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虫歯になりやすい歯の場所と原因、予防策を徹底解説

2024年10月2日
虫歯になりやすい歯の場所と原因、予防策を徹底解説

こんにちは。大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯科医療は専門性の高い分野であり、患者様にとって分かりにくい情報や誤解が生じやすい情報も少なくありません。診療時間内に患者様お一人おひとりに十分なご説明をすることが難しい場合もあるため、このブログを開設いたしました。

このブログでは患者様からよくいただく質問や、知っておいていただきたい歯科医療の知識を、分かりやすく解説することを目指しています。専門用語はできる限り避け、分かりやすい言葉で情報を提供いたします。皆様の疑問を解消し、安心して治療を受けていただけるよう最新の研究結果やエビデンスに基づいた情報も積極的に発信してまいります。

ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

「虫歯の原因や予防策」について全力回答!

「また虫歯になっちゃった…」
「子どもに虫歯は作ってほしくないけど…」

こんな風に悩んでいませんか?

虫歯は、多くの人が経験する身近な病気だからこそ、その原因や予防法について正しく理解しておくことが大切です。

この記事では、虫歯の「なぜ?」を徹底解説!虫歯ができやすい場所から、意外な原因、そして今日から実践できる効果的な予防策まで、分かりやすくお伝えします。

お子さんの歯の健康を守りたい親御さんも、ご自身の歯のことでお悩みの方も、ぜひ最後まで読んで、虫歯予防の知識を深めてくださいね!

虫歯ができやすい場所はどこ?まずは基本を知ろう

虫歯ができやすい場所はどこ?まずは基本を知ろう

虫歯は、お口の中でも特に以下のような場所にできやすい傾向があります。

  • 歯と歯の間
  • 奥歯の溝
  • 歯と歯茎の境目
  • 詰め物や被せ物の周り

これらの場所は、歯ブラシの毛先が届きにくく、食べかすやプラーク(歯垢)が溜まりやすいのが特徴です。虫歯菌は、プラークの中で糖分を分解して酸を作り出し、歯を溶かしていきます。

なぜ特定の場所が虫歯になりやすいのか?

上記で挙げた場所は、なぜ虫歯になりやすいのでしょうか? それぞれ詳しく見ていきましょう。

歯と歯の間

歯ブラシの毛先が届きにくく、食べかすが残りやすい。歯並びが悪い場合は、さらに磨き残しが増える可能性があります。

奥歯の溝

奥歯の噛み合わせ面には、複雑な溝があり、歯ブラシの毛先が届きにくい。特に、生えたばかりの永久歯は溝が深く、虫歯になりやすいです。

歯と歯茎の境目

歯周ポケットと呼ばれる溝があり、プラークが溜まりやすい。歯周病の原因にもなるため、注意が必要です。

詰め物や被せ物の周り

詰め物や被せ物の境目は、わずかな段差や隙間ができやすく、プラークが溜まりやすい。また、古い詰め物や被せ物は劣化しやすく、そこから虫歯菌が侵入する可能性があります。

歯磨きしても虫歯になる原因とは?

「毎日歯磨きしてるのに、どうして虫歯になるの?」

そんな疑問を持つ方もいるかもしれません。実は歯磨きをしていても、以下の理由で虫歯になることがあります。

磨き残しがある

歯ブラシの当て方や動かし方が間違っていたり時間が短かったりすると、磨き残しが発生し、虫歯の原因となります。

歯磨き粉の選び方が間違っている

研磨剤の強い歯磨き粉は、歯の表面を傷つけ虫歯菌が入り込みやすくなる可能性があります。

食生活の乱れ

糖分を多く含む食品や飲料を頻繁に摂取すると、虫歯のリスクが高まります。

唾液の分泌量が少ない

唾液には、再石灰化作用や抗菌作用など、虫歯を予防する働きがあります。
唾液の分泌量が少ないと、これらの働きが弱まり、虫歯になりやすくなります。

歯並びが悪い

歯並びが悪いと、歯ブラシが届きにくく、磨き残しが増えるため、虫歯のリスクが高まります。

放置すると危険!虫歯の進行段階と症状、そして最悪の事態とは?

放置すると危険!虫歯が進行するとどうなる?

虫歯の進行段階と主な症状

C0(初期虫歯)
  • 虫歯菌による歯の表面のエナメル質の脱灰が始まる段階です。
  • 自覚症状はありませんが、適切な歯磨きや生活習慣の改善で再石灰化が期待できます。
C1
  • エナメル質に穴が開いた状態です。
  • 痛みやしみるなどの自覚症状はまだありません。
C2
  • 虫歯が象牙質まで進行した状態です。
  • 冷たいものや甘いものがしみたり、痛みを感じることがあります。
C3
  • 虫歯が歯髄(神経)まで達した状態です。
  • 激しい痛みを伴い、根管治療が必要になります。
C4
  • 歯の根だけが残った状態です。
  • 神経が死んで痛みは感じませんが、虫歯菌は残っており、放置すると骨髄炎などのリスクがあります。

虫歯を放置するとどうなる?

虫歯は、自然に治ることはありません。放置すると、どんどん進行し、以下のような症状が現れます。

  • 冷たいものや温かいものがしみる
  • 歯がズキズキ痛む
  • 歯茎が腫れる
  • 口臭が強くなる

さらに進行すると、

  • 歯の神経を取る治療が必要になる
  • 最悪の場合は、歯を失ってしまう

といった深刻な事態に陥ることもあります。

虫歯になりやすい人の特徴とリスク要因

虫歯になりやすい人の特徴とリスク要因

虫歯になりやすさには個人差がありますが、以下のような特徴やリスク要因を持つ人は特に注意が必要です。

甘いものや炭酸飲料をよく飲む

糖分は虫歯菌のエサとなり酸を生成します。
この酸が歯のエナメル質を溶かし虫歯を引き起こします。

間食が多い

食べるたびに口内の酸性度が上がり歯が溶けやすい状態が続きます。
特に間食が頻繁な場合、歯の再石灰化の時間が不足します。

唾液の分泌量が少ない

唾液は口内の酸を中和して歯を保護します。
分泌量が少ないと酸に対する防御力が低下し、虫歯のリスクが高まります。

歯並びが悪い

歯が重なっていたり歯と歯の隙間が狭いと磨き残しが多くなり、虫歯が発生しやすい箇所が増えます。

歯磨きが不十分

プラークが長時間歯に残ると、そこに含まれる細菌が酸を生成して虫歯の原因となります。
不十分な歯磨きはプラークの除去不足を招きます。

定期的な歯科検診を受けていない

虫歯の早期発見・治療ができないため、症状が悪化してから気づくことが多くなります。
定期的なクリーニングも予防に欠かせません。

妊娠中や授乳中である

ホルモンバランスの変化やつわりによる口内環境の悪化が虫歯を誘発しやすくなります。
歯磨きが難しくなることもあります。

薬の副作用で口が渇きやすい

口が乾くと唾液の保護機能が低下し、酸が歯を攻撃しやすくなります。
特に高血圧薬や抗うつ薬の使用者は注意が必要です。

高齢である

加齢に伴い、歯の再石灰化能力や唾液の分泌量が低下し、また歯ぐきの後退によって根面が露出してしまうことで虫歯になりやすくなります。

よくある疑問:虫歯にならないために何をすべき?

よくある疑問:虫歯にならないために何をすべき?

虫歯予防には日々のケアと生活習慣が大切ですが、どのように取り組むのが最適かについては多くの疑問が見受けられます。ここでは虫歯にならないための基本的なケアや正しい予防法について、よくある疑問に対する回答をまとめました。

歯磨きは1日何回すればいいの?

1日3回、毎食後なるべく30分以内に歯磨きをするのが理想的です。

どんな歯ブラシを選べばいいの?

毛先が柔らかく、ヘッドが小さめの歯ブラシがおすすめです。

歯磨き粉はどんなものがいいの?

フッ素配合の歯磨き粉がおすすめです。研磨剤の入っていないものを選びましょう。

フロスや歯間ブラシは使った方がいいの?

歯ブラシだけでは落としきれない、歯と歯の間の汚れを落とすために、フロスや歯間ブラシの使用をおすすめします。

定期検診はどのくらいの頻度で受ければいいの?

3ヶ月〜半年に1回の頻度で定期検診を受けることをおすすめします。

効果的な虫歯予防の習慣と対策

効果的な虫歯予防の習慣と対策

毎日のちょっとした工夫で虫歯予防は大きく改善できます。
正しい歯磨き方法や食生活の見直しなど、誰でも簡単に取り組める対策を紹介します。
習慣に取り入れることで、虫歯になりにくい口内環境を作りましょう。

丁寧な歯磨き

歯ブラシの毛先を歯にきちんと当てて丁寧に磨きましょう。
歯と歯の間や奥歯の溝など、磨きにくい場所も意識してケアしましょう。

デンタルフロス・歯間ブラシの使用

歯ブラシだけでは落としきれない歯と歯の間の汚れを、デンタルフロスや歯間ブラシを使って除去しましょう。

フッ素配合歯磨き粉の使用

フッ素には、歯質を強化して虫歯菌の働きを抑える効果があります。
毎日の歯磨きにフッ素配合歯磨き粉を取り入れましょう。

フッ素洗口

フッ素が含まれた洗口液を歯磨き後に使用することで、歯全体にフッ素を行き渡らせることができます。

バランスの取れた食生活

糖分を多く含む食品や飲料は控えめにし、野菜や果物、乳製品など、バランスの取れた食事を心がけましょう。また、ダラダラ食いは避け、決まった時間に食事を済ませるようにしましょう。

キシリトールガム

食後や間食後にキシリトールガムを噛むことで唾液の分泌を促し、虫歯予防に繋がります。

定期的な歯科検診

歯科医院で定期的に検診を受け、歯のクリーニングやフッ素塗布を受けることで、虫歯を早期発見・早期治療することができます。

唾液腺マッサージ

唾液の分泌を促すために唾液腺マッサージを行うのも効果的です。
耳の下や顎の下などを優しくマッサージしてみましょう。

禁煙・節酒

喫煙や過度な飲酒は唾液の分泌を減らして口内環境を悪化させるため、虫歯のリスクを高めます。

まとめ「お口の健康から、全身の健康へ」

この記事では、虫歯になりやすい場所やその原因、そして効果的な予防策について解説してきました。

「自分の歯磨き方法は合っているのかな?」
「もっと効果的な予防法を知りたい!」
「子供の虫歯予防はどうすればいいの?」

など、疑問や不安が少しでも解消されたでしょうか?

虫歯は放置すると、痛みや腫れが生じ、食事や会話といった日常生活に支障をきたすだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。しかし、虫歯は毎日の丁寧な歯磨きと適切な予防策を実践することで予防できる病気でもあります。今回ご紹介した方法を参考に、虫歯になりにくい強い歯を作り、健康な毎日を送りましょう。

大阪府八尾市にある「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」では、虫歯治療はもちろん、矯正治療や予防歯科にも力を入れており、患者様一人ひとりの口腔内状況やライフスタイルに合わせた、最適な虫歯予防プランをご提案いたします。

お口の健康を守るため、まずはお気軽にご相談ください。 当院では、日々の診療で患者様との対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を心がけています。 審美歯科や歯列矯正にも対応しておりますので、歯に関する心配事がございましたらいつでもお気軽にご来院ください。

また、矯正治療に関する無料相談も実施しておりますので、歯並びでお悩みの方も、ぜひ一度お問い合わせください。

矯正無料相談
矯正無料相談

詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページも併せてご覧ください。

乳歯の歯並びが気になる!原因と対処法について解説!

2023年3月20日
歯を出して笑っている赤ちゃん

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「保育園や学校の歯科検診で、歯並びや咬合の項目にチェックが付いていた」「自分の歯並びが悪いのでこどもに遺伝するのでは……」「矯正は、いつからしないといけないの?」など、こどもの歯並びについて気になっている方も多いのではないでしょうか。

今回は、乳歯の歯並びが悪くなる原因や対処法を解説したいと思います。

乳歯の歯並びが悪いことによる影響

下の前歯に隙間があるこども

乳歯の歯並びが悪いと、以下のような影響があります。

永久歯に影響が出る

乳歯の歯並びが悪いと、永久歯の生え代わりにも影響が出ることがあります。

生まれつき歯の本数が足りない先天性欠如や、隣同士の歯がくっついている癒合歯がある場合も注意が必要です。

虫歯・歯周病の原因になる

歯並びが悪いと、歯がデコボコしています。歯磨きをしても磨き残しが多くなり、虫歯や歯周病のリスクが上がります。

滑舌が悪くなる

出っ歯、受け口、すきっ歯などのこどもは、すき間から息が漏れてしまい、正確な発音が難しくなってしまいます。

顎関節症になりやすい

噛み合わせのバランスが悪くなると、口周りの筋肉の発達に影響し、顎関節症発生のリスクが上がります。

乳歯の歯並びが悪いケースと対処法

ピンクと黄色と青色の服を着たこども3人が座って歯ブラシをしている

出っ歯(上顎前突)の場合

顔を横から見たときに、上の前歯が前方に飛び出た状態の歯を「出っ歯(上顎前突)」といいます。

乳歯の出っ歯の場合はすぐに治療はせず、永久歯が生えてきてからの治療になることが多いため、6歳頃には歯科医院へ相談し治療するのがよいでしょう。また、指しゃぶり、口呼吸、舌で歯を押してしまう癖(舌癖)があると出っ歯の原因になるので、こどもの癖は治すことをおすすめします。。

受け口(反対咬合・下顎前突)の場合

下の前歯が上の前歯より出ている噛み合わせのことを「受け口(反対咬合・下顎前突)」といいます。

受け口の場合、骨格に問題があることが多く、そのままにしておくと将来骨格を手術する治療が必要となる場合があります。3~5歳の早いうちから歯科医院へ相談し治療しましょう。

すきっ歯の場合

歯と歯の間にすき間があることを「すきっ歯」といいます。

乳歯の場合、このすき間は永久歯が生えてくるためのスペースになるため、とても重要です。乳歯がすきっ歯の場合は、永久歯に生え変わっていくうちに解消されることが多いので、定期的に歯科検診を受けて様子を見てください。

逆に、乳歯がすき間なくぎゅうぎゅうに生えている場合は、永久歯が生えてくる場所がないため注意が必要です。

前歯が斜め(ハの字)に生えている場合

乳歯の前歯が斜めやハの字に生えているケースはよくみられます。

斜めなので「歯並びが悪いのでは……」と思うかもしれませんが、顎の発達が進むにつれて、次第に改善されることがほとんどです。定期的に歯科検診を受けて様子を見てください。

乳歯の歯並びが悪くなる原因と予防法

指をくわえながら仰向きで笑顔で寝そべる赤ちゃん

こどもの歯並びが悪くなる原因は、遺伝、日常の癖、生活習慣など、さまざまあります。

ここでは、ふだんの生活で、どのようなことが歯並びを悪くする要因になるのか、そしてどのような予防ができるのかを一つひとつ解説していきます。

指しゃぶりをしている

2歳頃までの指しゃぶりは歯並びに影響がないといわれていますが、3歳を過ぎても指しゃぶりをしているこどもは注意が必要です。

指しゃぶりは、指を吸うことで上の前歯の裏側に強い圧がかかり、前歯が前に出てきてしまう出っ歯(上顎前突)や開咬の原因になります。5歳を過ぎても指しゃぶりをしていると、骨格にも影響が出てしまうので、注意が必要です。

指しゃぶりを止めさせたくて怒ってしまうご両親もいると思いますが、怒ると逆効果の場合があります。無理に止めさせるのではなく、なぜ指しゃぶりをしてしまうのか、なぜ指しゃぶりはダメなのかなど、こどもと一緒に考えて優しく寄り添いましょう。指しゃぶりをしなかったときは褒めてあげてください。指しゃぶり防止グッズを活用するのも効果的です。

口呼吸をしている

鼻呼吸と口呼吸をしてみると、それぞれ舌の位置が異なります。この舌の位置は、歯並びに非常に関係しています。

鼻呼吸のときは、舌先が前歯の裏側あたりにあり、全体が上顎にくっついている状態です。この位置にあることで唇や口周りの筋肉とのバランスを取り、歯並びを形成していきます。

一方、口呼吸のときは、舌は下の歯の方へ下がっていき、唇や口周りの筋肉のバランスが崩れてしまいます。筋肉のバランスが崩れると、歯並びがガタガタになる叢生や出っ歯(上顎前突)、開咬の原因になります。

また、口呼吸のこどもは鼻炎を抱えていることが多いです。鼻炎が治らなければ鼻呼吸はできませんので、耳鼻咽喉科で鼻炎の治療を受けましょう。寝るときに鼻呼吸になるよう、市販で売られているテープを口に貼り、鼻呼吸を促すのも効果的です。さらに、左右の歯でよく噛んで食べることや、「あー」「いー」「うー」と口を大きく動かし、舌をべーっと突き出すあいうべ体操などで、舌や口周りの筋肉を鍛えてあげましょう。

頬杖をつく

頬杖をつくと、顎や歯の一部に大きな力が加わり続け、顎が変形し、歯並びが悪くなってしまう原因になります。寝ころびながら頬杖をつくこどもが多いので気を付けましょう。姿勢よく椅子に座っていられるよう習慣づけることが大切です。

舌癖がある

無意識のうちに舌で歯を押している、上下の歯の間から舌を出している状態を「舌癖」と言います。舌で歯を押し続けていることで出っ歯(上顎前突)や受け口(下顎前突)の原因になり、歯と歯の間から舌を出していると開咬の原因になります。

正しい舌の位置は、舌先が前歯の裏側あたりにあり、全体が上顎にくっついている状態です。まずはその位置に舌を持っていくよう教えてあげましょう。「あー」「いー」「うー」と口を大きく動かし、舌をべーっと突き出す「あいうべ体操」や、口を大きく開けて舌先で唇をなぞるといったトレーニングで、舌や口周りの筋肉を鍛えてあげましょう。

爪や唇を噛む

爪や唇を噛む癖も、指しゃぶりと同じような影響があり、出っ歯(上顎前突)や受け口(下顎前突)の原因になります。どちらも精神的な要因が考えられるため、こどもに不安やストレスがないか把握しましょう。

無理に止めさせるのではなく、なぜ爪や唇を噛んでしまうのか、なぜダメなのかなど、こどもと一緒に考え、怒らずに優しく寄り添ってあげてください。爪を短く切っておくことや、苦みのあるマニキュアを塗ることも効果的です。

こどもの歯並びは遺伝するのか?

歯を出して笑っている両親と息子

結論からいうと歯並びは遺伝します。

ただし、ご両親が出っ歯だからこどもも出っ歯になるというわけではありません。ご両親の骨格や顎の大きさ、顔のバランス、歯の形や大きさなどが遺伝するといわれており、歯並びを形成するための要因が似ているため、同じような歯並びになりやすいのです。

歯並びは、遺伝はもちろんですが、生活習慣も大きく関わっています。ご両親の歯並びがきれいでも、こどもの何気ない癖で歯並びが悪くなることもあるので、注意しましょう。

歯列矯正が必要な歯並び

歯科でシリコンを使って歯型を取っている男の子

さまざまな歯並びがあるなかで、どのような歯並びだと矯正が必要になってくるのでしょうか。詳しく解説していきます。

出っ歯(上顎前突)

顔を横から見たときに、上の前歯が前方に飛び出た状態の歯を「出っ歯(上顎前突)」といいます。

出っ歯は、前歯でうまくご飯が噛み切れず、横の歯で嚙み切ろうとしてしまい、噛み合わせが悪くなります。また、前歯が出ていることで唇や口の中が乾燥し、口臭、虫歯や歯周病のリスクが上がります。

出っ歯の場合、歯の生え代わりの時期である6歳頃には歯科医院へ相談し、治療しましょう。

受け口(下顎前突)

下の前歯が上の前歯より出ている噛み合わせのことを「受け口(反対咬合・下顎前突)」といいます。

受け口は、咀嚼がうまく行えず、顎関節症になるリスクが上がり、体のバランスや成長に大きく影響するほか、言葉の発音に影響することもあります。

受け口の場合、骨格に問題があることが多く、そのままにしておくと将来骨格を手術する治療が必要な場合があるため、3~5歳の早いうちから歯科医院へ相談し、治療するのがよいでしょう。

叢生

歯がすき間なく生え、ガタガタしている歯並びを「叢生」といいます。

歯がガタガタしていることで歯磨きがしにくく、磨き残しが多くなってしまい、口臭や虫歯、歯周病のリスクが上がります。また、顎が小さいことで咀嚼がうまくできず、言葉の発音に影響することもあります。

叢生の場合、歯の生え代わりの時期である6歳頃には歯科医院へ相談し、治療するのがよいでしょう。

開咬

奥歯で噛みしめたときに、上下の前歯にすき間がある歯並びを「開咬」といいます。

すき間があるため、前歯で食べ物を噛み切ることができず、奥歯への負担も少なくありません。言葉の発音に影響する可能性があり、口の中が乾燥するため口臭や虫歯、歯周病のリスクが上がります。

開咬の場合、舌癖や指しゃぶりなどの癖が大きく関わっているため、3~5歳の早いうちから歯科医院へ相談し、治療するのがよいでしょう。

まとめ

歯科で歯ブラシと歯の模型を使って歯磨きの仕方を教えてもらっている女の子

こどもの歯並びは大きくなってからも関わる問題なので、心配されるご両親も多いでしょう。

ふだんの生活でこどもをよく観察し、歯並びが悪くなるような癖がないかを早期に見つけることが重要です。また、一人で悩むのではなく定期的に歯科検診を受けましょう。検診を定期的に受けていれば、こどもの成長時期にあった適切な対応を行えます。

乳歯の歯並びでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。