すると、合併症の発症リスクも高まるので注意が必要です。

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)は、嚥下(えんげ)機能の低下から飲食物を誤嚥した場合に、口の中にある歯周病菌などの細菌が肺に入り込むことで起こります。とくに免疫力が低下した高齢者は、誤嚥性肺炎を発症しやすいといわれているので注意が必要です。日頃からブラッシングなど口腔ケアをしっかり行い、口内を清潔に保つことで、誤嚥性肺炎のリスクは下げられます。

誤嚥性肺炎の原因となる細菌は、主に歯周病菌といわれています。誤嚥性肺炎を防ぐためには、歯周病対策がポイントとなるでしょう。

低体重児出産・早産

妊娠中は、ホルモンバランスの変化にともない、歯肉炎や歯周病になりやすい口内環境です。妊娠中に歯周病に罹患すると、低体重児出産や早産のリスクが高まるといわれています。血液中に入り込んだ歯周病の毒素や炎症物質が子宮に作用し、子宮収縮を促進させることが主な原因です。

妊娠中は、つわりで口内の衛生状態が悪くなりやすいので、できるだけ清潔に保つよう心がけましょう。

歯周病の治療法

歯の治療を行っている

歯周病の治療方法は、進行度によって異なります。

しかし、口内のプラークや歯石など歯周病の原因を取りのぞくことは、進行度にかかわらず共通した治療です。歯科で行う歯周病治療は、大きく分けて以下の3つです。

・歯周基本治療

・歯周外科手術

・歯周組織再生療法

以下、それぞれ解説します。

歯周基本治療

歯周病の原因は、歯の表面に残るプラークや歯に付着している歯石です。歯周基本治療では、プラークや歯石を取りのぞき、歯の表面を滑沢(かったく)にします。プラークは歯ブラシで除去することが可能です。

一方、歯石は歯ブラシで取ることができないので、歯科医院で取る必要があります。歯科医院では、スケーラーと呼ばれる器具を使用して、歯の表面や根に付いたプラークや歯石を除去します。歯石の付着していた歯の表面はザラザラした形状が多いです。

歯石除去後は、歯の表面を滑沢にし、プラークや歯石が残りにくい環境に整えます。また、歯周病の進行によって噛み合わせが変化している場合は、歯に負担が掛からないように噛み合わせを調整します。

歯周外科手術

歯周病が中等度以上に進行している場合は、歯周外科手術の検討が必要です。歯周外科手術は、歯茎の奥深くに付着したプラークや歯石を取りのぞく治療法です。歯周基本治療だけでは、歯石が取りきれない場合に適用されます。

歯周外科手術は、歯茎を切開し、患部を見える状態にしてからプラークや歯石を取りのぞきます。歯茎を切開してアプローチしやすくすることで、確実に歯石を取ることができるでしょう。

しかし、治療後は歯茎が健康な状態に引き締まるので、歯が長く見え、審美性が悪くなる可能性があります。

歯周組織再生療法

歯周病が進行すると、あごの骨が溶けてしまいます。一度溶けてしまったあごの骨は、元の状態に戻すことができません。このような重度の歯周病の場合、あごの骨の再生を促す歯周組織再生療法を行うのが一般的です。

歯周組織再生療法は、大きく分けて以下の2つです。

・GTR法

・エムドゲイン法

以下、それぞれ解説します。

GTR法

GTR法は、骨が再生する場所を確保することで骨の再生を促す治療法です。

通常、組織の再生は粘膜の方が早く、骨は時間がかかります。歯茎が骨を覆ってしまうため、骨は上手く再生することが難しくなるでしょう。

GTR法は、再生したい骨の部分と歯茎との間に膜を設置し、歯茎の侵入を防ぐことで骨の再生をうながします。再生するスペースが確保できれば、ゆっくりですが骨を再生することが可能です。

エムドゲイン法

エムドゲイン法は、歯周組織の再生をうながす治療法です。

歯の表面や根についているプラークや歯石を除去し、表面を滑沢にしたあと、エムドゲインと呼ばれるタンパク質の一種を根の周りに塗布して歯茎を縫い合わせます。

エムドゲインの効果で歯の周辺組織が活性化されれば、歯周組織を再生することができるでしょう。

歯周病の予防法

歯ブラシなどのセルフケア用品

歯周病は多くの方が罹患している身近な疾患ですが、症状が進まないと自覚症状があらわれない特徴があります。

ただし、歯周病は日々の生活習慣が大きくかかわる疾患なので、ご自身で防ぐことができるでしょう。以下、歯周病の予防法をご紹介します。

自宅で行うセルフケア

歯周病の原因は、歯の表面に残るプラークです。歯周病を予防するためには、プラークを歯の表面に溜めないことがポイントとなります。正しいブラッシングで歯の表面にあるプラークをしっかりと落とすようにしましょう。

しかし、歯ブラシだけでは、口のなかの60%の汚れしか除去できません。歯と歯の間に残る汚れは、デンタルフロスや糸ようじ、歯間ブラシを使用します。また、歯並びが悪く、歯ブラシが届かない部分には、ワンタフトブラシを使用するとよいでしょう。

歯並びは一人ひとり異なるので、ご自身に合った歯ブラシや補助清掃用具を使用してブラッシングしましょう。

歯科医院で行うプロフェッショナルケア

歯周病を防ぐためには、毎日のブラッシングはもちろん、歯科医院での定期メンテナンスが必要不可欠です。定期的に歯科医院を受診し、口内の状態を確認してもらうことは、虫歯や歯周病予防に効果があります。万が一、異常が見つかっても、早期に発見されるケースが多いので、治療も簡単に済む可能性が高いです。

定期メンテナンスでは、虫歯や歯周病チェックのほか、歯ブラシが当たっていない部分のブラッシング指導や歯石、着色除去なども行います。ブラッシング指導では、一人ひとりの口内の状態やブラッシング能力にあわせて、歯科医師や歯科衛生士が適切なブラッシング方法を提案してくれます。指導された内容を自宅で実践すれば、より確実にプラークを除去することができるため、歯周病予防につながるでしょう。

まとめ

ポイントを指さす女性

歯周病は、40歳以上の80%が罹患している身近な感染症です。歯周病は全身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。歯周病菌が歯茎の毛細血管から血液にのって全身に移動すると、心筋梗塞や糖尿病、誤嚥性肺炎や早産などの原因になります。全身の健康を保つためにも歯周病に罹患しないことが大切です。

歯周病の原因は、歯に残るプラークです。毎日のブラッシングと歯科医院での定期メンテナンスで、プラークが残らない清潔な口内環境を保つことができれば歯周病は防げます。万が一、歯周病に罹患していても、適切な処置を受ければ改善する可能性があります。歯周病に罹患していないか気になる方は、一度歯科医院を受診してみてはいかがでしょうか。

歯周病でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。