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歯周病の進行を止める方法はある?進行することによるリスクも解説!

2023年10月27日
両手で口を押さえる女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯を失う原因はさまざまですが、そのうち最も大きな割合を占めているのが歯周病です。歯を失う原因となるだけではなく、さまざまな病気とも関連していることがわかっています。

歯周病は自覚症状なく進行し、重症化すると治療が難しい病気です。軽い歯肉炎の状態であればプラークコントロールにより改善できるため、歯周病のリスクや進行を止める方法を理解しておきましょう。

今回は、歯周病が進行することによるリスクや進行を止める方法について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

歯周病とは?

歯の模型が置かれたデスクで作業をする歯科医師

歯周病とは、歯と歯茎のすき間(歯周ポケット)から歯周病の原因となる細菌が侵入し、細菌が出す毒素によって歯肉が炎症を起こす病気です。炎症が広がると歯を支える歯槽骨が溶け、歯がグラグラするケースや最悪の場合には歯が抜け落ちるケースがあります。

歯周病の原因

歯周病の原因は歯垢(プラーク)に潜む細菌です。歯を十分に磨けていないと、歯垢が歯周ポケットに蓄積します。

細菌が産生する毒素により歯茎の腫れや出血などの症状が現れ、進行すると歯周ポケットが深くなります。歯周ポケットが深くなると歯垢や歯石の除去が困難になり、さらに炎症が広がって歯を支える歯槽骨が溶けるのです。歯肉が下がり、歯がグラグラと動揺して抜けることもあります。

歯周病の進行

歯周病は自覚症状なく進行しますが、いきなり重度の状態になることはありません。歯に歯垢や歯石が付着することにより歯茎が炎症を起こす歯肉炎からはじまり、歯周組織へと炎症が広がって歯周炎になります。

歯周病の進行について詳しくみていきましょう。

歯肉炎

歯肉炎は歯茎が炎症を起こしている状態です。自覚症状はほぼなく、見た目の変化もほとんどありません。

しかし、歯茎の腫れが続くと歯周ポケットが深くなり、歯垢や歯石が溜まりやすくなります。歯周ポケットの中に歯垢や歯石が蓄積すると、細菌が繁殖して歯周病が進行するのです。

軽度歯周炎

軽度の歯周炎になると炎症が広がり、歯周組織にも影響を及ぼします。自覚症状が現れることはほとんどありませんが、歯を支える歯槽骨や歯根膜が破壊されはじめる段階です。

中等度歯周炎

中等度の歯周炎になるとさらに炎症が広がり、歯を支える歯槽骨の破壊が進んで歯がグラつきはじめ、歯周ポケットもさらに深くなります。

この段階になると歯茎の出血や腫れなどの症状が現れるでしょう。中等度の歯周炎まで進行すると、治療しても完治が難しくなります。

重度歯周炎

重度の歯周炎になると歯を支える歯槽骨が半分以上破壊され、歯のグラつきが大きくなります。

この段階になると歯茎の痛みや腫れ、口臭などさまざまな症状が現れ、しっかり噛むことも難しくなります。重度の歯周炎まで進行すると、歯を残すことは難しく、抜歯が必要です。

歯周病が進行することによるリスク

赤い三角のワーニングマーク

歯周病は歯を失う原因となるだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼします。細菌が出す毒素が歯茎の血管から全身にまわり、さまざまな病気の原因になるのです。

歯周病が進行することによるリスクを詳しくみていきましょう。

糖尿病

歯周病は糖尿病の合併症の一つです。糖尿病の人は、そうでない人に比べて歯周病になっている人が多いという調査結果も報告されています。歯周病によって産生された炎症性物質が血液中に入ることで、インスリンの働きが低下して血糖値が下がりにくくなるのです。

狭心症・心筋梗塞

歯周病は動脈硬化を引き起こし、狭心症や心筋梗塞の発症リスクを高めます。心臓に血液を送る血管が狭くなると狭心症を、塞がると心筋梗塞を発症する可能性があるのです。また、心臓の弁や内膜に歯周病菌が感染すると感染性心内膜炎を起こす恐れもあるでしょう。

脳梗塞

脳梗塞は脳血管疾患の中でも死亡率が高い病気です。歯周病は動脈硬化を引き起こし、脳梗塞を発症するリスクを高めます。歯周病になっている人が脳梗塞を発症する確率は、歯周病になっていない人の約2.8倍という報告もあります。

骨粗しょう症

歯周病は骨粗しょう症の発症リスクを高めます。歯周病によって産生される炎症性物質が、全身の骨の代謝に悪影響を及ぼすためです。

また、歯周病で歯を失うと咀しゃく機能が低下し、消化・吸収に悪影響を及ぼします。消化・吸収ができないと骨を作るために必要となるビタミンDやカルシウムが不足し、低栄養状態になることで骨粗しょう症が悪化するのです。

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎は、本来食道に入るはずの唾液や食べ物が気管に入ることで発症する肺炎です。歯周病菌が誤って気管に入ると、誤嚥性肺炎を発症するリスクが高くなります。誤嚥性肺炎の原因となる細菌は、多くが歯周病菌であるといわれているのです。

認知症

歯周病は認知症の発症リスクを高めます。歯周病は動脈硬化を引き起こす可能性があります。動脈硬化によって血管が狭くなり、血液が詰まると脳梗塞を引き起こし、脳血管性認知症を発症する可能性があるのです。

関節リウマチ

関節リウマチは関節が炎症を起こし、軟骨や骨が破壊され、関節が変形する病気です。

歯周病は関節リウマチを発症するリスクが高く、関節リウマチの人は歯周病になっている人が多いことがわかっています。歯周病の治療を受けると関節リウマチの状態がよくなるという報告もあるのです。

肥満

歯周病は肥満を引き起こすことがさまざまな研究で明らかにされており、歯周病が進行している人はメタボリックシンドロームを発症する確率が1.6倍高まるという報告があります。

また、脂肪細胞で作られる炎症性物質は、歯を支えている骨を溶かし、歯周病を発症・進行させる作用もあるのです。

低体重児出産・早産

妊娠中の女性が歯周病になると、低体重児出産のリスクが高まります。歯周病によって産生された炎症性物質が血液中に入り、血流にのって全身に運ばれるためです。

また、子宮の収縮を早める物質が産生されることにより、早産も起こりやすくなります。歯周病になると早産・低体重児出産のリスクが2~4倍高くなりますが、歯周病の治療を行うとそのリスクが下がることもわかっているのです。

歯周病の進行を止める方法はある?

歯のクリーニングを受ける女性

歯周病の進行を止める方法はあるのでしょうか。歯周病になっても、初期の段階であれば進行を止められます。

歯周病の進行を止める方法について詳しくみていきましょう。

プラークコントロールを徹底する

プラークコントロールとは、歯周病や虫歯の原因となる歯垢(プラーク)を減らすことです。

歯や歯茎に付着した歯垢をできる限り除去するためには、日々のセルフケアが欠かせません。歯と歯茎のすき間(歯周ポケット)には歯垢が溜まりやすいため、特に注意して磨くようにしましょう。

セルフケアを行う際のポイントは、以下のとおりです。

歯垢が溜まりやすい部分を意識して磨く

歯垢が溜まりやすい歯周ポケット・歯と歯の間・奥歯の溝を意識して磨きましょう。歯周ポケットの歯垢を除去するためには、歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、小刻みに動かして磨くと効果的です。

歯磨き粉は歯茎の腫れや出血を抑える成分や、歯周病菌を殺菌する作用がある薬用成分が配合された製品を選ぶとよいでしょう。

歯周病のケアに適した歯ブラシを使用する

歯周病のケアに適した歯ブラシを使用し、歯周ポケットに蓄積した歯垢を除去しましょう。歯周ポケットに届きやすい超極細毛の歯ブラシを使用すると効果的に歯垢を除去できます。

また、奥歯や歯並びが悪い部分はタフトブラシで磨くと磨き残しが少なくなるでしょう。

デンタルフロスや歯間ブラシを使用する

歯垢は歯ブラシだけでは落とせません。歯と歯の間の歯垢をしっかり落とすために、デンタルフロスや歯間ブラシを使用しましょう。

デンタルリンスでうがいをする

歯磨きのあとは、デンタルリンス(洗口剤)で仕上げうがいをすると細菌の繁殖を抑制できます。

就寝中は唾液の分泌量が減少し、細菌が増殖しやすくなるため、就寝前にデンタルリンスでうがいをすると効果的です。就寝前に殺菌作用のあるデンタルリンスでうがいをすることで、細菌の数が減少するでしょう。

定期的にメンテナンスを受ける

歯周病は自覚症状なく進行します。歯周病の進行を止めるためにも歯科医院でのメンテナンスを受けましょう。

歯科医院では、専用の器械を使用して歯磨きでは落としきれない歯周ポケット内の歯垢・歯石を除去します。また、定期的にメンテナンスを受けることで歯科医師に歯茎の状態をチェックしてもらえるため、歯周病の早期発見・早期治療ができるでしょう。

また、歯科衛生士によるクリーニングやブラッシング指導を受け、自宅でのプラークコントロールを継続することが大切です。少なくとも1年に2~3回は歯科医院を受診してメンテナンスを受けましょう。

生活習慣を改善する

歯周病は生活習慣病です。生活習慣を見直すことで歯周病の進行を止められます。

・栄養バランスのとれた食生活を心がける

・糖分を摂りすぎない

・アルコールは控える

・禁煙する

・十分な睡眠をとる

・ストレスをためない

・適度な運動を習慣にする

喫煙や飲酒、ストレス、乱れた食生活は免疫力を低下させて歯周病の進行を早めます。

歯周病の進行を止めるためには、生活習慣を見直し、規則正しい生活を心がけて免疫力を高めることが大切です。免疫力が高まると、感染症などさまざまな病気を予防できます。全身の健康のためにも生活習慣を見直し、改善しましょう。

まとめ

歯ブラシと歯の模型を持っている女性歯科医師

歯周病は歯を失う原因の中で最も大きい割合を占める病気で、さまざまな病気との関連も明らかになっています。

歯周病になっても初期の段階であれば治療できるため、セルフケアを徹底し、歯科医院でのメンテナンスを受けることが大切です。また、喫煙や睡眠不足、乱れた食生活などの歯周病を進行させる生活習慣も改善しましょう。

歯周病は進行するまで症状がほとんどありません。重症化すると治療が困難になるため、歯周病にならないことが何より大切です。大切な歯と全身の健康を守るためにも、歯周病になる前に予防しましょう。

歯周病にお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

口臭の原因と対策は?

2023年10月20日
口臭の原因と対策は?

こんにちは!大阪府八尾市に60年間にわたり、地域に根付いた歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康はもちろん、歯にまつわる体のお悩みに対して、歯科医やスタッフからすると当たり前の知識でも、実は患者さんにとっては疑問に感じられることが多いことに気づかされます。診療中に全ての質問に詳しくお答えできればいいのですが、現実的にはお一人お一人に詳細に説明する時間が限られていることが多いのが現状です。

そこで、普段の診療中によく聞かれる質問に対して、当院のブログで詳しく解説していく「歯に関するご質問に全力回答!」ブログをスタートしました。

患者さまがこのブログを通じて、歯医者に対して日常から抱えている疑問や不安を解消していただければ、それが私たちの大きな喜びです。

どんな些細な疑問や質問でも、お気軽にお寄せいただければと思います。私たちは患者さまの健康と幸福を支えるためにここにいます。どうぞよろしくお願いいたします。

口臭の原因と対策は?のご質問に全力回答!

今回は口臭の原因と対策について、歯医者としてのアドバイスや口臭予防・口臭対策にはどういった方法があるのかについて詳しく解説していきたいと思います。

口臭が臭い人の主な原因は何ですか?

強い口臭の主要な原因は、口内の問題です。虫歯や歯周病の場合、特有の嫌な臭いが発生します。さらに、虫歯や歯周病に至らない場合でも、プラーク(歯垢)が多く付着していると口臭の原因になります。また、入れ歯の適切なケアの不足、金属の詰め物や被せ物の腐食、口腔がんなども口臭の原因となります。

口臭の三大原因物質

口臭の三大原因物質

硫化水素(Hydrogen Sulfide)

硫化水素は口臭の主要な原因物質の一つであり、腐敗したタンパク質から生じます。口腔内に存在する細菌がタンパク質を分解し、その過程で硫化水素を生成します。硫化水素は腐った卵のような不快な匂いを持っています。

メチルメルカプタン(Methyl Mercaptan)

メチルメルカプタンも硫化水素と同様に腐敗したタンパク質から生成される物質で、口臭の原因となります。メチルメルカプタンはガーリック(ニンニク)のような匂いを持ち、口臭の特徴的な臭いの一つです。

ジメチルスルフィド(Dimethyl Sulfide)

ジメチルスルフィドも硫化水素とメチルメルカプタンと同様に、口臭の原因となる硫黄化合物です。ジメチルスルフィドは腐敗した食品や細菌による歯垢の分解に関与し、口臭の原因となります。

 

これらの物質は口腔内の細菌の活動によって生成され、口臭の主要な原因となります。定期的な歯科検診、適切な口腔衛生、バランスの取れた食事、そして十分な水分摂取は口臭を軽減するのに役立ちます。

また、口臭で持続的にお悩みの場合は速やかに歯科医師に相談してください。

口臭は病気のサインですか?

口臭は病気のサインですか?

口臭自体は病気ではないですが、口臭が持続的で強烈な場合、潜在的な健康問題を示唆することがあります。口臭は通常、口腔内の問題に関連していますが、以下のような疾患や状態と関連があることがあります。

歯周病(歯槽周囲疾患)

歯周病は歯肉の炎症や感染を伴う口内の疾患で、口臭の一般的な原因です。持続的な口臭がある場合、歯周病が関与している可能性が高いです。

歯周病以外の口腔疾患

口内の潰瘍、口内炎、歯の腐敗など、他の口腔内の問題も口臭を引き起こす原因となります。

食道疾患

胃食道逆流症(GERD)や胃潰瘍などの食道関連の疾患が口臭の原因になることがあります。

呼吸器疾患

呼吸器の感染症、肺疾患、副鼻腔炎などは、口臭を引き起こす可能性があります。

代謝性疾患

一部の代謝性疾患(糖尿病、腎臓疾患など)は口臭の原因になることがあります。

口腔外の疾患

口臭は口腔外の疾患や健康問題の兆候として現れることがあります。口臭が持続的で不明瞭な場合、医療専門家に相談することが重要です。

 

口臭は日常的な口腔ケアと適切な歯科検診を通じて管理できることが多いですが、持続的な口臭がある場合、潜在的な健康問題がある可能性があるため、医師や歯科医に相談することが重要です。

歯磨きしても口が臭いのはどうして?

歯磨きしても口が臭いのはどうして?歯磨きしても口臭が続くことがあるのは、口臭の原因が歯磨きだけでは解決できない場合があるからです。以下は歯磨きだけでは口臭が改善しない理由と、それを改善するための対策です。

歯周病や歯垢の不十分な除去

歯磨きが不十分で歯垢が残ると、歯周病や歯茎の炎症が引き起こされ、口臭の原因となります。歯間ブラシやデンタルフロスを使って歯の間の歯垢を除去することが重要です。定期的な歯科検診も歯垢や歯周病の管理に役立ちます。

舌の清掃の不足

舌の表面には細菌や食べかすが蓄積し、口臭の原因となります。舌ブラシやスクレーパーを使って舌の清掃を行いましょう。

口腔外の原因

口臭は口腔内だけでなく、胃腸の問題や代謝性疾患など体内の要因によることもあります。医師や歯科医に相談し、潜在的な問題を排除するための診察を受けることが重要です。

食事や飲み物

強い香りの食べ物(にんにく、玉ねぎなど)や飲み物(コーヒーやアルコール)の摂取は、口臭の原因となります。これらを控えるか、食後に歯磨きを行うことが役立ちます。

唾液不足

唾液は口腔内の細菌の成長を抑制し、食べかすを洗い流す役割を果たします。唾液不足がある場合、口臭が悪化することがあります。十分な水分摂取と、必要に応じて口腔洗浄薬を使用することが役立ちます。

 

口臭がしやすい人の特徴は?

口臭がしやすい人の特徴は?

口臭がしやすい人には、以下のような特徴があります。ただし、これらの特徴が全て当てはまるわけではありませんし、個人差があります。口臭の原因は複合的で、一人ひとり異なります。

不適切な口腔衛生

歯磨きやフロッシングなどの口腔衛生習慣が不十分な場合、食べかすや歯垢が歯に残り、口臭の原因となります。

歯周病

歯周病は歯茎の炎症と感染を伴う疾患で、口臭の主要な原因となります。

食生活

強い香りを持つ食べ物(にんにく、玉ねぎ、香辛料など)の摂取が多いと、口臭が発生しやすくなります。

喫煙

タバコを吸うことは口臭の原因となり、また、歯周病のリスクを高めることがあります。

口腔乾燥

口腔内が乾燥していると、唾液の量が減少し、口臭が発生しやすくなります。

特定の医薬品

一部の医薬品は口臭を引き起こす可能性があります。これらの薬物を服用している場合、口臭が発生しやすいことがあります。

代謝性疾患

代謝性疾患(糖尿病、腎臓疾患など)は口臭の原因になることがあります。

ストレス

ストレスは唾液の分泌を減少させ、口臭を悪化させることがあります。

口腔外の健康状態

口臭は口腔内だけでなく、体内の疾患によっても引き起こされることがあります。

 

口臭と歯並びの関係

口臭と歯並びには密接な関係があります。

以下に、その関係と両者の影響について説明いたします。

歯の隙間と歯垢

歯の間や歯並びの乱れにより、歯ブラシやフロスが効率的に歯の隙間に到達しづらくなることがあります。これにより、歯垢(プラーク)が蓄積し、口臭の原因となります。歯垢は口腔内で細菌の繁殖を促進し、口臭の主要な要因です。

歯周病

歯並びの乱れがあると、歯周病のリスクが増加します。歯周病は歯肉の炎症や感染を引き起こす疾患で、これも口臭の原因となります。歯並びの悪さにより、歯周ポケットと呼ばれる歯茎と歯の間の隙間ができ、そこに歯垢がたまり、感染の温床となります。

歯石

歯並びの悪さや歯間の隙間により、歯石がたまりやすくなります。歯石は歯垢の硬化物で、歯の表面に付着し、口臭を引き起こす一因となります。

噛み合わせの問題

歯並びの悪さや歯の不正咬合は、正しく噛むことが難しくなることがあります。これにより、食べかすが歯の間に詰まりやすくなり、歯垢や食べかすが腐敗し、口臭を引き起こします。

口臭を改善し、歯並びを改善するための方法には以下のようなものがあります

正しい歯磨きとフロスの継続的な使用

歯垢を除去し、口臭を軽減するのに役立ちます。

歯医者の定期的な診察

歯周病や歯石の除去のために歯科医による専門的なケアが重要です。

歯の矯正治療

歯並びを改善するための矯正治療が必要な場合、歯科医に相談しましょう。

健康的な食生活

バランスの取れた食事と適切な水分摂取が口臭を軽減するのに役立ちます。

口臭や歯の健康に関する具体的なアドバイスや治療については、歯科医に相談することが最善です。歯科医は個々の状態に合わせた適切なケアプランを提供してくれます。

口臭の治し方は?

以下は口臭を軽減するために簡単に実践できる対策方法

口臭を軽減するための簡単な対策方法

歯の適切なブラッシング

歯のブラッシングは日常的な口臭予防に最も効果的な方法の一つです。朝、夜、食後に歯ブラシを使って歯垢や食べかすをしっかりと除去しましょう。舌の裏側もブラッシングすることが重要です。

フロッシング

歯間ブラシやフロスを使って歯の間の食べかすや歯垢を取り除きましょう。これはブラッシングだけでは届かない部分を清潔に保つのに役立ちます。

舌の清掃

舌の表面にも細菌や食べかすが蓄積し、口臭の原因となります。舌ブラシやスクレーパーを使って舌の表面を清掃しましょう。

口腔洗浄薬の使用

口臭を軽減するために、口腔洗浄薬を使うことができます。ただし、過度の使用は口のバランスを乱す可能性があるため、適切な使用方法を尋ねて歯科医に相談しましょう。

水分摂取

十分な水分を摂ることは口臭の軽減に役立ちます。水は口腔内の細菌の増殖を抑制し、口臭を和らげる助けとなります。

定期的な歯科検診

歯科医による定期的な歯科検診とクリーニングを受けることが重要です。歯周病や歯の問題が早期に発見され、治療されることで口臭を軽減できます。

バランスの取れた食事

食事内容に気を付けて、香辛料や強い香りの食べ物を控え、野菜やフルーツを摂ることで口臭を和らげることができます。

 

口臭が気になる方は、まずは上記の内容に気をつけていただき、対策・改善を目指してください。

口臭に関する意識調査

口臭に関する意識調査

歯科医療総合商社などによる意識調査によると、口腔内の懸念に関する回答の90.6%が「口臭について気になったことがある」というものでした。ただし、男性と女性の間に差異が見られ、男性の場合、「口臭がある」が27.9%で最も多く、「歯の黄ばみ」が27.8%でそれに続きました。一方、女性では、「歯の黄ばみ」が44.9%で最も一般的であり、「口臭がある」は26.6%で5番目に位置していました。

自分の口臭はチェックできますか?

自分の口臭はチェックできますか?

自分の口臭をチェックする方法はいくつかあります。

手首や手の甲をかいてにおいをかぐ

手首や手の甲を舌でなめ、その後ににおいをかいてみることで、自分の口臭をチェックできます。ただし、これは口臭を正確に評価する方法としてはあまり信頼性がありません。

スプーンを使った舌の検査

スプーンの背で舌の表面をこするか、スクレーパーを使用して舌の表面をこすり、その後に匂いをかぐことができます。舌の白い舌苔(舌の汚れ)や異常な匂いがあるかどうかをチェックします。

別の人に聞いてみる

友人や家族に率直な意見を求めることもできます。他人が自分の口臭を感じる可能性があります。

臭いを感じるテスト

手で息を鼻に持っていき、息がどのように臭うかを評価できます。この方法は、口臭の一般的な特徴を知るのに役立つことがあります。

 

ただし、これらの方法はあくまで自己診断であり、正確な評価が難しいことがあります。口臭が持続的な問題となる場合、歯科医や医師に相談することをおすすめします。専門家は正確な診断を行い、適切な対策や治療を提供することができます。また、定期的な歯科検診を受けることも、口臭の早期発見と対策に効果があります。

どうしたら口が臭いのは治りますか?

口臭の治療において、まず最初に原因を特定することが重要です。もし口臭の原因が歯周病である場合、歯科医で適切な治療を受けながら、歯垢をしっかりと除去するために適切な歯磨きを行います。歯間ブラシやデンタルフロスの使用も効果的です。

一方、唾液の減少が口臭の原因となっている場合、しっかりと食事を噛んで唾液をよく出すことを心がけることが大切です。

まとめ

口臭の原因は様々ですが、最も多い原因がお口(口腔内)のトラブルです。

虫歯や歯周病にならないよう日頃からのケアがとても大切です。

医療法人甦歯 もりかわ歯科志紀診療所では定期的なメンテナンスに通っていただくことをおすすめしております。

予防歯科について詳しくは、もりかわ歯科志紀診療所の予防歯科ページをご覧ください。

 

また、歯並びが悪いことも口臭の原因になってしまいます。

歯並びや噛み合せを正すことで、口臭だけでなく全身の健康を手に入れることができます。

詳しくは当院ホームページの矯正歯科ページをご覧いただくか、直接診療所へ矯正無料相談にお越しくださいませ。

 

重度の歯周病とはどのような状態?放置するリスクと治療法

2023年10月13日
歯茎を確認している男性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯茎からの出血や、歯のぐらつきがある場合、重度の歯周病になっているかもしれません。重度の歯周病を放置すると、食事など日常生活に影響を及ぼし、最終的に歯が抜け落ちる可能性があります。重度になると治療の難易度も高くなるため、早期に対処することが大切です。

今回は、重度の歯周病の症状や放置するリスク、歯周病の予防法を解説します。

重度の歯周病とはどのような状態?

口に人差し指を当て、悩んでいる表情の女性

歯周病とは、歯と歯茎の間にあるすき間(歯周ポケット)が細菌に感染し、炎症を起こす病気です。歯周病の進行度合いは、歯周ポケットの深さで診断します。

・軽度の歯周病:1〜3mm

・中等度の歯周病:4~5mm

・重度の歯周病:6mm以上

歯周ポケットの深さが6mm以上の場合、重度の歯周病と診断されます。重度の歯周病で現れる症状は、以下のとおりです。

・歯が動揺する

・歯茎が赤く腫れて膿が出る

・歯茎から出血なる

・歯茎が下がる

・口内がネバネバする

・口臭が強くなる

重度の歯周病では、歯周病ポケットが非常に深くなるので、歯がグラグラと動揺する場合が多いです。咀嚼に支障をきたすこともあるでしょう。

軽度の歯周病では痛みなどの自覚症状はないのが一般的ですが、重度になると上記の症状が現れます。歯茎が下がったことで、歯が長く見えることも多いです。

症状が現れてから歯周病に気づく方も少なくありません。

重度の歯周病を放置すると

黒いドミノを指で倒している

重度の歯周病を放置すると、歯だけではなく全身に影響を及ぼす恐れがあります。

歯が抜け落ちる

歯周病は、歯周ポケット内に歯石や歯垢が溜まることで細菌に感染して引き起こされます。重度の歯周病を放置すれば、歯周ポケット内で活発化した細菌感染が顎の骨にまで拡大するでしょう。

歯を支える顎の骨が溶けて、歯がグラグラと揺れ始めます。最終的には歯が抜け落ちる可能性があるのです。

歯が自然と抜け落ちることは少ないですが、抜歯で歯を失うことが多いでしょう。自然に歯が抜け落ちるまで歯周病が進行した場合、膿の塊や痛みなどの自覚症状が現れて受診する方が多いためです。

全身疾患や妊娠のトラブルにつながる

歯周病を放置すると、歯周病菌が血液を介して全身に運ばれます。歯周病菌は毒性物質や炎症物質を持っているため、さまざまな疾患やトラブルを引き起こす可能性があるでしょう。

歯周病を放置することで起きる可能性のある病気は、以下のとおりです。

糖尿病

歯周病菌が産出する炎症物質が、血糖値をコントロールするインスリンの働きを低下させて糖尿病を引き起こします。

糖尿病と歯周病は関係が深く、どちらか一方が悪化すれば、もう片方の病気も悪化する可能性が高いです。そのため、糖尿病の方や糖尿病リスクの高い方は、歯周病が重症化しないように注意しなくてはなりません。

動脈硬化

歯周病菌の持つ炎症物質や毒性物質によって血管の壁が炎症を起こすと、血管が狭まります。歯周病菌が血管に炎症を起こして血管を硬化させることで、動脈硬化を引き起こすと考えられています。

動脈硬化が引き起こされると、脳梗塞・狭心症・心筋梗塞などのリスクが高まるでしょう。

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)

食事の際に、飲食物が食道ではなく気管に入ることがあります。飲食物と一緒に歯周病菌が肺に入り込むと、肺炎を引き起こすかもしれません。

妊娠のトラブル

血液を通して歯周病菌が胎盤へ届いて刺激することや、歯周病菌の持つ炎症物質によって陣痛が誘発されることなどが原因で、妊娠に関するトラブルを引き起こすことがあるでしょう。

歯周病がある方は、早産や低出生体重児のリスクが高いとされています。妊娠中は体調がよくない方が多く、つわりの影響で歯磨きをできない方もいます。

妊娠前から歯周病を予防し、口内を清潔に保つことが重要です。

重度の歯周病の治療法

歯の模型を使って説明している歯科医師

重度の歯周病の場合、治療が複雑化します。歯や口内の状況に応じて、適切な治療が選択されるでしょう。

重度の歯周病の治療方法は、以下のとおりです。

FMD

FMD(フルマウスディスインフェクション)は、歯周病菌を口腔内と身体の両方から除去する治療法です。

歯周病菌はスケーリングやルートプレーニングなど、機器によるクリーニングで除去しますが、重度の歯周病の場合はクリーニングだけでは除去できません。除去に時間がかかると通院回数が多くなるため、早急に歯周病を改善するためにFMDが選択されます。

FMDでは抗生物質を内服し、体内の歯周病菌を一度で除去します。

歯周外科治療(フラップ手術)

重度の歯周病の場合、歯周ポケットに形成された歯石をクリーニングで除去することは困難です。歯茎を切開し、歯根に付着している歯石・歯垢・毒素を除去することが多いです。

麻酔を使用するので、手術中の痛みはありません。外科手術なので負担は大きいですが、重度の歯周病を改善するために必要な治療です。

歯周病組織再生療法

歯周病組織再生療法は、歯周病によって失われた骨などの組織を回復するための治療です。歯周病菌は、顎の骨や歯茎などの歯の周辺組織を破壊します。

周辺組織が破壊されると歯を支えられなくなり、自然に抜け落ちるかもしれません。抜歯が必要になることもあるでしょう。

しかし、歯を支えている組織を歯周病組織再生療法で回復すれば、歯を残せる可能性が高まります。歯周病組織再生療法では、歯周組織を回復するための場所を作り、組織の回復を促す薬剤を注入します。

歯周補填治療

重度の歯周病では歯を支える骨が溶け、歯がグラグラと動揺する場合が多いです。歯が動揺していると、食べ物を噛むことが困難になります。

歯周補填治療では、動揺している歯を被せ物で固定して安定させます。食べにくさを改善するだけでなく、噛み合わせも改善されるでしょう。

抜歯

重度の歯周病でも、まずは歯を残すことを考えて治療を進めます。

しかし、歯を残すことでほかの歯や身体に悪影響がある場合は、抜歯を選択するでしょう。

歯周病の予防法

歯ブラシ・マウスウォッシュ・デンタルフロスが置かれている

歯周病が重症化してから治療するのではなく、日頃から予防することが大切です。歯周病は自覚がないまま進行し、気づいたときには重度になっているケースも珍しくありません。

歯周病の予防法は、以下のとおりです。

毎日の正しい歯磨き

毎日の正しい歯磨きでプラークを取り除くことは、歯周病の予防につながります。歯ブラシだけでなくフロスなどを使用し、歯と歯の間に付着した歯垢を除去しましょう。

歯と歯茎の溝に45度の角度で歯ブラシを当てることで、歯周ポケットの歯垢や歯石を除去できます。奥歯や歯の裏側など、磨きにくい部分もしっかり磨きましょう。

生活習慣の見直し

免疫力が低下すると、歯周病菌の働きが強まって細菌に感染しやすくなります。栄養バランスのよい食事を心がけ、十分な睡眠や適度な運動で免疫力を高めましょう。

ストレスや疲労を溜め込まないことも大切です。リラックスできる音楽を聴く、趣味の時間を設けるなど、ストレスを解消することも心がけてください。

歯科医院での定期的なケア

歯科医院で定期的に歯周病ケアを行うことも重要です。歯茎の炎症状態や歯周ポケットの深さを定期的に確認すれば、歯周病が重症化する前に気づくことができます。

歯科医師や歯科衛生士によるクリーニングを受けることで、歯垢や歯石を徹底的に除去できます。定期的にクリーニングを受けていれば歯垢が蓄積されないため、歯周病予防につながるでしょう。

まとめ

歯ブラシを片手に持っている女性

重度の歯周病は、食べ物を噛めない、歯茎から出血するなど、日常生活にも影響を及ぼします。進行すると、自然と歯が抜け落ちることもあるでしょう。

身体全体の健康にも悪影響を及ぼすため、歯周病は早期治療・予防することが大切です。歯周病は、進行しなければ気づけないケースも多いです。歯科医院のケアを定期的に受けて口内の状態を確認してもらいましょう。日常のケアもしっかりと行い、歯周病を予防してください。

歯周病でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

指しゃぶりは歯並びに悪影響?指しゃぶりをする理由と対策

2023年9月26日
指をしゃぶる赤ちゃん

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

指しゃぶりは、こどもが成長していく途中で必要な動作です。

しかし、一定の年齢を超えても続く場合は、歯並びや噛み合わせに影響が出ることがあります。

今回は、指しゃぶりがどのように歯並びに悪影響が出るのか、そして乳児期を過ぎても指しゃぶりをしてしまう理由や対策を解説します。

大きくなってもこどもがなかなか指しゃぶりをやめられないとお悩みの方や、そろそろ指しゃぶりを卒業する年齢のこどもがいらっしゃる方は、ぜひ参考にしてください。

指しゃぶりが歯並びに与える悪影響

不安そうな女の子

指しゃぶりを続けることにより、強く吸った指が前歯を押し続け、徐々に嚙み合わせや歯並びが悪くなります。実際に指しゃぶりが続いた場合、歯並びに与える悪影響は、以下のとおりです。

出っ歯

出っ歯は、上の前歯が下の歯よりも前に突き出した状態を指し、上顎前突ともいいます。出っ歯の状態は非常に目立つため、外見のコンプレックスに感じる方も多いでしょう。

また、前歯が突き出していることから口が開きっぱなしになるため、口腔内が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなります。口腔内の乾燥により虫歯や歯周病のリスクが高くなるため、早急の治療が必要です。

開咬(かいこう)

上下の前歯にすき間ができて噛み合わない状態を「開咬」といいます。

開咬は、前歯だけでなく奥歯の噛み合わせも悪くなるため、食事の際にうまく食べ物を噛み切れないなどの支障が生じることがあります。噛み合わせが悪いと咀嚼の力が低下するため、消化不良など胃腸にかかる負担が大きくなるでしょう。

叢生(そうせい)

叢生は、下の前歯の歯並びがガタガタと不揃いな状態を指します。

叢生は指しゃぶり以外にも、歯の大きさと顎の大きさが合わない場合や顎骨の発達不全などによって歯並びがずれてしまうことで起こります。歯が重なった部分は食べ物のカスが溜まりやすく、磨き残しも多くなるため、虫歯や歯周病のリスクが高まるでしょう。

交叉咬合(こうさこうごう)

本来は、上の歯が下の歯にかぶさる形が正常な歯並びですが、奥歯の噛み合わせが逆になってしまう場合があります。これを「交叉咬合」といい、交叉咬合になる歯は1本から複数本とさまざまです。1本でも噛み合わせが逆になっていることで、そこからこどもの下顎がずれて成長してしまうため、交叉咬合がある場合はなるべく早い治療が必要です。

こどもはなぜ指しゃぶりをするの?

疑問がある両親

歯並びに影響するといわれる指しゃぶりですが、もともとは赤ちゃんの成長発達過程において必要な指の動きです。

しかし、成長していくとともに指しゃぶりの原因は変化していきます。なぜ指しゃぶりをしてしまうのか、以下で解説します。

乳児期の癖が抜けない

乳児期にしていた指しゃぶりが癖となって、成長しても習慣化してしまいやめられない場合があります。中には、ついつい指が口元に入ってしまうこどももいるでしょう。

無意識にしてしまっている場合もあるため、指しゃぶりを見つけたらその都度指摘してあげることが大切です。

環境の変化に伴うストレスがある

入園や引っ越しなど、こどもを取り巻く環境の変化にストレスを感じ、指しゃぶりをしてしまうことがあります。

環境に慣れて気持ちが落ち着くことにより、指しゃぶりも落ち着くことがありますが、指しゃぶりが見られる場合は、こどもの気持ちを汲み取り、メンタルケアをしてあげましょう。

寂しさ・不安な気持ちを和らげる

指しゃぶりをして寝る赤ちゃんがいるように、こどもが寂しさや不安な気持ちを和らげるために指しゃぶりをすることもあります。赤ちゃん返りの一つとして見られることもあるでしょう。

抱きしめてあげるなどのスキンシップをとることで、こどもの不安な気持ちを和らげ、安心感を与えることが大切です。

こどもの指しゃぶりはやめさせたほうがいい?

二つに分かれた矢印とクエスチョンマーク

こどもの指しゃぶりをやめさせるかどうかは、年齢で見るとよいでしょう。3歳程度までの指しゃぶりは成長段階で多くのこどもに現れる自然な動作です。個人差はありますが、歯並びにもそこまで大きな影響はないとされているため問題はありません。

しかし、4歳を超えたあたりからは徐々に歯の生え変わりや顎の骨の発達が始まるため、歯並びに影響が出始めるといわれています。4歳あたりからは声掛けをすることや、運動や手先を使った遊びなどを行い、指しゃぶりから気を逸らすなど工夫していく必要があるでしょう。

こどもの指しゃぶりに対する対策

ハート型の石を持つ親子の手

歯並びの悪化を防ぐためにも、指しゃぶりをやめるための対策をとる必要があります。さまざまな場面で指しゃぶりの対策が可能です。順番に解説していきます。

手を使う遊びを取り入れる

指しゃぶりがやめられないこどもには、手を使う遊びを取り入れてみましょう。

手を使うおもちゃに集中することで、指しゃぶりの回数も減っていくでしょう。人形やブロック、積み木、パズルなど年齢やこどもの好みに合わせたおもちゃがおすすめです。

こどもが自信をもてるような声掛けを意識する

「○○くんはもうお兄さんだから、指しゃぶりを卒業できてえらいね」というように、こどもが自信をもてるような声掛けをしてあげることは効果的です。

「えらいね」「すごいね」など、なるべく前向きな意味合いをもたせて声掛けしてあげましょう。自信をもてるようになると、少しずつ大人に注意される前に自分で指しゃぶりを我慢できるようになるでしょう。

たくさん体を動かす

指しゃぶりから気を逸らすために、たくさん体を動かすこともおすすめです。こどもは成長とともにどんどん体力もついていくため、思いっきり体を動かすことで、楽しいだけでなく気持ちの面でもいいストレス発散になるでしょう。

また、公園の遊具やボールで遊ぶなど、さまざまな遊びは脳の活性化にも効果的です。外遊びだけでなく、雨の日も室内で走り回れるような施設はたくさんあります。雨の日は屋内の複合施設で過ごすことなども検討してみるといいでしょう。

指しゃぶりに関する本を読む

指しゃぶりに関する本を一緒に読むことも効果的です。

最近では指しゃぶりをテーマにした絵本が出ています。親子一緒に読むことで、こどもが指しゃぶりを自分事に感じられるようになり、意識的にやめられるようになるでしょう。また、こどもの目につくところに絵本を置いておくことも効果的です。こどもが無意識のうちに指しゃぶりしないように気をつけることがあります。

親子のスキンシップをたくさんとる

親子のスキンシップをたくさんとることで、こどもは安心感を得ます。

こどもによっては、寂しさや不安感などが原因で指しゃぶりをすることがあります。こどもと一緒に外で遊んだり、抱っこして絵本を読んだりするなど、一緒に過ごす時間を作ることで徐々に指しゃぶりも改善されるでしょう。

まとめ

満面の笑顔の女の子

こどもの指しゃぶりは、癖だけでなく、心理的な要因で起こることがあります。環境の変化などに伴う寂しさや不安な気持ちや、両親にもっと甘えたい、触れ合いたい気持ちなども指しゃぶりの行動に現れるようです。

こどもは、成長していくにつれ、徐々に周りの友達の様子を見て生活するようになります。中には指しゃぶりを友達に指摘されることもあるでしょう。このような流れで、社会の中でおのずと指しゃぶりを卒業できるこどもも中にはいます。

しかし、どうしてもやめられない場合は指先や体を動かす遊びをたくさん取り入れて、指しゃぶりに意識を向けさせない工夫、スキンシップや前向きな声掛けが大切です。大人がこどもに焦らず寄り添うことで、こどもも少しずつ指しゃぶりをやめられるようになるでしょう。

お子様の指しゃぶりでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯周病は治るのか?自分でできる歯周病の予防法も解説!

2023年9月19日
唇をめくって赤く腫れた歯茎を確認する人

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯周病は治らないと聞いたことがあり、治療しても意味がないからと放置している方はいませんか。

歯茎から出血する、頻繁に歯茎が腫れるなどの症状がある場合、歯周病になっているかもしれません。歯周病は自然に治る病気ではないため、放置すると進行し、最悪の場合歯が抜ける可能性があります。

今回は、歯周病は治るのかどうか、歯周病の治療法について解説します。自分でできる歯周病の予防法などもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

歯周病とは?

歯磨きしながら歯の痛みに耐える女性

歯周病とは、歯周病菌によって歯茎や顎の骨などが炎症を起こす病気のことです。歯周病菌は、歯の汚れであるプラークに潜んでいるため、歯周病の原因は磨き残しであるといえます。

歯周病は進行性の病気です。以下のような経過で進行します。

・歯肉炎:プラークや歯石によって歯茎が赤く腫れる・出血する

・軽度の歯周病:歯肉炎の症状が慢性化し、炎症が広がって顎の骨が溶け始める

・中度の歯周病:顎の骨が溶け続け、歯がグラつき始める

・重度の歯周病:顎の骨がほとんど溶け、自然に歯が抜けることもある

プラークは柔らかい汚れのため、歯ブラシで取り除けます。歯石に変化すると、自分で除去することは難しくなるでしょう。

歯周病のきっかけは、プラークや歯石によって歯茎に炎症が起きることです。歯茎が赤く腫れる、歯磨きのときに歯茎から出血するなどの症状があらわれます。

歯肉炎の段階では、歯茎に炎症が起きていても痛みがないことが多いため、気づく人は少ないです。歯肉炎を放置すると歯茎だけでなく顎の骨にまで炎症が広がり、歯周病に進行します。

歯周病の症状が進行すると、歯茎の腫れや出血だけでなく、顎の骨が溶け始めます。歯がグラつき、最悪の場合自然に歯が抜けるでしょう。歯茎の出血や膿によって、口臭が悪化することもあります。

中〜重度の歯周病では、歯茎の腫れによって強く痛むことがあり、しっかり噛めなくなるでしょう。歯が抜けると、食べられるものに制限が出て、食事をおいしいと感じられなくなるかもしれません。

歯周病は治るのか?

顎に手を当てて考える女性

歯周病の症状は、歯茎と顎の骨に炎症が起きることです。歯茎の炎症は、歯周病の治療を受けることで治ります。

しかし、顎の骨に炎症が起き、歯茎が下がる、歯がグラつくなどの症状がある場合、健康な状態まで治療することは難しいでしょう。

虫歯治療で考えるとわかりやすいですが、虫歯になった部分を削って詰め物や被せ物を行い、歯の形を整えることはできますが、虫歯前の削られていない健康な歯に戻すことはできないのです。

治療によって歯周病が治らなくても、治療が必要ないわけではありません。歯周病は進行性の病気のため、治療しなければ悪化するからです。歯周病の治療によって炎症を抑え、症状を食い止めることが重要です。

口内に潜む歯周病菌は、治療を行っても完全になくすことはできません。症状が改善されても、歯周病が再発するおそれがあります。

歯周病治療によって症状を改善し、患者様自身が歯周病予防を実践する必要があるでしょう。

歯周病の治療法

歯科医院で治療を行う男性歯科医師

歯周病の治療では、原因となる歯の汚れを落とします。歯周病の炎症が落ち着き、症状を食い止められるでしょう。

基本的に、歯周病の治療法は以下の流れで進められます。

①歯周病検査

歯周病の進行度を把握するために、レントゲン撮影などを行って、歯や歯茎、顎の骨の状態を確認します。

主に調べられる内容は、以下のとおりです。

・歯周ポケットの深さ

・歯茎からの出血の有無

・歯の動揺度

・噛み合わせ

歯周病が進行すると歯茎から顎の骨にまで炎症が広がります。そのため、歯周病が進行している方は、歯と歯茎の境目にある歯周ポケットが深くなる傾向にあります。

歯周ポケットの深さは、軽度の歯周病では3~5mm、中度の歯周病では4~6mm、重度の歯周病では7mm以上です。健康な歯茎の歯周ポケットは1~2mm程度なので、3mm以上の場合は歯周病になっている可能性があるでしょう。

歯周ポケットを調べる際は、プローブとよばれる器具を歯と歯茎の境目に差し込みます。プローブを差し込んだ際、炎症のある歯茎は出血することがあります。

健康な歯茎はプローブの刺激によって出血することはありませんが、歯周病による炎症が起きている歯茎は、少しの刺激でも出血するのです。そのため、歯周ポケットの深さと、検査の際に出血するかどうかが、歯周病の進行度をはかる重要な指標といえるでしょう。

歯周病によって顎の骨が溶かされることによる歯のグラつきや、噛み合わせの問題がないかも確認します。

②歯周病治療

歯の表面に付着した汚れを除去したあと、歯と歯茎の境目に潜む汚れを取り除きます。歯周病の原因となる磨き残しを徹底的に除去することで、歯茎の炎症を抑えられるでしょう。

クリーニングの際に磨き残しを確認し、適切に歯磨きを行えるよう歯磨き指導が実施されます。磨き残しやすい部分を認識し、正しい歯ブラシの当て方を知ることで、歯周病予防に効果があるでしょう。

③歯周外科治療

歯周外科治療が必要になるのは、歯周病が中度以上の場合です。症状が進行している場合、歯周病治療で汚れを除去するだけでは、炎症が落ち着かないことが多いためです。

歯周病治療では炎症が落ち着かない場合は、麻酔を行って歯茎を切開し、歯茎に隠れている汚れを取り除きます。見える範囲の汚れだけでなく、歯の根の汚れまで徹底的に除去することで、歯周病の症状を効果的に改善できるでしょう。

ただし、歯周外科治療は、麻酔を行って歯茎を切開する侵襲度の高い治療です。1回の治療ですべての歯を治療することは難しいでしょう。

部位ごとに分けて治療を進めるため、複数回の通院が必要になることが多いです。

④再検査

治療のあと、歯茎の炎症が落ち着いたかどうかを確認するために歯周病検査を再度行います。

炎症が落ち着いていれば、定期的なメンテナンスに移行します。口内の状態によって異なりますが、3か月に一度はメンテナンスを受けましょう。

炎症が落ち着いていない場合は、再度歯周病治療を行うか、歯周外科治療を行うか判断します。

 ⑤定期メンテナンス

歯周病菌をすべてなくすことは難しいです。治療によって症状が落ち着いても、口内の状態が悪くなれば歯周病が再発する可能性はあるのです。そのため、定期的な歯科医院でのメンテナンスが欠かせません。

歯周病は、進行しなければ自覚症状があらわれないことが多いです。歯茎が腫れて痛む、食べ物を噛みにくいなど、症状がある場合は歯周病が進んでいるかもしれません。

定期的に歯科医院でメンテナンスを受け、歯周病の予防と早期改善に努めることが大切です。

自分でできる歯周病の予防法

歯磨きを行う女性

歯周病を悪化させないためには、患者様自身で予防することが大切です。自分でできる歯周病の予防法をご紹介します。

歯磨きでの磨き残しをなくす

歯周病を予防するには、歯周病の原因となる磨き残しをなくすことが大切です。磨き残しがあると細菌が繁殖しやすく、歯周病だけでなく虫歯にもなりやすいです。

歯磨きを1日に何回行うかよりも、どれだけしっかり磨けているかを意識しましょう。頻回に歯磨きをしていても、歯ブラシがうまく当たっておらず磨き残しが生じていては意味がありません。

正しい方法で歯磨きすることが重要です。歯科医院のメンテナンスでは歯磨き指導も受けられるので、参考にするとよいでしょう。

生活習慣を改善する

免疫力が低下すると、歯周病の症状が進みやすくなります。そのため、規則正しい生活を送ることが大切です。

睡眠時間を十分に確保し、栄養のある食事を摂りましょう。喫煙習慣がある場合は歯茎の血行が悪くなることで、歯周病が進みやすいです。可能であれば禁煙したほうがよいでしょう。

歯ぎしりや食いしばりも、歯茎や顎の骨に負担をかけます。歯周病を引き起こす可能性があるので、マウスピースを装着するなど、適切に対応しましょう。

定期的なメンテナンスを欠かさない

毎日の歯磨きをどれだけ丁寧に行っても、歯周病の原因となる磨き残しは生じます。定期的にメンテナンスに通って磨き残しを徹底的に除去し、歯周病を予防しましょう。

利き手や磨き方の癖など、磨き残しが生じる部分はある程度決まっています。磨き方をプロに教えてもらうことで、ふだんの歯磨きの清掃効果を高められるでしょう。

歯周病の悪化を食い止めて改善し、歯周病を予防するためには、定期的なメンテナンスが欠かせないのです。

まとめ

歯を見せて笑う女性

歯周病による歯茎の炎症は、歯周病の治療を行うことで治ります。

しかし、もともとの健康だった状態に戻るわけではありません。歯周病は予防することが非常に重要なのです。

治療によって歯周病が治るわけではなくても、治療と定期的なメンテナンスは欠かせません。歯周病は進行性の病気のため、治療しなければ悪化します。歯周病の治療によって炎症を抑え、症状を食い止めなければ、大事な歯を失うかもしれません。

症状が改善しても、歯周病菌は口内に常にある状態です。汚れが溜まると、再発することもあるでしょう。毎日の歯磨きや生活習慣の改善などによって、日頃から歯周病を予防することが重要です。

歯周病でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯槽膿漏とは?症状や治療法、予防法を詳しく解説!

2023年8月18日
歯槽膿漏の症状を表す人

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯槽膿漏とは、歯周病のなかで最も重い状態です。歯茎が赤く腫れる、歯磨きの際に出血するなどの症状がある場合、初期の歯槽膿漏が疑われます。歯槽膿漏の初期は自覚症状が現れにくいため、「自然に治るだろう」「歯科医院に行くほどではない」と自己判断する方も多いです。

しかし、歯槽膿漏を放置すると症状が進行し、歯を失う可能性もあります。

今回は、歯槽膿漏の症状や原因、治療法について解説します。予防法もご紹介しますので、歯槽膿漏が気になる方はぜひ参考にしてください。

歯槽膿漏とは

顎に手を当てて考える女性

歯槽膿漏とは、歯周病が最も進行した状態です。歯周炎ともいわれます。

歯周病は、歯肉炎や歯槽膿漏を含む炎症性疾患の総称です。歯周病菌によって歯の周りにある組織に炎症が起き、歯を支える歯槽骨が破壊される疾患です。

歯周病が進行して歯槽膿漏になると、歯槽骨が破壊されることで歯が抜け落ちる可能性があります。歯槽膿漏は、進行すればするほど治療が難しくなり、長期間の治療が必要です。歯周病の症状がある方は早めに歯科医院を受診し、治療を行うことが大切です。

歯槽膿漏の症状

顎を抑えて歯の痛みに耐える女性

歯槽膿漏になると、歯周病菌を原因とする炎症によってさまざまな症状が現れます。歯槽膿漏の状態別の症状は、以下のとおりです。

<歯槽膿漏の症状>

軽度 ・歯肉に赤みや腫れが現れる

・ブラッシング時に出血する

中等度 ・歯肉付近に歯垢が溜まる

・ 歯肉が変色する

・ 歯と歯の間に食べかすが詰まる

・ 口臭がある

重度 ・硬い食べ物を噛むと痛む

・歯肉を押すと血や膿が出る

・ 歯肉が下がる

・ 歯が浮いているように感じる

・歯が揺れるように感じる

・歯並びが悪くなる

歯槽膿漏が軽度のうちは、強い症状は現れません。軽い歯肉の赤みや腫れ、ブラッシング時の出血がみられる程度です。そのため、気付いたときには症状が進行しているケースも少なくありません。

歯の土台となる歯槽骨の破壊が進むと、硬いものを噛むときに痛みが出る、歯並びが悪くなる、歯がグラグラして最悪の場合抜けるなど、生活に支障をきたす可能性もあるでしょう。

初期の段階で歯槽膿漏の治療を行えば、症状が改善し進行を抑えられます。悪化すると治療が困難になり、長期にわたる治療が必要になります。少しでも気になる症状があれば、歯科医院を受診しましょう。

歯槽膿漏の原因

机に置かれた?と虫眼鏡の木のブロック

歯槽膿漏の原因は、歯垢(プラーク)に生息する細菌です。歯と歯肉の間(歯周ポケット)に歯垢が溜まると、細菌が増殖して毒素を出します。細菌が出す毒素が、歯周組織に炎症を起こす原因です。

歯垢は除去しなければ硬くなり、やがて歯石になります。歯石は歯の表面に強固に付着するため、ブラッシングで除去することは困難です。歯石を放置すると毒素を出し続け、歯周病が進行します。

歯槽膿漏の治療法

歯科医院で治療を受ける女性患者

歯槽膿漏の治療法は、症状によって異なります。歯肉や歯槽骨の状態、症状などを確認し、どの治療法が適切か判断します。

治療の基本は、ブラッシング指導と歯垢・歯石の除去です。症状が悪化していて基本的な治療で改善することが難しいケースでは、外科的な治療が必要です。

歯周基本治療

歯槽膿漏の治療では、まずは歯周基本治療が行われます。

症状が比較的軽度の場合、歯周基本治療で症状の改善が期待できるでしょう。歯周病の原因となる歯垢や歯石を除去し、ブラッシング指導によるプラークコントロールを徹底することで、歯槽膿漏の症状を改善させます。

ブラッシング指導

歯科医師や歯科衛生士が、毎日のブラッシングで歯垢を除去できるように指導を行います。正しブラッシング方法を身につけ、歯槽膿漏の症状を改善して進行を抑制することが目的です。

ブラッシングのポイントは、一人ひとりのお口の状態によって異なります。汚れが残りやすい部分を効果的に磨く方法を身につけ、患者さま自身がプラークコントロールを徹底して行うことが重要です。

歯垢・歯石の除去

専用の器具を使用して、歯の表面に付着している歯垢と歯石の除去を行います。

歯石はふだんの歯磨きでは除去できません。歯科医院では、歯周ポケットの深い部分にたまっている歯石の除去も可能です。

歯周外科治療

症状が進行している場合は、歯周外科治療の対象になります。

適切な外科治療を行うことで、抜歯をせずに治療できるケースもあります。症状が進行している方でも、諦めずに治療を行うことが大切です。

歯槽膿漏の外科治療は、大きく以下の2つに分けられます。

・フラップ手術

・歯周組織再生療法

それぞれ解説します。

フラップ手術

フラップ手術とは、深い歯周ポケットにある歯石を除去する手術です。

歯肉を切開して歯根の深い部分まで見える状態を作り、細菌や歯石などを徹底的に除去します。歯石を除去して歯周ポケットを浅くすることで、歯槽膿漏の進行を抑えることが可能です。

フラップ手術は、基本治療後に歯周ポケットの深さが4mm以上あり、歯石が残っている場合に検討します。手術時間は1時間程度で、手術費用には保険が適用されます。

フラップ手術のあとは、歯肉が下がって歯が長く見える、歯がしみるなどの症状が出るリスクがあるでしょう。手術を行う際は、歯科医師としっかり相談することが大切です。

歯周組織再生療法

歯を支える歯槽骨が溶けているケースは、歯周組織再生療法を行います。歯周組織再生療法は、歯周病によって失われた歯肉や歯根膜、歯槽骨、セメント質を再生する手術です。

歯周組織再生療法にはさまざまな方法があります。今回は、代表的な3つの方法をご紹介します。

1.GTR法

GTR法は、GTRメンブレンという特殊な膜で歯根を覆い、歯槽膿漏によって破壊された骨の再生を促す治療です。

骨は、粘膜に比べて再生に時間がかかります。骨より先に粘膜が再生すると、歯周組織が十分に再生できなくなるでしょう。そのため、歯周組織を再生させたい部分に特殊な人工膜を設置し、粘膜が侵入することを防ぎます。歯周組織が再生するために必要な場所を確保し、再生を促すのです。

GTR法は、使用する膜の種類によっては保険が適用されます。

2.歯周再生材料を用いた歯周組織再生療法

歯肉を切開して歯垢や歯石を除去したあと、歯周組織再生材料を歯根の表面に塗布し、歯周組織の再生を促す治療法です。

使用されることが多い歯周組織再生材料として、エムドゲインやリドグロスが挙げられます。エムドゲインは自由診療、リドグロスは保険が適用される材料です。

3.骨移植

骨移植は、人工骨や患者さま自身の骨を移植する治療法です。

骨の破壊が広範囲に及ぶケースにも対応できます。骨の再生を促進するために、エムドゲインを併用する場合もあるでしょう。

骨移植は、一部の治療のみ保険が適用されます。保険が適用される範囲は、使用する素材や手術の方法などによって異なります。保険適用外の人工骨を使用した場合やエムドゲインを併用した場合は、自費診療になるでしょう。

歯槽膿漏の予防法

倒れるドミノを手で止める

歯槽膿漏が進行すると、歯が抜け落ちる、抜歯が必要になるなど、歯を失う原因になります。また、お口の中だけでなく、全身にも影響を与えるでしょう。歯周病菌が血管を通して全身に運ばれると、脳梗塞や心筋梗塞、認知症などの疾患を引き起こすリスクがあります。歯槽膿漏を予防するには、お口の中を清潔に保つことが重要です。

定期的に歯科医院を受診し、検診やブラッシング指導を受けましょう。歯周病は生活習慣病に位置づけられており、生活習慣を改善することで予防が可能な疾患です。

歯槽膿漏を予防する方法を解説します。

歯科医院でブラッシング指導・クリーニングを受ける

歯槽膿漏の予防の基本は、毎日の歯磨きです。歯に付着した汚れをしっかり取り除き、口腔内を清潔に保つことが重要です。

歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使用し、歯と歯の間の汚れも丁寧に取り除きましょう。適切なブラッシング方法は、お口の状態によって一人ひとり異なります。徹底したプラークコントロールを行えるよう、歯科医院でご自身に適したブラッシング指導を受けるとよいでしょう。

歯周病を増殖させる原因となる歯石は、ご自身で除去することは困難です。定期的に歯科医院でクリーニングを受け、歯石を除去しましょう。

歯科医院の検診を受ける

歯槽膿漏の予防には、定期的に検診を受けることも大切です。

初期の歯槽膿漏は、自覚症状が現れにくいです。症状を自覚した頃には歯槽膿漏が進み、治療に時間がかかる場合もあるでしょう。定期的にお口の状態をチェックすることで、初期の段階で歯槽膿漏を発見でき、症状が進行する前に治療を始められます。3か月に1回は歯科医院を受診し、歯科医師の診察を受けましょう。

生活習慣を見直す

歯槽膿漏の予防には、生活習慣の見直しも効果的です。

生活が乱れて疲れやストレスが溜まると、免疫力が低下し歯周病菌に感染しやすくなります。十分な睡眠や規則正しい生活、バランスのよい食事など、正しい生活習慣を身につけると免疫力が高まります。

また、喫煙者は非喫煙者に比べて歯周病にかかりやすく、悪化しやすいです。歯槽膿漏を予防し、健康を維持するためにも禁煙するのが望ましいでしょう。

まとめ

唇をめくって歯茎を見せる女性

歯槽膿漏は、歯周病が最も進行した状態です。多くの場合、自覚症状がないまま進行し、悪化すると歯が抜け落ちるケースや、抜歯が必要なケースもあります。お口の健康だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼす可能性もあるため注意が必要です。

歯槽膿漏は、早期発見・早期治療によって症状を改善することができます。少しでも気になる症状がある場合は、歯科医院を受診してお口の状態をチェックしてもらってください。歯槽膿漏を予防するために、歯科医院の定期検診やクリーニング、ブラッシング指導を受け、健康なお口を守りましょう。

歯槽膿漏でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

こどもが笑顔で通える!小児歯科の選び方ガイド!

2023年8月11日
歯科衛生士と女の子

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯科医院は「歯を削る」などの行為によるイメージにより、怖いと感じるこどももいます。そのため、いざこどもを歯科医院に連れて行くとなると、どの歯科医院を選べばいいのか迷うこともあるでしょう。

また、虫歯治療以外にも、小児歯科の診療内容はたくさんあります。長く健康な歯を維持するためには、こどもの頃から定期的に歯科医院に通うことが大切です。

この記事では、小児歯科の診療内容や小児歯科の対象年齢、小児歯科の選び方について解説します。

小児歯科は何歳から何歳まで?

顎に手を当てて悩んでいる女性

小児歯科は、こどもの口腔健康を専門的に管理するための歯科の一部で、乳歯のケアから永久歯への移行、そしてそのあとの管理を行います。こどもが小児歯科に通い始める目安は、一般的には0〜1歳半です。まずは、虫歯の確認やフッ素の塗布などが中心に行われるでしょう。

この時期に初めて歯科医院に訪れることで、こども自身が歯科医院を恐れることなく受診できるようになります。また、小さいうちから口腔ケアの重要性を理解し、正しい歯磨きの方法を覚えられるでしょう。

一般的には、中学生や高校生になると大人の歯に生え変わっているため、一般歯科での治療が可能になります。小児歯科を受診できる確定的な終了年齢は存在せず、小児歯科での方針や患者さん自身の状態などを見て歯科医師が判断するのが一般的でしょう。

小児歯科の診療内容

歯科医師から歯磨き指導を受ける親子

大人が受診する一般歯科の診療は虫歯や歯周病などの治療が多いのに対し、小児歯科の診療は、主に歯の発育・発達に特化しています。小児歯科では具体的にどのような診療を行っているのか、それぞれ解説します。

虫歯の予防・治療

こどもも大人同様に、砂糖を使用したおやつやジュースなどを飲食するため、きちんと歯磨きをしないと虫歯になります。そのため、丁寧な歯磨きや歯科医院での定期検診による虫歯予防が必要です。

歯磨き指導

こどもが小さいうちは、親御さんが歯磨きをしたり仕上げ磨きをしてあげたりすることが多いでしょう。そのため、こどもが小さいうちは親御さんが歯磨き指導を受けることが多いです。

こどもがある程度大きくなってきたら、こどもに直接歯磨きの指導があります。

しかし、まだうまく歯を磨けない子が多いため、親御さんが引き続き仕上げ磨きをしてあげる必要性があります。しばらくの間は、こどもと一緒に歯磨き指導を受けることになるでしょう。

フッ素塗布

歯科医院で初めてこどもが受ける処置は、乳児健診でのフッ素塗布の場合が多いでしょう。健診後も歯科医院で継続的にフッ素塗布の処置を受けることが推奨されています。

フッ素塗布をすることで、歯の表面を強化して虫歯を予防する効果があるといわれています。小さい頃の歯磨きは大変なため、フッ素塗布を定期的に行うことで、虫歯の元になる細菌に負けない口内環境を保てるのです。

歯並び・噛み合わせの矯正

小児歯科は「歯並び・噛み合わせの矯正」も診療範囲に含まれます。

乳歯から永久歯への生え変わり時期は、こどもの顎の骨格が成長段階であることによって起こる歯並びや噛み合わせの問題が現れる時期です。中には永久歯が生えそろう前に行うことで効果的な治療もあるため、歯科医師に早期に相談できるのは大きいといえるでしょう。

安心して治療を受けられる小児歯科の選び方

喜怒哀楽の表情が描かれた木のブロック

こどもの健康な歯を守るための治療を受けられる小児歯科ですが、どのように小児歯科を選べばいいのでしょうか。順番に解説します。

小児歯科診療経験が豊富

小児歯科を選ぶ際は「小児歯科診療経験が豊富」であることを確認しましょう。

大人と違って、こどもは歯も骨格も発達段階です。また、こどもは大人に比べてじっとしていられない、または感情に左右されやすいなど、診療だけでなくコミュニケーションが重要になる面もたくさんあります。

こどもの年齢や成長に合わせた予防や治療計画が必要なことから、経験豊富な歯科医院を選ぶことが大切です。

カウンセリングが丁寧

小児歯科では、カウンセリングが丁寧であるかも大きなポイントです。

診察を受けるうえで、いかに歯科医師やスタッフがこどもを理解し、前向きに診察をすすめられるかが重要になってきます。そのため、初回はこどもの歯の状態を見てもらう以外にも、どのような性格のこどもなのか、何が好きで嫌いなのかなど、こどもの特性を一緒に見ることが大切です。

それによって、歯科医師やスタッフと、こどもや親御さんとの間のコミュニケーションが円滑になり、結果的に診察がスムーズにいくでしょう。

怖くない雰囲気や工夫がされている

こどもにとって歯科医院は未知の世界で恐怖の対象になることが多いため、口腔ケアが疎かになるケースも少なくありません。こどもがリラックスして治療を受けられるような「怖くない雰囲気」の小児歯科を選びましょう。

キッズスペースが設置されていることや暖色系の壁であること、こどもが好きなイラストやキャラクターの装飾があることなど、こどもに安心感を与える工夫がされている歯科医院がおすすめです。

また、テレビでこども向けアニメを流して診察までの時間を楽しく待てる工夫をしている小児歯科や、診療後にミニグッズがもらえたりガチャガチャができたりするなど「歯科医院に行けばいいことがある」と感じられるような工夫をしている小児歯科も多くあります。

こどもに対する歯科医師やスタッフの対応がやさしい

こどもの歯科治療は、親御さんにとってもこどもにとってもストレスになりがちです。ストレスを軽減するには、こどもが喜んで足を運べるような小児歯科を選ぶことが大切でしょう。

大前提に「怖くない」ことが挙げられます。不安なこどもに対して歯科医師やスタッフが優しく接してくれることにより、こどもの緊張もほぐれ、スムーズに診察が進むでしょう。

こどもは新しい場所や未知の経験に対して恐怖心を感じやすいため、優しく接してもらえる歯科医院が望ましいといえます。歯科医師やスタッフがこどもを怖がらせないように工夫しているか、診療の説明をこどもが理解できるように行っているかを確認しましょう。

予防歯科に力を入れている

虫歯の治療も大切ですが、なるべく虫歯にならないようにする「予防歯科」に力を入れている小児歯科はおすすめです。

歯科医院に恐怖心を抱く原因は、虫歯の治療が多いといえるでしょう。虫歯にならなければ、怖い思いをして虫歯治療をする必要はありません。どのように虫歯予防をすればいいかを丁寧に教えてくれる、また虫歯予防のための処置を施してくれる歯科医院を選びましょう。

健康な歯を維持することは、大人になってもずっと継続する必要があります。そのためには、小さいうちから「歯磨きをすることの大切さ」や「歯の適切な磨き方」などを指導してくれる歯科医院に出会うことが大切です。

まとめ

頬に手を当てている兄弟

小児歯科を初めて受診するときは、どのようなところを見て選べばよいか迷うことも多いのではないでしょうか。小児歯科診療の経験が豊富で雰囲気の明るい小児歯科を選ぶことで、こどもも怖がらずに足を運べるでしょう。

また、歯科医師やスタッフが優しいという点も大切です。積極的にこどもに声掛けをしてくれたり「頑張ったね」と褒めてくれることで、こどもにも自信がつき、歯科医院への抵抗感も減っていくでしょう。

最近では、こどもがまた歯科医院に行きたくなるような可愛いシールや消しゴムなどのグッズを用意しているところもあります。ご褒美があると、頑張れるこどもがたくさんいるのではないでしょうか。はじめはご褒美目当てでも、通院していくうちに「歯科医院は怖い場所ではなく健康な歯を維持するために行くところ」となるように親御さんがこどもに合わせてアシストしてあげましょう。

お子さんの初めての歯科医院受診を検討されている方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯周病は毎日の歯磨きで予防できる?効果的な歯磨き方法を解説

2023年7月21日
鏡を見ながら歯磨きする女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯周病とは、歯茎が腫れる・出血するなど、歯の周りが炎症を起こす病気のことです。歯周病の症状を放置すると、歯がぐらつき、最悪の場合抜け落ちるかもしれません。

今回は、毎日の歯磨きで歯周病は予防できるのかどうかについて解説します。歯ブラシ・歯磨き粉を選ぶポイントや、歯磨きの仕方もご紹介するので、歯周病にお悩みの方はぜひ参考にしてください。

歯周病は毎日の歯磨きで予防できる?

洗面台で歯磨きをする男性

歯周病は歯の周りが炎症を起こす病気のことで、進行度によって症状が異なります。最初は歯茎が腫れる歯肉炎程度ですが、歯肉炎を放置すると顎の骨にまで炎症が広がり、歯周炎になります。

歯周炎まで進行すると、慢性的に歯茎が腫れる場合が多いです。出血や冷たいものがしみるなどの症状が出ることもあります。さらに症状が悪化すると、歯を支える顎の骨が溶けて歯がぐらつき、最悪の場合歯が抜け落ちます。

歯周病になる原因は、歯磨きがしっかりできていないことです。歯の汚れ(プラーク)には多くの細菌が潜んでおり、お口の中で繁殖して歯茎の炎症を引き起こします。毎日の歯磨きがきちんとできていれば、歯周病を予防でき、歯周病の症状も改善できるのです。

しかし、歯磨きだけしていても、歯周病が治るわけではありません。プラークは、2~3日で歯ブラシでは除去できない歯石になります。

どれだけ丁寧に歯磨きをしても、歯と歯の間や歯茎の境目、歯が重なっているところなど、磨き残しはできるでしょう。毎日の歯磨きにくわえ、定期的に歯科医院でクリーニングを受けることが大切です。

歯肉炎や歯周病の初期段階であれば、毎日の丁寧な歯磨きと歯科医院でのクリーニングで症状が改善されるでしょう。進行した歯周病の場合も、しっかり歯磨きして磨き残しを減らすことで、歯茎の状態が改善されることが多いです。

歯磨きだけで歯周病を治すことはできませんが、歯周病の予防に毎日の歯磨きは欠かせません。

歯周病予防に効果的な歯ブラシ・歯磨き粉の選び方

洗面台に置かれたコップと歯ブラシ

歯周病予防には、毎日の歯磨きでの磨き残しをなくすことが重要です。歯周病予防に効果的な歯ブラシ・歯磨き粉の選び方をご紹介します。

歯ブラシの選び方

歯周病予防に効果的な歯ブラシを選ぶポイントは、以下のとおりです。

毛先の細さ

歯ブラシの毛先が細いものを選びましょう。細い歯ブラシなら、歯と歯の間や歯茎の境目もしっかりと磨ことができます。

市販のものを買う際は、毛先の細いものや「テーパード毛」と書かれている歯ブラシを選ぶとよいでしょう。

ヘッドの大きさ

ヘッドの大きい歯ブラシは、細かい部分や奥歯などが磨きづらいです。歯周病予防に使用する歯ブラシとしては適していません。

小回りのきく小さいヘッドの歯ブラシや、薄いヘッドの歯ブラシを選びましょう。

毛の硬さ

一般的な歯ブラシの硬さは、やわらかい・普通・硬いの3種類に分けられます。特に気になるお口の症状がない場合は、普通を選ぶとよいでしょう。

歯茎が赤く腫れている場合や出血がある場合、硬いものや普通のものを選ぶと、痛みや出血につながります。歯周病の症状がある場合は、歯茎を傷つけにくいやわらかい歯ブラシで歯磨きしてください。

歯磨き粉の選び方

歯周病予防に効果的な歯磨き粉を選ぶポイントは、以下のとおりです。

殺菌作用が高いものを選ぶ

殺菌作用が高い歯磨き粉を選びましょう。

歯周病の原因であるプラークは、放置するとバイオフィルムという膜に変化し、歯の表面だけでなく歯と歯の間や歯茎の境目まで入り込みます。うがいや歯磨きだけでは取り除区ことが困難になるのです。

バイオフィルムは歯周病を進行させる原因になるため、殺菌作用の高い歯磨き粉を使って歯磨きすることが欠かせません。浸透性の高い「IPMP」、殺菌成分の「CPC」が配合された歯磨き粉を選ぶとよいでしょう。

抗炎症作用や活性化作用があるものを選ぶ

歯周病になると、歯茎の腫れや出血、歯茎が下がるなどの症状があらわれます。歯周病の症状が出ている場合、それぞれの症状に合った成分が含まれた歯磨き粉を選ぶことが大切です。

・歯茎の腫れや出血:トラネキサム酸・オウバクエキス・グリチルリチン酸など

・歯茎が下がった:ビタミンE

歯周病の症状が出ている場合、抗炎症作用や歯茎の活性化が期待できる成分が配合された歯磨き粉を使用することで、症状の改善が見込めます。

また、歯周病の症状が悪化すると、歯茎の出血や膿、細菌の繁殖などが原因で、口臭がひどくなることがあります。口臭が気になる場合は、上記の成分にくわえて「LSS」「ラウロイルサルコシン」「CPC」などが入っている歯磨き粉を選ぶとよいでしょう。

研磨剤や発泡剤が少ないもの

研磨剤が入っている歯磨き粉には、歯の表面についた汚れや着色を効率的に落とすメリットがあります。

しかし、研磨剤は、歯の表面や歯茎を傷つける可能性があるため注意が必要です。歯周病の症状が出ているときに使うと、歯茎から出血するかもしれません。歯周病の予防には、研磨剤が少ないものや入っていないものを選ぶとよいでしょう。

また、歯磨き粉の泡立ちをよくする発泡剤も、少ない歯磨き粉を選んでください。歯磨き粉の際によく泡立つと効果が高いように感じますが、泡立つことで歯磨き粉の濃度が低くなったり頻回に口から吐き出すことで効果が薄くなったりする場合があります。歯磨き粉がよく泡立つので磨けたように感じ、磨き残しが多くなる方もいます。

毎日使う歯磨き粉には、研磨剤や発泡剤が少ないものを選ぶとよいでしょう。

歯周病予防に効果的な歯磨き方法

歯ブラシに歯磨き粉を絞る女性の手元

歯周病を予防するには、正しい歯磨きを行ってできる限り磨き残しを少なくすることが大切です。歯周病予防に効果的な歯磨きの方法と注意点をご紹介します。

歯磨きの注意点

歯磨きの注意点は、以下のとおりです。

・歯ブラシを濡らさない

・歯ブラシを鉛筆持ちする

・毛先が曲がらない程度の軽い力で磨く

歯磨きする際、歯ブラシを濡らしてから歯磨き粉をつける方が多いでしょう。

しかし、歯ブラシを水に濡らしてから歯磨き粉をつけると、歯磨き粉の成分が薄まります。歯ブラシが乾いた状態で歯磨き粉をつけて磨くことで、歯磨き粉の効果を最大限に発揮できるのです。

歯ブラシの持ち方や力加減も大切です。歯ブラシをグーで握って歯磨きすると、歯ブラシの毛先が曲がるほど力がかかります。毛先が曲がると磨けない部分が生じるので、磨き残しができやすいです。力のかかりすぎを防ぐためには、歯ブラシを鉛筆持ちするように握りましょう。

効果的な歯磨きの方法

歯周病予防に効果的な歯磨きの方法は、以下のとおりです。

・歯の表面:直角に歯ブラシを当てて磨く

・歯と歯の間:横向きだけでなく縦向きでも磨く

・歯と歯茎の境目:45度の角度で歯ブラシを当て、歯ブラシの毛先が入るように磨く

できる限り磨き残しをなくすには、磨きたい場所によって歯磨きの仕方を変えることが大切です。

歯の表面を磨く場合、歯ブラシを直角に当てて磨いてください。1本の歯に対して10~20回ほど左右に動かして、小刻みに磨きましょう。歯の表面に円を描くように、ぐるぐる磨くのも効果的です。

歯ブラシが入りづらい歯と歯の間は、磨き残しができやすいため注意が必要です。歯ブラシを横向き・縦向きにして磨くことで、磨き残しを少なくできるでしょう。

歯周病予防にとって大切なのは、歯と歯茎の境目の歯周ポケットをきれいに磨くことです。歯周ポケットに対して45度に歯ブラシを当て、歯ブラシの毛先が軽く入るように磨きましょう。力を入れて磨くと歯茎が下がる原因になるので、軽い力で磨いてください。

補助用具を使用する

磨きづらい歯と歯の間や奥歯、歯が重なっている部分などは、歯ブラシだけはきれいに磨けません。以下の補助道具を使うとよいでしょう。

・歯と歯の間:歯間ブラシ・デンタルフロス

・奥歯や歯と歯が重なっている部分:タフトブラシ

歯と歯の間を磨く用具には、歯間ブラシとデンタルフロスがあります。

歯間ブラシは、針金に毛が付いた小さなブラシのことで、すき間の大きさによってさまざまなサイズがあります。デンタルフロスは、歯と歯の間に糸を通して歯の側面を磨くものです。持ち手があるホルダータイプと、指に糸を巻いて使うロールタイプがあります。

歯と歯の間のすき間が大きい場合は歯間ブラシ、すき間が小さい場合はデンタルフロスを使いましょう。すき間が小さいところに歯間ブラシを無理やり入れると、歯茎を傷める原因になるので注意が必要です。

タフトブラシは、毛束が少ない歯ブラシです。奥歯の裏側や歯と歯が重なっている部分など、磨きにくい部分に当てやすいことが特徴でしょう。

丁寧に歯磨きしても磨き残しは生じるので、歯ブラシだけでなく補助用具を併用して歯磨きしてください。

まとめ

歯ブラシと歯科用器具と歯科模型

歯磨きだけでは歯周病を治すことはできませんが、歯周病の予防や症状の改善は可能です。毎日の歯磨きでの磨き残しをできる限りなくしましょう。

毎日歯磨きしていても、歯周病予防に効果的な歯磨き粉を選べていない場合や正しく歯磨きができていない場合は効果がないかもしれません。ご自身に合った歯ブラシや歯磨き粉が分からない方や、歯周病予防に効果的な歯磨きの仕方を知りたい方は、歯科医院を受診しましょう。

歯周病の治療では、毎日の歯磨きだけでなく定期的なクリーニングが欠かせません。

歯周病でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯周病による口のにおいが気になる!口臭の特徴と対策方法!

2023年6月26日
口臭のする男性と手で鼻を塞ぐ女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「朝起きたときに口がにおう気がする」「家族や友人に口臭を指摘された」などの経験をして口臭を改善したいとお悩みの方はいらっしゃいませんか。

口臭が強くなる原因のひとつに「歯周病」があげられます。歯周病は自覚症状が少なく、気がつきにくい疾患といわれています。検査してみたら口臭の原因が歯周病だったケースも少なくありません。

今回は、歯周病の概要や歯周病が原因で起こる口臭の特徴と対策方法を解説します。口臭の原因が歯周病かもしれないと心当たりのある方は、ぜひ参考にしてください。

歯周病とは

歯周病のチェックをしている男性

歯周病は、歯周病菌によって歯茎や顎の骨などの歯を支える周辺組織が細菌感染を起こしている状態です。病状が進行すると、支えとなるあごの骨(歯槽骨)が溶けてしまうので、最終的に歯が抜け落ちてしまいます。

歯を失う最大の原因は歯周病といわれていて、45歳以上の約半数が罹患している身近な疾患です。歯周病の原因は、歯の表面に残るプラーク(歯垢)です。

プラークは細菌の塊で、プラーク1mgあたり約10億個以上の細菌が生息しています。プラークは粘着性が強いため、うがいで落とすことができません。歯周病を予防するためには、歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどを使用してプラークを除去することが必要不可欠です。

歯周病は自覚症状が出たときには病状が進行しているケースが多いため、日頃から罹患しないように努めることがポイントといえるでしょう。

歯周病の症状

歯周病のチェックをしている女性

歯周病に罹患すると、歯周病菌が出す毒素の影響で歯茎が炎症を起こし、さまざまな症状があらわれます。先述したように、病状が進行すると歯を支えているあごの骨(歯槽骨)が溶けてしまうので、最終的に歯は抜け落ちてしまうのです。

歯周病は初期の段階では自覚症状が少なく、気がついていても放置してしまう場合が多いでしょう。以下のような症状がある場合は、歯周病の可能性があります。

・起床時に口のなかにネバつきがある

・歯磨きの際に出血する

・口臭がある

・歯茎が赤い

・歯茎が腫れる

・歯と歯の間にすき間ができている

・冷たいものがしみる

・歯が揺れる

・歯茎から膿がでる

上記の症状がある場合は、歯科医院を受診して検査を受けましょう。早めに対処すれば、歯周病の進行を止めることが可能です。

歯周病による口臭の特徴

口に手をあてて口臭を確認している

歯周病の症状のひとつに、口臭があげられます。

歯周病によって口臭が発生する原因は、歯周病菌が作り出すガスです。歯の表面に残る食べカスなどを栄養源に歯周病菌は増殖しますが、増殖の過程で「メチルカプタン」や「硫化水素」などのガスを作り出します。メチルカプタンは玉ねぎが腐ったようなにおい、硫化水素は卵が腐ったようなにおいと表現されることが多いです。

歯周病が進行すると、歯と歯茎との間に歯周ポケットとよばれるすき間が生じます。歯周ポケットのなかは酸素が届きにくいため、酸素が少ない環境を好む歯周病菌の活動が活性化するでしょう。結果として、歯周病菌が増殖して多くのメチルカプタンや硫化水素が作り出されるため、口臭が強くなり歯周病も進行する悪循環が起こる可能性が高いです。

また、重度の歯周病になると歯茎から出血や膿がでるようになり、口臭がさらに強くなります。

歯周病による口臭の対策方法

歯周病が原因で口臭があるケースでは、歯周病の進行を止めることが必要です。歯科医院での歯周病治療と、自宅でのセルフケアをしっかり行えば歯周病による口臭は改善されるでしょう。

以下、歯科医院で行う歯周病治療と自宅で行うセルフケアの方法をご紹介します。

歯科医院で行う歯周病の口臭対策

歯周病による口臭は、先述したとおり歯周病の進行を止めることで改善が期待できます。歯科医院で行う歯周病の治療は、大きく分けて以下の2つです。

・歯石を除去する

・ブラッシング指導をうける

以下、それぞれ解説します。

歯石を除去する

歯の表面や歯周ポケットのなかに歯石が付着している場合、歯石を取り除く必要があります。歯石自体に細菌は存在しませんが、歯石の表面は粗造なのでプラークが付着する足場となり、歯周病の進行を促進させるのです。

しかし、歯石は硬く、歯ブラシで取り除くことができません。歯科医院で「スケーリング」とよばれる専用の器具で歯石を取り除く治療を受ける必要があります。

スケーリングで歯石を取り除くとプラークが付きにくい環境に改善されるので、結果として歯周病の改善に繋がります。

ブラッシング指導をうける

歯科医院で歯石をきれいに取り除いてもらっても、ご自宅でのブラッシングが不十分だと、再び歯石がついてしまいます。

歯科医院では、虫歯・歯周病予防のため、歯科医師や歯科衛生士がブラッシング方法を指導します。歯ブラシの基本的なあて方はもちろん、一人ひとりの歯並びに合った適切な磨き方を知ることで、効率よく汚れを落とすことができるでしょう。

ご自身で磨きにくい場所がある場合やどのような歯ブラシやケアグッズを使用すべきなのか疑問がある場合は、積極的に質問するのがよいでしょう。歯科医院では、歯並びや手先の器用さなども考慮したうえで、適切なアドバイスを受けることが可能です。

自宅で行う歯周病の口臭対策

ドミノが倒れるのを手で防いでいる

歯周病の進行を止めるには、歯科医院での治療のほかに、自宅で行うセルフケアがポイントです。ご自宅でできる歯周病の予防・改善方法は、大きく分けて以下の2つです。

・毎日ブラッシングをする

・補助清掃用具を使用する

以下、それぞれ解説します。

毎日ブラッシングをする

歯周病の原因は、歯の表面に残るプラークです。歯周病を予防するためには、毎日しっかりブラッシングを行ってプラークを取り除くことがポイントです。

プラークを蓄積させないためには、正しいブラッシング方法で歯ブラシをすることはもちろん、歯ブラシの回数や時間も意識する必要があるでしょう。

しっかり歯ブラシが届いていても、ブラッシング時間や回数が不十分だと、プラークを落としきれずに口内に残ってしまいます。特に、唾液の分泌が減少する就寝前のブラッシングは必ず行うように心がけてください。

補助清掃用具を使用する

口のなかの汚れは、歯ブラシだけで清掃した場合60%しか落とすことができません。歯と歯の間や歯並びが悪い部分は、歯ブラシだけでは磨き残しができてしまいます。

歯ブラシだけで清掃が難しい部分は、デンタルフロスや糸ようじ・歯間ブラシ・ワンタフトブラシなどの補助清掃用具を使用しましょう。隅ずみまでプラークを取り除くことが可能で、歯と歯の間の汚れを効果的に取り除くことができます。

注意点として、歯と歯の間のすき間の状態によってデンタルフロスか歯間ブラシか適切な方を選択する必要があります。どちらを選択すべきなのか、サイズはどのくらいが適切なのかわからない場合は、歯科医院でブラッシング指導を受けると適切なケアグッズを案内してもらえるでしょう。

まとめ

ポイントを指さす女性

口臭の原因のひとつに、歯周病があげられます。

歯周病に罹患すると、歯周病菌の働きによって「メチルカプタン」や「硫化水素」などのガスが発生します。メチルカプタンや硫化水素は玉ねぎやタマゴが腐ったような強いにおいを発生させるため、歯周病に罹患している方は口臭が強くなる傾向にあります。口臭を改善するためには、歯周病の進行を止めて口内の環境を整えることがポイントです。

歯周病の原因は、プラーク(歯垢)です。プラークは、毎日のブラッシングで取り除く必要があります。正しいブラッシング方法はもちろん、歯ブラシの時間や回数も意識して、プラークが蓄積しないように心がけることが大切です。

ただし、セルフケアだけでは十分にケアできない可能性があるので、歯科医院を定期的に受診してチェックしてもらうのがよいでしょう。

歯周病による口のにおいでお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

自分でできる歯周病の治し方はある?悪化させないためにできること

2023年6月12日
顎を抑えて歯の痛みに耐える女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯周病は、虫歯と並んで「歯科の二大疾患」とよばれるほど発症率が高い身近な病気です。歯の痛みで気づくことが多い虫歯とは対照的に、歯周病は進行中も痛みがなく、自分では気づきにくいとされています。歯科医院の定期検診で初めて気づく方も多いです。歯周病が悪化すると、最悪の場合、歯を失うこともあります。少しでも長く自分の歯で食事をするために、歯周病は避けるべき病気です。

今回は、歯周病を自分で治すことはできるのか、歯周病を予防し悪化させないためにはどうしたらいいのかを解説します。

歯周病とは

上を見ながら悩む白い服を着たカップル

歯周病とは、歯の周囲に歯垢などが付着し、菌が増殖して歯茎や骨を破壊する歯の病気です。

歯に歯垢が付着すると口内に菌が増殖しやすくなり、歯周病に発展することがあります。歯周病が進行すると、細菌の毒素によって歯を支える土台の歯槽骨が徐々に溶かされ、最悪の場合歯が抜けることもあります。

歯周病の進行は、痛みなどの自覚症状がないためセルフチェックが難しく、歯科医院で診てもらわないとなかなか気づけません。歯が抜けることを防ぐために、歯科医院で定期的な歯の診察を受けましょう。

歯周病の原因

積み木に書かれた虫眼鏡を組み立てる

歯周病を防ぐには、歯周病の原因を知り、対策することが大切です。歯周病の原因を確認しましょう。

磨き残し

歯周病になる原因は、歯磨きが不十分なことが考えられます。

磨き残しがあると、歯と歯茎の間に歯垢が蓄積し、徐々に歯石になります。歯石は歯磨きでは取れないため、歯科医院で除去しないといけません。歯石ができると歯石周辺で細菌が繁殖し、歯周病の原因となります。ふだんの歯磨きを丁寧に行い、汚れを残さないことが大切です。

歯石の周りに付着した菌の影響

歯石の周りに付着した菌は繁殖力が強く、徐々に細菌が増えます。口内が細菌に侵され、歯周病を引き起こすでしょう。

細菌が繁殖すると、歯茎が弱まる、骨が溶けるなどの症状もあらわれます。歯を失うこともあるため、歯石は放置せず見つけたらすぐに歯科医院で除去してもらいましょう。

歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりで歯に過剰に力が加わると、骨に負担がかかり、歯周病や顎関節症などを引き起こす恐れがあります。

就寝時はマウスピースを使用するなど、必要以上に歯に負担をかけないようにしましょう。

歯周病は自分で治せるのか?

鏡を見て自分の歯を確認する女性

磨き残しなどが蓄積されて発症する歯周病は、自分で治せるのでしょうか。「歯科医院に行かずに治せたら」と思う方も多いでしょう。ここからは、歯周病は自分で治せるのかどうか、詳しく解説します。

歯周病は自分で治せない

歯周病は、残念ながら自分で治すことは難しく、歯科医院での治療が必要です。

市販されている歯磨き粉などは、あくまで歯周病を予防するもので、歯周病の原因となる細菌を抹消するものではありません。歯周病を発症すると、自力では取れない歯石や歯茎の炎症など、さまざまなトラブルが発生します。専用の器具での除去が必要な歯石や、治療が必要な歯茎の炎症は、自分では対処できません。

症状には個人差もあるため、自力でどうにかしようと考えず、虫歯と同様に異変を感じたらすぐに歯科医院を受診しましょう。

歯周病はコントロールできる

歯周病は自分では治せませんが、進行スピードをコントロールすることは可能です。

進行スピードをコントロールするうえで大切なのは、日々のセルフケアで歯周病菌を減らすことです。歯周病の原因となる歯垢を残さないよう意識しましょう。就寝時や起床時、食後に丁寧な歯磨きを行い、歯垢の原因をなくすことで、歯周病に繋がるきっかけを断つことができるでしょう。

歯周病を悪化させないために自宅でできること

歯磨きをする女の子と母親

歯周病を少しでも悪化させないためにはどうしたらよいのか、自宅でできるセルフケアはないのか、疑問に思った方もいるのではないでしょうか。

自宅でできるセルフケアは、以下のとおりです。

丁寧に歯を磨く

もっとも力を入れるべきことは、ふだんの歯磨きです。

歯ブラシは毛先が広がっていない清潔なものを使用し、デンタルフロスや歯間ブラシも併用しましょう。また、歯のすき間の汚れを除去することも大切です。奥歯にはスポット用の小回りの利く歯ブラシを使用し、噛み合わせ部分から細かい部分までしっかり念入りに磨きましょう。

免疫力を上げる

歯周病を悪化させないためには、免疫力を上げることも大切です。早寝早起きやバランスのよい食事を摂りましょう。

歯周病と免疫力は一見関係ないように思えるかもしれませんが、免疫力が落ちているときは風邪をひきやすくなるように、免疫力は体全体の健康に大きく影響します。なるべくストレスをため込まないように生活することが大切です。

禁煙する

喫煙者は歯周病になりやすく、症状が悪化しやすいといわれています。また、歯周病にかかると治りにくいことも特徴です。体内に吸収されるたばこの有害物質によって血管が収縮し、血液循環が悪くなるためです。

喫煙すると血液量が減少し、歯茎に十分な酸素が行きわたりません。細菌が繁殖しやすくなり、歯を支える骨を溶かすなど悪化の一途をたどります。健康な歯を維持するためには、禁煙しましょう。

歯周病にならないための予防が重要!

歯ブラシを持って患者に歯磨き指導をする女性医師

歯周病にならないためには、日頃の予防が欠かせません。主な予防法は、以下のとおりです。

毎日の歯磨きの徹底

毎日の歯磨きは、丁寧にしっかり行いましょう。

不十分な歯磨きは歯周病の原因の一つであるため、歯磨きは非常に大切です。毎食後に丁寧に歯を磨くことで、歯石が歯に付着することを防げます。時間がないときは、水やうがい薬などでうがいするだけでもある程度の汚れは落とすことができます。

歯科医院での定期的なメンテナンス

歯周病を防ぐためには、歯科医院で定期的にメンテナンスを受けることが効果的です。

歯科医院では、歯周病はもちろん、虫歯などの早期発見にも繋がり、磨き残しの確認もしてくれます。さらに、歯科医師や歯科衛生士から歯磨きやふだんの生活の指導を受けることで歯磨きのスキルも向上するため、歯周病や虫歯予防に効果を発揮するでしょう。

生活習慣の見直し

歯周病を予防するには、免疫力が重要です。

免疫力を上げるために、規則正しい生活を送りましょう。栄養バランスのよい食事を心がけ、過度なアルコールの摂取は控えてください。また、十分に睡眠時間を確保し、早寝早起きをするなど規則正しい生活を送ることが望ましいです。

まとめ

唇をめくって歯を見せる若い女性

歯周病は、実は身近で怖い病気ですが、毎日の丁寧な歯磨きと歯科医院での定期的なメンテナンスによって、健康な歯を維持することが可能です。特に、歯科医院での早期発見が歯周病の重症化を防ぎます。定期的な受診はもちろん、口腔内に何か違和感があれば、必ず歯科医院を受診しましょう。

磨き残しなどのチェックを実施し、歯磨き指導を行ってくれる歯科医院もあります。自分の歯並びや磨き方の癖を把握し、日々の歯磨きでできるだけ歯垢を残さずきれいに磨けるようになることが、歯周病にならない一番の方法といえるでしょう。少しでも長く自分の歯でしっかりと食事ができるように、毎日の歯磨きを丁寧に行い、きれいな歯を維持し続けましょう。

歯周病でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。