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仕上げ磨きのやり方とコツをわかりやすく解説!

2023年7月14日
仕上げ磨きをしている母親とこども

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

こどもの歯は虫歯になりやすいため、仕上げ磨きが重要となります。また、こどもの口腔内は乳歯と永久歯が混在しており、磨き残しが発生しやすいことを理解しなければなりません。保護者の方は正しい仕上げ磨きの方法を習得し、こどもの虫歯を予防する必要があります。

今回は、仕上げ磨きのやり方とコツについて、わかりやすく解説します。

仕上げ磨きが重要な理由

重要なポイント

生えたばかりの永久歯は、特性上、虫歯のリスクが高くなります。

生えたての永久歯は表面が粗く、歯垢が付きやすい状態です。また、歯質が未熟であり、酸への抵抗力が低いため、食べ物や飲み物の酸、特に菌が生成する酸によってエナメル質が溶けやすいのです。

さらに、新しく生えてきた歯は周囲の歯との関係で歯並びが凸凹し、凸凹したすき間が歯磨きの際に磨き残しが生じやすい状況を作り出します。

複雑な歯並びだけでなく、こどもは自分一人で完全に歯を磨き上げるのが難しいのも理由のひとつです。こどもは大人のように、歯ブラシをあてる角度や磨く力などの調整が困難です。そのため、こども自身が磨ききれない部分を大人が仕上げることで、虫歯のリスクを大幅に下げることが可能となります。

したがって、こどもの歯を虫歯から守るためには、仕上げ磨きが極めて重要です。保護者の方は、こどもが自分で磨いたあとにしっかり仕上げ磨きを行い、永久歯が虫歯にならないように注意を払わなければなりません。

仕上げ磨きは何歳まで?

クエスチョンマーク

仕上げ磨きは、10歳まで行うことが推奨されています。この時期になると、こどもは自分で歯磨きができる能力があります。

特に心配な場合やこどもが自分で歯磨きすることを嫌がる場合、第二大臼歯が生え揃う12歳頃まで仕上げ磨きを続けることもひとつの選択肢です。仕上げ磨きが難しいと感じたら、歯科医院に相談しましょう。

歯磨きの確認方法としては、赤ちゃんの場合は虫歯のチェック、少し大きい子では染め出しを行うことがあります。これは歯磨きが十分に行われているか、どの部分が磨き残しとなっているかを視覚的に確認する方法で、こども自身も理解しやすいのが特徴です。

仕上げ磨きの姿勢

3人のこどもが並んでいる

こどもの口腔内をしっかり観察し、安全かつ効果的に歯磨きを行うためには、保護者がこどものうしろから磨くのが理想的です。特に、こどもを保護者のひざの上に寝かせるか、保護者がこどものうしろから抱きしめるようにして、こどもの頭をお腹や脇で固定するのがよいでしょう。

こどもがまだ小さく、立つのが困難な場合や小さな赤ちゃんの場合は、ひざの上に寝かせて磨きましょう。この姿勢は安定感があり、また保護者が歯磨きを行いやすい状態を作ることができます。

こどもが一人で立っていられるようになったら、こどもを立たせて磨くのがよいでしょう。立った状態での歯磨きは、唾液や歯磨き剤を飲み込むのを防ぐ効果があります。また、自分で立つことで、こども自身が歯磨きを行う練習にもつながります。

こどもの成長や状況に応じて、最適な姿勢を選択してください。

仕上げ磨きのやり方

2人のこどもが歯磨きをしている

仕上げ磨きのポイントは「見える」ところだけでなく「見えない」歯の裏側や、歯と歯の間もしっかり磨くことです。また、力を入れすぎて歯茎を傷つけないよう、ソフトなブラッシングを心がけましょう。

こどもを寝かせる

まず、こどもの頭を保護者の膝に寝かせ、頭を安定させましょう。

こどもの口腔内をよく見ることができ、安全に歯磨きが行えます。先述したように、立った状態でも構いません。

歯ブラシで磨く

歯ブラシは小刻みに動かしましょう。

一度に磨く範囲は1~2本が目安です。歯の表面に対して垂直に歯ブラシをあてて、歯面を磨きます。歯周ポケットを磨くには、歯と歯茎の境目に対して45度の角度で歯ブラシをあててブラッシングしましょう。

毎回同じ場所から始め、全ての歯を磨き終えるまで同じ順序で磨きます。これにより、磨き残しが少なくなります。歯の内側も忘れずに磨きましょう。特に、前歯の内側は磨きにくいため、歯ブラシを縦にもちかえて磨くことをおすすめします。

デンタルフロスや歯間ブラシで磨く

歯と歯の間の汚れは、歯ブラシだけでは落としきれない場合があります。

歯間の広さに合わせて、デンタルフロスや歯間ブラシを使用して磨きましょう。

仕上げ磨きのコツ

キーポイントをあらわす付箋

歯磨きを習慣化させるためには、こどものストレスを最小限におさえることが重要です。以下、仕上げ磨きのコツについてご紹介します。

素早く行う

歯磨きは毎日行うため、長引くとこどものストレスにつながります。特に、仕上げ磨きは、こどもが一度磨き終えたあとに行われるため、早く終わらせることでこどもの負担を軽減し、協力を得やすくなります。

ただし、素早く行うことが重要だからといって、手を抜くわけではありません。時間をかけずに丁寧に磨くことが求められます。

毎日の磨き方や順番を定めて磨くことで、素早さと丁寧さを両立させましょう。こどもが安心感をもって歯磨きに臨めるよう、環境作りも忘れずに行うことが大切です。

歌う・楽しい話をする

歯磨きは毎日繰り返す作業であり、こどもにとっては面倒な作業となりがちです。そのため、歌う・楽しい話をするなどして、歯磨きの時間を楽しいものにすることが重要です。

歯磨きの間にお気に入りの歌を歌うことや、歯磨き専用の歌を作って一緒に歌うことで、歯磨きの時間が楽しくなります。歌は時間を計る役割も果たし、どれくらい磨けばよいのかをこどもに理解させる手助けとなるでしょう。

また、歯磨き中に楽しい話をすることでこどもの注意をそらし、歯磨きが苦にならないようにします。ほかには、今日あった出来事を話すことで、コミュニケーションの時間としても活用できるでしょう。

仕上げ磨きの時間を楽しいものに変えることで、こどもの歯磨きに対する抵抗感を軽減し、長期的な口腔ケアの習慣を身につけさせることができるのです。

好きなキャラクターの歯ブラシや好きな味の歯磨き粉を使う

好きなキャラクターの歯ブラシを使うことで、こどもは歯磨きの時間を待ち望むようになるかもしれません。お気に入りのキャラクターが描かれていると、キャラクターを見るたびに歯磨きにポジティブな印象をもち、自発的に歯磨きを始めるきっかけとなるでしょう。

また、好きな味の歯磨き粉を選ぶことも重要です。こどもは味覚が敏感なため、好きな味の歯磨き粉を使うことで歯磨きに対する抵抗感を減らすことができます。ストロベリーやオレンジ、グレープなど、こども向けの味付き歯磨き粉は多く存在します。

しかし、歯磨き粉を選ぶ際はフッ素量を確認し、こども用のものを選んでください。フッ素は虫歯予防に効果的ですが、過剰摂取は体に悪影響をおよぼすため注意が必要です。

痛みを与えないよう優しく磨く

強く磨かれると痛みを伴うことがあるため、仕上げ磨きの際は力を入れすぎず、歯ブラシの毛先が歯や歯茎に優しく触れる程度にしましょう。

歯磨きの目的は、歯垢を取り除くことであり、力を入れて行うものではありません。また、歯ブラシを歯茎に押し付けると、歯茎が傷ついてしまう可能性があります。

機嫌が悪いときは無理に行わない

こどもの仕上げ磨きは、虫歯予防のために重要な役割を果たしますが、こどもの機嫌が悪いときに無理に行うことはよくありません。こどもが疲れているときや機嫌が悪いときに歯磨きを強制すると、歯磨き自体を嫌がるようになることがあります。これは、歯磨きを日々のルーチンとして習慣づけるうえで逆効果となる可能性があります。

こどもの機嫌や状態を見極め、その日の状況に応じて歯磨きの時間を調整することが大切です。こどもの機嫌がよく、リラックスした状態のときに歯磨きを行うことで、こどもは歯磨きを楽しい経験としてとらえることができるでしょう。

先述したように、無理に磨くと歯や歯茎を傷つける可能性もあります。歯磨きは、あくまでも口腔内を清潔に保つためであり、痛みやストレスを伴ってはいけません。こどもの感情を尊重し、配慮しながら歯磨きを行うことが、健康な口腔環境を維持するうえで重要といえるでしょう。

仕上げ磨き後はたくさん褒める

こどもの行動は、大人からのフィードバックに大きく影響を受けます。

歯磨きが終わったあとに「よくできたね」「偉いね」「歯がきれいになったね」などと褒めることで、こどもは自己肯定感を得ることができるでしょう。自己肯定感は、歯磨きを継続するうえで大きなモチベーションにつながります。

さらに、褒められることによってこどもは喜びを感じ、歯磨きに対するポジティブな印象をもつことができます。結果的に、歯磨きに抵抗感をもつことなく、積極的に行うようになるでしょう。

また、褒めることによって親子の絆も深まります。こどもは、親からの賞賛から自己価値を高め、安心感を得ることができるでしょう。

まとめ

ポイントをまとめるこども

仕上げ磨きは虫歯予防に欠かせません。生えたばかりの永久歯は、歯質が弱く虫歯菌への抵抗力が低いです。虫歯は進行すると痛みを伴うこともあり、場合によっては、歯並びに影響を与えることもあるでしょう。

仕上げ磨きは10歳頃まで行うのが推奨されています。乳歯や永久歯が混在するこどもの口腔内は、凸凹した歯並びとなっているため、磨き残しが発生しやすくなります。保護者の方は、正しい歯磨きの方法を知り、丁寧に仕上げ磨きを行ってください。

仕上げ磨きは、将来のこどもの歯磨きの習慣にも大きく影響します。仕上げ磨きが難しい場合や、磨き方が合っているかどうか不安な場合は、一度歯科医院へ相談するとよいでしょう。

こどもの虫歯や仕上げ磨きでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

乳歯が生え変わるタイミングと注意点|永久歯への移行期について

2023年5月25日
こどもの歯が生え変わりで抜けている

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「乳歯はいつ生え変わるのだろう」と疑問を感じた方はいらっしゃいませんか。お子さまの乳歯が永久歯に生え変わりできているのか、不安を感じている親御さまも多いと思います。

本記事では、乳歯と永久歯の萌出時期や生え変わる時期・生え変わりの際に起こるトラブルと対処法について解説します。乳歯の生え変わりに疑問を感じていらっしゃる方は、ぜひ参考にしてください。

乳歯の数と生える順番

自分の歯を指さすこども

乳歯は生後6か月ごろに生えはじめ、3歳ごろまでに上下で20本の歯が生えそろいます。乳歯が生える目安は、以下のとおりです。

<乳歯の萌出時期の目安>

上の歯 萌出時期
乳中切歯 8~11か月
乳惻切歯 11~12か月
乳犬歯 1.8歳
第一乳臼歯 1.6歳
第二乳臼歯 2歳

 

下の歯 萌出時期
乳中切歯 6~7か月
乳惻切歯 10~11か月
乳犬歯 1.8歳
第一乳臼歯 1.6歳
第二乳臼歯 2歳

 

乳歯は生後6か月ごろに下の前歯から生えはじめるのが一般的です。その後、下の前歯と上の前歯が2本ずつ生え始め、前歯が4本生えそろいます。乳歯が生えそろう順番は、乳中切歯→乳側切歯→乳犬歯〜のように、表の上から順番に生えそろう場合が多いでしょう。

しかし、上記はあくまでも目安で、生える順番や時期は個人差があります。半年程度のずれであれば神経質になる必要はありません。1歳を過ぎても歯が生えない、萌出目安から1年以上経っても歯が生えてくる様子がない場合は、歯科医院を受診して確認してもらいましょう。

永久歯の数と生える順番

こどもが笑顔でこちらをみている

永久歯は6歳ごろに下の第一大臼歯(6歳臼歯)が生えはじめ、14歳ごろまでに上下で28本の歯が生えそろうのが一般的です。第三大臼歯(親知らず)は、生まれつき欠損している場合や萌出スペースが足りずに生えてこない場合が多くみられます。第三大臼歯まで生えそろった場合、永久歯は全部で32本となります。

永久歯が生える目安は、以下のとおりです。

<永久歯の萌出時期の目安>

上の歯 萌出時期
1.中切歯 7〜8歳
2.側切歯 8〜9歳
3.犬歯 11〜12歳
4.第一小臼歯 10〜11歳
5.第二小臼歯 10〜12歳
6.第一大臼歯 6〜7歳
7.第二大臼歯 12〜13歳
8.第三大臼歯 17〜21歳

 

下の歯 萌出時期
1.中切歯 6〜7歳
2.側切歯 7〜8歳
3.犬歯 9〜10歳
4.第一小臼歯 10〜12歳
5.第二小臼歯 11〜12歳
6.第一大臼歯 6〜7歳
7.第二大臼歯 11〜13歳
8.第三大臼歯 17〜21歳

 

6歳前後で下の乳中切歯が抜けて永久歯に生え変わり、第一大臼歯が生えはじめます。7歳ごろに上の前歯が生え変わり、順番に永久歯へ生え変わるのが一般的です。永久歯は、6→1→2→3→4→5→7→8の順番で生えそろうケースが多いでしょう。

ただし、乳歯と同様に歯が萌出する時期や順番は個人差が大きいため、順調に生え変わっている場合は順番を心配する必要はありません。

生え変わりの時期

砂時計が落ちる様子

乳歯が抜ける時期には個人差がありますが、6歳前後から12歳くらいまでに乳歯から永久歯へ生え変わります。

はじめに、下の乳中切歯が抜けて中切歯へ生え変わり、ほぼ同じ時期に奥歯の第一大臼歯(6歳臼歯)が生えるのが一般的です。8〜9歳ごろには、乳臼歯が小臼歯へと生え変わり、11歳ごろから上下の奥歯が生えはじめるでしょう。

なお、大臼歯は乳歯では存在せず、永久歯ではじめて生える歯となります。14歳前後で第二大臼歯までの28本の歯が生えそろうでしょう。

ただし、歯の生え変わりには個人差があります。永久歯は2年前後の差があっても問題ないので、多少の遅れは心配いりません。生え方に左右差がある場合や乳歯が抜けたのに永久歯が生える兆候がない場合は歯科医院に相談しましょう。

生え変わりのサインと注意点

拡声器で警告している

乳歯から永久歯に生え変わるサインは「歯がグラグラ揺れる」ことです。

永久歯への生え変わりが近くなると、永久歯は萌出の準備を始め、乳歯の歯の根は溶けはじめます。乳歯の歯の根が徐々に溶けていくと、歯がグラグラ揺れはじめ、根が完全に溶けてなくなると乳歯は抜け落ち、後続の永久歯が萌出します。

歯が揺れるので、食事など物を噛んだときに痛みがともなう場合もあるでしょう。お子さまが「歯がグラグラしてきた」「歯がグラグラ揺れて痛い」などと訴えたら、生え変わりが近いサインです。

生え変わりの時期に注意すべき3つの主なポイントは、以下のとおりです。

・乳歯の虫歯は早めに治療する

・虫歯にならないように予防する

・口内に異常がないか観察する

以下、それぞれ解説します。

乳歯の虫歯は早めに治療する

「乳歯は永久歯に生え変わるから虫歯になっても大丈夫」と判断して虫歯を放置すると、永久歯にも悪影響をおよぼします。乳歯の虫歯が歯の根まで到達すると、歯の根の下にある後続の永久歯に形成不全や変色などのトラブルが起きるリスクが高くなるでしょう。

また、虫歯で早期に乳歯を失った場合、周囲の乳歯が傾くことや伸びることがあるため、永久歯の歯並びにも悪影響が出る可能性があります。永久歯を守るためにも乳歯の虫歯は早めに治療しましょう。

虫歯にならないように予防する

生えたての永久歯は虫歯リスクが高く注意が必要です。歯の質が弱いため、虫歯菌の出す酸に溶けやすい特徴があります。

また、大臼歯については歯の溝が深く複雑なため、溝の部分に汚れが残りやすいです。虫歯予防は、毎日の歯磨きで虫歯菌の数を減らすことはもちろんですが、予防処置を積極的に活用するとよいでしょう。

歯科医院で高濃度フッ素を塗布する、大臼歯にシーラントを施術することで、歯の質が強くなり、虫歯になりにくい環境を整えることができます。乳歯と永久歯が混在する時期は、歯ブラシがあてにくく磨き残しが出やすいため、かならず仕上げ磨きを行いましょう。

口内に異常がないか観察する

乳歯がグラグラしている時期や乳歯が抜けたあとは、仕上げ磨きの際などに口内をよく観察しましょう。

永久歯が萌出しているのに乳歯が抜けない、永久歯が生えてこない、歯肉炎になっているなどのトラブルが起きやすい時期となります。トラブルや気になることがあったら早めに歯科医院で確認してもらうことが大切です。

生え変わりに関連するトラブルと対処法

積み木が倒れるのを手で防いでいる

乳歯から永久歯に生え変わる際、ごくまれにトラブルが起きるケースがあります。永久歯の萌出に影響が出る可能性や先天性の疾患がある可能性があるので、トラブルが起きた際は早めに歯科医院を受診してチェックしてもらいましょう。

生え変わりの時期に起こる3つの主なトラブルは、以下のとおりです。

・乳歯が抜けない

・永久歯が萌出しない

・永久歯の数が多い

以下、それぞれ解説します。

乳歯が抜けない

乳歯が抜ける前に永久歯が生えてしまうケースがあります。

乳歯が抜ける様子がなく永久歯が萌出している場合は、歯並びに悪影響をおよぼすリスクが高いです。歯科医院を受診して、経過観察でいいのか抜歯する必要があるのか、確認してもらいましょう。

また、まれに歯の生え変わりの時期を大きく過ぎても乳歯が抜けないケースがあります。思春期を過ぎても乳歯が抜けない場合「先天性欠損歯」である可能性が高いです。先天性欠損歯は、何らかの理由で永久歯が生まれつきない状態をさします。

歯並びや噛み合わせに問題が生じる場合は、乳歯を抜歯して、部分入れ歯やブリッジなどの治療が必要になることもあります。先天性欠損歯はレントゲン撮影で確認できるので、思春期を過ぎても乳歯が残っている場合は歯科医院で確認してもらいましょう。

永久歯が萌出しない

乳歯が抜けたのに永久歯が生えてこない場合、埋伏歯の可能性があります。

埋伏歯とは、永久歯の生えるスペースが不足しているなどの理由から、歯がうまく萌出できずにいる状態をさします。埋伏歯は、ゆっくり時間をかけて萌出する場合もあるため、状態によっては経過観察となることもあるでしょう。

しかし、自然に萌出することが難しいと診断された場合は、歯茎の切開や矯正装置を装着して引っ張り出す処置が必要です。永久歯の状態はレントゲン撮影で確認できるので、永久歯がなかなか萌出しない場合は歯科医院で確認してもらいましょう。

永久歯の数が多い

永久歯は通常28本で、親知らずを加えると32本生えてきます。

しかし、まれに通常の本数よりも歯が多く形成される過剰歯がある方がいらっしゃいます。過剰歯は顎の骨に埋まっている場合や萌出している場合などさまざまです。

過剰歯がほかの永久歯の萌出や歯並びに影響している場合は抜歯する必要があります。周囲の歯や歯並びに悪影響がなければ経過観察となる場合が多いでしょう。

まとめ

ポイントを指さすこども

乳歯は生後6か月前後から生えはじめ、上下合わせて20本生えそろいます。永久歯は上下合わせて28本、親知らずも含めると32本の歯が生えそろい、6歳前後に第一大臼歯の萌出からはじまります。歯の萌出時期や順番は個人差が大きく、半年程度の誤差は心配する必要はありません。

ただし、乳歯が抜ける前に永久歯が萌出している、乳歯が思春期を過ぎても残っている、永久歯が萌出しないなどのトラブルがある際は、早めに歯科医院で確認してもらいましょう。

また、歯科医院の定期検診を受けていれば生え変わりの異常を早い段階で見つけることができます。お子さまの口内の健康を維持するためにも定期的に歯科医院で確認してもらいましょう。

乳歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。