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乳歯が生えてきたときの歯磨きはどうするの?

2024年7月17日
乳歯が生えてきたときの歯磨きはどうするの?

みなさまこんにちは!

大阪府八尾市に60年にわたり、地域に根ざす歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

当院では、患者さまが抱える歯科に関する疑問や不安に真摯に向き合い、解消できるよう心がけています。歯科医師やスタッフとのコミュニケーションが不足しがちな中、このブログを通じて患者さまと対話し、理解を深める場を提供したいと考えています。

日常生活での歯のお手入れや健康に関する知識は、ご自身の歯の状態を理解し、適切なケアを行う上で非常に重要です。

このブログでは歯に関する基本的な情報から、診療に関する細かい疑問まで、様々なトピックを取り上げています。

患者さまがより良い歯科ケアの選択ができるよう、専門的な情報を分かりやすくお届けしています。

ご質問や疑問がございましたらお気軽にお寄せいただき、私たちが提供する情報を通じて患者様の歯科に関する理解が深まることを願っています。お困りの際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

こちらでお手伝いさせていただきます。よろしくお願いいたします!

「乳歯が生えてきたときの歯磨きはどうするの?」の質問に全力回答!

今回は、「乳歯が生えてきたときの歯磨きはどうするの?」などの質問に対して全力でお答えしていきます!

乳歯とは、どのような歯ですか?

乳歯とは、人間の赤ちゃんの時期に生えてくる歯のことです。全部で20本あり、永久歯に生え変わるまでの間、食べ物を噛んだり、言葉を話す練習をするために使われます。

乳歯が生え始める時期や順番には個人差がありますが、一般的には生後6か月頃から下の前歯から生え始め、2歳半頃までに全て生え揃います。

乳歯の特徴は?

本数 : 全部で20本(上の歯10本、下の歯10本)

大きさ : 永久歯よりも小さく、根も短い

色 : 永久歯よりも白っぽく、エナメル質が薄い

役割 : 食べ物を噛む、言葉を話す練習をする、永久歯が生えるスペースを確保する

乳歯は永久歯に比べて虫歯になりやすいので、歯が生え始めたら歯磨きを始めることが大切です。また、定期的に歯科検診を受け、虫歯の早期発見・早期治療に努めましょう。

乳歯の生える順番は?

乳歯の生える順番は?

一般的に歯は下の順番で生えてきます。合計で20本の順番をまとめてみました。

 

  1. ①下の前歯2本(乳中切歯)
  2. ②上の前歯2本(乳中切歯)
  3. ③前歯の脇の2本、上下合わせて4本(乳側切歯)
  4. ④最初の奥歯が上下左右合わせて4本(第1乳臼歯)
  5. ⑤前歯と奥歯の間の歯が上下左右合わせて4本(乳犬歯)
  6. ⑥奥歯が上下左右にもう1本ずつ、合わせて4本(第2乳臼歯)

 

生後6〜9ヵ月ごろから生えはじめて、3歳ごろまでには⑥まで生え揃うのが一般的です。
もちろん個人差があるため、1年程度遅れる子もいます。
1歳をすぎても1本も生えてこない場合は小児歯科医に相談した方がいいですが、あまり気にしすぎないで見守りましょう。

乳歯が生えてきた時の歯磨きは?

乳歯が生えてきた時の歯磨きは?

まずはガーゼ磨きから!

赤ちゃんの下の前歯が2本生えたら、まずは歯磨きシートやガーゼでの歯磨きを始めましょう。

  1. 1.お母さんの膝の上に赤ちゃんを寝かせます。
  2. 2.ガーゼを指に巻き、ぬるま湯や水で濡らします。
  3. 3.赤ちゃんの歯を優しく拭き取ります。

この時期は間食も少なく、よだれ(=唾液)の自浄作用で十分お口を清潔に保っているので、ゴシゴシみがくというよりも、ガーゼで歯の表面を摘んで優しく拭いてあげるだけでも十分綺麗になります。

赤ちゃんの歯磨きは1日何回?

ガーゼ磨きは、1日5〜6回が理想的とされています。食事の回数に合わせて、授乳後や離乳食後に毎回行うのが望ましいです。しかし、1日5〜6回が難しい場合は、夜寝る前に丁寧にケアするだけでも十分です。その他の食後には、簡単に拭き取る程度で問題ありません。また、赤ちゃんに安全な歯ブラシを持たせたり、親が楽しそうに歯磨きする姿を見せることで、赤ちゃんも口のケアに興味を持つようになります。こうして興味を持たせることで、ガーゼ磨きから歯ブラシ磨きへの移行がスムーズに進みます。

歯ブラシに移行してからの歯磨きは?

赤ちゃんの歯ブラシを使い始める時期は、ガーゼ磨きに慣れてきた頃や前歯が半分以上生えた頃が適しています。最初は丁寧に、軽く歯ブラシを口に含ませる程度で十分です。奥歯が生えてくる頃には、1本あたり5秒程度歯ブラシを当てることを目指しましょう。

軽い力で手早くみがく

利き手に歯ブラシを持ち、反対の手で赤ちゃんの唇を支えながら磨きます。歯ブラシは、歯1〜2本に対して横に小刻みに動かし、前歯の表側だけでなく裏側も丁寧に磨きましょう。力を入れすぎると赤ちゃんが嫌がる原因になるので、軽い力で磨くことが大切です。ただし、力が弱すぎて汚れが残らないように、毛先が歯と歯の間に入る程度の軽い力で、歯の付け根もしっかり磨いてください。また、長時間かけすぎると赤ちゃんが嫌がるので、手早く磨くようにしましょう。

軽い力で手早くみがく

上唇小帯(じょうしんしょうたい)に歯ブラシを当てない

上の歯を磨く際は、「上唇小帯」(上唇の裏側と歯ぐきの間にあるスジ)に歯ブラシが当たらないよう注意しましょう。この部分に歯ブラシが当たると、痛みを感じて歯磨きを嫌がる子もいます。上唇に指を添えて少し持ち上げ、上唇小帯を保護しながら丁寧に磨くと良いです。

赤ちゃんに歯磨きに慣れてもらうには?

歯みがきの姿勢に慣れる

歯みがきの姿勢に慣れる

お母さんが歯ブラシを持つ前に、まずは赤ちゃんが歯磨きの姿勢に慣れることが大切です。赤ちゃんをゴロンと寝かせて、お母さんが上から覗き込むようにしましょう。この姿勢は口の中がよく見え、歯の汚れを取りやすく、赤ちゃんの頭も安定して安全です。お母さんと手遊びなどをしながら、楽しく慣れさせていくと良いでしょう。なお、向かい合わせの姿勢は、赤ちゃんの頭が動いて危険なうえ、口の中が見えにくく磨き残しが出やすいので避けましょう。

口の周りに触れられることに慣れる

口の周りに触れられることに慣れる

赤ちゃんと手遊びをしながら、口の周りを軽く触れて少しずつ慣れさせていきましょう。こうすることで、赤ちゃんが口の周りを触られることに抵抗を持たなくなります。優しくチョンチョンと触ることで、自然に慣れさせることができます。

歯ブラシに慣れる

次はいよいよ、歯ブラシを口に入れる練習です。最初は軽く歯に歯ブラシを当てるなどして、少しずつ歯ブラシの感触に慣れさせましょう。歯にチョンチョンと当てる程度から始めると、赤ちゃんも抵抗なく受け入れやすいです。

乳歯にフッ素塗布はしたほうがいいの?

フッ素塗布は、子供の頃から行うことで虫歯に強い歯を育てることができます。以下に、フッ素塗布を始める時期と継続する期間について詳しく説明します。ぜひ参考にしてください!フッ素塗布は、1歳半頃から始めるのが理想です。この時期には乳歯が上下4本ずつ生え揃い、フッ素を塗布するのに適しています。その後、定期的に3〜6ヶ月ごとに塗布を続けることが推奨されます。特に乳歯の奥歯が生え始める2歳半頃には、フッ素塗布を積極的に行うと良いでしょう。永久歯が生え揃う14〜15歳頃まで継続的にフッ素塗布を行うことで、虫歯予防効果が高まります。

お子さまは歯質が弱いのでフッ素塗布が効果的

乳歯は、大人の歯(永久歯)に比べて柔らかく、表面のエナメル質も半分ほどの厚みしかありません。このため、虫歯になると進行が早く、神経に達するのも速くなります。「永久歯が生えるから、乳歯の虫歯は問題ない」と考えるのは危険な考えです!乳歯が虫歯で失われると、そのスペースに他の歯が移動してしまい、歯並びが悪くなります。また、虫歯菌が増えると永久歯も虫歯になりやすくなります。子供の時期は、大人以上に虫歯予防に力を入れることが、健康な永久歯を育てる秘訣です。歯科医院が推奨する虫歯予防策として「フッ素塗布」があります。フッ素は、自然界に存在するミネラルで、食品や飲料にも含まれています。フッ素は、エナメル質を再石灰化し、歯の質を強化し、虫歯菌を弱める効果があるため、非常に効果的です。特に生えたばかりの子供の歯は柔らかく、フッ素を効率よく取り込めるので、幼少期からのフッ素塗布が勧められます。歯科医院では、高濃度のフッ素を使用して、より効果的に歯を強化します。フッ素塗布は、1歳半頃から始め、15歳頃まで定期的に行うことが理想です。1歳〜1歳半の時期には、乳歯の前歯が上下4本ずつ生え揃うため、このタイミングで初めてのフッ素塗布を行いましょう。子供が歯医者に嫌がらないように、少しずつ慣れさせることが大切です。フッ素は、繰り返し塗布することで効果が高まります。初回の塗布後は、3ヶ月〜6ヶ月ごとに定期的に行うと良いでしょう。特に虫歯になりやすい乳歯の奥歯が生えた後(2歳半頃)は積極的にフッ素塗布を行い、必要に応じてレジンで溝を埋めるシーラント処置も効果的です。そして、永久歯が生え揃う14歳〜15歳頃まで、定期的なフッ素塗布を続けましょう。生え始めの永久歯もフッ素をよく取り込むため、虫歯予防効果が高いです。永久歯は一生使う大切な歯なので、早い段階からしっかりと虫歯予防を行いましょう。フッ素が歯にもたらす効果に関しては、当院のブログで紹介しております「フッ素の塗布は何のためですか?をご覧ください!

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は、乳歯が生えてきたときの歯磨きはどうするの?の質問にお答えさせていただきました!歯が1本でも生えたら赤ちゃん用歯ブラシで歯みがきして、早めに歯ブラシの感触に慣れさせて、習慣づけることが大切です。

お子さまの歯が生え揃ったら、歯並びのことを気にされる方も出てこられると思います。

もりかわ歯科ではマウスピース矯正にも力を入れています。矯正に少しでも興味のある方はお気軽にご相談ください。
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大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科では日々の診療で患者さまとの対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を行っております。

歯に関する心配事がございましたらいつでも大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科へお越しください。

 

歯列矯正をお考えの方も当院では矯正無料相談を実施していますので、お気軽にお問い合わせください。

詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページをご覧ください。

 

フッ素塗布とは?こどもの虫歯予防に効果的な理由!

2023年9月5日
子どもの口の中を確認する女性医師

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

フッ素塗布は、こどもの虫歯予防として乳児健診でも行われている処置です。歯にフッ素を塗布することで、虫歯を予防する強い歯にできるといわれています。

定期的に歯科医院でフッ素塗布をしたほうがよいとされていますが、フッ素にはどのような効果があるのでしょうか。フッ素の塗布を継続することは、本当に虫歯予防の効果があるのでしょうか。

今回は、フッ素塗布がこどもの虫歯予防に効果的な理由、どのくらいの頻度でフッ素塗布をするとよいのかについて、わかりやすく解説します。小児歯科でのフッ素塗布の流れや自宅で取り入れられるフッ素についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

フッ素塗布にはどのような効果がある?

顎に手を当てて考える男性

フッ素は、虫歯予防に効果があるといわれています。虫歯予防に対して実際にどのような効果があるのでしょうか。フッ素の効果は、以下のとおりです。

細菌の働きを弱める

フッ素には、細菌の働きを弱める効果があります。

磨き残した食べ物のカスや汚れは歯垢となり、そのまま放置すると、繁殖した細菌と酸によって虫歯を引き起こします。虫歯を放置すると悪化し、歯周病の原因にもなりかねません。

フッ素を塗布することで、虫歯の原因となる菌の働きを弱め、歯を溶かす酸が作られることを防ぎます。

歯のエナメル質を修復する

フッ素には、歯の表面のエナメル質を修復する効果があります。

食事をすることで口の中は酸性になります。口の中が酸性になることで、歯を溶かす酸が発生するのです。通常、酸によって溶けた歯を修復する再石灰化が起こりますが、細菌の力が強いことなどが原因で修復できない場合、虫歯になります。

フッ素には歯の再石灰化を促進し、エナメル質を修復する効果があります。フッ素の力で初期虫歯を修復できる場合もあるでしょう。

歯のエナメル質を強化する

フッ素塗布を行うことで、歯のエナメル質が強化され虫歯になりにくい歯を作ることができます。

歯の表面を覆うエナメル質が弱ると、飲食物の温度の刺激を過敏に感じる、酸や虫歯菌によって溶かされるなど、外部からのダメージを受けやすくなります。

フッ素を塗布することでエナメル質が強化されるため、酸に溶けにくい歯になるでしょう。

こどもの歯にフッ素を塗布しても大丈夫なの?

ソファに座って考える家族

フッ素塗布は、こどもの歯を強くし、虫歯から歯を守るために重要な処置です。基本的に年齢制限がないため、小さいこどもでも問題なく受けられます。フッ素の塗布は歯科医師や歯科衛生士が行うため、安全性にも問題はありません。

フッ素中毒が話題になったことがあるので、心配に思う保護者の方も多いでしょう。高濃度のフッ素を日常的に塗布した場合やフッ素を一度に大量に摂取した場合、フッ素の中毒症状があらわれる可能性があります。

しかし、歯科医院で使用される高濃度のフッ素を日常的に使うことはできません。

市販されているフッ素入りの歯磨き粉などは、フッ素の含有量が制限されています。毎日使用しても、人体に影響がない濃度に抑えられているのです。

また、フッ素を一度に大量に摂取することも現実的ではありません。こども向けに市販されているフッ素入りの歯磨き粉をこども用の歯ブラシにつけて使用する場合、1回量をすべて飲み込んだとしても、中毒症状が出るとされるフッ素の量を超えることはないでしょう。

乳児健診で希望者に有料でフッ素の塗布を行う場合もあります。虫歯の予防は大人になってからでは遅いとされています。乳歯が生え始める頃から、虫歯に負けない歯を作ることが望ましいでしょう。

小児歯科でのフッ素塗布の流れ

子どもの歯のクリーニングを行う女性歯科衛生士

歯科医院でのフッ素塗布にかかる時間は20~30分程度です。虫歯などの治療がない限り、多くの時間は必要としません。こどもの負担にもならないでしょう。

歯科医院でのフッ素塗布の流れは、以下のとおりです。

カウンセリング

歯科医師や歯科衛生士がフッ素塗布の目的や効果、手順を保護者やこどもに説明します。

疑問や不安に思うことがある場合は、相談して解決しましょう。

歯のクリーニング

フッ素の塗布する前に歯をクリーニングします。

汚れが付着した状態でフッ素を塗布しても、十分な効果が得られません。フッ素の効果を最大化するため、歯のクリーニングを行うのです。

フッ素塗布の準備

フッ素を歯ブラシに染みこませ、歯に塗布する準備をします。

フッ素は、歯ブラシで塗布するのが一般的です。

フッ素塗布

前歯から奥歯に向かってフッ素を塗布します。歯の表と裏の両面にも塗布します。

特に、虫歯の発生リスクが高い奥歯や歯と歯の間、噛み合わせの面にしっかりと塗布することが多いです。

追加のフッ素塗布

フッ素の塗布が終わったら、歯ブラシにフッ素を追加し、再度すべての歯に塗布するのが一般的です。

歯にフッ素を浸透させるため、約30分うがいや飲食を控えるように指示があります。フッ素塗布後の歯磨きについて指示されることもあるので、歯科医師の指示に従ってください。

どれくらいの頻度でフッ素塗布を行うと効果的?

卓上カレンダーにスケジュールを書き込む

歯科医院でのフッ素塗布は、3~4か月に1回の頻度で行うとよいでしょう。フッ素塗布を継続的に行うことで、フッ素による虫歯予防の効果が高まります。定期検診の際にフッ素塗布を行うことで、より歯をきれいに維持できるでしょう。

歯科医院での次回のフッ素塗布までの間も、自宅でフッ素が配合された歯磨き粉を使用すると虫歯予防に効果的です。

フッ素塗布の頻度は、口内の状態やこどもの状況を考慮して歯科医師が決定します。すでに虫歯があるこども・ワイヤー矯正などを行っていて歯に装置を取り付けているこども・毎日歯磨きを行うことが難しいこどもの場合、頻度が高くなるでしょう。

お菓子やジュースなど、糖を多く含む飲食物を摂取する機会が少ない、唾液の量が十分にあるなど、虫歯のリスクが低い場合は、フッ素塗布の頻度も低くなります。

自宅での歯磨きにもフッ素を取り入れよう!

家の椅子で歯磨きをする女の子と母親

フッ素を自宅での歯磨きにも取り入れることで、さらに虫歯予防の効果を高められるでしょう。

フッ素が配合された歯磨き粉も数多く市販されています。市販のフッ素入り歯磨き粉は、歯科医院で使用するものに比べると効果は弱いですが、継続的に取り入れることが可能です。虫歯に負けない歯を維持するために推奨されています。

フッ素入りの歯磨き粉での歯磨きは、毎食後に行うのが理想です。あわせて、細菌が繁殖しやすい就寝前に行うことで、より虫歯予防の効果を得られるでしょう。

歯磨き後に何度もうがいすると、歯磨き粉に含まれているフッ素が流れるため注意してください。こどものうちから、日々の歯磨きで虫歯に負けない強い歯を育てましょう。

まとめ

歯科衛生士からブラッシング指導を受ける少女

フッ素塗布は、こどもの虫歯を予防するうえで非常に大切な処置です。

毎日丁寧に歯磨きをしていても、磨き残しは生まれます。磨き残しに集まる細菌が増殖し、虫歯になることがあります。虫歯から歯を守るために、フッ素をうまく活用するとよいでしょう。フッ素は歯を強くするため、万が一細菌による攻撃を受けても修復できるようになります。

ご自身の丈夫な歯で長い間生活するためには、歯へのフッ素塗布や正しい歯磨きが欠かせません。歯科医院でのフッ素塗布は、3〜4か月に一度を目安に行ってもらいましょう。こどもの歯を守るために、歯科医院でのフッ素塗布や自宅でのフッ素の使用を習慣化してください。虫歯に負けない強い歯を育てましょう。

お子さまの虫歯予防でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

小児歯科で行う虫歯予防とは?こどもの虫歯の特徴と原因も解説!

2023年8月4日
歯科衛生士がこどものお口の中を確認している

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

虫歯になると、痛みを感じる方や、虫歯治療自体が大きなストレスとなる方も少なくありません。特に、小さなお子さまの場合、歯科医院へ行くのを嫌がる場合や虫歯の痛みを訴えるのが難しい場合があるため、親御さまは虫歯にならないように予防したいと思うでしょう。

今回は「小児歯科で行う虫歯予防にはどのようなものがあるのか」「こどもは大人に比べて虫歯になりやすいのは本当なのか」などの疑問に答えます。

虫歯になりやすいこどもの特徴とは

歯の治療を受けているこども

虫歯になりやすいこどもの特徴は、以下のとおりです。

・ひとりで上手に歯磨きできない

・甘い食べ物や飲み物を口にすることが多い

・口呼吸している

・歯並びが悪い

以下、それぞれ解説します。

ひとりで上手に歯磨きできない

小さいお子さまは、まだ上手に歯磨きができず、磨き残しが多いです。また、親御さまが歯磨きを手伝う場合でも、歯磨きが苦手でお子さまが暴れてしまったり歯磨きを拒否したりすることで、うまく歯磨きができず、虫歯のリスクが高まることがあります。

甘い食べ物や飲み物を口にすることが多い

虫歯の原因となる菌は糖をエサにするため、お菓子やジュースなどの甘いものを口にする機会が多いこどもは、虫歯のリスクを高めるといわれています。

特に、時間を決めずにダラダラとお菓子を食べる習慣がある場合は注意しましょう。虫歯菌が好む口内環境が続くため、さらに虫歯になる確率が高くなるのです。

口呼吸している

口呼吸していると、唾液の分泌が少なくなるため、虫歯になりやすくなります。

口を閉じて鼻で呼吸することで、埃や細菌などをそのまま吸い込まないようになっているため、鼻呼吸が理想の呼吸方法です。唾液には口内の汚れを洗い流す作用や抗菌作用がありますが、唾液の分泌が減ることで、虫歯の原因となる菌が繁殖しやすくなるのです。

歯並びが悪い

歯並びが悪く、歯と歯が重なっている部分があることで、歯ブラシだけでは十分に磨けない場合があります。歯が被さっている状態のため、虫歯があっても発見しにくい場合もあるでしょう。

また、噛み合わせが悪いと、口がうまく閉じられず、口呼吸になってしまう可能性もあるのです。

こどもの虫歯の特徴

虫歯治療をあらわすイメージ

こどもの虫歯の特徴は、以下のとおりです。

・虫歯になりやすく、進行が早い

・乳歯の虫歯は白く濁る

・年齢によって虫歯ができやすい場所が異なる

以下、それぞれ解説します。

虫歯になりやすく、進行が早い

こどもの歯は、永久歯に比べて「エナメル質」という歯の表面にある層が柔らかく薄いため、虫歯になりやすいです。乳歯の場合は、エナメル質やエナメル質の奥にある象牙質(ぞうげしつ)という部分の厚みが永久歯の半分しかないため、虫歯が一気に神経まで到達する可能性が高くなります。

乳歯の虫歯は白くにごる

永久歯が虫歯になると黒くなりますが、乳歯の場合は白くにごります。虫歯以外の理由でも歯が白くにごることがあるため、白くにごるからといって必ずしも虫歯とは限りませんが、虫歯になっている可能性もあります。

白色の場合、虫歯が見えにくく気づきにくいです。また、乳歯の虫歯は痛みをあまり感じないまま進行していくことがあります。虫歯に気づかないお子さまや、痛みをうまく伝えられないお子さまもいらっしゃるため、気づいたときには虫歯がかなり進行している場合があるでしょう。

年齢によって虫歯ができやすい場所が異なる

こどもの歯は、年齢によって虫歯ができやすい場所が異なります。年齢ごとの虫歯ができやすい場所は、以下のとおりです。

2歳ごろまでの虫歯ができやすい場所:上の前歯

2歳頃までは、哺乳瓶を使ったり、かじるようにして食事をしたりすることが多いため、上の前歯が虫歯になりやすいです。

特に、前歯の裏側は歯ブラシがあてづらく、見えにくい場所のため、虫歯ができていても気づかないことがあります。

2〜5歳ごろの虫歯ができやすい場所:奥歯

2、3歳ごろからは、少しずつ奥歯を使って食事ができるようになります。

汚れが溜まりやすく溝がある奥歯は、歯ブラシの毛先が届きにくいため、虫歯になりやすいでしょう。

6歳以降の虫歯ができやすい場所:6歳臼歯

6歳ごろからは、永久歯が生え始めます。6歳以降で最も虫歯になりやすいのは、6歳臼歯とよばれる歯です。6歳臼歯は、永久歯の中で最も早く生えてくる歯で、前から数えて6番目にあたる歯のことを指します。

6歳臼歯の生え始めは最も奥にあり、手前の乳歯のほうが背が高いため、歯ブラシが届きにくいです。また、6歳臼歯は、噛み合わせの面の溝が深いため、磨き残しが発生しやすい歯といえます。

虫歯になる原因

原因と結果

虫歯になる4つの原因は、以下のとおりです。

・歯の質

・細菌(微生物)

・糖質

・時間

以下、それぞれ解説します。

歯の質というのは、歯を構成するエナメル質や象牙質の状態のことを指します。大人の永久歯に比べ、乳歯や生えたばかりの永久歯は、エナメル質や象牙質がまだしっかり形成されていないため、柔らかく薄い状態です。そのため、虫歯になりやすい環境といえます。成長するにつれ、少しずつ歯が硬くなっていくため、大人の歯よりも歯の質が未熟であるこどものほうが虫歯になりやすいのです。

虫歯の原因となる細菌は、食材などに含まれる糖分を餌にして増え、ねばねばした物質をだすことでプラークを作り出します。その状態で時間が経つと、プラークの中で虫歯菌が酸を作り、エナメル質が酸によって溶かされることで歯に穴があき、虫歯になります。これが虫歯になるメカニズムです。

一般的には、食べ物や飲み物を口にすることで口内が酸に傾きますが、唾液の働きで中性に戻すことができます。

しかし、ダラダラと時間を決めずに甘いものを摂取すると、唾液の働きが間に合わず、口内が酸性になっている時間が多くなり、虫歯になる可能性が高まるでしょう。

小児歯科で行う虫歯予防

歯ブラシと歯磨き粉がおいてある

一度虫歯になってしまうと、歯を削ったり通院したりする場合があり、小さなお子さまにとってストレスになる可能性があります。虫歯予防をしっかりしておけば、歯の健康が守られるだけでなく、治療が必要ないため歯科医院への怖いイメージをもちにくいメリットもあります。

小児歯科で行う虫歯の予防方法は、以下のとおりです。

・歯のクリーニングやブラッシング指導

・フッ素の利用

・シーラントの利用

以下、それぞれ解説します。

歯のクリーニングやブラッシング指導

定期的に歯のクリーニングをすることで、歯ブラシでは落としきれない汚れを落とすことができます。プロに口内をチェックしてもらうことで、虫歯の早期発見にもつながります。

また、仕上げ磨きを含め、きちんと歯が磨けているかどうか不安な場合は、ご自宅で正しい歯磨きができるようにブラッシング指導をしてもらうことも可能です。

フッ素の利用

フッ素とはミネラルの一種で、自然界にも存在し、骨や歯のために必要な栄養素です。フッ素を利用して期待される効果は、以下のとおりです。

・歯の質の強化

・酸の産生の抑制

こどもの歯は歯の質が弱く、虫歯になりやすいため、フッ素によって歯の質を強化することで、虫歯になりにくい歯をつくる効果が期待できます。また、フッ素は虫歯の原因となる細菌を弱らせ、細菌が産生する酸を抑制できるといわれています。

歯の質が弱いこどもの時期に歯科医院でフッ素を塗布してもらうことで、虫歯予防できる可能性が高まるでしょう。

シーラントの利用

歯科医院でできるこどもの虫歯予防に「シーラント」とよばれる処置があります。

シーラントは、奥歯の溝を埋めることで食べかすが溝に入り込みにくくし、虫歯の発生を予防する目的で行われます。

ご自宅で行う虫歯予防

こどもを見守る親

歯科医院で虫歯予防をしても完全に虫歯を防げるわけではありません。ご自宅での毎日のケアや生活習慣を見直すことで、さらに虫歯のリスクを減らすことができるでしょう。ご自宅で行う虫歯予防は、以下のとおりです。

・食後の歯磨きを徹底する

・バランスのよい食事を心がける

・間食の時間を決める

以下、それぞれ解説します。

食後の歯磨きを徹底する

虫歯予防には食後の歯磨きが欠かせません。食後にしっかり歯を磨くことで菌の繁殖を最小限に防ぐことができます。小さなお子さまは隅々まできれいに磨くことが難しいため、仕上げ磨きをすることで、さらに口内を清潔に保てます。

また、フロスや部分用ブラシなどのアイテムを使うことで、細かい汚れも落とすことができるでしょう。

バランスのよい食事を心がける

糖を含むような甘い食べ物を口にする機会が多いと、虫歯のリスクを高めます。食事はバランスよく食べましょう。

間食をひかえるのが難しい場合は、チョコレートや飴などの糖を多く含む食べ物の代わりに、チーズやさつまいもにするなど、甘すぎないものに変えたり、頻度を減らしたりすることも効果的です。

間食の時間を決める

間食の時間を決めることなく、一日に何度も甘い食べ物や飲み物を口にしていると、唾液がもつ口内を中性に保つ作用が働きにくくなり、細菌が繁殖しやすい環境を作り出します。

間食するときはしっかり時間を決め、ダラダラ食べないようにしましょう。

まとめ

ポイントをまとめる女の子

今回は、こどもの虫歯予防について解説しました。虫歯になりやすいこどもの特徴や虫歯ができてしまう原因を知ると、小児歯科やご自宅で行う虫歯予防が重要かご理解いただけるかと思います。

一度虫歯になってしまうと、虫歯の痛みや歯科医院での虫歯治療は、こどもにとって大きなストレスやトラウマになることが予想されます。しっかり虫歯予防を行い、お子さまの大切な歯を守ってあげましょう。

お子さまの虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

仕上げ磨きのやり方とコツをわかりやすく解説!

2023年7月14日
仕上げ磨きをしている母親とこども

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

こどもの歯は虫歯になりやすいため、仕上げ磨きが重要となります。また、こどもの口腔内は乳歯と永久歯が混在しており、磨き残しが発生しやすいことを理解しなければなりません。保護者の方は正しい仕上げ磨きの方法を習得し、こどもの虫歯を予防する必要があります。

今回は、仕上げ磨きのやり方とコツについて、わかりやすく解説します。

仕上げ磨きが重要な理由

重要なポイント

生えたばかりの永久歯は、特性上、虫歯のリスクが高くなります。

生えたての永久歯は表面が粗く、歯垢が付きやすい状態です。また、歯質が未熟であり、酸への抵抗力が低いため、食べ物や飲み物の酸、特に菌が生成する酸によってエナメル質が溶けやすいのです。

さらに、新しく生えてきた歯は周囲の歯との関係で歯並びが凸凹し、凸凹したすき間が歯磨きの際に磨き残しが生じやすい状況を作り出します。

複雑な歯並びだけでなく、こどもは自分一人で完全に歯を磨き上げるのが難しいのも理由のひとつです。こどもは大人のように、歯ブラシをあてる角度や磨く力などの調整が困難です。そのため、こども自身が磨ききれない部分を大人が仕上げることで、虫歯のリスクを大幅に下げることが可能となります。

したがって、こどもの歯を虫歯から守るためには、仕上げ磨きが極めて重要です。保護者の方は、こどもが自分で磨いたあとにしっかり仕上げ磨きを行い、永久歯が虫歯にならないように注意を払わなければなりません。

仕上げ磨きは何歳まで?

クエスチョンマーク

仕上げ磨きは、10歳まで行うことが推奨されています。この時期になると、こどもは自分で歯磨きができる能力があります。

特に心配な場合やこどもが自分で歯磨きすることを嫌がる場合、第二大臼歯が生え揃う12歳頃まで仕上げ磨きを続けることもひとつの選択肢です。仕上げ磨きが難しいと感じたら、歯科医院に相談しましょう。

歯磨きの確認方法としては、赤ちゃんの場合は虫歯のチェック、少し大きい子では染め出しを行うことがあります。これは歯磨きが十分に行われているか、どの部分が磨き残しとなっているかを視覚的に確認する方法で、こども自身も理解しやすいのが特徴です。

仕上げ磨きの姿勢

3人のこどもが並んでいる

こどもの口腔内をしっかり観察し、安全かつ効果的に歯磨きを行うためには、保護者がこどものうしろから磨くのが理想的です。特に、こどもを保護者のひざの上に寝かせるか、保護者がこどものうしろから抱きしめるようにして、こどもの頭をお腹や脇で固定するのがよいでしょう。

こどもがまだ小さく、立つのが困難な場合や小さな赤ちゃんの場合は、ひざの上に寝かせて磨きましょう。この姿勢は安定感があり、また保護者が歯磨きを行いやすい状態を作ることができます。

こどもが一人で立っていられるようになったら、こどもを立たせて磨くのがよいでしょう。立った状態での歯磨きは、唾液や歯磨き剤を飲み込むのを防ぐ効果があります。また、自分で立つことで、こども自身が歯磨きを行う練習にもつながります。

こどもの成長や状況に応じて、最適な姿勢を選択してください。

仕上げ磨きのやり方

2人のこどもが歯磨きをしている

仕上げ磨きのポイントは「見える」ところだけでなく「見えない」歯の裏側や、歯と歯の間もしっかり磨くことです。また、力を入れすぎて歯茎を傷つけないよう、ソフトなブラッシングを心がけましょう。

こどもを寝かせる

まず、こどもの頭を保護者の膝に寝かせ、頭を安定させましょう。

こどもの口腔内をよく見ることができ、安全に歯磨きが行えます。先述したように、立った状態でも構いません。

歯ブラシで磨く

歯ブラシは小刻みに動かしましょう。

一度に磨く範囲は1~2本が目安です。歯の表面に対して垂直に歯ブラシをあてて、歯面を磨きます。歯周ポケットを磨くには、歯と歯茎の境目に対して45度の角度で歯ブラシをあててブラッシングしましょう。

毎回同じ場所から始め、全ての歯を磨き終えるまで同じ順序で磨きます。これにより、磨き残しが少なくなります。歯の内側も忘れずに磨きましょう。特に、前歯の内側は磨きにくいため、歯ブラシを縦にもちかえて磨くことをおすすめします。

デンタルフロスや歯間ブラシで磨く

歯と歯の間の汚れは、歯ブラシだけでは落としきれない場合があります。

歯間の広さに合わせて、デンタルフロスや歯間ブラシを使用して磨きましょう。

仕上げ磨きのコツ

キーポイントをあらわす付箋

歯磨きを習慣化させるためには、こどものストレスを最小限におさえることが重要です。以下、仕上げ磨きのコツについてご紹介します。

素早く行う

歯磨きは毎日行うため、長引くとこどものストレスにつながります。特に、仕上げ磨きは、こどもが一度磨き終えたあとに行われるため、早く終わらせることでこどもの負担を軽減し、協力を得やすくなります。

ただし、素早く行うことが重要だからといって、手を抜くわけではありません。時間をかけずに丁寧に磨くことが求められます。

毎日の磨き方や順番を定めて磨くことで、素早さと丁寧さを両立させましょう。こどもが安心感をもって歯磨きに臨めるよう、環境作りも忘れずに行うことが大切です。

歌う・楽しい話をする

歯磨きは毎日繰り返す作業であり、こどもにとっては面倒な作業となりがちです。そのため、歌う・楽しい話をするなどして、歯磨きの時間を楽しいものにすることが重要です。

歯磨きの間にお気に入りの歌を歌うことや、歯磨き専用の歌を作って一緒に歌うことで、歯磨きの時間が楽しくなります。歌は時間を計る役割も果たし、どれくらい磨けばよいのかをこどもに理解させる手助けとなるでしょう。

また、歯磨き中に楽しい話をすることでこどもの注意をそらし、歯磨きが苦にならないようにします。ほかには、今日あった出来事を話すことで、コミュニケーションの時間としても活用できるでしょう。

仕上げ磨きの時間を楽しいものに変えることで、こどもの歯磨きに対する抵抗感を軽減し、長期的な口腔ケアの習慣を身につけさせることができるのです。

好きなキャラクターの歯ブラシや好きな味の歯磨き粉を使う

好きなキャラクターの歯ブラシを使うことで、こどもは歯磨きの時間を待ち望むようになるかもしれません。お気に入りのキャラクターが描かれていると、キャラクターを見るたびに歯磨きにポジティブな印象をもち、自発的に歯磨きを始めるきっかけとなるでしょう。

また、好きな味の歯磨き粉を選ぶことも重要です。こどもは味覚が敏感なため、好きな味の歯磨き粉を使うことで歯磨きに対する抵抗感を減らすことができます。ストロベリーやオレンジ、グレープなど、こども向けの味付き歯磨き粉は多く存在します。

しかし、歯磨き粉を選ぶ際はフッ素量を確認し、こども用のものを選んでください。フッ素は虫歯予防に効果的ですが、過剰摂取は体に悪影響をおよぼすため注意が必要です。

痛みを与えないよう優しく磨く

強く磨かれると痛みを伴うことがあるため、仕上げ磨きの際は力を入れすぎず、歯ブラシの毛先が歯や歯茎に優しく触れる程度にしましょう。

歯磨きの目的は、歯垢を取り除くことであり、力を入れて行うものではありません。また、歯ブラシを歯茎に押し付けると、歯茎が傷ついてしまう可能性があります。

機嫌が悪いときは無理に行わない

こどもの仕上げ磨きは、虫歯予防のために重要な役割を果たしますが、こどもの機嫌が悪いときに無理に行うことはよくありません。こどもが疲れているときや機嫌が悪いときに歯磨きを強制すると、歯磨き自体を嫌がるようになることがあります。これは、歯磨きを日々のルーチンとして習慣づけるうえで逆効果となる可能性があります。

こどもの機嫌や状態を見極め、その日の状況に応じて歯磨きの時間を調整することが大切です。こどもの機嫌がよく、リラックスした状態のときに歯磨きを行うことで、こどもは歯磨きを楽しい経験としてとらえることができるでしょう。

先述したように、無理に磨くと歯や歯茎を傷つける可能性もあります。歯磨きは、あくまでも口腔内を清潔に保つためであり、痛みやストレスを伴ってはいけません。こどもの感情を尊重し、配慮しながら歯磨きを行うことが、健康な口腔環境を維持するうえで重要といえるでしょう。

仕上げ磨き後はたくさん褒める

こどもの行動は、大人からのフィードバックに大きく影響を受けます。

歯磨きが終わったあとに「よくできたね」「偉いね」「歯がきれいになったね」などと褒めることで、こどもは自己肯定感を得ることができるでしょう。自己肯定感は、歯磨きを継続するうえで大きなモチベーションにつながります。

さらに、褒められることによってこどもは喜びを感じ、歯磨きに対するポジティブな印象をもつことができます。結果的に、歯磨きに抵抗感をもつことなく、積極的に行うようになるでしょう。

また、褒めることによって親子の絆も深まります。こどもは、親からの賞賛から自己価値を高め、安心感を得ることができるでしょう。

まとめ

ポイントをまとめるこども

仕上げ磨きは虫歯予防に欠かせません。生えたばかりの永久歯は、歯質が弱く虫歯菌への抵抗力が低いです。虫歯は進行すると痛みを伴うこともあり、場合によっては、歯並びに影響を与えることもあるでしょう。

仕上げ磨きは10歳頃まで行うのが推奨されています。乳歯や永久歯が混在するこどもの口腔内は、凸凹した歯並びとなっているため、磨き残しが発生しやすくなります。保護者の方は、正しい歯磨きの方法を知り、丁寧に仕上げ磨きを行ってください。

仕上げ磨きは、将来のこどもの歯磨きの習慣にも大きく影響します。仕上げ磨きが難しい場合や、磨き方が合っているかどうか不安な場合は、一度歯科医院へ相談するとよいでしょう。

こどもの虫歯や仕上げ磨きでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

乳歯が生え変わるタイミングと注意点|永久歯への移行期について

2023年5月25日
こどもの歯が生え変わりで抜けている

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「乳歯はいつ生え変わるのだろう」と疑問を感じた方はいらっしゃいませんか。お子さまの乳歯が永久歯に生え変わりできているのか、不安を感じている親御さまも多いと思います。

本記事では、乳歯と永久歯の萌出時期や生え変わる時期・生え変わりの際に起こるトラブルと対処法について解説します。乳歯の生え変わりに疑問を感じていらっしゃる方は、ぜひ参考にしてください。

乳歯の数と生える順番

自分の歯を指さすこども

乳歯は生後6か月ごろに生えはじめ、3歳ごろまでに上下で20本の歯が生えそろいます。乳歯が生える目安は、以下のとおりです。

<乳歯の萌出時期の目安>

上の歯 萌出時期
乳中切歯 8~11か月
乳惻切歯 11~12か月
乳犬歯 1.8歳
第一乳臼歯 1.6歳
第二乳臼歯 2歳

 

下の歯 萌出時期
乳中切歯 6~7か月
乳惻切歯 10~11か月
乳犬歯 1.8歳
第一乳臼歯 1.6歳
第二乳臼歯 2歳

 

乳歯は生後6か月ごろに下の前歯から生えはじめるのが一般的です。その後、下の前歯と上の前歯が2本ずつ生え始め、前歯が4本生えそろいます。乳歯が生えそろう順番は、乳中切歯→乳側切歯→乳犬歯〜のように、表の上から順番に生えそろう場合が多いでしょう。

しかし、上記はあくまでも目安で、生える順番や時期は個人差があります。半年程度のずれであれば神経質になる必要はありません。1歳を過ぎても歯が生えない、萌出目安から1年以上経っても歯が生えてくる様子がない場合は、歯科医院を受診して確認してもらいましょう。

永久歯の数と生える順番

こどもが笑顔でこちらをみている

永久歯は6歳ごろに下の第一大臼歯(6歳臼歯)が生えはじめ、14歳ごろまでに上下で28本の歯が生えそろうのが一般的です。第三大臼歯(親知らず)は、生まれつき欠損している場合や萌出スペースが足りずに生えてこない場合が多くみられます。第三大臼歯まで生えそろった場合、永久歯は全部で32本となります。

永久歯が生える目安は、以下のとおりです。

<永久歯の萌出時期の目安>

上の歯 萌出時期
1.中切歯 7〜8歳
2.側切歯 8〜9歳
3.犬歯 11〜12歳
4.第一小臼歯 10〜11歳
5.第二小臼歯 10〜12歳
6.第一大臼歯 6〜7歳
7.第二大臼歯 12〜13歳
8.第三大臼歯 17〜21歳

 

下の歯 萌出時期
1.中切歯 6〜7歳
2.側切歯 7〜8歳
3.犬歯 9〜10歳
4.第一小臼歯 10〜12歳
5.第二小臼歯 11〜12歳
6.第一大臼歯 6〜7歳
7.第二大臼歯 11〜13歳
8.第三大臼歯 17〜21歳

 

6歳前後で下の乳中切歯が抜けて永久歯に生え変わり、第一大臼歯が生えはじめます。7歳ごろに上の前歯が生え変わり、順番に永久歯へ生え変わるのが一般的です。永久歯は、6→1→2→3→4→5→7→8の順番で生えそろうケースが多いでしょう。

ただし、乳歯と同様に歯が萌出する時期や順番は個人差が大きいため、順調に生え変わっている場合は順番を心配する必要はありません。

生え変わりの時期

砂時計が落ちる様子

乳歯が抜ける時期には個人差がありますが、6歳前後から12歳くらいまでに乳歯から永久歯へ生え変わります。

はじめに、下の乳中切歯が抜けて中切歯へ生え変わり、ほぼ同じ時期に奥歯の第一大臼歯(6歳臼歯)が生えるのが一般的です。8〜9歳ごろには、乳臼歯が小臼歯へと生え変わり、11歳ごろから上下の奥歯が生えはじめるでしょう。

なお、大臼歯は乳歯では存在せず、永久歯ではじめて生える歯となります。14歳前後で第二大臼歯までの28本の歯が生えそろうでしょう。

ただし、歯の生え変わりには個人差があります。永久歯は2年前後の差があっても問題ないので、多少の遅れは心配いりません。生え方に左右差がある場合や乳歯が抜けたのに永久歯が生える兆候がない場合は歯科医院に相談しましょう。

生え変わりのサインと注意点

拡声器で警告している

乳歯から永久歯に生え変わるサインは「歯がグラグラ揺れる」ことです。

永久歯への生え変わりが近くなると、永久歯は萌出の準備を始め、乳歯の歯の根は溶けはじめます。乳歯の歯の根が徐々に溶けていくと、歯がグラグラ揺れはじめ、根が完全に溶けてなくなると乳歯は抜け落ち、後続の永久歯が萌出します。

歯が揺れるので、食事など物を噛んだときに痛みがともなう場合もあるでしょう。お子さまが「歯がグラグラしてきた」「歯がグラグラ揺れて痛い」などと訴えたら、生え変わりが近いサインです。

生え変わりの時期に注意すべき3つの主なポイントは、以下のとおりです。

・乳歯の虫歯は早めに治療する

・虫歯にならないように予防する

・口内に異常がないか観察する

以下、それぞれ解説します。

乳歯の虫歯は早めに治療する

「乳歯は永久歯に生え変わるから虫歯になっても大丈夫」と判断して虫歯を放置すると、永久歯にも悪影響をおよぼします。乳歯の虫歯が歯の根まで到達すると、歯の根の下にある後続の永久歯に形成不全や変色などのトラブルが起きるリスクが高くなるでしょう。

また、虫歯で早期に乳歯を失った場合、周囲の乳歯が傾くことや伸びることがあるため、永久歯の歯並びにも悪影響が出る可能性があります。永久歯を守るためにも乳歯の虫歯は早めに治療しましょう。

虫歯にならないように予防する

生えたての永久歯は虫歯リスクが高く注意が必要です。歯の質が弱いため、虫歯菌の出す酸に溶けやすい特徴があります。

また、大臼歯については歯の溝が深く複雑なため、溝の部分に汚れが残りやすいです。虫歯予防は、毎日の歯磨きで虫歯菌の数を減らすことはもちろんですが、予防処置を積極的に活用するとよいでしょう。

歯科医院で高濃度フッ素を塗布する、大臼歯にシーラントを施術することで、歯の質が強くなり、虫歯になりにくい環境を整えることができます。乳歯と永久歯が混在する時期は、歯ブラシがあてにくく磨き残しが出やすいため、かならず仕上げ磨きを行いましょう。

口内に異常がないか観察する

乳歯がグラグラしている時期や乳歯が抜けたあとは、仕上げ磨きの際などに口内をよく観察しましょう。

永久歯が萌出しているのに乳歯が抜けない、永久歯が生えてこない、歯肉炎になっているなどのトラブルが起きやすい時期となります。トラブルや気になることがあったら早めに歯科医院で確認してもらうことが大切です。

生え変わりに関連するトラブルと対処法

積み木が倒れるのを手で防いでいる

乳歯から永久歯に生え変わる際、ごくまれにトラブルが起きるケースがあります。永久歯の萌出に影響が出る可能性や先天性の疾患がある可能性があるので、トラブルが起きた際は早めに歯科医院を受診してチェックしてもらいましょう。

生え変わりの時期に起こる3つの主なトラブルは、以下のとおりです。

・乳歯が抜けない

・永久歯が萌出しない

・永久歯の数が多い

以下、それぞれ解説します。

乳歯が抜けない

乳歯が抜ける前に永久歯が生えてしまうケースがあります。

乳歯が抜ける様子がなく永久歯が萌出している場合は、歯並びに悪影響をおよぼすリスクが高いです。歯科医院を受診して、経過観察でいいのか抜歯する必要があるのか、確認してもらいましょう。

また、まれに歯の生え変わりの時期を大きく過ぎても乳歯が抜けないケースがあります。思春期を過ぎても乳歯が抜けない場合「先天性欠損歯」である可能性が高いです。先天性欠損歯は、何らかの理由で永久歯が生まれつきない状態をさします。

歯並びや噛み合わせに問題が生じる場合は、乳歯を抜歯して、部分入れ歯やブリッジなどの治療が必要になることもあります。先天性欠損歯はレントゲン撮影で確認できるので、思春期を過ぎても乳歯が残っている場合は歯科医院で確認してもらいましょう。

永久歯が萌出しない

乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこない場合、埋伏歯の可能性があります。

埋伏歯とは、永久歯の生えるスペースが不足しているなどの理由から、歯がうまく萌出できずにいる状態をさします。埋伏歯は、ゆっくり時間をかけて萌出する場合もあるため、状態によっては経過観察となることもあるでしょう。

しかし、自然に萌出することが難しいと診断された場合は、歯茎の切開や矯正装置を装着して引っ張り出す処置が必要です。永久歯の状態はレントゲン撮影で確認できるので、永久歯がなかなか萌出しない場合は歯科医院で確認してもらいましょう。

永久歯の数が多い

永久歯は通常28本で、親知らずを加えると32本生えてきます。

しかし、まれに通常の本数よりも歯が多く形成される過剰歯がある方がいらっしゃいます。過剰歯は顎の骨に埋まっている場合や萌出している場合などさまざまです。

過剰歯がほかの永久歯の萌出や歯並びに影響している場合は抜歯する必要があります。周囲の歯や歯並びに悪影響がなければ経過観察となる場合が多いでしょう。

まとめ

ポイントを指さすこども

乳歯は生後6か月前後から生えはじめ、上下合わせて20本生えそろいます。永久歯は上下合わせて28本、親知らずも含めると32本の歯が生えそろい、6歳前後に第一大臼歯の萌出からはじまります。歯の萌出時期や順番は個人差が大きく、半年程度の誤差は心配する必要はありません。

ただし、乳歯が抜ける前に永久歯が萌出している、乳歯が思春期を過ぎても残っている、永久歯が萌出しないなどのトラブルがある際は、早めに歯科医院で確認してもらいましょう。

また、歯科医院の定期検診を受けていれば生え変わりの異常を早い段階で見つけることができます。お子さまの口内の健康を維持するためにも定期的に歯科医院で確認してもらいましょう。

乳歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

乳歯の歯並びが気になる!原因と対処法について解説!

2023年3月20日
歯を出して笑っている赤ちゃん

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「保育園や学校の歯科検診で、歯並びや咬合の項目にチェックが付いていた」「自分の歯並びが悪いのでこどもに遺伝するのでは……」「矯正は、いつからしないといけないの?」など、こどもの歯並びについて気になっている方も多いのではないでしょうか。

今回は、乳歯の歯並びが悪くなる原因や対処法を解説したいと思います。

乳歯の歯並びが悪いことによる影響

下の前歯に隙間があるこども

乳歯の歯並びが悪いと、以下のような影響があります。

永久歯に影響が出る

乳歯の歯並びが悪いと、永久歯の生え代わりにも影響が出ることがあります。

生まれつき歯の本数が足りない先天性欠如や、隣同士の歯がくっついている癒合歯がある場合も注意が必要です。

虫歯・歯周病の原因になる

歯並びが悪いと、歯がデコボコしています。歯磨きをしても磨き残しが多くなり、虫歯や歯周病のリスクが上がります。

滑舌が悪くなる

出っ歯、受け口、すきっ歯などのこどもは、すき間から息が漏れてしまい、正確な発音が難しくなってしまいます。

顎関節症になりやすい

噛み合わせのバランスが悪くなると、口周りの筋肉の発達に影響し、顎関節症発生のリスクが上がります。

乳歯の歯並びが悪いケースと対処法

ピンクと黄色と青色の服を着たこども3人が座って歯ブラシをしている

出っ歯(上顎前突)の場合

顔を横から見たときに、上の前歯が前方に飛び出た状態の歯を「出っ歯(上顎前突)」といいます。

乳歯の出っ歯の場合はすぐに治療はせず、永久歯が生えてきてからの治療になることが多いため、6歳頃には歯科医院へ相談し治療するのがよいでしょう。また、指しゃぶり、口呼吸、舌で歯を押してしまう癖(舌癖)があると出っ歯の原因になるので、こどもの癖は治すことをおすすめします。。

受け口(反対咬合・下顎前突)の場合

下の前歯が上の前歯より出ている噛み合わせのことを「受け口(反対咬合・下顎前突)」といいます。

受け口の場合、骨格に問題があることが多く、そのままにしておくと将来骨格を手術する治療が必要となる場合があります。3~5歳の早いうちから歯科医院へ相談し治療しましょう。

すきっ歯の場合

歯と歯の間にすき間があることを「すきっ歯」といいます。

乳歯の場合、このすき間は永久歯が生えてくるためのスペースになるため、とても重要です。乳歯がすきっ歯の場合は、永久歯に生え変わっていくうちに解消されることが多いので、定期的に歯科検診を受けて様子を見てください。

逆に、乳歯がすき間なくぎゅうぎゅうに生えている場合は、永久歯が生えてくる場所がないため注意が必要です。

前歯が斜め(ハの字)に生えている場合

乳歯の前歯が斜めやハの字に生えているケースはよくみられます。

斜めなので「歯並びが悪いのでは……」と思うかもしれませんが、顎の発達が進むにつれて、次第に改善されることがほとんどです。定期的に歯科検診を受けて様子を見てください。

乳歯の歯並びが悪くなる原因と予防法

指をくわえながら仰向きで笑顔で寝そべる赤ちゃん

こどもの歯並びが悪くなる原因は、遺伝、日常の癖、生活習慣など、さまざまあります。

ここでは、ふだんの生活で、どのようなことが歯並びを悪くする要因になるのか、そしてどのような予防ができるのかを一つひとつ解説していきます。

指しゃぶりをしている

2歳頃までの指しゃぶりは歯並びに影響がないといわれていますが、3歳を過ぎても指しゃぶりをしているこどもは注意が必要です。

指しゃぶりは、指を吸うことで上の前歯の裏側に強い圧がかかり、前歯が前に出てきてしまう出っ歯(上顎前突)や開咬の原因になります。5歳を過ぎても指しゃぶりをしていると、骨格にも影響が出てしまうので、注意が必要です。

指しゃぶりを止めさせたくて怒ってしまうご両親もいると思いますが、怒ると逆効果の場合があります。無理に止めさせるのではなく、なぜ指しゃぶりをしてしまうのか、なぜ指しゃぶりはダメなのかなど、こどもと一緒に考えて優しく寄り添いましょう。指しゃぶりをしなかったときは褒めてあげてください。指しゃぶり防止グッズを活用するのも効果的です。

口呼吸をしている

鼻呼吸と口呼吸をしてみると、それぞれ舌の位置が異なります。この舌の位置は、歯並びに非常に関係しています。

鼻呼吸のときは、舌先が前歯の裏側あたりにあり、全体が上顎にくっついている状態です。この位置にあることで唇や口周りの筋肉とのバランスを取り、歯並びを形成していきます。

一方、口呼吸のときは、舌は下の歯の方へ下がっていき、唇や口周りの筋肉のバランスが崩れてしまいます。筋肉のバランスが崩れると、歯並びがガタガタになる叢生や出っ歯(上顎前突)、開咬の原因になります。

また、口呼吸のこどもは鼻炎を抱えていることが多いです。鼻炎が治らなければ鼻呼吸はできませんので、耳鼻咽喉科で鼻炎の治療を受けましょう。寝るときに鼻呼吸になるよう、市販で売られているテープを口に貼り、鼻呼吸を促すのも効果的です。さらに、左右の歯でよく噛んで食べることや、「あー」「いー」「うー」と口を大きく動かし、舌をべーっと突き出すあいうべ体操などで、舌や口周りの筋肉を鍛えてあげましょう。

頬杖をつく

頬杖をつくと、顎や歯の一部に大きな力が加わり続け、顎が変形し、歯並びが悪くなってしまう原因になります。寝ころびながら頬杖をつくこどもが多いので気を付けましょう。姿勢よく椅子に座っていられるよう習慣づけることが大切です。

舌癖がある

無意識のうちに舌で歯を押している、上下の歯の間から舌を出している状態を「舌癖」と言います。舌で歯を押し続けていることで出っ歯(上顎前突)や受け口(下顎前突)の原因になり、歯と歯の間から舌を出していると開咬の原因になります。

正しい舌の位置は、舌先が前歯の裏側あたりにあり、全体が上顎にくっついている状態です。まずはその位置に舌を持っていくよう教えてあげましょう。「あー」「いー」「うー」と口を大きく動かし、舌をべーっと突き出す「あいうべ体操」や、口を大きく開けて舌先で唇をなぞるといったトレーニングで、舌や口周りの筋肉を鍛えてあげましょう。

爪や唇を噛む

爪や唇を噛む癖も、指しゃぶりと同じような影響があり、出っ歯(上顎前突)や受け口(下顎前突)の原因になります。どちらも精神的な要因が考えられるため、こどもに不安やストレスがないか把握しましょう。

無理に止めさせるのではなく、なぜ爪や唇を噛んでしまうのか、なぜダメなのかなど、こどもと一緒に考え、怒らずに優しく寄り添ってあげてください。爪を短く切っておくことや、苦みのあるマニキュアを塗ることも効果的です。

こどもの歯並びは遺伝するのか?

歯を出して笑っている両親と息子

結論からいうと歯並びは遺伝します。

ただし、ご両親が出っ歯だからこどもも出っ歯になるというわけではありません。ご両親の骨格や顎の大きさ、顔のバランス、歯の形や大きさなどが遺伝するといわれており、歯並びを形成するための要因が似ているため、同じような歯並びになりやすいのです。

歯並びは、遺伝はもちろんですが、生活習慣も大きく関わっています。ご両親の歯並びがきれいでも、こどもの何気ない癖で歯並びが悪くなることもあるので、注意しましょう。

歯列矯正が必要な歯並び

歯科でシリコンを使って歯型を取っている男の子

さまざまな歯並びがあるなかで、どのような歯並びだと矯正が必要になってくるのでしょうか。詳しく解説していきます。

出っ歯(上顎前突)

顔を横から見たときに、上の前歯が前方に飛び出た状態の歯を「出っ歯(上顎前突)」といいます。

出っ歯は、前歯でうまくご飯が噛み切れず、横の歯で嚙み切ろうとしてしまい、噛み合わせが悪くなります。また、前歯が出ていることで唇や口の中が乾燥し、口臭、虫歯や歯周病のリスクが上がります。

出っ歯の場合、歯の生え代わりの時期である6歳頃には歯科医院へ相談し、治療しましょう。

受け口(下顎前突)

下の前歯が上の前歯より出ている噛み合わせのことを「受け口(反対咬合・下顎前突)」といいます。

受け口は、咀嚼がうまく行えず、顎関節症になるリスクが上がり、体のバランスや成長に大きく影響するほか、言葉の発音に影響することもあります。

受け口の場合、骨格に問題があることが多く、そのままにしておくと将来骨格を手術する治療が必要な場合があるため、3~5歳の早いうちから歯科医院へ相談し、治療するのがよいでしょう。

叢生

歯がすき間なく生え、ガタガタしている歯並びを「叢生」といいます。

歯がガタガタしていることで歯磨きがしにくく、磨き残しが多くなってしまい、口臭や虫歯、歯周病のリスクが上がります。また、顎が小さいことで咀嚼がうまくできず、言葉の発音に影響することもあります。

叢生の場合、歯の生え代わりの時期である6歳頃には歯科医院へ相談し、治療するのがよいでしょう。

開咬

奥歯で噛みしめたときに、上下の前歯にすき間がある歯並びを「開咬」といいます。

すき間があるため、前歯で食べ物を噛み切ることができず、奥歯への負担も少なくありません。言葉の発音に影響する可能性があり、口の中が乾燥するため口臭や虫歯、歯周病のリスクが上がります。

開咬の場合、舌癖や指しゃぶりなどの癖が大きく関わっているため、3~5歳の早いうちから歯科医院へ相談し、治療するのがよいでしょう。

まとめ

歯科で歯ブラシと歯の模型を使って歯磨きの仕方を教えてもらっている女の子

こどもの歯並びは大きくなってからも関わる問題なので、心配されるご両親も多いでしょう。

ふだんの生活でこどもをよく観察し、歯並びが悪くなるような癖がないかを早期に見つけることが重要です。また、一人で悩むのではなく定期的に歯科検診を受けましょう。検診を定期的に受けていれば、こどもの成長時期にあった適切な対応を行えます。

乳歯の歯並びでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。