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高齢者のための歯科治療!入れ歯やインプラント

2025年3月26日
高齢者のための歯科治療!入れ歯やインプラント

こんにちは。大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯科医療は専門性の高い分野であり、患者様にとって分かりにくい情報や誤解が生じやすい情報も少なくありません。診療時間内に患者様お一人おひとりに十分なご説明をすることが難しい場合もあるため、このブログを開設いたしました。

このブログでは患者様からよくいただく質問や、知っておいていただきたい歯科医療の知識を、分かりやすく解説することを目指しています。専門用語はできる限り避け、分かりやすい言葉で情報を提供いたします。皆様の疑問を解消し、安心して治療を受けていただけるよう最新の研究結果やエビデンスに基づいた情報も積極的に発信してまいります。

ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

「入れ歯やインプラント」について全力回答!

「食事のときに歯がうまく噛み合わなくて食べづらい…」

「入れ歯を使っているけれど、合わないから痛くて食事が楽しめない」

「年齢的にインプラントは無理だと思って諦めている…」

こうした悩みを抱えている方は意外と多いのではないでしょうか。

加齢によって歯や顎の骨が弱ると食事や会話の際に不便を感じる場面が増えます。
しかし、歯科医療の発展に伴って高齢者でも可能な治療法が充実してきました。

今回の記事では、入れ歯インプラントそれぞれの特徴や費用、リスク、そして生活の質(QOL: Quality of Life)を向上させる方法を詳しく解説します。

「年齢的に治療はもう難しいのでは」と思われる方にも、選択肢はまだまだあるのです。
一歩踏み出して、快適な食生活や会話を取り戻しませんか?

この記事を読めば分かること

  • 入れ歯とインプラントの基本的な違いが理解できる
  • 高齢者でも可能な歯科治療の方法が分かる
  • 歯を失ったまま放置するリスクが把握できる
  • 費用・期間の目安とトラブル事例を学べる
  • インプラントや入れ歯で生活の質(QOL)が上がる理由が分かる
  • 迷ったときにまず何をするべきかが分かる

基礎から知る、インプラントと入れ歯の違い

インプラントとは?

インプラントとは?

インプラントとは、顎の骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工歯をかぶせる治療方法です。
歯根部分にはチタンなどの生体親和性が高い金属が用いられ、骨と結合することでしっかりと安定するのが特徴です。

自然な見た目と強度を兼ね備えており、他の歯に負担をかけずに独立して機能するため、噛み合わせの感覚や発音が比較的自然に近いといわれています。

インプラントのメリット

  • 骨に固定されるため、しっかり噛める
  • 周囲の歯を削る必要がほぼない
  • 見た目が自然に仕上がりやすい

インプラントのデメリット

  • 手術が必要
  • 費用が高額になりやすい
  • 適切なケアを怠るとトラブルに発展しやすい

入れ歯とは?

入れ歯とは?

入れ歯は、歯を失った箇所に義歯を装着して噛み合わせを補う方法です。

部分入れ歯と総入れ歯があり、取り外し可能な点がインプラントとの大きな違いです。
歯ぐきや周囲の歯にかかる負担を配慮しつつ、比較的安価で対応しやすい治療法として昔から広く使われています。

入れ歯のメリット

  • 比較的低コスト
  • 大がかりな手術が不要(抜歯などは別途必要な場合あり)
  • 調整や交換がしやすい

入れ歯のデメリット

  • 噛む力や安定性が弱い場合がある
  • 外れやすさや異物感が気になる人も
  • 周囲の歯に負担がかかることがある

高齢者目線での比較

高齢者にとって、手術への抵抗感費用負担が大きな関心事でしょう。

インプラントは高額になりがちですが、長期的に使える可能性が高いという利点があります。
一方で入れ歯は安価かつ手軽である反面、定期的な調整が必要で噛む力がインプラントより劣るケースが多いです。

どちらを選ぶかは、骨の状態、全身の健康状態、ライフスタイル、予算などを総合的に考慮して決める必要があります。

高齢者でもインプラントや入れ歯は可能ですか?

高齢者でもインプラントや入れ歯は可能ですか??

インプラントの年齢制限は?

「年を取ったらインプラントは無理」というイメージを持つ方もいますが、実は80歳以下であれば適切な骨の状態が確認できればインプラント治療は可能です。
もちろん、全身の健康状態(糖尿病や心疾患など)や骨密度をチェックする必要はあります。

主治医や歯科医師と連携し、手術に耐えられるかを慎重に判断する流れが一般的です。

骨密度の検査

高齢者の場合は骨粗しょう症のリスクが高まるため、顎骨の強度がインプラント治療の成否に直結します。

CT スキャンなどの検査を通じて、顎骨に十分な厚みや密度があるかを確認します。
不足している場合は、骨移植骨造成といった補助的な処置を行う選択肢もあります。

入れ歯の利用に年齢制限はある?

入れ歯の場合、基本的に年齢制限はありません。

むしろ、非常に高齢の方でも手軽に対応できるという利点があります。
ただし、装着後に定期的な調整を受けないと噛み合わせに不具合が生じたり歯茎に痛みが出たりする可能性があるため、通院可能な範囲で、計画的にケアを行う必要があります。

全身状態の考慮

全身疾患がある方でも、入れ歯であれば手術が不要なぶん負担は軽めです。

一方で、手先が不自由になってきた場合など、取り外しやお手入れが難しくなるという別の課題が出てくるケースも考えられます。
家族のサポートや介護サービスとの連携が必要となるかもしれません。

歯科医が見るポイント

  • 口腔内の状態:残存歯の本数や健康度、歯周病の有無。
  • 顎の骨の質と量:インプラントの場合は特に重視。
  • 全身疾患の有無:糖尿病、高血圧、心臓病などの管理状況。
  • 患者さんの生活スタイル:ケアにかけられる時間や介護環境。
  • 予算や希望:治療費や治療期間、外科手術への抵抗感など。

最終的には、歯科医師と相談しながら最適な治療法を選ぶのが賢明です。

「もう歳だから」と一概に諦めるのではなく、適切な検査と診断を経て、やりたいこと・できることを把握するステップが大切です。

歯がない状態を放置するとどうなる?

歯がない状態を放置するとどうなる??

放置するリスクの本質

歯を失った状態を放置していると食べ物を噛む力が低下するだけでなく、残存歯や顎関節に過度な負担をかけることになりかねません。
特に高齢者の場合、栄養バランスが崩れると全身状態の悪化にも直結し、フレイル(虚弱)やサルコペニア(筋肉量減少)が進行する恐れがあります。

栄養不良と全身健康への影響

噛みにくさから食事内容が偏ったり柔らかいものばかり摂取すると、たんぱく質やビタミン、ミネラルが不足しがちになります。
これが長期的に続けば、筋肉量の減少や免疫力の低下を招き、感染症リスクが高まるなど生活の質を大きく下げてしまいます。

口腔内の変化

隣接歯の移動

歯が抜けたスペースを長期間放置すると隣の歯や対合歯が移動して歯列が乱れ、噛み合わせ全体が変わってしまいます。
また、歯周病が進行しやすい環境ができあがり、残っている歯まで失うリスクが高まります。

顎関節への負担

片側だけで噛む状態が続いたり、上下の歯の高さが合わなくなると、顎関節や顎の筋肉に無理な力がかかります。
結果として顎関節症首・肩のこり、頭痛につながるケースも報告されており、単なる歯の問題とは切り離せない体調不良を引き起こすことがあります。

早期治療のメリット

  • 噛み合わせのバランスが保てる
  • 周囲の歯や顎関節に余計な負担がかからない
  • 食事や会話が楽になり、生活の質(QOL)が向上
  • 長期的な治療費を抑える可能性(放置すると骨造成など追加費用が発生しやすい)

治療に踏み切るタイミングが早いほど、対処もスムーズで費用も抑えやすいというメリットがあります。
まさに「思い立ったが吉日」という言葉が当てはまるでしょう。

インプラントと入れ歯の費用はどれくらいかかりますか?

インプラントと入れ歯の費用はどれくらい??

 

インプラントの費用目安

インプラント治療は、一般的に1本あたり数十万円(30万〜50万円程度)が目安といわれています。

これは手術費用、人工歯根の材料費、上部構造(被せ物)の製作費などを合算した金額であり、クリニックごとに異なります。
骨造成やサイナスリフトなど追加処置が必要な場合はさらに上乗せされることもあるので、事前の見積もりが重要です。

メリットと費用対効果

高額にはなりますが、長期的にしっかり噛めることや他の歯を削らなくて済むという利点を考慮すると、費用対効果が高いと感じる人も多いです。
長く使い続けることを前提に、メンテナンスに力を入れることでトラブルを減らし、結果的にコストを抑えられる場合もあります。

入れ歯の費用目安

一方、入れ歯は保険適用の範囲内で作成できることが多く、自己負担費用が抑えられる点が魅力です。

保険外(自費)でより精密な入れ歯を作る場合は、数万円〜数十万円程度かかることもありますが、インプラントに比べれば比較的安価に対応できます。

保険と自費の違い

保険診療で作る入れ歯は、使用できる素材や構造が制限されるため、耐久性や装着感の面で自費の入れ歯より劣る可能性があります。
自費診療では、金属床の入れ歯など高品質な素材を選択でき、薄くて快適な仕上がりを期待できるというメリットがあります。

分割払い・デンタルローンなど

高齢者の方でも、分割払いやデンタルローンを利用して費用負担を軽減する方法があります。
また、医療費控除の対象になる場合もあるため、詳しくは歯科医院のスタッフに相談してみると良いでしょう。

費用面で治療を諦めず、あらゆる選択肢を確認してから判断するのがおすすめです。

インプラントと入れ歯で起こりうるトラブルは?

インプラントのリスクや合併症

手術時の感染や炎症

インプラントは手術を伴うため、どうしても感染リスクはゼロにはなりません。

術後の傷口が塞がる期間には、抗生物質を服用したり、口腔内を清潔に保つ必要があります。
歯科医院での定期検診やクリーニングを怠ると、インプラント周囲炎というトラブルが進行し、最悪の場合インプラント体が抜け落ちてしまう可能性もあります。

骨との結合不良

インプラントは骨と結合してこそ本領を発揮しますが、糖尿病や喫煙習慣などがあると骨結合がうまくいかずインプラントが安定しないこともあります。
術前の健康状態の管理や生活習慣の見直しが大切です。

入れ歯のトラブル

装着不良

入れ歯が合わないと、痛みや噛み跡ができる、ガタつきで食事がしにくいなどの問題が発生します。

高齢者は骨の吸収が進みやすく、半年〜数年のスパンで顎の形が変化するため、入れ歯も定期的な調整や作り替えが必要となる場合があります。

口臭やむし歯のリスク増大

入れ歯を装着していると歯茎と入れ歯の間に食べかすが溜まりやすく、口臭やむし歯、歯周病を引き起こすリスクが高まることがあります。
毎日のケア(入れ歯のブラッシング、保管時の洗浄)が欠かせないのはもちろん、定期検診で残存歯の状態をチェックしてもらうことも重要です。

トラブルを防ぐコツ

  • 定期的な歯科検診:装着後も、インプラントや入れ歯を長持ちさせるために定期的なチェックが欠かせません。
  • 自己流ケアだけに頼らない:歯科医師や歯科衛生士から正しいケア方法を学ぶことで、トラブルを未然に防ぎやすいです。
  • 早めの対応:痛みや不快感を感じたら放置せず、すぐに歯科医院で相談することで大きなトラブルを回避できます。

インプラントや入れ歯で生活の質はどう向上する?

インプラントや入れ歯で生活の質はどう向上する??

噛む力を取り戻して食事が楽しくなる

しっかり噛めるようになると、食事の幅が広がり、好きなものを美味しく食べられるという喜びを再び体験できます。
噛む力は消化や栄養吸収だけでなく、脳への刺激にもつながり、認知機能の維持にも良い影響を及ぼすと言われています。

生活の質(QOL)の向上

高齢者にとって、食事は生活の楽しみやコミュニケーションの場でもあるため、インプラントや入れ歯で噛む力を補うことで心身の健康が同時に向上します。
「もう固いものは食べられない」と諦めていた方が、大好きな煎餅や肉料理を再び楽しめるようになる例も少なくありません。

見た目や発音の改善

歯がない状態だと唇や頬が内側へとへこんだり、発音が不明瞭になったりするケースがあります。
インプラントや入れ歯を導入することで、口元のシルエットが整い、自信を持って話したり笑ったりできるようになります。

社会的メリット

口元へのコンプレックスが軽減されるとコミュニケーションが活発になり、社会生活の質も高まります。
家族や友人との会話、外出や趣味の活動を楽しめる機会が増え、「歯のせいで外に出るのがおっくう…」という悪循環から抜け出しやすくなります。

歯科医院との連携で長く維持

インプラントや入れ歯は導入して終わりではありません。

メンテナンスや調整を継続的に行うことで、その機能を長く維持できます。
定期的に歯科医院を受診し、噛み合わせや清掃状態をチェックしてもらうことでトラブルを未然に防ぎ、安心して使い続けられるのです。

まとめ:インプラントと入れ歯で快適な生活を取り戻しましょう

本記事では「高齢者のための歯科治療!入れ歯やインプラント」をテーマに、基礎知識から費用・リスク、そして日常生活において得られるメリットまで幅広く解説しました。

歯を失った状態を放置していると食事や会話が不便になるだけでなく、全身の健康や精神面にも悪影響が及ぶ可能性があります。
一方で、インプラントや入れ歯を活用すれば十分に噛む力を取り戻し、美味しく食事ができる喜びや自信を持って人と接する楽しさを再発見できるでしょう。

「噛みづらくて困っている」

「入れ歯が合わない」

「インプラントに興味はあるけれど費用が気になる」

などの悩みをお持ちであれば、もりかわ歯科へお気軽にご相談ください。

高齢者でも安心して治療を受けられるよう、検査やカウンセリングを通じて最適なプランを提案いたします。
「治療はもう無理だろう」と諦めていた方でも、新しい選択肢を知ることでQOLを大きく向上できる可能性があります。

長い人生のなかで歯の問題を抱えたまま生活していると、健康面だけでなく心の面でも負担が増えてしまいます。
今こそインプラントや入れ歯を上手に利用して、美味しく食べる喜びや、はっきり話せる安心感を取り戻してみませんか?
ご自身のライフスタイルや予算、身体の状態に合わせた治療法を選択し、もう一度笑顔で食卓を囲む日々を目指しましょう。

もりかわ歯科はあなたの歯を守り、快適な生活をサポートするためのパートナーとして、いつでもお待ちしております!

大阪府八尾市の歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」

当院では日々の診療で患者様との対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を心がけています。

  • インプラント治療
  • 入れ歯・ブリッジ
  • 審美歯科
  • 歯列矯正

など、様々な治療に対応しておりますので、歯に関する心配事がございましたらいつでもお気軽にご来院ください。矯正治療に関する無料相談も実施しておりますので、歯並びでお悩みの方もぜひ一度お問い合わせください。

矯正無料相談
矯正無料相談

詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページも併せてご覧ください。

親知らずは抜くべき?抜かないべき?

2025年2月5日
親知らずは抜くべき?抜かないべき?

こんにちは。大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯科医療は専門性の高い分野であり、患者様にとって分かりにくい情報や誤解が生じやすい情報も少なくありません。診療時間内に患者様お一人おひとりに十分なご説明をすることが難しい場合もあるため、このブログを開設いたしました。

このブログでは患者様からよくいただく質問や、知っておいていただきたい歯科医療の知識を、分かりやすく解説することを目指しています。専門用語はできる限り避け、分かりやすい言葉で情報を提供いたします。皆様の疑問を解消し、安心して治療を受けていただけるよう最新の研究結果やエビデンスに基づいた情報も積極的に発信してまいります。

ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

「親知らずの抜歯」について全力回答!

「なんだか奥歯がズキズキするけど、これは親知らずのせい?」
「親知らずを抜くと、顔が変わるとか、すごく痛いって聞いたんだけど本当?」
「親知らずがあるけど、日常生活にそこまで困っていないから、このままでもいいかな?」

こうした声をよく耳にします。
実際、「親知らずは抜いたほうがいい」「いや、抜かずに放置して大丈夫」と、人によって意見はさまざま。
中には「抜歯してもメリットは少ないのでは?」と考える方もいるかもしれません。

しかし、本当にそのまま放置してよいものかどうかは、歯やあごの状態、今後の生活設計によって変わってきます。

本記事ではまだ親知らずを抜歯したことがなく日々の生活に大きな支障を感じていない方が、将来を考えて抜くべきかどうかの判断材料を得られることを目指します。

親知らずを抜歯するメリットやデメリット、費用や保険適用の有無、治療の流れや痛みの程度など、気になるポイントをわかりやすく解説していきます。
ぜひ最後まで目を通してみてください。

この記事を読めば分かること

  • 親知らずの基礎知識が身につく
  • 抜歯をする・しない場合のリスクとメリットが理解できる
  • 実際の治療費や保険適用、抜歯の流れがイメージできる
  • 歯科医師に相談する重要性を再確認できる

親知らずってどんな歯なの?

親知らずの基礎知識

親知らずの基礎知識

親知らずは、上下左右の奥歯の一番奥に生えてくる「第三大臼歯(だいさんだいきゅうし)」です。

思春期後半から20代半ばにかけて生えることが多いとされていますが、年齢や本数に個人差があるため生え方は人それぞれです。
実際に生えてくる時期が遅れたり、あごの骨の中に埋まったまま出てこなかったりするケースも珍しくありません。

こうした違いは、あごの大きさや遺伝的な要素が影響しているといわれています。
レントゲン撮影をすれば、あごの骨のなかに埋まっている親知らずの有無を確認できるので「自分には親知らずがない」と思い込んでいる方も一度検診を受けてみるとよいでしょう。

名前の由来と海外での呼び方

親知らずという独特の名前は「親が知らないうちに生えてくる歯」という由来が一般的です。

実際に成人期前後になって初めて痛みや腫れに気づき「いつの間にか存在していた」と感じる方も多いのではないでしょうか。
英語では“Wisdom tooth”と呼ばれ、成長した頃に生える歯というイメージが含まれています。

日本語と英語では呼び方が異なるものの、多くの国で「遅い時期に生えてくる、やっかいな歯」という扱いを受けているようです。

正しく生えるケースは多くない?

近年の食生活やあごの形態変化の影響で、親知らずがきれいに生えるスペースが足りない方が増えています。

まっすぐ生えずに斜めになったり、一部だけ歯ぐきを破って顔を出す「部分萌出(ぶぶんほうしゅつ)」の状態になったりすると歯みがきがしづらくなるため、むし歯や歯ぐきの炎症につながりやすいのが悩みの種です。

中には完全に埋まったまま出てこず、「レントゲン検査ではじめて骨の中に残っているとわかる」こともあります。

もし親知らずがしっかりと機能している場合は無理に抜歯しなくても問題ないことがありますが、明らかに生え方が悪かったり周囲の歯を圧迫したりするようであれば、適切なケアや抜歯を検討する必要性が出てきます。

「生え方が悪いかもしれないけれど痛みはまだない」と、そのまま放置すればトラブルが起こるリスクも否めません。

なぜ親知らずを抜くの?放置するとどうなる?

放置によるリスク

普段は何の症状もなくても、親知らずをそのままにしておくことで以下のようなトラブルが起きる可能性があります。

放置によるリスク

むし歯や歯周病の悪化

親知らずが斜めに生えていると、食べかすや汚れがたまりやすくなり、歯ブラシの届きにくい死角が増えてしまいます。
その結果、親知らずだけではなく手前の第二大臼歯(ふつうに噛むときにメインで使う歯)にまでむし歯や歯周病が広がりやすくなるが大きな問題です。

隣接歯への影響

傾いている親知らずが隣の歯を押すことで、歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼすケースもあります。
歯並びが乱れると、プラーク(歯垢)がたまりやすくなるため、むし歯や歯ぐきの炎症などさらなるトラブルを招きかねません。

炎症の繰り返し

親知らずが完全に歯ぐきの外へ出ていない状態だと、歯と歯ぐきの隙間に細菌が入り込みやすくなります。
その結果、歯ぐきが腫れたり痛んだりする「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」を繰り返してしまう恐れが高まります。
こうした炎症が進行すると口腔内の衛生環境を悪化させるだけでなく、全身状態にまで影響することもあるため注意が必要です。

“将来抜くなら今がいい”は本当?

一般的には、若いうちに親知らずを抜いたほうが回復が早く、抜歯後の腫れや痛みも比較的少ないといわれています。
年齢を重ねるほど骨が硬くなり、全身的な影響も出やすくなるため、必要と判断されれば早めに抜歯を検討するのは一つの選択肢です。

ただし親知らずの向きや深さなどは個人差が大きいため、レントゲン写真やCT撮影などを通じて専門の歯科医師からアドバイスを受けることがとても重要です。

抜歯しなくてもいいケースはあるの?

まっすぐ生えていて噛み合わせも良好な場合

親知らずが本来の奥歯と同じようにまっすぐ生え、噛み合わせにも問題がないケースは決して多くありませんが、まれに歯磨きがしっかり行き届き、むし歯や歯周病のリスクが低い状態で「働く歯」として活用できることがあります。
こうした場合は、無理に抜歯をしなくても支障がないかもしれません。

ただし、将来的にトラブルが起きる可能性も考慮して定期的に歯科医院で状態を確認することが望ましいでしょう。

歯科矯正に利用できるケース

歯科矯正の計画によっては、親知らずを矯正治療の一部として利用する場合もあります。

たとえば、抜歯が必要となる矯正プランの中で「親知らずをあえて残し、移動源として活用する」という方法が検討されることもあるのです。
こうした判断は口腔全体のバランスと治療方針を踏まえて決定されるため、矯正歯科医と十分に相談して最適な方法を探ることが大切です。

体調・全身状態への配慮

抜歯は口腔内だけでなく、体全体の状態を見極める必要もあります。

重度の全身疾患を抱えている方や、妊娠中でリスクが高いと判断される方には抜歯を先延ばしにしたほうが良い場合もあるのです。
抜歯のタイミングや方法を適切に選択するためにも、歯科医師だけでなく必要に応じて医科とも連携を図りながら慎重に方針を決めることが重要です。

抜歯後の顔や痛みが気になる方へ

ここまで、親知らずを「抜かずに済む可能性があるケース」について解説しました。

実際には、生え方や体調など個人差が大きいため、一概に「抜かなくて問題ない」とは言い切れないのが現状です。では、抜歯を選択した場合に起こりうる痛みや顔つきの変化には、どのようなものがあるのでしょうか。次のセクションでは、抜歯後に予想される症状や回復までの流れを詳しくご紹介しますので、ぜひ引き続きご覧ください。

親知らずを抜くと顔は変わる?痛みはある?

親知らずを抜くと顔は変わる?痛みはある?

抜歯で顔の輪郭が激変することは少ない

「親知らずを抜くと顔が小さくなる」「輪郭が大きく変わる」という噂を聞いたことがある方も多いかもしれません。

実際には、親知らずの抜歯だけで劇的に顔のラインが変わるケースは非常にまれです。
もともと歯の出っ張りが大きく、抜歯後に腫れが引くことで一時的にスッキリと見えることはありますが、いわゆる「小顔効果」は過度に期待しないほうがよいでしょう。

痛みには個人差がある

抜歯後の痛みは個人差が大きく、親知らずの生え方によっても異なります。

歯ぐきや骨を多く削らなければならないケースでは、腫れや痛みが出やすくなる傾向があります。
一方で、まっすぐ生えていて抜きやすい状態であれば、比較的軽い痛みで済むことも少なくありません。いずれの場合も、処方された鎮痛薬や抗生物質を正しく服用し、数日から1週間ほどで症状が落ち着くことが多いです。

ダウンタイムと日常生活への影響

抜歯を行う部位や難易度にもよりますが、術後数日は腫れや違和感を覚えることがあります。

仕事や学校を休むほどではない場合が多いものの、力仕事や激しい運動を伴う生活スタイルの方は体調と相談しながらスケジュールを調整すると安心です。
痛みや腫れが続くようであれば、早めに歯科医師に相談して適切な対処を受けましょう。

抜歯の手順や費用はどれくらい?保険適用は?

一般的な抜歯の流れ

一般的な抜歯の流れ

検査・診断

レントゲンや口腔内検査で親知らずの位置や角度、神経や血管との位置関係を把握します。
必要に応じてCT撮影を行う場合もあり、事前の精密検査が安全な抜歯の土台となります。

局所麻酔

痛みを抑えるために局所麻酔を行います。
麻酔がしっかり効いていれば、処置中の痛みはほとんど感じません。

抜歯処置

歯ぐきを切開したり、歯を分割したりしながら徐々に取り除きます。
斜めに生えていたり、骨と癒着している場合は時間がかかることがあります。

止血・縫合

抜歯後はガーゼなどで出血を抑え、必要に応じて糸で縫合します。
縫合した箇所は1週間程度で抜糸を行うことが一般的です。

術後のケア

痛み止めや抗生物質を処方されることが多く、腫れや感染を予防しながら傷の回復を待ちます。
腫れやすい方はアイシングを行うなど、歯科医師の指示に従って経過を見守りましょう。

費用の目安と保険適用

親知らずの抜歯は多くの場合、保険診療の対象です。

ただし、埋伏(まったく外に出ていない)や神経に近い場合など、検査や処置の難易度が高いケースでは費用が上乗せされることがあります。
保険適用の場合、自己負担は3割(保険の種類や年齢によって異なることがあります)で、1本あたり数千円〜1万円台となるのが一般的です。正確な金額を知りたい方は、事前に歯科医院へ確認してみましょう。

通院回数や時間

1本の抜歯処置にかかる時間は、局所麻酔や術後の休憩などを含めて30分〜1時間程度が目安ですが、生え方の状態によっては前後します。
複数の親知らずが埋まっている場合には、1本ずつ抜くのか、あるいは複数本を同時に抜くのかで通院回数も変わります。
縫合した箇所を抜糸するために、通常は1週間ほど経ってから再度通院が必要です。

矯正治療にも影響するの?抜歯のメリットとは?

歯並びへの影響

歯並びへの影響

「なるべくきれいな歯並びを保ちたい」と願う方にとって、斜めに生えた親知らずは悩みの種になりやすいものです。

親知らずが前の歯を押してしまうと歯列にガタつきが生じたり、歯みがきの際に磨き残しが増えてむし歯や歯周病のリスクが上がったりします。
特に矯正治療後の方は、せっかく整えた歯並びに影響が出る可能性があるため、担当の矯正専門医から「親知らずは抜いておいたほうが良い」というアドバイスを受けることも少なくありません。

将来的なむし歯・歯周病リスクの軽減

親知らずは口腔内の一番奥に位置するため、どうしても歯ブラシが届きにくくなりがちです。

放置しておくと、歯ぐきの炎症やむし歯が他の歯にまで広がる恐れがあります。
抜歯によって磨き残しのリスクを減らすことで、長期的に見ても健康的な口腔環境を保ちやすくなるというメリットが期待できます。

矯正に親知らずを活用することも

まっすぐ生えて機能している親知らずを、矯正治療の計画の一部として組み込む場合もあります。

ただしこれは限定的なケースにすぎず、多くの場合は「不要歯」として扱われることが多いのが実情です。
抜歯の必要性は、口腔内の状態や矯正治療の方針によって変わるため、「本当に抜くべきかどうか」は専門医の診断を受けることが最善です。

 まとめ|将来を見据えて専門医に相談しよう

今回は「親知らずは抜くべき?抜かないべき?」という疑問にお応えする形で、親知らずの基礎知識から抜歯のメリット・デメリット、費用や保険適用のしくみまで、幅広く解説しました。親知らずはたとえ今は痛みがなくても、将来的にトラブルを引き起こす可能性を秘めているため、一度は歯科医院でチェックしてもらうことをおすすめします。

  • 親知らずがまっすぐ生えていて、しっかり機能している → 抜く必要がない場合がある
  • 親知らずが斜めや横向きで炎症や痛みが出やすい → 抜歯の検討が必要
  • 矯正治療を考えている → 親知らずの状態を含めた総合的な治療計画が重要

こうした判断は、素人だけでは難しく、レントゲンやCTでの確認が欠かせません。
さらに、全身状態や他の歯の状態との兼ね合いも考慮する必要があります。
そのため、「抜歯するか迷っている」「痛みが出る前に対策しておきたい」という方は、ぜひ専門医がいる歯科医院へご相談ください。

もりかわ歯科では、歯科口腔外科の領域や矯正治療の経験豊富なスタッフがそろっておりますので、安心してカウンセリングを受けていただけます。
あなたの歯並びやライフスタイル、今後の予定などを含めてトータルでサポートいたします。

本記事を通じて、親知らずに関する疑問や不安が少しでも解消されていれば幸いです。
今はまだ症状がなくても、将来的なトラブルを回避するため、ぜひ一度、歯科医院に足を運んでみてください。

自分の歯の健康を守るための第一歩として、「今の状態を把握し、必要な治療を計画する」ことが何より大切です。

あなたの大切な歯を長く守るためにも、気になることがあれば遠慮なくお問い合わせください。
私たちと一緒に、快適な口腔環境を目指しましょう!

大阪府八尾市の歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」

当院では日々の診療で患者様との対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を心がけています。

  • インプラント治療
  • 入れ歯・ブリッジ
  • 審美歯科
  • 歯列矯正

など、様々な治療に対応しておりますので、歯に関する心配事がございましたらいつでもお気軽にご来院ください。矯正治療に関する無料相談も実施しておりますので、歯並びでお悩みの方もぜひ一度お問い合わせください。

矯正無料相談
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詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページも併せてご覧ください。