Tag Archives: 歯磨き

乳歯が生えてきたときの歯磨きはどうするの?

2024年7月17日
乳歯が生えてきたときの歯磨きはどうするの?

みなさまこんにちは!

大阪府八尾市に60年にわたり、地域に根ざす歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

当院では、患者さまが抱える歯科に関する疑問や不安に真摯に向き合い、解消できるよう心がけています。歯科医師やスタッフとのコミュニケーションが不足しがちな中、このブログを通じて患者さまと対話し、理解を深める場を提供したいと考えています。

日常生活での歯のお手入れや健康に関する知識は、ご自身の歯の状態を理解し、適切なケアを行う上で非常に重要です。

このブログでは歯に関する基本的な情報から、診療に関する細かい疑問まで、様々なトピックを取り上げています。

患者さまがより良い歯科ケアの選択ができるよう、専門的な情報を分かりやすくお届けしています。

ご質問や疑問がございましたらお気軽にお寄せいただき、私たちが提供する情報を通じて患者様の歯科に関する理解が深まることを願っています。お困りの際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

こちらでお手伝いさせていただきます。よろしくお願いいたします!

「乳歯が生えてきたときの歯磨きはどうするの?」の質問に全力回答!

今回は、「乳歯が生えてきたときの歯磨きはどうするの?」などの質問に対して全力でお答えしていきます!

乳歯とは、どのような歯ですか?

乳歯とは、人間の赤ちゃんの時期に生えてくる歯のことです。全部で20本あり、永久歯に生え変わるまでの間、食べ物を噛んだり、言葉を話す練習をするために使われます。

乳歯が生え始める時期や順番には個人差がありますが、一般的には生後6か月頃から下の前歯から生え始め、2歳半頃までに全て生え揃います。

乳歯の特徴は?

本数 : 全部で20本(上の歯10本、下の歯10本)

大きさ : 永久歯よりも小さく、根も短い

色 : 永久歯よりも白っぽく、エナメル質が薄い

役割 : 食べ物を噛む、言葉を話す練習をする、永久歯が生えるスペースを確保する

乳歯は永久歯に比べて虫歯になりやすいので、歯が生え始めたら歯磨きを始めることが大切です。また、定期的に歯科検診を受け、虫歯の早期発見・早期治療に努めましょう。

乳歯の生える順番は?

乳歯の生える順番は?

一般的に歯は下の順番で生えてきます。合計で20本の順番をまとめてみました。

 

  1. ①下の前歯2本(乳中切歯)
  2. ②上の前歯2本(乳中切歯)
  3. ③前歯の脇の2本、上下合わせて4本(乳側切歯)
  4. ④最初の奥歯が上下左右合わせて4本(第1乳臼歯)
  5. ⑤前歯と奥歯の間の歯が上下左右合わせて4本(乳犬歯)
  6. ⑥奥歯が上下左右にもう1本ずつ、合わせて4本(第2乳臼歯)

 

生後6〜9ヵ月ごろから生えはじめて、3歳ごろまでには⑥まで生え揃うのが一般的です。
もちろん個人差があるため、1年程度遅れる子もいます。
1歳をすぎても1本も生えてこない場合は小児歯科医に相談した方がいいですが、あまり気にしすぎないで見守りましょう。

乳歯が生えてきた時の歯磨きは?

乳歯が生えてきた時の歯磨きは?

まずはガーゼ磨きから!

赤ちゃんの下の前歯が2本生えたら、まずは歯磨きシートやガーゼでの歯磨きを始めましょう。

  1. 1.お母さんの膝の上に赤ちゃんを寝かせます。
  2. 2.ガーゼを指に巻き、ぬるま湯や水で濡らします。
  3. 3.赤ちゃんの歯を優しく拭き取ります。

この時期は間食も少なく、よだれ(=唾液)の自浄作用で十分お口を清潔に保っているので、ゴシゴシみがくというよりも、ガーゼで歯の表面を摘んで優しく拭いてあげるだけでも十分綺麗になります。

赤ちゃんの歯磨きは1日何回?

ガーゼ磨きは、1日5〜6回が理想的とされています。食事の回数に合わせて、授乳後や離乳食後に毎回行うのが望ましいです。しかし、1日5〜6回が難しい場合は、夜寝る前に丁寧にケアするだけでも十分です。その他の食後には、簡単に拭き取る程度で問題ありません。また、赤ちゃんに安全な歯ブラシを持たせたり、親が楽しそうに歯磨きする姿を見せることで、赤ちゃんも口のケアに興味を持つようになります。こうして興味を持たせることで、ガーゼ磨きから歯ブラシ磨きへの移行がスムーズに進みます。

歯ブラシに移行してからの歯磨きは?

赤ちゃんの歯ブラシを使い始める時期は、ガーゼ磨きに慣れてきた頃や前歯が半分以上生えた頃が適しています。最初は丁寧に、軽く歯ブラシを口に含ませる程度で十分です。奥歯が生えてくる頃には、1本あたり5秒程度歯ブラシを当てることを目指しましょう。

軽い力で手早くみがく

利き手に歯ブラシを持ち、反対の手で赤ちゃんの唇を支えながら磨きます。歯ブラシは、歯1〜2本に対して横に小刻みに動かし、前歯の表側だけでなく裏側も丁寧に磨きましょう。力を入れすぎると赤ちゃんが嫌がる原因になるので、軽い力で磨くことが大切です。ただし、力が弱すぎて汚れが残らないように、毛先が歯と歯の間に入る程度の軽い力で、歯の付け根もしっかり磨いてください。また、長時間かけすぎると赤ちゃんが嫌がるので、手早く磨くようにしましょう。

軽い力で手早くみがく

上唇小帯(じょうしんしょうたい)に歯ブラシを当てない

上の歯を磨く際は、「上唇小帯」(上唇の裏側と歯ぐきの間にあるスジ)に歯ブラシが当たらないよう注意しましょう。この部分に歯ブラシが当たると、痛みを感じて歯磨きを嫌がる子もいます。上唇に指を添えて少し持ち上げ、上唇小帯を保護しながら丁寧に磨くと良いです。

赤ちゃんに歯磨きに慣れてもらうには?

歯みがきの姿勢に慣れる

歯みがきの姿勢に慣れる

お母さんが歯ブラシを持つ前に、まずは赤ちゃんが歯磨きの姿勢に慣れることが大切です。赤ちゃんをゴロンと寝かせて、お母さんが上から覗き込むようにしましょう。この姿勢は口の中がよく見え、歯の汚れを取りやすく、赤ちゃんの頭も安定して安全です。お母さんと手遊びなどをしながら、楽しく慣れさせていくと良いでしょう。なお、向かい合わせの姿勢は、赤ちゃんの頭が動いて危険なうえ、口の中が見えにくく磨き残しが出やすいので避けましょう。

口の周りに触れられることに慣れる

口の周りに触れられることに慣れる

赤ちゃんと手遊びをしながら、口の周りを軽く触れて少しずつ慣れさせていきましょう。こうすることで、赤ちゃんが口の周りを触られることに抵抗を持たなくなります。優しくチョンチョンと触ることで、自然に慣れさせることができます。

歯ブラシに慣れる

次はいよいよ、歯ブラシを口に入れる練習です。最初は軽く歯に歯ブラシを当てるなどして、少しずつ歯ブラシの感触に慣れさせましょう。歯にチョンチョンと当てる程度から始めると、赤ちゃんも抵抗なく受け入れやすいです。

乳歯にフッ素塗布はしたほうがいいの?

フッ素塗布は、子供の頃から行うことで虫歯に強い歯を育てることができます。以下に、フッ素塗布を始める時期と継続する期間について詳しく説明します。ぜひ参考にしてください!フッ素塗布は、1歳半頃から始めるのが理想です。この時期には乳歯が上下4本ずつ生え揃い、フッ素を塗布するのに適しています。その後、定期的に3〜6ヶ月ごとに塗布を続けることが推奨されます。特に乳歯の奥歯が生え始める2歳半頃には、フッ素塗布を積極的に行うと良いでしょう。永久歯が生え揃う14〜15歳頃まで継続的にフッ素塗布を行うことで、虫歯予防効果が高まります。

お子さまは歯質が弱いのでフッ素塗布が効果的

乳歯は、大人の歯(永久歯)に比べて柔らかく、表面のエナメル質も半分ほどの厚みしかありません。このため、虫歯になると進行が早く、神経に達するのも速くなります。「永久歯が生えるから、乳歯の虫歯は問題ない」と考えるのは危険な考えです!乳歯が虫歯で失われると、そのスペースに他の歯が移動してしまい、歯並びが悪くなります。また、虫歯菌が増えると永久歯も虫歯になりやすくなります。子供の時期は、大人以上に虫歯予防に力を入れることが、健康な永久歯を育てる秘訣です。歯科医院が推奨する虫歯予防策として「フッ素塗布」があります。フッ素は、自然界に存在するミネラルで、食品や飲料にも含まれています。フッ素は、エナメル質を再石灰化し、歯の質を強化し、虫歯菌を弱める効果があるため、非常に効果的です。特に生えたばかりの子供の歯は柔らかく、フッ素を効率よく取り込めるので、幼少期からのフッ素塗布が勧められます。歯科医院では、高濃度のフッ素を使用して、より効果的に歯を強化します。フッ素塗布は、1歳半頃から始め、15歳頃まで定期的に行うことが理想です。1歳〜1歳半の時期には、乳歯の前歯が上下4本ずつ生え揃うため、このタイミングで初めてのフッ素塗布を行いましょう。子供が歯医者に嫌がらないように、少しずつ慣れさせることが大切です。フッ素は、繰り返し塗布することで効果が高まります。初回の塗布後は、3ヶ月〜6ヶ月ごとに定期的に行うと良いでしょう。特に虫歯になりやすい乳歯の奥歯が生えた後(2歳半頃)は積極的にフッ素塗布を行い、必要に応じてレジンで溝を埋めるシーラント処置も効果的です。そして、永久歯が生え揃う14歳〜15歳頃まで、定期的なフッ素塗布を続けましょう。生え始めの永久歯もフッ素をよく取り込むため、虫歯予防効果が高いです。永久歯は一生使う大切な歯なので、早い段階からしっかりと虫歯予防を行いましょう。フッ素が歯にもたらす効果に関しては、当院のブログで紹介しております「フッ素の塗布は何のためですか?をご覧ください!

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は、乳歯が生えてきたときの歯磨きはどうするの?の質問にお答えさせていただきました!歯が1本でも生えたら赤ちゃん用歯ブラシで歯みがきして、早めに歯ブラシの感触に慣れさせて、習慣づけることが大切です。

お子さまの歯が生え揃ったら、歯並びのことを気にされる方も出てこられると思います。

もりかわ歯科ではマウスピース矯正にも力を入れています。矯正に少しでも興味のある方はお気軽にご相談ください。
矯正無料相談
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大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科では日々の診療で患者さまとの対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を行っております。

歯に関する心配事がございましたらいつでも大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科へお越しください。

 

歯列矯正をお考えの方も当院では矯正無料相談を実施していますので、お気軽にお問い合わせください。

詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページをご覧ください。

 

歯と唾液の関係って?

2024年7月10日
歯と唾液の関係って?

みなさまこんにちは!

大阪府八尾市で60年以上の歴史を持つ、地域に根ざした歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」です。患者様一人ひとりの不安や疑問に寄り添い、丁寧な説明と質の高い治療を提供することで、皆様の口腔内健康を守ります。

当院では、患者様とのコミュニケーション不足という課題を解消するため、このブログを立ち上げました。 ブログを通じて、歯科に関する様々な情報を発信し、患者様との理解を深めていきます。ブログでは、歯に関する基本知識から、治療に関する疑問まで、幅広いトピックを取り扱っています。 専門的な情報も、分かりやすく丁寧な言葉で説明しているので、どなたでも安心して読むことができます。また、ご質問やご意見も受け付けておりますので、お気軽にお寄せください。 患者様からいただいたご意見は、ブログ記事の改善や、より良い歯科治療の提供に活かしていきます。八尾市で歯医者をお探しの方は、ぜひもりかわ歯科へご相談ください。 経験豊富な歯科医師とスタッフが、皆様の歯の健康をサポートいたします。

「歯と唾液の関係って?」の質問に全力回答!

今回は、「歯磨きは1日に何回してもいいの?」などの質問に対して全力でお答えしていきます!

唾液は歯に対してどんな効果があるのですか?

唾液は歯に対してどんな効果があるのですか?

唾液には大きく分けて5つの機能があります。

①消化作用

唾液に含まれる「アミラーゼ」という消化酵素が、お米やパンなどに含まれるデンプン質を糖に変え、体内に吸収しやすくします。これにより、胃での消化が助けられます。

②粘膜保護作用

唾液に含まれる「ムチン」という粘り気のあるタンパク質は、口の中の粘膜を保護する役割を担っています。硬いフランスパンやクッキーを食べても口の中が傷つきにくいのは、ムチンのおかげです。また、ムチンは食べ物を飲み込みやすい塊にする「食塊形成作用」も持っています。水分だけでは食べ物がまとまりにくく、慌てて飲み込むと、むせてしまうことがありますよね。ムチンがしっかりと働くと、食べ物がまとまりやすくなり、誤嚥を防いでくれるのです。

③粘膜修復作用

唾液には、傷を治す上皮成長因子(EGF)や脳神経の老化を防止する神経成長因子(NGF)などが含まれています。EGFはその作用からアンチエイジング効果があるとして化粧品にも使われており、動物が傷口をなめるのは抗菌作用に加え、組織修復を促進するためと考えられています。NGFは神経の分化や維持に関与しており、海外の研究ではアルツハイマー型認知症の治療への応用も進められています。

④抗菌作用

お口は空気や食べ物の入り口であり、常に外界の雑菌にさらされています。このため、唾液には細菌の増殖を抑える「抗菌作用」があります。この作用が十分に働かないと、虫歯や歯周病にかかりやすくなり、さらには口からの細菌感染により風邪をひいたり、気管支炎や肺炎を引き起こすこともあります。

⑤再石灰化作用

唾液には、虫歯菌により溶けかけた歯を修復し、強化する能力があります。唾液中にはカルシウムやリンが豊富に含まれており、これらの成分が弱った歯の部分を再石灰化させます。

唾液が出なくなってしまったら一体どうなってしまうの?

唾液の分泌量が減ることで起こるドライマウス

唾液の分泌量が減ることで起こるドライマウス

ドライマウスは、様々な要因によって唾液の分泌量が減少し、口の中が乾燥する状態を指します。糖尿病や腎不全といった病気が原因となることもあれば、ストレスや筋力低下、薬の副作用によって引き起こされることもあります。例えば、更年期障害の不定愁訴で抗うつ剤を服用し、その副作用でドライマウスになり、唾液が出ないことにストレスを感じてさらに症状が悪化することもあります。このように、複数の要因が複雑に絡み合ってドライマウスが発症するケースも少なくありません。

ドライマウスへの対処法

口の渇きという症状は同じでも、ドライマウスの原因は人それぞれです。

まずは、ドライマウスの根本的な原因を特定し、適切な治療を行うことが最善の対処法です。自己判断せず、歯科医院に相談して症状を伝えましょう。ストレス、アルコールの過剰摂取、カフェインや塩分の摂りすぎが原因の場合は、生活習慣の見直しから始めましょう。

乾燥が原因の場合は、マスクの着用や加湿器の使用が効果的です。こまめな水分補給や、ガム・飴を舐めることで唾液の分泌を促すことも、症状の緩和に繋がります。

ドライマウスは虫歯・歯周病のリスクを高めます

唾液の分泌量が減り、口の中が乾燥するドライマウス。唾液の減少は、虫歯や歯周病のリスクを高めることを覚えておきましょう。唾液には、口の中の歯垢や細菌を洗い流す役割があります。しかし、ドライマウスによって唾液が減ると、口の中の汚れが除去されにくくなり、細菌が増殖して虫歯や歯周病になりやすくなるのです。虫歯・歯周病予防のためにも、ドライマウスの症状が続く場合は、歯科医院を受診しましょう。

ドライマウスは虫歯・歯周病のリスクを高めます

唾液が出にくくなる原因は?

①薬の副作用

睡眠薬、精神安定薬(抗不安薬)、抗うつ薬(SSRI)、抗アレルギー薬(抗ヒスタミン剤など)、風邪薬(消炎酵素剤など)、花粉症の薬などは口の乾燥を引き起こします。また、胃酸を抑える胃薬、頻尿を抑える抗コリン薬、降圧剤、骨粗鬆症の薬、抗がん剤や免疫抑制剤にもドライマウスを引き起こすものがあります。ただし、自己判断で治療薬を中断しないでください。病気の治療が優先されるべき場合が多いため、必ず主治医と相談し、薬の減量や変更について助言を受けましょう。

②ストレス

ストレスを感じると口や喉が乾きます。人前で話す際に水差しが用意されるのはこのためです。唾液を分泌する唾液腺は「自律神経」によって制御されています。緊張すると交感神経が優位になり、サラサラした唾液の分泌が抑制され、ネバネバした唾液が少量しか分泌されなくなります。その結果、口の中が粘つき、喉の渇きを感じます。

③筋力低下と老化

老化も唾液分泌の低下を引き起こします。「最近、口の中が乾くなぁ」と感じ、カバンに飴玉を入れている方も多いでしょう。老化による唾液の減少は、唾液腺自体の萎縮ではなく、唾液腺周囲の筋肉の筋力低下が原因とされています。しっかり噛んで食べることで筋力低下を予防し、唾液分泌を促すことが可能です。また、就寝時に筋力が低下した舌が重力で喉のほうに下がると、舌が気道をふさぎ口呼吸となり、口腔乾燥を引き起こすことがあります。

唾液を増やすためのポイントは?

唾液は、ストレス、口呼吸、脱水などにより分泌が減少することがあります。唾液の分泌が減少すると、口の中が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなります。その結果、虫歯が発生しやすくなり、口臭が発生したり、風邪をひきやすくなったりします。しかし、日常のちょっとした意識で唾液の分泌量を増やすことができます。

唾液の分泌を増やす5つのポイント 

①よく噛んで食べる

唾液は、ストレス、口呼吸、脱水などにより分泌が減少することがあります。唾液の分泌が減少すると、口の中が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなります。その結果、虫歯が発生しやすくなり、口臭が発生したり、風邪をひきやすくなったりします。しかし、日常のちょっとした意識で唾液の分泌量を増やすことができます。

 

②こまめに水分を補給する

唾液を生成するためには水分が必要です。水分補給の際は、カフェインを含むコーヒーや紅茶ではなく、麦茶や水をおすすめします。

③鼻呼吸を心がける

口呼吸は口の乾燥を招きやすいです。口を閉じて鼻で呼吸する「鼻呼吸」を心がけましょう。特にマスク着用時は口呼吸になりやすいので、鼻呼吸を意識することが重要です。

④舌を動かす

舌を動かすことで唾液腺が刺激され、唾液の分泌が促進されます。特別な運動をする必要はなく、口を閉じて舌を上下に動かすだけでも唾液が分泌されるのを実感できるでしょう。

⑤ 唾液腺をマッサージする

唾液腺に刺激を与えるマッサージを行うと、唾液の分泌が促進されます。

唾液はどこから分泌される?

1日に1リットル以上も分泌される唾液は、どこからどのように分泌されるのでしょうか?唾液は唾液腺(だえきせん)と呼ばれる器官で生成され、口の中に分泌されます。主な唾液腺には「耳下腺(じかせん)」、「顎下腺(がっかせん)」、「舌下腺(ぜっかせん)」の3つがあります。唾液の99%以上は水分で構成されており、その他に消化酵素、抗菌物質、タンパク質、ナトリウムなどを含んでいます。

唾液はどこから分泌される?

再石灰化されても虫歯になる?

再石灰化されても虫歯になる?

脱灰と再石灰化のバランスが鍵

上記で触れたように、唾液には歯を修復する再石灰化作用があるのに、なぜ虫歯になるのか疑問に思う方もいるかもしれません。これは、口の中のバランスが崩れることが原因です。口腔衛生が悪かったり、虫歯菌が多い状態が続くと、歯が溶ける「脱灰」が進んでしまい、唾液による再石灰化が追いつかなくなります。その結果、歯が溶け続け、虫歯になってしまうのです。

歯の修復が追いつかなくなる原因

唾液による歯の修復が追いつかなくなり、脱灰が優位になってしまう原因としては、以下のようなものが挙げられます。

唾液の不足

病気や加齢によって唾液腺の機能が低下すると、口の中が乾燥してしまいます。唾液による再石灰化作用だけでなく、自浄作用、抗菌作用、殺菌作用も低下するため、虫歯のリスクが大幅に高まります。

間食の頻度が高い

おやつなどの間食を頻繁に摂ると、口の中が長時間汚れた状態になり、脱灰が起こりやすい環境が続きます。これが歯の修復が追いつかなくなる原因の一つです。

口腔ケアが不十分

食後の歯磨きやうがいが不十分だと、虫歯菌が活発に活動し、脱灰が長時間続くことになります。毎食後だけでなく、ちょっとした間食後も必ず歯磨きをしましょう。少量の「つまみ食い」でも、何か食べ物を口にすれば、歯の脱灰は始まります。

 

適切な口腔ケアを継続することで、歯の脱灰と再石灰化のバランスは良好に保たれます。虫歯を予防したい方は、唾液の働きを理解し、毎日の口腔ケアにしっかりと取り組むことが大切です。

まとめ

いかがだったでしょうか?

唾液は歯の健康に欠かせない存在です!自浄作用や再石灰化作用など様々な機能を持っており、唾液不足は虫歯や口臭、感染症のリスクを高めます。よく噛む、水分補給、舌の運動などで唾液の分泌を促し、口腔ケアと合わせて健康な口内環境を保ちましょう!

また、もりかわ歯科はマウスピース矯正にも力を入れております!ご自身の歯の審美性が気になる方は、是非お気軽にご相談ください。

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詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページも併せてご覧ください。

 

大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科では日々の診療で患者さまとの対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を行っております。

歯に関する心配事がございましたらいつでももりかわ歯科へお越しください。

 

歯磨きは1日に何回してもいいの?

2024年7月3日
歯磨きは一日に何回してもいいの?

みなさまこんにちは!

大阪府八尾市で60年以上の歴史を持つ、地域に根ざした歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」です。患者様一人ひとりの不安や疑問に寄り添い、丁寧な説明と質の高い治療を提供することで、皆様の口腔内健康を守ります。

当院では、患者様とのコミュニケーション不足という課題を解消するため、このブログを立ち上げました。 ブログを通じて、歯科に関する様々な情報を発信し、患者様との理解を深めていきます。ブログでは、歯に関する基本知識から、治療に関する疑問まで、幅広いトピックを取り扱っています。 専門的な情報も、分かりやすく丁寧な言葉で説明しているので、どなたでも安心して読むことができます。また、ご質問やご意見も受け付けておりますので、お気軽にお寄せください。 患者様からいただいたご意見は、ブログ記事の改善や、より良い歯科治療の提供に活かしていきます。八尾市で歯医者をお探しの方は、ぜひもりかわ歯科へご相談ください。 経験豊富な歯科医師とスタッフが、皆様の歯の健康をサポートいたします。

「歯磨きは1日に何回してもいいの?」の質問に全力回答!

今回は、「歯磨きは1日に何回してもいいの?」などの質問に対して全力でお答えしていきます!

歯磨きは1日何回するのが適切ですか?

歯磨きは1日何回するのが適切ですか?

皆さん、1日に何回歯磨きをしていますか? 虫歯や歯周病を予防したいけれど、正しい歯磨きの方法や回数、タイミングについてよくわからないという人は少なくありません。歯磨きの習慣は、幼い頃に身につくものですが、1日に何回磨くべきかなんてことは、学校で教わるようなことでもありません。ここでは、1日に何回歯を磨くのが理想的かについて詳しく解説していきます!

理想の歯磨き回数は、ズバリ「3回」以上です!

歯磨きの目的を今一度考えてみましょう。歯磨きは食事後に残った食べかすの除去と、歯の表面に付着する虫歯の原因菌である歯垢を取り除くことです。 そのため、食事の回数が朝・昼・晩の3回であれば、それぞれの食後に磨くのが理想的です。つまり、1日に3回の歯磨きが望ましいということになります。

寝る前に歯磨きを!

人間は通常、唾液の作用で口内が中和され、歯周病菌の増殖が抑えられています。しかし、寝ている間は唾液の分泌が極端に減少するため、細菌が活発に活動しやすくなります。そのため、夜寝る前に歯磨きをして「汚れを次の日に持ち越さない」ことが非常に重要です。こう考えると、1日に3回以上の歯磨きが理想的であると言えますね。

朝食前の「起床してすぐ」の歯磨き

就寝中に増殖した常在菌のことを考えると、朝食前にも歯磨きすることが望ましいです。食後に歯磨きをすれば良いと考える方もいるかもしれませんが、起床直後の口内には多くの細菌が存在しています。そのため、そのまま朝食を摂る前に歯磨きをすることが大切です。朝起きてすぐに歯磨きする習慣を身につけることで、口内の細菌を減らし、より健康な口腔環境を保つことができます。

食後の歯磨きの必要性

食後すぐに磨かないと虫歯になるというわけではありませんが、食べかすが残っていると口内の中和が遅れ、酸に弱い歯が脱灰しやすくなります。そのため、食後の歯磨きは理想的です。もし外出先や仕事で歯磨きが難しい場合でも、お水を飲むことで口内が中和されるため、おすすめです。食後にできる限り歯磨きを行い、難しい場合は水を飲むなどして、口内環境を整えることが大切です。

歯磨きの回数に決まりはないの?

歯磨きの回数について、一般的な推奨はあるものの、厳密な決まりはありません。例えば、国や歯科医師会が1日の歯磨き回数を具体的に定めているわけではありません。人それぞれのライフスタイルや口内の状態が異なるため、適切な歯磨き回数も異なります。しかし、虫歯や歯周病をしっかり予防するためには、最低でも1日2回は歯磨きすることが推奨されます。2〜3日続けて歯磨きの回数が1回、または0回の人は、明らかに虫歯や歯周病のリスクが高まります。これにより、さまざまな口腔疾患や全身疾患を引き起こす可能性があるため、ぜひ1日に最低でも2回は歯磨きを習慣づけるようにしましょう。

日本人の平均歯磨き回数と歯磨き時間

ここで具体的な数字も見てみましょう!日本人の95%が毎日行っていると言われる歯磨き。厚生労働省が2011年に実施した調査によると、最も多いのは1日に2回歯を磨く人で、約半数にあたります。1975年と比較すると、この割合は約2倍に増加しています。また、ある民間会社の調査では、1日1回以上歯を磨く人の磨き時間について、1~3分が最も多く、全体の約5割を占めています。次いで3~5分が約3割、10分以上磨く人も1割弱いるという結果が出ています。では、1日に何回、どれくらいの時間をかけて歯を磨くのが良いのでしょうか。医学的な明確な答えはまだ出ていません。以前は「1日3回、3分間、食後3分以内に歯を磨こう」という“3・3・3運動”が提唱されていましたが、現在では、回数や時間よりも虫歯や歯周病の原因であるプラーク(歯垢)をどれだけ効果的に除去できるかという質の方が重要とされています。プラークが形成されてから細菌が歯を溶かすまでには最低でも24時間かかるため、1日1回しっかりと歯磨きしてプラークを取り除けば十分だと考える歯科医師も少なくありません。日本人の平均歯磨き回数と歯磨き時間1

※1 厚生労働省(2012). 平成23年歯科疾患実態調査

日本人の平均歯磨き回数と歯磨き時間2

※2 ライフメディアリサーチバンク(2013). 歯に関する調査.

http://research.lifemedia.jp/2013/06/130605_teeth.html

歯磨きのしすぎ(オーバーブラッシング)に注意!

歯磨きのしすぎ(オーバーブラッシング)に注意!

歯磨きの際に力を入れすぎたり、磨く時間が長すぎたりして歯や歯茎を傷つけてしまうことをオーバーブラッシングと言います。一生懸命に磨いているつもりでも、オーバーブラッシングを続けると、歯がきれいに磨けないばかりか、さまざまなトラブルに繋がる可能性があります。今回は、オーバーブラッシングによって生じる口腔内のトラブルや、その予防方法についてご紹介します。

オーバーブラッシングがもたらす歯への悪影響とは?

お口のケアに熱心な人ほど、汚れや着色を落とそうとして力強くブラッシングしやすい傾向にあります。しかし、過度な力で磨きすぎると、オーバーブラッシングによって歯の表面のエナメル質が削られ、その下にある象牙質が露出してしまいます。この結果、歯が冷たいものなどの刺激に敏感になる知覚過敏の症状が現れることがあります。

エナメル質は一度削られると再生することができません。そのため、歯磨きの際の力加減だけでなく、使用する歯磨き粉の研磨作用が強すぎる場合もエナメル質を傷つける原因になりますので、注意が必要です。

歯茎が痩せて虫歯になりやすくなってしまう(歯肉退縮・根面う蝕)

歯茎の退縮は加齢や歯周病が原因であることがありますが、オーバーブラッシングによって歯茎が傷つき、下がってしまうこともあります(歯肉退縮)。通常、歯の根っこの部分は歯茎に埋まっており、エナメル質で覆われていません。そのため、歯の根元は柔らかく汚れがつきやすく、虫歯(根面う蝕)や知覚過敏になりやすい傾向があります。「ハミガキのし過ぎで虫歯になる」というのは不思議に感じるかもしれませんが、実際に歯の根元が露出している人は、露出していない人に比べて、根面う蝕になるリスクが3倍高いというデータもあります。オーバーブラッシングを防ぐためには、自分に合った柔らかめの歯ブラシを選ぶことが重要です。

歯ブラシの選びかたに関しては、当院のブログで紹介しております「歯ブラシや歯間ブラシの選び方は?」をご覧ください!

食後すぐに歯みがきするのはNGって本当?

食後すぐに歯みがきするのはNGって本当?

昨今、ネットニュースなどで「食後30分以内に歯みがきをするのは良くない」という情報が広まっているのはご存知ですか?実際には、なるべく食後すぐに歯みがきをすることがおすすめです!食後30分以内の歯みがきをNGとする根拠は、食事に含まれる酸が歯を傷める可能性があるからです。食事が酸性に傾くと、口の中も酸性になりますが、通常は唾液によって中性に戻ります。しかし、唾液の働きが不十分な場合、まだ口の中が酸性の状態で歯みがきをすると、歯を傷めてしまう恐れがあります。ただし、ほとんどの場合、食事が直接的に歯を傷めるほどの酸性になることは少ないと考えられます。むし歯や歯周病のリスクを考えると、早めに食べかすを取り除くことが重要です。したがって、食後すぐにできるだけ早く歯みがきをすることが、お口の健康を守るためには有効です。

歯科医院で歯磨き指導を受けることもおすすめ!

歯科医院で歯磨き指導を受けることもおすすめ!

歯磨きを丁寧にしているつもりでも、具体的にどうしたら良いのか分からないという方は多いでしょう。日々歯磨きをしているけれど、実は虫歯や歯周病になってしまった経験もあるかもしれません。ひとくちに歯磨きといっても、個々の歯並びや歯と歯茎の状態によって適した方法は大きく異なります。適切な歯みがき方法を知るためには、かかりつけの歯科医院に相談するのが一番です。もちろんもりかわ歯科でも、患者様に合った歯磨き方法や適切な歯ブラシの選び方をアドバイスさせていただきます。さらに、定期的な検診も一緒に受けることで、口の健康を維持するための基本的なケアを学ぶことができます。

まとめ

いかがだったでしょうか?

歯磨きの回数に関しては、特定の回数が必要とされる根拠はなく、質の良い歯磨きが重要です。たとえ沢山磨いても、磨き残しがあれば虫歯や歯周病のリスクが高まります。ですから、歯磨きの回数よりも、どれだけ効果的に磨けているかを意識することが大切です。

毎日の歯磨きから、「歯並びも気になってきた」と思っている方、もりかわ歯科はマウスピース矯正にも力を入れております!矯正に少しでも興味のある方はお気軽にご相談ください。

矯正無料相談

詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページも併せてご覧ください。

 

大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科では日々の診療で患者さまとの対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を行っております。

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フッ素の塗布は何のためですか?

2024年6月5日
フッ素の塗布は何のためですか?

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当院では、患者さまが抱える歯科に関する疑問や不安に真摯に向き合い、解消できるよう心がけています。歯科医師やスタッフとのコミュニケーションが不足しがちな中、このブログを通じて患者さまと対話し、理解を深める場を提供したいと考えています。

日常生活での歯のお手入れや健康に関する知識は、ご自身の歯の状態を理解し、適切なケアを行う上で非常に重要です。

このブログでは歯に関する基本的な情報から、診療に関する細かい疑問まで、様々なトピックを取り上げています。

患者さまがより良い歯科ケアの選択ができるよう、専門的な情報を分かりやすくお届けしています。

ご質問や疑問がございましたらお気軽にお寄せいただき、私たちが提供する情報を通じて患者様の歯科に関する理解が深まることを願っています。お困りの際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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「フッ素の塗布は何のためですか?」の質問に全力回答!

今回は、「フッ素の塗布は何のためですか?」などの質問に対して全力でお答えしていきます!

まず、フッ素とは?

フッ素(元素記号 : F)は、ハロゲン族に属する非金属の一つで、生体にとって必要不可欠な微量元素のことを指します。実は、人体には多くのフッ素が含まれていて、カルシウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、鉄に次ぐ量が存在しています。因みに自然界ではフッ素は単体で存在することはなく、フッ化物という化合物の形で存在しています。動植物を含むすべての生物にとってフッ素は重要なミネラルであり、自然界では広く分布しています。飲料水やお茶にフッ化物が含まれているほか、海産物からも高濃度のフッ化物を摂取することができます。またフッ素には、歯のエナメル質の修復を促進する作用があり、歯質を強化し、虫歯菌の活動を抑制することで虫歯の発生を防ぐ効果があります。そのため、フッ素は歯磨き粉や洗口液などの成分として広く使用され、虫歯予防に役立っています。

フッ素は身近にある成分です。

フッ素は身近にある成分です

フッ素は、魚介類、野菜、肉、牛乳、塩、お茶の葉など、ほとんどの食品に含まれており、ビタミンのように毎日摂取する必要がある重要な栄養素です。ただし、前述の通りフッ素は単体では存在せず、ナトリウムと結合した「フッ化ナトリウム」やカルシウムと結合した「フッ化カルシウム」など、常に他の物質と結びついた形で見られます。毎日の食事をきちんと意識して、フッ素を含む食品を摂取することが大切です。

フッ素は、歯に対してどのように働きますか?

フッ素は、歯に対してどのように働きますか?

フッ素は、虫歯の原因菌の活動を抑制し、歯から溶け出したカルシウムやリンを再石灰化させることで、歯の表面を強化し、虫歯になりにくくする効果があります。このため、特に「生えたての乳歯」や「生えたての永久歯」を持つお子さまたちに対して、フッ素を塗布して予防するフッ化物歯面塗布法が多くの歯科医院で行われています。フッ素の主な効果としては、『エナメル質の修復促進』『歯質強化』『菌の活動抑制』があり、虫歯予防に効果的な成分として広く認識されています。

フッ素の具体的な効果は?

 さて、ここでは前述した3つの働きを掘り下げてご説明します!

溶けた歯を修復する(再石灰化)

溶けた歯を修復する_再石灰化

食事の際に虫歯菌は糖分を利用して酸を生成し、その酸が歯の表面からカルシウムイオンやリン酸イオンを溶出させます。これを『脱灰』と呼びます。一方、唾液には『脱灰』した歯の表面にカルシウムイオンやリン酸イオンを補充し、歯を修復する『再石灰化』の作用があります。『脱灰』と『再石灰化』は口腔内で常に繰り返されていますが、このバランスが崩れて『脱灰』が優勢になると虫歯が発生します。フッ素は『再石灰化』を促進し、虫歯の予防や初期虫歯の改善に役立ちます。

歯質を強化する

歯質を強化する

歯の表面のエナメル質は、リン酸カルシウムからなるハイドロキシアパタイトという結晶で構成されています。ハイドロキシアパタイトは酸に弱く、カルシウムやリン酸などのミネラルが溶け出して脱灰を引き起こします。脱灰と同時に再石灰化が進行しますが、フッ素が加わることで「フルオロアパタイト」という酸に強い安定した結晶が形成されます。これにより、虫歯菌に対する抵抗力が高まり、歯が酸に溶けにくくなります。フッ素が歯質を強化するのはこのような理由からです。

虫歯菌の活動を抑制する

虫歯菌の活動を抑制する

フッ素には虫歯菌の活動を抑える効果があります。これにより、虫歯菌が酸を生成する量が減少し、虫歯の予防に効果的です。実際にフッ素が使用されるようになってから、世界中で虫歯の数が減少しています。日本でも、過去のように虫歯が多発する時代は終わり、現在は予防が重視されるようになっています。

フッ素は危険?使っても大丈夫?

水でさえ過剰摂取は体に害を及ぼすことがあるように、どんな物質も適量を超えると健康に悪影響を与える可能性があります。もちろんフッ素も同様です!一度に大量に摂取すると中毒を引き起こすことがあります。急性中毒の症状としては、下痢や嘔吐などが挙げられ、これはフッ素が短時間で大量に体内に取り込まれた場合に起こります。一方、慢性的に過剰摂取した場合には、歯のフッ素症という症状が現れることがあります。これは、歯が形成される過程で過剰なフッ素が取り込まれることで、歯の色や形に異常が生じる状態を指します。具体的には、白斑や黄褐色の斑点が現れ、歯の表面が粗くなることがあります。

しかし、日常生活で正しくフッ素を使用している限り、中毒のリスクは極めて低いです。フッ素は、一般的には歯磨き粉、洗口液、歯科でのフッ素塗布などの形で使用されます。これらの方法では、フッ素は主に歯の表面に作用し、体内に大量に吸収されることはありません。例えば、フッ素入り歯磨き粉を使用する場合、歯磨き後に口をしっかりすすぐことで、体内に取り込まれるフッ素の量はごく微量に抑えられます。また、フッ素洗口液や歯科でのフッ素塗布も、使用方法や頻度が適切であれば安全に使用できます。

さらに、フッ素の安全性については多くの研究が行われており、適正な濃度で使用することで虫歯予防に非常に効果的であることが確認されています。適切なフッ素の使用は、歯のエナメル質を強化し、虫歯菌の活動を抑制することで、虫歯の発生を防ぐ役割を果たします。そのため、フッ素の適量使用を心がけることで、健康的な歯を維持し、虫歯のリスクを大幅に減らすことができます。

慢性中毒(歯のフッ素症)

フッ素を過剰に摂取すると、歯の色や形に異常が生じることがあります。これは「歯のフッ素症」と呼ばれる症状で、生後半年から5歳頃までの永久歯が形成される時期に過剰摂取すると発生する可能性があります。既に生えている歯には影響しません。日本では、海外のように水道水に一定量のフッ素を混ぜる方法は採用されておらず、日常生活でのフッ素摂取量は比較的少ないため、正しくフッ素を使用していれば歯のフッ素症が生じることはほとんどありません。また、胎児への影響についても、適切な使用であれば妊婦がフッ素を控える必要はなく、胎盤がフッ素の胎児への影響を防ぐため安心です。

急性中毒?万が一子供が歯磨き粉を飲んでしまったら??

少量の歯磨き粉やフッ素洗口液を飲み込んでしまった場合、通常は大きな問題になることは少なく、経過観察で十分です。急性中毒の目安としては、6歳(体重約20kg)の子供が40g(フッ素濃度1000ppm)の歯磨き粉を一度に摂取した場合が挙げられます。この量のフッ素を一度に体内に取り込んだ場合、迅速な対応が必要です。急性中毒の対処法としては、嘔吐を促す、胃洗浄を行う、またはカルシウムを含む飲料(例えば牛乳)を飲ませることが効果的です。これくらいの量のフッ素を摂取した場合、まずは牛乳を飲ませた上で数時間の経過観察を行うのが適切な対応です。さらに大量のフッ素を摂取した場合は、入院可能な病院での治療が必要となりますので、早急に対応可能な病院へ連絡してください。可能であれば、摂取した商品の情報を持参し、摂取量を正確に医療機関に伝えることが重要です。

フッ素は正しく使えばいい事しかない

ここまでの説明でフッ素に対して不安を感じた方もいるかもしれませんが、実際には日常の食事からもフッ素を摂取しています。例えば、イワシ、乳製品、お茶などにフッ素が含まれていますが、これらは問題のない量です。歯磨き後に口に残るフッ素の濃度はお茶よりも低いため、歯磨き粉や洗口液、歯科でのフッ素塗布も正しく使用すれば安全です。フッ素は虫歯予防に非常に効果的なため、適切に使用して虫歯菌から歯を守りましょう。厚生労働省やWHO(世界保健機構)もフッ素の使用を推奨しており、安全性についても安心して使用できます。フッ素を正しく利用することで、効果的に虫歯を防ぎましょう。

ご自宅でできるフッ素の効果的な使い方

ご自宅でできるフッ素の効果的な使い方

フッ素を毎日低濃度で使用することは、虫歯予防に最も効果的です。自宅で簡単に取り入れられるフッ素を使った方法をご紹介します。

フッ素配合の歯磨き粉

毎日使用することで、歯にフッ素が効果的に残り、虫歯予防に役立ちます。市販の歯磨き粉にはほとんどフッ素が含まれていますが、中でも「1,450ppm」と表示されたものは、日本で販売されている中で最も高濃度のフッ素を含む歯磨き粉です(海外ではさらに高濃度のものもあります)。この歯磨き粉を使用してしっかりと歯磨きをしましょう。歯磨き後、口をゆすぐ際には1〜2回で味が少し残る程度に留めると、フッ素の成分が長時間口内に残り、効果を発揮します。歯磨き後30分程度は飲食を控えることをお勧めします。

お子さまにはにはフッ素ジェル

歯磨き粉が使えない小さなお子さまには、フッ素ジェルが効果的です。歯磨き後、フッ素ジェルを子供の歯に塗ってあげることで、長時間フッ素を浸透させることができます。フッ素ジェルにはさまざまな味があり、歯磨きが苦手な子供でも楽しみながら使うことができます。

面倒な方はフッ素洗口液

ジェルの味やぬめりが苦手な方には、フッ素洗口液がおすすめです。歯磨き後にフッ素洗口液でうがいをするだけで済むので、手軽にフッ素を取り入れることができます。原液のまま使用でき、無味無臭なので使いやすいです。


これらの方法を取り入れることで、家庭で簡単に効果的な虫歯予防が可能になります。日常的にフッ素を使用し、健康な歯を維持しましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

フッ素は食事から体内に取り込まれるミネラルの一つで、虫歯菌の出す酸から歯を守り、歯質を強化してくれるため、歯に直接作用させるのが効果的です。フッ素塗布やフッ素入りの歯磨き剤、洗口剤に関してはもりかわ歯科にお気軽にお尋ねください。

また、虫歯等の治療が完了した後、「歯並びが気になる」と思っている方、もりかわ歯科はマウスピース矯正にも力を入れています。矯正に少しでも興味のある方はお気軽にご相談ください。


矯正無料相談
矯正無料相談

詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページも併せてご覧ください。

大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科では日々の診療で患者さまとの対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を行っております。

歯に関する心配事がございましたらいつでももりかわ歯科へお越しください。

デンタルフロスの種類や使いドコロって?

2024年5月1日
デンタルフロスの種類や使いドコロって?

みなさまこんにちは!

大阪府八尾市に60年にわたり、地域に根ざす歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

当院では、患者さまが抱える歯科に関する疑問や不安に真摯に向き合い、解消できるよう心がけています。歯科医師やスタッフとのコミュニケーションが不足しがちな中、このブログを通じて患者さまと対話し、理解を深める場を提供したいと考えています。

日常生活での歯のお手入れや健康に関する知識は、ご自身の歯の状態を理解し、適切なケアを行う上で非常に重要です。

このブログでは歯に関する基本的な情報から、診療に関する細かい疑問まで、様々なトピックを取り上げています。

患者さまがより良い歯科ケアの選択ができるよう、専門的な情報を分かりやすくお届けしています。

ご質問や疑問がございましたらお気軽にお寄せいただき、私たちが提供する情報を通じて患者様の歯科に関する理解が深まることを願っています。お困りの際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

こちらでお手伝いさせていただきます。よろしくお願いいたします!

「デンタルフロスの種類や使いドコロって?」の質問に全力回答!

今回は、「デンタルフロスの種類や使いドコロって?」などの質問に対して全力でお答えしていきます!

まず、デンタルフロスとはどのようなもの?

まず、デンタルフロスとはどのようなもの?

デンタルフロス(歯糸)とは、歯の間や歯茎と歯の隙間に蓄積したプラークや食べカスを取り除くために用いられる歯の清掃用具です。通常、デンタルフロスは細長い糸やテープ状のもので、歯と歯の間に挟んで使用します。これを行うことで、歯石や細菌が溜まりやすい部分をきれいにし、歯周病や虫歯の予防に役立てることができます。

デンタルフロスを使うことで、歯ブラシが届きにくい歯の間の隙間や、歯ぐきに沿って溜まったプラークを効果的に除去することができます。歯周ポケット内の食べカスや細菌を取り除くことで、歯周病のリスクを軽減できます。

デンタルフロスには、ワックス加工されたタイプや無加工のもの、フレーバー(香り)がついているものなど、さまざまな種類があります。歯科医や歯科衛生士からの指導を受けて正しく使うことで、歯の健康を保つために有益なツールとなります。

デンタルフロスの種類は?

デンタルフロスにはいくつかの異なるタイプ、素材があります。主な種類は以下のようなものがあります。

ナイロンフロス

最も一般的なタイプで、細かいナイロンの糸でできています。これは比較的丈夫で、歯の間のプラークを効果的に除去することができます。一般的なデンタルフロスとして広く利用されています。

PTFEフロス(テフロンフロス)

ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のフロスで、細かく滑らかな糸が特徴です。歯と歯茎の間でよりスムーズに動かせ、糸が切れにくくなっています。一部の人にとって、ナイロンフロスよりも使いやすい場合があります。

テープフロス:細長い平らなテープ状のフロスで、ナイロンよりも広くて柔らかいです。歯の間でより広い表面をカバーし、歯肉にやさしいとされています。

ワックスコーティングフロス

フロスに薄くワックスがコーティングされています。これにより、フロスを歯の間に挿入しやすくなり、糸が引っかかりにくくなります。

フレーバー付きフロス

いくつかのデンタルフロスには、ミントやフルーツなどのフレーバーが付いています。これにより、使い心地が良くなり口の中が爽やかになります。

 

これらの種類は、個々の好みや使用感によって異なります。当院の歯科医や歯科衛生士と相談して、ご自身に合ったデンタルフロスを見つけましょう。

歯の間のすき間の広さに合わせて、使いやすいものを使用しましょう。

デンタルフロスは、使用部位や用途によって使い分けが必要です。

適切なものをお選びください。

歯の間のすき間の広さに合わせて、使いやすいものを使用しましょう。

デンタルフロスの動かし方

ここでは、デンタルフロス(糸まきタイプ)の動かし方の一例をご紹介します。

STEP 1 ゆっくりスライド

ゆっくりとスライドさせながら「のこぎり」をイメージして歯と歯の間に通します。

STEP 1 ゆっくりスライド

STEP 2 歯に沿わせて動かす

歯に沿わせながら、汚れをかき出します。勢いよく挿入して歯茎を傷つけないように注意して下さい。

STEP 2 歯に沿わせて動かす

STEP 3 糸を外す

STEP 1同様、のこぎりのようにスライドさせながら糸を外します。

これをすべての歯に行います。

STEP 3 糸を外す

デンタルフロスを使うときの注意点

正しい使い方を学ぶ 

正しいデンタルフロスの使い方を学ぶことが重要です。当院の歯科医や歯科衛生士に指導を受けて、適切なテクニックを身につけましょう。

優しく使う

デンタルフロスを歯茎に挟んだり引っ張ったりする際には、優しく行うことが大切です。力を入れすぎると歯茎を傷つけたり、出血を引き起こす可能性があります。

糸の一部を使い回さない

1回の使用で使った部分は、もう一度使わず新しい部分を使います。これにより、細菌の感染やクロスコンタミネーション(交差汚染)を防ぎます。

繊細な箇所に注意

特に歯と歯の間や歯茎の周囲は繊細な部分ですので、デンタルフロスを使用する際には注意が必要です。

頻度を守る

歯科医の指示に従って、デンタルフロスを毎日使う習慣を身につけましょう。定期的な使用が効果的な清掃効果をもたらします。

適切なタイプを選ぶ

自分の歯や歯ぐきの状態に合ったデンタルフロスを選ぶことも大切です。上記で紹介したワックス加工やフレーバー付きなど、好みや必要に応じて選びましょう。

 

デンタルフロスを使う際には、これらのポイントに留意することで、より効果的に歯の清掃を行うことができます。ぜひお試しください!

フロスは毎日やったほうがいいの?

デンタルフロスを使う頻度は、毎日がおすすめです。

朝は忙しくてなかなかできなかったり、夜は疲れてしまって忘れてしまうこともあるかと思いますが、デンタルフロスをするメリットを理解いただいて、歯の健康へとつなげていただきたいです。

まず、デンタルフロスをすることで虫歯予防につながります。歯と歯の間の汚れはデンタルフロスでしか取れません。そのままにしてしまうと虫歯の原因になります。デンタルフロスを使うと、目に見えるくらいに汚れが取れることを実感できるでしょう。

また、デンタルフロスは口臭予防にも効果的です。毎日デンタルフロスをすることで口臭が気になる程度まで改善されることがあります。口臭に悩んでいる方は、この機会に毎日の習慣に加えてみると良いでしょう。

初心者の方には、ワックスがついているタイプや糸ようじのようなものがおすすめです。さまざまな種類のデンタルフロスが市販されていますので、自分に合ったものを見つけてみてください。お子様向けには味のついた糸ようじもありますので、好きな味を選んで楽しく使うことができます。

デンタルフロスで口臭も改善できるの?

上記で触れた通り、デンタルフロスの使用で口臭の改善にもつながります。

口臭の原因の70%は歯の汚れと細菌によって引き起こされていると言われています。つまり、歯垢や食べカスをデンタルフロスで取り除くことで口臭の改善に繋がるのです。口臭を気にされている方は、毎日デンタルフロスや歯間ブラシを使って口臭を軽減することをおすすめします。口臭の予防には日常的な歯のケアが欠かせませんので、デンタルフロスの定期的な使用が大事になってきます。

デンタルフロスと歯間ブラシの使い分けは?

歯間ブラシは、歯間の根元に三角形の隙間のある方、歯ぐきが後退気味の方、ブリッジをしている方に向いています。

一方、デンタルフロスはハブラシの届きにくい歯と歯の間を効果的に清掃します。歯間ブラシの入りにくい歯間の隙間が狭い方におすすめいたします。歯の状況に応じて両方を使い分けていただくのもケアのためには有効です。

デンタルフロスと歯間ブラシの使い分けは?

デンタルフロスをしないとどうなるの?

最後に、デンタルフロスの使用が予防効果に与える影響について記載します。

まず、デンタルフロスの効果はプラークの除去率によって示されます。デンタルフロスを使用しない場合のプラークの除去率は約60%ですが、デンタルフロスを使用すると約80%にまで向上します。また、デンタルフロスは1日1回の使用が理想的です。使用頻度が低いと効果が十分に現れませんので、毎日継続的に使用することが重要です。

デンタルフロスの虫歯予防効果は、特に歯と歯の間にたまりやすいプラークを除去することにより高まります。歯と歯の間にプラークが溜まると、そこが虫歯の発生しやすい場所になります。さらに、デンタルフロスを使うことで歯の異常に気付くきっかけにもなります。デンタルフロスを通して引っかかりや違和感を感じた場合は、虫歯が進行している可能性があるため、早めの対処が重要です。これらの理由から、デンタルフロスの定期的な使用は虫歯や歯周病の予防に非常に効果的です。歯磨きの効果を最大限に発揮するためには、デンタルフロスを歯磨きと併用することが必須です。口腔ケアの一環として、デンタルフロスを日常的に取り入れることで、歯の健康を維持しましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は、デンタルフロスの種類や使いドコロって?の質問にお答えさせていただきました!

デンタルフロスを使う重要性を、しっかりとお伝えできたのでは…と思っております。

デンタルフロスの使い方は、一見簡単そうに見えますが、意外に難しいものです。

間違った使い方をしてしまうと、歯茎にダメージを与えてしまうこともしばしばあります。

これから使い始めたいと思っている方はもちろん、既にお使いの方も、使い方はもちろん、何でもお気軽にご相談くださいませ。

 

また、もりかわ歯科ではマウスピース矯正にも力を入れています。矯正に少しでも興味のある方はお気軽にご相談ください。

もりかわ歯科の矯正無料相談はこちら

詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページも併せてご覧ください。

 

大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科では日々の診療で患者さまとの対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を行っております。

歯に関する心配事がございましたらいつでも大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科へお越しください。

 

大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科では日々の診療で患者さまとの対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を行っております。

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歯列矯正をお考えの方も当院では矯正無料相談を実施していますので、お気軽にお問い合わせください。

詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページをご覧ください。

 

銀歯のメリットとデメリットって?

2024年4月17日
銀歯のメリットとデメリットって?

こんにちは。もりかわ歯科は、大阪府八尾市にある歯医者で、医療法人甦歯会に所属しています。歯科医師やスタッフにとっては常識的な知識でも、患者さんにとっては歯の専門家ではありません。そのため、歯や口腔の健康に関する疑問や不安を抱えることは当然です…。

私たちは、患者さんが歯や口腔の健康について理解し、納得した上で治療を受けられることが大切だと考えています。

そのために、診療中にできる限りすべての疑問にお答えできるように努めています。

ですが、時間や専門的な知識の制約から、全ての疑問にお答えできないことも多々ございます。

そこで!通常の診療でよく寄せられる質問に対して、当院のブログで順次お答えすることにしました。

このブログを通じて、患者さんが歯医者に関する疑問や不安を解消できるよう、少しでもお手伝いできればと願っています。ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

 

「銀歯のメリットとデメリットって?」の質問に全力回答!

今回は、「銀歯のメリットとデメリットって?」の質問に対して全力でお答えしていきます!

そもそも、銀歯って何なの?

銀歯とは、金・銀・銅・パラジウムなどの金属から成る合金で製造された、人工の歯のことです。歯科治療において虫歯の処置が行われた際に使用される金属製の詰め物や被せ物がこれに該当します。銀歯はとても強固で頑丈であり、奥歯などにも使われることが多いですが、見た目に関するいくつかの欠点があります。

そのため、多くの方が外見を考慮して、白い歯に取り変えたいと望んでいる方が年々増えていっています。

銀歯のメリットとは?

1.保険が適応されるため費用を抑えられる

銀歯の主な利点は、経済的な観点から見て費用が比較的リーズナブルなことです。

広範囲の虫歯を保険で治療する場合、多くの歯科医院が銀歯を選択することになると思われます。

ハイブリッドセラミック治療も保険が適用されますが、これは全ての歯科医院で提供されているわけではありません。

保険が適応されるため費用を抑えられる

2.高い耐久性

銀歯は、レジンやセラミックに比べて非常に高い強度を誇るため割れる心配が少ない特長があります。

奥歯は硬いものを噛むという負担がかかる部位のため、かぶせ物には相応の強度が求められます。

銀歯はその強度が高く、かつ薄いため、歯を削る量を最小限に抑えることができます。

これにより、歯への負担を軽減できる利点があります。

3.細部の再現性の高さ

かぶせ物を製作する際には、しっかりと噛むことができるように、元の歯を忠実に再現することが重要です。対向する歯との調和を考慮してかぶせ物を作成しますが、銀歯は噛む面の溝を詳細に調整できます。

噛み合わせが完璧でなければ、見た目が良くても機能的な歯として機能しません。

この点において、銀歯は割れる心配がなく、微調整が可能な特長があります。

 

銀歯のデメリットとは?

1.見た目が目立つ

保険診療では、前から3番目(犬歯)までを前歯に分類します。

白く見えるレジン前装冠(ぜんそうかん)はこの犬歯までの前歯にのみ使用可能です。

第一小臼歯(しょうきゅうし)[4番目]からは銀歯が適用されますが、一部のブリッジでは前装冠(ぜんそうかん)が利用できる場合もあります。

笑顔の際に臼歯まで見える場合、銀歯は外見的には望ましくない治療となります。

また、見かけは白いものの、レジン前装冠(ぜんそうかん)は金属の上にレジンが貼り付けられた素材であり、透明感がなく、自然な歯の色とは異なってしまいます。

見た目が目立つ

2.金属アレルギーのリスクがある

金銀パラジウム合金で製造された銀歯を使用すると、アレルギー反応が起こる可能性があります。

銀歯の金属イオンが溶け出すと、それが唾液と混ざり、体内に吸収されることがあります。この過程でアレルギー反応が生じる可能性があるため、慎重に注意が必要です。

過去に症状がなかったとしても、突然金属アレルギーが発生することがあります。

皮膚炎などの症状が現れることもあるため、注意が必要です。

3.歯石・歯垢が付着しやすい

銀歯は合金でできているため、磨いても微細な表面の凹凸が残り、顕微鏡で見ると粗い印象が生じるかもしれません。

また、銀歯は金属であり、静電気を帯びる傾向があります。

この静電気が引き寄せることで、歯垢や歯石が付きやすいと考えられています。

これが積み重なることで、虫歯や歯周病にかかりやすくなる可能性があり、これが二次カリエス(虫歯が再発すること)の原因となることも考えられます。

4.噛み合わせを壊してしまう

長期間使用すると、銀歯は変形、摩耗、腐食などで初めて装着した時と比較して

形状が変わります。また、歯石や歯垢がつきやすく、これが原因で歯周病に罹ることもあります。

銀歯の形状や状態が変わると、その周りの自然歯もそれに合わせて変化し、徐々に噛み合わせが変わる可能性があります。

ただし、これは自然歯でも年齢に伴う擦り減りなどが発生するため、同様の変化が起こる可能性があります。

ただし、金属と天然の歯では擦り減り方が異なることが問題となります。

デメリットに対する対応策

1.まず、虫歯にならないよう心がける

そもそも論になってしまうかもしれませんが、銀歯が必要になる主な原因は、ほとんどが虫歯です。

特に大臼歯(だいきゅうし)や小臼歯(しょうきゅうし)で範囲が広がる場合、歯と歯の間に広がる虫歯が一般的です。

奥歯の噛む部分や隣接面の虫歯は、主に間食が原因とされています。

特にちびちび飲食する習慣や1日に何度も間食をする人は要注意です。

また、歯ブラシの回数や時間も重要です。

毎日3回以上、3分以上の歯磨きを心がけましょう。

まず、虫歯にならないよう心がける

2.定期的に交換する

銀歯の主な課題として、経年変化による変形や摩耗、腐食が挙げられます。

変形の始まりは人によって異なり、食生活や咀嚼方法の差が影響します。

このため、定期的な交換が推奨されます。外見上の変化が見られなくても、目に見えない微細な隙間から二次カリエス(虫歯が再発すること)を引き起こす細菌が存在する可能性があるため、慎重に注意が必要です。

歯科医院の受診が定期的に行われるほか、具体的な歯に銀歯が装着された日を把握しておくことも大切です。

3.マウスピースの装着

歯に加わる強い力の一因として、「歯ぎしり」や「食いしばり」が挙げられます。

これらの習慣により、銀歯やセラミックが変形または破損することがあります。

これらの行動は夜間に無意識に行われるため、急にこれを止めるのは至難の技です…。

しかし、歯ぎしり用のマウスピース(ナイトガード)を使用することで、歯ぎしりや食いしばりによる銀歯やセラミックの損傷を防ぐことができます。

しかも、歯の磨り減りを抑える利点もあります。

歯ぎしりのことでお悩みの方も、もりかわ歯科の予防歯科までご相談ください!丁寧に診察し最適な改善策をご提案いたします。

歯ぎしりや食いしばりについて詳しくは、当院ブログ「歯ぎしりの対策は?歯ぎしりをなくせばエラ張りも改善する?」をご覧ください。

4.セラミックの詰め物や被せ物に入れ替える

銀は性質上一度溶かして型に流し込んで形成しますので、固まる時に形が変わる(縮む)ため歯とピッタリ合いにくいのですが、セラミックはブロックから削り出して形成しますので、形が変わることなく歯としっかり合います。
さらに、セラミックは銀と違い素材の表面がつるっとしているので汚れが付きにくく虫歯になりにくいのが特徴です。

日本と海外の銀歯に対する考え方の違い

1.銀歯は日本だけ!?

日本では銀歯を入れている人は一般的ですが、他の歯科先進国ではほとんど見られません。海外では虫歯の詰め物や被せものに金属を使用せず、主にレジン(歯の色に近いプラスティック素材)などを用いた治療が基本です。

ただし、外国でも通常の歯科治療を受けられない経済的に困難な人々は、一部で銀歯を選ぶことがあります。

ドイツやスウェーデンでは、金銀パラジウム合金が金属アレルギーや体への悪影響を

引き起こす可能性があるとして、歯科での使用が禁止されています。

この合金には金や銀の他に銅やパラジウム、亜鉛などさまざまな金属が含まれており、口の中で腐食しやすい性質があります。

経済大国であるにもかかわらず、日本人はまだ「歯の美意識が低い」とされています。

銀歯は日本人だけ?

2.海外の方からはどう見えている?

先進国、特にアメリカでは、白く美しい歯は社会的なステータスを表すと言われています。歯が黄ばんでいたり、銀歯が見えると、「経済的に余裕がないのかな」との印象を与えるそうです。お金があるならば、まず歯に投資することが一般的であり、

そのため、外国の人たちは日本の女性が高級なバッグを持ちながらも銀歯が見えていることに不自然さを感じると言われています。

歯の美しさは、個々の自己価値や健康への配慮を反映しているとされ、そのため、歯のケアや美容治療への関心は高まっています。

アメリカなどでは、歯科医療の技術が進化し、ホワイトニングや審美歯科治療が一般的に

行われています。これにより、歯の美しさが一層強調され、社会的なイメージ向上にも繋がると考えられています。

一方で、日本では歯の美意識がまだ発展途上であると指摘されることもあります。

高級なバッグや洋服に比べて、歯に対する投資やケアへの予算が割かれにくい傾向が見られます。しかし、これは文化や価値観の違いによるものであり、

歯科医療の進化とともに、将来的には歯の美意識が一層高まる可能性があります。

治療の方向性はもりかわ歯科に相談ください

ご自身が白い歯を望まれる場合は、ご希望を歯科医に事前にしっかりとお伝えいただけるようお願いします。

しかし、銀歯かセラミックかで迷っている場合は、歯を製作する前に十分なカウンセリングを受け、ゆっくりと担当医師と相談の上で最終的な選択を決定することをおすすめします。様々な理由に基づき、最適な選択をするためにも十分な情報収集と検討が重要です。

まとめ

いかがだったでしょうか?

「銀歯のメリットとデメリットって?」の質問に全力回答していきました!

ひとくちに銀歯といっても、そこには様々なメリットやデメリットが存在しています。ご自身にとって、何が最適な治療法なのか、いっしょに考えていきましょう!
他にも、もりかわ歯科ではマウスピース矯正に力を入れています。矯正に少しでも興味のある方はお気軽にご相談ください。

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大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科では日々の診療で患者さまとの対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を行っております。

歯に関する心配事がございましたらいつでも大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科へお越しください。

 

歯列矯正をお考えの方へ。
当院では矯正無料相談を実施していますので、お気軽にお問い合わせください。

詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページをご覧ください。

 

マウスガードやナイトガードの使用は歯に影響を与えますか?

2024年2月7日
マウスガードやナイトガードの使用は歯に影響を与えますか?

こんにちは。大阪府八尾市の歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯科医や診療所のスタッフにとっては当たり前の知識でも、患者さんは歯の専門家ではありませんので、様々な疑問を抱かれるのは当然です。

歯やそれに関連する体のことについて、患者さんが知りたいことを理解し、納得していただくことが大切だと我々は考えています。

診療中にすべての疑問にお答えできれば一番なのですが、時間をかけて詳しく説明することもできない現状があります。

そこで、通常の診療でよく寄せられる質問に対して、当院のブログで順次お答えしていくことにしました。

このブログを通じて、患者さんが歯医者に対して抱く疑問や不安を解消できるよう、少しでもお手伝いできればと願っています。

ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。

「マウスガードやナイトガードの使用って歯に何か影響あるの?」の質問に全力回答!

今回は、一般的に「マウスガード」や「ナイトガード」と呼ばれる、歯や顎にかかる負担を軽減するためのマウスピースが歯に与える影響についてよくいただく質問に対し全力でお答えしていきます!

マウスガードとは

マウスガードとは

マウスガード(口腔保護具)は、歯科医療やスポーツなどで使用される口の中を保護するための装置です。主な目的は、歯や口腔組織を怪我やダメージから守ることです。マウスガードはいくつかの異なるタイプがありますが、主に以下の2つのカテゴリーに分けることができます。

歯科用マウスガード

歯科用マウスガード

歯ぎしりや寝ている間に歯を食いしばるなどの問題に対処するためのものです。これらのマウスガードは、歯科医によってカスタムフィットされることが一般的で、患者の歯型に合わせて作られます。歯科用マウスガードは歯を保護し、歯ぎしりによる歯の摩耗や夜間の顎関節症状を軽減するのに役立ちます。

スポーツマウスガード

スポーツマウスガード

スポーツの際に口や歯をケガから守るためのものです。野球、サッカー、ボクシングなど、激しい接触や打撃が予想されるスポーツでは、選手が口に被ることで歯や口腔組織を守ります。これらのマウスガードは一般的に柔らかいプラスチックやゲルでできており、一般的な市販品や適応型のものがあります。

マウスガードは歯の保護だけでなく、口腔全体を守り、スポーツ中や睡眠中の怪我やダメージを軽減するために使用されます。

マウスガードとマウスピースの違いは何ですか?

実は、同じアイテムなのに、異なるスポーツでは異なる呼び名が使われています。イギリスのボクサー向けに開発されたマウスピースは、その小さなゴムの破片に由来しています。そのため、ボクシングではこれを「マウスピース」と呼びますが、他のスポーツでは通常「マウスガード」と呼ばれています。このアイテムは、使用されるスポーツによって異なる呼称が存在するという興味深い特徴を持っています。

マウスガード(マウスピース)は必要ですか?

スポーツ選手は、衝撃の瞬間、身体の接触、緊張などで通常の人よりも何倍も歯を強く噛みしめがちです。そのため、自身の噛む力によって歯が折れる可能性が高まり、通常の人よりも歯の摩耗が速く進むことがあります。マウスガードは、こうした歯の摩耗を防ぐ役割を果たします。

ナイトガードとは

ナイトガードとは

ナイトガードとは、主に睡眠中における歯ぎしりや食いしばりによる問題に対処するための装置です。これらの習慣は知覚過敏や歯周病、顎関節症などの様々な口腔健康上の問題を引き起こす可能性があります。ナイトガードは、通常、上顎(上の歯)に装着する薄いマウスピースの形態をしており、これによって睡眠中に歯や顎にかかる余分な負担を軽減し、口腔健康を保護します。

ナイトガードはどれくらいで効果が現れますか?

ナイトガードの有効性は、おおよそ1週間で効果を感じられます。ただし、歯ぎしり、食いしばり、噛みしめの原因が歯の高さの違いによる噛み合わせの不調和である場合は、歯を削って噛み合わせを調整するなどの治療が必要なこともありますので、ナイトガードを使用しても効果を感じられない場合は歯医者に相談してください。

ナイトガードは歯ぎしりにも効果がありますか?

ナイトガードの使用により、歯ぎしり・食いしばり・噛みしめの方に以下の効果が期待されます。
・歯のすり減りを防ぐ
・歯の揺れを防ぐ
・詰め物・被せ物の破損、脱離を防ぐ
・顎関節の負担を軽減する
効果は約1週間で現れますが、歯の高さの違いによる問題であれば噛み合わせの調整が必要な場合もあります。

ナイトガードを就寝時に使用すると、どんな影響がある?

睡眠中の食いしばりや歯ぎしりは、起床時の6倍もの力が歯にかかるというデータがあります。これらの問題は主に精神的なストレスによって引き起こされると考えられています。自身でストレスを軽減するのは難しいかもしれませんが、寝る前にできるだけリラックスして顎の筋肉の緊張を和らげ、良質な睡眠を促進することが重要です。


ナイトガードの使用により、マウスピースが歯にかかる負担を軽減してくれます。歯ぎしりや噛みしめを完全に治癒するわけではありませんが、無理な力が歯に与える損傷を和らげるのに役立ちます。

ナイトガードは日中でもつけてもいいですか?

昼間に無自覚に歯ぎしりをしてしまう方には、昼間中の使用も考慮されることがあります。もし歯ぎしりが睡眠中だけの問題であれば、ナイトガードの装着も寝ている間だけで十分です。

ナイトガードの注意点は?

ナイトガードを使用する際は、虫歯菌が繁殖しやすいため、装着前と後には必ず歯磨きを行ってください。 ナイトガードをはめる際は、歯で噛み込むのではなく、手で正しくはめるよう心がけましょう。 毎晩就寝前にナイトガードを装着し、朝起きたら取り外して水か専用の洗浄剤で洗うようにしましょう。

ナイトガードのデメリットは?

ナイトガードの欠点として、つけている時に違和感を感じやすく、眠っている最中にマウスピースを外してしまうことがあることが挙げられます。これは個人差があり、一部の人は安心して使用できる一方で、他の人にとっては適応が難しい場合もあります。

歯医者でマウスピースを作る理由は何ですか?

マウスピースの製作の目的は、歯ぎしりや歯の食いしばりの治療にあります。これらの習慣が続くことで、顎の痛みや肩こり、詰め物の損傷など、さまざまな影響が生じる可能性があります。歯ぎしりや歯の食いしばりは通常、睡眠中に発生するため、就寝中に使用できるマウスピースが治療に使用されます。

マウスピースを綺麗に保つ方法はありますか?

マウスピースを清潔な状態で使うことは非常に重要です。使用する前後には、正しい洗浄と十分な乾燥を心がけましょう。専用のマウスピース洗浄剤や石鹸、ぬるま湯を使用して徹底的に洗浄し、清潔さを維持します。

専用の洗浄剤には、殺菌や消臭効果があり、これを併用することでより一層の効果が期待できます。さらに、乾燥させる際には清潔な乾燥用ケースを使用するか、風通しの良い場所で充分に乾燥させることが肝要です。

 

それに加え歯磨きを終えた後にマウスウォッシュを利用して口内も清潔に保つと、細菌の増加を防ぐことができます。

ナイトガードの洗い方(お手入れ方法)

ナイトガードの洗い方(お手入れ方法)

水道水を使用した歯ブラシのお手入れ方法

最も手軽な方法は、水道水を流しながら「柔らかい歯ブラシ」を使用してマウスピースを洗います。

ただし、歯磨き粉を使用すると、その中の研磨剤の効果により微細な傷ができる可能性があります。これらの傷ができると、細菌がつきやすくなり、汚れが残る可能性があります。そのため、歯磨き粉は使わずに水だけで洗浄しましょう。

ただし、マウスピースのタイプによっては、歯ブラシを使用しない方が良い場合もあるので、洗浄方法については歯医者で相談することがおすすめです。

マウスピース専用の洗浄剤を利用する

マウスピース専用の洗浄剤は、見えない汚れやにおいを除菌できるため、マウスピース全体を徹底的に洗浄するのに適しています。毎日の歯ブラシでは落としきれない汚れを取り除くために、週に1度程度は洗浄することをおすすめします。

つけおきタイプの洗浄剤は手軽で、洗浄剤をぬるま湯に溶かしておくだけです。ただし、洗浄剤のつけおき時間はメーカーによって異なるため、指定の時間を守るようにしましょう。長時間つけすぎるとマウスピースが劣化する可能性もあるため、使用時間にも注意が必要です。

超音波洗浄機の活用

眼鏡を洗浄する超音波洗浄機でも、マウスピースを洗浄することが可能です。歯医者でも使用されることがあるこの機械は、市販でも数千円から入手でき、手軽に洗浄作業を行えます。ただし、安価な超音波洗浄機は効果が弱いことがあるため、購入前に検討が必要です。

お手入れの際の留意点

  • マウスピースが変形する可能性があるため、熱いお湯での洗浄は避けてください。
  • 歯磨き粉には研磨剤が含まれている場合があるため、使用しないでください。
  • 歯ブラシでの洗浄時には力を強くかけないようにしてください。

マウスピース装着で口腔内の細菌を増殖させないために

マウスピース装着で口腔内の細菌を増殖させないために

ナイトガードや、矯正用マウスピースのように長時間マウスピースを装着する場合、口腔内の細菌が増殖する可能性が高まりますので、日頃からの丁寧な歯磨きはもちろん歯医者でのメンテナンスもかかせません。

マウスピースを装着し始めたらそれまでよりもこまめに歯医者へメンテナンスに通っていただくことをお勧めします。

 

医療法人甦歯会もりかわ歯科では丁寧なメンテナンス・予防歯科も行っておりますので、いつでもお気軽に来院してください。

詳しくは当院予防歯科ページをご覧ください。

マウスガードやナイトガードの使用でお悩みの方はもりかわ歯科に相談ください

もりかわ歯科の優秀なドクターや衛生士が親身にマウスガードやナイトガードについてお悩みごとを伺いますので、ご相談ください。

それ以外でも、歯や口腔内に関するお悩みもご相談をお受けしておりますので、一度お気軽にご相談にいらしてください。

噛み合せや歯並びの根本治療をお考えの方

日頃から歯ぎしりや噛み合せでお悩みの方、もしかしたらその原因は歯並びにあるかも知れません。

医療法人甦歯会もりかわ歯科ではマウスピース矯正(インビザライン)のダイヤモンドプロバイダーに選ばれた日本でも1%の歯医者です。

一度根本原因を探るだけでも構いませんので、無料相談へお越しください。

当院の矯正ページもご覧くださいませ。

まとめ

いかがだったでしょうか?

スポーツをされていてマウスガードが必要な方、歯ぎしり・食いしばりの癖がある方でナイトガードの作製をお考えの方は、もりかわ歯科へお気軽にご相談ください。

大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科では日々の診療で患者さまとの対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を行っております。

歯に関する心配事がございましたらいつでも大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科へお越しください。

 

審美歯科にご興味のある方、歯列矯正をお考えの方も当院では矯正無料相談を実施していますので、お気軽にお問い合わせください。

もりかわ歯科の矯正無料相談はこちら

詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページも併せてご覧ください。

 

歯を守るための食事のアドバイスは?

2024年1月24日
歯を守るための食事のアドバイスは?

みなさまこんにちは!

大阪府八尾市に60年にわたり、地域に根ざす歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

 

当院では、患者様が抱える歯科に関する疑問や不安に真摯に向き合い、

解消できるよう心がけています。

歯科医師やスタッフとのコミュニケーションが不足しがちな中、

このブログを通じて患者様と対話し、理解を深める場を提供したいと考えています。

日常生活での歯のお手入れや健康に関する知識は、

ご自身の歯の状態を理解し、適切なケアを行う上で非常に重要です。

このブログでは歯に関する基本的な情報から、

診療に関する細かい疑問まで、様々なトピックを取り上げています。

患者様がより良い歯科ケアの選択ができるよう、

専門的な情報を分かりやすくお届けしています。

 

ご質問や疑問がございましたらお気軽にお寄せいただき、

私たちが提供する情報を通じて患者様の歯科に関する理解が深まることを願っています。

なにかお困りの際は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

こちらでお手伝いさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします!

歯を守るための食事のアドバイスは?のご質問に全力回答!

毎回の食事を楽しんでいますか?しっかりと噛むことは心がけていますか?

 

健康に良い食べ物を選んでいても、

その食べ方が本当に健康に役立っているかどうか、今一度考えてみましょう。

 

年齢を重ねても、美味しい食事と健康的な生活を両立させるためには、

頑丈で健康な歯を維持し、「自分の歯で食事を楽しむこと」が不可欠です。

 

歯の健康は歯磨きなどのケアだけでなく、

食生活からも大きな影響を与えます。

今回は、「歯を守るための食事のアドバイス」についてお話しさせていただきます。

丈夫な歯をつくるための栄養素

丈夫な歯を作るためには、

栄養バランスのよい食事が何より大切です。

歯に必要な栄養素として、

主に良質タンパク質、カルシウム、リン、ビタミンA・C・Dが挙げられます。

丈夫な歯をつくるための栄養素

1. 良質タンパク質

タンパク質は歯の主成分であるエナメル質や象牙質(ぞうげしつ)を構成するために必要です。

また、口の中の細菌の増殖を抑え、歯垢の形成を防ぐ働きもあります。

※象牙質(ぞうげしつ)とは :歯や歯の一部など、硬い組織を形成するための物質で、歯の主要な構成要素です。

食材例

魚、鶏肉、牛肉、卵、大豆製品など。

 

2. カルシウム

カルシウムは歯の主成分であるエナメル質や象牙質(ぞうげしつ)を形成し、

硬さと強度を与えます。十分なカルシウムを摂取することで、

虫歯や歯周病のリスクを低減できます。

 

歯周病ついてより詳しく知りたい方は、

当院のブログで紹介しております「歯周病が引き起こす病気とは?全身の健康との関係性について解説!」もご覧ください。

食材例

牛乳、ヨーグルト、チーズ、豆腐、小魚(骨付き)、イカなど。

3. リン

リンはカルシウムと協力して歯を構成するハイドロキシアパタイトを形成します。

この結晶は歯の硬さや強度向上に役立ちます。

また、リンが不足すると歯の弱化が進む可能性があります。

※ハイドロキシアパタイトとは :リン酸カルシウムの一種であり、主に歯と骨の構成要素となっています。人体内では、水やコラーゲンなどの有機物に次いで豊富に存在し、骨の約60%、歯のエナメル質の97%、象牙質の70%を占めています。さらに、この成分は唾液にも豊富に含まれています。

食材例

豚肉、魚、卵、ナッツ、穀物など。

4. ビタミンA

ビタミンAは歯茎や口腔粘膜の健康を維持します。

歯茎の健康が損なわれると、歯周病のリスクが高まる可能性があります。

食材例

にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、レバー、卵など。

5. ビタミンC

ビタミンCは歯ぐきの健康をサポートし、コラーゲンの形成に役立ちます。

これにより歯ぐきの弾力性が維持され、歯周病に対する抵抗力が向上します。

食材例

オレンジ、いちご、ブロッコリー、トマト、ピーマンなど。

6. ビタミンD

ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、骨の形成と維持に不可欠です。

十分なビタミンDを摂取することで、歯の骨や歯周組織の健康をサポートします。

食材例

魚(特に青魚)、卵黄、キノコ、牛乳など。

「噛む」ことの大切さ

「噛む」ことの大切さ

口内は、食べ物が最初に入ってくる場所であり、

歯を使って咀嚼することで消化が始まります。

しっかりと噛むことができないと、摂取する食事から得られる栄養が減少してしまいます。また、健康な歯で適切に噛むことには美容効果も期待することができます。

良い噛みごたえがあると、顔の表情筋が鍛えられ、小顔の効果が期待できます。

しっかりと噛んで栄養素を摂取することで、身体の内側から美しくなる可能性もあります。

美容にとって重要な食物繊維も、頑丈な歯をつくることでしっかりと噛むことができます。

咀嚼(そしゃく)と唾液の関係性って?

食べ物を効果的に摂取するには、唾液が不可欠です。

噛むことは口周りの筋肉を鍛える運動であり、

この行為によって耳の下、顎の下、舌の下にある唾液腺が刺激され、

唾液の分泌が増加します。

噛む回数に意識を向けて食事をする方は少ないかもしれませんが、

噛むことは唾液の清掃効果を高める重要な要素です。

日本歯科医師会によれば、ひとくちにつき30回以上噛むことが理想的とされています。

噛むことを意識的に行うことで、口内の健康を維持し、

栄養素をより効果的に摂取することができます。

唾液の分泌を促す食べ物は?

唾液の分泌を促す食べ物として、真っ先に思いつくのは梅干しやレモンなどの

酸っぱい食品です。身体は「酸味=毒」と認識します。

そしてその毒性を薄めようとして味覚・唾液反射と呼ばれる反射的な唾液分泌が

引き起こされます。また、あごを動かすことにより唾液が分泌されるため、

ガムやするめ、ドライフルーツなどの固いものをよく噛むことも有益です。

さらに、昆布(アルギン酸が唾液分泌を促進)や納豆(ポリグルタミン酸が唾液分泌を促進)も、実は唾液の分泌を促す食品の一部です。

 

唾液の分泌が虫歯の予防にも役立つとはいえ、食事後の歯磨きもしっかりと行いましょう。

歯を磨くのは食べてから何分後?

歯磨きのタイミングについて、一般的なガイドラインとしては、

食事を終えてから約30分後が良いとされています。

なぜなら、食事をとると口内の状態が酸性に傾き、これによって歯が酸に弱くなります。

食後すぐに歯を磨いてしまうと、歯の表面が酸によって軟らかくなっているため、

歯ブラシでの磨きが歯を傷つけやすくなります。

したがって、食後すぐではなく、約30分待ってから歯磨きを行うことが勧められています。この待ち時間を設けることで、歯の表面が酸の影響から回復しやすくなり、

歯磨きをおこなった際に歯垢や食べカスをより効果的に取り除くことができます。

この適切な歯磨きのタイミングを守ることで、口内の健康を維持し、

歯のエナメル質を保護することが期待できます。

歯を丈夫にする飲み物は?

歯を丈夫にするためには、以下のような飲み物がお勧めです。

歯を丈夫にする飲み物は?

1. 緑茶

緑茶には抗酸化物質が豊富に含まれており、これが口内の有害な酸を中和し、

歯を酸蝕から守ります。また、ポリフェノールも豊富で、

抗酸化作用だけでなく抗炎症作用もあり、歯肉の健康をサポートします。

さらに、緑茶には口内の細菌の成長を抑制する作用があり、

これにより虫歯や歯周病の原因となる有害なバクテリアの数を減少させます。

2. 牛乳

牛乳は豊富なカルシウムとリンを含み、これらのミネラルは歯のエナメル質や

象牙質の形成に不可欠で、歯の硬度と強度を維持する役割を果たします。

特に成長期の子供や若者にとっては、正しいカルシウムとリンの摂取が歯の発育に

影響を与えます。さらに、牛乳に含まれるカルシウムは歯の軽微な損傷や

酸蝕があった場合に再石灰化を促進し、歯を保護し、強化します。

3. ハーブティー

カモミールやペパーミントティーなどは、含まれる抗酸化物質や抗炎症成分が口内の

細菌の成長を抑制し、口腔内の炎症を和らげる効果があります。

特にカモミールティーはその穏やかな抗炎症作用で知られ、歯茎の健康をサポートします。一方で、ペパーミントティーは口臭を軽減する効果があり、

口の中の爽快感ももたらします。これらのハーブティーの利用は、

口内の微生物バランスを整え、口腔環境を良好な状態に保つ一環となります。

4. 水

水は口腔内の酸を中和し、口腔環境を中性に保つ役割があります。

これにより歯のエナメル質を酸蝕から守り、虫歯や歯の損傷を軽減します。

さらに、水は口内の細菌や食物の残りを洗い流す働きがあります。

食事後に水を飲むことで、口腔内の細菌の繁殖を防ぎ、

歯垢や食べカスを除去することができます。

水は無糖かつカロリーゼロであり、他の飲み物と比べて歯の健康に対する悪影響が

少ないため、特に砂糖入りの飲み物や酸性の飲み物を摂取する前後に水を飲むことで、

口腔健康をサポートすることができます。

まとめ

 

いかがでしたでしょうか?皆さんが通常摂取している食品の中には、

歯と密接な関連があるものが数多く存在します。

今日紹介した栄養素を含む食品を摂取することはもちろん有益ですが、

これらを食事に組み込むだけでは予防として十分ではありません。

日常のセルフケアに加え、もりかわ歯科での定期的な検診とクリーニングもお忘れなく!

 

当院では、様々な症状のご相談はもちろん、

根本的な改善を志向した治療を提供しています。

将来の歯の問題を予防したい方は、どうぞお気軽にご相談ください。

歯のトラブルに適切な治療を受けることは、人生を豊かにするだけでなく、

将来的な不快な症状を未然に防ぐ一環となります。歯科治療を検討することで、

お忙しい日常においても歯の健康に対する適切なケアを施すことが可能です。

そして、きっと、その結果としてあなたの人生がより充実したものとなるでしょう。

歯の健康は単なる口腔の問題だけでなく、全身の健康とも密接に関わっています。

それでは、次回のブログでお会いしましょう。

お口の健康に関する有益な情報を共有できることを楽しみにしています。

 

歯茎の出血って何が原因なの?

2023年12月27日
歯茎の出血って何が原因なの?

みなさまこんにちは!

大阪府八尾市に60年にわたり、地域に根ざす歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。


当院では患者さまが抱える歯科に関するさまざまな疑問や不安に真摯に向き合い、
解消できるよう尽力しています。歯科医師やスタッフとのコミュニケーションが不足しがちな中、このブログを通じて患者さんとの対話の場を提供し、理解を深めるお手伝いができればと考えています。

日常生活での歯のお手入れや健康に関する知識は、自身の歯科状態を理解し、適切なケアを行う上で非常に重要です。そこで、このブログでは歯にまつわる基本的な情報から、診療に関する細かな疑問まで、幅広いトピックをカバーしています。患者さまがより良い歯科ケアの選択ができるよう、専門的な情報を分かりやすくお届けしています。

お気軽にご質問や疑問をお寄せいただき、私たちが提供する情報を通じて患者さまの歯科に関する理解を深めていただければ幸いです。何かお困りのことがあれば、お気軽にお問い合わせください。ご協力をお願い申し上げます。

歯茎の出血って何が原因なの?のご質問に全力回答!

歯茎からの出血は、歯周病の初期症状の一つであり、主な原因は歯垢(プラーク)に関連しています。以下に、歯茎からの出血の主な原因とその詳細をいくつか挙げてみましょう。

出血の主な原因は?

出血の主な原因は?

1. 歯垢(プラーク)の蓄積

歯垢(プラーク)は口内の細菌や食物のかすなどが混ざった薄い膜で、歯の表面や歯と歯の間に付着します。歯垢が適切に取り除かれないと、細菌が増殖し、歯茎の炎症を引き起こしてしまいます。

2. 歯周病[歯槽膿漏(しそうのうろう)]

歯垢が長期間放置され続けると、歯周ポケットと呼ばれる歯茎と歯の間のスペースができ、そこに細菌が蓄積します。これが進行すると歯周病が発症し、歯茎が炎症を起こし、出血します。

歯周病[歯槽膿漏(しそうのうろう)]

歯周病になりやすい生活習慣とは?
1.栄養摂取の偏り

バランスのとれていない食事は免疫機能の低下を引き起こし、歯周病の発症リスクを高めます。また、頻繁な食事摂取は口内の細菌の繁殖を促し、歯周病だけでなく虫歯のリスクも増大させます。

2.過度な飲酒と喫煙習慣

過度な飲酒は肝機能の障害から免疫機能の低下や、寝落ちなどによる歯磨きの怠りを招く可能性があり、これは歯周病のリスク因子となります。また、喫煙は血液循環の障害を引き起こし、歯周病の発症と進行を促進します。喫煙はリスクが2倍から9倍とされています。

3.日々の運動不足

近年の研究では、運動不足が歯周病の進行を促進し、脂肪組織由来の物質が歯周病の発症と進行を容易にすることが示されています。

4.ストレスと睡眠不足

ストレスや十分な睡眠の不足は免疫機能を低下させ、感染症だけでなく歯周病の発症リスクを高める可能性があります。

3. 歯石の形成

歯垢が時間とともに硬化して歯石(歯石質)となると、これは歯茎に対して刺激を与え、炎症を引き起こす可能性があります。歯石は歯科医によって専門的に除去する必要がございますので、もりかわ歯科の「歯周病予防ページ」をご覧いただき、当院にご相談くださいませ。

4. 歯磨き不足や不適切な歯磨き

小さいヘッドを選びましょう。通常、縦に3列の毛と横に2~2.5cm程度のサイズが適切です。大きなヘッドは奥歯や細かい箇所に十分にアクセスしにくく、磨き残しが生じやすくなります。

歯ブラシの選び方についてより詳しく知りたい方は、当院のブログで紹介しております「歯ブラシや歯間ブラシの選び方は?」もご覧ください。

5. 健康状態や生活習慣

喫煙、ストレス、不健康な食生活など、全体的な健康状態や生活習慣も歯茎の状態に影響を与えます。これらの要因が組み合わさると、歯茎の状態が悪化しやすくなり、出血の原因になります。

歯茎から出血したときの対処法は?

歯茎からの出血が起きた場合、簡単な対処法を以下にまとめてみました。ただし、これらは一時的なものであり、頻繁に起こる場合は、もりかわ歯科にご相談していただき適切な治療をお受けください。

1. 優しく歯を磨く

垢や歯石のために歯茎が腫れている場合、歯を優しく、円を描くように磨くことが重要です。歯磨きの際に過度な圧力をかけないように心掛けましょう。

2. 歯間ブラシや糸(フロス)を使用する

歯と歯の間や歯茎の隙間に歯垢が溜まりやすいです。歯間ブラシや歯間糸(フロス)を使って、これらの領域を丁寧に清潔に保つことが重要です。

3. 塩水で口をゆすぐ

口内の細菌を減少させ、歯茎の炎症を緩和するために、温かい塩水を使ってうがいすることが効果的です。塩水には血管を収縮させる作用があり、これにより出血を和らげることができます。ただし、明らかに出血が多く、歯茎からの出血がなかなか止まらない場合は、別の対処法が必要です。

歯茎から出血したときにやってはいけないことは?

歯茎からの出血がある場合、以下は避けるべき行動です。これらの行動は症状を悪化させる可能性がありますので注意が必要です。

1. 自己治療薬の無制限使用

歯茎からの出血が見られた場合、その症状を見かけ上緩和させるために市販の薬やうがい薬を無制限に使用するのは控えましょう。なぜなら、適切な診断が必要であり、歯科医の指導に基づいた正確な治療が望ましいからです。歯茎の出血は様々な原因が考えられ、それぞれに応じた適切なアプローチが求められます。自己判断や一般的な薬の使用では、症状の根本的な原因を見過ごす可能性があります。そのため、歯科医の診察やアドバイスを受けることで、適切な治療が行われ、再発や悪化を防ぐことが期待できます。自己処置に頼らず、プロの意見を求めることで、歯茎の健康を維持し、症状を根本的に改善する手助けとなります。

2. 喫煙

歯茎の血行を悪化させ、歯周病の進行を促進する可能性があるのが喫煙です。歯周病は歯茎の炎症から始まり、進行すると歯を支える組織にも影響を及ぼす重篤な状態となります。喫煙によって引き起こされる血行不良は、歯茎の組織に適切な酸素や栄養分が行き届かなくなり、免疫力の低下も招きます。これにより、歯周病が進行しやすくなります。

歯茎の健康を真剣に考えるなら、禁煙を検討することが非常に重要です。禁煙によって歯茎の血行が改善され、充分な栄養や酸素が供給され、自然治癒力が高まります。また、歯周病の進行リスクが低減し、歯茎の状態が維持されやすくなります。喫煙が歯茎に及ぼす悪影響を減少させることで、歯の健康を維持し、将来的な歯周病のリスクを軽減する一環として禁煙を検討することは、口腔健康全体に良い影響をもたらすでしょう。

喫煙は歯周病を進行させます!

3. 自己診断や自己治療

歯茎の出血が続く場合、自己診断や自己治療を行うのではなく、専門の歯科医に相談することが重要です。歯茎の出血は様々な原因による可能性があり、正確な診断が必要です。自己判断や市販の治療方法では、症状の根本的な原因を見逃す可能性が高まります。歯科医による専門的な診察によって、出血の具体的な原因を特定し、それに基づいた適切な治療プランを立てることができます。

歯茎の出血が続く場合、それは歯周病や他の歯科疾患の兆候である可能性があります。歯科医に相談することで、症状の進行や悪化を防ぐだけでなく、早期の治療で問題を解決することが期待できます。歯科医の専門的な知識と経験に基づくアドバイスは、症状の管理や再発予防に有益です。健康な歯茎を維持し、口腔全体の健康を促進するためには、歯科医との連携が不可欠です。

歯磨き時に歯茎からの出血リスクを抑えるためには?

歯磨き時に歯茎からの出血リスク

歯茎からの出血を予防するために、

以下は日常の歯磨き時に実践可能なシンプルな6つの方法をご紹介します。

1.歯磨きは1日に2~3回、各2分間行う

歯磨きは1日に2~3回、それぞれ2分間行います。歯磨きによってお口の中のプラーク細菌や食べかすを取り除きます。これらが残っていると、歯の表面や周辺、歯と歯の間に蓄積し、歯茎が炎症を起こし、歯肉炎などのトラブルにつながる可能性があります。フッ素配合のハミガキを使用して、1日2~3回、2分間ずつブラッシングを心がけましょう。

2.歯のすみずみまで注意深く磨く

歯のすみずみまで注意深く磨くことも大切です。歯と歯の間など、届きにくい部分を含め、お口の中のすべての箇所を丁寧にブラッシングしましょう。歯磨き残しがないように、全ての歯の内側と外側の面、咬み合わせの面を1本ずつ丁寧に磨くようにします。歯科医に相談して、自分に最適な歯磨き法について指導を受けることもおすすめです。

3.歯磨きは優しく行う

歯磨きは優しく行うことが大切です。力を入れすぎたり、歯を磨き過ぎたり、使い古したハブラシで磨くことは避け、常にていねいなブラッシングを心がけましょう。月に1回はハブラシを新しいものに交換することも忘れずに行いましょう。

4.ハブラシは歯に対して45度の角度で使う

ハブラシは歯茎に対して45度の角度で使います。歯茎に向けてハブラシを45度の角度で当て、弱い力で細かく振動させるように動かします。これにより、歯肉線(歯と歯茎の境目)を効果的に清掃できます。前歯の内側の面を磨く際は、ハブラシを垂直に当て、ヘッドの前方部分を使って磨くことがポイントです。

ハブラシは歯茎に対して45度の角度で使う

5.歯と歯の隙間(歯周ポケット)のブラッシングを忘れずに

歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)のブラッシングも忘れずに行います。歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)はプラーク細菌の影響を受けやすい部分です。歯磨きの際には、特にこの歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)を意識して歯垢を取り除きましょう。適切なブラッシングに加え、フロスまたは歯間ブラシを併用することで、歯垢(プラーク)の蓄積を抑えることができます。

歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)のブラッシングを忘れずに

6.舌も優しくブラッシングする

舌も優しくブラッシングしましょう。適切な口腔衛生には歯と歯茎だけでなく、舌も含まれます。舌を優しくブラッシングすることで、細菌を取り除き、口の中を清潔に保ちつつ、爽やかな息を保つことができます。

これらのステップを実践することで、歯茎からの出血のリスクを軽減できます。

特に歯周病の予防として、

もりかわ歯科までご相談いただき、適切なケアを行ってください。

まとめ

歯茎からの出血は、歯周病、強い歯みがき、日常の習慣、喫煙などさまざまな要因によって引き起こされます。これを放置すると、深刻な問題を見逃し、状況を悪化させる可能性があります。出血が見られた場合は、もりかわ歯科で早急に検査を受け、その原因を特定することが極めて重要です。

 

当院では、症状の緩和だけでなく、根本的な改善を目指した治療を提供しています。歯茎からの出血に悩む方や、将来の問題を予防したい方は、お気軽にご相談ください。歯のトラブルに時間を費やすことなく、人生をより楽しむためにも、歯科治療を検討してみてください。きっと、あなたの人生が豊かになるでしょう。歯の健康は、心身の健康にも密接に結びついています。

 

それでは、また次回のブログでお会いしましょう。

 

フッ素って虫歯予防にいいの?

2023年12月20日
フッ素って虫歯予防にいいの?

こんにちは!大阪府八尾市で60年!地域に根ざした歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康に関して気なることや、歯にまつわる体のお悩みなどは人それぞれ、千差万別です。歯科医師やスタッフが歯科知識として理解していることでも、患者さまにとっては疑問や不安になってしまうのだと、気づかされてはっとすることも度々あります。できるだけ多くの質問に詳しくお答えできればいいのですが、診療中に個々の患者さまに詳しくご説明する時間が限られていることが多いのが実状です。

そこで、「歯に関するご質問に全力回答!」ブログをスタート! 普段の診療中にご質問いただく内容について、この場で詳しく解説していくことを目的として掲げ、出発したブログです。このブログが、歯医者に対して患者さまが日頃抱えている疑問や不安の解消への近道になれば、と願ってやみません。

どんな些細な疑問や質問でも、お気軽にお寄せください! 患者さまの健康としあわせを支えることが私たちの役目です。どうぞよろしくお願いいたします。

フッ素って虫歯予防にいいの?

今回はフッ素のお話です。皆さまも「フッ素」というと、普段使われている歯磨き剤のパッケージに書かれていたり、CMなどで耳にしたりしたことがあると思います。最近では国内各地の河川や水道水などから高濃度の有機フッ素化合物が検出されたとか、WHOが発がん性の評価を引き上げたとか、ニュースでもお聞き及びかもしれません。そこで今回は、「フッ素配合?」「歯磨き剤に入ってるフッ素と有機フッ素化合物は違うものなの?」など、そんな疑問や不安にもお答えしていきたいと思います!

そもそもフッ素って何?

フッ素は周期表の17番目の元素で、化学記号はFです。無色・無臭の気体であり、高い電気陰性度を持っています。主に歯科の領域で、「歯のエナメル質を強化し虫歯の予防に役立つ」として知られています。歯磨き剤やマウスウォッシュにも配合されています。また、工業や医薬の分野でもさまざまな製造に関与するなど、総じて、フッ素は歯の保健や産業プロセスにおいて重要な役割を果たしています。

そもそもフッ素って何?

また、歯科の領域で使用されているフッ素は、主にフッ化ナトリウムなどで、「無機フッ素化合物」と呼ばれるもので、問題の「有機フッ素化合物」とはまったく別のものです。

フッ素はなぜ虫歯予防になるのですか?

フッ素が虫歯予防に効果がある主な理由は、以下の通りです。

エナメル質の強化

フッ素は歯のエナメル質を強化する作用があります。エナメル質は歯の表面を覆っている硬い層で、酸や細菌などから歯を守る役割を果たしています。フッ素がエナメル質に取り込まれることで、より強固な表面を維持できます。

歯の構造

歯の再石灰化

歯を構成するミネラル質を再び歯の表面に取り込むプロセスのことを再石灰化といい、これによって歯の硬さと強度が増します。

細菌の成長抑制

フッ素は歯の表面に付着した細菌の成長を抑制する効果があります。虫歯の主な原因は、口内の虫歯菌によって作られる酸によるものです。フッ素はこの虫歯菌の活動を抑え、虫歯の発生リスクを減らします。

歯石の形成阻止

フッ素は歯石の形成を阻止する効果もあります。歯石は歯の表面に細菌やプラークが堆積して硬くなったもので、歯ブラシなどで十分に取り除くことが難しくなります。フッ素はこの歯石の形成を妨げ、口の中の清潔を維持します。

このように、フッ素は虫歯の予防に効果的で、歯の健康を維持するのに役立つのです。

フッ素は虫歯になった歯にも効果があるの?

はい、初期の虫歯に効果があります。フッ素は初期虫歯の修復、つまり「再石灰化」と呼ばれる現象を効果的に促進します。初期虫歯は歯の表面が酸により傷ついている状態(脱灰)です。これが進行すると、表面が崩れて穴の開いたむし歯になる可能性があるのですが、フッ素によって再石灰化が活性化することにより、傷ついた歯の表面が修復され、虫歯の進行を防ぐこともできます。

フッ素のはたらき

フッ素で虫歯は治せますか?

前述の通り、フッ素は初期の虫歯を修復し、進行を抑制する効果があります。ですが、進行が進んでしまった虫歯に対しては、フッ素だけでは効果が限定的であり、歯科医の治療が必要となります。歯科医は、虫歯の進行具合に応じて適切な治療法を提案し、虫歯を治療するプロセスを進めます。フッ素の使用はあくまでも予防的な側面で重要で、歯の健康維持を助けるものです。

フッ素は歯のエナメル質を再生しますか?

フッ素は歯のエナメル質を再生するわけではなく、再石灰化と呼ばれるプロセスを促進し、エナメル質の表面を強化する役割を果たします。再石灰化は、歯の表面に微小な損傷が生じたとき、ミネラル成分を歯に戻すプロセスのことですが、つまりフッ素による再石灰化とは、フッ素イオンが歯のエナメル質の結晶構造に結合することなのです。こうして、歯のエナメル質が強固になるというわけです。

フッ素を使う時に気をつけなければいけないことはありますか?

このようにフッ素は歯科などで効果的に利用されていますが、注意が必要な点ももちろんあります。以下はフッ素の注意点です。

適切な濃度の使用

フッ素を過剰に摂取すると健康に悪影響を与える可能性があります。歯磨き剤やマウスウォッシュなどの製品に含まれるフッ素濃度は指定された使用量を守りましょう。

小児への摂取管理

特に小児は成長段階にあり、過剰なフッ素摂取は歯や骨の発育に悪影響を及ぼすことがあります。小児用の歯磨き剤などは、年齢に応じた適切な濃度を選ぶことが重要で、2023年1月に歯磨き剤のフッ素濃度の推奨基準が変更されたりもしました。

斑状歯

高濃度(適量の2〜3倍ほど)のフッ素を、成長期(あごの骨の中で歯がつくられる時期)に継続的に摂取することによって、エナメル質の色や形態に異常が起きることです。歯の表面に白斑や白濁、または縞模様が出たり、重症の場合は歯の一部が茶色くなったり穴が開いたりすることもあります。

適切な歯科ケア

フッ素の使用は歯科ケアの手段として適していますが、歯の清掃や歯医者の定期検診も重要です。フッ素だけでなく、総合的な口腔ケアが歯の健康に寄与します。

アレルギー反応

一部の人々はフッ素に対してアレルギー反応を示すことがあります。歯磨き剤やマウスウォッシュなどを使用する際に、異常な反応があれば医師に相談しましょう。

とはいうものの、フッ素の利用は総じて歯の健康維持に役立つもので、使用量や濃度などに十分注意して適量を使用するなら、いたずらに怖がる必要はありません。心配な場合は歯科医に相談して、適切な用量・用法を確認してくださいね。

 

フッ素は塗ったほうがいいのでしょうか?

フッ素の塗布は歯の表面にあるハイドロキシアパタイトと呼ばれるエナメル質の主成分に影響を与え、その結晶構造を強化・修復します。このプロセスにより、酸に対して強固で丈夫な歯になります。特に、乳歯や新しく生えた永久歯はフッ素を効果的に取り込みやすいので、小児期に定期的にフッ素を塗布することはたいへん有効です。これによって歯の健康を維持し、虫歯の発生を予防する効果が期待されます。

 

フッ素は何歳ぐらいまでに塗ると効果的なんですか?

フッ素の塗布が小児期に効果的なのは確かですが、具体的な適正年齢については、個々の子どもの歯の状態や成長によって異なります。一般的なガイドラインとしては、乳歯が生え始めた頃から永久歯が発育し終わるまでが、フッ素の塗布にとりわけ有益な時期とされています。

おおよそ6歳から16歳の間

歯科医師は子供が6歳から16歳の間にフッ素の塗布を勧めることがありますが、この期間がまさに永久歯の発育が進む時期で、フッ素によって歯のエナメル質が強化され、虫歯の予防に高い効果が見込めるからです。

具体的なスケジュールは歯科医や子どもの歯の状態により異なるため、子供の歯科健康に関する相談はぜひ歯科医になさってください。歯科医は子どもの歯の状態を評価し、最適な時期と頻度でフッ素の塗布を勧めることができます。

小児期のフッ素塗布

フッ素塗布は大人にも効果がありますか?

大人の歯においてもフッ素塗布が効果的な理由はいくつかあります

歯の再石灰化

歯が酸によって傷つく(脱灰)のは大人でも同じです。フッ素は歯のエナメル質に働きかけ、再石灰化を促進します。これにより、歯の表面の小さな損傷や脱灰を修復し、歯を強化します。

歯の耐久性向上

大人ならではの生活習慣や飲食習慣により、歯が酸や細菌の影響を受けることがあります。フッ素は歯の結晶構造を強化し、酸に対する耐性を向上させる効果があります。

歯周病の予防

フッ素は歯周病の予防にも寄与します。歯周病は歯の周囲の組織に影響を与えるため、歯を健康に保つためにもフッ素の利用が有益です。

歯石の防止

フッ素は歯石の形成を防ぎ、歯の表面を清潔な状態に保つことも期待されます。

大人の歯においても、歯科医の指導のもとでフッ素の塗布が行われることで、歯の健康維持が期待できます。歯の状態に合わせた適切なケアを、ぜひ歯科医にご相談ください。

どのぐらいの頻度で塗るのがいいんでしょうか

塗布したフッ素の効果はおおよそ3〜4カ月持続すると言われています。

フッ素塗布の頻度は、患者さまの歯の健康状態や抱えているリスクによって異なります。歯科医師が患者さまの状態を評価し、最適なスケジュールを提案しますが、一般的なガイドラインに基づいて以下のような頻度が考えられます。

子供(乳幼児から青年期)

通常は歯の発育が進む期間において、6ヶ月から1年に1回の頻度でフッ素塗布が行われます。

成人

 成人の場合は、通常は1年に1回のフッ素塗布が一般的です。

リスクが高い場合

虫歯のリスクが高い場合や特定の歯の状態に問題がある場合は、個別のケースとして、歯科医から最適なスケジュールを提案させていただきます。フッ素塗布も含めた予防歯科については、もりかわ歯科ホームページの診療メニュー「予防歯科」もぜひご覧ください。

フッ素を塗りすぎると歯が白くなるって本当ですか?

一般的に、適切に適量を使用していれば、歯が白くなりすぎたり、まだらになることは少ないです。また歯の表面に変色が生じる可能性があるのは、フッ素を過剰に使用した場合です。これは「フッローシス」と呼ばれ、以下のような症状が現れることがあります。

白斑症(White Spots)

 歯の表面に白い斑点が現れることがあります。これは歯のミネラル損失によって引き起こされます。

まだらな変色

過剰なフッ素使用により、歯の表面がまだらに変色することがあります。これはフッ素が歯の結晶構造に影響を与えた結果です。

これらの症状は通常、フッ素の過剰な摂取や長期間にわたる過度のフッ素使用が原因で引き起こされます。一般的な歯磨き粉やマウスウォッシュを通常の使用量で利用する限り、こういった症状を心配する必要はありません。フッ素製品の使用量や濃度に関しては、商品の取り扱い説明書や歯科医との相談が重要です。

歯磨き剤はフッ素入りがいいですか?

歯科用フッ化物配合歯磨剤(しまざい/歯磨き剤のこと)は、毎日の歯みがきでフッ化物を効果的に供給できるため、虫歯予防に重要な役割を果たします。世界保健機関(WHO)は、フッ化物配合歯磨剤の使用を、すべての人に推奨しています。

フッ化物配合歯磨き剤(子ども用)

多くの国々では、フッ化物配合歯磨剤が市場シェアの90%以上を占め、圧倒的な数の人々に活用されています。先進国では、この過去30年で虫歯の大幅な減少が見られており、その要因として「フッ化物配合歯磨剤が普及したこと」が挙げられています。

日本では、フッ化物配合歯磨剤は医薬部外品として規定されており、フッ化物の配合成分としてはフッ化ナトリウム(NaF)、フッ化スズ(SnF2)、モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)の3種類が認可されています。これらの成分は、濃度が1,000ppm(0.1%)以下に規制されています。

フッ素うがいもいいって聞いたけど?

正しくはフッ化物洗口(ふっかぶつせんこう)といいます。

学校などでの集団実施

フッ化物洗口は保育園、幼稚園、小中学校で集団で実施されてもいます。一定濃度のフッ化ナトリウム溶液(5~10ml)を使用し、1分間のブクブクうがいをする方法で行われていますが、永久歯の虫歯予防に効果的です。この方法は、第一大臼歯が生え始める就学前から始め、だいたい中学生まで継続します。

小児期のフッ化物洗口によるう蝕(虫歯)予防率

家庭での実施

歯科医院で購入できる洗口剤(同250ppm)や薬局で購入できるOTCフッ化物洗口剤(同225ppm)を用いて毎日1回行います。

フッ化物洗口は大人にもいいの?

はい、成人においても隣接面むし歯や根面むし歯の予防に効果的です。寝ている間は唾液の分泌量が減り、フッ素が長時間口内に留まることができるので、フッ化物洗口は就寝前がおすすめです。

就寝前のフッ化物洗口

フッ素洗口液って危なくないの?

適切な量の使用であれば危なくありません。フッ化物洗口に利用されるフッ化物の濃度は、体に影響が出ない程度に調整されています。また、万が一洗口液を飲み込んでしまっても、急性中毒の心配はありませんし、正しい容量・用法での継続使用ならば、副作用の心配もありません。

フッ素を塗った後やフッ素うがいの後、食事はしてもいいですか?

30分は飲食をひかえてください。これは、口の中にフッ素が残りやすい状態を維持することが目的です。そうすることで、フッ素が歯の表面に、より効果的に吸収され、再石灰化や虫歯の予防効果を最大限に引き出すことが期待されます。せっかくのフッ素を飲んだり食べたりすることで流してしまわないようにすることが大切なのです。

アメリカ人は虫歯にならないのはなぜ?

アメリカなど多くの国々では水道水にフッ素が添加されていて、これが虫歯予防につながっているとされています。この取り組みは公共衛生の一環として行われ、水道水中のフッ素が歯の健康に役立つことが確認されています。水道水中のフッ素濃度が適切であることにより、歯科保健の向上と虫歯の発生率の低下が期待されています。

フッ素はドイツで禁止されているのですか?

ドイツでは一般的には水道水にフッ素を添加してはいませんが、フッ素の使用に関する法的な禁止はありません。ドイツに限らず、各国の水道水へのフッ素の添加に関する方針は異なるため、国ごとに異なる取り決めや基準が存在しています。ちなみに日本では全国的に水道水にフッ素を添加する計画は今のところ存在していません。

フッ素の摂取で骨粗鬆症になるかもって聞きました

フッ素と骨粗鬆症については、適切な摂取量であれば一般的には関連性が低いとされています。むしろ、適切な量のフッ素摂取は骨にとってもプラスに働きます。骨粗鬆症のリスクにつながるとすれば、やはり過剰で不適切に摂取した場合です。

適切なフッ素摂取と骨の健康

フッ素はフッ素は、骨の形成に必要なカルシウムとリンの吸収を促進し、適切な量なら骨を強化する効果があります。歯科保健の一環として、水道水や歯磨き剤にフッ素を添加することで、歯や骨の健康を促進しています。

過剰なフッ素摂取と骨粗鬆症などのリスク

フッ素を過剰に摂取すると、骨の形成が促進されすぎ、骨が硬くなりすぎてもろくなる可能性があります。また、フッ素は骨の破骨細胞の働きを抑制します。破骨細胞は、骨の再構築を行う細胞です。フッ素を過剰に摂取すると、破骨細胞の働きが抑制され、骨の再構築が妨げられる可能性があります。

過剰にフッ素を摂取してしまう原因

フッ素の過剰摂取が生じる主な原因としては、地下水や井戸水など自然な水源からの高濃度のフッ素が摂取されることが考えられます。一般的に、通常の飲料水や歯科製品からのフッ素摂取では、このようなリスクはほとんどありません。

フッ素は癌になりますか?

一般的な水道水や歯磨き剤、歯科製品からのフッ素の摂取が適切な量である限り、がんのリスクが増加するという科学的なエビデンス(根拠やデータ)はありません。とはいえ、フッ素の過剰な摂取は健康に悪影響を与える可能性があります。

一部の地域では自然水源から高濃度のフッ素が含まれている場合があり、これが慢性フッ素中毒を引き起こすことが報告されています。しかし、通常の水道水や歯科用製品からのフッ素摂取では、健康に対する重篤な影響はほとんど見られません。

まとめ

いかがでしたか? おおまかに言って重要なのは、「フッ素は歯科の健康に効果がある」「適切に使用していればフッ素は危険ではない」の2点です。これだけ抑えておいていただければOKですので、患者さま個々の健康状態などに応じて「どう使用すれば効果的」で、「適量はどのぐらいなのか」などは、ぜひ大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科までご相談ください。もりかわ歯科では、予防歯科にも力を入れております。転ばぬ先の杖となり得るフッ素を上手に使って、お口の中の健康を守りましょう。

歯にまつわることならどんなことでもご質問にお答えしたいという熱い思いで書いているこのブログが、患者さまの不安を拭えたならばこんなに嬉しいことはありません。