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歯と歯の間の虫歯を見逃さない!フロスの正しい使い方

2024年11月6日
歯と歯の間の虫歯を見逃さない!フロスの正しい使い方

こんにちは。大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯科医療は専門性の高い分野であり、患者様にとって分かりにくい情報や誤解が生じやすい情報も少なくありません。診療時間内に患者様お一人おひとりに十分なご説明をすることが難しい場合もあるため、このブログを開設いたしました。

このブログでは患者様からよくいただく質問や、知っておいていただきたい歯科医療の知識を、分かりやすく解説することを目指しています。専門用語はできる限り避け、分かりやすい言葉で情報を提供いたします。皆様の疑問を解消し、安心して治療を受けていただけるよう最新の研究結果やエビデンスに基づいた情報も積極的に発信してまいります。

ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

 「フロスの正しい使い方」について全力回答!

「歯磨きしてるのに、また虫歯になっちゃった…」
「歯と歯の間に食べ物が挟まりやすいんだよね…」
「フロスって使った方がいいって聞くけど、実際どうなの?」
「フロスってなんか難しそう…」

こんな風に思っていませんか?

実は、歯ブラシだけでは約6割の歯の表面しか磨けていないってご存知でしょうか。
残りの約4割は歯と歯の間や歯ぐきの境目など、歯ブラシの届きにくい部分。ここに汚れが溜まると虫歯や歯周病の原因になってしまうんです。

今回の記事では、そんな歯ブラシの弱点をカバーしてくれる「フロス」に焦点を当てて、その重要性や正しい使い方、そしてよくある疑問について詳しく解説していきます。

この記事を読めば分かること

  • 歯ブラシだけでは落としきれない汚れの正体と、それが引き起こす問題がわかります。
  • フロスの正しい使い方をマスターし、歯間ケアへの苦手意識を克服できます。
  • 自分にぴったりのフロスを見つけることができます。

 歯と歯の間の虫歯、その原因を知ろう!

あなたは歯と歯の間をじっくり見たことがありますか?
そこは歯ブラシの毛先が届きにくく、食べかすや歯垢(プラーク)が溜まりやすい場所なんです。

プラークの温床、歯間

歯垢は細菌のかたまり。その中には虫歯の原因菌である「ミュータンス菌」が潜んでいます。
ミュータンス菌は私たちが食事で摂取した糖分をエサにして酸を作り出し、その酸が歯のエナメル質を溶かしていくのです。さらに歯垢は時間が経つと硬くなり、歯石へと変化します。歯石は歯ブラシでは除去できず、歯周病を進行させる原因となります。

気づきにくいからこそ怖い、歯間部の虫歯

歯と歯の間の虫歯は自分では見えにくく、初期段階では自覚症状もほとんどありません。そのため鏡を見ても「あれ?こんなところに穴が!」と、かなり進行してから気づくことも珍しくありません。

放置すると冷たいものがしみたり、ズキズキと痛むように。さらに悪化すると歯の神経を取る治療や、最悪の場合は歯を失うことにもなりかねません。

「歯ブラシだけじゃダメなの?」
「フロスって本当に必要?」

そんな疑問をお持ちのあなたへ。

フロスを使うことで虫歯以外にも様々なトラブルを防ぐことができるんです。
次のセクションでは、フロスを使うことで得られる3つの具体的なメリットをご紹介します。

 実は重要!フロスで防げる3つのトラブル

実は重要!フロスで防げる3つのトラブル

フロスは歯と歯の間のケアに特化したアイテム。
歯ブラシだけでは届かない歯間のプラーク(歯垢)を効果的に除去することで、様々なトラブルからあなたを守ってくれるんです。

歯と歯の間の虫歯を防ぐ!

歯と歯の間は歯ブラシの毛先が届きにくく、プラークが溜まりやすい場所。そこに潜む虫歯菌が、気づかぬうちに虫歯を進行させてしまいます。フロスを使うことで、この隠れたリスクを大幅に減らすことができるのです。

歯周病を予防し、健康な歯ぐきを保つ!

歯周病は歯ぐきや歯を支える骨が溶けてしまう怖い病気です。歯と歯茎の境目にある歯周ポケットにプラークが溜まると歯周病菌が繁殖し、炎症を引き起こします。フロスは歯周ポケットの奥深くまで届き、歯周病菌の温床となるプラークを除去する効果が期待できます。

口臭を予防し、さわやかな息に!

口臭の原因の一つは口の中に溜まったプラークです。プラークに含まれる細菌が食べかすを分解する過程で発生するガスが、あの嫌なニオイの元凶。フロスでプラークを除去することで口臭を予防・改善し、さわやかな息をキープできます。

さらに近年、歯周病が糖尿病や心疾患などの全身疾患にも影響を与えることが明らかになってきています*。毎日のフロス習慣は、お口の健康を守るだけでなく、全身の健康にもつながるのです。

*歯周病が全身に及ぼす影響については以下の記事でもご紹介しています。ぜひご覧ください。
歯周病を放置するとどうなる?症状や原因、進行のリスクと全身への影響

 あなたは大丈夫?フロスを使うべき人の特徴

「フロスって、毎日使わないといけないの?」
「歯ブラシでしっかり磨いてるから、私は大丈夫だよね?」

そんな風に思っていませんか? 

実は多くの方がフロスによるケアが必要な状態かもしれません。

こんな方は要注意!フロスが必要なサイン

こんな方は要注意!フロスが必要なサイン

歯並びが悪い、または矯正治療中である

歯並びが悪いと歯ブラシの毛先が上手く届かず、歯垢が溜まりやすくなります。
矯正装置をつけている場合も装置の周りに汚れが溜まりやすく、フロスでのケアが必須です。

歯と歯の間に食べ物が挟まりやすい

食事のたびに食べ物が挟まる場合は歯間が広い証拠。
歯ブラシだけでは汚れを落としきれないため、フロスでのケアが重要です。

歯ぐきから出血しやすい、または歯ぐきが腫れている

歯ぐきからの出血や腫れは歯周病のサインかもしれません。
歯周病は歯を失う原因にもなる恐ろしい病気です。フロスで歯周ポケットの汚れを取り除き、歯周病を予防しましょう。

口臭が気になる

口臭の原因の一つは歯垢や食べかすに繁殖した細菌です。
フロスで歯間の汚れをしっかり除去することで、口臭予防にも繋がります。

少しでも当てはまったら、フロスを試してみよう!

上記の特徴に一つでも当てはまる方は、フロスを使ったケアを始めてみましょう。
毎日の歯磨きだけでは落としきれない汚れをフロスで除去することで、お口の健康をさらに守ることができます。

 歯間ケアの基本!フロスの正しい使い方をマスターしよう

「フロスって難しそう…」
「種類もたくさんあって、どれを選べばいいか分からない…」

そんなあなたも大丈夫! 

ここではフロスの基本的な使い方から、タイプ別の選び方、より効果的な使い方のコツまで丁寧に解説していきます。

フロスにはどんな種類があるの?

大きく分けて、フロスには「ホルダータイプ」「糸巻きタイプ」の2種類があります。

ホルダータイプ(糸ようじ)

  • 初心者さんにおすすめ!
  • 持ち手がついているので、フロスを扱いやすく、奥歯にも簡単に届きます。
  • 使い捨てタイプと繰り返し使えるタイプがあります。

糸巻きタイプ

  • 慣れると細かい部分まで丁寧にケアできます。
  • 経済的で、環境にも優しいのがメリット。
  • 糸の種類も豊富で、ワックスタイプやノンワックスタイプなど自分の歯や好みに合わせて選べます。

まずはここから!フロスの基本的な使い方

まずはここから!フロスの基本的な使い方

ここでは一般的な糸巻きタイプのフロスの使い方をご紹介します。

フロスを準備

フロスを準備

約40cmほどのフロスをカットし、両端を中指に巻きつけます。

歯間に挿入

歯間に挿入

親指と人差し指でフロスをピンと張り、歯と歯の間にゆっくりと挿入します。この時、無理に押し込むと歯茎を傷つけてしまうので注意しましょう。

歯の側面を清掃

歯の側面を清掃

歯の側面にフロスを沿わせるように優しく上下に動かしてプラークを除去します。

全ての歯間をケア

全ての歯間をケア

同じフロスで全ての歯間をケアしようとせず、部位ごとに清潔な部分を使うようにしましょう。

さらに効果UP!フロス上級テクニック

歯間が狭い場合は?

無理にフロスを通そうとせず、ワックスタイプのフロスを使ったり歯間ブラシを試したりしてみましょう。

出血してしまった場合は?

歯周病の可能性があります。出血が続く場合は歯科医院を受診しましょう。

フロスが引っかかる場合は?

むし歯や詰め物の破損の可能性があります。歯科医院でチェックしてもらいましょう。

 よくあるフロスに関する疑問を解決!

フロスに関する疑問や不安は人それぞれ。
患者様からよくいただく質問を中心に、改めて分かりやすい様にQ&A形式でまとめました。ぜひ活用ください。

Q1. フロスを使うタイミングはいつ?

基本的には、毎日の歯磨き後、就寝前がおすすめです。

就寝中は唾液の分泌が減って細菌が繁殖しやすくなるため、寝る前に歯垢をしっかり除去することが大切です。

Q2. フロスと歯磨き、どちらが先?

歯磨き→フロスの順番がおすすめです。

歯磨きである程度汚れを落としてからフロスを使うことで、歯間の汚れをより効果的に除去できます。

Q3. フロスを使うと歯と歯の隙間が広がるってホント?

いいえ、フロスを使うことで歯と歯の隙間が広がることはありません。

フロスは歯間の歯垢や食べかすを除去するもので、歯自体を動かすことはありませんのでご安心ください。

Q4. フロスで歯茎から血が出るのはなぜ?

歯茎が炎症を起こしている可能性があります。

歯周病の初期症状の可能性もあるので、出血が続く場合は歯科医院を受診しましょう。

Q5. フロスを使うと痛い場合はどうすればいい?

フロスを無理に通そうとせず、優しくゆっくりと挿入しましょう。

それでも痛みが続く場合は歯や歯茎に問題がある可能性がありますので、歯科医院にご相談ください。

Q6. フロスはどのくらいの時間をかけるべき?

個人差はありますが、全体で3〜5分程度が目安です。

慣れるまでは時間がかかるかもしれませんが、少しずつ慣れていきましょう。

Q7. フロスを使いすぎると歯茎が下がるってホント?

正しい使い方をしていればフロスで歯茎が下がることはありません。

むしろ歯周病を予防することで、歯茎の健康を保つことができます。

Q8. 糸ようじとフロス、どっちがいいの?

歯間が狭い場合はフロス、歯間が広い場合は糸ようじがおすすめです。

歯間が広い場合、フロスではプラークを十分に除去できない可能性があります。

Q9. フロスは使い捨て?

はい、基本的には使い捨てです。

繰り返し使うと細菌が付着し、かえって口内環境を悪化させる可能性があります。

Q10. 市販のフロスで問題ない?

市販のフロスでも問題ありません。

ただし種類が豊富なので、歯間幅や使い心地に合わせて選ぶことが大切です。迷った場合は歯科医院で相談してみるのも良いでしょう。

 正しいフロス習慣で、虫歯や歯周病を予防しよう!

正しいフロス習慣で、虫歯や歯周病を予防しよう!

フロスは歯ブラシの届かない歯間をケアできる、まさに“隠れたヒーロー”のような存在です。
毎日の歯磨きだけでは防ぎきれない虫歯や歯周病のリスクを、フロスは大幅に軽減してくれます。

なぜフロスが必要なの?その理由を再確認

歯と歯の間は歯ブラシの毛先が届きにくく、プラーク(歯垢)が溜まりやすい場所です。このプラークこそが虫歯や歯周病を引き起こす細菌の温床。フロスはこの歯間のプラークを効果的に除去し、お口の健康を守ってくれるのです。

毎日フロスを使うメリット

虫歯予防:歯間部の虫歯リスクを大幅に軽減

歯周病予防:歯周ポケットのプラークを除去し、歯茎の健康を維持

口臭予防:プラークの除去により口臭の原因菌を減らす

歯の着色汚れ予防:コーヒーやワインなどによる着色汚れも除去可能

毎日の習慣に!フロスの効果的な使い方

タイミング: 毎晩の歯磨き後がおすすめです。

方法: 歯間にフロスを優しく挿入し、歯の側面に沿って上下に動かします。力を入れすぎると歯茎を傷つけることがあるので注意しましょう。

種類: 歯間が狭い場合はフロス、広い場合は糸ようじがおすすめです。

継続: 慣れるまでは時間がかかるかもしれませんが、毎日続けることが大切です。

それでも不安な方は…お気軽にご相談ください

「フロスの正しい使い方が分からない」「歯間が狭くてフロスが入らない」など、お悩みがある方はお気軽に「もりかわ歯科医院」にご相談ください。専門家があなたに合ったフロスの選び方や使い方を丁寧に指導いたします。

 まとめ|フロスを使いこなして、自信の持てる笑顔に

今回はフロスの正しい使い方や、よくある疑問について解説しました。
フロスを使うことで歯ブラシだけでは落とせない歯垢を除去し、虫歯や歯周病や口臭を予防することができます。

毎日の歯磨きを丁寧に行うことはもちろん大切ですが、セルフケアだけでは限界があります。磨き残しや歯並びの問題など、自分では気づきにくいリスクが潜んでいるかもしれません。

虫歯を早期発見し適切な治療を受けるためには、定期的な歯科検診とプロによるクリーニングが欠かせません。さらに歯並びが気になる方は矯正治療によって磨き残しを減らし、虫歯になりにくい口内環境を整えることも可能です。

「もりかわ歯科医院」では患者様一人ひとりの口腔状態に合わせた歯磨き指導やクリーニングを行っています。フロスの使い方や選び方など、お気軽にご相談ください。

さあ、今日からフロスを習慣にして、自信の持てる笑顔を手に入れましょう!

大阪府八尾市の歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」

当院では日々の診療で患者様との対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を心がけています。

  • インプラント治療
  • 入れ歯・ブリッジ
  • 審美歯科
  • 歯列矯正

など、様々な治療に対応しておりますので、歯に関する心配事がございましたらいつでもお気軽にご来院ください。矯正治療に関する無料相談も実施しておりますので、歯並びでお悩みの方もぜひ一度お問い合わせください。

矯正無料相談
矯正無料相談

詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページも併せてご覧ください。

虫歯予防に役立つ!虫歯ができやすい人の特徴とは?

2023年11月3日
虫歯予防のイメージ

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「歯磨きをしているはずなのに虫歯ができる」と悩む人は少なくありません。「虫歯になりやすい人の特徴は?」「虫歯にならないための方法を知りたい」と思う人もいるでしょう。

今回は、虫歯ができる原因やできやすい人の特徴、虫歯の予防方法について解説します。虫歯ができやすくて悩んでいる人は、ぜひ最後までご覧ください。

虫歯ができる原因とは?

虫歯のある人

虫歯ができる原因は、プラーク(歯垢)と、ミュータンス菌です。プラークとは、口腔内の細菌と、細菌の排出物でできた塊です。

プラークには粘着性があり、多くの細菌が繁殖しています。歯にプラークが付着した状態が続くと歯の脱灰が進み、虫歯になります。

ミュータンス菌は、虫歯菌とも呼ばれる細菌です。口腔内の食べかすを餌にして、酸を排出します。ミュータンス菌が排出した酸が歯を溶かし、虫歯になるのです。

虫歯ができる直接の原因はプラークとミュータンス菌ですが、以下の要素も大きく関係します。

・糖質

・歯質

・時間

虫歯の直接的な原因は、ミュータンス菌が排出する酸です。

しかし、ミュータンス菌の餌となる糖質が口内になければ、活発に動きません。ミュータンス菌は糖を餌にするため、甘いものを頻繁に摂取すると虫歯ができやすいのです。

もともとの歯質も虫歯に関係します。歯質が弱いと、酸の刺激を受けたときに簡単に脱灰するでしょう。プラークが付着している時間が長いと、歯の脱灰が進んで虫歯ができます。

また、生活習慣も虫歯に大きく関係します。甘い食べ物を好む人や間食が多い人、ダラダラと長時間食べる人、食後に歯磨きをしない人は、虫歯ができやすいでしょう。

虫歯ができやすい人の特徴

間食する人

上述したとおり、歯質やミュータンス菌だけが原因ではなく、さまざまな要素が重なって虫歯ができます。

しかし、虫歯ができやすい人は存在します。虫歯ができやすい人の特徴は、以下のとおりです。

適切に歯磨きできていない

虫歯ができやすい人は、歯磨きを適切にできていない可能性があります。例えば、食後に歯磨きをしない人や、寝る前に歯を磨かない人は虫歯ができやすいです。

「毎日しっかり磨いているのに」と思う人もいるでしょう。

しかし、毎日磨いていれば適切に磨けているというわけではありません。磨き方の癖が影響し、磨き残しが生じている可能性があります。

例えば、利き腕の方向は、磨き残しが多い傾向があります。右利きの人は右の歯の裏側、左利きの人は左の歯の裏側の磨き残しが多いです。

磨く習慣だけでなく、正しい磨き方を身につけることが大切です。

ダラダラと間食をする

ダラダラと間食をする癖がある人は、虫歯ができやすいです。いつも飴を舐めている、清涼飲料水を頻繁に飲むなど、口内に糖がある時間が長く続くと虫歯ができやすいでしょう。

口内は常に唾液で潤っていますが、唾液には口内の汚れを洗い流す自浄作用や、口内の菌の増殖を抑える作用などがあります。ダラダラ食べると唾液の作用が十分に働かないので、ミュータンス菌が活発に働ける状態になるのです。

歯並びが乱れている

歯並びが乱れている人は、虫歯ができやすいです。ガタガタしていると歯ブラシの毛先が当たりにくく、磨き残しが生じるでしょう。しっかり磨いたつもりでもプラークが残り、虫歯や歯周病になるリスクも高くなります。

歯並びが乱れている人は、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロス、タフトブラシを使って磨いてください。歯並びの乱れが原因で虫歯を繰り返す場合は、矯正治療を検討してもよいでしょう。

甘いものや粘着性があるものを好んで食べる

虫歯になりやすい人は、甘いものや粘着性のあるものを好んで食べる傾向があります。粘着性のあるものを頻繁に食べる場合、食べかすが歯に付着する時間が長くなります。

同じ甘いものでも、ゼリーのようにすぐに飲み込むものと、クッキーやキャラメルなどのように歯に付着しやすいものがあるでしょう。クッキーやキャラメルを好んで食べている場合、虫歯ができやすいです。

口内が乾燥している

上述しましたが、唾液には自浄作用など、口内を清潔に保つための働きがあります。唾液の分泌が少ない人や、口呼吸をしていて口内が乾燥している人は、唾液の作用を十分に受けられません。

そのため、虫歯ができやすいでしょう。虫歯・歯周病だけでなく、口臭の原因になる場合もあります。

虫歯予防のための具体的なアドバイス

歯磨きする人

虫歯予防のためには、虫歯になる4つの要素を考慮する必要があります。具体的な方法を、以下にまとめました。

正しい歯磨き方法を習得する

虫歯予防のためには、正しい歯磨き方法の習得は欠かせません。人によってそれぞれ歯磨きの癖があり、同じところを磨き残すことも珍しくありません。

一般的に磨き残しが多くなる場所は、以下のとおりです。

・上の奥歯の外側(頬側)

・下の奥歯の内側(舌側)

・歯並びが悪い部分

・歯と歯の間

・歯と歯茎の境目

また、利き手によっても磨き残しやすい部分が変わります。歯科医院で歯科衛生士による指導を受け、正しい磨き方を習得しましょう。

デンタルフロスや歯間ブラシも使って、口内の汚れを落としてください。食後3回デンタルフロスなどを使うのは難しい場合もあるでしょう。1日1回は使用して、口内を清潔に保ってください。

生活習慣を改善する

生活習慣を改善することで、虫歯になるリスクを減らせます。間食の内容を変える、食べるタイミングを減らす、食後はすぐに歯磨きをするなど、意識して生活を改善しましょう。

甘いものを好んで食べていた場合は、果物や煎餅、ナッツ類などへの変更を検討しましょう。食後すぐに歯磨きすれば、虫歯になるリスクを減らせます。歯磨きをするのが難しい場合は、うがいだけでも行いましょう。最後にお茶や水を飲むなど、食べかすが残らないようにしてください。

こまめに水を飲むことも、虫歯予防に効果的です。口内を洗浄できるだけでなく、細菌の繁殖を抑制できるでしょう。

フッ素塗布をする

虫歯予防には、フッ素塗布も効果的です。フッ素塗布には、以下のメリットがあります。

・ミュータンス菌の働きを抑制する

・脱灰した歯の再石灰化を促進する

・歯質を強化する

フッ素は、虫歯の原因となるミュータンス菌の働きを抑えつつ、歯質を強化します。虫歯予防だけでなく、初期虫歯にも効果的です。

高濃度のフッ素塗布は、歯科医院で施術してもらってください。家庭でも、低濃度のフッ素が配合された歯磨き剤や洗口剤を使用するとよいでしょう。

定期検診に通う

定期的に歯科医院に通うことも重要です。定期検診では、虫歯の有無や歯磨きの癖などを確認します。虫歯予防として効果があり、万が一虫歯ができている場合もすぐに処置できるでしょう。

定期検診の際にPMTC(プロが専用の機械を使って行う口腔ケア)をしてもらえば、口腔内を清潔に保てます。「歯が痛い」「歯が黒くなっている」と感じなくても、歯科医院に通う習慣をつけてください。

まとめ

虫歯の模型

虫歯の原因はミュータンス菌やプラークですが、頻繁に食べるものや、食べ方、磨き方なども大きく関係します。虫歯を防ぐには、甘いものを控える、完食のタイミングを減らすことも大切です。

また、ご自身の磨き方の癖を知り、正しい歯磨きの方法を習得しなければなりません。歯質の強化とミュータンス菌の抑制のために、フッ素塗布も行うとよいでしょう。

定期検診に通うことで、磨き残しや虫歯の有無を確認してもらえます。口腔内にトラブルが起きている場合も、すぐに対処できるでしょう。

歯科医師や歯科衛生士と一緒に虫歯のない健康的な口内を目指しましょう。

虫歯にお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

小児歯科で行うシーラント処置とは?メリットや注意点を解説!

2023年10月20日
水色の背景の前に置かれた歯の模型

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

小児歯科で行うシーラント処置とは、虫歯予防に効果的な歯科処置の一つです。こどもの虫歯予防法として聞いたことはあるけれど、実際にはどのような処置なのかわからないという方も多いでしょう。

シーラント処置は、一般的に虫歯への抵抗力がまだ高くないこどもが対象の虫歯予防法です。虫歯予防に非常に効果的であり、痛みもないことから、こどもの虫歯予防におすすめといえるでしょう。

シーラント処置では、奥歯の咬合面にある溝やくぼみをシーラントで埋めて、虫歯菌の侵入を防ぎます。虫歯菌の侵入を防ぐことで虫歯を予防するのです。では、小児歯科でのシーラント処置はどのような流れで行われるのでしょうか。

今回は、小児歯科で行うシーラント処置のメリットや処置の流れ、注意点について解説します。こどもの虫歯予防としてシーラント処置を検討されている保護者の方は、ぜひ参考にしてください。

小児歯科で行うシーラント処置とは?

クエスチョンが書いてある紙を持っている女の子

シーラント処置とは、こどもの虫歯を予防するための処置です。

特にこどもの成長期に生えてくる歯は成人の歯とは形状が異なり、咬合面、つまり歯が上下で噛み合う面に深い溝があります。この溝に食べかすや汚れが溜まると、虫歯の発生源になるのです。

この虫歯の発生源になりやすい歯の溝をシーラントで覆うことで、食べかすや汚れ、細菌の侵入を効果的に防ぎ、虫歯を予防します。

新しく生え揃った永久歯は、まだ完全に発育していません。虫歯になりやすく、また虫歯の進行速度も速いのです。そのため、こどものうちにしっかりと虫歯を予防することが重要といえます。

シーラントのメリット・デメリット

スマイリーの顔が描かれた積み木

シーラントにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

以下に詳しく解説します。

シーラントのメリット

シーラントのメリットは、以下のとおりです。

虫歯予防に効果がある

前述のとおり、シーラントは虫歯予防に非常に効果的です。虫歯の発生源である歯の溝を埋めて食べかすや汚れ、細菌の侵入を防ぐことで、虫歯になるリスクを減らせるでしょう。

歯の再石灰化をサポートする

さらにシーラントには、フッ化物が含まれているものもあります。フッ素は歯の表面を再生し、虫歯から歯を守るために重要な歯の再石灰化をサポートするため、より虫歯予防に効果的といえるでしょう。

保険が適用される

シーラントの処置は、適切な条件下であれば保険が適用されます。

シーラントのデメリット

次に、シーラントのデメリットについて解説します。

シーラントのデメリットは、以下のとおりです。

外れやすい

シーラント処置は、歯の溝にシーラントを流し込み、硬化します。

しかし、一般的な詰め物よりも外れやすいです。一般的な詰め物は、歯の一部を削り取って形を調整し、詰め物と歯がしっかりと固定されます。

しかし、シーラントは歯の溝に流し込んで硬化させるだけのため、接着力が弱いのです。シーラントが外れた場合は、再処置が必要です。

定期検診を受ける必要がある

シーラント処置後は、数か月ごとに定期検診を受けることが推奨されています。

生えたばかりの永久歯は虫歯になりやすいです。万が一虫歯になった場合は急速に進行します。特にシーラントで覆われた歯は、虫歯になっても気づきにくいです。気づかないうちに虫歯が進行していたということもあります。

定期的に検診を受けることで、早期に虫歯を発見できるでしょう。さらに、シーラントの持続性も確認し、必要であれば再処置を行います。

小児歯科で行うシーラント処置の流れ

歯の治療を受ける女の子

シーラント処置は、歯の溝にシーラントを流し込み硬化させるだけなので、痛みはありません。そのため、麻酔も不要です。比較的短時間で処置が終わるでしょう。では、どのような流れでシーラント処置を行うのでしょうか。

シーラント処置の流れは、以下のとおりです。

歯面を清掃する

はじめに歯の清掃を行います。

歯科医師や歯科衛生士が、歯の噛み合わせ部分の細かな溝を、専用の器具を用いて慎重にクリーニングし、歯のすき間に詰まった食べ物の残りかすや細菌などの不純物を除去します。シーラントの効果を発揮するためにも、クリーニングは非常に重要な工程です。

歯を乾燥させ、接着剤を塗布する

クリーニングが終わったら、歯を乾燥させます。十分に乾燥したら、歯科専用の接着剤を塗布します。

歯の溝にシーラントを流し込む

歯の溝にシーラントを流し込みます。

シーラントは液体なので、歯の形に沿って細かなすき間までしっかりと広がります。細かなすき間までしっかりと埋めることで、歯を均等にカバーし、外部から虫歯の原因となる細菌の侵入を防ぐのです。

シーラントを硬化する

シーラントを均一に流し終えたら、特別な光を用いて硬化します。この工程によって、シーラントは歯に強固に結合し、持続性が向上するのです。

シーラント処置後の注意点

水色の背景の前にあるびっくりマーク

シーラント処置は麻酔を使用しないため、処置後は基本的に食事などの制限はありません。

しかし、シーラント処置後に注意すべきことがいくつかあるのです。

以下にシーラント処置後の注意点について解説します。

虫歯を完全に予防できるわけではない

シーラントは虫歯予防に効果的ですが、それに頼り切って安心してはいけません。

シーラントは歯の咬合面にできる溝やくぼみの虫歯予防に効果を発揮しますが、歯と歯のすき間部分は虫歯のリスクが残ります。シーラント処置をしていない部分の口腔ケアを怠ると虫歯になるでしょう。

歯と歯のすき間のケアには、歯間ブラシやデンタルフロスを使用すると細かな部分の汚れも除去できます。

シーラントの保護効果を最大限に活かすためには、日々の歯磨きが大切です。歯磨きは、虫歯だけでなく、歯周病などの口腔トラブルの予防にもつながります。特に、食後や寝る前に歯磨きをすることは、口腔内の健康を維持するうえで非常に重要です。

シーラント処置を終えたあとも、しっかりと歯磨きをしましょう。

再度処置が必要になることがある

シーラントの効果はいつまでも持続するわけではありません。シーラントの効果持続期間は、一般的に2〜5年といわれていますが、毎日の食事や噛みしめなどによって、効果は次第に弱まります。

そのため、シーラントの状態によっては、再度処置が必要になることもあるのです。

シーラントは非常に効果的な虫歯予防法ですが、その効果は長期間持続するわけではありません。一度の処置だけで安心せず、定期検診を受けるようにしましょう。

まとめ

両手で天井を指差す女の子

奥歯の溝は磨きにくいため食べかすや汚れが溜まりやすく、虫歯リスクが高い部分です。奥歯の咬合面にある溝やくぼみにシーラント処置を施すことで、虫歯の原因になる食べかすや汚れ、細菌の侵入を防ぎます。

特にこどもの歯はまだ未熟であるため、虫歯菌など細菌への抵抗力が弱いです。生えて間もない永久歯が虫歯になると、急速に進行し、結果的に歯を削って治療することもあるでしょう。

シーラントの効果は、一般的に2〜5年ほど持続するといわれています。また、シーラント処置は麻酔が不要で工程もシンプルです。痛みがなく、こどもへの負担も比較的少ないため、奥歯が生え始めたら、シーラント処置を検討してみてください。

シーラント処置を検討されている方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

小児歯科で行う虫歯予防とは?こどもの虫歯の特徴と原因も解説!

2023年8月4日
歯科衛生士がこどものお口の中を確認している

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

虫歯になると、痛みを感じる方や、虫歯治療自体が大きなストレスとなる方も少なくありません。特に、小さなお子さまの場合、歯科医院へ行くのを嫌がる場合や虫歯の痛みを訴えるのが難しい場合があるため、親御さまは虫歯にならないように予防したいと思うでしょう。

今回は「小児歯科で行う虫歯予防にはどのようなものがあるのか」「こどもは大人に比べて虫歯になりやすいのは本当なのか」などの疑問に答えます。

虫歯になりやすいこどもの特徴とは

歯の治療を受けているこども

虫歯になりやすいこどもの特徴は、以下のとおりです。

・ひとりで上手に歯磨きできない

・甘い食べ物や飲み物を口にすることが多い

・口呼吸している

・歯並びが悪い

以下、それぞれ解説します。

ひとりで上手に歯磨きできない

小さいお子さまは、まだ上手に歯磨きができず、磨き残しが多いです。また、親御さまが歯磨きを手伝う場合でも、歯磨きが苦手でお子さまが暴れてしまったり歯磨きを拒否したりすることで、うまく歯磨きができず、虫歯のリスクが高まることがあります。

甘い食べ物や飲み物を口にすることが多い

虫歯の原因となる菌は糖をエサにするため、お菓子やジュースなどの甘いものを口にする機会が多いこどもは、虫歯のリスクを高めるといわれています。

特に、時間を決めずにダラダラとお菓子を食べる習慣がある場合は注意しましょう。虫歯菌が好む口内環境が続くため、さらに虫歯になる確率が高くなるのです。

口呼吸している

口呼吸していると、唾液の分泌が少なくなるため、虫歯になりやすくなります。

口を閉じて鼻で呼吸することで、埃や細菌などをそのまま吸い込まないようになっているため、鼻呼吸が理想の呼吸方法です。唾液には口内の汚れを洗い流す作用や抗菌作用がありますが、唾液の分泌が減ることで、虫歯の原因となる菌が繁殖しやすくなるのです。

歯並びが悪い

歯並びが悪く、歯と歯が重なっている部分があることで、歯ブラシだけでは十分に磨けない場合があります。歯が被さっている状態のため、虫歯があっても発見しにくい場合もあるでしょう。

また、噛み合わせが悪いと、口がうまく閉じられず、口呼吸になってしまう可能性もあるのです。

こどもの虫歯の特徴

虫歯治療をあらわすイメージ

こどもの虫歯の特徴は、以下のとおりです。

・虫歯になりやすく、進行が早い

・乳歯の虫歯は白く濁る

・年齢によって虫歯ができやすい場所が異なる

以下、それぞれ解説します。

虫歯になりやすく、進行が早い

こどもの歯は、永久歯に比べて「エナメル質」という歯の表面にある層が柔らかく薄いため、虫歯になりやすいです。乳歯の場合は、エナメル質やエナメル質の奥にある象牙質(ぞうげしつ)という部分の厚みが永久歯の半分しかないため、虫歯が一気に神経まで到達する可能性が高くなります。

乳歯の虫歯は白くにごる

永久歯が虫歯になると黒くなりますが、乳歯の場合は白くにごります。虫歯以外の理由でも歯が白くにごることがあるため、白くにごるからといって必ずしも虫歯とは限りませんが、虫歯になっている可能性もあります。

白色の場合、虫歯が見えにくく気づきにくいです。また、乳歯の虫歯は痛みをあまり感じないまま進行していくことがあります。虫歯に気づかないお子さまや、痛みをうまく伝えられないお子さまもいらっしゃるため、気づいたときには虫歯がかなり進行している場合があるでしょう。

年齢によって虫歯ができやすい場所が異なる

こどもの歯は、年齢によって虫歯ができやすい場所が異なります。年齢ごとの虫歯ができやすい場所は、以下のとおりです。

2歳ごろまでの虫歯ができやすい場所:上の前歯

2歳頃までは、哺乳瓶を使ったり、かじるようにして食事をしたりすることが多いため、上の前歯が虫歯になりやすいです。

特に、前歯の裏側は歯ブラシがあてづらく、見えにくい場所のため、虫歯ができていても気づかないことがあります。

2〜5歳ごろの虫歯ができやすい場所:奥歯

2、3歳ごろからは、少しずつ奥歯を使って食事ができるようになります。

汚れが溜まりやすく溝がある奥歯は、歯ブラシの毛先が届きにくいため、虫歯になりやすいでしょう。

6歳以降の虫歯ができやすい場所:6歳臼歯

6歳ごろからは、永久歯が生え始めます。6歳以降で最も虫歯になりやすいのは、6歳臼歯とよばれる歯です。6歳臼歯は、永久歯の中で最も早く生えてくる歯で、前から数えて6番目にあたる歯のことを指します。

6歳臼歯の生え始めは最も奥にあり、手前の乳歯のほうが背が高いため、歯ブラシが届きにくいです。また、6歳臼歯は、噛み合わせの面の溝が深いため、磨き残しが発生しやすい歯といえます。

虫歯になる原因

原因と結果

虫歯になる4つの原因は、以下のとおりです。

・歯の質

・細菌(微生物)

・糖質

・時間

以下、それぞれ解説します。

歯の質というのは、歯を構成するエナメル質や象牙質の状態のことを指します。大人の永久歯に比べ、乳歯や生えたばかりの永久歯は、エナメル質や象牙質がまだしっかり形成されていないため、柔らかく薄い状態です。そのため、虫歯になりやすい環境といえます。成長するにつれ、少しずつ歯が硬くなっていくため、大人の歯よりも歯の質が未熟であるこどものほうが虫歯になりやすいのです。

虫歯の原因となる細菌は、食材などに含まれる糖分を餌にして増え、ねばねばした物質をだすことでプラークを作り出します。その状態で時間が経つと、プラークの中で虫歯菌が酸を作り、エナメル質が酸によって溶かされることで歯に穴があき、虫歯になります。これが虫歯になるメカニズムです。

一般的には、食べ物や飲み物を口にすることで口内が酸に傾きますが、唾液の働きで中性に戻すことができます。

しかし、ダラダラと時間を決めずに甘いものを摂取すると、唾液の働きが間に合わず、口内が酸性になっている時間が多くなり、虫歯になる可能性が高まるでしょう。

小児歯科で行う虫歯予防

歯ブラシと歯磨き粉がおいてある

一度虫歯になってしまうと、歯を削ったり通院したりする場合があり、小さなお子さまにとってストレスになる可能性があります。虫歯予防をしっかりしておけば、歯の健康が守られるだけでなく、治療が必要ないため歯科医院への怖いイメージをもちにくいメリットもあります。

小児歯科で行う虫歯の予防方法は、以下のとおりです。

・歯のクリーニングやブラッシング指導

・フッ素の利用

・シーラントの利用

以下、それぞれ解説します。

歯のクリーニングやブラッシング指導

定期的に歯のクリーニングをすることで、歯ブラシでは落としきれない汚れを落とすことができます。プロに口内をチェックしてもらうことで、虫歯の早期発見にもつながります。

また、仕上げ磨きを含め、きちんと歯が磨けているかどうか不安な場合は、ご自宅で正しい歯磨きができるようにブラッシング指導をしてもらうことも可能です。

フッ素の利用

フッ素とはミネラルの一種で、自然界にも存在し、骨や歯のために必要な栄養素です。フッ素を利用して期待される効果は、以下のとおりです。

・歯の質の強化

・酸の産生の抑制

こどもの歯は歯の質が弱く、虫歯になりやすいため、フッ素によって歯の質を強化することで、虫歯になりにくい歯をつくる効果が期待できます。また、フッ素は虫歯の原因となる細菌を弱らせ、細菌が産生する酸を抑制できるといわれています。

歯の質が弱いこどもの時期に歯科医院でフッ素を塗布してもらうことで、虫歯予防できる可能性が高まるでしょう。

シーラントの利用

歯科医院でできるこどもの虫歯予防に「シーラント」とよばれる処置があります。

シーラントは、奥歯の溝を埋めることで食べかすが溝に入り込みにくくし、虫歯の発生を予防する目的で行われます。

ご自宅で行う虫歯予防

こどもを見守る親

歯科医院で虫歯予防をしても完全に虫歯を防げるわけではありません。ご自宅での毎日のケアや生活習慣を見直すことで、さらに虫歯のリスクを減らすことができるでしょう。ご自宅で行う虫歯予防は、以下のとおりです。

・食後の歯磨きを徹底する

・バランスのよい食事を心がける

・間食の時間を決める

以下、それぞれ解説します。

食後の歯磨きを徹底する

虫歯予防には食後の歯磨きが欠かせません。食後にしっかり歯を磨くことで菌の繁殖を最小限に防ぐことができます。小さなお子さまは隅々まできれいに磨くことが難しいため、仕上げ磨きをすることで、さらに口内を清潔に保てます。

また、フロスや部分用ブラシなどのアイテムを使うことで、細かい汚れも落とすことができるでしょう。

バランスのよい食事を心がける

糖を含むような甘い食べ物を口にする機会が多いと、虫歯のリスクを高めます。食事はバランスよく食べましょう。

間食をひかえるのが難しい場合は、チョコレートや飴などの糖を多く含む食べ物の代わりに、チーズやさつまいもにするなど、甘すぎないものに変えたり、頻度を減らしたりすることも効果的です。

間食の時間を決める

間食の時間を決めることなく、一日に何度も甘い食べ物や飲み物を口にしていると、唾液がもつ口内を中性に保つ作用が働きにくくなり、細菌が繁殖しやすい環境を作り出します。

間食するときはしっかり時間を決め、ダラダラ食べないようにしましょう。

まとめ

ポイントをまとめる女の子

今回は、こどもの虫歯予防について解説しました。虫歯になりやすいこどもの特徴や虫歯ができてしまう原因を知ると、小児歯科やご自宅で行う虫歯予防が重要かご理解いただけるかと思います。

一度虫歯になってしまうと、虫歯の痛みや歯科医院での虫歯治療は、こどもにとって大きなストレスやトラウマになることが予想されます。しっかり虫歯予防を行い、お子さまの大切な歯を守ってあげましょう。

お子さまの虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

初期虫歯を見逃さないために!特徴と治療の必要性を知ろう!

2023年7月28日
歯科医院で治療を受ける男性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

どんなに気をつけていても、虫歯になることはあります。「初期虫歯と虫歯の違いは?」「初期虫歯なら放置しても自然に治るのでは?」と思う方もいるでしょう。

今回は、初期虫歯の特徴や治療方法、治療にかかる費用・期間などを解説します。虫歯の予防法や初期虫歯を見つけるコツもご紹介するので、最後までご覧ください。

虫歯の原因

歯の模型と虫歯と歯科用器具

虫歯は、ミュータンス菌という細菌が原因で起きる病気の一種です。健康な歯を守るには、虫歯をどれだけ早く見つけられるかが大切です。

ミュータンス菌は、歯の表面に付着した歯垢(プラーク)に生息しています。食べ物に含まれる糖を餌にして繁殖し、酸を出します。ミュータンス菌が出した酸が歯を溶かし、虫歯になるのです。

初期虫歯の特徴

歯科医院で治療を受ける患者

虫歯と聞くと、歯が黒くなる、穴があく、痛みがあるというイメージをもつ方が多いのではないでしょうか。

しかし、初期虫歯の特徴は一般的なイメージとは異なります。初期虫歯の特徴は、以下のとおりです。

・痛みを感じない

・歯に穴があかない

・歯が白く濁る(茶色い場合もある)

虫歯は、CO〜C4の段階で評価します。エナメル質の脱灰が始まったCOの段階が初期虫歯です。初期虫歯は痛みを感じず、歯に穴もあきません。また、歯が白く濁ったり茶色く変色したりする場合があります。歯垢だと思って放置していると、虫歯だったというケースも少なくありません。

初期虫歯のCOの状態では、早めにアプローチできれば削らずに治療できることもあります。C1と判断された場合でも、削らずに経過観察するケースもあるでしょう。歯を大きく削ると歯の寿命が短くなるため、削らずに治療できる場合は経過観察します。

初期虫歯と虫歯の違い

エナメル質の脱灰が始まった初期虫歯はCO、エナメル質が虫歯になった状態をC1と評価します。違いは、エナメル質が虫歯になっているかどうかです。C1の特徴は、以下のとおりです。

・歯が黒くなる

・歯に穴があく

・痛みを感じないことが多い

C1では、歯が黒くなる、穴があくなどの症状があらわれますが、痛みを感じないことも少なくありません。虫歯が象牙質に進行したC2の段階で、痛みや冷たいものがしみる症状を自覚する方が多いです。

初期虫歯は治療が必要?

顎に手を当てて考える男性

初期虫歯の場合は削らなくてもよいことも多いですが、治療は必要です。できるだけ早く発見し、歯科医院を受診しましょう。

歯が白く濁っている場合は、白濁やプラークと見分けがつきにくいです。歯の異常を見つけたときは、すぐ歯科医院を受診することが大切です。

虫歯を放置すると、COからC1、C2へと進行します。痛みを感じるほど虫歯が進行している場合、虫歯が象牙質に達しているため削って治療をしなければなりません。

C3になると、虫歯は歯髄に達し、神経を取らなければならないこともあります。歯を削ると歯の寿命が短くなりますが、神経がない歯の寿命はさらに短くなります。初期虫歯を放置せず、早めに治療することが重要です。

COやC1の段階では、痛みを感じないケースも少なくありません。

しかし、C1では歯に穴があいた状態です。小さい見た目の虫歯でも、歯の中で大きくなっている可能性もあるでしょう。痛みがないからと放置せず、歯科医院を受診してください。

初期虫歯の治療法

男性患者の口腔内を確認する女性歯科医師

初期虫歯は、以下の方法で治療します。初期虫歯の段階で発見し治療を受けると、削らなくてよいことも少なくありません。

フッ素を塗布する

初期虫歯になっている歯を中心に、フッ素を塗布します。フッ素の効果は、以下のとおりです。

・エナメル質の石灰化を助ける

・ミュータンス菌が作り出す酸への抵抗力を高める

フッ素を塗布することで、エナメル質の脱灰が始まった歯の再生を図るとともに、ミュータンス菌が作り出す酸に抵抗します。フッ素塗布は歯科医院で実施できますが、自宅でも日常的にフッ素入りの歯磨き粉を使用するとよいでしょう。

キシリトールガムを噛む

キシリトールガムを噛むことも効果的です。キシリトールとは、虫歯予防効果のある代用甘味料です。キシリトールには、以下の効果があります。

・ミュータンス菌の繁殖を抑える

・歯の再石灰化を助ける

・唾液の分泌を促進する

虫歯の原因になるミュータンス菌は糖を餌にして増えますが、キシリトールはミュータンス菌の餌になりません。また、キシリトールはカルシウムと結合し、歯の再石灰化を助ける効果や唾液の分泌を促進する効果があります。

唾液にも歯の再石灰化を促進する成分が含まれているため、初期虫歯に効果的です。キシリトール含有量の多いガムを選び、食後に噛む習慣をつけましょう。

参照元:厚生労働省 e-ヘルスネット

歯磨き指導を受ける

歯科医師や歯科衛生士による歯磨き指導を受けることも大切です。人によって歯の形や歯並びは異なり、磨き方にも癖があるからです。

毎日歯をしっかりと磨いている方でも、同じ場所を磨き残しているケースがあります。プロに指導してもらい、以下の内容を学びましょう。

・自分の磨き方の癖と磨き残しやすい部分

・歯の形や歯並びに適した磨き方

・歯ブラシ以外のツールの使い方

自分の口腔内の状況や磨き方の癖を把握し、適した歯磨き方法を学ぶことで、磨き残しが減り虫歯を予防できるでしょう。

PMTC(プロによるクリーニング)を受ける

PMTCとは、プロが特別な機械や薬剤を使って行う口腔清掃のことです。ふだん歯ブラシが当たりにくい歯と歯の間、歯と歯茎の境目、奥歯などに残っている汚れをきれいに落とします。

PMTC後は歯の表面がなめらかになるため、汚れが付着しにくい歯になります。初期虫歯の治療としてはもちろん、初期虫歯の予防としても効果的です。

削って治療する

初期虫歯であるCOやC1は削らず治療するケースが多いですが、削って治療する場合もあります。外から見たときには小さな穴でも、レントゲンで確認すると内側で虫歯が広がっている場合があるからです。

一般的に、少し削ってレジン材で修復します。削らなければならないケースでも、早期に発見し歯科医院で治療を受ければ、大幅に削る必要はありません。

初期虫歯の治療期間

机の上に置かれたカレンダーと植物

初期虫歯の段階で歯科医院に行くと、治療期間は1回(1日)で終わる可能性が高いです。フッ素塗布やPMTC、歯磨き指導などを行って、経過観察をするケースが多いでしょう。C1で削って治療する場合でも、1回(1日)で完了することは珍しくありません。

C2へと虫歯が進行した場合、治療期間は1〜2週間程度です。C3へ進行し虫歯が神経に達すると、約2〜3週間の期間が必要です。

初期虫歯の治療費用

白い机に置かれた白いノートと白い電卓

虫歯の治療は保険が適用されます。3割負担の方が初期虫歯の治療を行う場合、必要な費用は1,500〜3,000円程度でしょう。C1の場合も同様です。

C2に進行した虫歯の治療費は、約2,000〜10,000円です。C3の場合は約7,000〜20,000円必要な場合が多いでしょう。初期の段階で治療したほうが、治療費は少なく済みます。

虫歯の予防法

歯科医院で患者に説明する男性歯科医師

虫歯になった場合はできるだけ早く発見し、治療することが大切です。

しかし、最も重要なのは虫歯にならないことです。ここでは、虫歯の予防方法をご紹介します。

定期的に歯科医院を受診する

定期検診に行くことで、虫歯になるリスクが下がります。日頃から口腔内のメンテナンスを意識することで「しっかりと歯磨きしよう」「健康な口腔内を維持しよう」というモチベーションを保てるからです。

初期虫歯は気づきにくく、自分では判断できないことも少なくありません。定期検診で口腔内をチェックしてもらえば、初期虫歯に早期に気づき、治療できるでしょう。

間食の内容やタイミングに気をつける

虫歯を予防するには、間食の内容やタイミングに注意をすることも大切です。具体的には、以下の内容を意識しましょう。

・糖を多く含むものばかり食べない

・ダラダラと食べない

ミュータンス菌は糖を餌に増殖します。糖を多く含むものを頻繁に食べると、虫歯になるリスクが高まります。ダラダラと食事をすると、口腔内が酸性の状態が続くため歯が再石灰化する時間がありません。間食する場合は時間を決めて、ダラダラと食べないようにしましょう。

丁寧に歯磨きする

歯磨きは虫歯予防にも効果的です。特に虫歯になりやすい部分を意識して、歯を磨きましょう。

・歯と歯の間

・歯と歯茎の境目

・上下の歯が噛み合う部分

上記は特に磨き残しが多い箇所です。正しい磨き方を習得すればセルフケアの質が上がり、虫歯のリスクが低減するでしょう。

歯をよく観察する

初期虫歯やC1の虫歯は、痛みを感じないため自分では気づかないことも珍しくありません。日頃から歯をよく観察する習慣を身につけましょう。

注意して観察するべきポイントは、以下のとおりです。

・歯の白濁や茶色に変色している部分がないか

・フロスが引っ掛からないか

白濁や変色、フロスの引っ掛かりが、すべて初期虫歯であるとは限りません。

しかし、気になる点を歯科医院で確認することで、虫歯の早期発見につながります。

まとめ

歯科医院で治療を受ける女性患者

初期虫歯は、早期発見し歯科医院を受診することで、削らずに治療できるケースが少なくありません。放置すると虫歯が悪化し、治療費も治療期間もかかるうえ、歯の寿命が短くなるリスクもあります。

初期虫歯の特徴を把握し、定期検診やセルフケア、毎日の観察などで、虫歯を予防しましょう。初期虫歯をどれだけ早く見つけ進行を防ぐかによって、歯の治療方法が大きく変わるのです。

虫歯にお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

銀歯の下が虫歯になりやすいのはなぜ?治療法と予防法も解説!

2023年7月7日
口を手でめくって銀歯を見せる人

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

銀歯の下が虫歯になりやすいのは、銀歯の材質が関係しています。銀歯に使用される金属は、傷がつきやすいため、溝に汚れが溜まることで虫歯のリスクが高まるのです。また、熱によって膨張する性質があるため、膨張や収縮によって銀歯が変形することで歯との間にすき間ができ、細菌が侵入しやすくなります。

今回は、銀歯の下が虫歯になりやすい理由、治療法や予防法を解説します。

銀歯とは

歯の模型と銀歯が机の上に置かれている

銀歯とは、金属をベースにした詰め物や被せ物のことです。銀色をした光沢のある材料で、耐久性の高さや加工の容易さなどから、歯科医療の現場で広く使われています。

銀歯の主な成分は、銀・パラジウム・銅・金などですが、それぞれ異なる特性を持っています。例えば、銀は耐久性と強度、銅は硬さと抗菌性があることが特徴です。複数の金属を適切な比率で混ぜ合わせることで、歯の形状にフィットし、長期間にわたって機能する銀歯を作ることが可能です。

しかし、銀歯は見た目の問題から避ける人も多くいます。白い歯に銀色の詰め物や被せ物が入っていると、笑ったときや話したときに目立つからです。また、金属の成分によりアレルギー反応を引き起こす可能性もあるでしょう。

見た目やアレルギーの問題から、現在では見た目が自然で人体に優しいセラミックやレジン(コンポジットレジン)などの材料が使われることが増えています。

銀歯の下は虫歯になりやすい?

顎に手を当てて考える白い服の女性

銀歯の下が虫歯になりやすいかどうかは、銀歯の施術方法やメンテナンス状況に大きく依存します。

正しく設置された場合、銀歯の下で虫歯が再発することはそれほど多くありません。治療時に歯科医師が虫歯菌を完全に除去し、細かく調整を行って装着されていれば、銀歯と歯との間にすき間が生じないため、新たな虫歯菌の侵入を防ぐことができます。

しかし、治療が不完全で虫歯菌が残ったまま銀歯が被せられた場合や装着が不完全ですき間が生じていた場合、すき間から虫歯菌が侵入して銀歯の下で虫歯が進行する可能性があります。また、メンテナンスが不十分でプラーク(歯垢)が溜まった場合や口腔内環境が悪化した場合も、虫歯リスクは高まるでしょう。

銀歯の下の虫歯を防ぐためには、銀歯が装着されたあとも正しい歯磨きと定期的なメンテナンスを行うことが重要です。銀歯の設置は、歯科医師の技術力に大きく影響されるので、信頼できる歯科医師に治療を依頼しましょう。

銀歯の下が虫歯になりやすい理由

机の上に置かれた画用紙とペンとREASONの積み木

銀歯は、汚れが付着しやすい特性があります。銀歯は天然の歯に比べて表面が滑らかでないため、プラーク(歯垢)が付着しやすいのです。プラークが口腔内の細菌の増殖を促進し、酸を生み出すことで、歯を溶かし虫歯を引き起こします。

銀歯が劣化しやすい素材であることも、銀歯の下が虫歯になりやすい一因でしょう。銀歯は、酸化や腐食が進みやすく、表面が徐々に溶け出し、歯との間に微小なすき間が生じる可能性があります。すき間が虫歯菌の侵入口となり、新たな虫歯を誘発する原因となるのです。

また、銀歯を歯に固定する際にセメントを用いますが、セメントは時間の経過とともに溶けます。セメントが溶けることで銀歯と歯との間にすき間ができ、虫歯菌が侵入しやすくなるのです。

銀歯は、熱により膨張し変形する性質があることも忘れてはいけません。熱い飲食物を摂取したときなどに銀歯が膨張し、冷めて収縮するというサイクルが繰り返されることで、歯との間にすき間が生じ、虫歯菌が侵入して虫歯が進行する可能性があります。

セラミックやレジンなどに比べて、銀歯は虫歯の再発リスクが高いことを理解し、日頃から丁寧に歯磨きを行い、定期的に通院することが重要です。

銀歯の下が虫歯になったときの治療法

患者の口内を診察する男性歯科医師

銀歯の下に虫歯が発生した場合の治療法は、虫歯の進行具合や範囲によって異なります。

早期に発見された場合は、銀歯を取り外して新たな銀歯で補うのが一般的です。銀歯を取り外して虫歯部分を除去し、再度銀歯やほかの素材(レジンやセラミックなど)で補います。

しかし、虫歯が進行し歯根にまで到達している場合、または銀歯が取り外せないほど大きい穴があいている場合は、根管治療が必要になる可能性があります。根管治療は、虫歯が神経(歯髄)にまで達した場合に行われ、歯の神経が入っている管を洗浄・消毒し、特殊な薬剤で封じる治療法です。根管を洗浄したあと、詰め物や被せ物を装着します。

虫歯が進行して歯を保存することが難しい場合は、抜歯することもあるでしょう。抜歯後は、空いたスペースを補うためにインプラントやブリッジなどの治療が必要です。

銀歯の下が虫歯にならないための予防法

ソファに座って歯磨きする若い男性

銀歯の下が虫歯にならないための予防法としては、日頃から丁寧に歯磨きをし、定期的にメンテナンスを受けて、口腔内を清潔に維持することが大切です。

日頃から丁寧に歯磨きする

銀歯の下が虫歯にならないためには、日頃の丁寧な歯磨きが必要不可欠といえます。虫歯は、食べかすや細菌が銀歯のすき間に蓄積されることで発症するからです。

歯磨きは、毎食後と就寝前に実施することが推奨されています。特に、就寝前の歯磨きは欠かさないようにしましょう。寝ている間は唾液の分泌量が減少するため、口内が乾燥し、虫歯菌が活発化します。就寝前にしっかりと歯磨きを行うことで、口腔内を清潔に保つことができます。

歯ブラシは、ブラシの先端が小さく、歯と歯茎の間や歯と銀歯のすき間にも届くタイプを選びましょう。外出などで食後に歯磨きができない場合は、うがいだけでも行ってください。うがいだけでもある程度の食べかすを流せるので、虫歯予防の効果があります。

歯ブラシで磨くだけでなく、フロスや歯間ブラシも忘れずに使いましょう。歯ブラシだけでは落とせない汚れも除去できます。特に、銀歯と天然の歯の間は虫歯になりやすいため、入念に磨きましょう。

定期的にメンテナンスを受ける

銀歯の下の虫歯を予防するためには、日常的なブラッシングに加えて、定期的なメンテナンスが非常に重要です。

歯科医院でのメンテナンスは、検査だけでなくPMTC(プロによるクリーニング)も含まれます。PMTCでは、ふだんの歯磨きだけでは取り除くことができないプラークや歯石が効率的に除去されます。徹底的に歯や歯茎を清掃することで、細菌の増殖を防止できるでしょう。また、銀歯の状態を評価し、必要に応じて修復や調整を行います。虫歯が発生しやすい状態を早期に修正し、銀歯の下の虫歯を未然に防ぐことにつながります。

特に銀歯が装着されている歯は、銀歯の下で虫歯が進行していても痛みを感じにくいため、早期発見が大切です。

セラミックなど銀歯以外の素材を選ぶ

銀歯の下が虫歯になるのを防ぐための方法として、銀歯ではなく、セラミックなどの素材を選択することも挙げられます。

セラミックの詰め物や被せ物は、銀歯と比べて多くのメリットがあり、虫歯のリスクを軽減します。セラミックは、自然な歯の色に近く、見た目が美しい特徴がありますが、メリットは見た目のよさだけではありません。セラミックは、汚れや細菌が付着しにくく、耐酸化性も高いです。銀歯に見られる腐食や汚れの付着、それに伴う虫歯の発生が抑制されます。

また、セラミックは、金属のように熱膨張しにくく、口内で変形するリスクが少ないメリットがあります。変形によってすき間が生じ、虫歯が発生するリスクを低減できるでしょう。

セラミックはレントゲンで透過するため、進行中の虫歯がある場合は早期に発見することが可能です。早期に適切な治療を受けることで、二次虫歯の進行を防ぎ、歯の喪失を防ぐことにつながります。

まとめ

歯科用器具を使って銀歯の状態を確認するところ

銀歯は、汚れが付着しやすく、歯との間に細菌が侵入しやすい人工歯です。費用が安く治療期間が短いことが特徴ですが、レジンやセラミックと比べて変形や劣化するリスクが高く、二次虫歯になりやすいことがデメリットといえるでしょう。

また、銀歯は金属のため、X線が透過せず、レントゲン撮影を行っても銀歯の下の虫歯を発見しにくいといえます。気づかないうちに虫歯が進行すると、最悪の場合、歯を失う可能性もあります。

「銀歯の下は虫歯になりやすい」という特性を理解して、予防に努めなければなりません。日頃から、歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシも使って丁寧に歯磨きをしましょう。定期的に歯科医院を受診し、クリーニングや銀歯の状態を確認してもらうことも重要です。

銀歯の下の虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。