Author Archives: morikawa-dental

小児歯科で行う虫歯予防とは?こどもの虫歯の特徴と原因も解説!

2023年8月4日
歯科衛生士がこどものお口の中を確認している

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

虫歯になると、痛みを感じる方や、虫歯治療自体が大きなストレスとなる方も少なくありません。特に、小さなお子さまの場合、歯科医院へ行くのを嫌がる場合や虫歯の痛みを訴えるのが難しい場合があるため、親御さまは虫歯にならないように予防したいと思うでしょう。

今回は「小児歯科で行う虫歯予防にはどのようなものがあるのか」「こどもは大人に比べて虫歯になりやすいのは本当なのか」などの疑問に答えます。

虫歯になりやすいこどもの特徴とは

歯の治療を受けているこども

虫歯になりやすいこどもの特徴は、以下のとおりです。

・ひとりで上手に歯磨きできない

・甘い食べ物や飲み物を口にすることが多い

・口呼吸している

・歯並びが悪い

以下、それぞれ解説します。

ひとりで上手に歯磨きできない

小さいお子さまは、まだ上手に歯磨きができず、磨き残しが多いです。また、親御さまが歯磨きを手伝う場合でも、歯磨きが苦手でお子さまが暴れてしまったり歯磨きを拒否したりすることで、うまく歯磨きができず、虫歯のリスクが高まることがあります。

甘い食べ物や飲み物を口にすることが多い

虫歯の原因となる菌は糖をエサにするため、お菓子やジュースなどの甘いものを口にする機会が多いこどもは、虫歯のリスクを高めるといわれています。

特に、時間を決めずにダラダラとお菓子を食べる習慣がある場合は注意しましょう。虫歯菌が好む口内環境が続くため、さらに虫歯になる確率が高くなるのです。

口呼吸している

口呼吸していると、唾液の分泌が少なくなるため、虫歯になりやすくなります。

口を閉じて鼻で呼吸することで、埃や細菌などをそのまま吸い込まないようになっているため、鼻呼吸が理想の呼吸方法です。唾液には口内の汚れを洗い流す作用や抗菌作用がありますが、唾液の分泌が減ることで、虫歯の原因となる菌が繁殖しやすくなるのです。

歯並びが悪い

歯並びが悪く、歯と歯が重なっている部分があることで、歯ブラシだけでは十分に磨けない場合があります。歯が被さっている状態のため、虫歯があっても発見しにくい場合もあるでしょう。

また、噛み合わせが悪いと、口がうまく閉じられず、口呼吸になってしまう可能性もあるのです。

こどもの虫歯の特徴

虫歯治療をあらわすイメージ

こどもの虫歯の特徴は、以下のとおりです。

・虫歯になりやすく、進行が早い

・乳歯の虫歯は白く濁る

・年齢によって虫歯ができやすい場所が異なる

以下、それぞれ解説します。

虫歯になりやすく、進行が早い

こどもの歯は、永久歯に比べて「エナメル質」という歯の表面にある層が柔らかく薄いため、虫歯になりやすいです。乳歯の場合は、エナメル質やエナメル質の奥にある象牙質(ぞうげしつ)という部分の厚みが永久歯の半分しかないため、虫歯が一気に神経まで到達する可能性が高くなります。

乳歯の虫歯は白くにごる

永久歯が虫歯になると黒くなりますが、乳歯の場合は白くにごります。虫歯以外の理由でも歯が白くにごることがあるため、白くにごるからといって必ずしも虫歯とは限りませんが、虫歯になっている可能性もあります。

白色の場合、虫歯が見えにくく気づきにくいです。また、乳歯の虫歯は痛みをあまり感じないまま進行していくことがあります。虫歯に気づかないお子さまや、痛みをうまく伝えられないお子さまもいらっしゃるため、気づいたときには虫歯がかなり進行している場合があるでしょう。

年齢によって虫歯ができやすい場所が異なる

こどもの歯は、年齢によって虫歯ができやすい場所が異なります。年齢ごとの虫歯ができやすい場所は、以下のとおりです。

2歳ごろまでの虫歯ができやすい場所:上の前歯

2歳頃までは、哺乳瓶を使ったり、かじるようにして食事をしたりすることが多いため、上の前歯が虫歯になりやすいです。

特に、前歯の裏側は歯ブラシがあてづらく、見えにくい場所のため、虫歯ができていても気づかないことがあります。

2〜5歳ごろの虫歯ができやすい場所:奥歯

2、3歳ごろからは、少しずつ奥歯を使って食事ができるようになります。

汚れが溜まりやすく溝がある奥歯は、歯ブラシの毛先が届きにくいため、虫歯になりやすいでしょう。

6歳以降の虫歯ができやすい場所:6歳臼歯

6歳ごろからは、永久歯が生え始めます。6歳以降で最も虫歯になりやすいのは、6歳臼歯とよばれる歯です。6歳臼歯は、永久歯の中で最も早く生えてくる歯で、前から数えて6番目にあたる歯のことを指します。

6歳臼歯の生え始めは最も奥にあり、手前の乳歯のほうが背が高いため、歯ブラシが届きにくいです。また、6歳臼歯は、噛み合わせの面の溝が深いため、磨き残しが発生しやすい歯といえます。

虫歯になる原因

原因と結果

虫歯になる4つの原因は、以下のとおりです。

・歯の質

・細菌(微生物)

・糖質

・時間

以下、それぞれ解説します。

歯の質というのは、歯を構成するエナメル質や象牙質の状態のことを指します。大人の永久歯に比べ、乳歯や生えたばかりの永久歯は、エナメル質や象牙質がまだしっかり形成されていないため、柔らかく薄い状態です。そのため、虫歯になりやすい環境といえます。成長するにつれ、少しずつ歯が硬くなっていくため、大人の歯よりも歯の質が未熟であるこどものほうが虫歯になりやすいのです。

虫歯の原因となる細菌は、食材などに含まれる糖分を餌にして増え、ねばねばした物質をだすことでプラークを作り出します。その状態で時間が経つと、プラークの中で虫歯菌が酸を作り、エナメル質が酸によって溶かされることで歯に穴があき、虫歯になります。これが虫歯になるメカニズムです。

一般的には、食べ物や飲み物を口にすることで口内が酸に傾きますが、唾液の働きで中性に戻すことができます。

しかし、ダラダラと時間を決めずに甘いものを摂取すると、唾液の働きが間に合わず、口内が酸性になっている時間が多くなり、虫歯になる可能性が高まるでしょう。

小児歯科で行う虫歯予防

歯ブラシと歯磨き粉がおいてある

一度虫歯になってしまうと、歯を削ったり通院したりする場合があり、小さなお子さまにとってストレスになる可能性があります。虫歯予防をしっかりしておけば、歯の健康が守られるだけでなく、治療が必要ないため歯科医院への怖いイメージをもちにくいメリットもあります。

小児歯科で行う虫歯の予防方法は、以下のとおりです。

・歯のクリーニングやブラッシング指導

・フッ素の利用

・シーラントの利用

以下、それぞれ解説します。

歯のクリーニングやブラッシング指導

定期的に歯のクリーニングをすることで、歯ブラシでは落としきれない汚れを落とすことができます。プロに口内をチェックしてもらうことで、虫歯の早期発見にもつながります。

また、仕上げ磨きを含め、きちんと歯が磨けているかどうか不安な場合は、ご自宅で正しい歯磨きができるようにブラッシング指導をしてもらうことも可能です。

フッ素の利用

フッ素とはミネラルの一種で、自然界にも存在し、骨や歯のために必要な栄養素です。フッ素を利用して期待される効果は、以下のとおりです。

・歯の質の強化

・酸の産生の抑制

こどもの歯は歯の質が弱く、虫歯になりやすいため、フッ素によって歯の質を強化することで、虫歯になりにくい歯をつくる効果が期待できます。また、フッ素は虫歯の原因となる細菌を弱らせ、細菌が産生する酸を抑制できるといわれています。

歯の質が弱いこどもの時期に歯科医院でフッ素を塗布してもらうことで、虫歯予防できる可能性が高まるでしょう。

シーラントの利用

歯科医院でできるこどもの虫歯予防に「シーラント」とよばれる処置があります。

シーラントは、奥歯の溝を埋めることで食べかすが溝に入り込みにくくし、虫歯の発生を予防する目的で行われます。

ご自宅で行う虫歯予防

こどもを見守る親

歯科医院で虫歯予防をしても完全に虫歯を防げるわけではありません。ご自宅での毎日のケアや生活習慣を見直すことで、さらに虫歯のリスクを減らすことができるでしょう。ご自宅で行う虫歯予防は、以下のとおりです。

・食後の歯磨きを徹底する

・バランスのよい食事を心がける

・間食の時間を決める

以下、それぞれ解説します。

食後の歯磨きを徹底する

虫歯予防には食後の歯磨きが欠かせません。食後にしっかり歯を磨くことで菌の繁殖を最小限に防ぐことができます。小さなお子さまは隅々まできれいに磨くことが難しいため、仕上げ磨きをすることで、さらに口内を清潔に保てます。

また、フロスや部分用ブラシなどのアイテムを使うことで、細かい汚れも落とすことができるでしょう。

バランスのよい食事を心がける

糖を含むような甘い食べ物を口にする機会が多いと、虫歯のリスクを高めます。食事はバランスよく食べましょう。

間食をひかえるのが難しい場合は、チョコレートや飴などの糖を多く含む食べ物の代わりに、チーズやさつまいもにするなど、甘すぎないものに変えたり、頻度を減らしたりすることも効果的です。

間食の時間を決める

間食の時間を決めることなく、一日に何度も甘い食べ物や飲み物を口にしていると、唾液がもつ口内を中性に保つ作用が働きにくくなり、細菌が繁殖しやすい環境を作り出します。

間食するときはしっかり時間を決め、ダラダラ食べないようにしましょう。

まとめ

ポイントをまとめる女の子

今回は、こどもの虫歯予防について解説しました。虫歯になりやすいこどもの特徴や虫歯ができてしまう原因を知ると、小児歯科やご自宅で行う虫歯予防が重要かご理解いただけるかと思います。

一度虫歯になってしまうと、虫歯の痛みや歯科医院での虫歯治療は、こどもにとって大きなストレスやトラウマになることが予想されます。しっかり虫歯予防を行い、お子さまの大切な歯を守ってあげましょう。

お子さまの虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

成長に大切な3つのポイント

2023年8月4日

成長に大切な3つのポイント

こんにちは。大阪府八尾市志紀にある歯医者 医療法人 甦歯会もりかわ歯科 志紀診療所です。

今回は、「成長に大切な3つのポイント」です。

よく「うちの子正しく育っているのかわからない」と質問がきます。

虫歯がないことだけを歯医者さんでチェックするのではいけません。

顎の成長を阻害するポイントを事前にチェックし予防をしていかなければなりません。

今回は、成長に重要な3つのポイントを解説していきます。

是非、最後まで読んで頂けますと幸いです。

 

顎の成長で大切なこと

 

顎の成長で重要なのは

「呼吸」と「嚥下」と「姿勢」です。

毎日必ずやっていることが積み重なって成長していきます。

正しいことを知り、正しい行動をすることが正しい成長に導いてくれます。

まず、「呼吸」と「嚥下」と「姿勢」のこの3つがどう成長に影響を与えるのか解説していきます。

 

「呼吸」について

呼吸について大切な事

成長で大切なことは『呼吸』です。

口がポカンと空いていて口呼吸になっている子と鼻呼吸出来ている子では成長の仕方が違います。

脳は20Wの熱を産生しているのですが、脳が熱くなりすぎると機能が働かなくなります。

それを防ぐために鼻呼吸があります。

上顎は脳の成長と関与があり、下顎は身長に関与があります。

口呼吸になってしまうと脳の発育が悪くなり、上顎の成長が乏しくなります。

大人の矯正で「八重歯」の方に話を聞くと幼少期に鼻が詰まっていたと仰る方が多いです。

また、口呼吸の子は舌の位置も悪くなります。「低位舌」と言われます。

「低位舌」になると下顎が後ろに下がってしまい気道が狭くなり「いびき」が引き起こされてしまいます。

成長において「呼吸」は重要になってきます。

 

「嚥下」について

 

「嚥下」とは食べ物を飲み込む動作なのですがそこで舌の働きが極めて重要になってきます。

赤ちゃんの時は「乳児嚥下」で卒乳をすると「成人嚥下」と変化していきます。

どのように違いがあるのか嚥下が与える影響を詳しく説明させて頂きます。

 

「乳児嚥下」と「成人嚥下」の違いについて

「乳児嚥下」と「成人嚥下」の違いについて

「乳児嚥下」は乳首を唇で覆い舌を前に出して嚥下しています。

「成人嚥下」は舌を上顎につけて嚥下しています。

違いは舌を前に出して飲み込むか上につけて飲み込むかです。

舌の動き方の違いがあります。

 

「嚥下」が歯並びに与える影響について

本来、「成人嚥下」に変わっていかないといけないのに「乳児嚥下」が残ってしまっている場合は「嚥下」するたびに舌が前に出てきてしまいます。

そうすると、歯が舌に押されてしまうので前歯と前歯に隙間が出来てしまいます。

また、隙間があると舌も前方に出てきてしまい隙間が大きくなってしまいます。

「乳児嚥下」のまま成長が進むと…

また、飲み込む時に適切に舌を使えていない場合口輪筋(唇の筋肉)や頬筋(頬っぺたの筋肉)が異常に働いてしまうので、飲み込むたびに歯に力を掛けることになり歯が内側に倒れてしまったり、下の前歯がガタガタになってしまったりと影響を与えてしまいます。

舌の力

「姿勢」について

顎の位置と姿勢の関係

「呼吸」についてのなかで舌の位置が悪くなると顎が後ろに下がってしまうとお話がありましたがそれが「姿勢」にも影響を与えてしまいます。

 

顎が後ろに下がると気道が狭くなってしまいます。空気の通り道を広げようと頭を前に出してしまいます。

頭の重さは約5kg程ありますが少し傾くだけで重さは倍になり首や背骨に負担がかかってしまいます。

首は「ストレートネック」になり、背骨は曲がって「猫背」になってしまい、肩は「内巻き」になってしまいます。

 

いかがだったでしょうか?

今回は、「成長に大切な3つのポイント」でした。

子供の成長は恐ろしいスピード進んでいきます。

だからこそ、毎日当たり前に行っていることが正しいのか正しくないのかは再度確認する必要があります。

大人になってあの時と後悔しないためにしっかり見直しましょう。

 

歯医者は虫歯が出来たら治療に行く場所ではありません。

虫歯になる前に、歯並びが悪くなる前に予防で通う場所です。

今日のブログの内容で該当することがありましたら、是非お問い合わせください。

もりかわ歯科志紀診療所はお口の中だけではなく全身のアドバイスも行っております。

当院は「ママとこどもの歯医者さん」認定医です。

ママと子供の歯医者さんロゴ

初期虫歯を見逃さないために!特徴と治療の必要性を知ろう!

2023年7月28日
歯科医院で治療を受ける男性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

どんなに気をつけていても、虫歯になることはあります。「初期虫歯と虫歯の違いは?」「初期虫歯なら放置しても自然に治るのでは?」と思う方もいるでしょう。

今回は、初期虫歯の特徴や治療方法、治療にかかる費用・期間などを解説します。虫歯の予防法や初期虫歯を見つけるコツもご紹介するので、最後までご覧ください。

虫歯の原因

歯の模型と虫歯と歯科用器具

虫歯は、ミュータンス菌という細菌が原因で起きる病気の一種です。健康な歯を守るには、虫歯をどれだけ早く見つけられるかが大切です。

ミュータンス菌は、歯の表面に付着した歯垢(プラーク)に生息しています。食べ物に含まれる糖を餌にして繁殖し、酸を出します。ミュータンス菌が出した酸が歯を溶かし、虫歯になるのです。

初期虫歯の特徴

歯科医院で治療を受ける患者

虫歯と聞くと、歯が黒くなる、穴があく、痛みがあるというイメージをもつ方が多いのではないでしょうか。

しかし、初期虫歯の特徴は一般的なイメージとは異なります。初期虫歯の特徴は、以下のとおりです。

・痛みを感じない

・歯に穴があかない

・歯が白く濁る(茶色い場合もある)

虫歯は、CO〜C4の段階で評価します。エナメル質の脱灰が始まったCOの段階が初期虫歯です。初期虫歯は痛みを感じず、歯に穴もあきません。また、歯が白く濁ったり茶色く変色したりする場合があります。歯垢だと思って放置していると、虫歯だったというケースも少なくありません。

初期虫歯のCOの状態では、早めにアプローチできれば削らずに治療できることもあります。C1と判断された場合でも、削らずに経過観察するケースもあるでしょう。歯を大きく削ると歯の寿命が短くなるため、削らずに治療できる場合は経過観察します。

初期虫歯と虫歯の違い

エナメル質の脱灰が始まった初期虫歯はCO、エナメル質が虫歯になった状態をC1と評価します。違いは、エナメル質が虫歯になっているかどうかです。C1の特徴は、以下のとおりです。

・歯が黒くなる

・歯に穴があく

・痛みを感じないことが多い

C1では、歯が黒くなる、穴があくなどの症状があらわれますが、痛みを感じないことも少なくありません。虫歯が象牙質に進行したC2の段階で、痛みや冷たいものがしみる症状を自覚する方が多いです。

初期虫歯は治療が必要?

顎に手を当てて考える男性

初期虫歯の場合は削らなくてもよいことも多いですが、治療は必要です。できるだけ早く発見し、歯科医院を受診しましょう。

歯が白く濁っている場合は、白濁やプラークと見分けがつきにくいです。歯の異常を見つけたときは、すぐ歯科医院を受診することが大切です。

虫歯を放置すると、COからC1、C2へと進行します。痛みを感じるほど虫歯が進行している場合、虫歯が象牙質に達しているため削って治療をしなければなりません。

C3になると、虫歯は歯髄に達し、神経を取らなければならないこともあります。歯を削ると歯の寿命が短くなりますが、神経がない歯の寿命はさらに短くなります。初期虫歯を放置せず、早めに治療することが重要です。

COやC1の段階では、痛みを感じないケースも少なくありません。

しかし、C1では歯に穴があいた状態です。小さい見た目の虫歯でも、歯の中で大きくなっている可能性もあるでしょう。痛みがないからと放置せず、歯科医院を受診してください。

初期虫歯の治療法

男性患者の口腔内を確認する女性歯科医師

初期虫歯は、以下の方法で治療します。初期虫歯の段階で発見し治療を受けると、削らなくてよいことも少なくありません。

フッ素を塗布する

初期虫歯になっている歯を中心に、フッ素を塗布します。フッ素の効果は、以下のとおりです。

・エナメル質の石灰化を助ける

・ミュータンス菌が作り出す酸への抵抗力を高める

フッ素を塗布することで、エナメル質の脱灰が始まった歯の再生を図るとともに、ミュータンス菌が作り出す酸に抵抗します。フッ素塗布は歯科医院で実施できますが、自宅でも日常的にフッ素入りの歯磨き粉を使用するとよいでしょう。

キシリトールガムを噛む

キシリトールガムを噛むことも効果的です。キシリトールとは、虫歯予防効果のある代用甘味料です。キシリトールには、以下の効果があります。

・ミュータンス菌の繁殖を抑える

・歯の再石灰化を助ける

・唾液の分泌を促進する

虫歯の原因になるミュータンス菌は糖を餌にして増えますが、キシリトールはミュータンス菌の餌になりません。また、キシリトールはカルシウムと結合し、歯の再石灰化を助ける効果や唾液の分泌を促進する効果があります。

唾液にも歯の再石灰化を促進する成分が含まれているため、初期虫歯に効果的です。キシリトール含有量の多いガムを選び、食後に噛む習慣をつけましょう。

参照元:厚生労働省 e-ヘルスネット

歯磨き指導を受ける

歯科医師や歯科衛生士による歯磨き指導を受けることも大切です。人によって歯の形や歯並びは異なり、磨き方にも癖があるからです。

毎日歯をしっかりと磨いている方でも、同じ場所を磨き残しているケースがあります。プロに指導してもらい、以下の内容を学びましょう。

・自分の磨き方の癖と磨き残しやすい部分

・歯の形や歯並びに適した磨き方

・歯ブラシ以外のツールの使い方

自分の口腔内の状況や磨き方の癖を把握し、適した歯磨き方法を学ぶことで、磨き残しが減り虫歯を予防できるでしょう。

PMTC(プロによるクリーニング)を受ける

PMTCとは、プロが特別な機械や薬剤を使って行う口腔清掃のことです。ふだん歯ブラシが当たりにくい歯と歯の間、歯と歯茎の境目、奥歯などに残っている汚れをきれいに落とします。

PMTC後は歯の表面がなめらかになるため、汚れが付着しにくい歯になります。初期虫歯の治療としてはもちろん、初期虫歯の予防としても効果的です。

削って治療する

初期虫歯であるCOやC1は削らず治療するケースが多いですが、削って治療する場合もあります。外から見たときには小さな穴でも、レントゲンで確認すると内側で虫歯が広がっている場合があるからです。

一般的に、少し削ってレジン材で修復します。削らなければならないケースでも、早期に発見し歯科医院で治療を受ければ、大幅に削る必要はありません。

初期虫歯の治療期間

机の上に置かれたカレンダーと植物

初期虫歯の段階で歯科医院に行くと、治療期間は1回(1日)で終わる可能性が高いです。フッ素塗布やPMTC、歯磨き指導などを行って、経過観察をするケースが多いでしょう。C1で削って治療する場合でも、1回(1日)で完了することは珍しくありません。

C2へと虫歯が進行した場合、治療期間は1〜2週間程度です。C3へ進行し虫歯が神経に達すると、約2〜3週間の期間が必要です。

初期虫歯の治療費用

白い机に置かれた白いノートと白い電卓

虫歯の治療は保険が適用されます。3割負担の方が初期虫歯の治療を行う場合、必要な費用は1,500〜3,000円程度でしょう。C1の場合も同様です。

C2に進行した虫歯の治療費は、約2,000〜10,000円です。C3の場合は約7,000〜20,000円必要な場合が多いでしょう。初期の段階で治療したほうが、治療費は少なく済みます。

虫歯の予防法

歯科医院で患者に説明する男性歯科医師

虫歯になった場合はできるだけ早く発見し、治療することが大切です。

しかし、最も重要なのは虫歯にならないことです。ここでは、虫歯の予防方法をご紹介します。

定期的に歯科医院を受診する

定期検診に行くことで、虫歯になるリスクが下がります。日頃から口腔内のメンテナンスを意識することで「しっかりと歯磨きしよう」「健康な口腔内を維持しよう」というモチベーションを保てるからです。

初期虫歯は気づきにくく、自分では判断できないことも少なくありません。定期検診で口腔内をチェックしてもらえば、初期虫歯に早期に気づき、治療できるでしょう。

間食の内容やタイミングに気をつける

虫歯を予防するには、間食の内容やタイミングに注意をすることも大切です。具体的には、以下の内容を意識しましょう。

・糖を多く含むものばかり食べない

・ダラダラと食べない

ミュータンス菌は糖を餌に増殖します。糖を多く含むものを頻繁に食べると、虫歯になるリスクが高まります。ダラダラと食事をすると、口腔内が酸性の状態が続くため歯が再石灰化する時間がありません。間食する場合は時間を決めて、ダラダラと食べないようにしましょう。

丁寧に歯磨きする

歯磨きは虫歯予防にも効果的です。特に虫歯になりやすい部分を意識して、歯を磨きましょう。

・歯と歯の間

・歯と歯茎の境目

・上下の歯が噛み合う部分

上記は特に磨き残しが多い箇所です。正しい磨き方を習得すればセルフケアの質が上がり、虫歯のリスクが低減するでしょう。

歯をよく観察する

初期虫歯やC1の虫歯は、痛みを感じないため自分では気づかないことも珍しくありません。日頃から歯をよく観察する習慣を身につけましょう。

注意して観察するべきポイントは、以下のとおりです。

・歯の白濁や茶色に変色している部分がないか

・フロスが引っ掛からないか

白濁や変色、フロスの引っ掛かりが、すべて初期虫歯であるとは限りません。

しかし、気になる点を歯科医院で確認することで、虫歯の早期発見につながります。

まとめ

歯科医院で治療を受ける女性患者

初期虫歯は、早期発見し歯科医院を受診することで、削らずに治療できるケースが少なくありません。放置すると虫歯が悪化し、治療費も治療期間もかかるうえ、歯の寿命が短くなるリスクもあります。

初期虫歯の特徴を把握し、定期検診やセルフケア、毎日の観察などで、虫歯を予防しましょう。初期虫歯をどれだけ早く見つけ進行を防ぐかによって、歯の治療方法が大きく変わるのです。

虫歯にお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯周病は毎日の歯磨きで予防できる?効果的な歯磨き方法を解説

2023年7月21日
鏡を見ながら歯磨きする女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯周病とは、歯茎が腫れる・出血するなど、歯の周りが炎症を起こす病気のことです。歯周病の症状を放置すると、歯がぐらつき、最悪の場合抜け落ちるかもしれません。

今回は、毎日の歯磨きで歯周病は予防できるのかどうかについて解説します。歯ブラシ・歯磨き粉を選ぶポイントや、歯磨きの仕方もご紹介するので、歯周病にお悩みの方はぜひ参考にしてください。

歯周病は毎日の歯磨きで予防できる?

洗面台で歯磨きをする男性

歯周病は歯の周りが炎症を起こす病気のことで、進行度によって症状が異なります。最初は歯茎が腫れる歯肉炎程度ですが、歯肉炎を放置すると顎の骨にまで炎症が広がり、歯周炎になります。

歯周炎まで進行すると、慢性的に歯茎が腫れる場合が多いです。出血や冷たいものがしみるなどの症状が出ることもあります。さらに症状が悪化すると、歯を支える顎の骨が溶けて歯がぐらつき、最悪の場合歯が抜け落ちます。

歯周病になる原因は、歯磨きがしっかりできていないことです。歯の汚れ(プラーク)には多くの細菌が潜んでおり、お口の中で繁殖して歯茎の炎症を引き起こします。毎日の歯磨きがきちんとできていれば、歯周病を予防でき、歯周病の症状も改善できるのです。

しかし、歯磨きだけしていても、歯周病が治るわけではありません。プラークは、2~3日で歯ブラシでは除去できない歯石になります。

どれだけ丁寧に歯磨きをしても、歯と歯の間や歯茎の境目、歯が重なっているところなど、磨き残しはできるでしょう。毎日の歯磨きにくわえ、定期的に歯科医院でクリーニングを受けることが大切です。

歯肉炎や歯周病の初期段階であれば、毎日の丁寧な歯磨きと歯科医院でのクリーニングで症状が改善されるでしょう。進行した歯周病の場合も、しっかり歯磨きして磨き残しを減らすことで、歯茎の状態が改善されることが多いです。

歯磨きだけで歯周病を治すことはできませんが、歯周病の予防に毎日の歯磨きは欠かせません。

歯周病予防に効果的な歯ブラシ・歯磨き粉の選び方

洗面台に置かれたコップと歯ブラシ

歯周病予防には、毎日の歯磨きでの磨き残しをなくすことが重要です。歯周病予防に効果的な歯ブラシ・歯磨き粉の選び方をご紹介します。

歯ブラシの選び方

歯周病予防に効果的な歯ブラシを選ぶポイントは、以下のとおりです。

毛先の細さ

歯ブラシの毛先が細いものを選びましょう。細い歯ブラシなら、歯と歯の間や歯茎の境目もしっかりと磨ことができます。

市販のものを買う際は、毛先の細いものや「テーパード毛」と書かれている歯ブラシを選ぶとよいでしょう。

ヘッドの大きさ

ヘッドの大きい歯ブラシは、細かい部分や奥歯などが磨きづらいです。歯周病予防に使用する歯ブラシとしては適していません。

小回りのきく小さいヘッドの歯ブラシや、薄いヘッドの歯ブラシを選びましょう。

毛の硬さ

一般的な歯ブラシの硬さは、やわらかい・普通・硬いの3種類に分けられます。特に気になるお口の症状がない場合は、普通を選ぶとよいでしょう。

歯茎が赤く腫れている場合や出血がある場合、硬いものや普通のものを選ぶと、痛みや出血につながります。歯周病の症状がある場合は、歯茎を傷つけにくいやわらかい歯ブラシで歯磨きしてください。

歯磨き粉の選び方

歯周病予防に効果的な歯磨き粉を選ぶポイントは、以下のとおりです。

殺菌作用が高いものを選ぶ

殺菌作用が高い歯磨き粉を選びましょう。

歯周病の原因であるプラークは、放置するとバイオフィルムという膜に変化し、歯の表面だけでなく歯と歯の間や歯茎の境目まで入り込みます。うがいや歯磨きだけでは取り除区ことが困難になるのです。

バイオフィルムは歯周病を進行させる原因になるため、殺菌作用の高い歯磨き粉を使って歯磨きすることが欠かせません。浸透性の高い「IPMP」、殺菌成分の「CPC」が配合された歯磨き粉を選ぶとよいでしょう。

抗炎症作用や活性化作用があるものを選ぶ

歯周病になると、歯茎の腫れや出血、歯茎が下がるなどの症状があらわれます。歯周病の症状が出ている場合、それぞれの症状に合った成分が含まれた歯磨き粉を選ぶことが大切です。

・歯茎の腫れや出血:トラネキサム酸・オウバクエキス・グリチルリチン酸など

・歯茎が下がった:ビタミンE

歯周病の症状が出ている場合、抗炎症作用や歯茎の活性化が期待できる成分が配合された歯磨き粉を使用することで、症状の改善が見込めます。

また、歯周病の症状が悪化すると、歯茎の出血や膿、細菌の繁殖などが原因で、口臭がひどくなることがあります。口臭が気になる場合は、上記の成分にくわえて「LSS」「ラウロイルサルコシン」「CPC」などが入っている歯磨き粉を選ぶとよいでしょう。

研磨剤や発泡剤が少ないもの

研磨剤が入っている歯磨き粉には、歯の表面についた汚れや着色を効率的に落とすメリットがあります。

しかし、研磨剤は、歯の表面や歯茎を傷つける可能性があるため注意が必要です。歯周病の症状が出ているときに使うと、歯茎から出血するかもしれません。歯周病の予防には、研磨剤が少ないものや入っていないものを選ぶとよいでしょう。

また、歯磨き粉の泡立ちをよくする発泡剤も、少ない歯磨き粉を選んでください。歯磨き粉の際によく泡立つと効果が高いように感じますが、泡立つことで歯磨き粉の濃度が低くなったり頻回に口から吐き出すことで効果が薄くなったりする場合があります。歯磨き粉がよく泡立つので磨けたように感じ、磨き残しが多くなる方もいます。

毎日使う歯磨き粉には、研磨剤や発泡剤が少ないものを選ぶとよいでしょう。

歯周病予防に効果的な歯磨き方法

歯ブラシに歯磨き粉を絞る女性の手元

歯周病を予防するには、正しい歯磨きを行ってできる限り磨き残しを少なくすることが大切です。歯周病予防に効果的な歯磨きの方法と注意点をご紹介します。

歯磨きの注意点

歯磨きの注意点は、以下のとおりです。

・歯ブラシを濡らさない

・歯ブラシを鉛筆持ちする

・毛先が曲がらない程度の軽い力で磨く

歯磨きする際、歯ブラシを濡らしてから歯磨き粉をつける方が多いでしょう。

しかし、歯ブラシを水に濡らしてから歯磨き粉をつけると、歯磨き粉の成分が薄まります。歯ブラシが乾いた状態で歯磨き粉をつけて磨くことで、歯磨き粉の効果を最大限に発揮できるのです。

歯ブラシの持ち方や力加減も大切です。歯ブラシをグーで握って歯磨きすると、歯ブラシの毛先が曲がるほど力がかかります。毛先が曲がると磨けない部分が生じるので、磨き残しができやすいです。力のかかりすぎを防ぐためには、歯ブラシを鉛筆持ちするように握りましょう。

効果的な歯磨きの方法

歯周病予防に効果的な歯磨きの方法は、以下のとおりです。

・歯の表面:直角に歯ブラシを当てて磨く

・歯と歯の間:横向きだけでなく縦向きでも磨く

・歯と歯茎の境目:45度の角度で歯ブラシを当て、歯ブラシの毛先が入るように磨く

できる限り磨き残しをなくすには、磨きたい場所によって歯磨きの仕方を変えることが大切です。

歯の表面を磨く場合、歯ブラシを直角に当てて磨いてください。1本の歯に対して10~20回ほど左右に動かして、小刻みに磨きましょう。歯の表面に円を描くように、ぐるぐる磨くのも効果的です。

歯ブラシが入りづらい歯と歯の間は、磨き残しができやすいため注意が必要です。歯ブラシを横向き・縦向きにして磨くことで、磨き残しを少なくできるでしょう。

歯周病予防にとって大切なのは、歯と歯茎の境目の歯周ポケットをきれいに磨くことです。歯周ポケットに対して45度に歯ブラシを当て、歯ブラシの毛先が軽く入るように磨きましょう。力を入れて磨くと歯茎が下がる原因になるので、軽い力で磨いてください。

補助用具を使用する

磨きづらい歯と歯の間や奥歯、歯が重なっている部分などは、歯ブラシだけはきれいに磨けません。以下の補助道具を使うとよいでしょう。

・歯と歯の間:歯間ブラシ・デンタルフロス

・奥歯や歯と歯が重なっている部分:タフトブラシ

歯と歯の間を磨く用具には、歯間ブラシとデンタルフロスがあります。

歯間ブラシは、針金に毛が付いた小さなブラシのことで、すき間の大きさによってさまざまなサイズがあります。デンタルフロスは、歯と歯の間に糸を通して歯の側面を磨くものです。持ち手があるホルダータイプと、指に糸を巻いて使うロールタイプがあります。

歯と歯の間のすき間が大きい場合は歯間ブラシ、すき間が小さい場合はデンタルフロスを使いましょう。すき間が小さいところに歯間ブラシを無理やり入れると、歯茎を傷める原因になるので注意が必要です。

タフトブラシは、毛束が少ない歯ブラシです。奥歯の裏側や歯と歯が重なっている部分など、磨きにくい部分に当てやすいことが特徴でしょう。

丁寧に歯磨きしても磨き残しは生じるので、歯ブラシだけでなく補助用具を併用して歯磨きしてください。

まとめ

歯ブラシと歯科用器具と歯科模型

歯磨きだけでは歯周病を治すことはできませんが、歯周病の予防や症状の改善は可能です。毎日の歯磨きでの磨き残しをできる限りなくしましょう。

毎日歯磨きしていても、歯周病予防に効果的な歯磨き粉を選べていない場合や正しく歯磨きができていない場合は効果がないかもしれません。ご自身に合った歯ブラシや歯磨き粉が分からない方や、歯周病予防に効果的な歯磨きの仕方を知りたい方は、歯科医院を受診しましょう。

歯周病の治療では、毎日の歯磨きだけでなく定期的なクリーニングが欠かせません。

歯周病でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

仕上げ磨きのやり方とコツをわかりやすく解説!

2023年7月14日
仕上げ磨きをしている母親とこども

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

こどもの歯は虫歯になりやすいため、仕上げ磨きが重要となります。また、こどもの口腔内は乳歯と永久歯が混在しており、磨き残しが発生しやすいことを理解しなければなりません。保護者の方は正しい仕上げ磨きの方法を習得し、こどもの虫歯を予防する必要があります。

今回は、仕上げ磨きのやり方とコツについて、わかりやすく解説します。

仕上げ磨きが重要な理由

重要なポイント

生えたばかりの永久歯は、特性上、虫歯のリスクが高くなります。

生えたての永久歯は表面が粗く、歯垢が付きやすい状態です。また、歯質が未熟であり、酸への抵抗力が低いため、食べ物や飲み物の酸、特に菌が生成する酸によってエナメル質が溶けやすいのです。

さらに、新しく生えてきた歯は周囲の歯との関係で歯並びが凸凹し、凸凹したすき間が歯磨きの際に磨き残しが生じやすい状況を作り出します。

複雑な歯並びだけでなく、こどもは自分一人で完全に歯を磨き上げるのが難しいのも理由のひとつです。こどもは大人のように、歯ブラシをあてる角度や磨く力などの調整が困難です。そのため、こども自身が磨ききれない部分を大人が仕上げることで、虫歯のリスクを大幅に下げることが可能となります。

したがって、こどもの歯を虫歯から守るためには、仕上げ磨きが極めて重要です。保護者の方は、こどもが自分で磨いたあとにしっかり仕上げ磨きを行い、永久歯が虫歯にならないように注意を払わなければなりません。

仕上げ磨きは何歳まで?

クエスチョンマーク

仕上げ磨きは、10歳まで行うことが推奨されています。この時期になると、こどもは自分で歯磨きができる能力があります。

特に心配な場合やこどもが自分で歯磨きすることを嫌がる場合、第二大臼歯が生え揃う12歳頃まで仕上げ磨きを続けることもひとつの選択肢です。仕上げ磨きが難しいと感じたら、歯科医院に相談しましょう。

歯磨きの確認方法としては、赤ちゃんの場合は虫歯のチェック、少し大きい子では染め出しを行うことがあります。これは歯磨きが十分に行われているか、どの部分が磨き残しとなっているかを視覚的に確認する方法で、こども自身も理解しやすいのが特徴です。

仕上げ磨きの姿勢

3人のこどもが並んでいる

こどもの口腔内をしっかり観察し、安全かつ効果的に歯磨きを行うためには、保護者がこどものうしろから磨くのが理想的です。特に、こどもを保護者のひざの上に寝かせるか、保護者がこどものうしろから抱きしめるようにして、こどもの頭をお腹や脇で固定するのがよいでしょう。

こどもがまだ小さく、立つのが困難な場合や小さな赤ちゃんの場合は、ひざの上に寝かせて磨きましょう。この姿勢は安定感があり、また保護者が歯磨きを行いやすい状態を作ることができます。

こどもが一人で立っていられるようになったら、こどもを立たせて磨くのがよいでしょう。立った状態での歯磨きは、唾液や歯磨き剤を飲み込むのを防ぐ効果があります。また、自分で立つことで、こども自身が歯磨きを行う練習にもつながります。

こどもの成長や状況に応じて、最適な姿勢を選択してください。

仕上げ磨きのやり方

2人のこどもが歯磨きをしている

仕上げ磨きのポイントは「見える」ところだけでなく「見えない」歯の裏側や、歯と歯の間もしっかり磨くことです。また、力を入れすぎて歯茎を傷つけないよう、ソフトなブラッシングを心がけましょう。

こどもを寝かせる

まず、こどもの頭を保護者の膝に寝かせ、頭を安定させましょう。

こどもの口腔内をよく見ることができ、安全に歯磨きが行えます。先述したように、立った状態でも構いません。

歯ブラシで磨く

歯ブラシは小刻みに動かしましょう。

一度に磨く範囲は1~2本が目安です。歯の表面に対して垂直に歯ブラシをあてて、歯面を磨きます。歯周ポケットを磨くには、歯と歯茎の境目に対して45度の角度で歯ブラシをあててブラッシングしましょう。

毎回同じ場所から始め、全ての歯を磨き終えるまで同じ順序で磨きます。これにより、磨き残しが少なくなります。歯の内側も忘れずに磨きましょう。特に、前歯の内側は磨きにくいため、歯ブラシを縦にもちかえて磨くことをおすすめします。

デンタルフロスや歯間ブラシで磨く

歯と歯の間の汚れは、歯ブラシだけでは落としきれない場合があります。

歯間の広さに合わせて、デンタルフロスや歯間ブラシを使用して磨きましょう。

仕上げ磨きのコツ

キーポイントをあらわす付箋

歯磨きを習慣化させるためには、こどものストレスを最小限におさえることが重要です。以下、仕上げ磨きのコツについてご紹介します。

素早く行う

歯磨きは毎日行うため、長引くとこどものストレスにつながります。特に、仕上げ磨きは、こどもが一度磨き終えたあとに行われるため、早く終わらせることでこどもの負担を軽減し、協力を得やすくなります。

ただし、素早く行うことが重要だからといって、手を抜くわけではありません。時間をかけずに丁寧に磨くことが求められます。

毎日の磨き方や順番を定めて磨くことで、素早さと丁寧さを両立させましょう。こどもが安心感をもって歯磨きに臨めるよう、環境作りも忘れずに行うことが大切です。

歌う・楽しい話をする

歯磨きは毎日繰り返す作業であり、こどもにとっては面倒な作業となりがちです。そのため、歌う・楽しい話をするなどして、歯磨きの時間を楽しいものにすることが重要です。

歯磨きの間にお気に入りの歌を歌うことや、歯磨き専用の歌を作って一緒に歌うことで、歯磨きの時間が楽しくなります。歌は時間を計る役割も果たし、どれくらい磨けばよいのかをこどもに理解させる手助けとなるでしょう。

また、歯磨き中に楽しい話をすることでこどもの注意をそらし、歯磨きが苦にならないようにします。ほかには、今日あった出来事を話すことで、コミュニケーションの時間としても活用できるでしょう。

仕上げ磨きの時間を楽しいものに変えることで、こどもの歯磨きに対する抵抗感を軽減し、長期的な口腔ケアの習慣を身につけさせることができるのです。

好きなキャラクターの歯ブラシや好きな味の歯磨き粉を使う

好きなキャラクターの歯ブラシを使うことで、こどもは歯磨きの時間を待ち望むようになるかもしれません。お気に入りのキャラクターが描かれていると、キャラクターを見るたびに歯磨きにポジティブな印象をもち、自発的に歯磨きを始めるきっかけとなるでしょう。

また、好きな味の歯磨き粉を選ぶことも重要です。こどもは味覚が敏感なため、好きな味の歯磨き粉を使うことで歯磨きに対する抵抗感を減らすことができます。ストロベリーやオレンジ、グレープなど、こども向けの味付き歯磨き粉は多く存在します。

しかし、歯磨き粉を選ぶ際はフッ素量を確認し、こども用のものを選んでください。フッ素は虫歯予防に効果的ですが、過剰摂取は体に悪影響をおよぼすため注意が必要です。

痛みを与えないよう優しく磨く

強く磨かれると痛みを伴うことがあるため、仕上げ磨きの際は力を入れすぎず、歯ブラシの毛先が歯や歯茎に優しく触れる程度にしましょう。

歯磨きの目的は、歯垢を取り除くことであり、力を入れて行うものではありません。また、歯ブラシを歯茎に押し付けると、歯茎が傷ついてしまう可能性があります。

機嫌が悪いときは無理に行わない

こどもの仕上げ磨きは、虫歯予防のために重要な役割を果たしますが、こどもの機嫌が悪いときに無理に行うことはよくありません。こどもが疲れているときや機嫌が悪いときに歯磨きを強制すると、歯磨き自体を嫌がるようになることがあります。これは、歯磨きを日々のルーチンとして習慣づけるうえで逆効果となる可能性があります。

こどもの機嫌や状態を見極め、その日の状況に応じて歯磨きの時間を調整することが大切です。こどもの機嫌がよく、リラックスした状態のときに歯磨きを行うことで、こどもは歯磨きを楽しい経験としてとらえることができるでしょう。

先述したように、無理に磨くと歯や歯茎を傷つける可能性もあります。歯磨きは、あくまでも口腔内を清潔に保つためであり、痛みやストレスを伴ってはいけません。こどもの感情を尊重し、配慮しながら歯磨きを行うことが、健康な口腔環境を維持するうえで重要といえるでしょう。

仕上げ磨き後はたくさん褒める

こどもの行動は、大人からのフィードバックに大きく影響を受けます。

歯磨きが終わったあとに「よくできたね」「偉いね」「歯がきれいになったね」などと褒めることで、こどもは自己肯定感を得ることができるでしょう。自己肯定感は、歯磨きを継続するうえで大きなモチベーションにつながります。

さらに、褒められることによってこどもは喜びを感じ、歯磨きに対するポジティブな印象をもつことができます。結果的に、歯磨きに抵抗感をもつことなく、積極的に行うようになるでしょう。

また、褒めることによって親子の絆も深まります。こどもは、親からの賞賛から自己価値を高め、安心感を得ることができるでしょう。

まとめ

ポイントをまとめるこども

仕上げ磨きは虫歯予防に欠かせません。生えたばかりの永久歯は、歯質が弱く虫歯菌への抵抗力が低いです。虫歯は進行すると痛みを伴うこともあり、場合によっては、歯並びに影響を与えることもあるでしょう。

仕上げ磨きは10歳頃まで行うのが推奨されています。乳歯や永久歯が混在するこどもの口腔内は、凸凹した歯並びとなっているため、磨き残しが発生しやすくなります。保護者の方は、正しい歯磨きの方法を知り、丁寧に仕上げ磨きを行ってください。

仕上げ磨きは、将来のこどもの歯磨きの習慣にも大きく影響します。仕上げ磨きが難しい場合や、磨き方が合っているかどうか不安な場合は、一度歯科医院へ相談するとよいでしょう。

こどもの虫歯や仕上げ磨きでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

銀歯の下が虫歯になりやすいのはなぜ?治療法と予防法も解説!

2023年7月7日
口を手でめくって銀歯を見せる人

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

銀歯の下が虫歯になりやすいのは、銀歯の材質が関係しています。銀歯に使用される金属は、傷がつきやすいため、溝に汚れが溜まることで虫歯のリスクが高まるのです。また、熱によって膨張する性質があるため、膨張や収縮によって銀歯が変形することで歯との間にすき間ができ、細菌が侵入しやすくなります。

今回は、銀歯の下が虫歯になりやすい理由、治療法や予防法を解説します。

銀歯とは

歯の模型と銀歯が机の上に置かれている

銀歯とは、金属をベースにした詰め物や被せ物のことです。銀色をした光沢のある材料で、耐久性の高さや加工の容易さなどから、歯科医療の現場で広く使われています。

銀歯の主な成分は、銀・パラジウム・銅・金などですが、それぞれ異なる特性を持っています。例えば、銀は耐久性と強度、銅は硬さと抗菌性があることが特徴です。複数の金属を適切な比率で混ぜ合わせることで、歯の形状にフィットし、長期間にわたって機能する銀歯を作ることが可能です。

しかし、銀歯は見た目の問題から避ける人も多くいます。白い歯に銀色の詰め物や被せ物が入っていると、笑ったときや話したときに目立つからです。また、金属の成分によりアレルギー反応を引き起こす可能性もあるでしょう。

見た目やアレルギーの問題から、現在では見た目が自然で人体に優しいセラミックやレジン(コンポジットレジン)などの材料が使われることが増えています。

銀歯の下は虫歯になりやすい?

顎に手を当てて考える白い服の女性

銀歯の下が虫歯になりやすいかどうかは、銀歯の施術方法やメンテナンス状況に大きく依存します。

正しく設置された場合、銀歯の下で虫歯が再発することはそれほど多くありません。治療時に歯科医師が虫歯菌を完全に除去し、細かく調整を行って装着されていれば、銀歯と歯との間にすき間が生じないため、新たな虫歯菌の侵入を防ぐことができます。

しかし、治療が不完全で虫歯菌が残ったまま銀歯が被せられた場合や装着が不完全ですき間が生じていた場合、すき間から虫歯菌が侵入して銀歯の下で虫歯が進行する可能性があります。また、メンテナンスが不十分でプラーク(歯垢)が溜まった場合や口腔内環境が悪化した場合も、虫歯リスクは高まるでしょう。

銀歯の下の虫歯を防ぐためには、銀歯が装着されたあとも正しい歯磨きと定期的なメンテナンスを行うことが重要です。銀歯の設置は、歯科医師の技術力に大きく影響されるので、信頼できる歯科医師に治療を依頼しましょう。

銀歯の下が虫歯になりやすい理由

机の上に置かれた画用紙とペンとREASONの積み木

銀歯は、汚れが付着しやすい特性があります。銀歯は天然の歯に比べて表面が滑らかでないため、プラーク(歯垢)が付着しやすいのです。プラークが口腔内の細菌の増殖を促進し、酸を生み出すことで、歯を溶かし虫歯を引き起こします。

銀歯が劣化しやすい素材であることも、銀歯の下が虫歯になりやすい一因でしょう。銀歯は、酸化や腐食が進みやすく、表面が徐々に溶け出し、歯との間に微小なすき間が生じる可能性があります。すき間が虫歯菌の侵入口となり、新たな虫歯を誘発する原因となるのです。

また、銀歯を歯に固定する際にセメントを用いますが、セメントは時間の経過とともに溶けます。セメントが溶けることで銀歯と歯との間にすき間ができ、虫歯菌が侵入しやすくなるのです。

銀歯は、熱により膨張し変形する性質があることも忘れてはいけません。熱い飲食物を摂取したときなどに銀歯が膨張し、冷めて収縮するというサイクルが繰り返されることで、歯との間にすき間が生じ、虫歯菌が侵入して虫歯が進行する可能性があります。

セラミックやレジンなどに比べて、銀歯は虫歯の再発リスクが高いことを理解し、日頃から丁寧に歯磨きを行い、定期的に通院することが重要です。

銀歯の下が虫歯になったときの治療法

患者の口内を診察する男性歯科医師

銀歯の下に虫歯が発生した場合の治療法は、虫歯の進行具合や範囲によって異なります。

早期に発見された場合は、銀歯を取り外して新たな銀歯で補うのが一般的です。銀歯を取り外して虫歯部分を除去し、再度銀歯やほかの素材(レジンやセラミックなど)で補います。

しかし、虫歯が進行し歯根にまで到達している場合、または銀歯が取り外せないほど大きい穴があいている場合は、根管治療が必要になる可能性があります。根管治療は、虫歯が神経(歯髄)にまで達した場合に行われ、歯の神経が入っている管を洗浄・消毒し、特殊な薬剤で封じる治療法です。根管を洗浄したあと、詰め物や被せ物を装着します。

虫歯が進行して歯を保存することが難しい場合は、抜歯することもあるでしょう。抜歯後は、空いたスペースを補うためにインプラントやブリッジなどの治療が必要です。

銀歯の下が虫歯にならないための予防法

ソファに座って歯磨きする若い男性

銀歯の下が虫歯にならないための予防法としては、日頃から丁寧に歯磨きをし、定期的にメンテナンスを受けて、口腔内を清潔に維持することが大切です。

日頃から丁寧に歯磨きする

銀歯の下が虫歯にならないためには、日頃の丁寧な歯磨きが必要不可欠といえます。虫歯は、食べかすや細菌が銀歯のすき間に蓄積されることで発症するからです。

歯磨きは、毎食後と就寝前に実施することが推奨されています。特に、就寝前の歯磨きは欠かさないようにしましょう。寝ている間は唾液の分泌量が減少するため、口内が乾燥し、虫歯菌が活発化します。就寝前にしっかりと歯磨きを行うことで、口腔内を清潔に保つことができます。

歯ブラシは、ブラシの先端が小さく、歯と歯茎の間や歯と銀歯のすき間にも届くタイプを選びましょう。外出などで食後に歯磨きができない場合は、うがいだけでも行ってください。うがいだけでもある程度の食べかすを流せるので、虫歯予防の効果があります。

歯ブラシで磨くだけでなく、フロスや歯間ブラシも忘れずに使いましょう。歯ブラシだけでは落とせない汚れも除去できます。特に、銀歯と天然の歯の間は虫歯になりやすいため、入念に磨きましょう。

定期的にメンテナンスを受ける

銀歯の下の虫歯を予防するためには、日常的なブラッシングに加えて、定期的なメンテナンスが非常に重要です。

歯科医院でのメンテナンスは、検査だけでなくPMTC(プロによるクリーニング)も含まれます。PMTCでは、ふだんの歯磨きだけでは取り除くことができないプラークや歯石が効率的に除去されます。徹底的に歯や歯茎を清掃することで、細菌の増殖を防止できるでしょう。また、銀歯の状態を評価し、必要に応じて修復や調整を行います。虫歯が発生しやすい状態を早期に修正し、銀歯の下の虫歯を未然に防ぐことにつながります。

特に銀歯が装着されている歯は、銀歯の下で虫歯が進行していても痛みを感じにくいため、早期発見が大切です。

セラミックなど銀歯以外の素材を選ぶ

銀歯の下が虫歯になるのを防ぐための方法として、銀歯ではなく、セラミックなどの素材を選択することも挙げられます。

セラミックの詰め物や被せ物は、銀歯と比べて多くのメリットがあり、虫歯のリスクを軽減します。セラミックは、自然な歯の色に近く、見た目が美しい特徴がありますが、メリットは見た目のよさだけではありません。セラミックは、汚れや細菌が付着しにくく、耐酸化性も高いです。銀歯に見られる腐食や汚れの付着、それに伴う虫歯の発生が抑制されます。

また、セラミックは、金属のように熱膨張しにくく、口内で変形するリスクが少ないメリットがあります。変形によってすき間が生じ、虫歯が発生するリスクを低減できるでしょう。

セラミックはレントゲンで透過するため、進行中の虫歯がある場合は早期に発見することが可能です。早期に適切な治療を受けることで、二次虫歯の進行を防ぎ、歯の喪失を防ぐことにつながります。

まとめ

歯科用器具を使って銀歯の状態を確認するところ

銀歯は、汚れが付着しやすく、歯との間に細菌が侵入しやすい人工歯です。費用が安く治療期間が短いことが特徴ですが、レジンやセラミックと比べて変形や劣化するリスクが高く、二次虫歯になりやすいことがデメリットといえるでしょう。

また、銀歯は金属のため、X線が透過せず、レントゲン撮影を行っても銀歯の下の虫歯を発見しにくいといえます。気づかないうちに虫歯が進行すると、最悪の場合、歯を失う可能性もあります。

「銀歯の下は虫歯になりやすい」という特性を理解して、予防に努めなければなりません。日頃から、歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシも使って丁寧に歯磨きをしましょう。定期的に歯科医院を受診し、クリーニングや銀歯の状態を確認してもらうことも重要です。

銀歯の下の虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

小児矯正の目的は?

2023年6月30日

小児矯正の目的は?

こんにちは。大阪府八尾市志紀にある歯医者 医療法人 甦歯会もりかわ歯科 志紀診療所です。
今回は、「小児矯正の目的は?」です。
皆様は、小児矯正の目的をご存じですか?
大人になると成長はしなくなります、子供の成長はその時しかありません。
その瞬間を逃してしまうと成長は戻ってきません。
今回の記事では小児矯正の目的を徹底的にご説明させて頂きます。
小児矯正を考えている方は是非、この記事を読んで参考にしてもらえたら幸いです。

成長で大切なことは?

脳のラジエーターとして重要な働き

成長で大切なことは『呼吸』です。
口がポカンと空いていて口呼吸になっている子と鼻呼吸出来ている子では成長の仕方が違います。
脳は20Wの熱を産生しているのですが、脳が熱くなりすぎると機能が働かなくなります。
それを防ぐために鼻呼吸があります。
顎の成長は脳の成長と関係しています。
成長をしっかり促すためにはまず、お子様の呼吸の仕方を確認して下さい。
鼻が詰まっていて鼻呼吸が出来ていない場合、耳鼻科に是非、受診して下さい。

小児矯正の目的は?

矯正相談でいつもお話する事ですが、大人の矯正の目的と子供の矯正の目的は違います。
子供の矯正の目的は
1、顎の成長を促すため
2、大人になった時抜歯矯正を避けるため
3、脳の成長を促すため

主にこの3つの目的だと考えています。

上顎は10歳までに80%成長します。そのタイミングで脳も成長します。
上顎の成長は10歳までに広げないと広がりにくくなります。

上顎はどうやって成長するの?

上顎はどうやって成長するの?

上顎は3方向に成長していきます。
ピンクの線が切歯縫合といって前方向に成長していきます。
青い線が正中口蓋縫合といって横方向にに成長していきます。
要は縫合が広がることで上顎が成長していきます。

小児と成人の上顎の違い

左は子供、右は大人の上顎です。
子供の時縫合は深いです。それに比べ大人になると縫合は薄くなっていきます。
これは大人になると成長がストップしてしまう事を表しています。
成長をさせるためには縫合が広がるタイミングで広げてあげる必要があります。
小児矯正の目的は今しか出来ないことへのアプローチだと当院では考えております。

実際の症例

インビザライン矯正前(初診)

インビザライン矯正前の状態(初診)

9歳の女の子で歯並びが気になるという事で来院されました。

上顎のスペースが小さいので歯が並ぶことが出来ていないことによって歯並びが悪くなってしまっています。
下顎も前歯がガタついている状態でした。
インビザライン矯正にて顎を広げながら歯並びを整えていく計画を作成していきました。

インビザライン矯正8ヶ月後

インビザライン矯正8ヶ月後

インビザライン矯正8ヶ月後です。
歯並びもだいぶ綺麗になりました。このように8ヶ月ほどでここまで変化します。
もし、この方が大人になって矯正していたら抜歯をしないと歯並びを解消出来なかったかもしれません。
歯は大切なので、できるだけ抜かずに歯を並べることが大切になってきます。
お子様の歯並びが気になっている方はすぐに矯正相談を受けてもらうことをおすすめします。

いかがだったでしょうか?

今回は、「小児矯正の目的は?」でした。
子供の時に矯正をすることにはたくさんメリットがあります。
気になっているけどなかなか1歩踏み出せていない方は
この問診票を見てみて下さい。
該当する項目があればご相談することを推奨します。

もりかわ歯科問診票

当院は、ダイヤモンドプロバイダーといって全国の歯科医院で1%程しか獲得することができない称号を獲得しております。
気になる方は是非ご相談下さい。
小児矯正の詳しい内容はこちら

ダイヤモンドプロバイダー森川康司

歯周病による口のにおいが気になる!口臭の特徴と対策方法!

2023年6月26日
口臭のする男性と手で鼻を塞ぐ女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「朝起きたときに口がにおう気がする」「家族や友人に口臭を指摘された」などの経験をして口臭を改善したいとお悩みの方はいらっしゃいませんか。

口臭が強くなる原因のひとつに「歯周病」があげられます。歯周病は自覚症状が少なく、気がつきにくい疾患といわれています。検査してみたら口臭の原因が歯周病だったケースも少なくありません。

今回は、歯周病の概要や歯周病が原因で起こる口臭の特徴と対策方法を解説します。口臭の原因が歯周病かもしれないと心当たりのある方は、ぜひ参考にしてください。

歯周病とは

歯周病のチェックをしている男性

歯周病は、歯周病菌によって歯茎や顎の骨などの歯を支える周辺組織が細菌感染を起こしている状態です。病状が進行すると、支えとなるあごの骨(歯槽骨)が溶けてしまうので、最終的に歯が抜け落ちてしまいます。

歯を失う最大の原因は歯周病といわれていて、45歳以上の約半数が罹患している身近な疾患です。歯周病の原因は、歯の表面に残るプラーク(歯垢)です。

プラークは細菌の塊で、プラーク1mgあたり約10億個以上の細菌が生息しています。プラークは粘着性が強いため、うがいで落とすことができません。歯周病を予防するためには、歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどを使用してプラークを除去することが必要不可欠です。

歯周病は自覚症状が出たときには病状が進行しているケースが多いため、日頃から罹患しないように努めることがポイントといえるでしょう。

歯周病の症状

歯周病のチェックをしている女性

歯周病に罹患すると、歯周病菌が出す毒素の影響で歯茎が炎症を起こし、さまざまな症状があらわれます。先述したように、病状が進行すると歯を支えているあごの骨(歯槽骨)が溶けてしまうので、最終的に歯は抜け落ちてしまうのです。

歯周病は初期の段階では自覚症状が少なく、気がついていても放置してしまう場合が多いでしょう。以下のような症状がある場合は、歯周病の可能性があります。

・起床時に口のなかにネバつきがある

・歯磨きの際に出血する

・口臭がある

・歯茎が赤い

・歯茎が腫れる

・歯と歯の間にすき間ができている

・冷たいものがしみる

・歯が揺れる

・歯茎から膿がでる

上記の症状がある場合は、歯科医院を受診して検査を受けましょう。早めに対処すれば、歯周病の進行を止めることが可能です。

歯周病による口臭の特徴

口に手をあてて口臭を確認している

歯周病の症状のひとつに、口臭があげられます。

歯周病によって口臭が発生する原因は、歯周病菌が作り出すガスです。歯の表面に残る食べカスなどを栄養源に歯周病菌は増殖しますが、増殖の過程で「メチルカプタン」や「硫化水素」などのガスを作り出します。メチルカプタンは玉ねぎが腐ったようなにおい、硫化水素は卵が腐ったようなにおいと表現されることが多いです。

歯周病が進行すると、歯と歯茎との間に歯周ポケットとよばれるすき間が生じます。歯周ポケットのなかは酸素が届きにくいため、酸素が少ない環境を好む歯周病菌の活動が活性化するでしょう。結果として、歯周病菌が増殖して多くのメチルカプタンや硫化水素が作り出されるため、口臭が強くなり歯周病も進行する悪循環が起こる可能性が高いです。

また、重度の歯周病になると歯茎から出血や膿がでるようになり、口臭がさらに強くなります。

歯周病による口臭の対策方法

歯周病が原因で口臭があるケースでは、歯周病の進行を止めることが必要です。歯科医院での歯周病治療と、自宅でのセルフケアをしっかり行えば歯周病による口臭は改善されるでしょう。

以下、歯科医院で行う歯周病治療と自宅で行うセルフケアの方法をご紹介します。

歯科医院で行う歯周病の口臭対策

歯周病による口臭は、先述したとおり歯周病の進行を止めることで改善が期待できます。歯科医院で行う歯周病の治療は、大きく分けて以下の2つです。

・歯石を除去する

・ブラッシング指導をうける

以下、それぞれ解説します。

歯石を除去する

歯の表面や歯周ポケットのなかに歯石が付着している場合、歯石を取り除く必要があります。歯石自体に細菌は存在しませんが、歯石の表面は粗造なのでプラークが付着する足場となり、歯周病の進行を促進させるのです。

しかし、歯石は硬く、歯ブラシで取り除くことができません。歯科医院で「スケーリング」とよばれる専用の器具で歯石を取り除く治療を受ける必要があります。

スケーリングで歯石を取り除くとプラークが付きにくい環境に改善されるので、結果として歯周病の改善に繋がります。

ブラッシング指導をうける

歯科医院で歯石をきれいに取り除いてもらっても、ご自宅でのブラッシングが不十分だと、再び歯石がついてしまいます。

歯科医院では、虫歯・歯周病予防のため、歯科医師や歯科衛生士がブラッシング方法を指導します。歯ブラシの基本的なあて方はもちろん、一人ひとりの歯並びに合った適切な磨き方を知ることで、効率よく汚れを落とすことができるでしょう。

ご自身で磨きにくい場所がある場合やどのような歯ブラシやケアグッズを使用すべきなのか疑問がある場合は、積極的に質問するのがよいでしょう。歯科医院では、歯並びや手先の器用さなども考慮したうえで、適切なアドバイスを受けることが可能です。

自宅で行う歯周病の口臭対策

ドミノが倒れるのを手で防いでいる

歯周病の進行を止めるには、歯科医院での治療のほかに、自宅で行うセルフケアがポイントです。ご自宅でできる歯周病の予防・改善方法は、大きく分けて以下の2つです。

・毎日ブラッシングをする

・補助清掃用具を使用する

以下、それぞれ解説します。

毎日ブラッシングをする

歯周病の原因は、歯の表面に残るプラークです。歯周病を予防するためには、毎日しっかりブラッシングを行ってプラークを取り除くことがポイントです。

プラークを蓄積させないためには、正しいブラッシング方法で歯ブラシをすることはもちろん、歯ブラシの回数や時間も意識する必要があるでしょう。

しっかり歯ブラシが届いていても、ブラッシング時間や回数が不十分だと、プラークを落としきれずに口内に残ってしまいます。特に、唾液の分泌が減少する就寝前のブラッシングは必ず行うように心がけてください。

補助清掃用具を使用する

口のなかの汚れは、歯ブラシだけで清掃した場合60%しか落とすことができません。歯と歯の間や歯並びが悪い部分は、歯ブラシだけでは磨き残しができてしまいます。

歯ブラシだけで清掃が難しい部分は、デンタルフロスや糸ようじ・歯間ブラシ・ワンタフトブラシなどの補助清掃用具を使用しましょう。隅ずみまでプラークを取り除くことが可能で、歯と歯の間の汚れを効果的に取り除くことができます。

注意点として、歯と歯の間のすき間の状態によってデンタルフロスか歯間ブラシか適切な方を選択する必要があります。どちらを選択すべきなのか、サイズはどのくらいが適切なのかわからない場合は、歯科医院でブラッシング指導を受けると適切なケアグッズを案内してもらえるでしょう。

まとめ

ポイントを指さす女性

口臭の原因のひとつに、歯周病があげられます。

歯周病に罹患すると、歯周病菌の働きによって「メチルカプタン」や「硫化水素」などのガスが発生します。メチルカプタンや硫化水素は玉ねぎやタマゴが腐ったような強いにおいを発生させるため、歯周病に罹患している方は口臭が強くなる傾向にあります。口臭を改善するためには、歯周病の進行を止めて口内の環境を整えることがポイントです。

歯周病の原因は、プラーク(歯垢)です。プラークは、毎日のブラッシングで取り除く必要があります。正しいブラッシング方法はもちろん、歯ブラシの時間や回数も意識して、プラークが蓄積しないように心がけることが大切です。

ただし、セルフケアだけでは十分にケアできない可能性があるので、歯科医院を定期的に受診してチェックしてもらうのがよいでしょう。

歯周病による口のにおいでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

矯正相談に密着してみた

2023年6月23日

矯正相談に密着してみた

こんにちは。大阪府八尾市志紀にある歯医者 医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。
今回は、「矯正相談に密着してみた」です。
矯正相談と言われると敷居を高く感じられる方が多いのではないかと思います。
一体、矯正相談で何が行われるのかを今回の記事ではご説明させて頂きます。
矯正に興味はあるがなかなか行動に移せていない人は必見です。
最後まで読んで頂けますと幸いです。

矯正相談の1日の動画はこちら


矯正相談の流れ

1.iTeroでお口の中を撮影

iTeroを使ってお口の中を撮影をさせて頂く事で、360度あらゆる角度からお口の中を見ることが可能になってきます。
普段、見る事ができない奥歯の状態も確認する事が出来ます。

360度あらゆる角度から口腔内を確認

iTeroとは?

iTeroとは何?

従来のピンクの型取り材

光を使って型取りする機械になります。
銀の詰め物を作る時にピンクの型取り材で型取りをされた経験があると思います。
iTeroを使うことでピンクの型取り材を使わずに型取りをすることが出来ます。
詳しい内容はこちらから

2、カウンセリング

詳しくカウンセリング

今のお悩みを聞きながら現状の問題点などを詳しくご説明させて頂きます。
歯の問題によって体の問題にも繋がってきます。
治し方など詳しくご説明させて頂きます。

3、ビフォーアフター

歯並びのビフォーアフター

その場でビフォーアフターが見られる

iTero撮影させて頂くことで、その場で矯正後の歯並びのシミュレーションを見る事が出来ます。
矯正相談で先生からの話だけだとなかなか想像する事が出来ません。
iTeroを使う事で現状を知りそして未来の歯並びまで見る事が出来ます。
歯並びの変化を目の前で作っていきますのでどのように歯が動いていくのかが想像しやすいです。

実際の歯並びの変化はこちら


料金、装置の説明

費用、装置の説明

最後に、インビザライン矯正で使うマウスピースについての説明や費用の説明をさせて頂きます。

生活の中に矯正を入れていかないといけません。
マウスピースの取り扱いの仕方や注意事項など生活していく中で気を付けないといけない事も色々説明させて頂きます。

また、矯正の一番のポイントである費用の所も説明させて頂きます。
支払いの方法は何があるのか?、分割払いはできるのか?、通院費がかかるのか?
など費用の説明をしっかりさせて頂きます。

いかがだったでしょうか?

今回は、「矯正相談に密着してみた」でした。
矯正相談はこのような流れで進んでいきます。
なかなか矯正と言われると敷居は高くなると思います。
ただ、現状の状態を知ることは大切です。
無料なので是非、お気軽にお越しください。
当院は、全国でも1%も獲得することも出来ないダイヤモンドプロバイダーです。
インビザライン矯正医である森川 康司がお悩みを解消させて頂きます。
当院では矯正無料相談を実施していますのでお気軽にお問い合わせください。
詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページをご覧ください。

ダイヤモンドプロバイダー森川康司

歯が生えてきたら歯ブラシで歯磨きをしよう!赤ちゃんの歯の磨き方!

2023年6月19日
歯ブラシを持って自分で歯磨きする可愛い赤ちゃん

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

赤ちゃんの歯を守るために欠かせない歯磨きですが、いつからどのように始めるべきなのかわからない保護者の方も多いでしょう。

今回は、赤ちゃんの歯磨きを始める適切な時期や磨き方、嫌がったときの対処法などを詳しく解説します。

歯が生えてきたら歯ブラシで歯磨きしたほうがいい?

ソファに座って悩む母親とこども

赤ちゃんの歯磨きを始める時期は、乳歯が生えてきたタイミングです。1本でも乳歯が生えてきたら、すぐに歯磨きを始めましょう。歯が生えると同時に虫歯になるリスクが発生するため、1本でも乳歯が生えれば歯磨きをするべきです。

永久歯と違い、乳歯は歯の表面を覆っているエナメル質が薄いため非常に柔らかく、虫歯菌に侵食されやすい性質があります。また、赤ちゃんの虫歯は大人と比べて進行スピードも早いため、すぐに対処しなければ将来生えてくる永久歯にも影響を及ぼす可能性があります。そのため、乳歯が生えてきたらなるべく早く歯磨きを始めることが大切です。

赤ちゃんの歯の磨き方

洗面台に赤ちゃんを座らせて歯磨きの仕方を教える母親

赤ちゃんの歯磨きはどのように行うのでしょうか。3つのステップにわけて解説します。

1.歯磨きに慣れさせる

赤ちゃんの口の中は非常に敏感です。そのため、いきなり歯ブラシを口の中に入れて歯を磨こうとしても拒絶されるでしょう。歯磨きが嫌だと思われる前に、歯磨きに慣れることからスタートするのが大事です。

例えば、赤ちゃんの機嫌がよいときに歯磨きの歌を歌いながら「お口つんつん」や「ほっぺたつんつん」の声かけと一緒に、指で赤ちゃんの口のまわりを優しく触りましょう。口の周辺を触られることに慣れさせることが目的です。

口の周辺を触られることに慣れてきたら、口に入れても危なくない柔らかいおもちゃなどで遊ばせましょう。赤ちゃんの口腔内を刺激することで、さらに歯磨きに近い感覚に慣れさせます。

赤ちゃんの体をくすぐる、歌をうたう、口まわりを刺激するなどを同時に行って、楽しい雰囲気にすることで、歯磨きへステップアップしたあとも遊びの延長として受け入れやすくなるでしょう。

2.ガーゼで磨く

口の中に何かを入れる感覚に赤ちゃんが慣れてきたら、歯ブラシではなく、ガーゼ磨きを始めます。

歯が生えてきたら歯磨きをしなくてはなりませんが、赤ちゃんが慣れていないことに加え、保護者も赤ちゃんの歯磨きに慣れていないため、無理に歯ブラシで磨くのは双方にとってよくありません。

最初に生える下の前歯の近くには唾液腺があり唾液が常に流れているので、比較的虫歯になる可能性は低いとされています。完璧に磨けなくても気にせず、毎日歯磨きを行うこと、歯磨きに慣れてもらうことを意識しましょう。

指やおもちゃの刺激に十分に慣れてきたら、生後6〜7か月頃までは離乳食後に水でぬらしたガーゼで乳歯を優しく拭いてあげましょう。

3.歯ブラシ磨きに切り替える

ガーゼ磨きをスムーズに行えるようになり上の前歯が生えてきたら、歯ブラシでの歯磨きを始めます。特に、上の前歯は授乳の際の汚れがつきやすいため注意が必要です。

上の前歯が生え始めたら、まずはこれまでどおりガーゼで優しく拭き取り、そのあとに仕上げ磨きとして水だけをつけた歯ブラシで優しく磨きます。ベビー用のトレーニング歯ブラシを持たせ、噛んで遊ばせてもよいでしょう。

最初はガーゼ磨きと並行して行い、乳歯が生え揃ってきたらガーゼ磨きをやめて歯ブラシでの歯磨きに切り替えます。次第に歯磨き粉を使用した歯磨きができるようになるので、赤ちゃん自身の歯磨きと合わせて、就寝前の仕上げ磨きを習慣化しましょう。

歯磨き粉はいつから?

歯ブラシのおもちゃを持って歯磨きする赤ちゃん

歯磨き粉も歯磨きと同様、乳歯が生え始めたら使い始めるのが基本ですが、刺激が多いと嫌がる可能性が高いため、歯ブラシに慣れるまでは水だけの歯磨きで問題ありません。歯磨きに慣れてきたら歯磨き粉を使いましょう。

大人が使用する歯磨き粉は刺激が強いため、口の中が敏感な赤ちゃんに使用するには向いていません。最初はフッ素入りの赤ちゃん用歯磨き粉を使用してください。

フッ素には、虫歯を予防する3つの働きがあります。

・酸に負けない抵抗力のある歯を作る

・溶け出した歯を修復する再石灰化を促進する

・虫歯菌の働きを弱める

フッ素を活用することで、虫歯に負けない歯を作ることができるでしょう。

赤ちゃん用フッ素歯磨き粉の選び方

?を描く3つの歯磨き粉

「赤ちゃんの頃からフッ素が入った歯磨き粉を使ってもいいの?」と不安に思った方もいるでしょう。

フッ素(フッカ化合物)は、短時間に大量摂取することで吐き気や嘔吐などの急性フッ素中毒を引き起こすことが知られています。中毒を引き起こす量の目安は「体重1kgあたりフッ素2mg」とされています。乳歯が生え始める6か月頃の赤ちゃんの平均体重が約7kgなので、フッ素を14mg摂取すると中毒になるということです。

フッ素が高濃度に配合されている大人用の歯磨き粉でも、フッ素の濃度は1,500ppm(0.15%)で、大人が一度の歯磨きで使用する歯磨き粉の量が1g(1000mg)といわれています。つまり、一度の歯磨きで使用する歯磨き粉に含まれるフッ素はわずか1.5mgなのです。

体重7kgの赤ちゃんに、大人用の歯磨き粉を使って10回連続して歯磨きを行えば中毒症状が出る可能性がありますが、現実的ではないでしょう。

そもそも、フッ素は自然界にも存在し、私たちの体内や食べ物にも含まれている物質です。過度に恐れ、遠ざける必要はありません。

ただし、大人がこどもの年齢に合ったフッ素濃度の歯磨き粉を選び、管理する必要はあります。特に、現在は多くのフッ素入り歯磨き粉が販売されていて、どれを選べばよいかわからないという保護者の方も多いでしょう。

まずは、含まれているフッ素濃度が明記されている商品を選んでください。下記の表を参考に、こどもの年齢に合わせて適切な歯磨き粉を選択しましょう。

<こどもの年齢と適切なフッ素濃度>

年齢 フッ素濃度
6か月(歯の萌出)~2歳 500ppm
(泡タイプの歯磨き粉なら1,000ppm)
3歳~5歳 500ppm
(泡タイプまたはフッ素の種類がMFP(※)なら1,000ppm)
6歳~14歳 1,000ppm
15歳以上 1,000~1,500ppm

※ モノフルオロリン酸ナトリウム

こどもの歯磨きにおいて、歯ブラシや歯磨き粉と同じくらい重要なのが「うがい」です。

こども、特に赤ちゃんは、上手にうがいができない場合も多いので、最初はうがいをしなくてもよい歯磨き粉を選びましょう。「うがい不要」や「ブラッシングのあとに吐き出すだけでOK」などの記載があるので、確認して購入してください。

また、赤ちゃん用の歯磨き粉を選ぶ際は、発泡剤や研磨剤を使用していないものを選びましょう。大人が使用する歯磨き粉には、泡立ちをよくするために発泡剤が使われています。少量の歯磨き粉でも、泡立つことで薬剤がすみずみまで行き渡り、汚れを落としやすくする働きがあります。

一方で、泡ばかりが口内に広がって「しっかり磨いた」と勘違いしやすいことがデメリットです。特に、赤ちゃんの場合は、泡に不快感をおぼえて嫌がることで、仕上げ磨きが不十分になりかねません。泡立つことで歯を見ることができなくなり、磨き残しが生じる可能性もあります。磨いたことを目で確認するために、赤ちゃんの頃は発泡剤を使用していない歯磨き粉を選びましょう。

研磨剤は柔らかい赤ちゃんの乳歯を傷つけるおそれがあるため、適していません。赤ちゃんの歯磨き粉を選ぶ際は、研磨剤不使用と明記された商品を選びましょう。

歯に着色汚れがついた場合は、研磨剤の含有量がごく微量のこども用歯磨き粉を使う、小児歯科に相談してクリーニングしてもらうなどで対応してください。

赤ちゃんの歯はいつ磨くのが適切?

服をめくって腕時計を確認し、時間を見る女性

赤ちゃんは、大人と生活リズムが異なるので、1日のどのタイミングで歯を磨けばよいかわからない場合も多いでしょう。赤ちゃんの歯磨きのタイミングについて解説します。

1日に1~2回を目安に歯磨きを行う

歯磨きを初めたばかりの頃は、1日に1〜2回を目安に行いましょう。

特に、寝ている間は唾液の分泌量が減少するため、口の中で虫歯菌が繁殖しやすくなります。寝る前は必ずガーゼ、もしくは歯ブラシで歯を磨きましょう。

慣れてきたらミルクや離乳食のあとにも歯磨きを行う

赤ちゃんが歯磨きに慣れてきたら、ミルクや離乳食が終わるたびに磨くなど、徐々に歯磨きの回数を増やしましょう。

無理に磨くと痛がる場合や歯磨きを嫌がるようになる場合があるため、赤ちゃんの様子を見ながら進めてください。

歯磨きを嫌がるときはどうしたらいい?

赤ちゃんを抱っこして歯磨きの仕方を教える父親

赤ちゃんの歯磨きで多くの保護者の方が悩むのが、歯磨きを極度に嫌がることでしょう。ときには大声で泣きじゃくる、手足をばたつかせて暴れるなど、手がつけられなくなることもあります。

こどもが歯磨きを嫌がるときの対処法を解説します。

軽い力で手早く磨く

赤ちゃんの歯磨きは、時間をかければかけるほど嫌がるので、なるべく手早く行うことが大切です。

力を入れてゴシゴシ磨くと嫌がる原因になり、歯を傷つける可能性もあるため軽い力で磨きましょう。力加減は、歯ブラシを歯にあてたときに歯ブラシの毛先が広がらない程度が目安です。

上唇小帯に歯ブラシを当てない

保護者の方が仕上げ磨きをする際に、上唇の裏側と歯茎の間にある筋(上唇小帯:じょうしんしょうたい)に歯ブラシをあててしまうことがあります。上唇小帯に歯ブラシが強くあたると、痛みを感じて極度に嫌がるこどもが多いです。

上唇に指を添え、少し持ち上げて上唇小帯を視認しながら磨くことで、不意の接触を回避できるでしょう。

新しい歯ブラシに交換する

こどもが歯磨きを嫌がる原因の一つに、歯ブラシの毛羽立ちがあります。毛先が広がった歯ブラシを使用すると、赤ちゃんの口の中の粘膜や歯茎にあたって痛みを感じる場合があります。磨きたい場所以外にブラシがあたることで、口内を傷つけることにもつながるでしょう。

歯ブラシを交換するタイミングは1か月が目安ですが、歯ブラシの毛先が広がってきたと感じたら新しいものに交換しましょう。

嫌がるこどもを無理に追いかけない

虫歯になってほしくないという思いから、場合によってはこどもを押さえつけて歯磨きをすることがあるかもしれません。就寝前は保護者の方も疲れていることが多く、スムーズに歯磨きができないとイライラして大きな声を出してしまうこともあるでしょう。

保護者の方が怒りながら行う歯磨きは、こどもに恐怖をあたえる可能性があります。押さえつけられて歯磨きをされる体験が積み重なると「歯磨き=怖いもの」と認識し、将来の歯磨き習慣にも影響を及ぼすおそれがあるのです。

こどもが歯磨きを嫌がったときは無理に追いかけず、時間を置いて、落ち着いてから再チャレンジしましょう。

歯磨きに遊びの要素を取り入れる

こどもに歯磨きを好きになってもらう方法として、歯磨きに遊びの要素を取り入れるのが非常に有効です。ふだんから絵本や手遊び、歌などで歯磨きに触れさせることで、実際に歯磨きを行う際も受け入れられるでしょう。

また、こどもだけでなく親も一緒に歯磨きをするのも非常に効果的です。向かい合って「〇〇ちゃんも一緒に歯磨きしよう」と誘うと、次第に真似をして歯磨きをするようになります。

まとめ

娘の顎を持って歯磨きする母親

今回は、赤ちゃんの歯磨きについて解説しました。

赤ちゃんの歯磨きを行う場合は、まずは口のまわりを触ることから始め、徐々に歯ブラシでの歯磨きを行えるように慣れてもらいましょう。嫌がる場合は歌をうたう、保護者も一緒に歯磨きをするなどが効果的です。

赤ちゃんの頃に生えている乳歯は大人よりも虫歯になる危険性が高いため、大人以上に気をつけて歯磨きをする必要があります。フッ素が配合された歯磨き粉も使用して、虫歯予防に努めましょう。ときには歯磨きを極度に嫌がることもありますが、少しずつ時間をかけて習慣化できるよう工夫してください。

赤ちゃんの歯磨きでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。