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虫歯予防に役立つ!虫歯ができやすい人の特徴とは?

2023年11月3日
虫歯予防のイメージ

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「歯磨きをしているはずなのに虫歯ができる」と悩む人は少なくありません。「虫歯になりやすい人の特徴は?」「虫歯にならないための方法を知りたい」と思う人もいるでしょう。

今回は、虫歯ができる原因やできやすい人の特徴、虫歯の予防方法について解説します。虫歯ができやすくて悩んでいる人は、ぜひ最後までご覧ください。

虫歯ができる原因とは?

虫歯のある人

虫歯ができる原因は、プラーク(歯垢)と、ミュータンス菌です。プラークとは、口腔内の細菌と、細菌の排出物でできた塊です。

プラークには粘着性があり、多くの細菌が繁殖しています。歯にプラークが付着した状態が続くと歯の脱灰が進み、虫歯になります。

ミュータンス菌は、虫歯菌とも呼ばれる細菌です。口腔内の食べかすを餌にして、酸を排出します。ミュータンス菌が排出した酸が歯を溶かし、虫歯になるのです。

虫歯ができる直接の原因はプラークとミュータンス菌ですが、以下の要素も大きく関係します。

・糖質

・歯質

・時間

虫歯の直接的な原因は、ミュータンス菌が排出する酸です。

しかし、ミュータンス菌の餌となる糖質が口内になければ、活発に動きません。ミュータンス菌は糖を餌にするため、甘いものを頻繁に摂取すると虫歯ができやすいのです。

もともとの歯質も虫歯に関係します。歯質が弱いと、酸の刺激を受けたときに簡単に脱灰するでしょう。プラークが付着している時間が長いと、歯の脱灰が進んで虫歯ができます。

また、生活習慣も虫歯に大きく関係します。甘い食べ物を好む人や間食が多い人、ダラダラと長時間食べる人、食後に歯磨きをしない人は、虫歯ができやすいでしょう。

虫歯ができやすい人の特徴

間食する人

上述したとおり、歯質やミュータンス菌だけが原因ではなく、さまざまな要素が重なって虫歯ができます。

しかし、虫歯ができやすい人は存在します。虫歯ができやすい人の特徴は、以下のとおりです。

適切に歯磨きできていない

虫歯ができやすい人は、歯磨きを適切にできていない可能性があります。例えば、食後に歯磨きをしない人や、寝る前に歯を磨かない人は虫歯ができやすいです。

「毎日しっかり磨いているのに」と思う人もいるでしょう。

しかし、毎日磨いていれば適切に磨けているというわけではありません。磨き方の癖が影響し、磨き残しが生じている可能性があります。

例えば、利き腕の方向は、磨き残しが多い傾向があります。右利きの人は右の歯の裏側、左利きの人は左の歯の裏側の磨き残しが多いです。

磨く習慣だけでなく、正しい磨き方を身につけることが大切です。

ダラダラと間食をする

ダラダラと間食をする癖がある人は、虫歯ができやすいです。いつも飴を舐めている、清涼飲料水を頻繁に飲むなど、口内に糖がある時間が長く続くと虫歯ができやすいでしょう。

口内は常に唾液で潤っていますが、唾液には口内の汚れを洗い流す自浄作用や、口内の菌の増殖を抑える作用などがあります。ダラダラ食べると唾液の作用が十分に働かないので、ミュータンス菌が活発に働ける状態になるのです。

歯並びが乱れている

歯並びが乱れている人は、虫歯ができやすいです。ガタガタしていると歯ブラシの毛先が当たりにくく、磨き残しが生じるでしょう。しっかり磨いたつもりでもプラークが残り、虫歯や歯周病になるリスクも高くなります。

歯並びが乱れている人は、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロス、タフトブラシを使って磨いてください。歯並びの乱れが原因で虫歯を繰り返す場合は、矯正治療を検討してもよいでしょう。

甘いものや粘着性があるものを好んで食べる

虫歯になりやすい人は、甘いものや粘着性のあるものを好んで食べる傾向があります。粘着性のあるものを頻繁に食べる場合、食べかすが歯に付着する時間が長くなります。

同じ甘いものでも、ゼリーのようにすぐに飲み込むものと、クッキーやキャラメルなどのように歯に付着しやすいものがあるでしょう。クッキーやキャラメルを好んで食べている場合、虫歯ができやすいです。

口内が乾燥している

上述しましたが、唾液には自浄作用など、口内を清潔に保つための働きがあります。唾液の分泌が少ない人や、口呼吸をしていて口内が乾燥している人は、唾液の作用を十分に受けられません。

そのため、虫歯ができやすいでしょう。虫歯・歯周病だけでなく、口臭の原因になる場合もあります。

虫歯予防のための具体的なアドバイス

歯磨きする人

虫歯予防のためには、虫歯になる4つの要素を考慮する必要があります。具体的な方法を、以下にまとめました。

正しい歯磨き方法を習得する

虫歯予防のためには、正しい歯磨き方法の習得は欠かせません。人によってそれぞれ歯磨きの癖があり、同じところを磨き残すことも珍しくありません。

一般的に磨き残しが多くなる場所は、以下のとおりです。

・上の奥歯の外側(頬側)

・下の奥歯の内側(舌側)

・歯並びが悪い部分

・歯と歯の間

・歯と歯茎の境目

また、利き手によっても磨き残しやすい部分が変わります。歯科医院で歯科衛生士による指導を受け、正しい磨き方を習得しましょう。

デンタルフロスや歯間ブラシも使って、口内の汚れを落としてください。食後3回デンタルフロスなどを使うのは難しい場合もあるでしょう。1日1回は使用して、口内を清潔に保ってください。

生活習慣を改善する

生活習慣を改善することで、虫歯になるリスクを減らせます。間食の内容を変える、食べるタイミングを減らす、食後はすぐに歯磨きをするなど、意識して生活を改善しましょう。

甘いものを好んで食べていた場合は、果物や煎餅、ナッツ類などへの変更を検討しましょう。食後すぐに歯磨きすれば、虫歯になるリスクを減らせます。歯磨きをするのが難しい場合は、うがいだけでも行いましょう。最後にお茶や水を飲むなど、食べかすが残らないようにしてください。

こまめに水を飲むことも、虫歯予防に効果的です。口内を洗浄できるだけでなく、細菌の繁殖を抑制できるでしょう。

フッ素塗布をする

虫歯予防には、フッ素塗布も効果的です。フッ素塗布には、以下のメリットがあります。

・ミュータンス菌の働きを抑制する

・脱灰した歯の再石灰化を促進する

・歯質を強化する

フッ素は、虫歯の原因となるミュータンス菌の働きを抑えつつ、歯質を強化します。虫歯予防だけでなく、初期虫歯にも効果的です。

高濃度のフッ素塗布は、歯科医院で施術してもらってください。家庭でも、低濃度のフッ素が配合された歯磨き剤や洗口剤を使用するとよいでしょう。

定期検診に通う

定期的に歯科医院に通うことも重要です。定期検診では、虫歯の有無や歯磨きの癖などを確認します。虫歯予防として効果があり、万が一虫歯ができている場合もすぐに処置できるでしょう。

定期検診の際にPMTC(プロが専用の機械を使って行う口腔ケア)をしてもらえば、口腔内を清潔に保てます。「歯が痛い」「歯が黒くなっている」と感じなくても、歯科医院に通う習慣をつけてください。

まとめ

虫歯の模型

虫歯の原因はミュータンス菌やプラークですが、頻繁に食べるものや、食べ方、磨き方なども大きく関係します。虫歯を防ぐには、甘いものを控える、完食のタイミングを減らすことも大切です。

また、ご自身の磨き方の癖を知り、正しい歯磨きの方法を習得しなければなりません。歯質の強化とミュータンス菌の抑制のために、フッ素塗布も行うとよいでしょう。

定期検診に通うことで、磨き残しや虫歯の有無を確認してもらえます。口腔内にトラブルが起きている場合も、すぐに対処できるでしょう。

歯科医師や歯科衛生士と一緒に虫歯のない健康的な口内を目指しましょう。

虫歯にお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯周病の進行を止める方法はある?進行することによるリスクも解説!

2023年10月27日
両手で口を押さえる女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯を失う原因はさまざまですが、そのうち最も大きな割合を占めているのが歯周病です。歯を失う原因となるだけではなく、さまざまな病気とも関連していることがわかっています。

歯周病は自覚症状なく進行し、重症化すると治療が難しい病気です。軽い歯肉炎の状態であればプラークコントロールにより改善できるため、歯周病のリスクや進行を止める方法を理解しておきましょう。

今回は、歯周病が進行することによるリスクや進行を止める方法について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

歯周病とは?

歯の模型が置かれたデスクで作業をする歯科医師

歯周病とは、歯と歯茎のすき間(歯周ポケット)から歯周病の原因となる細菌が侵入し、細菌が出す毒素によって歯肉が炎症を起こす病気です。炎症が広がると歯を支える歯槽骨が溶け、歯がグラグラするケースや最悪の場合には歯が抜け落ちるケースがあります。

歯周病の原因

歯周病の原因は歯垢(プラーク)に潜む細菌です。歯を十分に磨けていないと、歯垢が歯周ポケットに蓄積します。

細菌が産生する毒素により歯茎の腫れや出血などの症状が現れ、進行すると歯周ポケットが深くなります。歯周ポケットが深くなると歯垢や歯石の除去が困難になり、さらに炎症が広がって歯を支える歯槽骨が溶けるのです。歯肉が下がり、歯がグラグラと動揺して抜けることもあります。

歯周病の進行

歯周病は自覚症状なく進行しますが、いきなり重度の状態になることはありません。歯に歯垢や歯石が付着することにより歯茎が炎症を起こす歯肉炎からはじまり、歯周組織へと炎症が広がって歯周炎になります。

歯周病の進行について詳しくみていきましょう。

歯肉炎

歯肉炎は歯茎が炎症を起こしている状態です。自覚症状はほぼなく、見た目の変化もほとんどありません。

しかし、歯茎の腫れが続くと歯周ポケットが深くなり、歯垢や歯石が溜まりやすくなります。歯周ポケットの中に歯垢や歯石が蓄積すると、細菌が繁殖して歯周病が進行するのです。

軽度歯周炎

軽度の歯周炎になると炎症が広がり、歯周組織にも影響を及ぼします。自覚症状が現れることはほとんどありませんが、歯を支える歯槽骨や歯根膜が破壊されはじめる段階です。

中等度歯周炎

中等度の歯周炎になるとさらに炎症が広がり、歯を支える歯槽骨の破壊が進んで歯がグラつきはじめ、歯周ポケットもさらに深くなります。

この段階になると歯茎の出血や腫れなどの症状が現れるでしょう。中等度の歯周炎まで進行すると、治療しても完治が難しくなります。

重度歯周炎

重度の歯周炎になると歯を支える歯槽骨が半分以上破壊され、歯のグラつきが大きくなります。

この段階になると歯茎の痛みや腫れ、口臭などさまざまな症状が現れ、しっかり噛むことも難しくなります。重度の歯周炎まで進行すると、歯を残すことは難しく、抜歯が必要です。

歯周病が進行することによるリスク

赤い三角のワーニングマーク

歯周病は歯を失う原因となるだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼします。細菌が出す毒素が歯茎の血管から全身にまわり、さまざまな病気の原因になるのです。

歯周病が進行することによるリスクを詳しくみていきましょう。

糖尿病

歯周病は糖尿病の合併症の一つです。糖尿病の人は、そうでない人に比べて歯周病になっている人が多いという調査結果も報告されています。歯周病によって産生された炎症性物質が血液中に入ることで、インスリンの働きが低下して血糖値が下がりにくくなるのです。

狭心症・心筋梗塞

歯周病は動脈硬化を引き起こし、狭心症や心筋梗塞の発症リスクを高めます。心臓に血液を送る血管が狭くなると狭心症を、塞がると心筋梗塞を発症する可能性があるのです。また、心臓の弁や内膜に歯周病菌が感染すると感染性心内膜炎を起こす恐れもあるでしょう。

脳梗塞

脳梗塞は脳血管疾患の中でも死亡率が高い病気です。歯周病は動脈硬化を引き起こし、脳梗塞を発症するリスクを高めます。歯周病になっている人が脳梗塞を発症する確率は、歯周病になっていない人の約2.8倍という報告もあります。

骨粗しょう症

歯周病は骨粗しょう症の発症リスクを高めます。歯周病によって産生される炎症性物質が、全身の骨の代謝に悪影響を及ぼすためです。

また、歯周病で歯を失うと咀しゃく機能が低下し、消化・吸収に悪影響を及ぼします。消化・吸収ができないと骨を作るために必要となるビタミンDやカルシウムが不足し、低栄養状態になることで骨粗しょう症が悪化するのです。

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎は、本来食道に入るはずの唾液や食べ物が気管に入ることで発症する肺炎です。歯周病菌が誤って気管に入ると、誤嚥性肺炎を発症するリスクが高くなります。誤嚥性肺炎の原因となる細菌は、多くが歯周病菌であるといわれているのです。

認知症

歯周病は認知症の発症リスクを高めます。歯周病は動脈硬化を引き起こす可能性があります。動脈硬化によって血管が狭くなり、血液が詰まると脳梗塞を引き起こし、脳血管性認知症を発症する可能性があるのです。

関節リウマチ

関節リウマチは関節が炎症を起こし、軟骨や骨が破壊され、関節が変形する病気です。

歯周病は関節リウマチを発症するリスクが高く、関節リウマチの人は歯周病になっている人が多いことがわかっています。歯周病の治療を受けると関節リウマチの状態がよくなるという報告もあるのです。

肥満

歯周病は肥満を引き起こすことがさまざまな研究で明らかにされており、歯周病が進行している人はメタボリックシンドロームを発症する確率が1.6倍高まるという報告があります。

また、脂肪細胞で作られる炎症性物質は、歯を支えている骨を溶かし、歯周病を発症・進行させる作用もあるのです。

低体重児出産・早産

妊娠中の女性が歯周病になると、低体重児出産のリスクが高まります。歯周病によって産生された炎症性物質が血液中に入り、血流にのって全身に運ばれるためです。

また、子宮の収縮を早める物質が産生されることにより、早産も起こりやすくなります。歯周病になると早産・低体重児出産のリスクが2~4倍高くなりますが、歯周病の治療を行うとそのリスクが下がることもわかっているのです。

歯周病の進行を止める方法はある?

歯のクリーニングを受ける女性

歯周病の進行を止める方法はあるのでしょうか。歯周病になっても、初期の段階であれば進行を止められます。

歯周病の進行を止める方法について詳しくみていきましょう。

プラークコントロールを徹底する

プラークコントロールとは、歯周病や虫歯の原因となる歯垢(プラーク)を減らすことです。

歯や歯茎に付着した歯垢をできる限り除去するためには、日々のセルフケアが欠かせません。歯と歯茎のすき間(歯周ポケット)には歯垢が溜まりやすいため、特に注意して磨くようにしましょう。

セルフケアを行う際のポイントは、以下のとおりです。

歯垢が溜まりやすい部分を意識して磨く

歯垢が溜まりやすい歯周ポケット・歯と歯の間・奥歯の溝を意識して磨きましょう。歯周ポケットの歯垢を除去するためには、歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、小刻みに動かして磨くと効果的です。

歯磨き粉は歯茎の腫れや出血を抑える成分や、歯周病菌を殺菌する作用がある薬用成分が配合された製品を選ぶとよいでしょう。

歯周病のケアに適した歯ブラシを使用する

歯周病のケアに適した歯ブラシを使用し、歯周ポケットに蓄積した歯垢を除去しましょう。歯周ポケットに届きやすい超極細毛の歯ブラシを使用すると効果的に歯垢を除去できます。

また、奥歯や歯並びが悪い部分はタフトブラシで磨くと磨き残しが少なくなるでしょう。

デンタルフロスや歯間ブラシを使用する

歯垢は歯ブラシだけでは落とせません。歯と歯の間の歯垢をしっかり落とすために、デンタルフロスや歯間ブラシを使用しましょう。

デンタルリンスでうがいをする

歯磨きのあとは、デンタルリンス(洗口剤)で仕上げうがいをすると細菌の繁殖を抑制できます。

就寝中は唾液の分泌量が減少し、細菌が増殖しやすくなるため、就寝前にデンタルリンスでうがいをすると効果的です。就寝前に殺菌作用のあるデンタルリンスでうがいをすることで、細菌の数が減少するでしょう。

定期的にメンテナンスを受ける

歯周病は自覚症状なく進行します。歯周病の進行を止めるためにも歯科医院でのメンテナンスを受けましょう。

歯科医院では、専用の器械を使用して歯磨きでは落としきれない歯周ポケット内の歯垢・歯石を除去します。また、定期的にメンテナンスを受けることで歯科医師に歯茎の状態をチェックしてもらえるため、歯周病の早期発見・早期治療ができるでしょう。

また、歯科衛生士によるクリーニングやブラッシング指導を受け、自宅でのプラークコントロールを継続することが大切です。少なくとも1年に2~3回は歯科医院を受診してメンテナンスを受けましょう。

生活習慣を改善する

歯周病は生活習慣病です。生活習慣を見直すことで歯周病の進行を止められます。

・栄養バランスのとれた食生活を心がける

・糖分を摂りすぎない

・アルコールは控える

・禁煙する

・十分な睡眠をとる

・ストレスをためない

・適度な運動を習慣にする

喫煙や飲酒、ストレス、乱れた食生活は免疫力を低下させて歯周病の進行を早めます。

歯周病の進行を止めるためには、生活習慣を見直し、規則正しい生活を心がけて免疫力を高めることが大切です。免疫力が高まると、感染症などさまざまな病気を予防できます。全身の健康のためにも生活習慣を見直し、改善しましょう。

まとめ

歯ブラシと歯の模型を持っている女性歯科医師

歯周病は歯を失う原因の中で最も大きい割合を占める病気で、さまざまな病気との関連も明らかになっています。

歯周病になっても初期の段階であれば治療できるため、セルフケアを徹底し、歯科医院でのメンテナンスを受けることが大切です。また、喫煙や睡眠不足、乱れた食生活などの歯周病を進行させる生活習慣も改善しましょう。

歯周病は進行するまで症状がほとんどありません。重症化すると治療が困難になるため、歯周病にならないことが何より大切です。大切な歯と全身の健康を守るためにも、歯周病になる前に予防しましょう。

歯周病にお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

小児歯科で行うシーラント処置とは?メリットや注意点を解説!

2023年10月20日
水色の背景の前に置かれた歯の模型

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

小児歯科で行うシーラント処置とは、虫歯予防に効果的な歯科処置の一つです。こどもの虫歯予防法として聞いたことはあるけれど、実際にはどのような処置なのかわからないという方も多いでしょう。

シーラント処置は、一般的に虫歯への抵抗力がまだ高くないこどもが対象の虫歯予防法です。虫歯予防に非常に効果的であり、痛みもないことから、こどもの虫歯予防におすすめといえるでしょう。

シーラント処置では、奥歯の咬合面にある溝やくぼみをシーラントで埋めて、虫歯菌の侵入を防ぎます。虫歯菌の侵入を防ぐことで虫歯を予防するのです。では、小児歯科でのシーラント処置はどのような流れで行われるのでしょうか。

今回は、小児歯科で行うシーラント処置のメリットや処置の流れ、注意点について解説します。こどもの虫歯予防としてシーラント処置を検討されている保護者の方は、ぜひ参考にしてください。

小児歯科で行うシーラント処置とは?

クエスチョンが書いてある紙を持っている女の子

シーラント処置とは、こどもの虫歯を予防するための処置です。

特にこどもの成長期に生えてくる歯は成人の歯とは形状が異なり、咬合面、つまり歯が上下で噛み合う面に深い溝があります。この溝に食べかすや汚れが溜まると、虫歯の発生源になるのです。

この虫歯の発生源になりやすい歯の溝をシーラントで覆うことで、食べかすや汚れ、細菌の侵入を効果的に防ぎ、虫歯を予防します。

新しく生え揃った永久歯は、まだ完全に発育していません。虫歯になりやすく、また虫歯の進行速度も速いのです。そのため、こどものうちにしっかりと虫歯を予防することが重要といえます。

シーラントのメリット・デメリット

スマイリーの顔が描かれた積み木

シーラントにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

以下に詳しく解説します。

シーラントのメリット

シーラントのメリットは、以下のとおりです。

虫歯予防に効果がある

前述のとおり、シーラントは虫歯予防に非常に効果的です。虫歯の発生源である歯の溝を埋めて食べかすや汚れ、細菌の侵入を防ぐことで、虫歯になるリスクを減らせるでしょう。

歯の再石灰化をサポートする

さらにシーラントには、フッ化物が含まれているものもあります。フッ素は歯の表面を再生し、虫歯から歯を守るために重要な歯の再石灰化をサポートするため、より虫歯予防に効果的といえるでしょう。

保険が適用される

シーラントの処置は、適切な条件下であれば保険が適用されます。

シーラントのデメリット

次に、シーラントのデメリットについて解説します。

シーラントのデメリットは、以下のとおりです。

外れやすい

シーラント処置は、歯の溝にシーラントを流し込み、硬化します。

しかし、一般的な詰め物よりも外れやすいです。一般的な詰め物は、歯の一部を削り取って形を調整し、詰め物と歯がしっかりと固定されます。

しかし、シーラントは歯の溝に流し込んで硬化させるだけのため、接着力が弱いのです。シーラントが外れた場合は、再処置が必要です。

定期検診を受ける必要がある

シーラント処置後は、数か月ごとに定期検診を受けることが推奨されています。

生えたばかりの永久歯は虫歯になりやすいです。万が一虫歯になった場合は急速に進行します。特にシーラントで覆われた歯は、虫歯になっても気づきにくいです。気づかないうちに虫歯が進行していたということもあります。

定期的に検診を受けることで、早期に虫歯を発見できるでしょう。さらに、シーラントの持続性も確認し、必要であれば再処置を行います。

小児歯科で行うシーラント処置の流れ

歯の治療を受ける女の子

シーラント処置は、歯の溝にシーラントを流し込み硬化させるだけなので、痛みはありません。そのため、麻酔も不要です。比較的短時間で処置が終わるでしょう。では、どのような流れでシーラント処置を行うのでしょうか。

シーラント処置の流れは、以下のとおりです。

歯面を清掃する

はじめに歯の清掃を行います。

歯科医師や歯科衛生士が、歯の噛み合わせ部分の細かな溝を、専用の器具を用いて慎重にクリーニングし、歯のすき間に詰まった食べ物の残りかすや細菌などの不純物を除去します。シーラントの効果を発揮するためにも、クリーニングは非常に重要な工程です。

歯を乾燥させ、接着剤を塗布する

クリーニングが終わったら、歯を乾燥させます。十分に乾燥したら、歯科専用の接着剤を塗布します。

歯の溝にシーラントを流し込む

歯の溝にシーラントを流し込みます。

シーラントは液体なので、歯の形に沿って細かなすき間までしっかりと広がります。細かなすき間までしっかりと埋めることで、歯を均等にカバーし、外部から虫歯の原因となる細菌の侵入を防ぐのです。

シーラントを硬化する

シーラントを均一に流し終えたら、特別な光を用いて硬化します。この工程によって、シーラントは歯に強固に結合し、持続性が向上するのです。

シーラント処置後の注意点

水色の背景の前にあるびっくりマーク

シーラント処置は麻酔を使用しないため、処置後は基本的に食事などの制限はありません。

しかし、シーラント処置後に注意すべきことがいくつかあるのです。

以下にシーラント処置後の注意点について解説します。

虫歯を完全に予防できるわけではない

シーラントは虫歯予防に効果的ですが、それに頼り切って安心してはいけません。

シーラントは歯の咬合面にできる溝やくぼみの虫歯予防に効果を発揮しますが、歯と歯のすき間部分は虫歯のリスクが残ります。シーラント処置をしていない部分の口腔ケアを怠ると虫歯になるでしょう。

歯と歯のすき間のケアには、歯間ブラシやデンタルフロスを使用すると細かな部分の汚れも除去できます。

シーラントの保護効果を最大限に活かすためには、日々の歯磨きが大切です。歯磨きは、虫歯だけでなく、歯周病などの口腔トラブルの予防にもつながります。特に、食後や寝る前に歯磨きをすることは、口腔内の健康を維持するうえで非常に重要です。

シーラント処置を終えたあとも、しっかりと歯磨きをしましょう。

再度処置が必要になることがある

シーラントの効果はいつまでも持続するわけではありません。シーラントの効果持続期間は、一般的に2〜5年といわれていますが、毎日の食事や噛みしめなどによって、効果は次第に弱まります。

そのため、シーラントの状態によっては、再度処置が必要になることもあるのです。

シーラントは非常に効果的な虫歯予防法ですが、その効果は長期間持続するわけではありません。一度の処置だけで安心せず、定期検診を受けるようにしましょう。

まとめ

両手で天井を指差す女の子

奥歯の溝は磨きにくいため食べかすや汚れが溜まりやすく、虫歯リスクが高い部分です。奥歯の咬合面にある溝やくぼみにシーラント処置を施すことで、虫歯の原因になる食べかすや汚れ、細菌の侵入を防ぎます。

特にこどもの歯はまだ未熟であるため、虫歯菌など細菌への抵抗力が弱いです。生えて間もない永久歯が虫歯になると、急速に進行し、結果的に歯を削って治療することもあるでしょう。

シーラントの効果は、一般的に2〜5年ほど持続するといわれています。また、シーラント処置は麻酔が不要で工程もシンプルです。痛みがなく、こどもへの負担も比較的少ないため、奥歯が生え始めたら、シーラント処置を検討してみてください。

シーラント処置を検討されている方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

重度の歯周病とはどのような状態?放置するリスクと治療法

2023年10月13日
歯茎を確認している男性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯茎からの出血や、歯のぐらつきがある場合、重度の歯周病になっているかもしれません。重度の歯周病を放置すると、食事など日常生活に影響を及ぼし、最終的に歯が抜け落ちる可能性があります。重度になると治療の難易度も高くなるため、早期に対処することが大切です。

今回は、重度の歯周病の症状や放置するリスク、歯周病の予防法を解説します。

重度の歯周病とはどのような状態?

口に人差し指を当て、悩んでいる表情の女性

歯周病とは、歯と歯茎の間にあるすき間(歯周ポケット)が細菌に感染し、炎症を起こす病気です。歯周病の進行度合いは、歯周ポケットの深さで診断します。

・軽度の歯周病:1〜3mm

・中等度の歯周病:4~5mm

・重度の歯周病:6mm以上

歯周ポケットの深さが6mm以上の場合、重度の歯周病と診断されます。重度の歯周病で現れる症状は、以下のとおりです。

・歯が動揺する

・歯茎が赤く腫れて膿が出る

・歯茎から出血なる

・歯茎が下がる

・口内がネバネバする

・口臭が強くなる

重度の歯周病では、歯周病ポケットが非常に深くなるので、歯がグラグラと動揺する場合が多いです。咀嚼に支障をきたすこともあるでしょう。

軽度の歯周病では痛みなどの自覚症状はないのが一般的ですが、重度になると上記の症状が現れます。歯茎が下がったことで、歯が長く見えることも多いです。

症状が現れてから歯周病に気づく方も少なくありません。

重度の歯周病を放置すると

黒いドミノを指で倒している

重度の歯周病を放置すると、歯だけではなく全身に影響を及ぼす恐れがあります。

歯が抜け落ちる

歯周病は、歯周ポケット内に歯石や歯垢が溜まることで細菌に感染して引き起こされます。重度の歯周病を放置すれば、歯周ポケット内で活発化した細菌感染が顎の骨にまで拡大するでしょう。

歯を支える顎の骨が溶けて、歯がグラグラと揺れ始めます。最終的には歯が抜け落ちる可能性があるのです。

歯が自然と抜け落ちることは少ないですが、抜歯で歯を失うことが多いでしょう。自然に歯が抜け落ちるまで歯周病が進行した場合、膿の塊や痛みなどの自覚症状が現れて受診する方が多いためです。

全身疾患や妊娠のトラブルにつながる

歯周病を放置すると、歯周病菌が血液を介して全身に運ばれます。歯周病菌は毒性物質や炎症物質を持っているため、さまざまな疾患やトラブルを引き起こす可能性があるでしょう。

歯周病を放置することで起きる可能性のある病気は、以下のとおりです。

糖尿病

歯周病菌が産出する炎症物質が、血糖値をコントロールするインスリンの働きを低下させて糖尿病を引き起こします。

糖尿病と歯周病は関係が深く、どちらか一方が悪化すれば、もう片方の病気も悪化する可能性が高いです。そのため、糖尿病の方や糖尿病リスクの高い方は、歯周病が重症化しないように注意しなくてはなりません。

動脈硬化

歯周病菌の持つ炎症物質や毒性物質によって血管の壁が炎症を起こすと、血管が狭まります。歯周病菌が血管に炎症を起こして血管を硬化させることで、動脈硬化を引き起こすと考えられています。

動脈硬化が引き起こされると、脳梗塞・狭心症・心筋梗塞などのリスクが高まるでしょう。

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)

食事の際に、飲食物が食道ではなく気管に入ることがあります。飲食物と一緒に歯周病菌が肺に入り込むと、肺炎を引き起こすかもしれません。

妊娠のトラブル

血液を通して歯周病菌が胎盤へ届いて刺激することや、歯周病菌の持つ炎症物質によって陣痛が誘発されることなどが原因で、妊娠に関するトラブルを引き起こすことがあるでしょう。

歯周病がある方は、早産や低出生体重児のリスクが高いとされています。妊娠中は体調がよくない方が多く、つわりの影響で歯磨きをできない方もいます。

妊娠前から歯周病を予防し、口内を清潔に保つことが重要です。

重度の歯周病の治療法

歯の模型を使って説明している歯科医師

重度の歯周病の場合、治療が複雑化します。歯や口内の状況に応じて、適切な治療が選択されるでしょう。

重度の歯周病の治療方法は、以下のとおりです。

FMD

FMD(フルマウスディスインフェクション)は、歯周病菌を口腔内と身体の両方から除去する治療法です。

歯周病菌はスケーリングやルートプレーニングなど、機器によるクリーニングで除去しますが、重度の歯周病の場合はクリーニングだけでは除去できません。除去に時間がかかると通院回数が多くなるため、早急に歯周病を改善するためにFMDが選択されます。

FMDでは抗生物質を内服し、体内の歯周病菌を一度で除去します。

歯周外科治療(フラップ手術)

重度の歯周病の場合、歯周ポケットに形成された歯石をクリーニングで除去することは困難です。歯茎を切開し、歯根に付着している歯石・歯垢・毒素を除去することが多いです。

麻酔を使用するので、手術中の痛みはありません。外科手術なので負担は大きいですが、重度の歯周病を改善するために必要な治療です。

歯周病組織再生療法

歯周病組織再生療法は、歯周病によって失われた骨などの組織を回復するための治療です。歯周病菌は、顎の骨や歯茎などの歯の周辺組織を破壊します。

周辺組織が破壊されると歯を支えられなくなり、自然に抜け落ちるかもしれません。抜歯が必要になることもあるでしょう。

しかし、歯を支えている組織を歯周病組織再生療法で回復すれば、歯を残せる可能性が高まります。歯周病組織再生療法では、歯周組織を回復するための場所を作り、組織の回復を促す薬剤を注入します。

歯周補填治療

重度の歯周病では歯を支える骨が溶け、歯がグラグラと動揺する場合が多いです。歯が動揺していると、食べ物を噛むことが困難になります。

歯周補填治療では、動揺している歯を被せ物で固定して安定させます。食べにくさを改善するだけでなく、噛み合わせも改善されるでしょう。

抜歯

重度の歯周病でも、まずは歯を残すことを考えて治療を進めます。

しかし、歯を残すことでほかの歯や身体に悪影響がある場合は、抜歯を選択するでしょう。

歯周病の予防法

歯ブラシ・マウスウォッシュ・デンタルフロスが置かれている

歯周病が重症化してから治療するのではなく、日頃から予防することが大切です。歯周病は自覚がないまま進行し、気づいたときには重度になっているケースも珍しくありません。

歯周病の予防法は、以下のとおりです。

毎日の正しい歯磨き

毎日の正しい歯磨きでプラークを取り除くことは、歯周病の予防につながります。歯ブラシだけでなくフロスなどを使用し、歯と歯の間に付着した歯垢を除去しましょう。

歯と歯茎の溝に45度の角度で歯ブラシを当てることで、歯周ポケットの歯垢や歯石を除去できます。奥歯や歯の裏側など、磨きにくい部分もしっかり磨きましょう。

生活習慣の見直し

免疫力が低下すると、歯周病菌の働きが強まって細菌に感染しやすくなります。栄養バランスのよい食事を心がけ、十分な睡眠や適度な運動で免疫力を高めましょう。

ストレスや疲労を溜め込まないことも大切です。リラックスできる音楽を聴く、趣味の時間を設けるなど、ストレスを解消することも心がけてください。

歯科医院での定期的なケア

歯科医院で定期的に歯周病ケアを行うことも重要です。歯茎の炎症状態や歯周ポケットの深さを定期的に確認すれば、歯周病が重症化する前に気づくことができます。

歯科医師や歯科衛生士によるクリーニングを受けることで、歯垢や歯石を徹底的に除去できます。定期的にクリーニングを受けていれば歯垢が蓄積されないため、歯周病予防につながるでしょう。

まとめ

歯ブラシを片手に持っている女性

重度の歯周病は、食べ物を噛めない、歯茎から出血するなど、日常生活にも影響を及ぼします。進行すると、自然と歯が抜け落ちることもあるでしょう。

身体全体の健康にも悪影響を及ぼすため、歯周病は早期治療・予防することが大切です。歯周病は、進行しなければ気づけないケースも多いです。歯科医院のケアを定期的に受けて口内の状態を確認してもらいましょう。日常のケアもしっかりと行い、歯周病を予防してください。

歯周病でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯周病は治るのか?自分でできる歯周病の予防法も解説!

2023年9月19日
唇をめくって赤く腫れた歯茎を確認する人

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯周病は治らないと聞いたことがあり、治療しても意味がないからと放置している方はいませんか。

歯茎から出血する、頻繁に歯茎が腫れるなどの症状がある場合、歯周病になっているかもしれません。歯周病は自然に治る病気ではないため、放置すると進行し、最悪の場合歯が抜ける可能性があります。

今回は、歯周病は治るのかどうか、歯周病の治療法について解説します。自分でできる歯周病の予防法などもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

歯周病とは?

歯磨きしながら歯の痛みに耐える女性

歯周病とは、歯周病菌によって歯茎や顎の骨などが炎症を起こす病気のことです。歯周病菌は、歯の汚れであるプラークに潜んでいるため、歯周病の原因は磨き残しであるといえます。

歯周病は進行性の病気です。以下のような経過で進行します。

・歯肉炎:プラークや歯石によって歯茎が赤く腫れる・出血する

・軽度の歯周病:歯肉炎の症状が慢性化し、炎症が広がって顎の骨が溶け始める

・中度の歯周病:顎の骨が溶け続け、歯がグラつき始める

・重度の歯周病:顎の骨がほとんど溶け、自然に歯が抜けることもある

プラークは柔らかい汚れのため、歯ブラシで取り除けます。歯石に変化すると、自分で除去することは難しくなるでしょう。

歯周病のきっかけは、プラークや歯石によって歯茎に炎症が起きることです。歯茎が赤く腫れる、歯磨きのときに歯茎から出血するなどの症状があらわれます。

歯肉炎の段階では、歯茎に炎症が起きていても痛みがないことが多いため、気づく人は少ないです。歯肉炎を放置すると歯茎だけでなく顎の骨にまで炎症が広がり、歯周病に進行します。

歯周病の症状が進行すると、歯茎の腫れや出血だけでなく、顎の骨が溶け始めます。歯がグラつき、最悪の場合自然に歯が抜けるでしょう。歯茎の出血や膿によって、口臭が悪化することもあります。

中〜重度の歯周病では、歯茎の腫れによって強く痛むことがあり、しっかり噛めなくなるでしょう。歯が抜けると、食べられるものに制限が出て、食事をおいしいと感じられなくなるかもしれません。

歯周病は治るのか?

顎に手を当てて考える女性

歯周病の症状は、歯茎と顎の骨に炎症が起きることです。歯茎の炎症は、歯周病の治療を受けることで治ります。

しかし、顎の骨に炎症が起き、歯茎が下がる、歯がグラつくなどの症状がある場合、健康な状態まで治療することは難しいでしょう。

虫歯治療で考えるとわかりやすいですが、虫歯になった部分を削って詰め物や被せ物を行い、歯の形を整えることはできますが、虫歯前の削られていない健康な歯に戻すことはできないのです。

治療によって歯周病が治らなくても、治療が必要ないわけではありません。歯周病は進行性の病気のため、治療しなければ悪化するからです。歯周病の治療によって炎症を抑え、症状を食い止めることが重要です。

口内に潜む歯周病菌は、治療を行っても完全になくすことはできません。症状が改善されても、歯周病が再発するおそれがあります。

歯周病治療によって症状を改善し、患者様自身が歯周病予防を実践する必要があるでしょう。

歯周病の治療法

歯科医院で治療を行う男性歯科医師

歯周病の治療では、原因となる歯の汚れを落とします。歯周病の炎症が落ち着き、症状を食い止められるでしょう。

基本的に、歯周病の治療法は以下の流れで進められます。

①歯周病検査

歯周病の進行度を把握するために、レントゲン撮影などを行って、歯や歯茎、顎の骨の状態を確認します。

主に調べられる内容は、以下のとおりです。

・歯周ポケットの深さ

・歯茎からの出血の有無

・歯の動揺度

・噛み合わせ

歯周病が進行すると歯茎から顎の骨にまで炎症が広がります。そのため、歯周病が進行している方は、歯と歯茎の境目にある歯周ポケットが深くなる傾向にあります。

歯周ポケットの深さは、軽度の歯周病では3~5mm、中度の歯周病では4~6mm、重度の歯周病では7mm以上です。健康な歯茎の歯周ポケットは1~2mm程度なので、3mm以上の場合は歯周病になっている可能性があるでしょう。

歯周ポケットを調べる際は、プローブとよばれる器具を歯と歯茎の境目に差し込みます。プローブを差し込んだ際、炎症のある歯茎は出血することがあります。

健康な歯茎はプローブの刺激によって出血することはありませんが、歯周病による炎症が起きている歯茎は、少しの刺激でも出血するのです。そのため、歯周ポケットの深さと、検査の際に出血するかどうかが、歯周病の進行度をはかる重要な指標といえるでしょう。

歯周病によって顎の骨が溶かされることによる歯のグラつきや、噛み合わせの問題がないかも確認します。

②歯周病治療

歯の表面に付着した汚れを除去したあと、歯と歯茎の境目に潜む汚れを取り除きます。歯周病の原因となる磨き残しを徹底的に除去することで、歯茎の炎症を抑えられるでしょう。

クリーニングの際に磨き残しを確認し、適切に歯磨きを行えるよう歯磨き指導が実施されます。磨き残しやすい部分を認識し、正しい歯ブラシの当て方を知ることで、歯周病予防に効果があるでしょう。

③歯周外科治療

歯周外科治療が必要になるのは、歯周病が中度以上の場合です。症状が進行している場合、歯周病治療で汚れを除去するだけでは、炎症が落ち着かないことが多いためです。

歯周病治療では炎症が落ち着かない場合は、麻酔を行って歯茎を切開し、歯茎に隠れている汚れを取り除きます。見える範囲の汚れだけでなく、歯の根の汚れまで徹底的に除去することで、歯周病の症状を効果的に改善できるでしょう。

ただし、歯周外科治療は、麻酔を行って歯茎を切開する侵襲度の高い治療です。1回の治療ですべての歯を治療することは難しいでしょう。

部位ごとに分けて治療を進めるため、複数回の通院が必要になることが多いです。

④再検査

治療のあと、歯茎の炎症が落ち着いたかどうかを確認するために歯周病検査を再度行います。

炎症が落ち着いていれば、定期的なメンテナンスに移行します。口内の状態によって異なりますが、3か月に一度はメンテナンスを受けましょう。

炎症が落ち着いていない場合は、再度歯周病治療を行うか、歯周外科治療を行うか判断します。

 ⑤定期メンテナンス

歯周病菌をすべてなくすことは難しいです。治療によって症状が落ち着いても、口内の状態が悪くなれば歯周病が再発する可能性はあるのです。そのため、定期的な歯科医院でのメンテナンスが欠かせません。

歯周病は、進行しなければ自覚症状があらわれないことが多いです。歯茎が腫れて痛む、食べ物を噛みにくいなど、症状がある場合は歯周病が進んでいるかもしれません。

定期的に歯科医院でメンテナンスを受け、歯周病の予防と早期改善に努めることが大切です。

自分でできる歯周病の予防法

歯磨きを行う女性

歯周病を悪化させないためには、患者様自身で予防することが大切です。自分でできる歯周病の予防法をご紹介します。

歯磨きでの磨き残しをなくす

歯周病を予防するには、歯周病の原因となる磨き残しをなくすことが大切です。磨き残しがあると細菌が繁殖しやすく、歯周病だけでなく虫歯にもなりやすいです。

歯磨きを1日に何回行うかよりも、どれだけしっかり磨けているかを意識しましょう。頻回に歯磨きをしていても、歯ブラシがうまく当たっておらず磨き残しが生じていては意味がありません。

正しい方法で歯磨きすることが重要です。歯科医院のメンテナンスでは歯磨き指導も受けられるので、参考にするとよいでしょう。

生活習慣を改善する

免疫力が低下すると、歯周病の症状が進みやすくなります。そのため、規則正しい生活を送ることが大切です。

睡眠時間を十分に確保し、栄養のある食事を摂りましょう。喫煙習慣がある場合は歯茎の血行が悪くなることで、歯周病が進みやすいです。可能であれば禁煙したほうがよいでしょう。

歯ぎしりや食いしばりも、歯茎や顎の骨に負担をかけます。歯周病を引き起こす可能性があるので、マウスピースを装着するなど、適切に対応しましょう。

定期的なメンテナンスを欠かさない

毎日の歯磨きをどれだけ丁寧に行っても、歯周病の原因となる磨き残しは生じます。定期的にメンテナンスに通って磨き残しを徹底的に除去し、歯周病を予防しましょう。

利き手や磨き方の癖など、磨き残しが生じる部分はある程度決まっています。磨き方をプロに教えてもらうことで、ふだんの歯磨きの清掃効果を高められるでしょう。

歯周病の悪化を食い止めて改善し、歯周病を予防するためには、定期的なメンテナンスが欠かせないのです。

まとめ

歯を見せて笑う女性

歯周病による歯茎の炎症は、歯周病の治療を行うことで治ります。

しかし、もともとの健康だった状態に戻るわけではありません。歯周病は予防することが非常に重要なのです。

治療によって歯周病が治るわけではなくても、治療と定期的なメンテナンスは欠かせません。歯周病は進行性の病気のため、治療しなければ悪化します。歯周病の治療によって炎症を抑え、症状を食い止めなければ、大事な歯を失うかもしれません。

症状が改善しても、歯周病菌は口内に常にある状態です。汚れが溜まると、再発することもあるでしょう。毎日の歯磨きや生活習慣の改善などによって、日頃から歯周病を予防することが重要です。

歯周病でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

フッ素塗布とは?こどもの虫歯予防に効果的な理由!

2023年9月5日
子どもの口の中を確認する女性医師

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

フッ素塗布は、こどもの虫歯予防として乳児健診でも行われている処置です。歯にフッ素を塗布することで、虫歯を予防する強い歯にできるといわれています。

定期的に歯科医院でフッ素塗布をしたほうがよいとされていますが、フッ素にはどのような効果があるのでしょうか。フッ素の塗布を継続することは、本当に虫歯予防の効果があるのでしょうか。

今回は、フッ素塗布がこどもの虫歯予防に効果的な理由、どのくらいの頻度でフッ素塗布をするとよいのかについて、わかりやすく解説します。小児歯科でのフッ素塗布の流れや自宅で取り入れられるフッ素についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

フッ素塗布にはどのような効果がある?

顎に手を当てて考える男性

フッ素は、虫歯予防に効果があるといわれています。虫歯予防に対して実際にどのような効果があるのでしょうか。フッ素の効果は、以下のとおりです。

細菌の働きを弱める

フッ素には、細菌の働きを弱める効果があります。

磨き残した食べ物のカスや汚れは歯垢となり、そのまま放置すると、繁殖した細菌と酸によって虫歯を引き起こします。虫歯を放置すると悪化し、歯周病の原因にもなりかねません。

フッ素を塗布することで、虫歯の原因となる菌の働きを弱め、歯を溶かす酸が作られることを防ぎます。

歯のエナメル質を修復する

フッ素には、歯の表面のエナメル質を修復する効果があります。

食事をすることで口の中は酸性になります。口の中が酸性になることで、歯を溶かす酸が発生するのです。通常、酸によって溶けた歯を修復する再石灰化が起こりますが、細菌の力が強いことなどが原因で修復できない場合、虫歯になります。

フッ素には歯の再石灰化を促進し、エナメル質を修復する効果があります。フッ素の力で初期虫歯を修復できる場合もあるでしょう。

歯のエナメル質を強化する

フッ素塗布を行うことで、歯のエナメル質が強化され虫歯になりにくい歯を作ることができます。

歯の表面を覆うエナメル質が弱ると、飲食物の温度の刺激を過敏に感じる、酸や虫歯菌によって溶かされるなど、外部からのダメージを受けやすくなります。

フッ素を塗布することでエナメル質が強化されるため、酸に溶けにくい歯になるでしょう。

こどもの歯にフッ素を塗布しても大丈夫なの?

ソファに座って考える家族

フッ素塗布は、こどもの歯を強くし、虫歯から歯を守るために重要な処置です。基本的に年齢制限がないため、小さいこどもでも問題なく受けられます。フッ素の塗布は歯科医師や歯科衛生士が行うため、安全性にも問題はありません。

フッ素中毒が話題になったことがあるので、心配に思う保護者の方も多いでしょう。高濃度のフッ素を日常的に塗布した場合やフッ素を一度に大量に摂取した場合、フッ素の中毒症状があらわれる可能性があります。

しかし、歯科医院で使用される高濃度のフッ素を日常的に使うことはできません。

市販されているフッ素入りの歯磨き粉などは、フッ素の含有量が制限されています。毎日使用しても、人体に影響がない濃度に抑えられているのです。

また、フッ素を一度に大量に摂取することも現実的ではありません。こども向けに市販されているフッ素入りの歯磨き粉をこども用の歯ブラシにつけて使用する場合、1回量をすべて飲み込んだとしても、中毒症状が出るとされるフッ素の量を超えることはないでしょう。

乳児健診で希望者に有料でフッ素の塗布を行う場合もあります。虫歯の予防は大人になってからでは遅いとされています。乳歯が生え始める頃から、虫歯に負けない歯を作ることが望ましいでしょう。

小児歯科でのフッ素塗布の流れ

子どもの歯のクリーニングを行う女性歯科衛生士

歯科医院でのフッ素塗布にかかる時間は20~30分程度です。虫歯などの治療がない限り、多くの時間は必要としません。こどもの負担にもならないでしょう。

歯科医院でのフッ素塗布の流れは、以下のとおりです。

カウンセリング

歯科医師や歯科衛生士がフッ素塗布の目的や効果、手順を保護者やこどもに説明します。

疑問や不安に思うことがある場合は、相談して解決しましょう。

歯のクリーニング

フッ素の塗布する前に歯をクリーニングします。

汚れが付着した状態でフッ素を塗布しても、十分な効果が得られません。フッ素の効果を最大化するため、歯のクリーニングを行うのです。

フッ素塗布の準備

フッ素を歯ブラシに染みこませ、歯に塗布する準備をします。

フッ素は、歯ブラシで塗布するのが一般的です。

フッ素塗布

前歯から奥歯に向かってフッ素を塗布します。歯の表と裏の両面にも塗布します。

特に、虫歯の発生リスクが高い奥歯や歯と歯の間、噛み合わせの面にしっかりと塗布することが多いです。

追加のフッ素塗布

フッ素の塗布が終わったら、歯ブラシにフッ素を追加し、再度すべての歯に塗布するのが一般的です。

歯にフッ素を浸透させるため、約30分うがいや飲食を控えるように指示があります。フッ素塗布後の歯磨きについて指示されることもあるので、歯科医師の指示に従ってください。

どれくらいの頻度でフッ素塗布を行うと効果的?

卓上カレンダーにスケジュールを書き込む

歯科医院でのフッ素塗布は、3~4か月に1回の頻度で行うとよいでしょう。フッ素塗布を継続的に行うことで、フッ素による虫歯予防の効果が高まります。定期検診の際にフッ素塗布を行うことで、より歯をきれいに維持できるでしょう。

歯科医院での次回のフッ素塗布までの間も、自宅でフッ素が配合された歯磨き粉を使用すると虫歯予防に効果的です。

フッ素塗布の頻度は、口内の状態やこどもの状況を考慮して歯科医師が決定します。すでに虫歯があるこども・ワイヤー矯正などを行っていて歯に装置を取り付けているこども・毎日歯磨きを行うことが難しいこどもの場合、頻度が高くなるでしょう。

お菓子やジュースなど、糖を多く含む飲食物を摂取する機会が少ない、唾液の量が十分にあるなど、虫歯のリスクが低い場合は、フッ素塗布の頻度も低くなります。

自宅での歯磨きにもフッ素を取り入れよう!

家の椅子で歯磨きをする女の子と母親

フッ素を自宅での歯磨きにも取り入れることで、さらに虫歯予防の効果を高められるでしょう。

フッ素が配合された歯磨き粉も数多く市販されています。市販のフッ素入り歯磨き粉は、歯科医院で使用するものに比べると効果は弱いですが、継続的に取り入れることが可能です。虫歯に負けない歯を維持するために推奨されています。

フッ素入りの歯磨き粉での歯磨きは、毎食後に行うのが理想です。あわせて、細菌が繁殖しやすい就寝前に行うことで、より虫歯予防の効果を得られるでしょう。

歯磨き後に何度もうがいすると、歯磨き粉に含まれているフッ素が流れるため注意してください。こどものうちから、日々の歯磨きで虫歯に負けない強い歯を育てましょう。

まとめ

歯科衛生士からブラッシング指導を受ける少女

フッ素塗布は、こどもの虫歯を予防するうえで非常に大切な処置です。

毎日丁寧に歯磨きをしていても、磨き残しは生まれます。磨き残しに集まる細菌が増殖し、虫歯になることがあります。虫歯から歯を守るために、フッ素をうまく活用するとよいでしょう。フッ素は歯を強くするため、万が一細菌による攻撃を受けても修復できるようになります。

ご自身の丈夫な歯で長い間生活するためには、歯へのフッ素塗布や正しい歯磨きが欠かせません。歯科医院でのフッ素塗布は、3〜4か月に一度を目安に行ってもらいましょう。こどもの歯を守るために、歯科医院でのフッ素塗布や自宅でのフッ素の使用を習慣化してください。虫歯に負けない強い歯を育てましょう。

お子さまの虫歯予防でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯と歯の間の虫歯の特徴と原因!しっかりケアして虫歯を予防しよう!

2023年8月25日
歯科用器具で歯の裏側を確認される男性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯と歯の間は歯ブラシでは汚れを取りにくいため、虫歯になりやすいといわれています。ふだんどれだけ丁寧に歯を磨いても、気づかない間に歯垢が溜まり、虫歯になることもあります。歯と歯の間にできる虫歯には、どのような特徴があるのでしょうか。

今回は、歯と歯の間が虫歯になる原因や虫歯の治療方法、予防の方法などを解説します。歯と歯の間が虫歯になりやすいと感じている方や虫歯を予防したいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。

歯と歯の間に虫歯ができる原因とは?

頭から?を出して考える女性

歯と歯の間に虫歯ができる原因は、ふだんの食事で摂取した食べ物が歯と歯の間に詰まりやすいためです。歯と歯の間は非常に狭いので、食べかすや汚れが残りやすいのです。歯に詰まった食べかすや汚れには、歯に詰まっていることに気づかない小さなサイズのものもあります。

歯に詰まった細かい食べかすは、歯磨きをしても除去できないことがあります。歯ブラシだけで除去することは難しく、デンタルフロスや歯間ブラシを使わないといけない場合も多いです。詰まった食べかすがやがて歯垢となり、虫歯になるのです。

歯と歯の間の虫歯は自分では確認することが難しいため、虫歯が進行していることに気づかない方もいるでしょう。

歯と歯の間の虫歯の特徴

歯磨きをしながら顎に手当てる女性

歯と歯の間の虫歯は、珍しいものではありません。

しかし、歯と歯の間の虫歯は発見が難しいことが特徴です。虫歯かどうか判断するには、レントゲンを撮影しなければいけないでしょう。

虫歯の初期段階では、歯と歯の間が少し黒くなっているのが見える程度です。黒いだけでなく、虫歯部分に穴があいている場合もあります。痛みや不快感が少なく、気づかないうちに虫歯が進行することも少なくありません。

歯と歯の間の虫歯は、進行が早いことも特徴です。歯と歯の間は汚れが溜まりやすく、適切なケアが難しいためです。

歯と歯の間の虫歯は、デンタルフロスで判明することもあります。ふだんの歯磨きの際にデンタルフロスを使用して、歯にフロスが引っ掛かる場合や、フロスが切れる場合などは、虫歯を疑いましょう。虫歯によって歯の一部が溶け、表面がギザギザになっている可能性があります。

歯と歯の間にできた虫歯の治療法

女性患者の歯の治療をする男性歯科医師

歯と歯の間にできた虫歯の治療法は、以下のとおりです。

上から歯を削って詰め物や被せ物をする

歯と歯の間の虫歯の部分を上から削り、詰め物や被せ物をします。詰め物や被せ物は、材質によって保険適用か自費治療に分かれます。

歯を小さく削った場合の保険適用の詰め物としてはコンポジットレジン、自費治療ではセラミックインレーやハイブリッドセラミックインレーなどを使用することが多いです。歯を大きく削った場合は、保険適用の銀歯や自費治療のセラミッククラウンなどが使われます。

歯と歯の間の虫歯治療では、広い範囲を削る必要があります。保険適用のコンポジットレジンは、費用は安いものの耐久性が低いため、すぐに取れることがあるので注意してください。

セパレーターで歯間を広げて削る

歯と歯の間の虫歯は見えにくく、治療が難しいです。セパレーターとよばれる、歯と歯の間にすき間を作る装置や、直径5mm程度のゴム製のリングを使用して治療することがあります。

セパレーターを装着すると、1週間程度で歯と歯の間にすき間が生まれます。見えなかった虫歯が見えるようになるため、治療することが可能です。セパレーターで広げた歯間は1~2日で自然に戻るため、歯並びに支障は出ないとされています。

歯と歯の間の虫歯予防法

歯磨きしながら笑う女性の口元

歯と歯の間の虫歯は気づきにくく治療が難しいため、なるべく虫歯にならないように予防することが大切です。歯と歯の間の虫歯の予防方法をご紹介します。

デンタルフロスを使う

歯磨きの際にデンタルフロスを使用すると、虫歯予防に効果的です。歯ブラシだけでは、歯と歯の間に詰まった汚れをすべて取り除くのは困難です。歯磨きのあとにデンタルフロスを使用することで、歯ブラシでは取れない汚れもしっかり除去できます。

デンタルフロスには、持ち手付きのホルダータイプや、好きな長さにカットして使うロールタイプなどがあります。デンタルフロスは細いため、すべての歯間の汚れを落とせることが特徴です。こどもから大人まで、年齢を問わず使用できることも特徴でしょう。

歯間ブラシを使う

デンタルフロスと同様に、歯間ブラシの使用も効果的です。歯と歯のすき間が広い方は、歯間ブラシのほうが汚れを取りやすいでしょう。

歯と歯のすき間はそれぞれ違うため、歯間ブラシが入らないすき間もあります。歯間ブラシを使用する際は、無理にすき間に入れないように注意してください。歯間が狭い部分にはデンタルフロスを使用するなど、うまく使い分けるとよいでしょう。

歯間ブラシにはL字型とI字型があります。歯間部にゆっくり差し込み、前後に数回動かして汚れを取ってください。歯茎を傷つける可能性があるので、力を入れずに優しく行いましょう。

うがい薬を使う

歯磨きのあとやすぐに歯磨きができないとき、出先で食事をしたときなどは、うがい薬の使用が効果的です。うがいで歯に詰まった汚れのすべてを取り除くことはできませんが、食事直後の口腔内に残った汚れや食べかすをある程度除去できます。

また、口腔内の細菌を除去してくれるため、細菌が繁殖しにくい口腔環境を維持できるでしょう。帰宅後はできるだけ早く歯磨きを行うことを忘れないでください。

虫歯にならないためには、汚れの除去だけでなく、細菌が繁殖しにくい状態を保つことが重要です。ふだんの歯磨きのあとにもうがい薬を使用し、清潔な口内を保ちましょう。

フッ素入りの歯磨き粉を使う

フッ素には、歯のエナメル質を強化する効果があります。ふだんの歯磨きにフッ素入りの歯磨き粉を取り入れることで、虫歯予防に効果が期待できるでしょう。

歯科医院で定期的にケアを受ける

ふだんのセルフケアを丁寧に行うことはもちろん、歯科医院でのプロフェッショナルケアを受けることも虫歯予防に効果的です。

ご自身では見えない歯の裏側や磨き残しは、プロに確認してもらう必要があります。定期的にケアを受けることで、自分では気づけない初期の虫歯なども早期に発見できます。定期検診では歯磨きの指導なども行うので、セルフケアの改善につながるでしょう。虫歯の原因となる歯垢を自宅でしっかりと除去できるようになります。

まとめ

歯科医院でカウンセリングを受ける女性

歯と歯の間の虫歯は、食べかすや汚れを磨き残すことで生じます。歯と歯の間にできた虫歯に自分で気づくことは難しく、治療も困難です。治療では大きく歯を削る必要があるため、歯の寿命を縮めることになるでしょう。そのため、歯と歯の間の虫歯を防ぐことが大切です。

ふだんの歯磨きだけでは、十分に汚れや食べかすを取り除けません。歯ブラシだけで終わりにせず、デンタルフロスや歯間ブラシも使用して徹底的に汚れを除去しましょう。

外出先など、食後に歯を磨くことが難しい場合は、うがい薬を使用してうがいしてください。大まかな汚れや細菌を口内から除去することができます。

歯科医院の定期検診を受けることで、自分では気づけなかった磨き残しや初期虫歯を発見してもらえます。歯磨き指導を受けて磨き残しを減らすことができれば、虫歯予防に非常に効果があるでしょう。

日頃のセルフケアを徹底し、定期的にプロのケアを受けることで、歯垢のないきれいな歯を保ちましょう。

歯と歯の間の虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

仕上げ磨きのやり方とコツをわかりやすく解説!

2023年7月14日
仕上げ磨きをしている母親とこども

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

こどもの歯は虫歯になりやすいため、仕上げ磨きが重要となります。また、こどもの口腔内は乳歯と永久歯が混在しており、磨き残しが発生しやすいことを理解しなければなりません。保護者の方は正しい仕上げ磨きの方法を習得し、こどもの虫歯を予防する必要があります。

今回は、仕上げ磨きのやり方とコツについて、わかりやすく解説します。

仕上げ磨きが重要な理由

重要なポイント

生えたばかりの永久歯は、特性上、虫歯のリスクが高くなります。

生えたての永久歯は表面が粗く、歯垢が付きやすい状態です。また、歯質が未熟であり、酸への抵抗力が低いため、食べ物や飲み物の酸、特に菌が生成する酸によってエナメル質が溶けやすいのです。

さらに、新しく生えてきた歯は周囲の歯との関係で歯並びが凸凹し、凸凹したすき間が歯磨きの際に磨き残しが生じやすい状況を作り出します。

複雑な歯並びだけでなく、こどもは自分一人で完全に歯を磨き上げるのが難しいのも理由のひとつです。こどもは大人のように、歯ブラシをあてる角度や磨く力などの調整が困難です。そのため、こども自身が磨ききれない部分を大人が仕上げることで、虫歯のリスクを大幅に下げることが可能となります。

したがって、こどもの歯を虫歯から守るためには、仕上げ磨きが極めて重要です。保護者の方は、こどもが自分で磨いたあとにしっかり仕上げ磨きを行い、永久歯が虫歯にならないように注意を払わなければなりません。

仕上げ磨きは何歳まで?

クエスチョンマーク

仕上げ磨きは、10歳まで行うことが推奨されています。この時期になると、こどもは自分で歯磨きができる能力があります。

特に心配な場合やこどもが自分で歯磨きすることを嫌がる場合、第二大臼歯が生え揃う12歳頃まで仕上げ磨きを続けることもひとつの選択肢です。仕上げ磨きが難しいと感じたら、歯科医院に相談しましょう。

歯磨きの確認方法としては、赤ちゃんの場合は虫歯のチェック、少し大きい子では染め出しを行うことがあります。これは歯磨きが十分に行われているか、どの部分が磨き残しとなっているかを視覚的に確認する方法で、こども自身も理解しやすいのが特徴です。

仕上げ磨きの姿勢

3人のこどもが並んでいる

こどもの口腔内をしっかり観察し、安全かつ効果的に歯磨きを行うためには、保護者がこどものうしろから磨くのが理想的です。特に、こどもを保護者のひざの上に寝かせるか、保護者がこどものうしろから抱きしめるようにして、こどもの頭をお腹や脇で固定するのがよいでしょう。

こどもがまだ小さく、立つのが困難な場合や小さな赤ちゃんの場合は、ひざの上に寝かせて磨きましょう。この姿勢は安定感があり、また保護者が歯磨きを行いやすい状態を作ることができます。

こどもが一人で立っていられるようになったら、こどもを立たせて磨くのがよいでしょう。立った状態での歯磨きは、唾液や歯磨き剤を飲み込むのを防ぐ効果があります。また、自分で立つことで、こども自身が歯磨きを行う練習にもつながります。

こどもの成長や状況に応じて、最適な姿勢を選択してください。

仕上げ磨きのやり方

2人のこどもが歯磨きをしている

仕上げ磨きのポイントは「見える」ところだけでなく「見えない」歯の裏側や、歯と歯の間もしっかり磨くことです。また、力を入れすぎて歯茎を傷つけないよう、ソフトなブラッシングを心がけましょう。

こどもを寝かせる

まず、こどもの頭を保護者の膝に寝かせ、頭を安定させましょう。

こどもの口腔内をよく見ることができ、安全に歯磨きが行えます。先述したように、立った状態でも構いません。

歯ブラシで磨く

歯ブラシは小刻みに動かしましょう。

一度に磨く範囲は1~2本が目安です。歯の表面に対して垂直に歯ブラシをあてて、歯面を磨きます。歯周ポケットを磨くには、歯と歯茎の境目に対して45度の角度で歯ブラシをあててブラッシングしましょう。

毎回同じ場所から始め、全ての歯を磨き終えるまで同じ順序で磨きます。これにより、磨き残しが少なくなります。歯の内側も忘れずに磨きましょう。特に、前歯の内側は磨きにくいため、歯ブラシを縦にもちかえて磨くことをおすすめします。

デンタルフロスや歯間ブラシで磨く

歯と歯の間の汚れは、歯ブラシだけでは落としきれない場合があります。

歯間の広さに合わせて、デンタルフロスや歯間ブラシを使用して磨きましょう。

仕上げ磨きのコツ

キーポイントをあらわす付箋

歯磨きを習慣化させるためには、こどものストレスを最小限におさえることが重要です。以下、仕上げ磨きのコツについてご紹介します。

素早く行う

歯磨きは毎日行うため、長引くとこどものストレスにつながります。特に、仕上げ磨きは、こどもが一度磨き終えたあとに行われるため、早く終わらせることでこどもの負担を軽減し、協力を得やすくなります。

ただし、素早く行うことが重要だからといって、手を抜くわけではありません。時間をかけずに丁寧に磨くことが求められます。

毎日の磨き方や順番を定めて磨くことで、素早さと丁寧さを両立させましょう。こどもが安心感をもって歯磨きに臨めるよう、環境作りも忘れずに行うことが大切です。

歌う・楽しい話をする

歯磨きは毎日繰り返す作業であり、こどもにとっては面倒な作業となりがちです。そのため、歌う・楽しい話をするなどして、歯磨きの時間を楽しいものにすることが重要です。

歯磨きの間にお気に入りの歌を歌うことや、歯磨き専用の歌を作って一緒に歌うことで、歯磨きの時間が楽しくなります。歌は時間を計る役割も果たし、どれくらい磨けばよいのかをこどもに理解させる手助けとなるでしょう。

また、歯磨き中に楽しい話をすることでこどもの注意をそらし、歯磨きが苦にならないようにします。ほかには、今日あった出来事を話すことで、コミュニケーションの時間としても活用できるでしょう。

仕上げ磨きの時間を楽しいものに変えることで、こどもの歯磨きに対する抵抗感を軽減し、長期的な口腔ケアの習慣を身につけさせることができるのです。

好きなキャラクターの歯ブラシや好きな味の歯磨き粉を使う

好きなキャラクターの歯ブラシを使うことで、こどもは歯磨きの時間を待ち望むようになるかもしれません。お気に入りのキャラクターが描かれていると、キャラクターを見るたびに歯磨きにポジティブな印象をもち、自発的に歯磨きを始めるきっかけとなるでしょう。

また、好きな味の歯磨き粉を選ぶことも重要です。こどもは味覚が敏感なため、好きな味の歯磨き粉を使うことで歯磨きに対する抵抗感を減らすことができます。ストロベリーやオレンジ、グレープなど、こども向けの味付き歯磨き粉は多く存在します。

しかし、歯磨き粉を選ぶ際はフッ素量を確認し、こども用のものを選んでください。フッ素は虫歯予防に効果的ですが、過剰摂取は体に悪影響をおよぼすため注意が必要です。

痛みを与えないよう優しく磨く

強く磨かれると痛みを伴うことがあるため、仕上げ磨きの際は力を入れすぎず、歯ブラシの毛先が歯や歯茎に優しく触れる程度にしましょう。

歯磨きの目的は、歯垢を取り除くことであり、力を入れて行うものではありません。また、歯ブラシを歯茎に押し付けると、歯茎が傷ついてしまう可能性があります。

機嫌が悪いときは無理に行わない

こどもの仕上げ磨きは、虫歯予防のために重要な役割を果たしますが、こどもの機嫌が悪いときに無理に行うことはよくありません。こどもが疲れているときや機嫌が悪いときに歯磨きを強制すると、歯磨き自体を嫌がるようになることがあります。これは、歯磨きを日々のルーチンとして習慣づけるうえで逆効果となる可能性があります。

こどもの機嫌や状態を見極め、その日の状況に応じて歯磨きの時間を調整することが大切です。こどもの機嫌がよく、リラックスした状態のときに歯磨きを行うことで、こどもは歯磨きを楽しい経験としてとらえることができるでしょう。

先述したように、無理に磨くと歯や歯茎を傷つける可能性もあります。歯磨きは、あくまでも口腔内を清潔に保つためであり、痛みやストレスを伴ってはいけません。こどもの感情を尊重し、配慮しながら歯磨きを行うことが、健康な口腔環境を維持するうえで重要といえるでしょう。

仕上げ磨き後はたくさん褒める

こどもの行動は、大人からのフィードバックに大きく影響を受けます。

歯磨きが終わったあとに「よくできたね」「偉いね」「歯がきれいになったね」などと褒めることで、こどもは自己肯定感を得ることができるでしょう。自己肯定感は、歯磨きを継続するうえで大きなモチベーションにつながります。

さらに、褒められることによってこどもは喜びを感じ、歯磨きに対するポジティブな印象をもつことができます。結果的に、歯磨きに抵抗感をもつことなく、積極的に行うようになるでしょう。

また、褒めることによって親子の絆も深まります。こどもは、親からの賞賛から自己価値を高め、安心感を得ることができるでしょう。

まとめ

ポイントをまとめるこども

仕上げ磨きは虫歯予防に欠かせません。生えたばかりの永久歯は、歯質が弱く虫歯菌への抵抗力が低いです。虫歯は進行すると痛みを伴うこともあり、場合によっては、歯並びに影響を与えることもあるでしょう。

仕上げ磨きは10歳頃まで行うのが推奨されています。乳歯や永久歯が混在するこどもの口腔内は、凸凹した歯並びとなっているため、磨き残しが発生しやすくなります。保護者の方は、正しい歯磨きの方法を知り、丁寧に仕上げ磨きを行ってください。

仕上げ磨きは、将来のこどもの歯磨きの習慣にも大きく影響します。仕上げ磨きが難しい場合や、磨き方が合っているかどうか不安な場合は、一度歯科医院へ相談するとよいでしょう。

こどもの虫歯や仕上げ磨きでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

銀歯の下が虫歯になりやすいのはなぜ?治療法と予防法も解説!

2023年7月7日
口を手でめくって銀歯を見せる人

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

銀歯の下が虫歯になりやすいのは、銀歯の材質が関係しています。銀歯に使用される金属は、傷がつきやすいため、溝に汚れが溜まることで虫歯のリスクが高まるのです。また、熱によって膨張する性質があるため、膨張や収縮によって銀歯が変形することで歯との間にすき間ができ、細菌が侵入しやすくなります。

今回は、銀歯の下が虫歯になりやすい理由、治療法や予防法を解説します。

銀歯とは

歯の模型と銀歯が机の上に置かれている

銀歯とは、金属をベースにした詰め物や被せ物のことです。銀色をした光沢のある材料で、耐久性の高さや加工の容易さなどから、歯科医療の現場で広く使われています。

銀歯の主な成分は、銀・パラジウム・銅・金などですが、それぞれ異なる特性を持っています。例えば、銀は耐久性と強度、銅は硬さと抗菌性があることが特徴です。複数の金属を適切な比率で混ぜ合わせることで、歯の形状にフィットし、長期間にわたって機能する銀歯を作ることが可能です。

しかし、銀歯は見た目の問題から避ける人も多くいます。白い歯に銀色の詰め物や被せ物が入っていると、笑ったときや話したときに目立つからです。また、金属の成分によりアレルギー反応を引き起こす可能性もあるでしょう。

見た目やアレルギーの問題から、現在では見た目が自然で人体に優しいセラミックやレジン(コンポジットレジン)などの材料が使われることが増えています。

銀歯の下は虫歯になりやすい?

顎に手を当てて考える白い服の女性

銀歯の下が虫歯になりやすいかどうかは、銀歯の施術方法やメンテナンス状況に大きく依存します。

正しく設置された場合、銀歯の下で虫歯が再発することはそれほど多くありません。治療時に歯科医師が虫歯菌を完全に除去し、細かく調整を行って装着されていれば、銀歯と歯との間にすき間が生じないため、新たな虫歯菌の侵入を防ぐことができます。

しかし、治療が不完全で虫歯菌が残ったまま銀歯が被せられた場合や装着が不完全ですき間が生じていた場合、すき間から虫歯菌が侵入して銀歯の下で虫歯が進行する可能性があります。また、メンテナンスが不十分でプラーク(歯垢)が溜まった場合や口腔内環境が悪化した場合も、虫歯リスクは高まるでしょう。

銀歯の下の虫歯を防ぐためには、銀歯が装着されたあとも正しい歯磨きと定期的なメンテナンスを行うことが重要です。銀歯の設置は、歯科医師の技術力に大きく影響されるので、信頼できる歯科医師に治療を依頼しましょう。

銀歯の下が虫歯になりやすい理由

机の上に置かれた画用紙とペンとREASONの積み木

銀歯は、汚れが付着しやすい特性があります。銀歯は天然の歯に比べて表面が滑らかでないため、プラーク(歯垢)が付着しやすいのです。プラークが口腔内の細菌の増殖を促進し、酸を生み出すことで、歯を溶かし虫歯を引き起こします。

銀歯が劣化しやすい素材であることも、銀歯の下が虫歯になりやすい一因でしょう。銀歯は、酸化や腐食が進みやすく、表面が徐々に溶け出し、歯との間に微小なすき間が生じる可能性があります。すき間が虫歯菌の侵入口となり、新たな虫歯を誘発する原因となるのです。

また、銀歯を歯に固定する際にセメントを用いますが、セメントは時間の経過とともに溶けます。セメントが溶けることで銀歯と歯との間にすき間ができ、虫歯菌が侵入しやすくなるのです。

銀歯は、熱により膨張し変形する性質があることも忘れてはいけません。熱い飲食物を摂取したときなどに銀歯が膨張し、冷めて収縮するというサイクルが繰り返されることで、歯との間にすき間が生じ、虫歯菌が侵入して虫歯が進行する可能性があります。

セラミックやレジンなどに比べて、銀歯は虫歯の再発リスクが高いことを理解し、日頃から丁寧に歯磨きを行い、定期的に通院することが重要です。

銀歯の下が虫歯になったときの治療法

患者の口内を診察する男性歯科医師

銀歯の下に虫歯が発生した場合の治療法は、虫歯の進行具合や範囲によって異なります。

早期に発見された場合は、銀歯を取り外して新たな銀歯で補うのが一般的です。銀歯を取り外して虫歯部分を除去し、再度銀歯やほかの素材(レジンやセラミックなど)で補います。

しかし、虫歯が進行し歯根にまで到達している場合、または銀歯が取り外せないほど大きい穴があいている場合は、根管治療が必要になる可能性があります。根管治療は、虫歯が神経(歯髄)にまで達した場合に行われ、歯の神経が入っている管を洗浄・消毒し、特殊な薬剤で封じる治療法です。根管を洗浄したあと、詰め物や被せ物を装着します。

虫歯が進行して歯を保存することが難しい場合は、抜歯することもあるでしょう。抜歯後は、空いたスペースを補うためにインプラントやブリッジなどの治療が必要です。

銀歯の下が虫歯にならないための予防法

ソファに座って歯磨きする若い男性

銀歯の下が虫歯にならないための予防法としては、日頃から丁寧に歯磨きをし、定期的にメンテナンスを受けて、口腔内を清潔に維持することが大切です。

日頃から丁寧に歯磨きする

銀歯の下が虫歯にならないためには、日頃の丁寧な歯磨きが必要不可欠といえます。虫歯は、食べかすや細菌が銀歯のすき間に蓄積されることで発症するからです。

歯磨きは、毎食後と就寝前に実施することが推奨されています。特に、就寝前の歯磨きは欠かさないようにしましょう。寝ている間は唾液の分泌量が減少するため、口内が乾燥し、虫歯菌が活発化します。就寝前にしっかりと歯磨きを行うことで、口腔内を清潔に保つことができます。

歯ブラシは、ブラシの先端が小さく、歯と歯茎の間や歯と銀歯のすき間にも届くタイプを選びましょう。外出などで食後に歯磨きができない場合は、うがいだけでも行ってください。うがいだけでもある程度の食べかすを流せるので、虫歯予防の効果があります。

歯ブラシで磨くだけでなく、フロスや歯間ブラシも忘れずに使いましょう。歯ブラシだけでは落とせない汚れも除去できます。特に、銀歯と天然の歯の間は虫歯になりやすいため、入念に磨きましょう。

定期的にメンテナンスを受ける

銀歯の下の虫歯を予防するためには、日常的なブラッシングに加えて、定期的なメンテナンスが非常に重要です。

歯科医院でのメンテナンスは、検査だけでなくPMTC(プロによるクリーニング)も含まれます。PMTCでは、ふだんの歯磨きだけでは取り除くことができないプラークや歯石が効率的に除去されます。徹底的に歯や歯茎を清掃することで、細菌の増殖を防止できるでしょう。また、銀歯の状態を評価し、必要に応じて修復や調整を行います。虫歯が発生しやすい状態を早期に修正し、銀歯の下の虫歯を未然に防ぐことにつながります。

特に銀歯が装着されている歯は、銀歯の下で虫歯が進行していても痛みを感じにくいため、早期発見が大切です。

セラミックなど銀歯以外の素材を選ぶ

銀歯の下が虫歯になるのを防ぐための方法として、銀歯ではなく、セラミックなどの素材を選択することも挙げられます。

セラミックの詰め物や被せ物は、銀歯と比べて多くのメリットがあり、虫歯のリスクを軽減します。セラミックは、自然な歯の色に近く、見た目が美しい特徴がありますが、メリットは見た目のよさだけではありません。セラミックは、汚れや細菌が付着しにくく、耐酸化性も高いです。銀歯に見られる腐食や汚れの付着、それに伴う虫歯の発生が抑制されます。

また、セラミックは、金属のように熱膨張しにくく、口内で変形するリスクが少ないメリットがあります。変形によってすき間が生じ、虫歯が発生するリスクを低減できるでしょう。

セラミックはレントゲンで透過するため、進行中の虫歯がある場合は早期に発見することが可能です。早期に適切な治療を受けることで、二次虫歯の進行を防ぎ、歯の喪失を防ぐことにつながります。

まとめ

歯科用器具を使って銀歯の状態を確認するところ

銀歯は、汚れが付着しやすく、歯との間に細菌が侵入しやすい人工歯です。費用が安く治療期間が短いことが特徴ですが、レジンやセラミックと比べて変形や劣化するリスクが高く、二次虫歯になりやすいことがデメリットといえるでしょう。

また、銀歯は金属のため、X線が透過せず、レントゲン撮影を行っても銀歯の下の虫歯を発見しにくいといえます。気づかないうちに虫歯が進行すると、最悪の場合、歯を失う可能性もあります。

「銀歯の下は虫歯になりやすい」という特性を理解して、予防に努めなければなりません。日頃から、歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシも使って丁寧に歯磨きをしましょう。定期的に歯科医院を受診し、クリーニングや銀歯の状態を確認してもらうことも重要です。

銀歯の下の虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯周病による口のにおいが気になる!口臭の特徴と対策方法!

2023年6月26日
口臭のする男性と手で鼻を塞ぐ女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「朝起きたときに口がにおう気がする」「家族や友人に口臭を指摘された」などの経験をして口臭を改善したいとお悩みの方はいらっしゃいませんか。

口臭が強くなる原因のひとつに「歯周病」があげられます。歯周病は自覚症状が少なく、気がつきにくい疾患といわれています。検査してみたら口臭の原因が歯周病だったケースも少なくありません。

今回は、歯周病の概要や歯周病が原因で起こる口臭の特徴と対策方法を解説します。口臭の原因が歯周病かもしれないと心当たりのある方は、ぜひ参考にしてください。

歯周病とは

歯周病のチェックをしている男性

歯周病は、歯周病菌によって歯茎や顎の骨などの歯を支える周辺組織が細菌感染を起こしている状態です。病状が進行すると、支えとなるあごの骨(歯槽骨)が溶けてしまうので、最終的に歯が抜け落ちてしまいます。

歯を失う最大の原因は歯周病といわれていて、45歳以上の約半数が罹患している身近な疾患です。歯周病の原因は、歯の表面に残るプラーク(歯垢)です。

プラークは細菌の塊で、プラーク1mgあたり約10億個以上の細菌が生息しています。プラークは粘着性が強いため、うがいで落とすことができません。歯周病を予防するためには、歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどを使用してプラークを除去することが必要不可欠です。

歯周病は自覚症状が出たときには病状が進行しているケースが多いため、日頃から罹患しないように努めることがポイントといえるでしょう。

歯周病の症状

歯周病のチェックをしている女性

歯周病に罹患すると、歯周病菌が出す毒素の影響で歯茎が炎症を起こし、さまざまな症状があらわれます。先述したように、病状が進行すると歯を支えているあごの骨(歯槽骨)が溶けてしまうので、最終的に歯は抜け落ちてしまうのです。

歯周病は初期の段階では自覚症状が少なく、気がついていても放置してしまう場合が多いでしょう。以下のような症状がある場合は、歯周病の可能性があります。

・起床時に口のなかにネバつきがある

・歯磨きの際に出血する

・口臭がある

・歯茎が赤い

・歯茎が腫れる

・歯と歯の間にすき間ができている

・冷たいものがしみる

・歯が揺れる

・歯茎から膿がでる

上記の症状がある場合は、歯科医院を受診して検査を受けましょう。早めに対処すれば、歯周病の進行を止めることが可能です。

歯周病による口臭の特徴

口に手をあてて口臭を確認している

歯周病の症状のひとつに、口臭があげられます。

歯周病によって口臭が発生する原因は、歯周病菌が作り出すガスです。歯の表面に残る食べカスなどを栄養源に歯周病菌は増殖しますが、増殖の過程で「メチルカプタン」や「硫化水素」などのガスを作り出します。メチルカプタンは玉ねぎが腐ったようなにおい、硫化水素は卵が腐ったようなにおいと表現されることが多いです。

歯周病が進行すると、歯と歯茎との間に歯周ポケットとよばれるすき間が生じます。歯周ポケットのなかは酸素が届きにくいため、酸素が少ない環境を好む歯周病菌の活動が活性化するでしょう。結果として、歯周病菌が増殖して多くのメチルカプタンや硫化水素が作り出されるため、口臭が強くなり歯周病も進行する悪循環が起こる可能性が高いです。

また、重度の歯周病になると歯茎から出血や膿がでるようになり、口臭がさらに強くなります。

歯周病による口臭の対策方法

歯周病が原因で口臭があるケースでは、歯周病の進行を止めることが必要です。歯科医院での歯周病治療と、自宅でのセルフケアをしっかり行えば歯周病による口臭は改善されるでしょう。

以下、歯科医院で行う歯周病治療と自宅で行うセルフケアの方法をご紹介します。

歯科医院で行う歯周病の口臭対策

歯周病による口臭は、先述したとおり歯周病の進行を止めることで改善が期待できます。歯科医院で行う歯周病の治療は、大きく分けて以下の2つです。

・歯石を除去する

・ブラッシング指導をうける

以下、それぞれ解説します。

歯石を除去する

歯の表面や歯周ポケットのなかに歯石が付着している場合、歯石を取り除く必要があります。歯石自体に細菌は存在しませんが、歯石の表面は粗造なのでプラークが付着する足場となり、歯周病の進行を促進させるのです。

しかし、歯石は硬く、歯ブラシで取り除くことができません。歯科医院で「スケーリング」とよばれる専用の器具で歯石を取り除く治療を受ける必要があります。

スケーリングで歯石を取り除くとプラークが付きにくい環境に改善されるので、結果として歯周病の改善に繋がります。

ブラッシング指導をうける

歯科医院で歯石をきれいに取り除いてもらっても、ご自宅でのブラッシングが不十分だと、再び歯石がついてしまいます。

歯科医院では、虫歯・歯周病予防のため、歯科医師や歯科衛生士がブラッシング方法を指導します。歯ブラシの基本的なあて方はもちろん、一人ひとりの歯並びに合った適切な磨き方を知ることで、効率よく汚れを落とすことができるでしょう。

ご自身で磨きにくい場所がある場合やどのような歯ブラシやケアグッズを使用すべきなのか疑問がある場合は、積極的に質問するのがよいでしょう。歯科医院では、歯並びや手先の器用さなども考慮したうえで、適切なアドバイスを受けることが可能です。

自宅で行う歯周病の口臭対策

ドミノが倒れるのを手で防いでいる

歯周病の進行を止めるには、歯科医院での治療のほかに、自宅で行うセルフケアがポイントです。ご自宅でできる歯周病の予防・改善方法は、大きく分けて以下の2つです。

・毎日ブラッシングをする

・補助清掃用具を使用する

以下、それぞれ解説します。

毎日ブラッシングをする

歯周病の原因は、歯の表面に残るプラークです。歯周病を予防するためには、毎日しっかりブラッシングを行ってプラークを取り除くことがポイントです。

プラークを蓄積させないためには、正しいブラッシング方法で歯ブラシをすることはもちろん、歯ブラシの回数や時間も意識する必要があるでしょう。

しっかり歯ブラシが届いていても、ブラッシング時間や回数が不十分だと、プラークを落としきれずに口内に残ってしまいます。特に、唾液の分泌が減少する就寝前のブラッシングは必ず行うように心がけてください。

補助清掃用具を使用する

口のなかの汚れは、歯ブラシだけで清掃した場合60%しか落とすことができません。歯と歯の間や歯並びが悪い部分は、歯ブラシだけでは磨き残しができてしまいます。

歯ブラシだけで清掃が難しい部分は、デンタルフロスや糸ようじ・歯間ブラシ・ワンタフトブラシなどの補助清掃用具を使用しましょう。隅ずみまでプラークを取り除くことが可能で、歯と歯の間の汚れを効果的に取り除くことができます。

注意点として、歯と歯の間のすき間の状態によってデンタルフロスか歯間ブラシか適切な方を選択する必要があります。どちらを選択すべきなのか、サイズはどのくらいが適切なのかわからない場合は、歯科医院でブラッシング指導を受けると適切なケアグッズを案内してもらえるでしょう。

まとめ

ポイントを指さす女性

口臭の原因のひとつに、歯周病があげられます。

歯周病に罹患すると、歯周病菌の働きによって「メチルカプタン」や「硫化水素」などのガスが発生します。メチルカプタンや硫化水素は玉ねぎやタマゴが腐ったような強いにおいを発生させるため、歯周病に罹患している方は口臭が強くなる傾向にあります。口臭を改善するためには、歯周病の進行を止めて口内の環境を整えることがポイントです。

歯周病の原因は、プラーク(歯垢)です。プラークは、毎日のブラッシングで取り除く必要があります。正しいブラッシング方法はもちろん、歯ブラシの時間や回数も意識して、プラークが蓄積しないように心がけることが大切です。

ただし、セルフケアだけでは十分にケアできない可能性があるので、歯科医院を定期的に受診してチェックしてもらうのがよいでしょう。

歯周病による口のにおいでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。