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歯と唾液の関係って?

2024年7月10日
歯と唾液の関係って?

みなさまこんにちは!

大阪府八尾市で60年以上の歴史を持つ、地域に根ざした歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」です。患者様一人ひとりの不安や疑問に寄り添い、丁寧な説明と質の高い治療を提供することで、皆様の口腔内健康を守ります。

当院では、患者様とのコミュニケーション不足という課題を解消するため、このブログを立ち上げました。 ブログを通じて、歯科に関する様々な情報を発信し、患者様との理解を深めていきます。ブログでは、歯に関する基本知識から、治療に関する疑問まで、幅広いトピックを取り扱っています。 専門的な情報も、分かりやすく丁寧な言葉で説明しているので、どなたでも安心して読むことができます。また、ご質問やご意見も受け付けておりますので、お気軽にお寄せください。 患者様からいただいたご意見は、ブログ記事の改善や、より良い歯科治療の提供に活かしていきます。八尾市で歯医者をお探しの方は、ぜひもりかわ歯科へご相談ください。 経験豊富な歯科医師とスタッフが、皆様の歯の健康をサポートいたします。

「歯と唾液の関係って?」の質問に全力回答!

今回は、「歯磨きは1日に何回してもいいの?」などの質問に対して全力でお答えしていきます!

唾液は歯に対してどんな効果があるのですか?

唾液は歯に対してどんな効果があるのですか?

唾液には大きく分けて5つの機能があります。

①消化作用

唾液に含まれる「アミラーゼ」という消化酵素が、お米やパンなどに含まれるデンプン質を糖に変え、体内に吸収しやすくします。これにより、胃での消化が助けられます。

②粘膜保護作用

唾液に含まれる「ムチン」という粘り気のあるタンパク質は、口の中の粘膜を保護する役割を担っています。硬いフランスパンやクッキーを食べても口の中が傷つきにくいのは、ムチンのおかげです。また、ムチンは食べ物を飲み込みやすい塊にする「食塊形成作用」も持っています。水分だけでは食べ物がまとまりにくく、慌てて飲み込むと、むせてしまうことがありますよね。ムチンがしっかりと働くと、食べ物がまとまりやすくなり、誤嚥を防いでくれるのです。

③粘膜修復作用

唾液には、傷を治す上皮成長因子(EGF)や脳神経の老化を防止する神経成長因子(NGF)などが含まれています。EGFはその作用からアンチエイジング効果があるとして化粧品にも使われており、動物が傷口をなめるのは抗菌作用に加え、組織修復を促進するためと考えられています。NGFは神経の分化や維持に関与しており、海外の研究ではアルツハイマー型認知症の治療への応用も進められています。

④抗菌作用

お口は空気や食べ物の入り口であり、常に外界の雑菌にさらされています。このため、唾液には細菌の増殖を抑える「抗菌作用」があります。この作用が十分に働かないと、虫歯や歯周病にかかりやすくなり、さらには口からの細菌感染により風邪をひいたり、気管支炎や肺炎を引き起こすこともあります。

⑤再石灰化作用

唾液には、虫歯菌により溶けかけた歯を修復し、強化する能力があります。唾液中にはカルシウムやリンが豊富に含まれており、これらの成分が弱った歯の部分を再石灰化させます。

唾液が出なくなってしまったら一体どうなってしまうの?

唾液の分泌量が減ることで起こるドライマウス

唾液の分泌量が減ることで起こるドライマウス

ドライマウスは、様々な要因によって唾液の分泌量が減少し、口の中が乾燥する状態を指します。糖尿病や腎不全といった病気が原因となることもあれば、ストレスや筋力低下、薬の副作用によって引き起こされることもあります。例えば、更年期障害の不定愁訴で抗うつ剤を服用し、その副作用でドライマウスになり、唾液が出ないことにストレスを感じてさらに症状が悪化することもあります。このように、複数の要因が複雑に絡み合ってドライマウスが発症するケースも少なくありません。

ドライマウスへの対処法

口の渇きという症状は同じでも、ドライマウスの原因は人それぞれです。

まずは、ドライマウスの根本的な原因を特定し、適切な治療を行うことが最善の対処法です。自己判断せず、歯科医院に相談して症状を伝えましょう。ストレス、アルコールの過剰摂取、カフェインや塩分の摂りすぎが原因の場合は、生活習慣の見直しから始めましょう。

乾燥が原因の場合は、マスクの着用や加湿器の使用が効果的です。こまめな水分補給や、ガム・飴を舐めることで唾液の分泌を促すことも、症状の緩和に繋がります。

ドライマウスは虫歯・歯周病のリスクを高めます

唾液の分泌量が減り、口の中が乾燥するドライマウス。唾液の減少は、虫歯や歯周病のリスクを高めることを覚えておきましょう。唾液には、口の中の歯垢や細菌を洗い流す役割があります。しかし、ドライマウスによって唾液が減ると、口の中の汚れが除去されにくくなり、細菌が増殖して虫歯や歯周病になりやすくなるのです。虫歯・歯周病予防のためにも、ドライマウスの症状が続く場合は、歯科医院を受診しましょう。

ドライマウスは虫歯・歯周病のリスクを高めます

唾液が出にくくなる原因は?

①薬の副作用

睡眠薬、精神安定薬(抗不安薬)、抗うつ薬(SSRI)、抗アレルギー薬(抗ヒスタミン剤など)、風邪薬(消炎酵素剤など)、花粉症の薬などは口の乾燥を引き起こします。また、胃酸を抑える胃薬、頻尿を抑える抗コリン薬、降圧剤、骨粗鬆症の薬、抗がん剤や免疫抑制剤にもドライマウスを引き起こすものがあります。ただし、自己判断で治療薬を中断しないでください。病気の治療が優先されるべき場合が多いため、必ず主治医と相談し、薬の減量や変更について助言を受けましょう。

②ストレス

ストレスを感じると口や喉が乾きます。人前で話す際に水差しが用意されるのはこのためです。唾液を分泌する唾液腺は「自律神経」によって制御されています。緊張すると交感神経が優位になり、サラサラした唾液の分泌が抑制され、ネバネバした唾液が少量しか分泌されなくなります。その結果、口の中が粘つき、喉の渇きを感じます。

③筋力低下と老化

老化も唾液分泌の低下を引き起こします。「最近、口の中が乾くなぁ」と感じ、カバンに飴玉を入れている方も多いでしょう。老化による唾液の減少は、唾液腺自体の萎縮ではなく、唾液腺周囲の筋肉の筋力低下が原因とされています。しっかり噛んで食べることで筋力低下を予防し、唾液分泌を促すことが可能です。また、就寝時に筋力が低下した舌が重力で喉のほうに下がると、舌が気道をふさぎ口呼吸となり、口腔乾燥を引き起こすことがあります。

唾液を増やすためのポイントは?

唾液は、ストレス、口呼吸、脱水などにより分泌が減少することがあります。唾液の分泌が減少すると、口の中が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなります。その結果、虫歯が発生しやすくなり、口臭が発生したり、風邪をひきやすくなったりします。しかし、日常のちょっとした意識で唾液の分泌量を増やすことができます。

唾液の分泌を増やす5つのポイント 

①よく噛んで食べる

唾液は、ストレス、口呼吸、脱水などにより分泌が減少することがあります。唾液の分泌が減少すると、口の中が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなります。その結果、虫歯が発生しやすくなり、口臭が発生したり、風邪をひきやすくなったりします。しかし、日常のちょっとした意識で唾液の分泌量を増やすことができます。

 

②こまめに水分を補給する

唾液を生成するためには水分が必要です。水分補給の際は、カフェインを含むコーヒーや紅茶ではなく、麦茶や水をおすすめします。

③鼻呼吸を心がける

口呼吸は口の乾燥を招きやすいです。口を閉じて鼻で呼吸する「鼻呼吸」を心がけましょう。特にマスク着用時は口呼吸になりやすいので、鼻呼吸を意識することが重要です。

④舌を動かす

舌を動かすことで唾液腺が刺激され、唾液の分泌が促進されます。特別な運動をする必要はなく、口を閉じて舌を上下に動かすだけでも唾液が分泌されるのを実感できるでしょう。

⑤ 唾液腺をマッサージする

唾液腺に刺激を与えるマッサージを行うと、唾液の分泌が促進されます。

唾液はどこから分泌される?

1日に1リットル以上も分泌される唾液は、どこからどのように分泌されるのでしょうか?唾液は唾液腺(だえきせん)と呼ばれる器官で生成され、口の中に分泌されます。主な唾液腺には「耳下腺(じかせん)」、「顎下腺(がっかせん)」、「舌下腺(ぜっかせん)」の3つがあります。唾液の99%以上は水分で構成されており、その他に消化酵素、抗菌物質、タンパク質、ナトリウムなどを含んでいます。

唾液はどこから分泌される?

再石灰化されても虫歯になる?

再石灰化されても虫歯になる?

脱灰と再石灰化のバランスが鍵

上記で触れたように、唾液には歯を修復する再石灰化作用があるのに、なぜ虫歯になるのか疑問に思う方もいるかもしれません。これは、口の中のバランスが崩れることが原因です。口腔衛生が悪かったり、虫歯菌が多い状態が続くと、歯が溶ける「脱灰」が進んでしまい、唾液による再石灰化が追いつかなくなります。その結果、歯が溶け続け、虫歯になってしまうのです。

歯の修復が追いつかなくなる原因

唾液による歯の修復が追いつかなくなり、脱灰が優位になってしまう原因としては、以下のようなものが挙げられます。

唾液の不足

病気や加齢によって唾液腺の機能が低下すると、口の中が乾燥してしまいます。唾液による再石灰化作用だけでなく、自浄作用、抗菌作用、殺菌作用も低下するため、虫歯のリスクが大幅に高まります。

間食の頻度が高い

おやつなどの間食を頻繁に摂ると、口の中が長時間汚れた状態になり、脱灰が起こりやすい環境が続きます。これが歯の修復が追いつかなくなる原因の一つです。

口腔ケアが不十分

食後の歯磨きやうがいが不十分だと、虫歯菌が活発に活動し、脱灰が長時間続くことになります。毎食後だけでなく、ちょっとした間食後も必ず歯磨きをしましょう。少量の「つまみ食い」でも、何か食べ物を口にすれば、歯の脱灰は始まります。

 

適切な口腔ケアを継続することで、歯の脱灰と再石灰化のバランスは良好に保たれます。虫歯を予防したい方は、唾液の働きを理解し、毎日の口腔ケアにしっかりと取り組むことが大切です。

まとめ

いかがだったでしょうか?

唾液は歯の健康に欠かせない存在です!自浄作用や再石灰化作用など様々な機能を持っており、唾液不足は虫歯や口臭、感染症のリスクを高めます。よく噛む、水分補給、舌の運動などで唾液の分泌を促し、口腔ケアと合わせて健康な口内環境を保ちましょう!

また、もりかわ歯科はマウスピース矯正にも力を入れております!ご自身の歯の審美性が気になる方は、是非お気軽にご相談ください。

矯正無料相談

詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページも併せてご覧ください。

 

大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科では日々の診療で患者さまとの対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を行っております。

歯に関する心配事がございましたらいつでももりかわ歯科へお越しください。

 

口臭の原因と対策は?

2023年10月20日
口臭の原因と対策は?

こんにちは!大阪府八尾市に60年間にわたり、地域に根付いた歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康はもちろん、歯にまつわる体のお悩みに対して、歯科医やスタッフからすると当たり前の知識でも、実は患者さんにとっては疑問に感じられることが多いことに気づかされます。診療中に全ての質問に詳しくお答えできればいいのですが、現実的にはお一人お一人に詳細に説明する時間が限られていることが多いのが現状です。

そこで、普段の診療中によく聞かれる質問に対して、当院のブログで詳しく解説していく「歯に関するご質問に全力回答!」ブログをスタートしました。

患者さまがこのブログを通じて、歯医者に対して日常から抱えている疑問や不安を解消していただければ、それが私たちの大きな喜びです。

どんな些細な疑問や質問でも、お気軽にお寄せいただければと思います。私たちは患者さまの健康と幸福を支えるためにここにいます。どうぞよろしくお願いいたします。

口臭の原因と対策は?のご質問に全力回答!

今回は口臭の原因と対策について、歯医者としてのアドバイスや口臭予防・口臭対策にはどういった方法があるのかについて詳しく解説していきたいと思います。

口臭が臭い人の主な原因は何ですか?

強い口臭の主要な原因は、口内の問題です。虫歯や歯周病の場合、特有の嫌な臭いが発生します。さらに、虫歯や歯周病に至らない場合でも、プラーク(歯垢)が多く付着していると口臭の原因になります。また、入れ歯の適切なケアの不足、金属の詰め物や被せ物の腐食、口腔がんなども口臭の原因となります。

口臭の三大原因物質

口臭の三大原因物質

硫化水素(Hydrogen Sulfide)

硫化水素は口臭の主要な原因物質の一つであり、腐敗したタンパク質から生じます。口腔内に存在する細菌がタンパク質を分解し、その過程で硫化水素を生成します。硫化水素は腐った卵のような不快な匂いを持っています。

メチルメルカプタン(Methyl Mercaptan)

メチルメルカプタンも硫化水素と同様に腐敗したタンパク質から生成される物質で、口臭の原因となります。メチルメルカプタンはガーリック(ニンニク)のような匂いを持ち、口臭の特徴的な臭いの一つです。

ジメチルスルフィド(Dimethyl Sulfide)

ジメチルスルフィドも硫化水素とメチルメルカプタンと同様に、口臭の原因となる硫黄化合物です。ジメチルスルフィドは腐敗した食品や細菌による歯垢の分解に関与し、口臭の原因となります。

 

これらの物質は口腔内の細菌の活動によって生成され、口臭の主要な原因となります。定期的な歯科検診、適切な口腔衛生、バランスの取れた食事、そして十分な水分摂取は口臭を軽減するのに役立ちます。

また、口臭で持続的にお悩みの場合は速やかに歯科医師に相談してください。

口臭は病気のサインですか?

口臭は病気のサインですか?

口臭自体は病気ではないですが、口臭が持続的で強烈な場合、潜在的な健康問題を示唆することがあります。口臭は通常、口腔内の問題に関連していますが、以下のような疾患や状態と関連があることがあります。

歯周病(歯槽周囲疾患)

歯周病は歯肉の炎症や感染を伴う口内の疾患で、口臭の一般的な原因です。持続的な口臭がある場合、歯周病が関与している可能性が高いです。

歯周病以外の口腔疾患

口内の潰瘍、口内炎、歯の腐敗など、他の口腔内の問題も口臭を引き起こす原因となります。

食道疾患

胃食道逆流症(GERD)や胃潰瘍などの食道関連の疾患が口臭の原因になることがあります。

呼吸器疾患

呼吸器の感染症、肺疾患、副鼻腔炎などは、口臭を引き起こす可能性があります。

代謝性疾患

一部の代謝性疾患(糖尿病、腎臓疾患など)は口臭の原因になることがあります。

口腔外の疾患

口臭は口腔外の疾患や健康問題の兆候として現れることがあります。口臭が持続的で不明瞭な場合、医療専門家に相談することが重要です。

 

口臭は日常的な口腔ケアと適切な歯科検診を通じて管理できることが多いですが、持続的な口臭がある場合、潜在的な健康問題がある可能性があるため、医師や歯科医に相談することが重要です。

歯磨きしても口が臭いのはどうして?

歯磨きしても口が臭いのはどうして?歯磨きしても口臭が続くことがあるのは、口臭の原因が歯磨きだけでは解決できない場合があるからです。以下は歯磨きだけでは口臭が改善しない理由と、それを改善するための対策です。

歯周病や歯垢の不十分な除去

歯磨きが不十分で歯垢が残ると、歯周病や歯茎の炎症が引き起こされ、口臭の原因となります。歯間ブラシやデンタルフロスを使って歯の間の歯垢を除去することが重要です。定期的な歯科検診も歯垢や歯周病の管理に役立ちます。

舌の清掃の不足

舌の表面には細菌や食べかすが蓄積し、口臭の原因となります。舌ブラシやスクレーパーを使って舌の清掃を行いましょう。

口腔外の原因

口臭は口腔内だけでなく、胃腸の問題や代謝性疾患など体内の要因によることもあります。医師や歯科医に相談し、潜在的な問題を排除するための診察を受けることが重要です。

食事や飲み物

強い香りの食べ物(にんにく、玉ねぎなど)や飲み物(コーヒーやアルコール)の摂取は、口臭の原因となります。これらを控えるか、食後に歯磨きを行うことが役立ちます。

唾液不足

唾液は口腔内の細菌の成長を抑制し、食べかすを洗い流す役割を果たします。唾液不足がある場合、口臭が悪化することがあります。十分な水分摂取と、必要に応じて口腔洗浄薬を使用することが役立ちます。

 

口臭がしやすい人の特徴は?

口臭がしやすい人の特徴は?

口臭がしやすい人には、以下のような特徴があります。ただし、これらの特徴が全て当てはまるわけではありませんし、個人差があります。口臭の原因は複合的で、一人ひとり異なります。

不適切な口腔衛生

歯磨きやフロッシングなどの口腔衛生習慣が不十分な場合、食べかすや歯垢が歯に残り、口臭の原因となります。

歯周病

歯周病は歯茎の炎症と感染を伴う疾患で、口臭の主要な原因となります。

食生活

強い香りを持つ食べ物(にんにく、玉ねぎ、香辛料など)の摂取が多いと、口臭が発生しやすくなります。

喫煙

タバコを吸うことは口臭の原因となり、また、歯周病のリスクを高めることがあります。

口腔乾燥

口腔内が乾燥していると、唾液の量が減少し、口臭が発生しやすくなります。

特定の医薬品

一部の医薬品は口臭を引き起こす可能性があります。これらの薬物を服用している場合、口臭が発生しやすいことがあります。

代謝性疾患

代謝性疾患(糖尿病、腎臓疾患など)は口臭の原因になることがあります。

ストレス

ストレスは唾液の分泌を減少させ、口臭を悪化させることがあります。

口腔外の健康状態

口臭は口腔内だけでなく、体内の疾患によっても引き起こされることがあります。

 

口臭と歯並びの関係

口臭と歯並びには密接な関係があります。

以下に、その関係と両者の影響について説明いたします。

歯の隙間と歯垢

歯の間や歯並びの乱れにより、歯ブラシやフロスが効率的に歯の隙間に到達しづらくなることがあります。これにより、歯垢(プラーク)が蓄積し、口臭の原因となります。歯垢は口腔内で細菌の繁殖を促進し、口臭の主要な要因です。

歯周病

歯並びの乱れがあると、歯周病のリスクが増加します。歯周病は歯肉の炎症や感染を引き起こす疾患で、これも口臭の原因となります。歯並びの悪さにより、歯周ポケットと呼ばれる歯茎と歯の間の隙間ができ、そこに歯垢がたまり、感染の温床となります。

歯石

歯並びの悪さや歯間の隙間により、歯石がたまりやすくなります。歯石は歯垢の硬化物で、歯の表面に付着し、口臭を引き起こす一因となります。

噛み合わせの問題

歯並びの悪さや歯の不正咬合は、正しく噛むことが難しくなることがあります。これにより、食べかすが歯の間に詰まりやすくなり、歯垢や食べかすが腐敗し、口臭を引き起こします。

口臭を改善し、歯並びを改善するための方法には以下のようなものがあります

正しい歯磨きとフロスの継続的な使用

歯垢を除去し、口臭を軽減するのに役立ちます。

歯医者の定期的な診察

歯周病や歯石の除去のために歯科医による専門的なケアが重要です。

歯の矯正治療

歯並びを改善するための矯正治療が必要な場合、歯科医に相談しましょう。

健康的な食生活

バランスの取れた食事と適切な水分摂取が口臭を軽減するのに役立ちます。

口臭や歯の健康に関する具体的なアドバイスや治療については、歯科医に相談することが最善です。歯科医は個々の状態に合わせた適切なケアプランを提供してくれます。

口臭の治し方は?

以下は口臭を軽減するために簡単に実践できる対策方法

口臭を軽減するための簡単な対策方法

歯の適切なブラッシング

歯のブラッシングは日常的な口臭予防に最も効果的な方法の一つです。朝、夜、食後に歯ブラシを使って歯垢や食べかすをしっかりと除去しましょう。舌の裏側もブラッシングすることが重要です。

フロッシング

歯間ブラシやフロスを使って歯の間の食べかすや歯垢を取り除きましょう。これはブラッシングだけでは届かない部分を清潔に保つのに役立ちます。

舌の清掃

舌の表面にも細菌や食べかすが蓄積し、口臭の原因となります。舌ブラシやスクレーパーを使って舌の表面を清掃しましょう。

口腔洗浄薬の使用

口臭を軽減するために、口腔洗浄薬を使うことができます。ただし、過度の使用は口のバランスを乱す可能性があるため、適切な使用方法を尋ねて歯科医に相談しましょう。

水分摂取

十分な水分を摂ることは口臭の軽減に役立ちます。水は口腔内の細菌の増殖を抑制し、口臭を和らげる助けとなります。

定期的な歯科検診

歯科医による定期的な歯科検診とクリーニングを受けることが重要です。歯周病や歯の問題が早期に発見され、治療されることで口臭を軽減できます。

バランスの取れた食事

食事内容に気を付けて、香辛料や強い香りの食べ物を控え、野菜やフルーツを摂ることで口臭を和らげることができます。

 

口臭が気になる方は、まずは上記の内容に気をつけていただき、対策・改善を目指してください。

口臭に関する意識調査

口臭に関する意識調査

歯科医療総合商社などによる意識調査によると、口腔内の懸念に関する回答の90.6%が「口臭について気になったことがある」というものでした。ただし、男性と女性の間に差異が見られ、男性の場合、「口臭がある」が27.9%で最も多く、「歯の黄ばみ」が27.8%でそれに続きました。一方、女性では、「歯の黄ばみ」が44.9%で最も一般的であり、「口臭がある」は26.6%で5番目に位置していました。

自分の口臭はチェックできますか?

自分の口臭はチェックできますか?

自分の口臭をチェックする方法はいくつかあります。

手首や手の甲をかいてにおいをかぐ

手首や手の甲を舌でなめ、その後ににおいをかいてみることで、自分の口臭をチェックできます。ただし、これは口臭を正確に評価する方法としてはあまり信頼性がありません。

スプーンを使った舌の検査

スプーンの背で舌の表面をこするか、スクレーパーを使用して舌の表面をこすり、その後に匂いをかぐことができます。舌の白い舌苔(舌の汚れ)や異常な匂いがあるかどうかをチェックします。

別の人に聞いてみる

友人や家族に率直な意見を求めることもできます。他人が自分の口臭を感じる可能性があります。

臭いを感じるテスト

手で息を鼻に持っていき、息がどのように臭うかを評価できます。この方法は、口臭の一般的な特徴を知るのに役立つことがあります。

 

ただし、これらの方法はあくまで自己診断であり、正確な評価が難しいことがあります。口臭が持続的な問題となる場合、歯科医や医師に相談することをおすすめします。専門家は正確な診断を行い、適切な対策や治療を提供することができます。また、定期的な歯科検診を受けることも、口臭の早期発見と対策に効果があります。

どうしたら口が臭いのは治りますか?

口臭の治療において、まず最初に原因を特定することが重要です。もし口臭の原因が歯周病である場合、歯科医で適切な治療を受けながら、歯垢をしっかりと除去するために適切な歯磨きを行います。歯間ブラシやデンタルフロスの使用も効果的です。

一方、唾液の減少が口臭の原因となっている場合、しっかりと食事を噛んで唾液をよく出すことを心がけることが大切です。

まとめ

口臭の原因は様々ですが、最も多い原因がお口(口腔内)のトラブルです。

虫歯や歯周病にならないよう日頃からのケアがとても大切です。

医療法人甦歯 もりかわ歯科志紀診療所では定期的なメンテナンスに通っていただくことをおすすめしております。

予防歯科について詳しくは、もりかわ歯科志紀診療所の予防歯科ページをご覧ください。

 

また、歯並びが悪いことも口臭の原因になってしまいます。

歯並びや噛み合せを正すことで、口臭だけでなく全身の健康を手に入れることができます。

詳しくは当院ホームページの矯正歯科ページをご覧いただくか、直接診療所へ矯正無料相談にお越しくださいませ。

 

重度の歯周病とはどのような状態?放置するリスクと治療法

2023年10月13日
歯茎を確認している男性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯茎からの出血や、歯のぐらつきがある場合、重度の歯周病になっているかもしれません。重度の歯周病を放置すると、食事など日常生活に影響を及ぼし、最終的に歯が抜け落ちる可能性があります。重度になると治療の難易度も高くなるため、早期に対処することが大切です。

今回は、重度の歯周病の症状や放置するリスク、歯周病の予防法を解説します。

重度の歯周病とはどのような状態?

口に人差し指を当て、悩んでいる表情の女性

歯周病とは、歯と歯茎の間にあるすき間(歯周ポケット)が細菌に感染し、炎症を起こす病気です。歯周病の進行度合いは、歯周ポケットの深さで診断します。

・軽度の歯周病:1〜3mm

・中等度の歯周病:4~5mm

・重度の歯周病:6mm以上

歯周ポケットの深さが6mm以上の場合、重度の歯周病と診断されます。重度の歯周病で現れる症状は、以下のとおりです。

・歯が動揺する

・歯茎が赤く腫れて膿が出る

・歯茎から出血なる

・歯茎が下がる

・口内がネバネバする

・口臭が強くなる

重度の歯周病では、歯周病ポケットが非常に深くなるので、歯がグラグラと動揺する場合が多いです。咀嚼に支障をきたすこともあるでしょう。

軽度の歯周病では痛みなどの自覚症状はないのが一般的ですが、重度になると上記の症状が現れます。歯茎が下がったことで、歯が長く見えることも多いです。

症状が現れてから歯周病に気づく方も少なくありません。

重度の歯周病を放置すると

黒いドミノを指で倒している

重度の歯周病を放置すると、歯だけではなく全身に影響を及ぼす恐れがあります。

歯が抜け落ちる

歯周病は、歯周ポケット内に歯石や歯垢が溜まることで細菌に感染して引き起こされます。重度の歯周病を放置すれば、歯周ポケット内で活発化した細菌感染が顎の骨にまで拡大するでしょう。

歯を支える顎の骨が溶けて、歯がグラグラと揺れ始めます。最終的には歯が抜け落ちる可能性があるのです。

歯が自然と抜け落ちることは少ないですが、抜歯で歯を失うことが多いでしょう。自然に歯が抜け落ちるまで歯周病が進行した場合、膿の塊や痛みなどの自覚症状が現れて受診する方が多いためです。

全身疾患や妊娠のトラブルにつながる

歯周病を放置すると、歯周病菌が血液を介して全身に運ばれます。歯周病菌は毒性物質や炎症物質を持っているため、さまざまな疾患やトラブルを引き起こす可能性があるでしょう。

歯周病を放置することで起きる可能性のある病気は、以下のとおりです。

糖尿病

歯周病菌が産出する炎症物質が、血糖値をコントロールするインスリンの働きを低下させて糖尿病を引き起こします。

糖尿病と歯周病は関係が深く、どちらか一方が悪化すれば、もう片方の病気も悪化する可能性が高いです。そのため、糖尿病の方や糖尿病リスクの高い方は、歯周病が重症化しないように注意しなくてはなりません。

動脈硬化

歯周病菌の持つ炎症物質や毒性物質によって血管の壁が炎症を起こすと、血管が狭まります。歯周病菌が血管に炎症を起こして血管を硬化させることで、動脈硬化を引き起こすと考えられています。

動脈硬化が引き起こされると、脳梗塞・狭心症・心筋梗塞などのリスクが高まるでしょう。

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)

食事の際に、飲食物が食道ではなく気管に入ることがあります。飲食物と一緒に歯周病菌が肺に入り込むと、肺炎を引き起こすかもしれません。

妊娠のトラブル

血液を通して歯周病菌が胎盤へ届いて刺激することや、歯周病菌の持つ炎症物質によって陣痛が誘発されることなどが原因で、妊娠に関するトラブルを引き起こすことがあるでしょう。

歯周病がある方は、早産や低出生体重児のリスクが高いとされています。妊娠中は体調がよくない方が多く、つわりの影響で歯磨きをできない方もいます。

妊娠前から歯周病を予防し、口内を清潔に保つことが重要です。

重度の歯周病の治療法

歯の模型を使って説明している歯科医師

重度の歯周病の場合、治療が複雑化します。歯や口内の状況に応じて、適切な治療が選択されるでしょう。

重度の歯周病の治療方法は、以下のとおりです。

FMD

FMD(フルマウスディスインフェクション)は、歯周病菌を口腔内と身体の両方から除去する治療法です。

歯周病菌はスケーリングやルートプレーニングなど、機器によるクリーニングで除去しますが、重度の歯周病の場合はクリーニングだけでは除去できません。除去に時間がかかると通院回数が多くなるため、早急に歯周病を改善するためにFMDが選択されます。

FMDでは抗生物質を内服し、体内の歯周病菌を一度で除去します。

歯周外科治療(フラップ手術)

重度の歯周病の場合、歯周ポケットに形成された歯石をクリーニングで除去することは困難です。歯茎を切開し、歯根に付着している歯石・歯垢・毒素を除去することが多いです。

麻酔を使用するので、手術中の痛みはありません。外科手術なので負担は大きいですが、重度の歯周病を改善するために必要な治療です。

歯周病組織再生療法

歯周病組織再生療法は、歯周病によって失われた骨などの組織を回復するための治療です。歯周病菌は、顎の骨や歯茎などの歯の周辺組織を破壊します。

周辺組織が破壊されると歯を支えられなくなり、自然に抜け落ちるかもしれません。抜歯が必要になることもあるでしょう。

しかし、歯を支えている組織を歯周病組織再生療法で回復すれば、歯を残せる可能性が高まります。歯周病組織再生療法では、歯周組織を回復するための場所を作り、組織の回復を促す薬剤を注入します。

歯周補填治療

重度の歯周病では歯を支える骨が溶け、歯がグラグラと動揺する場合が多いです。歯が動揺していると、食べ物を噛むことが困難になります。

歯周補填治療では、動揺している歯を被せ物で固定して安定させます。食べにくさを改善するだけでなく、噛み合わせも改善されるでしょう。

抜歯

重度の歯周病でも、まずは歯を残すことを考えて治療を進めます。

しかし、歯を残すことでほかの歯や身体に悪影響がある場合は、抜歯を選択するでしょう。

歯周病の予防法

歯ブラシ・マウスウォッシュ・デンタルフロスが置かれている

歯周病が重症化してから治療するのではなく、日頃から予防することが大切です。歯周病は自覚がないまま進行し、気づいたときには重度になっているケースも珍しくありません。

歯周病の予防法は、以下のとおりです。

毎日の正しい歯磨き

毎日の正しい歯磨きでプラークを取り除くことは、歯周病の予防につながります。歯ブラシだけでなくフロスなどを使用し、歯と歯の間に付着した歯垢を除去しましょう。

歯と歯茎の溝に45度の角度で歯ブラシを当てることで、歯周ポケットの歯垢や歯石を除去できます。奥歯や歯の裏側など、磨きにくい部分もしっかり磨きましょう。

生活習慣の見直し

免疫力が低下すると、歯周病菌の働きが強まって細菌に感染しやすくなります。栄養バランスのよい食事を心がけ、十分な睡眠や適度な運動で免疫力を高めましょう。

ストレスや疲労を溜め込まないことも大切です。リラックスできる音楽を聴く、趣味の時間を設けるなど、ストレスを解消することも心がけてください。

歯科医院での定期的なケア

歯科医院で定期的に歯周病ケアを行うことも重要です。歯茎の炎症状態や歯周ポケットの深さを定期的に確認すれば、歯周病が重症化する前に気づくことができます。

歯科医師や歯科衛生士によるクリーニングを受けることで、歯垢や歯石を徹底的に除去できます。定期的にクリーニングを受けていれば歯垢が蓄積されないため、歯周病予防につながるでしょう。

まとめ

歯ブラシを片手に持っている女性

重度の歯周病は、食べ物を噛めない、歯茎から出血するなど、日常生活にも影響を及ぼします。進行すると、自然と歯が抜け落ちることもあるでしょう。

身体全体の健康にも悪影響を及ぼすため、歯周病は早期治療・予防することが大切です。歯周病は、進行しなければ気づけないケースも多いです。歯科医院のケアを定期的に受けて口内の状態を確認してもらいましょう。日常のケアもしっかりと行い、歯周病を予防してください。

歯周病でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯周病による口のにおいが気になる!口臭の特徴と対策方法!

2023年6月26日
口臭のする男性と手で鼻を塞ぐ女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「朝起きたときに口がにおう気がする」「家族や友人に口臭を指摘された」などの経験をして口臭を改善したいとお悩みの方はいらっしゃいませんか。

口臭が強くなる原因のひとつに「歯周病」があげられます。歯周病は自覚症状が少なく、気がつきにくい疾患といわれています。検査してみたら口臭の原因が歯周病だったケースも少なくありません。

今回は、歯周病の概要や歯周病が原因で起こる口臭の特徴と対策方法を解説します。口臭の原因が歯周病かもしれないと心当たりのある方は、ぜひ参考にしてください。

歯周病とは

歯周病のチェックをしている男性

歯周病は、歯周病菌によって歯茎や顎の骨などの歯を支える周辺組織が細菌感染を起こしている状態です。病状が進行すると、支えとなるあごの骨(歯槽骨)が溶けてしまうので、最終的に歯が抜け落ちてしまいます。

歯を失う最大の原因は歯周病といわれていて、45歳以上の約半数が罹患している身近な疾患です。歯周病の原因は、歯の表面に残るプラーク(歯垢)です。

プラークは細菌の塊で、プラーク1mgあたり約10億個以上の細菌が生息しています。プラークは粘着性が強いため、うがいで落とすことができません。歯周病を予防するためには、歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどを使用してプラークを除去することが必要不可欠です。

歯周病は自覚症状が出たときには病状が進行しているケースが多いため、日頃から罹患しないように努めることがポイントといえるでしょう。

歯周病の症状

歯周病のチェックをしている女性

歯周病に罹患すると、歯周病菌が出す毒素の影響で歯茎が炎症を起こし、さまざまな症状があらわれます。先述したように、病状が進行すると歯を支えているあごの骨(歯槽骨)が溶けてしまうので、最終的に歯は抜け落ちてしまうのです。

歯周病は初期の段階では自覚症状が少なく、気がついていても放置してしまう場合が多いでしょう。以下のような症状がある場合は、歯周病の可能性があります。

・起床時に口のなかにネバつきがある

・歯磨きの際に出血する

・口臭がある

・歯茎が赤い

・歯茎が腫れる

・歯と歯の間にすき間ができている

・冷たいものがしみる

・歯が揺れる

・歯茎から膿がでる

上記の症状がある場合は、歯科医院を受診して検査を受けましょう。早めに対処すれば、歯周病の進行を止めることが可能です。

歯周病による口臭の特徴

口に手をあてて口臭を確認している

歯周病の症状のひとつに、口臭があげられます。

歯周病によって口臭が発生する原因は、歯周病菌が作り出すガスです。歯の表面に残る食べカスなどを栄養源に歯周病菌は増殖しますが、増殖の過程で「メチルカプタン」や「硫化水素」などのガスを作り出します。メチルカプタンは玉ねぎが腐ったようなにおい、硫化水素は卵が腐ったようなにおいと表現されることが多いです。

歯周病が進行すると、歯と歯茎との間に歯周ポケットとよばれるすき間が生じます。歯周ポケットのなかは酸素が届きにくいため、酸素が少ない環境を好む歯周病菌の活動が活性化するでしょう。結果として、歯周病菌が増殖して多くのメチルカプタンや硫化水素が作り出されるため、口臭が強くなり歯周病も進行する悪循環が起こる可能性が高いです。

また、重度の歯周病になると歯茎から出血や膿がでるようになり、口臭がさらに強くなります。

歯周病による口臭の対策方法

歯周病が原因で口臭があるケースでは、歯周病の進行を止めることが必要です。歯科医院での歯周病治療と、自宅でのセルフケアをしっかり行えば歯周病による口臭は改善されるでしょう。

以下、歯科医院で行う歯周病治療と自宅で行うセルフケアの方法をご紹介します。

歯科医院で行う歯周病の口臭対策

歯周病による口臭は、先述したとおり歯周病の進行を止めることで改善が期待できます。歯科医院で行う歯周病の治療は、大きく分けて以下の2つです。

・歯石を除去する

・ブラッシング指導をうける

以下、それぞれ解説します。

歯石を除去する

歯の表面や歯周ポケットのなかに歯石が付着している場合、歯石を取り除く必要があります。歯石自体に細菌は存在しませんが、歯石の表面は粗造なのでプラークが付着する足場となり、歯周病の進行を促進させるのです。

しかし、歯石は硬く、歯ブラシで取り除くことができません。歯科医院で「スケーリング」とよばれる専用の器具で歯石を取り除く治療を受ける必要があります。

スケーリングで歯石を取り除くとプラークが付きにくい環境に改善されるので、結果として歯周病の改善に繋がります。

ブラッシング指導をうける

歯科医院で歯石をきれいに取り除いてもらっても、ご自宅でのブラッシングが不十分だと、再び歯石がついてしまいます。

歯科医院では、虫歯・歯周病予防のため、歯科医師や歯科衛生士がブラッシング方法を指導します。歯ブラシの基本的なあて方はもちろん、一人ひとりの歯並びに合った適切な磨き方を知ることで、効率よく汚れを落とすことができるでしょう。

ご自身で磨きにくい場所がある場合やどのような歯ブラシやケアグッズを使用すべきなのか疑問がある場合は、積極的に質問するのがよいでしょう。歯科医院では、歯並びや手先の器用さなども考慮したうえで、適切なアドバイスを受けることが可能です。

自宅で行う歯周病の口臭対策

ドミノが倒れるのを手で防いでいる

歯周病の進行を止めるには、歯科医院での治療のほかに、自宅で行うセルフケアがポイントです。ご自宅でできる歯周病の予防・改善方法は、大きく分けて以下の2つです。

・毎日ブラッシングをする

・補助清掃用具を使用する

以下、それぞれ解説します。

毎日ブラッシングをする

歯周病の原因は、歯の表面に残るプラークです。歯周病を予防するためには、毎日しっかりブラッシングを行ってプラークを取り除くことがポイントです。

プラークを蓄積させないためには、正しいブラッシング方法で歯ブラシをすることはもちろん、歯ブラシの回数や時間も意識する必要があるでしょう。

しっかり歯ブラシが届いていても、ブラッシング時間や回数が不十分だと、プラークを落としきれずに口内に残ってしまいます。特に、唾液の分泌が減少する就寝前のブラッシングは必ず行うように心がけてください。

補助清掃用具を使用する

口のなかの汚れは、歯ブラシだけで清掃した場合60%しか落とすことができません。歯と歯の間や歯並びが悪い部分は、歯ブラシだけでは磨き残しができてしまいます。

歯ブラシだけで清掃が難しい部分は、デンタルフロスや糸ようじ・歯間ブラシ・ワンタフトブラシなどの補助清掃用具を使用しましょう。隅ずみまでプラークを取り除くことが可能で、歯と歯の間の汚れを効果的に取り除くことができます。

注意点として、歯と歯の間のすき間の状態によってデンタルフロスか歯間ブラシか適切な方を選択する必要があります。どちらを選択すべきなのか、サイズはどのくらいが適切なのかわからない場合は、歯科医院でブラッシング指導を受けると適切なケアグッズを案内してもらえるでしょう。

まとめ

ポイントを指さす女性

口臭の原因のひとつに、歯周病があげられます。

歯周病に罹患すると、歯周病菌の働きによって「メチルカプタン」や「硫化水素」などのガスが発生します。メチルカプタンや硫化水素は玉ねぎやタマゴが腐ったような強いにおいを発生させるため、歯周病に罹患している方は口臭が強くなる傾向にあります。口臭を改善するためには、歯周病の進行を止めて口内の環境を整えることがポイントです。

歯周病の原因は、プラーク(歯垢)です。プラークは、毎日のブラッシングで取り除く必要があります。正しいブラッシング方法はもちろん、歯ブラシの時間や回数も意識して、プラークが蓄積しないように心がけることが大切です。

ただし、セルフケアだけでは十分にケアできない可能性があるので、歯科医院を定期的に受診してチェックしてもらうのがよいでしょう。

歯周病による口のにおいでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

【進行度別】歯周病の治療にかかる費用と治療法!

2023年3月15日
歯科の椅子に座っている女性が口元に手を当てて険しい顔をしている

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯周病と診断されて、これからの治療や費用について不安を抱える方も多いのではないでしょうか。日本人が歯を喪失する原因で、一番多いのが歯周病といわれています。自覚症状がない、今の段階で噛むことに困っていないから、という理由で歯周病を放置すると、知らないうちに症状が進行してしまう恐れがあります。

この記事では、歯周病の治療にかかる費用や治療法、予防法について詳しく解説します。歯周病治療や費用について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

歯周病とは

歯周病をイメージしたイラスト

歯周病は、歯周病の菌が発生させる毒素によって起こる歯周組織の炎症のことです。ここでは、歯周病の詳しい特徴やセルフチェックの方法について見ていきましょう。

歯周病の特徴

歯周病は、細菌の毒素によって起こる歯茎の炎症です。症状が進行していくと歯を支える骨にまで影響が及び、最終的には歯が抜け落ちてしまう可能性があります。

プラークには、1mgあたり1億個以上の細菌が含まれています。歯と歯茎の間にある歯周ポケットにプラークが溜まると、歯茎から血が出やすくなったり、赤く腫れたりします。

さらに汚れが溜まった状態が続くと、歯茎の腫れによって次第に歯周ポケットは深くなっていきます。歯周ポケット内のプラークは時間が経つと歯石になり、歯ブラシでは除去できません。歯石は表面がザラザラとしているため、歯の表面に汚れが付きやすくなり、歯周病の状態が悪化する原因になります。

ほとんどの歯周病の菌は、空気に触れることが嫌いです。深くなった歯周ポケットは空気が少ないため、細菌が活発に活動できる環境となり、より歯周病が進行しやすくなるでしょう。また、歯周病が進行していくと、細菌感染した部分を排除しようとする免疫反応が起こります。体の免疫反応によって歯を支えている骨が溶けて、歯が前後に揺れようになる恐れがあるのです。

歯肉炎と歯周炎の違い

歯周病には、大きく分けて、歯肉炎と歯周炎があります。それぞれの違いは、炎症の範囲によって分けられると覚えておきましょう。

歯肉炎と歯周炎の違いを、以下に詳しくまとめてみました。

<歯肉炎と歯周炎の違い>

歯肉炎 歯周炎
 

炎症の範囲

 

・歯茎のみ ・歯茎のみならず歯を支える骨まで炎症が波及
 

改善の可否

 

・日々の歯磨きでプラークが除去できれば、健康な歯茎に戻る ・歯茎の腫れを治めることは可能である
・基本的に溶けた骨は戻らない
 

症状

 

・歯茎が赤く腫れる
・血が出やすい
・歯茎の腫れや出血がある
・膿が出る
・歯茎が下がる
・歯がぐらぐらする など

歯肉炎は軽度の歯茎の炎症のため、しっかり歯磨きをすることで治すことが可能です。

一方、歯周炎は歯肉炎が進行した状態です。歯周ポケットが深くなり、歯を支える骨にまで炎症が起こっています。歯周病の進行度は、症状によって軽度・中等度・重度に分けられます。歯周病治療によって歯茎の腫れや出血の症状は改善されますが、失ってしまった骨などの周囲組織が戻ることはありません。

歯周病のセルフチェック

チェックボックスが書かれたノートに赤いペンでチェックを入れている

歯周病は、特に初期の段階では自覚症状が少なく、知らないうちに歯周病が進行していることがある怖い病気です。

歯周病の有病率は25~34歳で32.4%、45~54歳で49.5%と発表されています。若年層でも患う可能性が比較的高い疾患であるため、日頃からセルフチェックしておきましょう。

下記の項目について一つでも当てはまるようであれば、歯科医院を受診して詳しく検査してもらいましょう。

【歯周病のセルフチェック項目】

・起床時に口の中が粘つく

・口臭が気になる

・よく歯茎から血が出る

・よく歯茎が腫れる

・噛んだときに浮いた感じがある

・硬いものが噛みにくくなった

・歯が伸びたように見える

上記のセルフチェック項目に当てはまらない場合でも、歯周病になっていることがあります。歯科医院で定期的に検診を受けることで、歯周病の早期発見につなげましょう。

※参照元:「歯周病 | 生活習慣病の調査・統計 | 一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 」

進行度別 | 歯周病の治療法

歯科医師が歯ブラシと歯の模型を使ってブラッシング指導をしている

歯周病にはさまざまな治療法があり、歯周病は進行の程度によって治療法が変わります。ここでは、歯周病の進行度別に治療法を見ていきましょう。

軽度の歯周病

軽度な歯周病の場合、歯科医院での歯石やプラークの除去と適切なセルフケアで早期の回復が期待できます。

特徴

・歯周ポケットが4mm以内である

・歯石やプラークが歯の根元に溜まっている

・歯茎が腫れている

・歯磨きのときに出血しやすい

治療法

・歯科衛生士によるブラッシング指導

・歯石の除去、クリーニング

歯科医院で歯石を除去し、専用の機械で歯の表面をつるつるにすることで、汚れの再付着を防ぎます。また、正しいブラッシング方法を学び、日頃から実践することで、歯茎の健康を目指すことが重要です。

中等度の歯周病

中等度の歯周病では、まず歯茎の深い部分の歯石除去やクリーニングを行います。歯周ポケットが深く、症状の改善が見られない場合には、歯周外科治療が必要になることもあります。

特徴

・歯周ポケットが4~5mmである

・歯茎の腫れや出血が起こりやすい

・膿が出る

・歯を支える骨の1/3程度が吸収されている

・歯が前後に揺れる

・歯が伸びたように見える

治療法

・歯石の除去、クリーニング(歯茎の深い部分の歯石も除去)

・ブラッシング指導

・揺れている歯の固定

・歯周外科治療

中等度の歯周病では、歯周ポケットが深くなり、深い根の部分にも歯石が付いている可能性が高いです。専用の機械を利用して、歯茎の深い部分の歯石まで取り除くことで、歯周ポケットが浅くなるように促し、汚れの再付着を予防します。

また、中等度の歯周病では、歯の揺れを感じて食事に支障が出る方もいます。歯の揺れが強い場合には、両隣の歯と固定することで痛みや不快感を和らげます。歯石の除去やブラッシング指導で症状の改善が認められなければ、歯周外科治療を必要とする場合もあるでしょう。

重度の歯周病

重度の歯周病では、症状次第で歯周外科手術を行います。歯の保存が難しい場合には、抜歯が必要となる可能性があるでしょう。

特徴

・歯周ポケットが6mm以上である

・歯茎がブヨブヨしている

・血や膿が出る

・口臭がする

・骨の大部分が失われている

・歯が大きく揺れる

治療法

・ブラッシング指導

・歯石の除去、クリーニング

・歯周外科手術

・抜歯

重度の歯周病では、歯を支える骨の大部分が溶けてしまっており、歯の揺れが大きいのが特徴です。また、炎症が強く、歯茎から出血や膿が出やすい状態になっているため、重度の歯周病では自分で治すことは難しいでしょう。

歯石の除去などのクリーニングを定期的に続けながら、必要があれば歯周外科治療や抜歯の処置が行われます。

主な歯周外科治療の種類

歯科医院で治療を受ける女性

中等度以上の歯周病で、歯石除去などの歯周基本治療で改善が見られない場合には、歯周外科治療を行うことがあります。

歯肉剥離掻爬術(フラップ手術)

歯茎を開いて、歯茎の深い部分の歯石を除去する手術です。目で見て除去できない歯石の取り逃しを防ぐことで、歯周病の改善が期待できます。

歯肉切除術

歯茎の炎症によって腫れ上がった歯茎を除去する手術です。不要な歯茎を除去することで、プラークなどの汚れを溜まりにくくし、清掃がしやすい状態に整えます。

歯周組織再生療法

歯周組織再生療法には、エムドゲイン法とGTR法があります。エムドゲイン法ではエムドゲインRゲルという薬剤を用いて、GTR法ではメンブレンという特殊な膜を用いて、骨の再生を促す手術です。

基本的に、一度溶けてしまった骨は自然回復しませんが、特殊な薬剤や特殊な膜を用いて、歯周組織の再生を図ります。

歯周病治療にかかる費用・期間

白いテーブルの上にピンクの豚の貯金箱と歯の治療器具が置かれている

歯周病治療にかかる費用や期間は、歯周病の進行度によって異なります。以下の表で詳しく解説します。

<歯周病治療にかかる費用・期間>

歯周病の進行度  費用
(3割負担の場合)
 通院回数  治療期間
軽度  4,000~6,000円  3~4回  1~2か月
中等度  10,000~15,000円  5~10回  3か月~1年
重度  年間15,000円ほど  1年に6~12回  1年以上

※こちらの表は費用の目安です

上記の表のとおり、進行度によって費用や通院回数は異なります。歯周外科治療が増えたり、保険適用外の治療をしたりすると、その分の費用が追加されます。特に、重度の歯周病の場合は完治が難しいため、定期的に治療が必要なケースもあります。

詳しい費用については、歯科医院で診察してもらう際に確認してみてください。

歯周病の予防法

水色の背景の前に歯の模型が置かれており、その周りに歯ブラシや歯間ブラシが置かれている

歯周病は、歯を失うリスクのある病気です。日頃から歯周病予防に取り組み、自分の歯で健康に過ごせるようにしましょう。

ここでは、歯周病の予防法についてご紹介します。

歯ブラシと歯間ブラシを併用して歯磨きをする

歯周病を予防するためには毎日の歯磨きが大切です。

歯周病の原因の多くはプラークによるものです。毎日歯磨きをしている方でも、正しくブラシが当たっていないと汚れを除去できません。歯ブラシの持ち方や力加減、動かし方、ブラシの選び方など、自分に適した方法を歯科医院で教えてもらいましょう。

また、歯と歯の間の汚れは歯ブラシだけでは取り切れません。歯間ブラシを併用して歯の隅々まできれいにし、歯周病を予防しましょう。

定期的に歯科医院でクリーニングを受ける

定期的に歯科医院でクリーニングを受けることで、歯周病予防の効果が期待できます。

歯石があるとプラークが付着しやすくなり、歯周病の悪化を招く恐れがあります。歯石は歯磨きでは除去できないため、歯科医院で取ってもらいましょう。さらに、歯科医院でクリーニングしてもらうことで歯の表面がつるつるになり、汚れの付着を防ぐことが可能です。

歯周病は気付かないうちに進行する場合があります。定期的に歯科医院を受診することで、歯周病の予防・早期発見につながるでしょう。

歯周病のリスク因子を改善する

歯周病の原因はプラーク中の細菌によるものですが、歯周病になりやすくなる因子も存在します。生活習慣を見直し、リスク因子を改善することで、将来的な歯周病のリスクを下げることも重要です。

歯周病のリスク因子には、以下のようなものが挙げられます。

・喫煙

・ストレス

・糖尿病

・口腔乾燥

まとめ

歯科の椅子に座って手でOKサインを出している女性

歯周病は進行の程度によって治療内容や費用が異なります。重度の歯周病になるほど治療期間も費用もかかるため、日頃からの予防が重要です。定期的に歯科医院を受診して、歯周病の予防と早期発見に努めましょう。

歯周病にお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。