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要注意乳歯とは?学校の歯科検診で指摘を受けたときの対処法を解説!

2023年12月1日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

かわいい女の子

「学校の歯科検診で要注意乳歯があると指摘された」「要注意乳歯とは?」など、お子さまの歯に関してお悩みの保護者の方は多いでしょう。要注意乳歯を指摘されたら、早めに歯科医院を受診してください。要注意乳歯を放置すると、さまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。

今回は、要注意乳歯とは何かを解説します。要注意乳歯を放置するリスクや、要注意乳歯と指摘されたときの対処法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

要注意乳歯とは?

要注意乳歯のある子供

要注意乳歯とは、乳歯と永久歯の生え変わりの時期において、注意が必要な歯のことです。具体的には、以下の状態の歯は要注意乳歯とされます。

・乳歯があるのに永久歯が生えようとしている
・乳歯が抜けておらず、異常な位置から永久歯が生えてきている
・乳歯が大きく動揺しており抜けそうである
・乳歯が欠けている・割れている
・適切に生え変わりできず、乳歯の欠片や根が残っている

まとめると、要注意乳歯とは、乳歯と永久歯の生え変わりがうまく進まない可能性があるため注意が必要な歯といえます。きれいに生え変われば問題ありませんが、何らかのトラブルを引き起こす可能性もあるでしょう。

要注意乳歯と聞くと、虫歯になるリスクが高い歯と思う方がいるかもしれません。

しかし、要注意乳歯と虫歯は無関係です。上述しましたが要注意乳歯とは、乳歯と永久歯の生え変わりにトラブルが生じる可能性があり、注意が必要な状態といえます。

要注意乳歯を放置するリスク

要注意乳歯のリスク

要注意乳歯を放置するリスクは、以下のとおりです。

・歯並びが悪くなる
・虫歯になりやすい
・歯茎の痛みや腫れが生じる
・噛み合わせが悪くなる

それぞれ解説します。

歯並びが悪くなる

要注意乳歯を放置すると、歯並びが悪くなる可能性があるでしょう。

乳歯が抜けるべきタイミングで抜けなかった場合、残っている乳歯を避けながら永久歯が生えてきます。真っ直ぐ生えることができず、誤った位置に生える、捻れるなど、歯並びに悪影響を及ぼすかもしれません。

乳歯が本来抜けるべきタイミングより早く抜けた場合も、歯並びに悪影響を及ぼします。通常、乳歯が抜けるとすぐに永久歯が生えてくるので、乳歯が抜けたことで生まれたスペースは永久歯で塞がれます。

しかし、乳歯が早期に抜けた場合、すぐに永久歯が生えてきません。あいたスペースに隣接する歯が移動する・倒れるなどして、永久歯が生えるためのスペースが奪われることがあるのです。

真っ直ぐに生えるためのスペースがない場合は、歯並びが乱れる原因になります。

虫歯になりやすい

要注意乳歯を放置していると、虫歯になるリスクが上がります。歯並びが乱れることで、歯磨きが難しくなるからです。

特に、歯の生え変わりが起こる6〜12歳頃のこどもは、適切に歯磨きをできない場合が多いです。歯磨きの必要性を完全に理解することも難しいので「したくない」と拒否することもあるでしょう。

磨き残しが生じると、虫歯のリスクが高まります。

歯茎の痛みや腫れが生じる

要注意乳歯を放置すると、歯茎に痛みや腫れなどの症状が出ることがあります。乳歯の抜け方や永久歯の生え方に問題があると、歯茎が炎症を起こす場合があるのです。

例えば、本来の位置や角度からずれて永久歯が生えた場合、歯茎や口腔内の粘膜に触れて傷つける可能性があるでしょう。圧迫され続けると、歯茎が腫れる・痛むなどの症状が出ます。

乳歯が適切に抜けておらず、一部分が歯茎の中に取り残された場合なども、歯茎の炎症につながるでしょう。

噛み合わせが悪くなる

要注意乳歯を放置すると、永久歯の噛み合わせが悪くなる可能性があります。歯が生え変わる時期にトラブルが起こると歯並びが悪くなりやすく、適切な噛み合わせにならない場合があるからです。

噛み合わせが悪いと、食べ物を噛むときに一部の歯だけに過度な負担がかかります。歯の寿命を縮める場合があるでしょう。

噛み合わせが悪いと顎にも負担がかかるので、顎関節症のリスクも上がります。

要注意乳歯と指摘を受けたときの対処法

要注意乳歯の治療

要注意乳歯と指摘を受けたときの対処法を確認しましょう。

・歯科医院を受診する
・無理に乳歯を抜かない
・動揺している乳歯を触らない
・丁寧に歯磨きする
・ゆっくり食事を摂る

それぞれ詳しく解説します。

歯科医院を受診する

まずは、歯科医院を受診しましょう。正常に生え変われば特に処置は必要ないかもしれませんが、経過を観察する必要があります。

処置が必要な状態であれば、できるだけ早い段階で治療するべきでしょう。早期に適切に対処すれば、正常に生え変わる可能性を高められます。

治療が必要な状態であるにも関わらず、放置すると上述したリスクにつながるでしょう。口腔内の健康を保つために、歯科医院を受診して確認してもらうことが重要です。

無理に乳歯を抜かない

グラグラしていて抜けそうな乳歯があっても、無理に抜くことは避けてください。乳歯の根が歯茎内に取り残される場合や、出血が止まらなくなる場合があります。

永久歯が生えてきているのに乳歯が抜けそうにないときは、歯科医院で抜歯してもらうのが最も安全です。抜歯する際に痛みや出血はあるかもしれませんが、プロが適切に対処してくれます。

痛みが続く可能性が高ければ、痛み止めを処方してもらえます。日常生活の負担を和らげることが可能でしょう。

グラグラしている乳歯があっても無理に抜かず、必要であれば歯科医院で対処してもらってください。

動揺している乳歯を触らない

抜けそうでグラグラしている歯があると、気になって触りたくなるかもしれません。

しかし、必要以上に手で触ることは避けましょう。手に付着した細菌が、歯茎の炎症を引き起こす恐れがあるからです。

炎症が起こると歯茎が腫れて痛みが生じる、膿が出るなどの症状が出ます。感染が重症化すると、発熱など全身の不調につながることもあるでしょう。

丁寧に歯磨きする

要注意乳歯がある場合は、丁寧に歯磨きすることが大切です。歯が生え変わる時期は、グラグラしている乳歯がある場合や、乳歯が抜けてすき間がある場合が多いです。

歯並びが安定していない状態のため、磨き残しが生じやすいでしょう。しっかり歯磨きをして汚れを除去しなければ、虫歯になるかもしれません。

ゆっくり食事を摂る

要注意乳歯を指摘されたときは、ゆっくり落ち着いて食事を摂る必要があります。グラグラしている乳歯が食事中に抜けて、飲み込む可能性があるからです。

また、食べ物を噛むと痛みを生じる場合もあります。無理せずゆっくり噛むことで、抜けた乳歯の誤飲を防ぎ、歯に負担をかけずに食事できるでしょう。

まとめ

元気な子供

今回は、要注意乳歯とは何かを解説しました。要注意乳歯を放置するリスクや、要注意乳歯を指摘されたときの対処法もご紹介しています。

要注意乳歯を放置すると、永久歯の歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼすでしょう。虫歯や歯周病のリスクが上がるなど、さまざまな問題を引き起こします。

学校の歯科検診で要注意乳歯を指摘された場合は、できるだけ早く歯科医院を受診してください。処置を行わず経過観察する場合もありますが、放置しても大丈夫だろうと自己判断することは避けましょう。

ご自宅では、丁寧な歯磨きを心がけてください。グラグラしている乳歯を不必要に触ることや無理に抜くことは控え、適切に対処しましょう。

要注意乳歯の治療をご検討の方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯の痛みの原因はなんですか?

2023年11月29日
歯の痛みの原因は何ですか?

こんにちは!大阪府八尾市で60年!地域に根ざした歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康に関することや、歯にまつわる体のお悩みなどは、歯科医師やスタッフにとっては常識的なことでも、患者さまにとっては疑問や不安になり得るのだ、とあらためて気づかされることがよくあります。できるだけ多くの質問に詳しくお答えできればいいのですが、診療中に個々の患者さまに詳しくご説明する時間が限られていることが多いのが実状です。

そこで、「歯に関するご質問に全力回答!」ブログをスタート! 普段の診療中によく訊(き)かれる質問に対して、この場で詳しく解説していくことを大命題として出発したブログです。このブログが、歯医者に対して患者さまが日頃抱えている疑問や不安の解消への近道になれば、と願ってやみません。

どんな些細な疑問や質問でも、お気軽にお寄せください! 患者さまの健康と幸福を支えることが私たちの役目です。どうぞよろしくお願いいたします。

 歯の痛みの原因は?のご質問に全力回答!

歯が痛い!虫歯?それとも…?? 一気に気持ちがくもってしまいますよね。ああでもない、こうでもないと原因を考えてモヤモヤ、イライラ。どうにかして気のせいってことにならないかなぁ、とまで思ってみたり。今回はそんなお悩みを解消するために、歯の痛みの原因について、歯科医として詳しく解説していきたいと思います。

その痛みの原因は…

歯に原因のある痛み

虫歯と歯肉炎

歯そのものに痛みの原因がある場合は、皆さんご存知の通り、以下のような原因が考えられます。

・虫歯

・歯周病

・歯冠・歯根破折

・知覚過敏

・親知らず

・歯髄炎

非歯原性歯痛のことです。歯の問題ではなく、顎関節、筋肉、または頭部の他の部位から発生する痛みのことを指します。例えば、ストレス、顎関節症、または頭部の神経の問題などにより、歯に関係ない箇所から痛みが発生する状態です。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

咀嚼(そしゃく)筋・筋膜性の歯痛

顎や頭部の筋肉や筋膜部分に原因のある痛みです。

噛み合わせの異常(咬合異常)や歯並びの問題が、筋肉や筋膜に過剰な負担をかけて痛みにつながる場合、ストレスによる筋肉の緊張に起因する場合、また最近ではスマートフォンやパソコンの画面を見る頻度と姿勢による首や肩の筋肉のこわばりが原因の場合など、さまざまなケースがあります。

関連痛

このように、痛みを感じる部位と、実際の痛みの原因が異なる場所にある場合に発生する痛みのことを「関連痛」といいます。特定の神経経路によって痛みが他の部位に伝達される現象です。

関連痛は奥歯で起こることが多く、上下の歯を間違えたり、隣の歯に痛みが現れたりします。一般的には鈍い痛みが特徴です。顎関節症などによる痛みも、これに含まれます。

関連痛例

神経障害性の歯痛

中枢神経から末梢神経まで、神経のどこかに障害が起きて感じる、いわゆる「神経痛」。

突然痛みが走る「突発性神経痛」と、鈍い痛みが1日中続く「持続性神経痛」の2種類に分けられます。

突発性神経痛

前者は三叉神経が原因で起こり、うずくまるほどの激痛を伴います。

持続性神経痛

ピリピリ、ジンジンといった痛みで、帯状疱疹の後遺症が代表的ですが、何らかの原因で神経が障害されると同様の症状が出ることがあります。

神経血管性歯痛

片頭痛や発作性片側頭痛など、神経血管性の頭痛に関連して生じる歯の痛みのことです。 中でも群発頭痛は「人間が経験する最悪の痛み」などと表現され、激烈な歯痛や顔面痛を呈するとされています。

上顎洞性歯痛

頬骨の奥に位置する上顎洞の粘膜が腫れ、膿や鼻水が溜まっている状態を上顎洞炎と呼びます。 上顎洞には奥歯の神経が通っており、それが粘膜の腫れなどで圧迫されることにより、奥歯だけに強い痛みを訴えます。

上顎洞歯痛

心臓性歯痛

狭心症や心筋梗塞など、虚血性心疾患の発作に伴って歯の痛みが生じることがあります。 その際、胸や顔面の痛みと同時に生じるのが一般的ですが、中には歯痛のみというケースもあり、いずれも圧迫痛や灼熱痛が数分〜20分程度続きます。

気圧性歯痛

歯の中心部には、歯髄腔という神経を収めた空間があり、普段は内部と外の気圧が同じになるように保たれています。しかし、台風などによって急激に外の気圧が下がると、その変化に対応できずに内部に圧がかかり歯痛が起こります。

飛行機に乗った際も同様の症状が起こり、「航空性歯痛」と呼ばれています。

気圧性歯痛

精神疾患または心理社会的要因による歯痛

ストレスや疲労よって免疫が落ちたりすることで、痛みを伝える神経系統のバランスが崩れ、血液中のホルモン量が変化するなど、さまざまな原因で歯が痛むことがあります。

歯の痛みの原因を見分けるには

このように、歯の痛みの原因には様々なものがありますが、最初に歯科医の診察を受けることが大切になってきます。歯の痛みについての鑑別(見分け)についてのフローチャート(下図)もぜひご参考になさってください。

歯の痛みに関する鑑別(見分け)フローチャート

それでは虫歯以外の歯の痛みのうち代表的なものについて、もう少し詳しく解説しましょう。

歯周病

歯周病は、歯やその周りの組織に影響を及ぼすお口の中の疾患の一つです。歯周病は、歯肉炎と歯周炎の2つに大まかに分けられます。

1. 歯肉炎

・歯肉炎は歯肉(歯ぐき)の炎症を指します。

・主な症状には歯ぐきの腫れ、出血、赤み、口臭などがあります。

・歯垢(歯の表面に形成される細菌の膜。プラークとも言います。)の蓄積によって引き起こされます。

・歯垢を適切に除去し、お口の中の衛生状態を改善することで進行を防ぐことができます。

2.歯周炎

・歯周炎は歯肉炎が進行し、歯周組織(歯槽骨や歯根膜)にまで及ぶ疾患です。

・歯周炎の症状には歯ぐきの後退、歯周ポケットの形成、歯のぐらつき、歯の脱落などが含まれます。

・歯周炎は進行性の疾患なので、放置すると歯を失う可能性があります。

歯肉炎から歯周炎への進行

歯周病の原因は、主に口腔内の細菌による感染です。歯垢(プラーク)が歯の周りの組織に蓄積し、細菌の繁殖を促進し、炎症を引き起こします。歯周病の進行を防ぐために、以下の予防策が重要です。

  • 定期的な歯科検診と歯のクリーニング
  • 歯みがきとフロスの適切な使用
  • 健康的な食事を心がける
  • できるだけタバコを控える、もしくは禁煙
  • ストレスの管理

歯周病は放置すると全身の健康にも悪影響を及ぼすことがあるので、決して軽視しないことが重要です。早期診断と治療のためにも、歯科医による診察やアドバイスを受けることをお勧めします。

知覚過敏

知覚過敏は、冷たさ(冷たい食べ物・飲み物や冷たい空気など)、熱さ(熱い食べ物・飲み物や湯気など熱い空気)、甘さ、酸味などの刺激に対して過敏に反応してしまう、歯の表面の知覚異常です。知覚過敏は一般的な歯の問題であり、以下は主な原因と予防および治療法です。

主な原因
  • 歯エナメルの薄化: 歯のエナメル質が薄くなると、神経に対する刺激が直接伝わりやすくなります。
  • 歯肉の後退: 歯肉の後退によって歯の神経部分が露出し、刺激に対する感受性(外部からの刺激に対する感度)が高まります。
  • 歯垢や歯石の蓄積: 歯垢や歯石の蓄積が歯の表面を侵すことで感受性が増します。
  • むし歯や歯周病: 歯の健康問題が知覚過敏の原因となることがあります。
治療法および予防策
  • 特別な歯磨き粉: 歯医者から勧められた特別な歯磨き粉を使用すると、エナメル質を強化し、感受性を軽減できます。
  • 歯科治療: 歯医者が歯のエナメル質を強化するための処置を行うことがあります。
  • 歯のクリーニング: 歯垢や歯石の除去により感受性を軽減できます。
  • 歯肉の治療: 歯肉の健康を維持することが大切です。歯周病などの問題があれば適切な治療を受ける必要があります。
  • 知覚過敏の仕組み

知覚過敏は一般的に軽度から中程度の症状であり、適切なケアと治療によって改善できます。患者さまの感受性もさまざまですので、ぜひ歯科医に相談し、適切な治療法を見つけ、また口腔内の健康維持に努めてください。

親知らず

親知らずは、一般的に第三大臼歯(第三奥歯)とも呼ばれ、口腔内にある四つの大臼歯のうちの最後に生える歯のことで、他の大臼歯と同じく通常成人になる前後ぐらいに、上下/左右それぞれ1本ずつ計4本生えることがあります。

親知らずが生えないこともある?

実は、なかには親知らずがまったく生えない人もおり、その割合は正確な統計データはないものの、4人に1人程度と言われています。

親知らずはそのままにしたらいけないの?

一般的に親知らずは正常に生えないことが多く、親知らずが問題なく生える人の割合は3割に満たないとも言われています。以下は、そんな親知らずの問題点と処置についてです。

親知らずの生える場所

  • 生える場所: お口の中のスペースは有限で、親知らずが他の歯や歯ぐきの下に埋まってしまうことがあります。
  • 生える方向: 親知らずが他の歯に向かって成長したり、斜めに生えたりすることがあります。これは、親知らずの周辺組織に対する圧力や歯ぎしりなどの習慣によって引き起こされることもあります。
  • 感染: 親知らずが歯肉の下に埋まっている場合、食べかすや細菌が歯の周りに蓄積し、感染症を引き起こす可能性があります。
  • 痛みや不快感: 親知らずの成長や生えてる場所、生え方によっては、痛みや不快感をおぼえることがあります。
  • 抜歯の必要性: 上記のような問題が生じている場合、抜歯することがあります。抜歯が必要な場合、歯科医は患者の具体的な状況を評価し、適切な治療計画を立てます。抜歯は外科的な手術で行われ、適切な麻酔の下で行われます。
  • 親知らず生え方

不適切な生え方をしている親知らずは、他の歯や口腔組織に悪影響を及ぼす可能性があるため、歯科医のアドバイスを受けることが重要です。

ストレス

ストレスと一口に言っても様々です。歯ぎしり、筋肉の緊張、免疫力の低下、食生活の変化、肩こりなど、お口の健康に関連するストレスと、そのストレスが引き起こす歯痛を挙げていきます。

歯ぎしり

ストレスは歯ぎしりや食いしばりを引き起こすことがあります。これらの習慣は歯に圧力をかけ、歯の摩耗や歯肉の問題を引き起こす原因となります。

筋肉の緊張

ストレスは顔の筋肉の緊張を増加させ、顎関節症などの症状を引き起こすことがあります。顎が痛くなったり、顎が自由に動かせなくなったりします。この痛みが前述の関連痛(痛みを感じる部位と、実際の痛みの原因が異なる場所にある場合に発生する痛みのこと)として歯の周辺の痛みにつながることがあります。

免疫力の低下

長期にわたるストレスは免疫機能に悪影響を与えることがあります。免疫機能とは、体が病原体や異物に対抗するために働く防御メカニズムのことです。免疫力が低下すると、これら防御メカニズムが正常に働かなくなり、結果、細菌による歯周病の進行や口内炎などのお口の中の健康問題に大きく影響してしまいます。

食習慣の変化

ストレスが原因で、いつも以上に甘い食べ物や硬い食べ物が食べたくなったりすることがあるため、虫歯や歯の周辺環境にとってのリスクが高まります。

肩こり

肩こりによる全身的な筋肉の緊張は、特に肩に近い顔や口腔周辺の筋肉に影響を及ぼす可能性があります。このような筋肉の過度な緊張は、咬筋(かむ筋)などにも影響を与え、歯に不要な圧力がかかるなどして歯痛を引き起こすことがあります。また肩こりの痛みが関連痛として歯痛につながることもあります。

夜、歯が痛くなる

夜間の歯痛

人には自分が意識的に制御できない機能を調整するための神経(自律神経)があります。この自律神経には、交感神経と副交感神経の2つがあり、ざっくり言うなら交感神経は興奮状態やストレスにさらされている時に優位に、副交感神経はリラックス状態や休息時に優位になることで知られています。

副交感神経が優位になるとどうなるの?

夜間、とくに就寝時などは一般的に副交感神経が優位になるのですが、そうすると体は心拍がゆっくりになったり、血管が膨張し血の流れが円滑になったりします。ところがこの血管の膨張が神経を圧迫し、痛みを引き起こすことがあるのです。例えば、偏頭痛のような血管性の頭痛は、頭部の血管の拡張に伴う痛みです。夜間の歯痛もこれと同じ原理ですが、とりわけ就寝時には横になることで頭に血流も集まりやすくなるので、それが歯痛の原因となってしまうことがあるのです。

1日の自律神経のリズム

まとめ

なんだか歯が痛い……そんな時のご参考になりましたでしょうか。いずれにしても歯痛の原因はさまざまですので、少しでも不安に思われたら、迷わず大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科までお越しください。適切な判断の後、しかるべき治療もしくはアドバイスをさせていただきます。

歯にまつわることならどんなことでもご質問にお答えしたい。そんな思いで書いているこのブログが、患者さまの不安払拭の一助になれたなら幸いです。

虫歯治療で歯の神経を抜くべきケースとは?神経を抜くメリットも解説

2023年11月24日
歯の模型

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

虫歯治療にはさまざまあり、歯を少し削って完了というケースもあれば、神経を抜くケースもあります。「神経を抜くのはあまりにリスクが大きいのでは?」と思う方も多いでしょう。

そこで今回は、虫歯治療で歯の神経を抜くメリットやデメリットなどについて解説します。神経を抜いた歯の寿命を長持ちさせる方法についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

歯の神経とは?

歯のイラスト

「歯の神経って具体的に何のこと?」と疑問に感じる方も多いでしょう。そこで、ここでは歯の神経の特徴や役割について詳しく解説します。

まず、歯の神経とは、歯の中に存在する歯髄(しずい)という組織のことです。歯髄には神経と血管が通っており、歯に対するさまざまな役割を担っています。

具体的には、以下のとおりです。

歯に栄養を与える

歯髄の役割のひとつが栄養の供給です。具体的には、カルシウムやミネラルなどの栄養を、血管を通して象牙質に供給しています。

外からの刺激を感知する

歯髄は、外からの刺激を感知し、脳にシグナルを送る役割も担っているのです。通常、人間が刺激として感じるものには痛い・痒いなどがありますが、歯の神経はすべての刺激を「痛い」と感じるという特徴があります。そのため、冷たいものも熱いものも「痛い」という刺激として脳に伝えているのです。

免疫反応を起こす

歯髄には防御機能も備わっています。具体的には、歯髄にある免疫細胞が細菌に抵抗した場合や、象牙質といわれる部分に刺激が加わった場合に、第二象牙質という壁をつくって刺激を遮断するのです。

虫歯治療で歯の神経を抜くべきケース

スマホを手に持ち悩む女性

「歯の神経を抜かないといけないのはどんなとき?」と疑問に感じる方も多いでしょう。虫歯治療では、歯を少し削るだけでよいケースも多くある一方で、神経を抜くケースもあります。では、どのようなケースで歯の神経を抜かなければならないのでしょうか。

結論からいうと、虫歯の進行度合いによっては歯の神経を抜く必要があります。具体的には、虫歯が歯の神経に達するほどに進行した場合に、神経を抜く必要があるのです。

なぜなら、虫歯が歯の神経にまで達すると、常に歯の痛みが続くためです。歯に何の刺激も加わってない状態でも歯が痛む場合、痛みから解放されるには歯の神経を抜くしかありません。

虫歯治療で歯の神経を抜くメリット・デメリット

水色の背景の前に置かれた丸とバツの札

「歯の神経を抜くべきか悩む」という方は多いでしょう。

虫歯治療で歯の神経を抜くメリットとデメリットについて解説します。

メリット

虫歯治療で歯の神経を抜くメリットは、以下の2つです。

歯の痛みがなくなる

歯の神経を抜くことで、痛みがなくなることが大きなメリットです。虫歯が歯の神経にまで達すると、安静にしていても痛むようになります。感染した神経が自然に治ることはなく、歯髄を構成する細胞が死滅するまで痛みが持続するのです。

その点、歯の神経をきれいに抜き取ってしまえば痛みの原因を取り除くことになるため、痛みから解放されるのです。

虫歯の進行を止められる

歯の神経が虫歯菌によって汚染された場合、虫歯はさらに進行します。何もせず放置し、歯根までダメージを受けると抜歯しなければなりません。

その点、歯の神経を抜くことで虫歯の進行を止められるのです。また、歯の神経を抜くことで抜歯にいたらず、大切な歯を保存できることも大きなメリットといえるでしょう。

デメリット

虫歯治療で歯の神経を抜くデメリットは、以下の2つです。

歯が脆くなる

歯の神経を抜くと歯が脆くなります。歯の神経である歯髄は、歯に栄養を供給して健康を維持するという大切な役割を担っています。

しかし、歯の神経を抜くと栄養供給がストップするため、歯が脆くなるのです。歯が脆くなると、少しの刺激で歯が折れることや、ひびが入ることがあります。

歯の異常に気づきにくくなる

歯の神経を抜くと、歯に刺激が加わっても痛みを感じることがありません。痛みを感じないことは一見メリットのようですが、歯に異常が起きているにもかかわらず痛みを感じないのは問題です。気づかないうちに症状が進行する可能性があります。

虫歯治療で神経を抜く方法

歯の治療器具

「虫歯治療で神経を抜く場合、どのような方法で行われるの?」と疑問に感じる方は多いでしょう。

そこで、ここでは歯の神経を抜く場合の流れについて詳しく解説します。

1.麻酔をする

2.歯を削り、神経を抜く

3.歯の根っこ内の形を整える

4.歯の根っこ内を消毒する

5.薬を詰める

6.土台を立てて被せ物を装着する

以上で治療は完了です。

歯の神経を抜くとき・抜いたあとは痛い?

クエスチョンマークとびっくりマーク

「歯の神経を抜くって痛そう」と不安に感じる方も多いでしょう。では、歯の神経を抜くときに痛みは感じるのでしょうか。また、抜いたあとに痛みを感じることはあるのでしょうか。

結論からいうと、歯の神経を抜くときに痛みを感じることはありません。なぜなら、歯の神経を抜く前に麻酔をするからです。麻酔の際に多少の痛みが発生するケースはありますが、麻酔が効いている間は痛みを感じることはないでしょう。

また、歯の神経を抜いたあとは、刺激を感知して脳に伝える役割をもつ歯髄がなくなるため、痛みを感じることはありません。

ただし、歯の神経の治療が不十分だった場合は痛みが残る可能性があります。「歯の神経を抜いたのに痛い」という方は、歯周病の進行など、虫歯以外の理由で痛みが生じていることも考えられるでしょう。

歯周病の場合は、歯ではなく、歯茎に炎症が起こって腫れなどの症状を引き起こす病気であることから、痛みが発生するのです。

神経を抜いた歯の寿命と長持ちさせる方法

歯ブラシ・フロス・歯の模型・聴診器

神経を抜いた歯は虫歯になりやすいです。また、栄養供給がストップすることから脆くなります。そのため「すぐダメになってしまうのでは?」と不安に感じる方も多いでしょう。

たしかに、神経を抜いた歯は、健康な歯に比べて10年程度寿命が短くなるといわれています。寿命の目安は5~30年ですが、より長持ちさせる方法は存在します。

神経を抜いた歯を長持ちさせる方法は、以下のとおりです。

セルフケアをきちんと行う

神経を抜いた歯は、ただでさえ虫歯になりやすい状態です。虫歯になりやすい状態であるにもかかわらず、口内環境が悪い状態が続くと、虫歯のリスクが一段と高くなります。

虫歯を予防するために大事なことは、日々のセルフケアです。歯ブラシやフロスなどを使用し、歯の汚れを徹底的に除去しましょう。三日坊主で終わるのではなく、適切なセルフケアを継続していく姿勢が大切です。

定期的にメンテナンスを受ける

誰しもが虫歯や歯周病のリスクがあります。適切なセルフケアを行っているつもりでも、少しでも歯に汚れが残っていれば、虫歯や歯周病のリスクが高くなるのです。

そのため、定期的にメンテナンスを受けることが重要です。歯科医院を受診し、細かな汚れまで徹底的に除去してもらうことで、虫歯や歯周病を予防でき、歯を長持ちさせることができます。

また、歯科衛生士から歯磨きの基本などを指導してもらうことで、より適切なセルフケアができるようになるでしょう。

まとめ

女性の口元

今回は、虫歯治療で歯の神経を抜くメリットやデメリットなどについて解説しました。

虫歯治療にはさまざまなケースがあり、症状が相当に進行した場合には歯の神経を抜かなければなりません。

無理に神経を残そうとすると、症状がさらに進行する場合や痛みが続く場合があります。そのため、歯科医師と相談し、場合によっては歯の神経を抜くという決断をすることも大事です。

歯の神経を抜くことで、歯が脆くなる場合や歯の異常に気づきにくくなる場合がありますが、その一方で痛みから解放され、症状の進行を食い止められるというメリットがあります。また、神経を抜いた歯がすぐに折れることや、ひびが入ることはないでしょう。

虫歯になりやすいという側面はあるものの、日々のセルフケアや定期的にメンテナンスを受けることで、長持ちさせることができます。セルフケアやメンテナンスを重視することで、神経を抜いた歯だけでなく、ほかの健康な歯を長持ちさせることにもつながるため、ぜひ継続しましょう。

虫歯治療でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯が欠けた!割れた!どうすればいいの?

2023年11月22日
歯が欠けた!割れた!どうすればいいの?

こんにちは!大阪府八尾市で60年!地域に根ざした歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康に関することや、歯にまつわる体のお悩みなどは、歯科医師やスタッフにとっては常識的なことでも、患者さまにとっては疑問や不安になり得るのだ、とあらためて気づかされることがよくあります。診療中には、できるだけ多くの質問に詳しくお答えできればいいのですが、実際には個々の患者さまに詳細に説明する時間が限られていることが多いのが実状です。

そこで、普段の診療中によく聞かれる質問に対して、当院のブログで詳しく解説していく「歯に関するご質問に全力回答!」ブログをスタートしました。

このブログが、歯医者に対して患者さまが日頃抱えている疑問や不安の解消への近道になれば、それは私たちの大きな喜びです。

どんな些細な疑問や質問でも、お気軽にお寄せください! 患者さまの健康と幸福を支えることが私たちの役目です。どうぞよろしくお願いいたします。

 歯が欠けたり割れたりしたら?のご質問に全力回答!

突然歯が欠けた!割れた!となると、それはもう慌ててしまいますよね。歯医者さんに行かなくちゃ!でも、どんな治療をされるんだろう? 今回はそんな不安解消のために、歯が欠けたり割れたりした場合の治療について、歯科医として詳しく解説していきたいと思います。

歯が欠ける、割れるとはどういう状態ですか?

歯は通常、大きく2つに分けられます。歯の上部を歯冠(しかん)、歯の下部を歯根(しこん)と呼びます。(ただし、解剖学的な定義と臨床的な定義には微妙な違いがあります。)臨床的には、歯茎の上に露出していて見える部分を「歯冠」、一方で歯茎に隠れていて見えない部分を「歯根」と言います。

歯が欠ける、というのは歯の一部が破損、欠損してしまうことで、歯が割れる、というのは文字通り歯にひびが入る、または割れてしまうことを言い、目に見える歯冠部分の破折(破損)である「歯冠破折」と、目に見えない歯根部分の破損である「歯根破折」とに分けられます。

破折には下のような種類があります。

破折の種類1.単純性歯冠破折

エナメル質の部分に限られるか、エナメル質および象牙質を含む破折のことで、露髄(ろずい)を伴わないもの。無症状、もしくは冷たい水やお湯で軽くしみたりします。

※露髄とは、歯髄(しずい:歯の神経と血管の結合組織)が外部に露出してしまうことを言います。

破折の種類2.複雑性歯冠破折

エナメル質、象牙質、またはセメント質にまで及ぶ破折で、露髄を伴います。冷たい水やお湯でひどくしみたり、あるいは何もしていなくても強い痛みがあります。

・歯根破折

文字通り歯の根(象牙質、セメント質、歯髄)が破折することです。冷水痛・温水痛にくわえ、出血を伴うこともあります。

歯が欠けたり割れたりする原因はなんですか?

原因はさまざまですが、以下は主な原因です。

破折の種類3.外傷や事故

事故、スポーツ中の怪我、転倒などで、顔に強い衝撃を受けると、歯が欠けたり割れたりしてしまうことがあります。場合によっては、歯がすっぽりと抜けてしまうこともあります。こういった外傷では、口唇、舌、口の中の粘膜なども傷つくことがよくあります。

破折の種類4.虫歯による歯の脆弱化

虫歯が進行すると、細菌が作り出す酸によって歯の硬い部分(エナメル質や象牙質)が溶けて歯が脆くなり、軽い力や刺激によって欠けや割れが生じてしまいます。

破折の種類5.繰り返しの虫歯治療

虫歯の治療で歯の一部を削り取ったり、充填物を設置したりという処置は、本来の歯の構造を変えるということなので、歯の弱体化にもつながります。また、神経を抜くという処置は、歯髄ごと取り去るということなので、神経だけでなく酸素や栄養素を運んでいた血管もなくなってしまい、結果、歯が弱くなり、破損しやすくなるのです。

破折の種類6.歯ぎしりや噛み物の習慣

通常何かを食べる時は、歯と歯の間に食べ物があるため、噛む力が調節されているので、歯は損傷しません。が、歯ぎしりや食いしばりでは、歯同士が直接接触し、時にはその人の体重の2倍ほどの力がかかることもあり、それが歯の破損を引き起こす原因となります。

破折の種類7.噛み合わせの異常

噛み合わせの異常がある場合、歯に過度の圧力がかかることがあります。歯は垂直方面の力には強いのですが、横からの力やこすり合わせるようなねじれた力には弱いので、かかる圧力が均等でない場合、歯の特定の部分に不均等な負荷がかかり、それによって歯が割れる可能性が高まります。

破折の種類8.治療した部分の劣化

過去に治療した部分の充填物や被せ物が劣化し、弱くなってくると、それに伴い歯に余分な負荷がかかるようになって割れやすくなります。

破折の種類9.硬い物を好む食習慣

硬い物を噛むということは顎も鍛えられていいことのように思いますが、硬い物ばかりを噛むよりも噛む回数のほうが顎には重要だと言われています。よく噛んで食べることと、硬い物を食べることは似て非なるものです。硬い物は歯に大きな負担がかかります。

破折の種類10.加齢

老化に伴う摩耗により、破折が生じる場合があります。

欠けたり割れたりした歯は自然に治りますか?

歯が欠けたり割れたりした場合、残念ながら自然に治ることはありません。歯は体の他の組織とは異なり、自己修復の能力が限られているのです。

歯が欠けた!割れた!の応急処置は?

歯が欠けたり割れたりしたら、つい気になって指で触ったり、舌でなめたりしたくなってしまいますが、損傷したところから細菌が入ったり、舌を傷つけたりすることもあるので止めましょう。また、自分で消毒をしたり、何かを詰めたりすることも、そこから神経が感染してしまう危険性もあるので止めましょう。応急処置の後は、できるだけ早めに歯科医に見てもらいましょう。

欠けた歯は歯医者さんに持っていくの?

欠けた歯が手元にある場合は、水や消毒液につけるのではなく、牛乳または生理食塩水もしくは市販の保存液につけ、乾燥しないようにした上で、できるだけ早く歯科医にお持ちください。歯の状態によっては修復できる可能性もあります。また、歯がすっぽり抜けた(脱臼)ときも、基本的には再植(もう一度もとの位置に戻す)となることが多いので、欠けた時と同様の保管法で、歯科医にご持参ください。速さが勝負です。

どうして水だとだめなんですか?

歯を再び元の位置に戻すため重要なのは、抜けた歯の根周辺にある「歯根膜(しこんまく)」という細胞が生きていることなのです。 この歯根膜は乾燥により死んでしまいます。乾燥を防ぐためなら水でもいいように思いますが、細胞を生きた状態に保つためには、できるだけお口の中と同じ環境で保管しなければなりません。そのため、生理食塩水や、その成分に似た牛乳に漬けて、細胞の延命をはかるのです。

割れた歯は抜くしかないですか?

以前は、歯が割れた場合、抜歯が唯一の解決策でしたが、近年、歯科用接着剤や治療理論・技術の進歩により、抜歯せずに歯を修復できるケースが増えています。ただし、抜歯せずに済むかどうかは特定の条件があります。また、破折後の経過時間も非常に重要で、時間の経過に比例して成功率が低下することが報告されています。

ストレスで歯が欠けますか?

ストレスが直接原因ではありませんが、ストレスによって知らず知らずのうちに歯をくいしばっていたり、寝ている間に歯ぎしりをしていたりで、歯に大きな負荷がかかり、歯の破折につながってしまうことがあります。

欠けたり割れたりした歯の歯磨きは?

歯磨きをしても問題はありませんが、破損部分はやはりもろくなっているので、できるだけやさしく磨くよう心がけてください。触ると痛い場合は、なるべく触れないようにして、早めに歯科医に見せましょう。

痛くないなら放置しても大丈夫?

欠けた部分は歯の硬い部分(エナメル質)が損なわれ、細菌などが入り込みやすくなり、感染の危険度が上がっています。舌などを傷つけることもありますし、また破損部分からさらに破折が進行することも考えられますので、痛くないからと放置せず、ぜととも早めに受診してください。

どんな処置をするのですか?

破損度合いによって大まかには下記のように処置します。

小さな欠け

歯の欠けが少ない場合、コンポジットレジンと呼ばれる材料を使用して欠けた部分を修復します。歯を削る必要が少なくて済みます。

中程度の欠け

歯の前部が中程度に欠損している場合、欠けた部分をレジンで修復するだけでは取れやすいので、プラスチックの被せ物を装着します。

大きな欠け

歯が大きく欠損しているが、神経は残っている場合は中程度の欠けと同様の処置で間に合いますが、神経を取り除かなければならない場合は根管治療を行い、その後に金属製の土台を埋め込み、クラウンを被せることがあります。

歯が折れた場合

歯の冠部分や根部分が大きく折れた場合、歯を保存するのが難しいことがあり、抜歯が必要な場合があります。抜歯後、ブリッジ、入れ歯、インプラントなどで歯を補う治療を適宜行います。

脱臼した場合

すっぽりと抜けた場合、元の位置に戻せる可能性がありますが、早い段階での治療が成功の鍵です。

歯が割れた場合

歯根が割れた場合、破折箇所、破折の方向、破折の程度によって治療が異なります。程度が軽いときは歯を抜かずにすみますが、残っている根を歯茎の切開によって掘り起こしたり、歯牙挺出(しがていしゅつ)といって残った歯を引っ張り上げる処置などを施すことがあります。

保険治療ができるかできないかは、方法や使用する材料によっても変わりますので、ぜひ前回ブログ「歯科の保険適用範囲って?」をご参照ください。

歯を保存できない時の処置をもう少し知りたいです。

歯の根を残せるか残せないかで処置も変わりますが、下記のような方法があります。

差し歯

歯根が残っている場合の治療です。残った歯の一部を削り、その上に人工の歯を被せることで、歯の形状と機能を回復する方法です。完全に歯が抜けてしまった場合にはクラウン治療は適用できず、また、歯の根部が弱くなっている場合にも根が折れたりヒビが入る危険性があり、注意が必要です。前歯など、見た目に重要な役割を果たす歯は、金属製の材料を使うのか、自然な歯の色に近い材料を選ぶのか選択していただきます。

ブリッジ

ブリッジ(橋)治療は、失われた歯の両側にある歯を支えとして、文字通り橋のように一体型の人工歯を設置する治療法です。入れ歯のような不安定さが少ないといった特長があります。ただし、この治療には元々健康な歯を削る必要があり、それにより健康な歯の寿命が短くなる可能性もあります。また、ブリッジと歯肉の間に汚れがたまりやすく、虫歯や歯周病の原因とならないよう、歯間ブラシを使うなどこまめなケアが必要です。

ブリッジについては当院の「ブリッジ治療」ページをご覧ください!

義歯(入れ歯)

お馴染みの装具で、歯をすべて失った場合の「総入れ歯」と、一部歯が残っている場合の「部分入れ歯」の2つがあります。入れ歯は比較的リーズナブルですが、自前の歯と比べて噛む力が、部分入れ歯は約30~40%、総入れ歯では約10~20%と非常に弱いといった側面もあります。また、部分入れ歯の場合、入れ歯を支えるための保持具を自然の歯に引っ掛けますが、これが歯肉や歯に負担をかけることがあり、健康な歯を損傷したり痛めたりする可能性があります。総入れ歯の場合は、上顎部分は口の粘膜に密着し、下顎部分は歯茎の上に装着されるため、食べ物の味や温度を感じにくくなることもあるのです。

入れ歯について詳しく知りたい方は、当院の「入れ歯・義歯治療」のページをご覧ください。

インプラント治療

抜歯を行った箇所(歯根も残っていない箇所)に、チタン製の小さなピンやスクリューで人工の歯根を作って歯を再建する治療のことです。差し歯や入れ歯に比べて噛む力も元の歯とほぼ同じでしっかり噛めますし、入れ歯のように違和感があったり、歯茎に当たって痛いといったこともないのが特長です。反面、保険が適用されないため高額になったり、人工歯根が馴染むまでに時間がかかったり、また、そもそもインプラント治療が施せない全身疾患などもあるので、懇切丁寧なカウンセリングが必要です。

インプラント治療について詳しく知りたい方は、当院の「インプラント治療」のページをご覧ください。

子どもの歯が割れた時は?

大人と同様です。乳歯が欠けた場合も、どうせ抜ける歯だからと放置せず、欠けた部分から虫歯になる危険性もありますし、それがこれから生えてくる永久歯に悪影響を及ぼすこともあるので、早めに歯科医の診療を受けてください。

セラミックが欠けてしまった場合?

セラミックの歯が欠けた場合も、本来の歯の時と同様です。欠けた部分は洗って保管し、歯科医にお持ちください。自然歯を保管する時のように牛乳や生理食塩水に漬ける必要はありません。

歯ぎしりは予防できますか?

歯ぎしりの最も大きな原因は「ストレス」だと言われています。またアルコールやカフェインの接種が、交感神経を高ぶらせ、興奮状態が歯ぎしりを誘発することもあります。できるだけリラックスして入眠することを心がけ、寝る姿勢は歯や歯茎に圧力のかかりにくい仰向けで寝るようにしましょう。きちんと治療する場合は、マウスピース(ナイトガード)を作成し使用しましょう。市販のマウスピースは適合が甘いことが多いので、歯科医院で作成するのがおすすめです。

まとめ

歯が欠けたり割れたりするのは緊急事態です。破損の状況によって処置はさまざまですが、何はさておき、早めに大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科へお越しください。

もりかわ歯科なら安心の365日開院です!

欠けたり割れたりした歯が自然と再生することはありません。それ以上歯が悪くならないように、できるだけ早い処置を歯科医におまかせください。私たちは未来の歯を守ります。

歯肉炎と歯周病の違いとは?歯肉炎の症状や原因、治療法も解説!

2023年11月17日
歯肉炎の女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯肉炎や歯周炎、歯周病はよく似ている言葉なので、違いがわからないという方も多いのではないでしょうか。歯肉炎は、歯周病の初期段階です。

歯肉炎を放置して進行すると、歯周病になって歯が抜け落ちる可能性があるため注意が必要です。歯肉炎の原因や症状、予防法を理解することで、早期発見・治療が可能となるでしょう。

今回は、歯肉炎の症状や原因、治療法、予防法などを解説します。ぜひ参考にしてください。

歯肉炎と歯周病の違いとは?

歯肉炎と歯周病の比較

歯周病は、歯の周囲組織がプラーク(歯垢)に潜む細菌に感染することによって引き起こされる炎症性疾患です。歯肉炎は歯周病の初期段階を指します。

歯肉炎の段階では炎症は歯肉に限定されており、歯を支える歯槽骨には炎症が広がっていません。歯肉の腫れや出血などの症状がみられることがありますが、ほとんど自覚症状がないことが特徴です。

歯肉炎の段階で治療を開始し、プラークコントロールを徹底できれば、歯周病の進行を抑えることができます。

歯肉炎と歯周炎の違いとは?

歯肉炎と歯周炎の違いを考える女性

歯肉炎と歯周炎の違いは、症状の進行度です。いずれも歯周病に分類され、歯肉炎から歯周炎へと進行します。

歯肉炎は比較的軽度の歯周病であり、適切にケアをすることで歯茎を健康な状態に戻すことが可能です。

歯周炎へと進行すると、深くなった歯周ポケットにプラークが入り込み、歯槽骨にまで炎症が広がります。歯肉の腫れや出血だけでなく、歯肉から膿が出る、歯がグラグラと揺れるなどの症状が現れ始め、最悪の場合歯が抜け落ちます。

歯周病は進行すればするほど歯を失うリスクが高くなり、大がかりな治療が必要になるため、早期に適切な治療を受けることが重要です。

歯肉炎の症状

歯茎が腫れている人

歯肉炎は自覚症状がないことが多いですが、以下の症状が現れます。

・歯肉の赤み
・歯肉の腫れ
・歯肉の出血

歯肉炎の段階では痛みがないため、症状に気づかないこともあります。症状が軽いため、治療を受けずに放置する方も少なくありません。

しかし、放置すると炎症が広がって歯周炎へと進行し、歯を失う可能性があります。大切な歯を守るために、歯肉炎の段階で適切な治療を受けることが大切です。

歯肉炎の原因

歯垢のついた歯

歯肉炎の原因は、歯垢(プラーク)という細菌の塊です。歯を十分に磨けていないと、歯垢が歯周ポケットに蓄積して細菌が増殖します。細菌が出す毒素により、歯肉に炎症が起きた状態が歯肉炎です。

プラークは除去しないと石灰化して、歯磨きでは除去できない歯石へと変化します。歯垢や歯石などの汚れが蓄積すると、歯肉が腫れて歯周ポケットが深くなるため注意が必要です。

歯周ポケットの内部に歯垢や歯石が入り込むと、炎症が深部まで広がり、歯肉炎から歯周炎へと進行します。歯の状態や生活習慣、病気などによって歯肉炎が悪化しやすくなることがあるため注意しましょう。

歯肉炎の進行を早める要因は、以下のとおりです。

・歯ぎしりや食いしばりの癖がある
・被せ物や詰め物が入っている
・合わない入れ歯を使っている
・歯並びが悪い
・食習慣が不規則である
・喫煙習慣がある
・ストレスがたまっている
・糖尿病を患っている
・降圧剤や免疫抑制剤などの薬を服用している

喫煙習慣がある方やストレスを解消できていない方、糖尿病などの病気を患っている方は、免疫力が低下するので歯肉炎が進行しやすいです。歯肉炎の予防・改善には、お口のケアだけでなく生活習慣の改善や全身の健康管理も重要といえます。

歯肉炎を放置するリスク

歯肉炎を放置するリスク

歯肉炎を放置すると炎症が広がり、歯周炎へと進行します。歯肉炎を放置するリスクを詳しく確認しましょう。

歯周病が悪化する

歯肉炎を放置すると歯周炎へと進行し、歯周病が悪化するため注意が必要です。歯周炎になると歯周ポケットが深くなり、歯垢や歯石が蓄積して炎症が深部へと広がります。

歯周炎まで進行すると、以下の症状が現れます。

・歯肉から膿が出る
・口臭が悪化する
・噛むときに強い痛みを感じる
・歯肉が下がって歯が長く見える
・歯槽骨が溶けて歯がグラグラと不安定になる
・歯が抜け落ちる

歯周病は歯を失う原因の第一位です。重度の歯周病まで進行すると、歯槽骨が半分以上破壊されて歯が抜け落ちる可能性があります。周囲の歯への影響を避けるため、抜歯が必要にあることもあるでしょう。

全身の健康に悪影響を及ぼす

歯肉炎を放置すると、全身にも悪影響を及ぼします。歯肉の血管に細菌が出す毒素が侵入し、血流に乗って全身に巡るためです。

糖尿病や心臓血管疾患、骨粗鬆症などの発症・悪化を招き、肺炎や脳梗塞、心筋梗塞を引き起こすこともあります。また、妊婦の場合は低体重出生児や早産のリスクが高まります。

歯肉炎の治療法

歯肉炎の治療

歯肉炎をはじめとする歯周病治療の基本は、原因である歯垢・歯垢の除去です。歯肉炎の段階で治療を開始できれば、毎日のセルフケアと歯科医院でのメンテナンスで改善可能です。

歯肉炎の治療法を詳しく確認しましょう。

歯のクリーニング

専用の機器を用いて、歯の表面や歯周ポケット内部の歯垢・歯石を除去します。歯科医院のクリーニングでは、スケーリングとルートプレーニングという処置を行います。

歯石は歯ブラシでは除去できないため、定期的に歯科医院のクリーニングを受けて除去することが大切です。適切なブラッシングを継続し、歯科医院でのメンテナンスを受ければ、2~3週間程度で歯肉の状態を改善できることもあります。

スケーリング

スケーラーという器具を用いて、歯の表面に付着した歯垢や歯石を除去する処置です。

ルートプレーニング

歯周ポケット内部の歯石や、細菌によって汚染された歯根のセメント質を除去し、なめらかにする処置です。なめらかに研磨することで、歯垢や歯石の再付着を防ぎます。

被せ物の再治療

被せ物を長期間使用すると段差やすき間が生じ、歯垢がたまりやすくなります。被せ物の不具合によって炎症が起きている場合は、再治療が必要です。

生活習慣の指導

喫煙習慣や乱れた食生活、睡眠不足、ストレスの蓄積などは歯肉炎を悪化させる要因です。歯科医院では、生活習慣を改善するために指導を行うことがあります。

ブラッシング指導

歯科医院でのクリニーニングだけでは、歯肉炎は改善しません。正しいブラッシング方法を身につけ、ご自宅でもプラークコントロールを継続することが大切です。

歯科医院では、一人ひとりのお口の状態に合わせて、効果的なブラッシング方法を指導します。

歯肉炎の予防法

歯間ブラシを使う女性

歯肉炎は自覚症状がほとんどないまま進行するため、歯肉炎を起こさないことが非常に重要です。歯肉炎の予防法をご紹介します。

口腔ケアを徹底する

歯肉炎を予防するためには、プラークコントロールを継続することが大切です。プラークは歯ブラシだけでは除去できないため、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助器具を使用しましょう。

デンタルリンスでの仕上げうがいは、細菌の繁殖を抑制する効果があります。プラークをできる限り除去し、細菌を繁殖させない口腔環境を作ることが大切です。

生活習慣を改善する

歯肉炎の予防には、生活習慣の改善が非常に重要になります。生活習慣を改善するためのポイントは、以下のとおりです。

・禁煙する
・栄養バランスのよい食事をとる
・十分で質のよい睡眠をとる
・ストレスをためない

上記を心がけると、免疫力が高まります。免疫力が高まれば歯肉炎を予防できるだけでなく、体調も整うでしょう。

歯科医院で定期的にメンテナンスを受ける

歯肉炎は自覚症状なく進行するため、歯科医院で歯茎の状態のチェックしてもらうことが大切です。定期的に歯科医師の診察を受けることで、歯肉の異常を早期発見できます。

歯科医師・歯科衛生士によるクリーニング、正しいブラッシング方法の指導も受けられるため、プラークコントロールの継続にもつながります。

1年に2~3回は歯科医院を受診し、メンテナンスを受けるとよいでしょう。

まとめ

歯肉炎が治った女性

歯肉炎は、炎症が歯肉に限定されている歯周病の初期段階です。歯肉炎を放置すると歯周炎へと進行し、重度になると歯槽骨が溶けて歯が抜け落ちる可能性があります。

歯肉炎の段階であれば、プラークコントロールを徹底することで健康な状態に戻せます。毎日の口腔ケアに加え、歯科医院でクリーニング、ブラッシング指導を受ければ、歯垢をしっかり除去できるでしょう。

また、定期的に歯肉の状態を確認してもらうことで、歯肉炎の早期発見・早期治療が可能です。お口の健康を維持するために、歯科医院で定期的にメンテナンスを受けて歯肉炎を予防しましょう。

歯肉炎にお悩みのあるの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

こどもの歯の健康ケア

2023年11月15日
子どもの歯の健康ケアって?

こんにちは!大阪府八尾市で60年間、地域に根付いた歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康に関することや、歯にまつわる体のお悩みなどは、歯科医師やスタッフにとっては常識的なことでも、患者さまにとっては疑問や不安に思われることなのだ、とあらためて気づかされることがよくあります。診療中には、できるだけ多くの質問に詳しくお答えできればいいのですが、実際には個々の患者に詳細に説明する時間が限られていることが多いのが実情です。

そこで、普段の診療中によく聞かれる質問に対して、当院のブログで詳しく解説していく「歯に関するご質問に全力回答!」ブログをスタートしました。

このブログを通じて、歯医者に対して患者さまが日頃抱えている疑問や不安を解消していただければ、それは私たちの大きな喜びにもつながります。

どんな些細な疑問や質問でも、お気軽にお寄せください! 私たちは患者さまの健康と幸福を支えるためにここにいます。どうぞよろしくお願いいたします。

 こどもの歯の健康ケアって?のご質問に全力回答!

ひとくちに「子どもの歯の健康」といっても、子どもの年齢もさまざまだし、何をどうすればいいのか分からない… 今回はそんな不安解消のために、子どもの歯の健康について、歯医者として詳しく解説していきたいと思います。

 こどもは虫歯になりやすい?

そもそも虫歯のできやすさに大人と子どもで違いがあるの? 答えはYES。子どもの歯は、大人に比べて歯の成熟度が低く、見たり触ったりしても分かりませんが、実は歯の表面のエナメル質に比較的多くの空洞があり、薄くて柔らかいのです。そのせいで特段、酸や甘いものに弱く、結論として子供の歯は大人の歯よりも虫歯にかかりやすいと言えます。

また、きちんと歯磨きができていない、間食をよくするなど、子どもならではの生活習慣も虫歯の原因です。

歯の構造

こどもの虫歯は減っている?

最近、フッ化物やフッ化物入り歯磨き粉(剤)を使う方が増えて、子供の虫歯の発生率が30年前の5分の1にまで減少しています。実際、日本の子供の2人に1人は虫歯の経験がないという調査結果も出ています。

こどもの虫歯の原因は?

子どもの虫歯が減っているとはいえ、子どもが虫歯にならないわけではありません。

子どもの虫歯の原因としては、主に以下のようなものがあげられます。

不十分な歯磨き

子どものうちは正しく歯磨きをするのはたいへんです。歯ブラシが大嫌いというお子さまもいらっしゃるでしょう。お子さまの歯磨きを根気強く大人がチェックすることが虫歯予防には大切です。

不十分な歯磨き

糖分の過剰摂取

砂糖を多く含む食品や飲み物を過度に摂取することも、虫歯になりやすい大きな要因です。砂糖を栄養とする細菌が酸を生成し、その酸が歯に悪影響を与えます。

糖分の摂取やダラダラ食べ

おやつの「ダラダラ食べ」

決められた時間に甘いものを食べるのではなく、いつも何かを食べている「ダラダラ食べ」。これは口の中に食べ物のない時間が少なくなるということで、歯によくありません。

虫歯菌の感染

生まれたばかりの赤ちゃんの口の中に虫歯菌(代表的なものとしてはミュータンス菌)はいません。虫歯菌に感染してしまうことで虫歯になります。

歯並びが安定していない

乳歯と永久歯の両方が生えていたり、生えかけの歯があったりなど、汚れの溜まりやすい状況になりやすく、虫歯のリスクも高まります。

では子どもの虫歯についての疑問点も踏まえて、もう少し詳しく説明しましょう。

虫歯菌が感染するって本当?

本当です。よく知られていることですが、虫歯菌はご家族(親・祖父母)から感染すると言われています。母乳やミルク期が終わり離乳食になると、大人が自分のスプーンや箸で食べ物を取り分けたり、食べさせたりします。また温かい物に息を吹きかけて冷ますこともあるでしょうし、至近距離でのおしゃべりやスキンシップでも唾液が飛び、その唾液を介して感染してしまうことが多いのです。

特に奥の乳歯が生えてくる頃は、食べるものも増えてきて、感染しやすい要注意時期と言われています。

唾液の飛散やおしゃべりも!?

乳歯と永久歯について意外と知らないこと

永久歯の生える時期と順番

そもそもどうして最初から永久歯が生えないのでしょうか。それは、子どもの顎の大きさに理由があります。小さな顎に、大人と同じ大きさや本数の歯は収まりきらないからです。大人の歯が28本なのに対して、乳歯は全部で20本。乳歯は、生えることで永久歯の生えるスペースを確保し、顎を発達させたり、言葉を発すること(発音)の助けになったりと、非常に重要な役目を担っているのです。

乳歯なら虫歯になっても大丈夫?

どうせ抜けてしまうのだから虫歯になっても大丈夫だろうというのは大きな間違いです。歯は外側から「エナメル質」、その下に「象牙質」、そして一番内側に「歯髄(しずい)」、という3つの層からできています。「歯髄」には血管と神経が通っているのですが、虫歯にかかった乳歯をそのままにしておくと、虫歯菌が歯髄にまで到達してしまいます。そうなると、乳歯の下で待機している永久歯にまで影響が及びます。つまり、せっかくの永久歯が「虫歯菌を持った永久歯」として生えてきてしまうのです。いつ虫歯になってもおかしくありません。

また、永久歯の生え方をサポートする役割の乳歯が虫歯で早々に失われてしまうと、永久歯がまっすぐ生えてこられないなど、将来の歯並びに影響することも考えられます。

乳歯から永久歯への感染

子どもの歯は虫歯になったら進行が早いのですか?

前述の通り、永久歯に比べてエナメル質に細かな空洞も多く、薄くて柔らかい乳歯は虫歯の進行が早いです。また、小さなお子さまは違和感や痛みをうまく伝えることができなくて、いつの間にか進行していたといったケースもあるのです。

乳歯が虫歯になったらどうすればいいの?

永久歯の健康を守るためにも、早期発見・早期治療が大切です。乳歯の歯科治療には、おおむね以下のような治療を施します。

シーラント法

乳歯の溝や凹みにフッ素樹脂を詰めて、虫歯菌の侵入を防ぐ方法です。

フッ素塗布

フッ素を歯に塗布して、歯質を強化する方法です。

歯科医によるフッ素塗布

充填(レジン充填)

虫歯を削った部分にレジンというプラスチックを詰める方法です。

レジン充てん

根管治療

虫歯が神経まで進行してしまった場合に、神経を抜いて根管を充填する方法です。

抜歯

虫歯が進行して歯を残すことができなくなった場合に、歯を抜く方法です。

いずれもケースバイケースです。嫌がるお子さまに無理やり治療を施すと、歯科恐怖症などお子さまの将来に悪影響を及ぼすこともあります。お子さまが治療を受けやすい環境を整え、お子さまの大事な永久歯のために最善の治療を施すためにも、歯科医師とよくご相談ください。

一生虫歯にならないようにできるの?

口の中に虫歯菌が存在しなければ、虫歯になるリスクはほぼゼロです。 そして、口の中に虫歯菌が住み着く可能性は、2歳半〜3歳までに決まると言われています。 そのため、3歳までに虫歯菌の感染を予防できれば、一生虫歯にならないか、虫歯になりにくい口腔内環境を築くことができると言えます。

子どもの歯の健康を守るには?

ここまで、子どもの歯と虫歯の関係について基本的な問題点を知ってもらいました。ここからはさらに踏み込んで、子どもが虫歯にならないようにするには何をすれば良いのか、子どもの歯の健康のためにどうすればいいのかを具体的に解説していきます。

食べ物のおはなし

子どもの歯と食べ物の関係は非常に重要で、正しい食習慣は歯の健康のみならず体の健康にも大きな影響を与えます。まず、おいしくと感じることで食欲がわき、子どもの体づくりにつながります。「咀(そ)しゃく(=噛むこと)」「歩行(=歩くこと)」「呼吸(=)息をすること」は生きるために絶対不可欠な運動であると証明されています。

よく噛むということのメリット

よく噛んで食べることにはメリットがたくさんあります。

  • 消化を助け、胃腸への負担を減らすことができます。
  • 食べ物本来の味がよくわかるので、味覚が発達します。
  • 脳の神経を刺激するため、脳細胞の働きが活発になり、脳の発達につながります。
  • 脳の神経が刺激されるとホルモンの分泌もさかんになり、運動神経の発達も期待できます。
  • 口の周りの筋肉を使うので、きれいな発音の助けになります。
  • よく噛んで食べる

よく噛んでたべましょう!

虫歯予防にはバランスの良い食事が大切

大切な栄養素としてカルシウムが有名ですが、カルシウムだけで強い歯はできません。もちろん、永久歯を作る時期にカルシウムが不足すると、強い永久歯は生えてきませんが、良質なタンパク質などをバランスよく摂取することがとても大切です。以下は、歯に良いとされる栄養素です。

カルシウム

カルシウムを多く含む食材

歯のエナメル質や象牙質の主要な構成要素です。カルシウムが不足すると歯が脆くなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。牛乳、チーズ、ヨーグルト、大豆などの乳製品に多く含まれています。

ミネラル

ミネラル(亜鉛、マグネシウムなど)は歯の硬度を維持し、歯の石灰化のための材料になります。これらのミネラルは様々な食品に含まれています。

たんぱく質

歯の再生と修復に重要で、歯の有機物質のほとんどがたんぱく質でできています。肉、魚、乳製品、豆腐、卵などが良いたんぱく質の源です。

りん

歯や骨の形成に必要な栄養素で、カルシウムとのバランスが重要です。カルシウムとりんのバランスが取れた食事が、歯の健康をサポートします。肉、魚、卵、乳製品などに含まれています。

ビタミンA

歯のエナメル質の健康を維持するのに役立ちます。ビタミンAはにんじん、かぼちゃ、スイートポテトなどの植物性食品や、レバーや魚などの動物性食品に多く含まれています。

ビタミンC

歯の象牙質の生成に必要な栄養素です。歯と歯ぐきの健康をサポートし、唾液の分泌を促すことで虫歯のリスクを減らしたりもします。柑橘類、いちご、ブロッコリー、パプリカなどの食品に多く含まれています。

ビタミンD

カルシウムの吸収を助け、腸で吸収したミネラルを歯や骨に送る役目もします。ビタミンDは日光や魚、卵、乳製品などに含まれています。

丈夫な歯のためにはバランスの良い食事を心がけ、「偏食ゼロ」を目指しましょう。

歯の健康には食べるおやつにも注意

歯によくないおやつ

アメなど甘みが口の中にとどまるものや、キャラメルなどの歯にくっつきやすいむもの、チョコレートやグミ、クッキーなど奥歯や歯のすき間に残りやすいものは注意が必要です。

歯に悪くはないおやつ

アイスクリーム、ゼリーやプリン、ケーキなどは長時間口にとどまりにくいので、意外と歯にやさしいおやつです。

歯にいいおやつ

せんべいやポテトチップなど甘くないおやつは総じて歯にやさしいおやつです。煮干し、果物、ナッツ類、チーズなども歯にいい栄養素(カルシウムやフッ素)を含んだおやつです。

上の子と下の子のおやつは同じじゃない!

1歳6カ月〜3歳ごろの子には自然の甘みを中心としたおやつを、4〜6歳ごろの子のおやつには上記にもある甘さ控えめの「歯にいいおやつ」を選びましょう。

 

おやつの「だらだら食べ」はなぜ悪い?

口の中に食べ物のない時間というのは、実は唾液が歯の再石灰化(虫歯を修復すること)を促進する大事な時間でもあるのです。つまり、だらだらと食べ続け、口の中にいつも食べ物や食べ物の残り滓がある状態は、歯のための大切な時間がとれないということです。

同じ糖分量を摂取したとしても、一度に摂取するよりも、だらだら接種するほうが虫歯になりやすいのはそういう理由です。

歯の健康には飲み物にも注意

子どもはお茶や水よりも甘い飲み物を欲しがりがちですが、飲み物もおやつです。栄養もとれて体によさそうな野菜ジュースにも糖分やクエン酸などの酸も含まれているので、飲んだあとのケアは必要です。

定期検診のおはなし

乳歯の生え始める生後6〜8カ月頃からは特に虫歯になりやすい時期に突入するので、この時期が歯医者さんデビューの目安となります。また、定期検診は1歳半検診の後に開始するといいでしょう。検診は3〜4カ月に1回の受診が理想的ですが、最低でも半年に1回の受診をおすすめします。

定期検診

定期検診ではどんなことをするの?

  1. 歯科医がお子さまの口の中をチェックし、歯の汚れや虫歯の有無、歯はどんなふうに生えてきているのか、永久歯が生えるためのスペースや歯の形、舌や粘膜の状態はどうかなど口の中のあらゆることを細かく調べます。
  2. 汚れを落とし、虫歯予防のために歯にフッ素の塗布を行ったりもします。
  3. お子さまの生活習慣についてたずね、歯磨きや間食についてのアドバイスをしたり、お子さまの指しゃぶりなどの気になるくせや歯並びについての相談などにも応じます。

では、ここで気になったワードについても説明します。

フッ素のおはなし

歯の定期検診でフッ素を塗るのはなぜでしょう。それは、乳歯や生えたばかりの永久歯は、育ちきった永久歯よりも効率よくフッ素を吸収し、歯質を強化することができるため、虫歯予防に非常に効果的な手段だからです。

また、ご家庭で使用する子ども用の歯磨き剤もフッ素入りが有効ですが、フッ素濃度には推奨基準があり、歯の生え始め〜2歳までは1000ppm(米粒大)、5歳までは同じく1000ppm(グリーンピース大)、6歳以上は1,400〜1,500ppm(2cm程度)となっています。年齢にあった歯磨き剤を使用しましょう。

キシリトールのおはなし

フッ素と並んでよく聞くキシリトールとは、甘みの成分でありながら虫歯の原因にならず、そればかりか虫歯の発生や進行を防いでくれる有用な物質です。歯磨きができない時などはうがいとキシリトール(ガムや、ガムが噛めない年齢のお子さまならタブレット)で対応できます。特に歯科医で販売しているものはキシリトール100%ですので、虫歯予防効果が高くおすすめです。甘いものを食べた後にはキシリトールをぜひ。

歯並びのおはなし

歯並びも健康に多大な影響があります。すみずみまで歯磨きが行き届きにくく、虫歯や歯周病になりやすいのはもちろん、舌の動きが悪くなると発音にも影響しますし、噛み合わせが悪ければ胃腸にも悪影響を及ぼし、ひいては体の健康に関わります。

子どもの歯並びは自然に治るの?

乳歯の時期にある歯の隙間は、永久歯がきれいに生えるために必要な場合もあり、問題ないと言えます。また乳歯が斜めに生えるのもよくあることで、成長にともない改善される場合があります。けれども、永久歯が生え始める6歳頃からは顎の骨の成長度合いは80%になり、この時期に歯並びもほぼ決まってしまいます。お子さまの歯並びは、歯や顎の大きさ、遺伝、指しゃぶりなどの生活習慣や癖などに影響を受けると言われています。

歯並びは自然に治りますか?

歯列矯正はしたほうがいいの?

子どものうちに矯正をする最大のメリットは、成長発育を利用できるということです。大人になってからの矯正では、例えば外科手術が必要な場合もありますが、子どもは顎の骨が発育途中なので、骨格そのものの改善を試みることができるのです。

上下の顎のバランスを整え、虫歯や歯周病のリスクを減らし、口に悪影響のある生活習慣や癖を改善する、などお子さまの将来のためになることも多い反面、お子さまが乗り気じゃない、期間が長いなどのデメリットもありますので、ぜひ歯科医にご相談いただき、納得のいく答えを見つけてください。

子どもの歯列矯正は必要?

子どもの歯列矯正のタイミングは?

個人差はありますが、永久歯が生え始める6歳頃から始め、顎の成長がとまる12歳頃までに終了させるのがよいとされています。

シーラントって何ですか?

フッ素塗布と共に、よく行われている虫歯予防のひとつです。奥歯の溝は食べかすなどが溜まりやすく、また歯ブラシも届きにくく虫歯のできやすいゾーンです。この奥歯の複雑な溝をレジンなどのプラスチック樹脂で埋めてしまうのがシーラントです。この素材にはフッ素も含まれているので、歯質強化にも役立ちます。虫歯予防の強い味方ではありますが、定期的にやり直しが必要だったりもするので、歯科医とよくご相談ください。

シーラントって何?

正しい歯磨きのおはなし

歯磨きはもっとも大切なケアのひとつです。子どもの歯磨きはたいへんですが、将来の健康のためにも、しっかりサポートしましょう。歯が生えそろう3歳ぐらいまでにはじぶん磨き(自分で歯磨き)デビューさせ、しっかり仕上げ磨きもしてあげてください。

乳幼児の歯磨き方法

まずは触られることに慣れてもらいましょう。 歯が生えてきたらお手入れスタートです。

湿らせたガーゼなどで歯や歯肉をやさしくぬぐい、やわらかい歯ブラシでケア。1日1回寝る前にきちんと磨いてあげるといいでしょう。

乳幼児の歯磨き

混合歯列期(生え変わり時期)の歯磨き方法

乳歯と永久歯の混じった混合歯列期は、歯の大きさもまちまちで段差も多く、とても磨きにくいです。さらに、乳歯も生えたての永久歯も柔らかくて弱いので、磨き残しのないようしっかり磨きましょう。フッ素もぜひ取り入れてください。

抜けかけの乳歯がある時の歯磨き方法は?

グラグラして気になる乳歯も、他の歯と同じように磨いて大丈夫ですが、気になるようであれば、歯ブラシを持っていないほうの手の指でそっと支えながら磨きましょう。

乳歯が抜けたあとの歯磨き方法は?

出血した場合は清潔なガーゼやティッシュなどで軽く圧迫して止血します。抜けた後の空間はうがいをして細菌を減らしましょう。歯磨きはやさしく行い、特に両隣の歯は汚れやすいので、しっかり歯ブラシを入れて磨くようにします。

大人による仕上げ磨きはいつまで?

仕上げ磨きはお子さまが小さいうちは座った状態で仰向けにして、大きくなったら立った姿勢で後ろからお腹などでお子さまの頭を固定して行うといいですが、だいたい10〜12歳ぐらいまで仕上げ磨きしてあげるのがおすすめです。

仕上げ磨き

歯磨きは1日に何回もするほうがいいの?

実は歯にたまった汚れで虫歯菌が増殖して酸を出し、歯に悪さをするようになるのには時間がかかります。そのため、1日に何回も歯磨きするよりも、1日1回しっかり歯磨きすることのほうが効果があると言われています。特に寝ている間は唾液の分泌が減ってしまうので、寝る前の歯磨きは大切です。

子どもの歯磨きに良いアイテムは?

子どもの年齢にあった歯ブラシを選ぶようにしますが、いずれにしても握りやすく、小さめのヘッドで歯の奥まで届くものがいいでしょう。危ないので、くわえたまま歩き回ったりしないように注意してください。また、フロスも活用すると効果的です。ホルダー付きのものなら子どもも使いやすいでしょう。

 

まとめ

いかがでしたか? 子どものお口の健康は子どもの将来の生活に直結します。分からないこと、不安なことがある場合は、いつでも大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科へお越しください。

もりかわ歯科は「ママとこどものはいしゃさん」認定医院です。
どうぞ親子で安心して通ってください。
ママとこどものはいしゃさんロゴ

正しい歯磨きと食事習慣、わたしたち歯科医のサポートによって子どもの歯を健康に保ち、将来の歯の問題を予防しましょう。28本(親知らずは除く)、すべて使っていけるようにしてあげたいですね。

小児歯科で受けられる歯磨き指導とは?こどもの口腔ケアの重要性

2023年11月10日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

お子さまがしっかり歯磨きができているか、不安を感じている保護者の方は多いのではないでしょうか。適切に仕上げ磨きできているかわからない方もいるでしょう。小児歯科では、歯磨きの悩みを解決するため、積極的に歯磨き指導が実施されています。

お子さまの主な口腔ケアは、ご自宅での歯磨きです。ときには、保護者の方が介入して歯磨き・生活習慣の改善を実施しなければならないでしょう。

今回は、小児歯科で実施されている歯磨き指導について解説します。

虫歯になりやすいこどもの特徴

虫歯の子供

虫歯になりやすいお子さまとなりにくいお子さまがいます。保護者の方としては、しっかり虫歯を予防してあげたいと考える方が多いでしょう。虫歯になりやすいお子さまの特徴を確認することで、対策方法がイメージしやすくなります。

主に、歯並び・生活習慣が虫歯の原因となります。虫歯になりやすいお子さまには、大きく3つのポイントがあるので、参考にしてください。

仕上げ磨きが上手にできていない

お子さまが一人で歯磨きを行った場合、しっかり磨いたつもりでも汚れが除去できていないことが多いです。歯と歯のすき間、歯と歯茎の間など、意識して歯磨きして欲しい部位の清掃が不十分になるでしょう。

汚れをしっかり落とすため、保護者の方が定期的に歯磨きに介入して、仕上げ磨きを行ってください。乳歯の間や永久歯が生えたばかりの頃は、虫歯の進行が非常に早いため積極的に介入しましょう。

食事の時間が定まっていない

虫歯菌が糖を摂取した際に排出する酸によって歯が溶ける現象を、脱灰といいます。歯には、再石灰化という溶けた歯を修復する機能があります。日々、口腔内では脱灰と再石灰化が繰り返され、健康な状態を保っているのです。

しかし、食事の時間が不規則だと、歯の再石灰化の時間が十分に得られません。再石灰化が行われていないのに次の脱灰が起きるリスクが生じます。

しっかり間隔をあけて、食事の時間を定めましょう。

こどもの口腔ケアが大切な理由

子供の口腔ケア

若い頃に歯を失うことを想像する方は多くありません。

しかし、統計上40代になると平均1.5本の歯を喪失すると報告されています。50代になると平均4本の歯を失います。

口腔環境には、小児期の状況が大きく関係します。小児期に口腔ケアを怠る影響は、以下のとおりです。

歯の健康が維持できない

虫歯の主な原因は、ミュータンス菌と呼ばれる細菌です。乳歯や生えたばかりの永久歯は、歯の保護機能が不十分なので、虫歯になりやすいとされています。

ミュータンス菌は、糖を摂取し増殖する際に酸を排出します。酸によって歯の表面に修復不可能な傷を受けると、専門的な治療を施さなければなりません。

乳歯が虫歯になっても生え変わるから問題ない、と考える方がいるかもしれません。

しかし、乳歯の虫歯は永久歯にも影響を与えるのです。

歯並びが悪くなる

歯並びは、遺伝だけが影響しているわけではありません。日常的に口がぽかんと開いていることは、歯並びに悪影響を及ぼします。舌・唇・頬の筋肉のバランスが乱れると、正常な顎の成長が阻害されます。

歯磨きには、筋肉に刺激を与え、筋肉のバランスの正常化を促す効果が期待できるでしょう。筋肉のバランスを正常な状態に保ち続けることができれば、成長の悪影響を最小限に抑えられます。

小児歯科で受けられる歯磨き指導とは?

歯磨き指導

小児歯科で歯磨き指導を受けることは、将来的に虫歯や歯周病で悩まないために非常に重要です。ご自宅で行う日々の歯磨きは虫歯・歯周病予防に非常に重要なので、歯磨きの質を向上させることは歯を守ることにつながります。

歯並びは、人それぞれ異なります。どのようなことに注意して歯磨きするべきかを知っておくことは非常に有用です。

小児歯科で受けられる歯磨き指導の意義は、以下のとおりです。

一人ひとりに合った歯磨きの方法を知ることができる

プロから歯磨き指導を受けると、お子さま一人ひとりに合わせた歯ブラシ・補助清掃具の使い方、ブラッシング方法がわかります。特に小児期は成長が著しいため、その時期に合った歯磨き方法を習得しなければなりません。

乳歯と永久歯が混在している状態のときは、注意して磨く必要があるでしょう。通常どおりに磨くと、歯茎を傷つける可能性があります。

小児歯科では、成長に合わせた歯磨き方法を指導してくれるのです。

歯磨きのポイントを知ることができる

お子さまだけで歯磨きを完結させるのは、非常に困難です。小学校低学年期までは、保護者の方の介入が不可欠となります。

保護者の方としても、ご自身の歯とは異なるため、どのような点に注意を払わなければならないのかわからないことがあるでしょう。歯の個性を言語化して教えてもらうことで、理解が進みます。

仕上げ磨きを嫌がるお子さまも多いです。さまざまな理由が考えられますが、歯磨き指導では嫌がらずに仕上げ磨きをさせてもらう方法なども教えてもらえます。なぜ嫌なのかを相談し、解決するきっかけにもなるでしょう。

小児歯科での歯磨き指導の内容

女の子に歯磨き指導をする男性歯科医

小児歯科での歯磨き指導の内容は、以下のとおりです。

磨き残しを確認

小児歯科では、歯に染め出し液を塗布し、歯の表面に付いている磨き残しを確認します。歯磨きの癖がわかるので、磨く時間が短い部位、力を入れて磨いている部位など、さまざまな情報を分析可能です。

分析結果から、癖を改善できるように指導されるでしょう。改善が難しい場合は、補助清掃具の使用方法を教えてもらえます。

歯科医師・歯科衛生士による実演

歯磨き指導のなかには、歯科医師・歯科衛生士による実演が組み込まれています。にこやかな雰囲気で、褒めながら正しい歯磨きを習得できるよう促すのが一般的です。

歯科医師や歯科衛生士は、お子さまが歯科医院に少なからず恐怖心を抱いていることを理解しています。お子さまたちの自信につながるよう、優しい雰囲気で指導を行うでしょう。

専門的な歯のクリーニング

セルフケアだけでは、歯を衛生的に保ち続けるのは困難です。歯石・着色汚れ・バイオフィルムは、歯科の専門的な機器を用いて除去しなければなりません。

定期的に専門的なクリーニングを受けると、汚れが付きにくい環境を整えられます。

ご自宅でもしっかり歯磨きをしよう!

自宅で歯磨き

お子さまの歯を守るためには、保護者の方の協力が不可欠です。乳歯の虫歯は、これから生えてくる永久歯の歯並びや噛み合わせにも影響を及ぼします。

基本的な虫歯予防は、ご自宅での歯磨きです。歯磨きを嫌がるお子さまも多いでしょう。せっかく歯磨きをするのであれば、より効果的・効率的に実施したいと思う方が多いです。

ご自宅での歯磨きにおけるポイントを解説します。

歯磨きの順番を意識する

歯ブラシだけでは完全に汚れを取り除けないため、デンタルフロスの使用が推奨されています。デンタルフロスを使用するタイミングを意識したことはあるでしょうか。「デンタルフロスは歯磨きの仕上げに使うイメージ」という声が多いです。

しかし、歯科医師会などでは、歯ブラシの前の使用が推奨されています。

仕上げ磨きを行う

仕上げ磨きを行う姿勢は、立位・座位・臥位と特に指定はありません。お子さまと保護者の方にとって楽な姿勢で、口の中がよく見えることが重要です。

歯科医師から指摘を受けた磨き残しが多い部分を重点的に、しっかり仕上げ磨きを行いましょう。

特に、上の前歯・奥歯の噛み合わせに磨き残しが生じやすいです。1か所につき20回程度を目安に、小刻みにブラッシングしてください。

デンタルフロスは、歯茎に当たると痛みを引き起こすので注意が必要です。なるべく歯茎に触れないよう、お子さまに痛くないか確認しながら進めましょう。

苦手意識を持たせない

お子さまが歯磨きに苦手意識を持つ理由は、以下のとおりです。

・痛みを感じる
・怒られる
・つまらない

いずれも、コミュニケーションを取れば改善できる可能性があります。仕上げ磨きをしている際は、積極的に声をかけてあげてください。

歯磨きの時間は、お子さまにとっては退屈でしょう。歯磨きの必要性を理解できていない場合や、口内を触られることが苦手な場合、歯磨きの間じっとしていることが苦手な場合など、歯磨きが好きなこどもは少ないです。

歯磨きができたときは、しっかり褒めてあげましょう。

まとめ

歯磨きチェック

歯磨きは、お子さま一人ひとりに合った方法で行わなければ効果を発揮しません。小児歯科で歯磨き指導を受ければ、お子さまの歯の特徴についてしっかり理解できます。

磨き残しやすい部分などを知っていれば、保護者の方は効果的に仕上げ磨きができるでしょう。「歯ブラシの力の入れ具合は?」「どの歯磨き粉を使えばいいの?」など、疑問を解消できれば、お子さま・保護者の方が納得して歯磨きに取り組めるようになります。

自信を持って歯磨きできれば、虫歯・歯周病の予防につながるでしょう。

小児歯科の歯磨き指導に興味のあるの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯科の保険適用範囲って?

2023年11月8日
歯科の保険適用範囲って?

こんにちは!大阪府八尾市に60年間にわたり、地域に根付いた歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康に関することや、歯にまつわる体のお悩みなどは、歯科医師やスタッフにとっては常識的なことでも、患者さんにとっては疑問や不安に思われることなのだ、とあらためて気づかされることがよくあります。診療中には、できるだけ多くの質問に詳しくお答えできればいいのですが、実際には個々の患者に詳細に説明する時間が限られていることが多いのが実情です。

そこで、普段の診療中によく聞かれる質問に対して、当院のブログで詳しく解説していく「歯に関するご質問に全力回答!」ブログをスタートしました。

患者さまがこのブログを通じて、歯医者に対して日頃抱えている疑問や不安を解消していただければ、それは私たちの大きな喜びにもつながります。

どんな些細な疑問や質問でも、お気軽にお寄せください! 私たちは患者さまの健康と幸福を支えるためにここにいます。どうぞよろしくお願いいたします。

歯科の保険適用って?のご質問に全力回答!

どの処置が保険適用で、どれが違うのかよく分からない!今回はそんな不安解消のために、歯科の保険適用診療について、歯医者として詳しく解説していきたいと思います。

保険診療って何ですか?

歯科でさまざまな治療・施術を受ける場合、その診療は大きく3つに分けられます。

1.保険診療とは

保険証

健康保険(保険証の提示が必要です)を利用して受ける診療のことで、健康保険で認められた技術・材料を使って診療します。

2.自由診療とは

保険診療ではない診療のことで、患者さまが費用の全額を負担します。自費治療の場合は、使用する材料に制限はありません。

3.保険診療と自由診療の併用

保険適用できる材料との差額を患者さまが負担するケースです。

 

保険適用って何ですか?

前述の保険診療に該当するものを「保険適用」と言います。歯科においては、一般的な歯科治療の一部が保険適用となります。具体的には、虫歯治療、歯周病治療、歯の抜歯、一部の被せ物(保険適用の材料に限る)、歯のクリーニング(歯の掃除)、レントゲン検査、歯科口腔外科の手術などが保険適用となります。

逆に、歯のホワイトニングなど審美目的の施術で、治療とみなされない場合は保険適用されません。

 

そもそも保険が適用されないとどうなりますか?

保険証がない場合は、基本的に10割負担で支払うことになります。

 

保険が適用されるもの

充てん

充填虫歯の穴をきれいにし、適切な材料で元の形に修復する治療。

鋳造歯冠修復(インレーなど)

鋳造歯冠修復(インレー)歯を削って型をとり、詰め物などを作成して修復する治療。

前装クラウン

歯の色選択虫歯が進行してしまって、充てんやインレーで対処できない場合に、天然歯に似た色の材料で表面を覆う治療です。

金属クラウン

金属クラウン

臼歯の虫歯の進行に伴い、充てんやインレーで対処できない場合に、金属のクラウンを装着する治療。

継続歯(被せ歯)

継続歯(被せ歯)前歯や小臼歯など、見た目が重要な歯が進行した虫歯になった場合に、人工の歯冠を追加して、天然の歯と同様に修復する治療。

ジャケットクラウン

ジャケットクラウン天然歯に似た色調を持つ材料だけで、歯冠部の全面を覆う治療。

ブリッジ

ブリッジ失った歯に隣接する歯を削って被せ、その上に人工の歯を固定して装着する治療。

部分入れ歯または総入れ歯

総入れ歯取り外し可能な入れ歯(部分または総義歯)の作成。

歯周病治療

歯周病治療 歯石除去汚れ(歯垢、歯石)を取り除くケアを主体とした歯周基本治療。

小児歯科

小児歯科子供の歯科治療(虫歯治療や予防措置)。

予防プログラム

定期検診歯科健診や歯のクリーニングなど、予防的な歯科診療。

保険が適用されないもの

一般的に、歯の審美修復(歯のホワイトニング、審美的な詰め物、審美冠など)は保険が適用されません。主に次のような施術が含まれます。

インプラント

歯を失った場合の代替手段として使用されるインプラント治療。

歯並び矯正

歯並び矯正治療(歯列矯正)を審美的な理由で行う場合。

ホワイトニング

ホワイトニング歯のホワイトニング。

歯の接着剤治療

歯の欠けや亀裂を修復するための接着剤治療。

いずれも具体的な治療内容や費用は歯科医師との相談に基づくもので、これらの一般的なガイドラインとは異なる場合があります。歯科治療の際には、診療内容と費用について歯科医師と十分な相談を行うことが重要です。まずはご相談ください。

銀歯は保険適用されますか?

銀歯銀歯(Silver Fillings)、正確には銀アマルガム充填物(Silver Amalgam Fillings)といい、歯科治療で虫歯の治療に使用される一般的な充填材の一つです。治療に当たりますので、保険適用されます。ただ、現在は銀アマルガム充填は使用されていません。現在は金銀パラジウム合金という、銀・銅・パラジウム・金などでできた金属を使用しています。 安価で強度ですが、近年ではパラジウム等の不足で価格が上昇気味です。

セラミックは保険適用されないのですか?

セラミックセラミックは審美目的の素材ですので、保険適用はできません。ですが、セラミック治療の費用を抑える方法はいくつかあります。

歯科医に相談する

複数の歯科医院に相談して見積もりをとり、価格を比較して最適な選択肢を見つけましょう。

ハイブリッドセラミック

セラミックの中でも比較的安価なのがハイブリッドセラミックです。歯科でよく使用されるレジンに似た素材で、経年により変色する可能性もありますが、オールセラミックより費用が低く抑えられます。

前歯は保険適用外ですか?

保険適用になる前歯(上下)前歯とは、正面から左右の犬歯までの6本の歯を指しますが、審美治療(審美クラウンや審美ブリッジ)以外の治療は基本的に保険適用となります。保険適用外となるのは、前歯の被せ物に使う素材がセラミックやジルコニアの場合です。以下は保険適用ができる前歯の治療です。

虫歯治療

前歯に虫歯がある場合の治療には、虫歯を削って詰め物をする治療が含まれます。この詰め物は、アマルガム(金属)やコンポジットレジン(白い充填材)で行われることが一般的です。

歯周病治療

歯周病の治療には、歯ぐきのクリーニングや歯石の除去、根面の治療などが含まれます。

入れ歯(部分入れ歯)・差し歯

前歯の欠損や多数の前歯の喪失の場合の部分入れ歯や差し歯。部分入れ歯は、歯のないところに入れる取り外し可能なもののことで、差し歯は、歯の根を利用した取り外し不可な装置のことです。

歯科健診と予防ケア

健康な前歯を維持するための歯科健診や予防ケア(歯のクリーニング、フッ化物処置など)。

保険の適用内か適用外かによって、選択肢も変わります。そのメリット・デメリットを知り、患者さまにとって最善の治療ができるよう、ぜひ歯科医とご相談ください。

入れ歯や差し歯も保険適用できますか?

どちらも使用する材料や採用する治療法によって、保険が適用されるかどうかが決まります。

以下に代表的な治療法ごとの例を挙げてみます。

アクリルレジン

保険適用できる素材です。プラスチックの樹脂で、低額ですが、やや劣化しやすく、装着感に違和感がでやすいなどの問題もあります。

金属製クラスプ

部分入れ歯を歯に固定するためのバネのことですが、これが金属製の場合は保険適用できます。

ポリアミド系クラスプ

ナイロンの一種で、保険適用外です。

金属製義歯床

総入れ歯の義歯床(口の中の粘膜に当たる部分)は、保険適用ではアクリルレジンですが、保険適用外ならば金属製のものも選べます。義歯床に関しては、金属製のもののほうが装着感が向上するとされています。

保険適用できる素材・できない素材、そのどちらにもメリットとデメリットがありますので、どちらを選ぶかは歯科医師とよく相談されることをお勧めします。

最近よく聞くCAD/CAM冠は保険適用できますか?

CAD-CAM冠CAD/CAM冠とは、歯科医師がコンピューターソフトウェアを使用して歯冠のデジタルモデルを設計し、その設計に基づいて製造した歯冠のことです。

無条件でCAD/CAM冠が保険適用となるのは、前歯から小臼歯、つまり前歯から数えて5番目の歯までです。

CAD/CAM冠のメリット

自然な歯とよく調和し、材料の色調や透明度を調整できます。

また、伝統的な歯冠に比べて、歯の削除が少なくて済む場合があり、元の歯の保存にもつながることが期待されます。

CAD/CAM冠のデメリット

ベースがプラスチック素材なので、傷や汚れがつくリスクは高めです。また一部の症例や特定の歯に対しては、伝統的な歯冠の方が適していることがあります。

歯を白くすること(ホワイトニング)は保険適用ですか?

ホワイトニングは審美目的の治療です。審美目的の施術は医療行為とはみなされませんので、保険の適用外となります。

親知らずを抜くのに保険を適用できますか?

親知らずの抜歯は、保険適用が可能です。 ただ、通常の抜歯なのか、横に向いて埋まっているのかなど、親知らずの生え方による抜歯の難易度で費用は大きく変わります。

歯列矯正は保険適用外ですか?

いわゆる「歯並びが悪い(出っ歯やガチャ歯など)」とは、正しくは「不正咬合(ふせいこうごう)」といいます。歯列矯正とは、その歯並びや咬合(噛み合わせ)を補正するために行われる治療のことで、歯を正しい位置に移動させ、美しい歯並びや正常な咬合を実現することです。

ホワイトニングなどと同様に、歯列矯正は審美目的の施術とされているため保険適用外となります。ただし、歯科矯正には保険適用できるものもあります。以下は保険適用可能な歯科矯正の例です。

先天性の異常

生まれつきの異常で、厚生労働省が認定している59の疾患。

顎変形症(がくへんけいしょう)

顎変形症(がくへんけいしょう)は、上下の顎の骨構造に大きな不均衡(ズレ)がある状態を指します。この骨格の異常により、顔の左右に対称性がなくなり、かみ合わせに問題が生じることがあります。多くの場合、顎の成長に伴って現れ始めます。

永久歯萌出(ほうしゅつ)不全に起因した咬合異常

いわゆる、いつまでたっても永久歯が生えてこない状態のことを永久歯萌出(ほうしゅつ)不全といいます。これには外科手術が必要になることがありますが、それに伴う歯科矯正(噛み合わせを正しくする)も保険適用となります。

マウスピースは保険適用になりますか?

他の施術と同じで、それが医療的(治療)であるか審美目的であるかによって保険適用できるかできないかが決まります。

通常のマウスピース

食いしばりや歯ぎしりは、肩こりや頭痛、顎が痛くなるなどの原因になったり、歯の被せ物や詰め物に悪影響を及ぼすなどの問題があります。そのための治療ですので、保険適用ができます。

スポーツマウスピース

スポーツ時に装着するマウスピースで、主に市販品が使用されています。動きの激しいスポーツで、衝突などによって口の中をケガしないために装着します。健康目的ではありますが、治療ではないため、保険適用となりません。

矯正用マウスピース(インビザライン)

インビザライン矯正用マウスピースは歯列矯正(審美)が目的ですので、通常審美目的で使用する矯正用マウスピース(インビザライン含む)は保険適用となりません。

インビザライン矯正について詳しくは当院のマウスピース矯正ページをご覧ください。

医療費を抑えるためには?

何はさておき、日頃のケアが大切です。

定期検診

虫歯はもちろん、歯周病予防のために、歯科検診は定期的に受けることをおすすめします。虫歯の早期発見、歯周病検査、クリーニング、歯石除去など、どれもお口の中の健康を保つためにとても大切です。

オーラルケア

歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスを使用し、お口の中を清潔に保ちましょう。マウスウォッシュ剤や舌ブラシなどが有用な場合もあります。またvタバコやアルコールは口腔内に悪影響を及ぼすこともあることを覚えておくといいでしょう。

まとめ

歯科医では診療内容や使用する材料によって、保険が適用されるかされないかが違います。受ける診療が治療なのか、審美目的なのか、使用する材料は安価なものにするのか、それとも高価なものがいいのか……など選択肢もとても多いので、歯科医師とよく相談することが最適な選択への近道になると思います。不安に思ったり、迷ったりしたらいつでも大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科へお越しください。あなたの「最善」のお手伝いをいたします。

通常の治療だけでなく、ホワイトニングマウスピースについても、詳しくは当院のホームページをぜひご覧ください。

虫歯予防に役立つ!虫歯ができやすい人の特徴とは?

2023年11月3日
虫歯予防のイメージ

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「歯磨きをしているはずなのに虫歯ができる」と悩む人は少なくありません。「虫歯になりやすい人の特徴は?」「虫歯にならないための方法を知りたい」と思う人もいるでしょう。

今回は、虫歯ができる原因やできやすい人の特徴、虫歯の予防方法について解説します。虫歯ができやすくて悩んでいる人は、ぜひ最後までご覧ください。

虫歯ができる原因とは?

虫歯のある人

虫歯ができる原因は、プラーク(歯垢)と、ミュータンス菌です。プラークとは、口腔内の細菌と、細菌の排出物でできた塊です。

プラークには粘着性があり、多くの細菌が繁殖しています。歯にプラークが付着した状態が続くと歯の脱灰が進み、虫歯になります。

ミュータンス菌は、虫歯菌とも呼ばれる細菌です。口腔内の食べかすを餌にして、酸を排出します。ミュータンス菌が排出した酸が歯を溶かし、虫歯になるのです。

虫歯ができる直接の原因はプラークとミュータンス菌ですが、以下の要素も大きく関係します。

・糖質

・歯質

・時間

虫歯の直接的な原因は、ミュータンス菌が排出する酸です。

しかし、ミュータンス菌の餌となる糖質が口内になければ、活発に動きません。ミュータンス菌は糖を餌にするため、甘いものを頻繁に摂取すると虫歯ができやすいのです。

もともとの歯質も虫歯に関係します。歯質が弱いと、酸の刺激を受けたときに簡単に脱灰するでしょう。プラークが付着している時間が長いと、歯の脱灰が進んで虫歯ができます。

また、生活習慣も虫歯に大きく関係します。甘い食べ物を好む人や間食が多い人、ダラダラと長時間食べる人、食後に歯磨きをしない人は、虫歯ができやすいでしょう。

虫歯ができやすい人の特徴

間食する人

上述したとおり、歯質やミュータンス菌だけが原因ではなく、さまざまな要素が重なって虫歯ができます。

しかし、虫歯ができやすい人は存在します。虫歯ができやすい人の特徴は、以下のとおりです。

適切に歯磨きできていない

虫歯ができやすい人は、歯磨きを適切にできていない可能性があります。例えば、食後に歯磨きをしない人や、寝る前に歯を磨かない人は虫歯ができやすいです。

「毎日しっかり磨いているのに」と思う人もいるでしょう。

しかし、毎日磨いていれば適切に磨けているというわけではありません。磨き方の癖が影響し、磨き残しが生じている可能性があります。

例えば、利き腕の方向は、磨き残しが多い傾向があります。右利きの人は右の歯の裏側、左利きの人は左の歯の裏側の磨き残しが多いです。

磨く習慣だけでなく、正しい磨き方を身につけることが大切です。

ダラダラと間食をする

ダラダラと間食をする癖がある人は、虫歯ができやすいです。いつも飴を舐めている、清涼飲料水を頻繁に飲むなど、口内に糖がある時間が長く続くと虫歯ができやすいでしょう。

口内は常に唾液で潤っていますが、唾液には口内の汚れを洗い流す自浄作用や、口内の菌の増殖を抑える作用などがあります。ダラダラ食べると唾液の作用が十分に働かないので、ミュータンス菌が活発に働ける状態になるのです。

歯並びが乱れている

歯並びが乱れている人は、虫歯ができやすいです。ガタガタしていると歯ブラシの毛先が当たりにくく、磨き残しが生じるでしょう。しっかり磨いたつもりでもプラークが残り、虫歯や歯周病になるリスクも高くなります。

歯並びが乱れている人は、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロス、タフトブラシを使って磨いてください。歯並びの乱れが原因で虫歯を繰り返す場合は、矯正治療を検討してもよいでしょう。

甘いものや粘着性があるものを好んで食べる

虫歯になりやすい人は、甘いものや粘着性のあるものを好んで食べる傾向があります。粘着性のあるものを頻繁に食べる場合、食べかすが歯に付着する時間が長くなります。

同じ甘いものでも、ゼリーのようにすぐに飲み込むものと、クッキーやキャラメルなどのように歯に付着しやすいものがあるでしょう。クッキーやキャラメルを好んで食べている場合、虫歯ができやすいです。

口内が乾燥している

上述しましたが、唾液には自浄作用など、口内を清潔に保つための働きがあります。唾液の分泌が少ない人や、口呼吸をしていて口内が乾燥している人は、唾液の作用を十分に受けられません。

そのため、虫歯ができやすいでしょう。虫歯・歯周病だけでなく、口臭の原因になる場合もあります。

虫歯予防のための具体的なアドバイス

歯磨きする人

虫歯予防のためには、虫歯になる4つの要素を考慮する必要があります。具体的な方法を、以下にまとめました。

正しい歯磨き方法を習得する

虫歯予防のためには、正しい歯磨き方法の習得は欠かせません。人によってそれぞれ歯磨きの癖があり、同じところを磨き残すことも珍しくありません。

一般的に磨き残しが多くなる場所は、以下のとおりです。

・上の奥歯の外側(頬側)

・下の奥歯の内側(舌側)

・歯並びが悪い部分

・歯と歯の間

・歯と歯茎の境目

また、利き手によっても磨き残しやすい部分が変わります。歯科医院で歯科衛生士による指導を受け、正しい磨き方を習得しましょう。

デンタルフロスや歯間ブラシも使って、口内の汚れを落としてください。食後3回デンタルフロスなどを使うのは難しい場合もあるでしょう。1日1回は使用して、口内を清潔に保ってください。

生活習慣を改善する

生活習慣を改善することで、虫歯になるリスクを減らせます。間食の内容を変える、食べるタイミングを減らす、食後はすぐに歯磨きをするなど、意識して生活を改善しましょう。

甘いものを好んで食べていた場合は、果物や煎餅、ナッツ類などへの変更を検討しましょう。食後すぐに歯磨きすれば、虫歯になるリスクを減らせます。歯磨きをするのが難しい場合は、うがいだけでも行いましょう。最後にお茶や水を飲むなど、食べかすが残らないようにしてください。

こまめに水を飲むことも、虫歯予防に効果的です。口内を洗浄できるだけでなく、細菌の繁殖を抑制できるでしょう。

フッ素塗布をする

虫歯予防には、フッ素塗布も効果的です。フッ素塗布には、以下のメリットがあります。

・ミュータンス菌の働きを抑制する

・脱灰した歯の再石灰化を促進する

・歯質を強化する

フッ素は、虫歯の原因となるミュータンス菌の働きを抑えつつ、歯質を強化します。虫歯予防だけでなく、初期虫歯にも効果的です。

高濃度のフッ素塗布は、歯科医院で施術してもらってください。家庭でも、低濃度のフッ素が配合された歯磨き剤や洗口剤を使用するとよいでしょう。

定期検診に通う

定期的に歯科医院に通うことも重要です。定期検診では、虫歯の有無や歯磨きの癖などを確認します。虫歯予防として効果があり、万が一虫歯ができている場合もすぐに処置できるでしょう。

定期検診の際にPMTC(プロが専用の機械を使って行う口腔ケア)をしてもらえば、口腔内を清潔に保てます。「歯が痛い」「歯が黒くなっている」と感じなくても、歯科医院に通う習慣をつけてください。

まとめ

虫歯の模型

虫歯の原因はミュータンス菌やプラークですが、頻繁に食べるものや、食べ方、磨き方なども大きく関係します。虫歯を防ぐには、甘いものを控える、完食のタイミングを減らすことも大切です。

また、ご自身の磨き方の癖を知り、正しい歯磨きの方法を習得しなければなりません。歯質の強化とミュータンス菌の抑制のために、フッ素塗布も行うとよいでしょう。

定期検診に通うことで、磨き残しや虫歯の有無を確認してもらえます。口腔内にトラブルが起きている場合も、すぐに対処できるでしょう。

歯科医師や歯科衛生士と一緒に虫歯のない健康的な口内を目指しましょう。

虫歯にお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯ブラシや歯間ブラシの選び方は?

2023年11月1日
歯ブラシや歯間ブラシの選び方は?

こんにちは!

大阪府八尾市に60年にわたり、地域に根ざす歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康はもちろん、歯に関連する身体の悩みについて、私たち歯科医師やスタッフにとっては常識的なことでも、患者さまにとっては疑問に思われることがよくあります。

診療中にすべての質問に詳細にお答えする時間が中々取れずいつも申し訳なく感じておりました。。。

そこで当院では患者さまからよく寄せられる質問について詳しく説明するための「歯に関するご質問に全力回答!」ブログを立ち上げました。

このブログを通じて、患者さまが日常生活で抱える歯科に関する疑問や不安を解消できるよう、お手伝いできれば幸いです。どんな小さな疑問や質問でも、お気軽にお知らせいただければと思います。私たちは患者さまの健康と幸福をサポートするためにここにいます。どうぞお気軽にお問い合わせください。ご協力をお願い申し上げます。

歯ブラシや歯間ブラシの選び方は?のご質問に全力回答!

今回は普段自分の歯を磨く歯ブラシの選び方や、交換頻度、上手な使い方などについて詳しく解説していきたいと思います。

歯ブラシの正しい選び方は?

歯ブラシの正しい選び方は?

1. 歯ブラシの毛の硬さの選び方

「普通(ふつう)」の毛の硬さがおすすめです。歯ブラシの毛の硬さには「普通(ふつう)」「柔らかめ(やわらかめ)」「硬め(かため)」の種類があります。3種類の中で、一般的におすすめさせていただいてるのは「普通(ふつう)」のタイプです。歯垢の効果的な除去を考えると、「硬め」>「普通」>「柔らかめ」の順で除去しやすいですが、歯や歯ぐきの摩耗を防ぐためには「普通(ふつう)」の歯ブラシを選びましょう。

「柔らかめ」は歯ぐきを優しく扱いたい方や歯肉炎の傾向がある方に向いていますが、汚れの取りこぼしが生じやすいので、より慎重なブラッシングを心がけてください。一方、「硬め」は通常のブラッシングを柔らかく行う方に適しています。

2. 歯ブラシの柄の形の選び方

突起のない、シンプルな形状を選びましょう。デザインよりも実用性を重視し、実際に使いやすい持ち手を選びましょう。どんな角度でもしっかりと握りやすいものが理想です。

3. 歯ブラシの毛の材質の選び方

透明なナイロン素材か、耐久性のあるPBT毛材がおすすめです。一般的に、透明なナイロン素材が広く利用されており、高品質を求める場合には耐久性のあるPBT毛材が選択肢としてあります。動物の毛の歯ブラシは歯垢の取りにくさや衛生的な面で不利があるため、避けることが賢明です。

4. 歯ブラシのヘッドの選び方

小さいヘッドを選びましょう。通常、縦に3列の毛と横に2~2.5cm程度のサイズが適切です。大きなヘッドは奥歯や細かい箇所に十分にアクセスしにくく、磨き残しが生じやすくなります。

5. 歯ブラシの毛先の選び方

平らで太い毛先がおすすめです。毛先が平らであると、均等な圧力をかけやすく、ブラッシングを効果的に行うことができます。ギザギザの毛先は歯垢の効果的な除去を妨げることがあるため、避けましょう。毛先の太さは太いものを選び、毛先の長さは1cm以下が適しています。密集した毛は乾燥しにくくなり、不衛生になりやすいため、避けることが良いでしょう。これらの要点を考慮して、最適な歯ブラシを選びましょう。

 

歯ブラシは”ふつう”と”やわらかめ”どっちが良いですか?

歯ブラシの硬さについては、一般的に「ふつう」の硬さがおすすめです。ただし、最適な硬さは個人によって異なる場合があります。以下のポイントを考慮して、自分に合った歯ブラシの硬さを選ぶのが良いでしょう。

歯ブラシによる歯垢の除去

歯ブラシの硬さが「かため」の場合、歯垢の除去は効果的かもしれませんが、歯や歯ぐきに摩耗を引き起こす可能性が高まります。一方で、「やわらかめ」の歯ブラシは歯ぐきを優しく扱うことができますが、歯垢の除去が少し難しくなるかもしれません。そのため、一般的に「ふつう」の硬さはバランスが取れており、多くの人に適していると言われています。

個人の歯の状態に応じた歯ブラシ選び

歯の健康状態に応じて歯ブラシの硬さを選ぶことが重要です。歯肉が弱い方や歯周病の傾向がある方は、「やわらかめ」の歯ブラシが適しているかもしれません。一方、歯肉が健康で歯垢の問題がない場合は、「ふつう」の歯ブラシが適しています。

好みと快適さも考慮して選ぶ歯ブラシ

最終的に、歯ブラシの硬さは個人の好みや快適さにも関係します。硬さが気になる場合、自分が使いやすいと感じる硬さを選ぶことが大切です。歯ブラシが快適で使いやすいものであれば、ブラッシングを続けることが容易になります。

要するに、歯ブラシの硬さは個人の状態と好みによります。歯科医や歯科衛生士のアドバイスを受けることも良いアイデアです。一般的には「ふつう」の歯ブラシが多くの人に適していますが、自分に合った硬さを見つけるために実際に試してみることが良いでしょう。

歯ブラシは大きめと小さめどっちがいいですか?

歯ブラシのヘッドのサイズについて、一般的には小さめのヘッドがおすすめされます。以下に、小さめのヘッドと大きめのヘッドの利点と状況に応じた選択を説明します。

小さめのヘッドの利点

1. アクセス性が向上

小さなヘッドは、奥歯や細かい箇所に簡単にアクセスできます。これにより、磨き残しを減少させ、歯全体を均等にブラッシングできます。

2.精密なコントロール

歯ブラシの小さなヘッドは、ブラッシングの圧力や方向をより精密にコントロールできるため、歯垢の除去が効果的です。

3.歯ぐきに優しい

小さなヘッドは歯ぐきを優しく扱うのに適しています。歯ぐきに対する圧力を均等に分散でき、歯ぐきの傷つきを軽減します。

大きめのヘッドの利点

1. スピーディなブラッシング

大きなヘッドは、一度に広い範囲をカバーできるため、ブラッシングが速く済むことがあります。

2.バランスの取れた圧力

歯ブラシの大きなヘッドは、ブラッシング時の圧力を均等に分散しやすいため、歯の表面全体に適切な圧力をかけるのに役立ちます。

どちらのヘッドサイズが適しているかは、個人の好みや歯の状態に依存します。通常、小さなヘッドの歯ブラシが一般的に推奨されますが、大きなヘッドの歯ブラシを使用しても、適切なテクニックと注意を払えば効果的なブラッシングが可能です。また、歯科医師や歯科衛生士との相談を通じて、あなたに最適な歯ブラシの選択を行うことが重要です。

歯ブラシはどれくらいの頻度で交換する(変える)べき?

歯ブラシはどれくらいの頻度で交換する(変える)べき?

歯ブラシの交換頻度は重要です。

歯ブラシをどれくらいの頻度で交換すべきかについて以下に説明します。

1〜3ヶ月ごとに歯ブラシを交換

歯科医師や歯科衛生士の多くは、歯ブラシを1〜3ヶ月ごとに交換することをお勧めしています。これは、歯ブラシの毛先が変形し、効果的な歯垢の除去が難しくなるためです。また、細菌の繁殖を防ぐためにも最低3ヶ月ごとの交換が望ましいです。

歯ブラシの毛先がまばらになってきだしたら

歯ブラシの毛先がまばらになったり、分かれたりしてきた場合、交換が必要です。これはブラッシングの効果が低下し、歯垢の効果的な除去が難しくなる兆候です。

感染症や風邪を引いた際

感染症や風邪にかかった場合、歯ブラシを交換することが重要です。これにより、細菌の感染拡散を防ぎ、再感染のリスクを軽減できます。

ブラシの磨耗や変色

歯ブラシの毛先が摩耗したり、変色したりしてきた場合、新しい歯ブラシに交換することを検討しましょう。劣化した歯ブラシは効果的なブラッシングを妨げる可能性があります。

歯科医師のアドバイスに従う

歯科医師や歯科衛生士からの具体的なアドバイスや推奨事項がある場合、それに従うことが賢明です。個別の歯の状態やブラッシングのスタイルに合わせたアドバイスを受けることが大切です。

歯ブラシの交換は個人の健康と口内衛生に対する重要な要素です。適切な頻度で歯ブラシを交換し、効果的なブラッシングを維持することが、虫歯や歯周病の予防に役立ちます。

歯茎が弱い人はどの歯ブラシを使えばいいですか?

歯茎が弱い人はどの歯ブラシを使えばいいですか?

歯ぐきが弱い人に適した歯ブラシを選ぶ際には、以下のポイントに注意することが重要です。

歯ブラシの毛の硬さ

毛の硬さとしては、「やわらかめ」の歯ブラシがおすすめです。やわらかい毛の歯ブラシは歯ぐきを優しく刺激し、歯ぐきに対する圧力を軽減します。これにより、歯ぐきへの負担が減り、歯肉の健康を保つのに役立ちます。

歯ブラシの毛の形状

歯ブラシの毛の形状としては、平らで丸みを帯びた毛先のものが適しています。これにより、歯ぐきに対する刺激が均等に分散され、歯ぐきへの負担が軽減されます。

小さなヘッドの歯ブラシ

歯ブラシのヘッドが小さいものを選ぶことが、奥歯や細かい箇所にアクセスしやすく、歯ぐきに優しいブラッシングを行うのに役立ちます。

歯ブラシのブリストル数

ブリストル(毛の束)が適度に多い歯ブラシを選びましょう。ブリストルの密度が高い歯ブラシは歯面に均等に圧力を分散させ、歯ぐきに対する刺激を和らげます。

歯医者のアドバイスを受ける

歯医者や歯科衛生士のアドバイスを受けることは、歯ブラシの選択において非常に有用です。専門家は個人の口内状態に応じた最適な歯ブラシを提案できます。

 

歯ぐきの健康を保つために、やわらかい毛の歯ブラシと慎重なブラッシングテクニックを組み合わせることが重要です。また、歯科医師に歯ブラシの選択とブラッシング方法について相談し、口内衛生を最善の状態に保つことがおすすめです。

理想的な歯ブラシとは?

適切な歯ブラシを選ぶためには、最低限次の4点に注意することが大切です。

1.毛足の長さは1cmくらい

毛足の長さは1cmくらい

理想的な歯ブラシは、毛足の長さが約1センチ程度です。この長さは、磨き残しを減少させ、狭い箇所にもアクセスしやすく、効果的なブラッシングができるサイズです。

2.理想的な毛の硬さ

理想的な毛の硬さ歯ブラシの毛の硬さは一般的に「ふつう」が適しています。硬すぎる歯ブラシは歯ぐきを傷つけ、やわらかすぎる歯ブラシは歯垢を効果的に除去できません。バランスの取れた硬さを選びましょう。

3.毛先の形状

毛先の形状毛先の形状は重要で、凹凸のあるタイプの歯ブラシがおすすめです。これにより、歯と歯の間や歯周ポケットに毛先を届かせやすく、効果的なブラッシングが可能です。

図のように長さが違う凹凸があるとより良いです。

4.ヘッドの大きさ

ヘッドの大きさヘッドの大きさについては、小さめのヘッドが奥歯や細かい箇所にアクセスしやすく、効果的なブラッシングができる利点があります。大きめのヘッドはブラッシングが速く済みますが、小回りが効かないことがあるため、個人の好みに合わせて選びましょう。

 

これらの条件を考慮して、適切な歯ブラシを選びましょう。また、市販の歯ブラシでもこれらの要件を満たす製品が多く存在します。動物の毛を使用した歯ブラシは雑菌の繁殖リスクがあるため、避けることがおすすめです。

歯間ブラシやデンタルフロスについて

歯間ブラシやデンタルフロスについて

歯間ブラシの正しい選び方は?

歯間ブラシはワイヤーとゴムのどちらがいいですか?

歯間ブラシの選択には、ワイヤータイプとゴムタイプの両方に利点があり、どちらが最適かは個人の好みや特定のケースに依存します。以下はそれぞれの特性を説明します。

1.ワイヤータイプの歯間ブラシ

強度

ワイヤータイプの歯間ブラシは通常、より耐久性があり、長持ちすることがあります。

広い選択肢

ワイヤータイプには、さまざまなサイズや形状のものがあるため、歯間の幅や形状に合わせて選びやすいです。

効果的なプラーク除去

ワイヤーは歯間にしっかりとアクセスし、プラークや食べかすを効果的に除去するのに役立ちます。

2.ゴムタイプの歯間ブラシ

柔軟性

ゴムタイプの歯間ブラシはしなやかで柔らかく、歯茎にやさしいため、歯間ブラッシングが快適で痛みを軽減する特性があります。

歯茎へのマッサージ効果

ゴムタイプの歯間ブラシは柔らかい質感で歯茎マッサージに使うことができ、多くの人にとって気持ちの良いブラッシング体験を提供します。

 

どちらの歯間ブラシを選ぶかは、個人の好みや歯間の状態によるものです。歯間が狭い場合、ワイヤータイプの歯間ブラシが便利かもしれません。歯間が広く、歯茎が敏感な場合、ゴムタイプの歯間ブラシが適しているかもしれません。

 

最適な選択をするために、もりかわ歯科の歯科医師や歯科衛生士にご相談ください。

患者さまそれぞれに合った歯間ブラシのご提案と歯間ブラシの正しい使い方もレクチャーさせていただきます。

デンタルフロスの正しい選び方は?

デンタルフロスを選ぶ際には、正しいタイプや素材を選び、自分の好みやニーズに合わせることが重要です。以下はデンタルフロスの正しい選び方についてのいくつかの要点です

1. デンタルフロスのタイプ

ナイロンフロス

一般的なデンタルフロスで、細かい歯間に効果的です。

PTFEフロス (テフロンフロス)

平滑で滑りがよく、歯間にやさしいフロスです。歯間の詰まりや矯正装置のフロスに適しています。

テープフロス

幅が広く、平らなフロスで、幅広い歯間に適しています。

フレーバードフロス

香りがついているフロスで、フレーバーが好きな人に適しています。

 

2. 歯間の形状に合わせる

歯間のサイズや形状に合った適切なフロスを選びましょう。細かい歯間には細いフロス、幅広い歯間にはテープフロスが適しています。

3. 糸の強度

フロスの強度が適度で、フロスが切れにくいものを選びましょう。過度な力を加えなくても歯間の掃除ができるフロスが理想的です。

4.フロスのフレーバー

フレーバードフロスはフレーバーが付いており、フロスを使うのを楽しみにすることができます。好みのフレーバーを選ぶことができます。

5.様々なデンタルフロスの形状

巻き取りフロス

巻き取りフロスフロスが小さなケースに巻き取られています。使い捨てのタイプがあり、持ち運びに便利です。

フロスピック

フロスピックフロスがプラスチック製の持ち手に取り付けられたもので、使い捨てできます。

フロスホルダー

フロスホルダーフロスが取り外し可能で、リフィルができるタイプです。環境に優しい選択肢です。

6.歯科医や歯科衛生士のアドバイスを受ける

デンタルフロスの選択に迷った場合、歯科医や歯科衛生士のアドバイスを受けることがおすすめです。彼らは歯の状態や特別なニーズに合わせた適切なデンタルフロスを提案できます。

 

デンタルフロスは歯間の掃除に欠かせないツールで、正しい選択と使用が口内衛生を向上させます。自分に合ったデンタルフロスを見つけて、歯周病や虫歯を予防しましょう。

歯間ブラシやデンタルフロスの欠点(デメリット)は何ですか?

歯間ブラシやデンタルフロスの使用には多くの利点がありますが、デメリットも存在します。以下は、歯間ブラシやデンタルフロスの欠点についてのいくつかの要因です。

1. 歯肉への負担

歯間ブラシやデンタルフロスを誤った方法で使用すると、歯肉に負担をかけ、傷つける可能性があります。過度な力を加えたり、歯間ブラシの毛先が硬すぎたり、フロスを無理に歯間に押し込んだりすると、歯肉の損傷や出血が起こるかもしれません。

2. 練習が必要

正しい歯間ブラシやデンタルフロスの使用法を習得するには時間と練習が必要です。初めて使用する人にとっては、使い方をマスターするまで手間がかかることがあります。

3. 面倒さ

歯間ブラシやデンタルフロスを使うのは、通常の歯ブラシを使うよりも面倒に感じるかもしれません。特に忙しい日常生活では、歯間ケアに充てる時間を確保するのが難しい場合もあります。

4. 歯間の形状に合わない場合

歯間ブラシやデンタルフロスは歯間のサイズや形状に合ったものを選ばなければなりません。歯間が広い場合や詰め物や矯正装置を持っている場合、適切な道具を見つけることが難しいことがあります。

5. 感染のリスク

歯間ブラシやデンタルフロスを不適切に保管したり、他人と共有したりすることで、細菌の感染リスクがある場合があります。これは特にデンタルフロスの場合に当てはまります。

 

以上のデメリットを考慮しつつ、適切な方法で歯間ブラシやデンタルフロスを使用することが、虫歯や歯周病を予防し、口腔の健康を維持するために重要です。

歯科医や歯科衛生士のアドバイスを受けることも役立ちますのでもりかわ歯科へご相談ください。

まとめ

適切な歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスを選ぶことは、口内衛生と歯の健康を維持する上でとても重要です。

歯ブラシを選ぶ際には、毛足の長さ、毛の硬さ、毛先の形状、ヘッドの大きさなどを考慮しましょう。個人の好みや歯の状態に合った歯ブラシを選び、定期的に交換することが虫歯や歯周病の予防にも役立ちます。

 

もりかわ歯科の専門家が歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスを詳しくご紹介しました。正しい歯間ケア方法を実践することで、口腔の健康を維持し、虫歯や歯周病の予防に役立てて頂ければ幸いです。

 

また、歯並びや噛み合わせを改善することによって歯磨きもしやすくなり、虫歯の原因のプラーク(歯垢)を歯に残しにくくすることができます。

歯の矯正治療に関心がある方は、インビザライン矯正をしている全国の歯科医院の1%も獲得できないダイヤモンドプロバイダーに認定されています。

歯並びの改善や歯の矯正について詳しく知りたい方は、インビザライン専門ドクターの森川康司にご相談ください!

 

理想的な歯ブラシの使用と適切な矯正治療を組み合わせることで、美しい笑顔と健康な歯を手に入れることができます。

 

詳しくは当院ホームページの矯正歯科ページをご覧いただくか、直接診療所へ矯正無料相談にお越しくださいませ。