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歯周病治療後のメンテナンス方法と注意点

2025年1月8日
歯周病治療後のメンテナンス方法と注意点

こんにちは。大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯科医療は専門性の高い分野であり、患者様にとって分かりにくい情報や誤解が生じやすい情報も少なくありません。診療時間内に患者様お一人おひとりに十分なご説明をすることが難しい場合もあるため、このブログを開設いたしました。

このブログでは患者様からよくいただく質問や、知っておいていただきたい歯科医療の知識を、分かりやすく解説することを目指しています。専門用語はできる限り避け、分かりやすい言葉で情報を提供いたします。皆様の疑問を解消し、安心して治療を受けていただけるよう最新の研究結果やエビデンスに基づいた情報も積極的に発信してまいります。

ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

「歯周病治療後のメンテナンス方法と注意点」について全力回答!

歯周病の治療を終えた方、お疲れさまでした。
治療を受ける決断をしたこと自体が、とても大きな第一歩です。

これから治療を検討している方も、早期の対応が非常に重要です。

しかし、治療が終わりではなく、治療後の日々のケアこそが最も重要です。
歯周病は再発しやすい病気であるため、再発を防ぐためのメンテナンスと生活習慣の見直しが欠かせません。

「治療後もちゃんと歯を守っていけるかな?」
と不安に感じている方も多いかと思いますが、この記事でしっかりと対策を学んで、健康な歯茎を保っていきましょう。

この記事を読めば分かること

  • 歯周病治療後に大切なメンテナンス方法が分かります
  • 歯茎が回復するまでに行うべきケアのポイントを理解できます
  • 日々の生活で歯周病を防ぐための具体的な対策が分かります
  • 歯周病の再発を防ぐために、知っておくべき注意点を把握できます

 歯周病治療後に必要なメンテナンスとは?

歯周病治療が終わったからといって、すべてが解決したわけではありません。

歯周病は慢性的な病気であり、適切なケアを怠ると再発するリスクが高いのが特徴です。
そのため、治療後のメンテナンスが非常に重要です。

定期的な歯科検診

定期的な歯科検診

治療後も歯科医師による定期的なチェックが不可欠です。
適切なメンテナンスを怠ると、せっかくの治療が台無しになってしまう可能性があります。

通常は3ヶ月ごとのメンテナンスが推奨されており、この検診では歯周ポケットの状態や歯石の有無を確認します。
歯周ポケットが深くなっていないか、歯茎の状態に異常がないかを確認することで問題が再発する前に対処できます。

また、歯石の除去やプラークのコントロールは再発を防ぐために重要です。
早期に問題を発見して対処することが、健康な口腔環境を維持するための鍵となります。

定期的なチェックは歯周病の進行を防ぎ、長期的な歯の健康を守るための最善の方法です。

プロフェッショナルクリーニング(PMTC)

professional-cleaning

プロフェッショナルクリーニング(PMTC)は、通常の歯磨きでは取りきれないプラークや歯石を除去するための重要なケアです。

歯の表面や歯間に残った細菌や歯石を専門的な器具を使って丁寧に除去します。
またクリーニングにより歯茎の健康が保たれ、歯周病の再発を防ぐ効果が高まります。

歯周病の再発を防ぐためには、定期的にプロのクリーニングを受けることが効果的です。

超音波スケーラーの使用

超音波スケーラーを使って歯の表面にこびりついた歯石を効率よく除去します。

超音波の振動で歯石を破砕し、短時間で効果的に除去できるのが特徴です。
これにより歯茎に負担をかけることなくクリーニングを行うことができます。

エアフロークリーニング

専用のパウダーを使用して歯面に付着したバイオフィルムを除去し、口腔内を清潔に保ちます。

エアフロークリーニングは歯の表面を傷つけることなく汚れを取り除くため、歯へのダメージが少なく短時間で効果的にバイオフィルムを除去できるのがメリットです。

フッ素塗布

クリーニング後にフッ素を塗布することで歯の再石灰化を促し、虫歯の予防効果も期待できます。

フッ素は歯のエナメル質を強化し、虫歯菌から歯を保護する働きがあります。
定期的なフッ素塗布により歯の健康を長期的に維持することが可能です。

自宅でのセルフケア

自宅でのセルフケア

毎日のブラッシングとフロッシングも欠かせません。

治療後の歯茎は敏感になっていることが多いので、柔らかい歯ブラシを使って丁寧に磨くことが求められます。
これから治療を検討している方も、どのようなケアが必要かを理解しておくことが大切です。

歯磨きの際には歯周ポケットの奥までしっかりと届くように、歯間ブラシやフロスも併用しましょう。
このような日々のケアが歯茎の健康を保ち、次のセクションで紹介するようなさらなる回復と維持につながります。

柔らかい歯ブラシの選択

歯周病予防には柔らかめの歯ブラシを使い、歯茎に対して45度の角度で当てて円を描くように小刻みに動かして汚れを落とすのが効果的です。
特に歯と歯茎の間を丁寧に磨き、上下の歯を分けて一本一本に集中して時間をかけるようにしましょう。

歯間ブラシ・フロスの併用

歯と歯の間のプラークは、歯ブラシだけでは取り除けません。

毎日のフロスや歯間ブラシの使用が重要です。歯間ブラシは歯間に挿入し、前後に動かして汚れを落とします。フロスは歯間に優しく滑り込ませ、C字カーブを描くように歯の側面に当てて上下に動かし、プラークを除去します。

フロスや歯間ブラシのサイズ選びに迷う場合は、歯科医に相談しましょう。

歯磨き粉の選択

歯周病予防には、抗菌作用のある歯磨き粉を使用することが効果的です。
歯磨き粉に含まれる抗菌成分が、歯周病菌の増殖を抑え、歯周病の予防に役立ちます。

主な抗菌成分
  • 塩化セチルピリジニウム(CPC)
  • イソプロピルメチルフェノール(IPMP)
  • 塩酸クロルヘキシジン(CHX)

これらの成分が配合された歯磨き粉を選び、適量を歯ブラシに取りましょう。

歯磨き粉は、多量に使う必要はありません。
少量でも、歯ブラシを正しく動かすことで、効果的に歯を磨くことができます。

歯磨き粉の種類や量、使い方など、迷う場合は歯科医師や歯科衛生士に相談することをおすすめします。

 歯茎が回復するまでの期間とケアのポイント

治療後の歯茎が完全に回復するまでには数週間から数ヶ月かかることがあります。
この期間に適切なケアを行うことで、歯茎の健康を取り戻しやすくなります。

炎症を防ぐためのケア

歯周病治療後は炎症が残ることがあるため、抗菌性のマウスウォッシュを使用すると効果的です。
ただし刺激が強いものは避け、歯科医師に相談してから使用するようにしましょう。

抗菌性マウスウォッシュの選択

クロルヘキシジン配合のマウスウォッシュは抗菌効果が高いため、歯周病の炎症を抑えるのに効果的です。

塩水うがい

刺激が少なく自然な抗菌作用が期待できるため、塩水でのうがいもおすすめです。

食事の工夫

治療直後は柔らかい食べ物を中心に摂取することが望ましいです。

硬い食べ物は歯茎に負担をかけ、回復を遅らせることがあります。
また、ビタミンCを多く含む野菜や果物を摂ることで歯茎の回復を助けます。

柔らかい食材の例

スープ、豆腐、ヨーグルト、蒸し野菜などが歯茎への負担を減らし回復を助けます。

ビタミンC豊富な食品

ピーマン、ブロッコリー、キウイフルーツ、イチゴなどが歯茎の健康に効果的です。

禁煙の重要性

禁煙の重要性もし喫煙習慣がある場合は、この機会に禁煙を検討することが大切です。

禁煙サポートの活用

ニコチンパッチや禁煙外来を活用することで禁煙の成功率を高めることができます。

家族や友人のサポート

周囲の人々からの励ましや支援を受けることで禁煙を継続しやすくなります。

 歯周病を放置するとどうなるのか?

歯周病を放置するとどうなるのか?

歯周病は、放置してしまうと非常に深刻な問題を引き起こす可能性があります。

「歯周病って、歯茎が腫れたり出血したりするんでしょ?」

「歯磨きをしっかりすれば、治るんじゃないの?」

そう思って軽く考えていませんか?

歯周病は歯を失うだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性のある病気なのです。
治療後もメンテナンスを怠れば、再び症状が悪化してしまうこともあります。

歯の喪失

歯周病が進行すると歯を支える骨(歯槽骨)が溶けてしまい、最終的には歯が抜けてしまいます。

例えば以下のような問題が生じます。

  • 奥歯がぐらつき始めて痛みを伴うようになる
  • 食事中に歯が抜け落ちる

一度失った歯槽骨は完全に再生することが難しいため、早期の対処が重要です。

口臭の悪化

歯周病を放置すると口臭がひどくなる傾向があります。

  • 朝起きたときに強い口臭を感じる
  • 人と話している際に相手が口元に手をやるなどの反応を見せる

といった経験はありませんか?
これは歯周ポケット内で細菌が繁殖し、炎症を引き起こすためです。

口臭は自分では気づきにくいことが多いので、家族や友人から指摘される前に対策を講じることが大切です。

全身への影響

歯周病が進行すると、糖尿病や心臓病などの全身疾患のリスクを高めることが知られています。
歯周病による炎症が血液を介して全身に広がり、動脈硬化のリスクが高まることがあります。

その他にも、

  • 脳梗塞
  • 肺炎
  • 早産、低体重児出産

など、様々な病気との関連が指摘されています。

歯茎の健康を保つことは、体全体の健康にもつながる重要なポイントです。

 よくある疑問:歯周ポケットは元に戻るの?

歯周病治療後に気になるのが「歯周ポケットは元に戻るの?」という点です。

歯周ポケットとは歯と歯茎の間にできる隙間のことで、歯周病が進行するとこの隙間が深くなり、細菌が繁殖しやすくなります。
歯周ポケットの深さは治療により改善されることがありますが、完全に元の状態に戻るわけではありません。

歯周ポケットの回復について

治療によって歯茎の炎症が収まり、歯周ポケットの深さが浅くなることはあります。

しかし、歯周病菌によって破壊された歯周組織(歯茎、歯根膜、歯槽骨)は、完全に再生することは難しいです。
そのため、治療後も歯周病が再発しないように継続的なケアが必要となります。

具体的には、

  • 毎日の正しいブラッシング
  • 歯間ブラシやフロスの使用
  • 定期的な歯科検診

などが必要です。

これらのケアを行うことで歯周ポケットの再発を防ぎ、健康な状態を維持することができます。

回復を促すための生活習慣

健康な歯茎を保つためには、適切な生活習慣も大切です。

  • 規則正しい食生活
  • ビタミンCを含む食材を積極的に摂取する
  • ストレスをためないためのリラクゼーション方法を取り入れる
  • 適度な運動

これらは歯茎の健康に大きく影響します。
適度な運動は血行を促進し、免疫力を高めることで歯茎の回復を促進するのに役立ちます。

歯周病の治療後のケアは、毎日の積み重ねが大切です。

 日々のケアで歯周病を防ぐ方法

日々のケアで歯周病を防ぐ方法

歯周病を防ぐためには日々のケアが欠かせません。

毎日のちょっとしたケアを続けることで歯周病のリスクを減らし、健康な歯茎を保つことができるんです。

正しい歯磨きの方法

歯周病を防ぐためには適切な歯磨きが重要です。

歯ブラシは柔らかめのものを使用し、歯茎に対して45度の角度で優しく磨くことが効果的です。
力を入れすぎると歯茎を傷つけてしまう可能性がありますので注意しましょう。

1回につき3分以上、1日2回しっかりと時間をかけて磨くことを心がけましょう。
歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスも併用することで歯周ポケットの奥深くまでしっかりとケアすることができます。

フロスと歯間ブラシの活用

歯と歯の間には、歯ブラシだけでは取りきれない汚れが溜まることがあります。

フロスや歯間ブラシを使うことで歯周ポケットの奥に溜まったプラークを効果的に除去することができます。
フロスは糸状の清掃用具で、歯と歯の間に通して歯垢を絡め取るようにして除去します。

歯間ブラシは、歯と歯の間に隙間がある場合にブラシを挿入して歯垢を除去します。
歯間ブラシには様々なサイズがありますので、ご自身の歯に合ったサイズを選びましょう。

マウスウォッシュの利用

マウスウォッシュは口内の細菌を減らすために有効です。

ただし強いアルコールが含まれているものは刺激が強いため、歯科医師に相談して自分に合ったものを使用するようにしましょう。
なおマウスウォッシュはあくまでも補助的なケアであり、歯磨きをきちんと行うことが大切です。

 再発を防ぐために知っておくべき注意点

歯周病は一度治療しても油断すると再発してしまうことがあります。

歯周病の再発を防ぐためには、治療後の適切なメンテナンスと、日々の生活習慣の見直しが重要です。
ここでは、歯周病の再発を防ぐために、知っておくべき注意点を詳しく解説していきます。

定期検診の重要性

治療後も、定期的に歯科医院でチェックを受けることが大切です。

歯周病の初期症状は、自分では気づきにくいものです。
プロの目で確認してもらうことで、早期発見・早期治療が可能になります。

定期検診では、歯周ポケットの深さを測定したり、歯茎の状態をチェックしたりすることで、歯周病の再発の兆候を早期に発見することができます。
また、歯石除去やクリーニングを受けることで、歯周病菌の増殖を抑え、再発を予防することができます。

ストレス管理

ストレスは、免疫力を低下させ、歯周病の再発リスクを高める要因となります。

ストレスを溜め込みすぎると、自律神経のバランスが崩れ、ホルモン分泌や血液循環に悪影響を及ぼします。
その結果、歯茎の抵抗力が弱まり、歯周病菌に感染しやすくなってしまうのです。

ストレスを解消するためには、

  • 十分な睡眠
  • 適度な運動
  • リラックスできる時間
  • 趣味や娯楽を楽しむ
  • 友人や家族と過ごす

など、自分に合った方法を見つけて実践することが大切です。

バランスの取れた食事

ビタミンCやカルシウムなど、歯茎の健康に必要な栄養素をバランスよく摂取することも再発防止に役立ちます。

ビタミンC

コラーゲンの生成を助け、歯茎の組織を強化する働きがあります。

ピーマン、ブロッコリー、キウイフルーツ、イチゴなどに多く含まれています。

カルシウム

歯や骨を形成するのに必要な栄養素です。

牛乳、乳製品、小魚、豆腐、海藻などに多く含まれています。

ビタミンD

カルシウムの吸収を助ける働きがあります。

鮭、さんま、しらす干し、卵などに多く含まれています。

これらの栄養素を積極的に摂取することで、歯茎の健康を維持し、歯周病の再発を予防しましょう。

 まとめ|もう歯周病にならないために、専門医に相談を

歯周病は一度治療しても、再発のリスクが常にあります。
しかし、治療後の適切なメンテナンスと生活習慣の改善によって、そのリスクを大幅に減らすことができます。

この記事で紹介したメンテナンス方法や注意点を実践することで、健康な歯茎を保つことができるでしょう。

ただ、自己判断だけでは限界があるため、歯科医師による定期的なチェックアップは欠かせません。
歯周病の再発を防ぎ、いつまでも健康な口内環境を維持するために、ぜひ当院にご相談ください。

私たちもりかわ歯科では、患者様一人ひとりに合わせた適切なアドバイスと治療を提供しています。まずはお気軽にご連絡ください。

大阪府八尾市の歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」

当院では日々の診療で患者様との対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を心がけています。

  • インプラント治療
  • 入れ歯・ブリッジ
  • 審美歯科
  • 歯列矯正

など、様々な治療に対応しておりますので、歯に関する心配事がございましたらいつでもお気軽にご来院ください。矯正治療に関する無料相談も実施しておりますので、歯並びでお悩みの方もぜひ一度お問い合わせください。

矯正無料相談
矯正無料相談

詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページも併せてご覧ください。

虫歯予防に役立つ!虫歯ができやすい人の特徴とは?

2023年11月3日
虫歯予防のイメージ

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「歯磨きをしているはずなのに虫歯ができる」と悩む人は少なくありません。「虫歯になりやすい人の特徴は?」「虫歯にならないための方法を知りたい」と思う人もいるでしょう。

今回は、虫歯ができる原因やできやすい人の特徴、虫歯の予防方法について解説します。虫歯ができやすくて悩んでいる人は、ぜひ最後までご覧ください。

虫歯ができる原因とは?

虫歯のある人

虫歯ができる原因は、プラーク(歯垢)と、ミュータンス菌です。プラークとは、口腔内の細菌と、細菌の排出物でできた塊です。

プラークには粘着性があり、多くの細菌が繁殖しています。歯にプラークが付着した状態が続くと歯の脱灰が進み、虫歯になります。

ミュータンス菌は、虫歯菌とも呼ばれる細菌です。口腔内の食べかすを餌にして、酸を排出します。ミュータンス菌が排出した酸が歯を溶かし、虫歯になるのです。

虫歯ができる直接の原因はプラークとミュータンス菌ですが、以下の要素も大きく関係します。

・糖質

・歯質

・時間

虫歯の直接的な原因は、ミュータンス菌が排出する酸です。

しかし、ミュータンス菌の餌となる糖質が口内になければ、活発に動きません。ミュータンス菌は糖を餌にするため、甘いものを頻繁に摂取すると虫歯ができやすいのです。

もともとの歯質も虫歯に関係します。歯質が弱いと、酸の刺激を受けたときに簡単に脱灰するでしょう。プラークが付着している時間が長いと、歯の脱灰が進んで虫歯ができます。

また、生活習慣も虫歯に大きく関係します。甘い食べ物を好む人や間食が多い人、ダラダラと長時間食べる人、食後に歯磨きをしない人は、虫歯ができやすいでしょう。

虫歯ができやすい人の特徴

間食する人

上述したとおり、歯質やミュータンス菌だけが原因ではなく、さまざまな要素が重なって虫歯ができます。

しかし、虫歯ができやすい人は存在します。虫歯ができやすい人の特徴は、以下のとおりです。

適切に歯磨きできていない

虫歯ができやすい人は、歯磨きを適切にできていない可能性があります。例えば、食後に歯磨きをしない人や、寝る前に歯を磨かない人は虫歯ができやすいです。

「毎日しっかり磨いているのに」と思う人もいるでしょう。

しかし、毎日磨いていれば適切に磨けているというわけではありません。磨き方の癖が影響し、磨き残しが生じている可能性があります。

例えば、利き腕の方向は、磨き残しが多い傾向があります。右利きの人は右の歯の裏側、左利きの人は左の歯の裏側の磨き残しが多いです。

磨く習慣だけでなく、正しい磨き方を身につけることが大切です。

ダラダラと間食をする

ダラダラと間食をする癖がある人は、虫歯ができやすいです。いつも飴を舐めている、清涼飲料水を頻繁に飲むなど、口内に糖がある時間が長く続くと虫歯ができやすいでしょう。

口内は常に唾液で潤っていますが、唾液には口内の汚れを洗い流す自浄作用や、口内の菌の増殖を抑える作用などがあります。ダラダラ食べると唾液の作用が十分に働かないので、ミュータンス菌が活発に働ける状態になるのです。

歯並びが乱れている

歯並びが乱れている人は、虫歯ができやすいです。ガタガタしていると歯ブラシの毛先が当たりにくく、磨き残しが生じるでしょう。しっかり磨いたつもりでもプラークが残り、虫歯や歯周病になるリスクも高くなります。

歯並びが乱れている人は、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロス、タフトブラシを使って磨いてください。歯並びの乱れが原因で虫歯を繰り返す場合は、矯正治療を検討してもよいでしょう。

甘いものや粘着性があるものを好んで食べる

虫歯になりやすい人は、甘いものや粘着性のあるものを好んで食べる傾向があります。粘着性のあるものを頻繁に食べる場合、食べかすが歯に付着する時間が長くなります。

同じ甘いものでも、ゼリーのようにすぐに飲み込むものと、クッキーやキャラメルなどのように歯に付着しやすいものがあるでしょう。クッキーやキャラメルを好んで食べている場合、虫歯ができやすいです。

口内が乾燥している

上述しましたが、唾液には自浄作用など、口内を清潔に保つための働きがあります。唾液の分泌が少ない人や、口呼吸をしていて口内が乾燥している人は、唾液の作用を十分に受けられません。

そのため、虫歯ができやすいでしょう。虫歯・歯周病だけでなく、口臭の原因になる場合もあります。

虫歯予防のための具体的なアドバイス

歯磨きする人

虫歯予防のためには、虫歯になる4つの要素を考慮する必要があります。具体的な方法を、以下にまとめました。

正しい歯磨き方法を習得する

虫歯予防のためには、正しい歯磨き方法の習得は欠かせません。人によってそれぞれ歯磨きの癖があり、同じところを磨き残すことも珍しくありません。

一般的に磨き残しが多くなる場所は、以下のとおりです。

・上の奥歯の外側(頬側)

・下の奥歯の内側(舌側)

・歯並びが悪い部分

・歯と歯の間

・歯と歯茎の境目

また、利き手によっても磨き残しやすい部分が変わります。歯科医院で歯科衛生士による指導を受け、正しい磨き方を習得しましょう。

デンタルフロスや歯間ブラシも使って、口内の汚れを落としてください。食後3回デンタルフロスなどを使うのは難しい場合もあるでしょう。1日1回は使用して、口内を清潔に保ってください。

生活習慣を改善する

生活習慣を改善することで、虫歯になるリスクを減らせます。間食の内容を変える、食べるタイミングを減らす、食後はすぐに歯磨きをするなど、意識して生活を改善しましょう。

甘いものを好んで食べていた場合は、果物や煎餅、ナッツ類などへの変更を検討しましょう。食後すぐに歯磨きすれば、虫歯になるリスクを減らせます。歯磨きをするのが難しい場合は、うがいだけでも行いましょう。最後にお茶や水を飲むなど、食べかすが残らないようにしてください。

こまめに水を飲むことも、虫歯予防に効果的です。口内を洗浄できるだけでなく、細菌の繁殖を抑制できるでしょう。

フッ素塗布をする

虫歯予防には、フッ素塗布も効果的です。フッ素塗布には、以下のメリットがあります。

・ミュータンス菌の働きを抑制する

・脱灰した歯の再石灰化を促進する

・歯質を強化する

フッ素は、虫歯の原因となるミュータンス菌の働きを抑えつつ、歯質を強化します。虫歯予防だけでなく、初期虫歯にも効果的です。

高濃度のフッ素塗布は、歯科医院で施術してもらってください。家庭でも、低濃度のフッ素が配合された歯磨き剤や洗口剤を使用するとよいでしょう。

定期検診に通う

定期的に歯科医院に通うことも重要です。定期検診では、虫歯の有無や歯磨きの癖などを確認します。虫歯予防として効果があり、万が一虫歯ができている場合もすぐに処置できるでしょう。

定期検診の際にPMTC(プロが専用の機械を使って行う口腔ケア)をしてもらえば、口腔内を清潔に保てます。「歯が痛い」「歯が黒くなっている」と感じなくても、歯科医院に通う習慣をつけてください。

まとめ

虫歯の模型

虫歯の原因はミュータンス菌やプラークですが、頻繁に食べるものや、食べ方、磨き方なども大きく関係します。虫歯を防ぐには、甘いものを控える、完食のタイミングを減らすことも大切です。

また、ご自身の磨き方の癖を知り、正しい歯磨きの方法を習得しなければなりません。歯質の強化とミュータンス菌の抑制のために、フッ素塗布も行うとよいでしょう。

定期検診に通うことで、磨き残しや虫歯の有無を確認してもらえます。口腔内にトラブルが起きている場合も、すぐに対処できるでしょう。

歯科医師や歯科衛生士と一緒に虫歯のない健康的な口内を目指しましょう。

虫歯にお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

初期虫歯を見逃さないために!特徴と治療の必要性を知ろう!

2023年7月28日
歯科医院で治療を受ける男性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

どんなに気をつけていても、虫歯になることはあります。「初期虫歯と虫歯の違いは?」「初期虫歯なら放置しても自然に治るのでは?」と思う方もいるでしょう。

今回は、初期虫歯の特徴や治療方法、治療にかかる費用・期間などを解説します。虫歯の予防法や初期虫歯を見つけるコツもご紹介するので、最後までご覧ください。

虫歯の原因

歯の模型と虫歯と歯科用器具

虫歯は、ミュータンス菌という細菌が原因で起きる病気の一種です。健康な歯を守るには、虫歯をどれだけ早く見つけられるかが大切です。

ミュータンス菌は、歯の表面に付着した歯垢(プラーク)に生息しています。食べ物に含まれる糖を餌にして繁殖し、酸を出します。ミュータンス菌が出した酸が歯を溶かし、虫歯になるのです。

初期虫歯の特徴

歯科医院で治療を受ける患者

虫歯と聞くと、歯が黒くなる、穴があく、痛みがあるというイメージをもつ方が多いのではないでしょうか。

しかし、初期虫歯の特徴は一般的なイメージとは異なります。初期虫歯の特徴は、以下のとおりです。

・痛みを感じない

・歯に穴があかない

・歯が白く濁る(茶色い場合もある)

虫歯は、CO〜C4の段階で評価します。エナメル質の脱灰が始まったCOの段階が初期虫歯です。初期虫歯は痛みを感じず、歯に穴もあきません。また、歯が白く濁ったり茶色く変色したりする場合があります。歯垢だと思って放置していると、虫歯だったというケースも少なくありません。

初期虫歯のCOの状態では、早めにアプローチできれば削らずに治療できることもあります。C1と判断された場合でも、削らずに経過観察するケースもあるでしょう。歯を大きく削ると歯の寿命が短くなるため、削らずに治療できる場合は経過観察します。

初期虫歯と虫歯の違い

エナメル質の脱灰が始まった初期虫歯はCO、エナメル質が虫歯になった状態をC1と評価します。違いは、エナメル質が虫歯になっているかどうかです。C1の特徴は、以下のとおりです。

・歯が黒くなる

・歯に穴があく

・痛みを感じないことが多い

C1では、歯が黒くなる、穴があくなどの症状があらわれますが、痛みを感じないことも少なくありません。虫歯が象牙質に進行したC2の段階で、痛みや冷たいものがしみる症状を自覚する方が多いです。

初期虫歯は治療が必要?

顎に手を当てて考える男性

初期虫歯の場合は削らなくてもよいことも多いですが、治療は必要です。できるだけ早く発見し、歯科医院を受診しましょう。

歯が白く濁っている場合は、白濁やプラークと見分けがつきにくいです。歯の異常を見つけたときは、すぐ歯科医院を受診することが大切です。

虫歯を放置すると、COからC1、C2へと進行します。痛みを感じるほど虫歯が進行している場合、虫歯が象牙質に達しているため削って治療をしなければなりません。

C3になると、虫歯は歯髄に達し、神経を取らなければならないこともあります。歯を削ると歯の寿命が短くなりますが、神経がない歯の寿命はさらに短くなります。初期虫歯を放置せず、早めに治療することが重要です。

COやC1の段階では、痛みを感じないケースも少なくありません。

しかし、C1では歯に穴があいた状態です。小さい見た目の虫歯でも、歯の中で大きくなっている可能性もあるでしょう。痛みがないからと放置せず、歯科医院を受診してください。

初期虫歯の治療法

男性患者の口腔内を確認する女性歯科医師

初期虫歯は、以下の方法で治療します。初期虫歯の段階で発見し治療を受けると、削らなくてよいことも少なくありません。

フッ素を塗布する

初期虫歯になっている歯を中心に、フッ素を塗布します。フッ素の効果は、以下のとおりです。

・エナメル質の石灰化を助ける

・ミュータンス菌が作り出す酸への抵抗力を高める

フッ素を塗布することで、エナメル質の脱灰が始まった歯の再生を図るとともに、ミュータンス菌が作り出す酸に抵抗します。フッ素塗布は歯科医院で実施できますが、自宅でも日常的にフッ素入りの歯磨き粉を使用するとよいでしょう。

キシリトールガムを噛む

キシリトールガムを噛むことも効果的です。キシリトールとは、虫歯予防効果のある代用甘味料です。キシリトールには、以下の効果があります。

・ミュータンス菌の繁殖を抑える

・歯の再石灰化を助ける

・唾液の分泌を促進する

虫歯の原因になるミュータンス菌は糖を餌にして増えますが、キシリトールはミュータンス菌の餌になりません。また、キシリトールはカルシウムと結合し、歯の再石灰化を助ける効果や唾液の分泌を促進する効果があります。

唾液にも歯の再石灰化を促進する成分が含まれているため、初期虫歯に効果的です。キシリトール含有量の多いガムを選び、食後に噛む習慣をつけましょう。

参照元:厚生労働省 e-ヘルスネット

歯磨き指導を受ける

歯科医師や歯科衛生士による歯磨き指導を受けることも大切です。人によって歯の形や歯並びは異なり、磨き方にも癖があるからです。

毎日歯をしっかりと磨いている方でも、同じ場所を磨き残しているケースがあります。プロに指導してもらい、以下の内容を学びましょう。

・自分の磨き方の癖と磨き残しやすい部分

・歯の形や歯並びに適した磨き方

・歯ブラシ以外のツールの使い方

自分の口腔内の状況や磨き方の癖を把握し、適した歯磨き方法を学ぶことで、磨き残しが減り虫歯を予防できるでしょう。

PMTC(プロによるクリーニング)を受ける

PMTCとは、プロが特別な機械や薬剤を使って行う口腔清掃のことです。ふだん歯ブラシが当たりにくい歯と歯の間、歯と歯茎の境目、奥歯などに残っている汚れをきれいに落とします。

PMTC後は歯の表面がなめらかになるため、汚れが付着しにくい歯になります。初期虫歯の治療としてはもちろん、初期虫歯の予防としても効果的です。

削って治療する

初期虫歯であるCOやC1は削らず治療するケースが多いですが、削って治療する場合もあります。外から見たときには小さな穴でも、レントゲンで確認すると内側で虫歯が広がっている場合があるからです。

一般的に、少し削ってレジン材で修復します。削らなければならないケースでも、早期に発見し歯科医院で治療を受ければ、大幅に削る必要はありません。

初期虫歯の治療期間

机の上に置かれたカレンダーと植物

初期虫歯の段階で歯科医院に行くと、治療期間は1回(1日)で終わる可能性が高いです。フッ素塗布やPMTC、歯磨き指導などを行って、経過観察をするケースが多いでしょう。C1で削って治療する場合でも、1回(1日)で完了することは珍しくありません。

C2へと虫歯が進行した場合、治療期間は1〜2週間程度です。C3へ進行し虫歯が神経に達すると、約2〜3週間の期間が必要です。

初期虫歯の治療費用

白い机に置かれた白いノートと白い電卓

虫歯の治療は保険が適用されます。3割負担の方が初期虫歯の治療を行う場合、必要な費用は1,500〜3,000円程度でしょう。C1の場合も同様です。

C2に進行した虫歯の治療費は、約2,000〜10,000円です。C3の場合は約7,000〜20,000円必要な場合が多いでしょう。初期の段階で治療したほうが、治療費は少なく済みます。

虫歯の予防法

歯科医院で患者に説明する男性歯科医師

虫歯になった場合はできるだけ早く発見し、治療することが大切です。

しかし、最も重要なのは虫歯にならないことです。ここでは、虫歯の予防方法をご紹介します。

定期的に歯科医院を受診する

定期検診に行くことで、虫歯になるリスクが下がります。日頃から口腔内のメンテナンスを意識することで「しっかりと歯磨きしよう」「健康な口腔内を維持しよう」というモチベーションを保てるからです。

初期虫歯は気づきにくく、自分では判断できないことも少なくありません。定期検診で口腔内をチェックしてもらえば、初期虫歯に早期に気づき、治療できるでしょう。

間食の内容やタイミングに気をつける

虫歯を予防するには、間食の内容やタイミングに注意をすることも大切です。具体的には、以下の内容を意識しましょう。

・糖を多く含むものばかり食べない

・ダラダラと食べない

ミュータンス菌は糖を餌に増殖します。糖を多く含むものを頻繁に食べると、虫歯になるリスクが高まります。ダラダラと食事をすると、口腔内が酸性の状態が続くため歯が再石灰化する時間がありません。間食する場合は時間を決めて、ダラダラと食べないようにしましょう。

丁寧に歯磨きする

歯磨きは虫歯予防にも効果的です。特に虫歯になりやすい部分を意識して、歯を磨きましょう。

・歯と歯の間

・歯と歯茎の境目

・上下の歯が噛み合う部分

上記は特に磨き残しが多い箇所です。正しい磨き方を習得すればセルフケアの質が上がり、虫歯のリスクが低減するでしょう。

歯をよく観察する

初期虫歯やC1の虫歯は、痛みを感じないため自分では気づかないことも珍しくありません。日頃から歯をよく観察する習慣を身につけましょう。

注意して観察するべきポイントは、以下のとおりです。

・歯の白濁や茶色に変色している部分がないか

・フロスが引っ掛からないか

白濁や変色、フロスの引っ掛かりが、すべて初期虫歯であるとは限りません。

しかし、気になる点を歯科医院で確認することで、虫歯の早期発見につながります。

まとめ

歯科医院で治療を受ける女性患者

初期虫歯は、早期発見し歯科医院を受診することで、削らずに治療できるケースが少なくありません。放置すると虫歯が悪化し、治療費も治療期間もかかるうえ、歯の寿命が短くなるリスクもあります。

初期虫歯の特徴を把握し、定期検診やセルフケア、毎日の観察などで、虫歯を予防しましょう。初期虫歯をどれだけ早く見つけ進行を防ぐかによって、歯の治療方法が大きく変わるのです。

虫歯にお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯垢(プラーク)とは?放置するリスクと除去方法について解説!

2023年4月13日
歯垢(プラーク)がみえる歯

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯垢(プラーク)という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。歯垢は悪いものと知っていても、その正体や影響を詳しく知っている方は少ないかもしれません。

今回は、歯垢(プラーク)のリスクや除去方法について、詳しく解説します。

歯垢(プラーク)とは

歯垢(プラーク)がみえる歯

歯垢(プラーク)とは、歯に付着した細菌のかたまりです。白〜黄色っぽく、歯の色と似ており、歯垢1mgの中に1億個もの細菌が存在しています。

食べかすだと思っている方がいますが、それは正しくありません。お口の中は、たくさんの細菌が存在し、歯に付着してもほとんどが唾液によって流されます。

しかし、歯と歯のすき間や歯の根本など、細菌が流されにくい場所に溜まると、増殖して歯垢(プラーク)を形成するのです。

歯垢は、放っておくと虫歯や歯周病の原因となるため、ブラッシングで取りのぞく必要があります。ネバネバとした性質なので、うがいだけで除去することができません。歯ブラシなどで物理的にこすり取る必要があります。

歯垢(プラーク)と歯石の違い

何か疑問を抱いている様子

歯垢(プラーク)と歯石は、別のものです。

歯に歯垢が付着したままだと、唾液中の成分によって2〜3日で石灰化し始め、次第に歯石となって沈着します。歯垢は歯磨きなどで除去できますが、歯石はご自身で除去することができません。歯科医院で歯石除去を受ける必要があります。

歯垢(プラーク)の種類と付着しやすい部分

歯科医師と歯について相談している患者

歯垢はどの部分に付着するのでしょうか。

歯垢の種類と付着しやすい部分にわけて、それぞれ解説します。

歯垢(プラーク)の種類

歯垢は、付着する場所によって「歯肉縁上プラーク」と「歯肉縁下プラーク」に分けられます。歯肉縁上プラークは、歯茎より上部の歯の表面に付着する歯垢です。

一方、歯肉縁下プラークは、歯茎よりも下部、つまり歯周ポケット内にとどまる歯垢です。歯肉縁下の環境は、歯周病の原因となる細菌が繁殖しやすくなります。

付着しやすい部分

歯垢が付着しやすい部位は、以下のとおりです。

・歯と歯の間

・歯と歯茎の境目

・奥歯の噛み合わせ

・歯と歯が重なっている所

・抜けた歯の周りや1本孤立している歯

これらの部分は、歯に細菌が付着しても自然と流れにくいため、そのまま増殖し、歯垢が形成されやすくなります。歯磨きする際は、これらの場所に特に注意して磨きましょう。

歯垢(プラーク)を除去しないと

歯を痛がっている女性

歯垢を除去せず付着したままにすると、虫歯や歯周病になります。虫歯と歯周病はいずれも歯垢が原因ですが、それぞれ発生するメカニズムが異なります。

どうやって虫歯はできるのか

歯垢の中の細菌のうち、主に「ミュータンス菌」は、飲食により摂取された「糖」を栄養にして、歯を溶かす「酸」を作り出します。この酸によって、歯の表面のカルシウムが溶けて、やがて穴があき、虫歯ができます。

どうやって歯周病になるのか

主に歯の根本に付着した歯垢や、歯肉縁下に溜まった歯垢が歯周病の原因です。歯垢が付着したままだと、歯垢中の歯周病菌が毒素をだして、周りの組織に炎症を引き起こします。

最初は歯茎が赤くなる・少し腫れる程度ですが、進行すると、歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かし、破壊するのです。

歯垢(プラーク)が付着しやすい方とは

サイコロ状のお砂糖

歯に付着しやすい食べ物を好む方や、甘いものを好む方は、歯垢が付着しやすくなります。飲食物に含まれる「糖」は、お口の中の細菌の栄養源となり、細菌を増殖させるのです。

また、歯並びが悪い方や矯正装置をつけている方は、歯垢を除去するのが難しいため、歯垢が付着したままになりがちです。歯科医院でクリーニングやブラッシング指導を受けるとよいでしょう。

歯垢(プラーク)を除去する方法

歯ブラシをしている女性

歯垢(プラーク)を除去する方法は、ご自身で除去する方法と、歯科医院で除去してもらう方法があります。

毎日のケアは、歯ブラシ等で除去するのが基本です。日頃のケアで取りきれない歯垢を、定期的に歯科医院で除去してもらうのがよいでしょう。

ご自身で除去する方法

毎日の歯磨きは基本です。歯ブラシだけで除去できるのは「60%の歯垢」のみで、歯と歯の間の歯垢は歯ブラシでは除去できません。歯間ブラシやデンタルフロスを使って除去しましょう。これらの清掃補助用具を使うと、全体の80%程度の歯垢が除去できるといわれています。

しかし、いくら丁寧に磨いても人それぞれに磨き癖があるので、磨き残しは避けられないでしょう。歯科医院でブラッシング指導を受けて、効率のよい磨き方を学びましょう。

おすすめの清掃補助用具

先に述べたように、歯ブラシだけでは十分に歯垢を除去することができないため、清掃補助用具を使うとよいでしょう。主な清掃補助用具は、以下のとおりです。

・歯間ブラシ

持ち手の部分と、芯のある長い小さなブラシでできている清掃用具です。歯と歯の間の歯垢を除去するのに適しています。

真っ直ぐなI字タイプとブラシの根本部分が曲がっているL字タイプがあり、奥歯の場合は、L字タイプの方が使いやすいです。さまざまな太さがあるので、ご自身にあったサイズを使いましょう。わからない場合は、歯科医院で適したサイズを教えてもらいましょう。

歯を失いブリッジ(両隣の歯を土台として橋渡しするように被せるダミーの歯)をつけた場合は、ダミーの歯の下部に汚れが溜まるため、歯間ブラシは必須です。

・デンタルフロス

ナイロンの細い繊維でできた紐状の清掃用具です。歯と歯の間の清掃に使用します。

糸巻き状で必要な長さを切り取り、指で動かすタイプと、プラスチックのホルダーにフロスが取り付けられた「糸ようじ」とよばれるタイプがあります。糸巻き状の方が自由に動かせますが、操作が難しい方は糸ようじタイプがおすすめです。

使用方法でわからないことがあれば、歯科医院で指導を受けるのがよいでしょう。

・ワンタフトブラシ

一本の毛束でできた筆状のブラシです。

親知らずの周囲、歯並びが悪い所、奥歯のうしろ側、矯正装置の下など、普通の歯ブラシで落としにくい場所の歯垢を効果的に除去することができます。

歯科医院で除去する方法

ご自身でどんなに丁寧にブラッシングをしても、70〜80%の歯垢しか除去できません。歯垢除去を100%に近づけるため、定期的に歯科医院でクリーニングを受けるのがよいでしょう。

PMTCとは

歯科医院で受けられる歯垢を除去するクリーニングに「PMTC」クリーニングがあります。

PMTCは「プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニング」の略で、言葉のとおり、専門家(歯科医師や歯科衛生士)が専用の器械で行う歯のクリーニングです。歯磨きで除去できない歯垢を落とすことができ、歯面がつるつるになるため、新たな歯垢が付着しにくくなります。

まとめ

ポイントを指さす男性

歯垢(プラーク)は、付着したままだと虫歯や歯周病の原因となります。歯垢の除去は、自宅での清掃が基本です。清掃補助用具などを使い、丁寧に歯磨きしましょう。

また、自宅で除去しきれない歯垢は、定期的に歯科医院でクリーンングすることで、お口の中の衛生を保つことができます。虫歯や歯周病になる前に、歯垢をしっかり除去し、日々の習慣を見直しましょう。

歯垢(プラーク)でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。