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歯肉炎と歯周病の違いとは?歯肉炎の症状や原因、治療法も解説!

2023年11月17日
歯肉炎の女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯肉炎や歯周炎、歯周病はよく似ている言葉なので、違いがわからないという方も多いのではないでしょうか。歯肉炎は、歯周病の初期段階です。

歯肉炎を放置して進行すると、歯周病になって歯が抜け落ちる可能性があるため注意が必要です。歯肉炎の原因や症状、予防法を理解することで、早期発見・治療が可能となるでしょう。

今回は、歯肉炎の症状や原因、治療法、予防法などを解説します。ぜひ参考にしてください。

歯肉炎と歯周病の違いとは?

歯肉炎と歯周病の比較

歯周病は、歯の周囲組織がプラーク(歯垢)に潜む細菌に感染することによって引き起こされる炎症性疾患です。歯肉炎は歯周病の初期段階を指します。

歯肉炎の段階では炎症は歯肉に限定されており、歯を支える歯槽骨には炎症が広がっていません。歯肉の腫れや出血などの症状がみられることがありますが、ほとんど自覚症状がないことが特徴です。

歯肉炎の段階で治療を開始し、プラークコントロールを徹底できれば、歯周病の進行を抑えることができます。

歯肉炎と歯周炎の違いとは?

歯肉炎と歯周炎の違いを考える女性

歯肉炎と歯周炎の違いは、症状の進行度です。いずれも歯周病に分類され、歯肉炎から歯周炎へと進行します。

歯肉炎は比較的軽度の歯周病であり、適切にケアをすることで歯茎を健康な状態に戻すことが可能です。

歯周炎へと進行すると、深くなった歯周ポケットにプラークが入り込み、歯槽骨にまで炎症が広がります。歯肉の腫れや出血だけでなく、歯肉から膿が出る、歯がグラグラと揺れるなどの症状が現れ始め、最悪の場合歯が抜け落ちます。

歯周病は進行すればするほど歯を失うリスクが高くなり、大がかりな治療が必要になるため、早期に適切な治療を受けることが重要です。

歯肉炎の症状

歯茎が腫れている人

歯肉炎は自覚症状がないことが多いですが、以下の症状が現れます。

・歯肉の赤み
・歯肉の腫れ
・歯肉の出血

歯肉炎の段階では痛みがないため、症状に気づかないこともあります。症状が軽いため、治療を受けずに放置する方も少なくありません。

しかし、放置すると炎症が広がって歯周炎へと進行し、歯を失う可能性があります。大切な歯を守るために、歯肉炎の段階で適切な治療を受けることが大切です。

歯肉炎の原因

歯垢のついた歯

歯肉炎の原因は、歯垢(プラーク)という細菌の塊です。歯を十分に磨けていないと、歯垢が歯周ポケットに蓄積して細菌が増殖します。細菌が出す毒素により、歯肉に炎症が起きた状態が歯肉炎です。

プラークは除去しないと石灰化して、歯磨きでは除去できない歯石へと変化します。歯垢や歯石などの汚れが蓄積すると、歯肉が腫れて歯周ポケットが深くなるため注意が必要です。

歯周ポケットの内部に歯垢や歯石が入り込むと、炎症が深部まで広がり、歯肉炎から歯周炎へと進行します。歯の状態や生活習慣、病気などによって歯肉炎が悪化しやすくなることがあるため注意しましょう。

歯肉炎の進行を早める要因は、以下のとおりです。

・歯ぎしりや食いしばりの癖がある
・被せ物や詰め物が入っている
・合わない入れ歯を使っている
・歯並びが悪い
・食習慣が不規則である
・喫煙習慣がある
・ストレスがたまっている
・糖尿病を患っている
・降圧剤や免疫抑制剤などの薬を服用している

喫煙習慣がある方やストレスを解消できていない方、糖尿病などの病気を患っている方は、免疫力が低下するので歯肉炎が進行しやすいです。歯肉炎の予防・改善には、お口のケアだけでなく生活習慣の改善や全身の健康管理も重要といえます。

歯肉炎を放置するリスク

歯肉炎を放置するリスク

歯肉炎を放置すると炎症が広がり、歯周炎へと進行します。歯肉炎を放置するリスクを詳しく確認しましょう。

歯周病が悪化する

歯肉炎を放置すると歯周炎へと進行し、歯周病が悪化するため注意が必要です。歯周炎になると歯周ポケットが深くなり、歯垢や歯石が蓄積して炎症が深部へと広がります。

歯周炎まで進行すると、以下の症状が現れます。

・歯肉から膿が出る
・口臭が悪化する
・噛むときに強い痛みを感じる
・歯肉が下がって歯が長く見える
・歯槽骨が溶けて歯がグラグラと不安定になる
・歯が抜け落ちる

歯周病は歯を失う原因の第一位です。重度の歯周病まで進行すると、歯槽骨が半分以上破壊されて歯が抜け落ちる可能性があります。周囲の歯への影響を避けるため、抜歯が必要にあることもあるでしょう。

全身の健康に悪影響を及ぼす

歯肉炎を放置すると、全身にも悪影響を及ぼします。歯肉の血管に細菌が出す毒素が侵入し、血流に乗って全身に巡るためです。

糖尿病や心臓血管疾患、骨粗鬆症などの発症・悪化を招き、肺炎や脳梗塞、心筋梗塞を引き起こすこともあります。また、妊婦の場合は低体重出生児や早産のリスクが高まります。

歯肉炎の治療法

歯肉炎の治療

歯肉炎をはじめとする歯周病治療の基本は、原因である歯垢・歯垢の除去です。歯肉炎の段階で治療を開始できれば、毎日のセルフケアと歯科医院でのメンテナンスで改善可能です。

歯肉炎の治療法を詳しく確認しましょう。

歯のクリーニング

専用の機器を用いて、歯の表面や歯周ポケット内部の歯垢・歯石を除去します。歯科医院のクリーニングでは、スケーリングとルートプレーニングという処置を行います。

歯石は歯ブラシでは除去できないため、定期的に歯科医院のクリーニングを受けて除去することが大切です。適切なブラッシングを継続し、歯科医院でのメンテナンスを受ければ、2~3週間程度で歯肉の状態を改善できることもあります。

スケーリング

スケーラーという器具を用いて、歯の表面に付着した歯垢や歯石を除去する処置です。

ルートプレーニング

歯周ポケット内部の歯石や、細菌によって汚染された歯根のセメント質を除去し、なめらかにする処置です。なめらかに研磨することで、歯垢や歯石の再付着を防ぎます。

被せ物の再治療

被せ物を長期間使用すると段差やすき間が生じ、歯垢がたまりやすくなります。被せ物の不具合によって炎症が起きている場合は、再治療が必要です。

生活習慣の指導

喫煙習慣や乱れた食生活、睡眠不足、ストレスの蓄積などは歯肉炎を悪化させる要因です。歯科医院では、生活習慣を改善するために指導を行うことがあります。

ブラッシング指導

歯科医院でのクリニーニングだけでは、歯肉炎は改善しません。正しいブラッシング方法を身につけ、ご自宅でもプラークコントロールを継続することが大切です。

歯科医院では、一人ひとりのお口の状態に合わせて、効果的なブラッシング方法を指導します。

歯肉炎の予防法

歯間ブラシを使う女性

歯肉炎は自覚症状がほとんどないまま進行するため、歯肉炎を起こさないことが非常に重要です。歯肉炎の予防法をご紹介します。

口腔ケアを徹底する

歯肉炎を予防するためには、プラークコントロールを継続することが大切です。プラークは歯ブラシだけでは除去できないため、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助器具を使用しましょう。

デンタルリンスでの仕上げうがいは、細菌の繁殖を抑制する効果があります。プラークをできる限り除去し、細菌を繁殖させない口腔環境を作ることが大切です。

生活習慣を改善する

歯肉炎の予防には、生活習慣の改善が非常に重要になります。生活習慣を改善するためのポイントは、以下のとおりです。

・禁煙する
・栄養バランスのよい食事をとる
・十分で質のよい睡眠をとる
・ストレスをためない

上記を心がけると、免疫力が高まります。免疫力が高まれば歯肉炎を予防できるだけでなく、体調も整うでしょう。

歯科医院で定期的にメンテナンスを受ける

歯肉炎は自覚症状なく進行するため、歯科医院で歯茎の状態のチェックしてもらうことが大切です。定期的に歯科医師の診察を受けることで、歯肉の異常を早期発見できます。

歯科医師・歯科衛生士によるクリーニング、正しいブラッシング方法の指導も受けられるため、プラークコントロールの継続にもつながります。

1年に2~3回は歯科医院を受診し、メンテナンスを受けるとよいでしょう。

まとめ

歯肉炎が治った女性

歯肉炎は、炎症が歯肉に限定されている歯周病の初期段階です。歯肉炎を放置すると歯周炎へと進行し、重度になると歯槽骨が溶けて歯が抜け落ちる可能性があります。

歯肉炎の段階であれば、プラークコントロールを徹底することで健康な状態に戻せます。毎日の口腔ケアに加え、歯科医院でクリーニング、ブラッシング指導を受ければ、歯垢をしっかり除去できるでしょう。

また、定期的に歯肉の状態を確認してもらうことで、歯肉炎の早期発見・早期治療が可能です。お口の健康を維持するために、歯科医院で定期的にメンテナンスを受けて歯肉炎を予防しましょう。

歯肉炎にお悩みのあるの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

こどもの歯の健康ケア

2023年11月15日
子どもの歯の健康ケアって?

こんにちは!大阪府八尾市で60年間、地域に根付いた歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康に関することや、歯にまつわる体のお悩みなどは、歯科医師やスタッフにとっては常識的なことでも、患者さまにとっては疑問や不安に思われることなのだ、とあらためて気づかされることがよくあります。診療中には、できるだけ多くの質問に詳しくお答えできればいいのですが、実際には個々の患者に詳細に説明する時間が限られていることが多いのが実情です。

そこで、普段の診療中によく聞かれる質問に対して、当院のブログで詳しく解説していく「歯に関するご質問に全力回答!」ブログをスタートしました。

このブログを通じて、歯医者に対して患者さまが日頃抱えている疑問や不安を解消していただければ、それは私たちの大きな喜びにもつながります。

どんな些細な疑問や質問でも、お気軽にお寄せください! 私たちは患者さまの健康と幸福を支えるためにここにいます。どうぞよろしくお願いいたします。

 こどもの歯の健康ケアって?のご質問に全力回答!

ひとくちに「子どもの歯の健康」といっても、子どもの年齢もさまざまだし、何をどうすればいいのか分からない… 今回はそんな不安解消のために、子どもの歯の健康について、歯医者として詳しく解説していきたいと思います。

 こどもは虫歯になりやすい?

そもそも虫歯のできやすさに大人と子どもで違いがあるの? 答えはYES。子どもの歯は、大人に比べて歯の成熟度が低く、見たり触ったりしても分かりませんが、実は歯の表面のエナメル質に比較的多くの空洞があり、薄くて柔らかいのです。そのせいで特段、酸や甘いものに弱く、結論として子供の歯は大人の歯よりも虫歯にかかりやすいと言えます。

また、きちんと歯磨きができていない、間食をよくするなど、子どもならではの生活習慣も虫歯の原因です。

歯の構造

こどもの虫歯は減っている?

最近、フッ化物やフッ化物入り歯磨き粉(剤)を使う方が増えて、子供の虫歯の発生率が30年前の5分の1にまで減少しています。実際、日本の子供の2人に1人は虫歯の経験がないという調査結果も出ています。

こどもの虫歯の原因は?

子どもの虫歯が減っているとはいえ、子どもが虫歯にならないわけではありません。

子どもの虫歯の原因としては、主に以下のようなものがあげられます。

不十分な歯磨き

子どものうちは正しく歯磨きをするのはたいへんです。歯ブラシが大嫌いというお子さまもいらっしゃるでしょう。お子さまの歯磨きを根気強く大人がチェックすることが虫歯予防には大切です。

不十分な歯磨き

糖分の過剰摂取

砂糖を多く含む食品や飲み物を過度に摂取することも、虫歯になりやすい大きな要因です。砂糖を栄養とする細菌が酸を生成し、その酸が歯に悪影響を与えます。

糖分の摂取やダラダラ食べ

おやつの「ダラダラ食べ」

決められた時間に甘いものを食べるのではなく、いつも何かを食べている「ダラダラ食べ」。これは口の中に食べ物のない時間が少なくなるということで、歯によくありません。

虫歯菌の感染

生まれたばかりの赤ちゃんの口の中に虫歯菌(代表的なものとしてはミュータンス菌)はいません。虫歯菌に感染してしまうことで虫歯になります。

歯並びが安定していない

乳歯と永久歯の両方が生えていたり、生えかけの歯があったりなど、汚れの溜まりやすい状況になりやすく、虫歯のリスクも高まります。

では子どもの虫歯についての疑問点も踏まえて、もう少し詳しく説明しましょう。

虫歯菌が感染するって本当?

本当です。よく知られていることですが、虫歯菌はご家族(親・祖父母)から感染すると言われています。母乳やミルク期が終わり離乳食になると、大人が自分のスプーンや箸で食べ物を取り分けたり、食べさせたりします。また温かい物に息を吹きかけて冷ますこともあるでしょうし、至近距離でのおしゃべりやスキンシップでも唾液が飛び、その唾液を介して感染してしまうことが多いのです。

特に奥の乳歯が生えてくる頃は、食べるものも増えてきて、感染しやすい要注意時期と言われています。

唾液の飛散やおしゃべりも!?

乳歯と永久歯について意外と知らないこと

永久歯の生える時期と順番

そもそもどうして最初から永久歯が生えないのでしょうか。それは、子どもの顎の大きさに理由があります。小さな顎に、大人と同じ大きさや本数の歯は収まりきらないからです。大人の歯が28本なのに対して、乳歯は全部で20本。乳歯は、生えることで永久歯の生えるスペースを確保し、顎を発達させたり、言葉を発すること(発音)の助けになったりと、非常に重要な役目を担っているのです。

乳歯なら虫歯になっても大丈夫?

どうせ抜けてしまうのだから虫歯になっても大丈夫だろうというのは大きな間違いです。歯は外側から「エナメル質」、その下に「象牙質」、そして一番内側に「歯髄(しずい)」、という3つの層からできています。「歯髄」には血管と神経が通っているのですが、虫歯にかかった乳歯をそのままにしておくと、虫歯菌が歯髄にまで到達してしまいます。そうなると、乳歯の下で待機している永久歯にまで影響が及びます。つまり、せっかくの永久歯が「虫歯菌を持った永久歯」として生えてきてしまうのです。いつ虫歯になってもおかしくありません。

また、永久歯の生え方をサポートする役割の乳歯が虫歯で早々に失われてしまうと、永久歯がまっすぐ生えてこられないなど、将来の歯並びに影響することも考えられます。

乳歯から永久歯への感染

子どもの歯は虫歯になったら進行が早いのですか?

前述の通り、永久歯に比べてエナメル質に細かな空洞も多く、薄くて柔らかい乳歯は虫歯の進行が早いです。また、小さなお子さまは違和感や痛みをうまく伝えることができなくて、いつの間にか進行していたといったケースもあるのです。

乳歯が虫歯になったらどうすればいいの?

永久歯の健康を守るためにも、早期発見・早期治療が大切です。乳歯の歯科治療には、おおむね以下のような治療を施します。

シーラント法

乳歯の溝や凹みにフッ素樹脂を詰めて、虫歯菌の侵入を防ぐ方法です。

フッ素塗布

フッ素を歯に塗布して、歯質を強化する方法です。

歯科医によるフッ素塗布

充填(レジン充填)

虫歯を削った部分にレジンというプラスチックを詰める方法です。

レジン充てん

根管治療

虫歯が神経まで進行してしまった場合に、神経を抜いて根管を充填する方法です。

抜歯

虫歯が進行して歯を残すことができなくなった場合に、歯を抜く方法です。

いずれもケースバイケースです。嫌がるお子さまに無理やり治療を施すと、歯科恐怖症などお子さまの将来に悪影響を及ぼすこともあります。お子さまが治療を受けやすい環境を整え、お子さまの大事な永久歯のために最善の治療を施すためにも、歯科医師とよくご相談ください。

一生虫歯にならないようにできるの?

口の中に虫歯菌が存在しなければ、虫歯になるリスクはほぼゼロです。 そして、口の中に虫歯菌が住み着く可能性は、2歳半〜3歳までに決まると言われています。 そのため、3歳までに虫歯菌の感染を予防できれば、一生虫歯にならないか、虫歯になりにくい口腔内環境を築くことができると言えます。

子どもの歯の健康を守るには?

ここまで、子どもの歯と虫歯の関係について基本的な問題点を知ってもらいました。ここからはさらに踏み込んで、子どもが虫歯にならないようにするには何をすれば良いのか、子どもの歯の健康のためにどうすればいいのかを具体的に解説していきます。

食べ物のおはなし

子どもの歯と食べ物の関係は非常に重要で、正しい食習慣は歯の健康のみならず体の健康にも大きな影響を与えます。まず、おいしくと感じることで食欲がわき、子どもの体づくりにつながります。「咀(そ)しゃく(=噛むこと)」「歩行(=歩くこと)」「呼吸(=)息をすること」は生きるために絶対不可欠な運動であると証明されています。

よく噛むということのメリット

よく噛んで食べることにはメリットがたくさんあります。

  • 消化を助け、胃腸への負担を減らすことができます。
  • 食べ物本来の味がよくわかるので、味覚が発達します。
  • 脳の神経を刺激するため、脳細胞の働きが活発になり、脳の発達につながります。
  • 脳の神経が刺激されるとホルモンの分泌もさかんになり、運動神経の発達も期待できます。
  • 口の周りの筋肉を使うので、きれいな発音の助けになります。
  • よく噛んで食べる

よく噛んでたべましょう!

虫歯予防にはバランスの良い食事が大切

大切な栄養素としてカルシウムが有名ですが、カルシウムだけで強い歯はできません。もちろん、永久歯を作る時期にカルシウムが不足すると、強い永久歯は生えてきませんが、良質なタンパク質などをバランスよく摂取することがとても大切です。以下は、歯に良いとされる栄養素です。

カルシウム

カルシウムを多く含む食材

歯のエナメル質や象牙質の主要な構成要素です。カルシウムが不足すると歯が脆くなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。牛乳、チーズ、ヨーグルト、大豆などの乳製品に多く含まれています。

ミネラル

ミネラル(亜鉛、マグネシウムなど)は歯の硬度を維持し、歯の石灰化のための材料になります。これらのミネラルは様々な食品に含まれています。

たんぱく質

歯の再生と修復に重要で、歯の有機物質のほとんどがたんぱく質でできています。肉、魚、乳製品、豆腐、卵などが良いたんぱく質の源です。

りん

歯や骨の形成に必要な栄養素で、カルシウムとのバランスが重要です。カルシウムとりんのバランスが取れた食事が、歯の健康をサポートします。肉、魚、卵、乳製品などに含まれています。

ビタミンA

歯のエナメル質の健康を維持するのに役立ちます。ビタミンAはにんじん、かぼちゃ、スイートポテトなどの植物性食品や、レバーや魚などの動物性食品に多く含まれています。

ビタミンC

歯の象牙質の生成に必要な栄養素です。歯と歯ぐきの健康をサポートし、唾液の分泌を促すことで虫歯のリスクを減らしたりもします。柑橘類、いちご、ブロッコリー、パプリカなどの食品に多く含まれています。

ビタミンD

カルシウムの吸収を助け、腸で吸収したミネラルを歯や骨に送る役目もします。ビタミンDは日光や魚、卵、乳製品などに含まれています。

丈夫な歯のためにはバランスの良い食事を心がけ、「偏食ゼロ」を目指しましょう。

歯の健康には食べるおやつにも注意

歯によくないおやつ

アメなど甘みが口の中にとどまるものや、キャラメルなどの歯にくっつきやすいむもの、チョコレートやグミ、クッキーなど奥歯や歯のすき間に残りやすいものは注意が必要です。

歯に悪くはないおやつ

アイスクリーム、ゼリーやプリン、ケーキなどは長時間口にとどまりにくいので、意外と歯にやさしいおやつです。

歯にいいおやつ

せんべいやポテトチップなど甘くないおやつは総じて歯にやさしいおやつです。煮干し、果物、ナッツ類、チーズなども歯にいい栄養素(カルシウムやフッ素)を含んだおやつです。

上の子と下の子のおやつは同じじゃない!

1歳6カ月〜3歳ごろの子には自然の甘みを中心としたおやつを、4〜6歳ごろの子のおやつには上記にもある甘さ控えめの「歯にいいおやつ」を選びましょう。

 

おやつの「だらだら食べ」はなぜ悪い?

口の中に食べ物のない時間というのは、実は唾液が歯の再石灰化(虫歯を修復すること)を促進する大事な時間でもあるのです。つまり、だらだらと食べ続け、口の中にいつも食べ物や食べ物の残り滓がある状態は、歯のための大切な時間がとれないということです。

同じ糖分量を摂取したとしても、一度に摂取するよりも、だらだら接種するほうが虫歯になりやすいのはそういう理由です。

歯の健康には飲み物にも注意

子どもはお茶や水よりも甘い飲み物を欲しがりがちですが、飲み物もおやつです。栄養もとれて体によさそうな野菜ジュースにも糖分やクエン酸などの酸も含まれているので、飲んだあとのケアは必要です。

定期検診のおはなし

乳歯の生え始める生後6〜8カ月頃からは特に虫歯になりやすい時期に突入するので、この時期が歯医者さんデビューの目安となります。また、定期検診は1歳半検診の後に開始するといいでしょう。検診は3〜4カ月に1回の受診が理想的ですが、最低でも半年に1回の受診をおすすめします。

定期検診

定期検診ではどんなことをするの?

  1. 歯科医がお子さまの口の中をチェックし、歯の汚れや虫歯の有無、歯はどんなふうに生えてきているのか、永久歯が生えるためのスペースや歯の形、舌や粘膜の状態はどうかなど口の中のあらゆることを細かく調べます。
  2. 汚れを落とし、虫歯予防のために歯にフッ素の塗布を行ったりもします。
  3. お子さまの生活習慣についてたずね、歯磨きや間食についてのアドバイスをしたり、お子さまの指しゃぶりなどの気になるくせや歯並びについての相談などにも応じます。

では、ここで気になったワードについても説明します。

フッ素のおはなし

歯の定期検診でフッ素を塗るのはなぜでしょう。それは、乳歯や生えたばかりの永久歯は、育ちきった永久歯よりも効率よくフッ素を吸収し、歯質を強化することができるため、虫歯予防に非常に効果的な手段だからです。

また、ご家庭で使用する子ども用の歯磨き剤もフッ素入りが有効ですが、フッ素濃度には推奨基準があり、歯の生え始め〜2歳までは1000ppm(米粒大)、5歳までは同じく1000ppm(グリーンピース大)、6歳以上は1,400〜1,500ppm(2cm程度)となっています。年齢にあった歯磨き剤を使用しましょう。

キシリトールのおはなし

フッ素と並んでよく聞くキシリトールとは、甘みの成分でありながら虫歯の原因にならず、そればかりか虫歯の発生や進行を防いでくれる有用な物質です。歯磨きができない時などはうがいとキシリトール(ガムや、ガムが噛めない年齢のお子さまならタブレット)で対応できます。特に歯科医で販売しているものはキシリトール100%ですので、虫歯予防効果が高くおすすめです。甘いものを食べた後にはキシリトールをぜひ。

歯並びのおはなし

歯並びも健康に多大な影響があります。すみずみまで歯磨きが行き届きにくく、虫歯や歯周病になりやすいのはもちろん、舌の動きが悪くなると発音にも影響しますし、噛み合わせが悪ければ胃腸にも悪影響を及ぼし、ひいては体の健康に関わります。

子どもの歯並びは自然に治るの?

乳歯の時期にある歯の隙間は、永久歯がきれいに生えるために必要な場合もあり、問題ないと言えます。また乳歯が斜めに生えるのもよくあることで、成長にともない改善される場合があります。けれども、永久歯が生え始める6歳頃からは顎の骨の成長度合いは80%になり、この時期に歯並びもほぼ決まってしまいます。お子さまの歯並びは、歯や顎の大きさ、遺伝、指しゃぶりなどの生活習慣や癖などに影響を受けると言われています。

歯並びは自然に治りますか?

歯列矯正はしたほうがいいの?

子どものうちに矯正をする最大のメリットは、成長発育を利用できるということです。大人になってからの矯正では、例えば外科手術が必要な場合もありますが、子どもは顎の骨が発育途中なので、骨格そのものの改善を試みることができるのです。

上下の顎のバランスを整え、虫歯や歯周病のリスクを減らし、口に悪影響のある生活習慣や癖を改善する、などお子さまの将来のためになることも多い反面、お子さまが乗り気じゃない、期間が長いなどのデメリットもありますので、ぜひ歯科医にご相談いただき、納得のいく答えを見つけてください。

子どもの歯列矯正は必要?

子どもの歯列矯正のタイミングは?

個人差はありますが、永久歯が生え始める6歳頃から始め、顎の成長がとまる12歳頃までに終了させるのがよいとされています。

シーラントって何ですか?

フッ素塗布と共に、よく行われている虫歯予防のひとつです。奥歯の溝は食べかすなどが溜まりやすく、また歯ブラシも届きにくく虫歯のできやすいゾーンです。この奥歯の複雑な溝をレジンなどのプラスチック樹脂で埋めてしまうのがシーラントです。この素材にはフッ素も含まれているので、歯質強化にも役立ちます。虫歯予防の強い味方ではありますが、定期的にやり直しが必要だったりもするので、歯科医とよくご相談ください。

シーラントって何?

正しい歯磨きのおはなし

歯磨きはもっとも大切なケアのひとつです。子どもの歯磨きはたいへんですが、将来の健康のためにも、しっかりサポートしましょう。歯が生えそろう3歳ぐらいまでにはじぶん磨き(自分で歯磨き)デビューさせ、しっかり仕上げ磨きもしてあげてください。

乳幼児の歯磨き方法

まずは触られることに慣れてもらいましょう。 歯が生えてきたらお手入れスタートです。

湿らせたガーゼなどで歯や歯肉をやさしくぬぐい、やわらかい歯ブラシでケア。1日1回寝る前にきちんと磨いてあげるといいでしょう。

乳幼児の歯磨き

混合歯列期(生え変わり時期)の歯磨き方法

乳歯と永久歯の混じった混合歯列期は、歯の大きさもまちまちで段差も多く、とても磨きにくいです。さらに、乳歯も生えたての永久歯も柔らかくて弱いので、磨き残しのないようしっかり磨きましょう。フッ素もぜひ取り入れてください。

抜けかけの乳歯がある時の歯磨き方法は?

グラグラして気になる乳歯も、他の歯と同じように磨いて大丈夫ですが、気になるようであれば、歯ブラシを持っていないほうの手の指でそっと支えながら磨きましょう。

乳歯が抜けたあとの歯磨き方法は?

出血した場合は清潔なガーゼやティッシュなどで軽く圧迫して止血します。抜けた後の空間はうがいをして細菌を減らしましょう。歯磨きはやさしく行い、特に両隣の歯は汚れやすいので、しっかり歯ブラシを入れて磨くようにします。

大人による仕上げ磨きはいつまで?

仕上げ磨きはお子さまが小さいうちは座った状態で仰向けにして、大きくなったら立った姿勢で後ろからお腹などでお子さまの頭を固定して行うといいですが、だいたい10〜12歳ぐらいまで仕上げ磨きしてあげるのがおすすめです。

仕上げ磨き

歯磨きは1日に何回もするほうがいいの?

実は歯にたまった汚れで虫歯菌が増殖して酸を出し、歯に悪さをするようになるのには時間がかかります。そのため、1日に何回も歯磨きするよりも、1日1回しっかり歯磨きすることのほうが効果があると言われています。特に寝ている間は唾液の分泌が減ってしまうので、寝る前の歯磨きは大切です。

子どもの歯磨きに良いアイテムは?

子どもの年齢にあった歯ブラシを選ぶようにしますが、いずれにしても握りやすく、小さめのヘッドで歯の奥まで届くものがいいでしょう。危ないので、くわえたまま歩き回ったりしないように注意してください。また、フロスも活用すると効果的です。ホルダー付きのものなら子どもも使いやすいでしょう。

 

まとめ

いかがでしたか? 子どものお口の健康は子どもの将来の生活に直結します。分からないこと、不安なことがある場合は、いつでも大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科へお越しください。

もりかわ歯科は「ママとこどものはいしゃさん」認定医院です。
どうぞ親子で安心して通ってください。
ママとこどものはいしゃさんロゴ

正しい歯磨きと食事習慣、わたしたち歯科医のサポートによって子どもの歯を健康に保ち、将来の歯の問題を予防しましょう。28本(親知らずは除く)、すべて使っていけるようにしてあげたいですね。

小児歯科で受けられる歯磨き指導とは?こどもの口腔ケアの重要性

2023年11月10日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

お子さまがしっかり歯磨きができているか、不安を感じている保護者の方は多いのではないでしょうか。適切に仕上げ磨きできているかわからない方もいるでしょう。小児歯科では、歯磨きの悩みを解決するため、積極的に歯磨き指導が実施されています。

お子さまの主な口腔ケアは、ご自宅での歯磨きです。ときには、保護者の方が介入して歯磨き・生活習慣の改善を実施しなければならないでしょう。

今回は、小児歯科で実施されている歯磨き指導について解説します。

虫歯になりやすいこどもの特徴

虫歯の子供

虫歯になりやすいお子さまとなりにくいお子さまがいます。保護者の方としては、しっかり虫歯を予防してあげたいと考える方が多いでしょう。虫歯になりやすいお子さまの特徴を確認することで、対策方法がイメージしやすくなります。

主に、歯並び・生活習慣が虫歯の原因となります。虫歯になりやすいお子さまには、大きく3つのポイントがあるので、参考にしてください。

仕上げ磨きが上手にできていない

お子さまが一人で歯磨きを行った場合、しっかり磨いたつもりでも汚れが除去できていないことが多いです。歯と歯のすき間、歯と歯茎の間など、意識して歯磨きして欲しい部位の清掃が不十分になるでしょう。

汚れをしっかり落とすため、保護者の方が定期的に歯磨きに介入して、仕上げ磨きを行ってください。乳歯の間や永久歯が生えたばかりの頃は、虫歯の進行が非常に早いため積極的に介入しましょう。

食事の時間が定まっていない

虫歯菌が糖を摂取した際に排出する酸によって歯が溶ける現象を、脱灰といいます。歯には、再石灰化という溶けた歯を修復する機能があります。日々、口腔内では脱灰と再石灰化が繰り返され、健康な状態を保っているのです。

しかし、食事の時間が不規則だと、歯の再石灰化の時間が十分に得られません。再石灰化が行われていないのに次の脱灰が起きるリスクが生じます。

しっかり間隔をあけて、食事の時間を定めましょう。

こどもの口腔ケアが大切な理由

子供の口腔ケア

若い頃に歯を失うことを想像する方は多くありません。

しかし、統計上40代になると平均1.5本の歯を喪失すると報告されています。50代になると平均4本の歯を失います。

口腔環境には、小児期の状況が大きく関係します。小児期に口腔ケアを怠る影響は、以下のとおりです。

歯の健康が維持できない

虫歯の主な原因は、ミュータンス菌と呼ばれる細菌です。乳歯や生えたばかりの永久歯は、歯の保護機能が不十分なので、虫歯になりやすいとされています。

ミュータンス菌は、糖を摂取し増殖する際に酸を排出します。酸によって歯の表面に修復不可能な傷を受けると、専門的な治療を施さなければなりません。

乳歯が虫歯になっても生え変わるから問題ない、と考える方がいるかもしれません。

しかし、乳歯の虫歯は永久歯にも影響を与えるのです。

歯並びが悪くなる

歯並びは、遺伝だけが影響しているわけではありません。日常的に口がぽかんと開いていることは、歯並びに悪影響を及ぼします。舌・唇・頬の筋肉のバランスが乱れると、正常な顎の成長が阻害されます。

歯磨きには、筋肉に刺激を与え、筋肉のバランスの正常化を促す効果が期待できるでしょう。筋肉のバランスを正常な状態に保ち続けることができれば、成長の悪影響を最小限に抑えられます。

小児歯科で受けられる歯磨き指導とは?

歯磨き指導

小児歯科で歯磨き指導を受けることは、将来的に虫歯や歯周病で悩まないために非常に重要です。ご自宅で行う日々の歯磨きは虫歯・歯周病予防に非常に重要なので、歯磨きの質を向上させることは歯を守ることにつながります。

歯並びは、人それぞれ異なります。どのようなことに注意して歯磨きするべきかを知っておくことは非常に有用です。

小児歯科で受けられる歯磨き指導の意義は、以下のとおりです。

一人ひとりに合った歯磨きの方法を知ることができる

プロから歯磨き指導を受けると、お子さま一人ひとりに合わせた歯ブラシ・補助清掃具の使い方、ブラッシング方法がわかります。特に小児期は成長が著しいため、その時期に合った歯磨き方法を習得しなければなりません。

乳歯と永久歯が混在している状態のときは、注意して磨く必要があるでしょう。通常どおりに磨くと、歯茎を傷つける可能性があります。

小児歯科では、成長に合わせた歯磨き方法を指導してくれるのです。

歯磨きのポイントを知ることができる

お子さまだけで歯磨きを完結させるのは、非常に困難です。小学校低学年期までは、保護者の方の介入が不可欠となります。

保護者の方としても、ご自身の歯とは異なるため、どのような点に注意を払わなければならないのかわからないことがあるでしょう。歯の個性を言語化して教えてもらうことで、理解が進みます。

仕上げ磨きを嫌がるお子さまも多いです。さまざまな理由が考えられますが、歯磨き指導では嫌がらずに仕上げ磨きをさせてもらう方法なども教えてもらえます。なぜ嫌なのかを相談し、解決するきっかけにもなるでしょう。

小児歯科での歯磨き指導の内容

女の子に歯磨き指導をする男性歯科医

小児歯科での歯磨き指導の内容は、以下のとおりです。

磨き残しを確認

小児歯科では、歯に染め出し液を塗布し、歯の表面に付いている磨き残しを確認します。歯磨きの癖がわかるので、磨く時間が短い部位、力を入れて磨いている部位など、さまざまな情報を分析可能です。

分析結果から、癖を改善できるように指導されるでしょう。改善が難しい場合は、補助清掃具の使用方法を教えてもらえます。

歯科医師・歯科衛生士による実演

歯磨き指導のなかには、歯科医師・歯科衛生士による実演が組み込まれています。にこやかな雰囲気で、褒めながら正しい歯磨きを習得できるよう促すのが一般的です。

歯科医師や歯科衛生士は、お子さまが歯科医院に少なからず恐怖心を抱いていることを理解しています。お子さまたちの自信につながるよう、優しい雰囲気で指導を行うでしょう。

専門的な歯のクリーニング

セルフケアだけでは、歯を衛生的に保ち続けるのは困難です。歯石・着色汚れ・バイオフィルムは、歯科の専門的な機器を用いて除去しなければなりません。

定期的に専門的なクリーニングを受けると、汚れが付きにくい環境を整えられます。

ご自宅でもしっかり歯磨きをしよう!

自宅で歯磨き

お子さまの歯を守るためには、保護者の方の協力が不可欠です。乳歯の虫歯は、これから生えてくる永久歯の歯並びや噛み合わせにも影響を及ぼします。

基本的な虫歯予防は、ご自宅での歯磨きです。歯磨きを嫌がるお子さまも多いでしょう。せっかく歯磨きをするのであれば、より効果的・効率的に実施したいと思う方が多いです。

ご自宅での歯磨きにおけるポイントを解説します。

歯磨きの順番を意識する

歯ブラシだけでは完全に汚れを取り除けないため、デンタルフロスの使用が推奨されています。デンタルフロスを使用するタイミングを意識したことはあるでしょうか。「デンタルフロスは歯磨きの仕上げに使うイメージ」という声が多いです。

しかし、歯科医師会などでは、歯ブラシの前の使用が推奨されています。

仕上げ磨きを行う

仕上げ磨きを行う姿勢は、立位・座位・臥位と特に指定はありません。お子さまと保護者の方にとって楽な姿勢で、口の中がよく見えることが重要です。

歯科医師から指摘を受けた磨き残しが多い部分を重点的に、しっかり仕上げ磨きを行いましょう。

特に、上の前歯・奥歯の噛み合わせに磨き残しが生じやすいです。1か所につき20回程度を目安に、小刻みにブラッシングしてください。

デンタルフロスは、歯茎に当たると痛みを引き起こすので注意が必要です。なるべく歯茎に触れないよう、お子さまに痛くないか確認しながら進めましょう。

苦手意識を持たせない

お子さまが歯磨きに苦手意識を持つ理由は、以下のとおりです。

・痛みを感じる
・怒られる
・つまらない

いずれも、コミュニケーションを取れば改善できる可能性があります。仕上げ磨きをしている際は、積極的に声をかけてあげてください。

歯磨きの時間は、お子さまにとっては退屈でしょう。歯磨きの必要性を理解できていない場合や、口内を触られることが苦手な場合、歯磨きの間じっとしていることが苦手な場合など、歯磨きが好きなこどもは少ないです。

歯磨きができたときは、しっかり褒めてあげましょう。

まとめ

歯磨きチェック

歯磨きは、お子さま一人ひとりに合った方法で行わなければ効果を発揮しません。小児歯科で歯磨き指導を受ければ、お子さまの歯の特徴についてしっかり理解できます。

磨き残しやすい部分などを知っていれば、保護者の方は効果的に仕上げ磨きができるでしょう。「歯ブラシの力の入れ具合は?」「どの歯磨き粉を使えばいいの?」など、疑問を解消できれば、お子さま・保護者の方が納得して歯磨きに取り組めるようになります。

自信を持って歯磨きできれば、虫歯・歯周病の予防につながるでしょう。

小児歯科の歯磨き指導に興味のあるの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯科の保険適用範囲って?

2023年11月8日
歯科の保険適用範囲って?

こんにちは!大阪府八尾市に60年間にわたり、地域に根付いた歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康に関することや、歯にまつわる体のお悩みなどは、歯科医師やスタッフにとっては常識的なことでも、患者さんにとっては疑問や不安に思われることなのだ、とあらためて気づかされることがよくあります。診療中には、できるだけ多くの質問に詳しくお答えできればいいのですが、実際には個々の患者に詳細に説明する時間が限られていることが多いのが実情です。

そこで、普段の診療中によく聞かれる質問に対して、当院のブログで詳しく解説していく「歯に関するご質問に全力回答!」ブログをスタートしました。

患者さまがこのブログを通じて、歯医者に対して日頃抱えている疑問や不安を解消していただければ、それは私たちの大きな喜びにもつながります。

どんな些細な疑問や質問でも、お気軽にお寄せください! 私たちは患者さまの健康と幸福を支えるためにここにいます。どうぞよろしくお願いいたします。

歯科の保険適用って?のご質問に全力回答!

どの処置が保険適用で、どれが違うのかよく分からない!今回はそんな不安解消のために、歯科の保険適用診療について、歯医者として詳しく解説していきたいと思います。

保険診療って何ですか?

歯科でさまざまな治療・施術を受ける場合、その診療は大きく3つに分けられます。

1.保険診療とは

保険証

健康保険(保険証の提示が必要です)を利用して受ける診療のことで、健康保険で認められた技術・材料を使って診療します。

2.自由診療とは

保険診療ではない診療のことで、患者さまが費用の全額を負担します。自費治療の場合は、使用する材料に制限はありません。

3.保険診療と自由診療の併用

保険適用できる材料との差額を患者さまが負担するケースです。

 

保険適用って何ですか?

前述の保険診療に該当するものを「保険適用」と言います。歯科においては、一般的な歯科治療の一部が保険適用となります。具体的には、虫歯治療、歯周病治療、歯の抜歯、一部の被せ物(保険適用の材料に限る)、歯のクリーニング(歯の掃除)、レントゲン検査、歯科口腔外科の手術などが保険適用となります。

逆に、歯のホワイトニングなど審美目的の施術で、治療とみなされない場合は保険適用されません。

 

そもそも保険が適用されないとどうなりますか?

保険証がない場合は、基本的に10割負担で支払うことになります。

 

保険が適用されるもの

充てん

充填虫歯の穴をきれいにし、適切な材料で元の形に修復する治療。

鋳造歯冠修復(インレーなど)

鋳造歯冠修復(インレー)歯を削って型をとり、詰め物などを作成して修復する治療。

前装クラウン

歯の色選択虫歯が進行してしまって、充てんやインレーで対処できない場合に、天然歯に似た色の材料で表面を覆う治療です。

金属クラウン

金属クラウン

臼歯の虫歯の進行に伴い、充てんやインレーで対処できない場合に、金属のクラウンを装着する治療。

継続歯(被せ歯)

継続歯(被せ歯)前歯や小臼歯など、見た目が重要な歯が進行した虫歯になった場合に、人工の歯冠を追加して、天然の歯と同様に修復する治療。

ジャケットクラウン

ジャケットクラウン天然歯に似た色調を持つ材料だけで、歯冠部の全面を覆う治療。

ブリッジ

ブリッジ失った歯に隣接する歯を削って被せ、その上に人工の歯を固定して装着する治療。

部分入れ歯または総入れ歯

総入れ歯取り外し可能な入れ歯(部分または総義歯)の作成。

歯周病治療

歯周病治療 歯石除去汚れ(歯垢、歯石)を取り除くケアを主体とした歯周基本治療。

小児歯科

小児歯科子供の歯科治療(虫歯治療や予防措置)。

予防プログラム

定期検診歯科健診や歯のクリーニングなど、予防的な歯科診療。

保険が適用されないもの

一般的に、歯の審美修復(歯のホワイトニング、審美的な詰め物、審美冠など)は保険が適用されません。主に次のような施術が含まれます。

インプラント

歯を失った場合の代替手段として使用されるインプラント治療。

歯並び矯正

歯並び矯正治療(歯列矯正)を審美的な理由で行う場合。

ホワイトニング

ホワイトニング歯のホワイトニング。

歯の接着剤治療

歯の欠けや亀裂を修復するための接着剤治療。

いずれも具体的な治療内容や費用は歯科医師との相談に基づくもので、これらの一般的なガイドラインとは異なる場合があります。歯科治療の際には、診療内容と費用について歯科医師と十分な相談を行うことが重要です。まずはご相談ください。

銀歯は保険適用されますか?

銀歯銀歯(Silver Fillings)、正確には銀アマルガム充填物(Silver Amalgam Fillings)といい、歯科治療で虫歯の治療に使用される一般的な充填材の一つです。治療に当たりますので、保険適用されます。ただ、現在は銀アマルガム充填は使用されていません。現在は金銀パラジウム合金という、銀・銅・パラジウム・金などでできた金属を使用しています。 安価で強度ですが、近年ではパラジウム等の不足で価格が上昇気味です。

セラミックは保険適用されないのですか?

セラミックセラミックは審美目的の素材ですので、保険適用はできません。ですが、セラミック治療の費用を抑える方法はいくつかあります。

歯科医に相談する

複数の歯科医院に相談して見積もりをとり、価格を比較して最適な選択肢を見つけましょう。

ハイブリッドセラミック

セラミックの中でも比較的安価なのがハイブリッドセラミックです。歯科でよく使用されるレジンに似た素材で、経年により変色する可能性もありますが、オールセラミックより費用が低く抑えられます。

前歯は保険適用外ですか?

保険適用になる前歯(上下)前歯とは、正面から左右の犬歯までの6本の歯を指しますが、審美治療(審美クラウンや審美ブリッジ)以外の治療は基本的に保険適用となります。保険適用外となるのは、前歯の被せ物に使う素材がセラミックやジルコニアの場合です。以下は保険適用ができる前歯の治療です。

虫歯治療

前歯に虫歯がある場合の治療には、虫歯を削って詰め物をする治療が含まれます。この詰め物は、アマルガム(金属)やコンポジットレジン(白い充填材)で行われることが一般的です。

歯周病治療

歯周病の治療には、歯ぐきのクリーニングや歯石の除去、根面の治療などが含まれます。

入れ歯(部分入れ歯)・差し歯

前歯の欠損や多数の前歯の喪失の場合の部分入れ歯や差し歯。部分入れ歯は、歯のないところに入れる取り外し可能なもののことで、差し歯は、歯の根を利用した取り外し不可な装置のことです。

歯科健診と予防ケア

健康な前歯を維持するための歯科健診や予防ケア(歯のクリーニング、フッ化物処置など)。

保険の適用内か適用外かによって、選択肢も変わります。そのメリット・デメリットを知り、患者さまにとって最善の治療ができるよう、ぜひ歯科医とご相談ください。

入れ歯や差し歯も保険適用できますか?

どちらも使用する材料や採用する治療法によって、保険が適用されるかどうかが決まります。

以下に代表的な治療法ごとの例を挙げてみます。

アクリルレジン

保険適用できる素材です。プラスチックの樹脂で、低額ですが、やや劣化しやすく、装着感に違和感がでやすいなどの問題もあります。

金属製クラスプ

部分入れ歯を歯に固定するためのバネのことですが、これが金属製の場合は保険適用できます。

ポリアミド系クラスプ

ナイロンの一種で、保険適用外です。

金属製義歯床

総入れ歯の義歯床(口の中の粘膜に当たる部分)は、保険適用ではアクリルレジンですが、保険適用外ならば金属製のものも選べます。義歯床に関しては、金属製のもののほうが装着感が向上するとされています。

保険適用できる素材・できない素材、そのどちらにもメリットとデメリットがありますので、どちらを選ぶかは歯科医師とよく相談されることをお勧めします。

最近よく聞くCAD/CAM冠は保険適用できますか?

CAD-CAM冠CAD/CAM冠とは、歯科医師がコンピューターソフトウェアを使用して歯冠のデジタルモデルを設計し、その設計に基づいて製造した歯冠のことです。

無条件でCAD/CAM冠が保険適用となるのは、前歯から小臼歯、つまり前歯から数えて5番目の歯までです。

CAD/CAM冠のメリット

自然な歯とよく調和し、材料の色調や透明度を調整できます。

また、伝統的な歯冠に比べて、歯の削除が少なくて済む場合があり、元の歯の保存にもつながることが期待されます。

CAD/CAM冠のデメリット

ベースがプラスチック素材なので、傷や汚れがつくリスクは高めです。また一部の症例や特定の歯に対しては、伝統的な歯冠の方が適していることがあります。

歯を白くすること(ホワイトニング)は保険適用ですか?

ホワイトニングは審美目的の治療です。審美目的の施術は医療行為とはみなされませんので、保険の適用外となります。

親知らずを抜くのに保険を適用できますか?

親知らずの抜歯は、保険適用が可能です。 ただ、通常の抜歯なのか、横に向いて埋まっているのかなど、親知らずの生え方による抜歯の難易度で費用は大きく変わります。

歯列矯正は保険適用外ですか?

いわゆる「歯並びが悪い(出っ歯やガチャ歯など)」とは、正しくは「不正咬合(ふせいこうごう)」といいます。歯列矯正とは、その歯並びや咬合(噛み合わせ)を補正するために行われる治療のことで、歯を正しい位置に移動させ、美しい歯並びや正常な咬合を実現することです。

ホワイトニングなどと同様に、歯列矯正は審美目的の施術とされているため保険適用外となります。ただし、歯科矯正には保険適用できるものもあります。以下は保険適用可能な歯科矯正の例です。

先天性の異常

生まれつきの異常で、厚生労働省が認定している59の疾患。

顎変形症(がくへんけいしょう)

顎変形症(がくへんけいしょう)は、上下の顎の骨構造に大きな不均衡(ズレ)がある状態を指します。この骨格の異常により、顔の左右に対称性がなくなり、かみ合わせに問題が生じることがあります。多くの場合、顎の成長に伴って現れ始めます。

永久歯萌出(ほうしゅつ)不全に起因した咬合異常

いわゆる、いつまでたっても永久歯が生えてこない状態のことを永久歯萌出(ほうしゅつ)不全といいます。これには外科手術が必要になることがありますが、それに伴う歯科矯正(噛み合わせを正しくする)も保険適用となります。

マウスピースは保険適用になりますか?

他の施術と同じで、それが医療的(治療)であるか審美目的であるかによって保険適用できるかできないかが決まります。

通常のマウスピース

食いしばりや歯ぎしりは、肩こりや頭痛、顎が痛くなるなどの原因になったり、歯の被せ物や詰め物に悪影響を及ぼすなどの問題があります。そのための治療ですので、保険適用ができます。

スポーツマウスピース

スポーツ時に装着するマウスピースで、主に市販品が使用されています。動きの激しいスポーツで、衝突などによって口の中をケガしないために装着します。健康目的ではありますが、治療ではないため、保険適用となりません。

矯正用マウスピース(インビザライン)

インビザライン矯正用マウスピースは歯列矯正(審美)が目的ですので、通常審美目的で使用する矯正用マウスピース(インビザライン含む)は保険適用となりません。

インビザライン矯正について詳しくは当院のマウスピース矯正ページをご覧ください。

医療費を抑えるためには?

何はさておき、日頃のケアが大切です。

定期検診

虫歯はもちろん、歯周病予防のために、歯科検診は定期的に受けることをおすすめします。虫歯の早期発見、歯周病検査、クリーニング、歯石除去など、どれもお口の中の健康を保つためにとても大切です。

オーラルケア

歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスを使用し、お口の中を清潔に保ちましょう。マウスウォッシュ剤や舌ブラシなどが有用な場合もあります。またvタバコやアルコールは口腔内に悪影響を及ぼすこともあることを覚えておくといいでしょう。

まとめ

歯科医では診療内容や使用する材料によって、保険が適用されるかされないかが違います。受ける診療が治療なのか、審美目的なのか、使用する材料は安価なものにするのか、それとも高価なものがいいのか……など選択肢もとても多いので、歯科医師とよく相談することが最適な選択への近道になると思います。不安に思ったり、迷ったりしたらいつでも大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科へお越しください。あなたの「最善」のお手伝いをいたします。

通常の治療だけでなく、ホワイトニングマウスピースについても、詳しくは当院のホームページをぜひご覧ください。

虫歯予防に役立つ!虫歯ができやすい人の特徴とは?

2023年11月3日
虫歯予防のイメージ

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「歯磨きをしているはずなのに虫歯ができる」と悩む人は少なくありません。「虫歯になりやすい人の特徴は?」「虫歯にならないための方法を知りたい」と思う人もいるでしょう。

今回は、虫歯ができる原因やできやすい人の特徴、虫歯の予防方法について解説します。虫歯ができやすくて悩んでいる人は、ぜひ最後までご覧ください。

虫歯ができる原因とは?

虫歯のある人

虫歯ができる原因は、プラーク(歯垢)と、ミュータンス菌です。プラークとは、口腔内の細菌と、細菌の排出物でできた塊です。

プラークには粘着性があり、多くの細菌が繁殖しています。歯にプラークが付着した状態が続くと歯の脱灰が進み、虫歯になります。

ミュータンス菌は、虫歯菌とも呼ばれる細菌です。口腔内の食べかすを餌にして、酸を排出します。ミュータンス菌が排出した酸が歯を溶かし、虫歯になるのです。

虫歯ができる直接の原因はプラークとミュータンス菌ですが、以下の要素も大きく関係します。

・糖質

・歯質

・時間

虫歯の直接的な原因は、ミュータンス菌が排出する酸です。

しかし、ミュータンス菌の餌となる糖質が口内になければ、活発に動きません。ミュータンス菌は糖を餌にするため、甘いものを頻繁に摂取すると虫歯ができやすいのです。

もともとの歯質も虫歯に関係します。歯質が弱いと、酸の刺激を受けたときに簡単に脱灰するでしょう。プラークが付着している時間が長いと、歯の脱灰が進んで虫歯ができます。

また、生活習慣も虫歯に大きく関係します。甘い食べ物を好む人や間食が多い人、ダラダラと長時間食べる人、食後に歯磨きをしない人は、虫歯ができやすいでしょう。

虫歯ができやすい人の特徴

間食する人

上述したとおり、歯質やミュータンス菌だけが原因ではなく、さまざまな要素が重なって虫歯ができます。

しかし、虫歯ができやすい人は存在します。虫歯ができやすい人の特徴は、以下のとおりです。

適切に歯磨きできていない

虫歯ができやすい人は、歯磨きを適切にできていない可能性があります。例えば、食後に歯磨きをしない人や、寝る前に歯を磨かない人は虫歯ができやすいです。

「毎日しっかり磨いているのに」と思う人もいるでしょう。

しかし、毎日磨いていれば適切に磨けているというわけではありません。磨き方の癖が影響し、磨き残しが生じている可能性があります。

例えば、利き腕の方向は、磨き残しが多い傾向があります。右利きの人は右の歯の裏側、左利きの人は左の歯の裏側の磨き残しが多いです。

磨く習慣だけでなく、正しい磨き方を身につけることが大切です。

ダラダラと間食をする

ダラダラと間食をする癖がある人は、虫歯ができやすいです。いつも飴を舐めている、清涼飲料水を頻繁に飲むなど、口内に糖がある時間が長く続くと虫歯ができやすいでしょう。

口内は常に唾液で潤っていますが、唾液には口内の汚れを洗い流す自浄作用や、口内の菌の増殖を抑える作用などがあります。ダラダラ食べると唾液の作用が十分に働かないので、ミュータンス菌が活発に働ける状態になるのです。

歯並びが乱れている

歯並びが乱れている人は、虫歯ができやすいです。ガタガタしていると歯ブラシの毛先が当たりにくく、磨き残しが生じるでしょう。しっかり磨いたつもりでもプラークが残り、虫歯や歯周病になるリスクも高くなります。

歯並びが乱れている人は、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロス、タフトブラシを使って磨いてください。歯並びの乱れが原因で虫歯を繰り返す場合は、矯正治療を検討してもよいでしょう。

甘いものや粘着性があるものを好んで食べる

虫歯になりやすい人は、甘いものや粘着性のあるものを好んで食べる傾向があります。粘着性のあるものを頻繁に食べる場合、食べかすが歯に付着する時間が長くなります。

同じ甘いものでも、ゼリーのようにすぐに飲み込むものと、クッキーやキャラメルなどのように歯に付着しやすいものがあるでしょう。クッキーやキャラメルを好んで食べている場合、虫歯ができやすいです。

口内が乾燥している

上述しましたが、唾液には自浄作用など、口内を清潔に保つための働きがあります。唾液の分泌が少ない人や、口呼吸をしていて口内が乾燥している人は、唾液の作用を十分に受けられません。

そのため、虫歯ができやすいでしょう。虫歯・歯周病だけでなく、口臭の原因になる場合もあります。

虫歯予防のための具体的なアドバイス

歯磨きする人

虫歯予防のためには、虫歯になる4つの要素を考慮する必要があります。具体的な方法を、以下にまとめました。

正しい歯磨き方法を習得する

虫歯予防のためには、正しい歯磨き方法の習得は欠かせません。人によってそれぞれ歯磨きの癖があり、同じところを磨き残すことも珍しくありません。

一般的に磨き残しが多くなる場所は、以下のとおりです。

・上の奥歯の外側(頬側)

・下の奥歯の内側(舌側)

・歯並びが悪い部分

・歯と歯の間

・歯と歯茎の境目

また、利き手によっても磨き残しやすい部分が変わります。歯科医院で歯科衛生士による指導を受け、正しい磨き方を習得しましょう。

デンタルフロスや歯間ブラシも使って、口内の汚れを落としてください。食後3回デンタルフロスなどを使うのは難しい場合もあるでしょう。1日1回は使用して、口内を清潔に保ってください。

生活習慣を改善する

生活習慣を改善することで、虫歯になるリスクを減らせます。間食の内容を変える、食べるタイミングを減らす、食後はすぐに歯磨きをするなど、意識して生活を改善しましょう。

甘いものを好んで食べていた場合は、果物や煎餅、ナッツ類などへの変更を検討しましょう。食後すぐに歯磨きすれば、虫歯になるリスクを減らせます。歯磨きをするのが難しい場合は、うがいだけでも行いましょう。最後にお茶や水を飲むなど、食べかすが残らないようにしてください。

こまめに水を飲むことも、虫歯予防に効果的です。口内を洗浄できるだけでなく、細菌の繁殖を抑制できるでしょう。

フッ素塗布をする

虫歯予防には、フッ素塗布も効果的です。フッ素塗布には、以下のメリットがあります。

・ミュータンス菌の働きを抑制する

・脱灰した歯の再石灰化を促進する

・歯質を強化する

フッ素は、虫歯の原因となるミュータンス菌の働きを抑えつつ、歯質を強化します。虫歯予防だけでなく、初期虫歯にも効果的です。

高濃度のフッ素塗布は、歯科医院で施術してもらってください。家庭でも、低濃度のフッ素が配合された歯磨き剤や洗口剤を使用するとよいでしょう。

定期検診に通う

定期的に歯科医院に通うことも重要です。定期検診では、虫歯の有無や歯磨きの癖などを確認します。虫歯予防として効果があり、万が一虫歯ができている場合もすぐに処置できるでしょう。

定期検診の際にPMTC(プロが専用の機械を使って行う口腔ケア)をしてもらえば、口腔内を清潔に保てます。「歯が痛い」「歯が黒くなっている」と感じなくても、歯科医院に通う習慣をつけてください。

まとめ

虫歯の模型

虫歯の原因はミュータンス菌やプラークですが、頻繁に食べるものや、食べ方、磨き方なども大きく関係します。虫歯を防ぐには、甘いものを控える、完食のタイミングを減らすことも大切です。

また、ご自身の磨き方の癖を知り、正しい歯磨きの方法を習得しなければなりません。歯質の強化とミュータンス菌の抑制のために、フッ素塗布も行うとよいでしょう。

定期検診に通うことで、磨き残しや虫歯の有無を確認してもらえます。口腔内にトラブルが起きている場合も、すぐに対処できるでしょう。

歯科医師や歯科衛生士と一緒に虫歯のない健康的な口内を目指しましょう。

虫歯にお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯ブラシや歯間ブラシの選び方は?

2023年11月1日
歯ブラシや歯間ブラシの選び方は?

こんにちは!

大阪府八尾市に60年にわたり、地域に根ざす歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康はもちろん、歯に関連する身体の悩みについて、私たち歯科医師やスタッフにとっては常識的なことでも、患者さまにとっては疑問に思われることがよくあります。

診療中にすべての質問に詳細にお答えする時間が中々取れずいつも申し訳なく感じておりました。。。

そこで当院では患者さまからよく寄せられる質問について詳しく説明するための「歯に関するご質問に全力回答!」ブログを立ち上げました。

このブログを通じて、患者さまが日常生活で抱える歯科に関する疑問や不安を解消できるよう、お手伝いできれば幸いです。どんな小さな疑問や質問でも、お気軽にお知らせいただければと思います。私たちは患者さまの健康と幸福をサポートするためにここにいます。どうぞお気軽にお問い合わせください。ご協力をお願い申し上げます。

歯ブラシや歯間ブラシの選び方は?のご質問に全力回答!

今回は普段自分の歯を磨く歯ブラシの選び方や、交換頻度、上手な使い方などについて詳しく解説していきたいと思います。

歯ブラシの正しい選び方は?

歯ブラシの正しい選び方は?

1. 歯ブラシの毛の硬さの選び方

「普通(ふつう)」の毛の硬さがおすすめです。歯ブラシの毛の硬さには「普通(ふつう)」「柔らかめ(やわらかめ)」「硬め(かため)」の種類があります。3種類の中で、一般的におすすめさせていただいてるのは「普通(ふつう)」のタイプです。歯垢の効果的な除去を考えると、「硬め」>「普通」>「柔らかめ」の順で除去しやすいですが、歯や歯ぐきの摩耗を防ぐためには「普通(ふつう)」の歯ブラシを選びましょう。

「柔らかめ」は歯ぐきを優しく扱いたい方や歯肉炎の傾向がある方に向いていますが、汚れの取りこぼしが生じやすいので、より慎重なブラッシングを心がけてください。一方、「硬め」は通常のブラッシングを柔らかく行う方に適しています。

2. 歯ブラシの柄の形の選び方

突起のない、シンプルな形状を選びましょう。デザインよりも実用性を重視し、実際に使いやすい持ち手を選びましょう。どんな角度でもしっかりと握りやすいものが理想です。

3. 歯ブラシの毛の材質の選び方

透明なナイロン素材か、耐久性のあるPBT毛材がおすすめです。一般的に、透明なナイロン素材が広く利用されており、高品質を求める場合には耐久性のあるPBT毛材が選択肢としてあります。動物の毛の歯ブラシは歯垢の取りにくさや衛生的な面で不利があるため、避けることが賢明です。

4. 歯ブラシのヘッドの選び方

小さいヘッドを選びましょう。通常、縦に3列の毛と横に2~2.5cm程度のサイズが適切です。大きなヘッドは奥歯や細かい箇所に十分にアクセスしにくく、磨き残しが生じやすくなります。

5. 歯ブラシの毛先の選び方

平らで太い毛先がおすすめです。毛先が平らであると、均等な圧力をかけやすく、ブラッシングを効果的に行うことができます。ギザギザの毛先は歯垢の効果的な除去を妨げることがあるため、避けましょう。毛先の太さは太いものを選び、毛先の長さは1cm以下が適しています。密集した毛は乾燥しにくくなり、不衛生になりやすいため、避けることが良いでしょう。これらの要点を考慮して、最適な歯ブラシを選びましょう。

 

歯ブラシは”ふつう”と”やわらかめ”どっちが良いですか?

歯ブラシの硬さについては、一般的に「ふつう」の硬さがおすすめです。ただし、最適な硬さは個人によって異なる場合があります。以下のポイントを考慮して、自分に合った歯ブラシの硬さを選ぶのが良いでしょう。

歯ブラシによる歯垢の除去

歯ブラシの硬さが「かため」の場合、歯垢の除去は効果的かもしれませんが、歯や歯ぐきに摩耗を引き起こす可能性が高まります。一方で、「やわらかめ」の歯ブラシは歯ぐきを優しく扱うことができますが、歯垢の除去が少し難しくなるかもしれません。そのため、一般的に「ふつう」の硬さはバランスが取れており、多くの人に適していると言われています。

個人の歯の状態に応じた歯ブラシ選び

歯の健康状態に応じて歯ブラシの硬さを選ぶことが重要です。歯肉が弱い方や歯周病の傾向がある方は、「やわらかめ」の歯ブラシが適しているかもしれません。一方、歯肉が健康で歯垢の問題がない場合は、「ふつう」の歯ブラシが適しています。

好みと快適さも考慮して選ぶ歯ブラシ

最終的に、歯ブラシの硬さは個人の好みや快適さにも関係します。硬さが気になる場合、自分が使いやすいと感じる硬さを選ぶことが大切です。歯ブラシが快適で使いやすいものであれば、ブラッシングを続けることが容易になります。

要するに、歯ブラシの硬さは個人の状態と好みによります。歯科医や歯科衛生士のアドバイスを受けることも良いアイデアです。一般的には「ふつう」の歯ブラシが多くの人に適していますが、自分に合った硬さを見つけるために実際に試してみることが良いでしょう。

歯ブラシは大きめと小さめどっちがいいですか?

歯ブラシのヘッドのサイズについて、一般的には小さめのヘッドがおすすめされます。以下に、小さめのヘッドと大きめのヘッドの利点と状況に応じた選択を説明します。

小さめのヘッドの利点

1. アクセス性が向上

小さなヘッドは、奥歯や細かい箇所に簡単にアクセスできます。これにより、磨き残しを減少させ、歯全体を均等にブラッシングできます。

2.精密なコントロール

歯ブラシの小さなヘッドは、ブラッシングの圧力や方向をより精密にコントロールできるため、歯垢の除去が効果的です。

3.歯ぐきに優しい

小さなヘッドは歯ぐきを優しく扱うのに適しています。歯ぐきに対する圧力を均等に分散でき、歯ぐきの傷つきを軽減します。

大きめのヘッドの利点

1. スピーディなブラッシング

大きなヘッドは、一度に広い範囲をカバーできるため、ブラッシングが速く済むことがあります。

2.バランスの取れた圧力

歯ブラシの大きなヘッドは、ブラッシング時の圧力を均等に分散しやすいため、歯の表面全体に適切な圧力をかけるのに役立ちます。

どちらのヘッドサイズが適しているかは、個人の好みや歯の状態に依存します。通常、小さなヘッドの歯ブラシが一般的に推奨されますが、大きなヘッドの歯ブラシを使用しても、適切なテクニックと注意を払えば効果的なブラッシングが可能です。また、歯科医師や歯科衛生士との相談を通じて、あなたに最適な歯ブラシの選択を行うことが重要です。

歯ブラシはどれくらいの頻度で交換する(変える)べき?

歯ブラシはどれくらいの頻度で交換する(変える)べき?

歯ブラシの交換頻度は重要です。

歯ブラシをどれくらいの頻度で交換すべきかについて以下に説明します。

1〜3ヶ月ごとに歯ブラシを交換

歯科医師や歯科衛生士の多くは、歯ブラシを1〜3ヶ月ごとに交換することをお勧めしています。これは、歯ブラシの毛先が変形し、効果的な歯垢の除去が難しくなるためです。また、細菌の繁殖を防ぐためにも最低3ヶ月ごとの交換が望ましいです。

歯ブラシの毛先がまばらになってきだしたら

歯ブラシの毛先がまばらになったり、分かれたりしてきた場合、交換が必要です。これはブラッシングの効果が低下し、歯垢の効果的な除去が難しくなる兆候です。

感染症や風邪を引いた際

感染症や風邪にかかった場合、歯ブラシを交換することが重要です。これにより、細菌の感染拡散を防ぎ、再感染のリスクを軽減できます。

ブラシの磨耗や変色

歯ブラシの毛先が摩耗したり、変色したりしてきた場合、新しい歯ブラシに交換することを検討しましょう。劣化した歯ブラシは効果的なブラッシングを妨げる可能性があります。

歯科医師のアドバイスに従う

歯科医師や歯科衛生士からの具体的なアドバイスや推奨事項がある場合、それに従うことが賢明です。個別の歯の状態やブラッシングのスタイルに合わせたアドバイスを受けることが大切です。

歯ブラシの交換は個人の健康と口内衛生に対する重要な要素です。適切な頻度で歯ブラシを交換し、効果的なブラッシングを維持することが、虫歯や歯周病の予防に役立ちます。

歯茎が弱い人はどの歯ブラシを使えばいいですか?

歯茎が弱い人はどの歯ブラシを使えばいいですか?

歯ぐきが弱い人に適した歯ブラシを選ぶ際には、以下のポイントに注意することが重要です。

歯ブラシの毛の硬さ

毛の硬さとしては、「やわらかめ」の歯ブラシがおすすめです。やわらかい毛の歯ブラシは歯ぐきを優しく刺激し、歯ぐきに対する圧力を軽減します。これにより、歯ぐきへの負担が減り、歯肉の健康を保つのに役立ちます。

歯ブラシの毛の形状

歯ブラシの毛の形状としては、平らで丸みを帯びた毛先のものが適しています。これにより、歯ぐきに対する刺激が均等に分散され、歯ぐきへの負担が軽減されます。

小さなヘッドの歯ブラシ

歯ブラシのヘッドが小さいものを選ぶことが、奥歯や細かい箇所にアクセスしやすく、歯ぐきに優しいブラッシングを行うのに役立ちます。

歯ブラシのブリストル数

ブリストル(毛の束)が適度に多い歯ブラシを選びましょう。ブリストルの密度が高い歯ブラシは歯面に均等に圧力を分散させ、歯ぐきに対する刺激を和らげます。

歯医者のアドバイスを受ける

歯医者や歯科衛生士のアドバイスを受けることは、歯ブラシの選択において非常に有用です。専門家は個人の口内状態に応じた最適な歯ブラシを提案できます。

 

歯ぐきの健康を保つために、やわらかい毛の歯ブラシと慎重なブラッシングテクニックを組み合わせることが重要です。また、歯科医師に歯ブラシの選択とブラッシング方法について相談し、口内衛生を最善の状態に保つことがおすすめです。

理想的な歯ブラシとは?

適切な歯ブラシを選ぶためには、最低限次の4点に注意することが大切です。

1.毛足の長さは1cmくらい

毛足の長さは1cmくらい

理想的な歯ブラシは、毛足の長さが約1センチ程度です。この長さは、磨き残しを減少させ、狭い箇所にもアクセスしやすく、効果的なブラッシングができるサイズです。

2.理想的な毛の硬さ

理想的な毛の硬さ歯ブラシの毛の硬さは一般的に「ふつう」が適しています。硬すぎる歯ブラシは歯ぐきを傷つけ、やわらかすぎる歯ブラシは歯垢を効果的に除去できません。バランスの取れた硬さを選びましょう。

3.毛先の形状

毛先の形状毛先の形状は重要で、凹凸のあるタイプの歯ブラシがおすすめです。これにより、歯と歯の間や歯周ポケットに毛先を届かせやすく、効果的なブラッシングが可能です。

図のように長さが違う凹凸があるとより良いです。

4.ヘッドの大きさ

ヘッドの大きさヘッドの大きさについては、小さめのヘッドが奥歯や細かい箇所にアクセスしやすく、効果的なブラッシングができる利点があります。大きめのヘッドはブラッシングが速く済みますが、小回りが効かないことがあるため、個人の好みに合わせて選びましょう。

 

これらの条件を考慮して、適切な歯ブラシを選びましょう。また、市販の歯ブラシでもこれらの要件を満たす製品が多く存在します。動物の毛を使用した歯ブラシは雑菌の繁殖リスクがあるため、避けることがおすすめです。

歯間ブラシやデンタルフロスについて

歯間ブラシやデンタルフロスについて

歯間ブラシの正しい選び方は?

歯間ブラシはワイヤーとゴムのどちらがいいですか?

歯間ブラシの選択には、ワイヤータイプとゴムタイプの両方に利点があり、どちらが最適かは個人の好みや特定のケースに依存します。以下はそれぞれの特性を説明します。

1.ワイヤータイプの歯間ブラシ

強度

ワイヤータイプの歯間ブラシは通常、より耐久性があり、長持ちすることがあります。

広い選択肢

ワイヤータイプには、さまざまなサイズや形状のものがあるため、歯間の幅や形状に合わせて選びやすいです。

効果的なプラーク除去

ワイヤーは歯間にしっかりとアクセスし、プラークや食べかすを効果的に除去するのに役立ちます。

2.ゴムタイプの歯間ブラシ

柔軟性

ゴムタイプの歯間ブラシはしなやかで柔らかく、歯茎にやさしいため、歯間ブラッシングが快適で痛みを軽減する特性があります。

歯茎へのマッサージ効果

ゴムタイプの歯間ブラシは柔らかい質感で歯茎マッサージに使うことができ、多くの人にとって気持ちの良いブラッシング体験を提供します。

 

どちらの歯間ブラシを選ぶかは、個人の好みや歯間の状態によるものです。歯間が狭い場合、ワイヤータイプの歯間ブラシが便利かもしれません。歯間が広く、歯茎が敏感な場合、ゴムタイプの歯間ブラシが適しているかもしれません。

 

最適な選択をするために、もりかわ歯科の歯科医師や歯科衛生士にご相談ください。

患者さまそれぞれに合った歯間ブラシのご提案と歯間ブラシの正しい使い方もレクチャーさせていただきます。

デンタルフロスの正しい選び方は?

デンタルフロスを選ぶ際には、正しいタイプや素材を選び、自分の好みやニーズに合わせることが重要です。以下はデンタルフロスの正しい選び方についてのいくつかの要点です

1. デンタルフロスのタイプ

ナイロンフロス

一般的なデンタルフロスで、細かい歯間に効果的です。

PTFEフロス (テフロンフロス)

平滑で滑りがよく、歯間にやさしいフロスです。歯間の詰まりや矯正装置のフロスに適しています。

テープフロス

幅が広く、平らなフロスで、幅広い歯間に適しています。

フレーバードフロス

香りがついているフロスで、フレーバーが好きな人に適しています。

 

2. 歯間の形状に合わせる

歯間のサイズや形状に合った適切なフロスを選びましょう。細かい歯間には細いフロス、幅広い歯間にはテープフロスが適しています。

3. 糸の強度

フロスの強度が適度で、フロスが切れにくいものを選びましょう。過度な力を加えなくても歯間の掃除ができるフロスが理想的です。

4.フロスのフレーバー

フレーバードフロスはフレーバーが付いており、フロスを使うのを楽しみにすることができます。好みのフレーバーを選ぶことができます。

5.様々なデンタルフロスの形状

巻き取りフロス

巻き取りフロスフロスが小さなケースに巻き取られています。使い捨てのタイプがあり、持ち運びに便利です。

フロスピック

フロスピックフロスがプラスチック製の持ち手に取り付けられたもので、使い捨てできます。

フロスホルダー

フロスホルダーフロスが取り外し可能で、リフィルができるタイプです。環境に優しい選択肢です。

6.歯科医や歯科衛生士のアドバイスを受ける

デンタルフロスの選択に迷った場合、歯科医や歯科衛生士のアドバイスを受けることがおすすめです。彼らは歯の状態や特別なニーズに合わせた適切なデンタルフロスを提案できます。

 

デンタルフロスは歯間の掃除に欠かせないツールで、正しい選択と使用が口内衛生を向上させます。自分に合ったデンタルフロスを見つけて、歯周病や虫歯を予防しましょう。

歯間ブラシやデンタルフロスの欠点(デメリット)は何ですか?

歯間ブラシやデンタルフロスの使用には多くの利点がありますが、デメリットも存在します。以下は、歯間ブラシやデンタルフロスの欠点についてのいくつかの要因です。

1. 歯肉への負担

歯間ブラシやデンタルフロスを誤った方法で使用すると、歯肉に負担をかけ、傷つける可能性があります。過度な力を加えたり、歯間ブラシの毛先が硬すぎたり、フロスを無理に歯間に押し込んだりすると、歯肉の損傷や出血が起こるかもしれません。

2. 練習が必要

正しい歯間ブラシやデンタルフロスの使用法を習得するには時間と練習が必要です。初めて使用する人にとっては、使い方をマスターするまで手間がかかることがあります。

3. 面倒さ

歯間ブラシやデンタルフロスを使うのは、通常の歯ブラシを使うよりも面倒に感じるかもしれません。特に忙しい日常生活では、歯間ケアに充てる時間を確保するのが難しい場合もあります。

4. 歯間の形状に合わない場合

歯間ブラシやデンタルフロスは歯間のサイズや形状に合ったものを選ばなければなりません。歯間が広い場合や詰め物や矯正装置を持っている場合、適切な道具を見つけることが難しいことがあります。

5. 感染のリスク

歯間ブラシやデンタルフロスを不適切に保管したり、他人と共有したりすることで、細菌の感染リスクがある場合があります。これは特にデンタルフロスの場合に当てはまります。

 

以上のデメリットを考慮しつつ、適切な方法で歯間ブラシやデンタルフロスを使用することが、虫歯や歯周病を予防し、口腔の健康を維持するために重要です。

歯科医や歯科衛生士のアドバイスを受けることも役立ちますのでもりかわ歯科へご相談ください。

まとめ

適切な歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスを選ぶことは、口内衛生と歯の健康を維持する上でとても重要です。

歯ブラシを選ぶ際には、毛足の長さ、毛の硬さ、毛先の形状、ヘッドの大きさなどを考慮しましょう。個人の好みや歯の状態に合った歯ブラシを選び、定期的に交換することが虫歯や歯周病の予防にも役立ちます。

 

もりかわ歯科の専門家が歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスを詳しくご紹介しました。正しい歯間ケア方法を実践することで、口腔の健康を維持し、虫歯や歯周病の予防に役立てて頂ければ幸いです。

 

また、歯並びや噛み合わせを改善することによって歯磨きもしやすくなり、虫歯の原因のプラーク(歯垢)を歯に残しにくくすることができます。

歯の矯正治療に関心がある方は、インビザライン矯正をしている全国の歯科医院の1%も獲得できないダイヤモンドプロバイダーに認定されています。

歯並びの改善や歯の矯正について詳しく知りたい方は、インビザライン専門ドクターの森川康司にご相談ください!

 

理想的な歯ブラシの使用と適切な矯正治療を組み合わせることで、美しい笑顔と健康な歯を手に入れることができます。

 

詳しくは当院ホームページの矯正歯科ページをご覧いただくか、直接診療所へ矯正無料相談にお越しくださいませ。

歯周病の進行を止める方法はある?進行することによるリスクも解説!

2023年10月27日
両手で口を押さえる女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯を失う原因はさまざまですが、そのうち最も大きな割合を占めているのが歯周病です。歯を失う原因となるだけではなく、さまざまな病気とも関連していることがわかっています。

歯周病は自覚症状なく進行し、重症化すると治療が難しい病気です。軽い歯肉炎の状態であればプラークコントロールにより改善できるため、歯周病のリスクや進行を止める方法を理解しておきましょう。

今回は、歯周病が進行することによるリスクや進行を止める方法について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

歯周病とは?

歯の模型が置かれたデスクで作業をする歯科医師

歯周病とは、歯と歯茎のすき間(歯周ポケット)から歯周病の原因となる細菌が侵入し、細菌が出す毒素によって歯肉が炎症を起こす病気です。炎症が広がると歯を支える歯槽骨が溶け、歯がグラグラするケースや最悪の場合には歯が抜け落ちるケースがあります。

歯周病の原因

歯周病の原因は歯垢(プラーク)に潜む細菌です。歯を十分に磨けていないと、歯垢が歯周ポケットに蓄積します。

細菌が産生する毒素により歯茎の腫れや出血などの症状が現れ、進行すると歯周ポケットが深くなります。歯周ポケットが深くなると歯垢や歯石の除去が困難になり、さらに炎症が広がって歯を支える歯槽骨が溶けるのです。歯肉が下がり、歯がグラグラと動揺して抜けることもあります。

歯周病の進行

歯周病は自覚症状なく進行しますが、いきなり重度の状態になることはありません。歯に歯垢や歯石が付着することにより歯茎が炎症を起こす歯肉炎からはじまり、歯周組織へと炎症が広がって歯周炎になります。

歯周病の進行について詳しくみていきましょう。

歯肉炎

歯肉炎は歯茎が炎症を起こしている状態です。自覚症状はほぼなく、見た目の変化もほとんどありません。

しかし、歯茎の腫れが続くと歯周ポケットが深くなり、歯垢や歯石が溜まりやすくなります。歯周ポケットの中に歯垢や歯石が蓄積すると、細菌が繁殖して歯周病が進行するのです。

軽度歯周炎

軽度の歯周炎になると炎症が広がり、歯周組織にも影響を及ぼします。自覚症状が現れることはほとんどありませんが、歯を支える歯槽骨や歯根膜が破壊されはじめる段階です。

中等度歯周炎

中等度の歯周炎になるとさらに炎症が広がり、歯を支える歯槽骨の破壊が進んで歯がグラつきはじめ、歯周ポケットもさらに深くなります。

この段階になると歯茎の出血や腫れなどの症状が現れるでしょう。中等度の歯周炎まで進行すると、治療しても完治が難しくなります。

重度歯周炎

重度の歯周炎になると歯を支える歯槽骨が半分以上破壊され、歯のグラつきが大きくなります。

この段階になると歯茎の痛みや腫れ、口臭などさまざまな症状が現れ、しっかり噛むことも難しくなります。重度の歯周炎まで進行すると、歯を残すことは難しく、抜歯が必要です。

歯周病が進行することによるリスク

赤い三角のワーニングマーク

歯周病は歯を失う原因となるだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼします。細菌が出す毒素が歯茎の血管から全身にまわり、さまざまな病気の原因になるのです。

歯周病が進行することによるリスクを詳しくみていきましょう。

糖尿病

歯周病は糖尿病の合併症の一つです。糖尿病の人は、そうでない人に比べて歯周病になっている人が多いという調査結果も報告されています。歯周病によって産生された炎症性物質が血液中に入ることで、インスリンの働きが低下して血糖値が下がりにくくなるのです。

狭心症・心筋梗塞

歯周病は動脈硬化を引き起こし、狭心症や心筋梗塞の発症リスクを高めます。心臓に血液を送る血管が狭くなると狭心症を、塞がると心筋梗塞を発症する可能性があるのです。また、心臓の弁や内膜に歯周病菌が感染すると感染性心内膜炎を起こす恐れもあるでしょう。

脳梗塞

脳梗塞は脳血管疾患の中でも死亡率が高い病気です。歯周病は動脈硬化を引き起こし、脳梗塞を発症するリスクを高めます。歯周病になっている人が脳梗塞を発症する確率は、歯周病になっていない人の約2.8倍という報告もあります。

骨粗しょう症

歯周病は骨粗しょう症の発症リスクを高めます。歯周病によって産生される炎症性物質が、全身の骨の代謝に悪影響を及ぼすためです。

また、歯周病で歯を失うと咀しゃく機能が低下し、消化・吸収に悪影響を及ぼします。消化・吸収ができないと骨を作るために必要となるビタミンDやカルシウムが不足し、低栄養状態になることで骨粗しょう症が悪化するのです。

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎は、本来食道に入るはずの唾液や食べ物が気管に入ることで発症する肺炎です。歯周病菌が誤って気管に入ると、誤嚥性肺炎を発症するリスクが高くなります。誤嚥性肺炎の原因となる細菌は、多くが歯周病菌であるといわれているのです。

認知症

歯周病は認知症の発症リスクを高めます。歯周病は動脈硬化を引き起こす可能性があります。動脈硬化によって血管が狭くなり、血液が詰まると脳梗塞を引き起こし、脳血管性認知症を発症する可能性があるのです。

関節リウマチ

関節リウマチは関節が炎症を起こし、軟骨や骨が破壊され、関節が変形する病気です。

歯周病は関節リウマチを発症するリスクが高く、関節リウマチの人は歯周病になっている人が多いことがわかっています。歯周病の治療を受けると関節リウマチの状態がよくなるという報告もあるのです。

肥満

歯周病は肥満を引き起こすことがさまざまな研究で明らかにされており、歯周病が進行している人はメタボリックシンドロームを発症する確率が1.6倍高まるという報告があります。

また、脂肪細胞で作られる炎症性物質は、歯を支えている骨を溶かし、歯周病を発症・進行させる作用もあるのです。

低体重児出産・早産

妊娠中の女性が歯周病になると、低体重児出産のリスクが高まります。歯周病によって産生された炎症性物質が血液中に入り、血流にのって全身に運ばれるためです。

また、子宮の収縮を早める物質が産生されることにより、早産も起こりやすくなります。歯周病になると早産・低体重児出産のリスクが2~4倍高くなりますが、歯周病の治療を行うとそのリスクが下がることもわかっているのです。

歯周病の進行を止める方法はある?

歯のクリーニングを受ける女性

歯周病の進行を止める方法はあるのでしょうか。歯周病になっても、初期の段階であれば進行を止められます。

歯周病の進行を止める方法について詳しくみていきましょう。

プラークコントロールを徹底する

プラークコントロールとは、歯周病や虫歯の原因となる歯垢(プラーク)を減らすことです。

歯や歯茎に付着した歯垢をできる限り除去するためには、日々のセルフケアが欠かせません。歯と歯茎のすき間(歯周ポケット)には歯垢が溜まりやすいため、特に注意して磨くようにしましょう。

セルフケアを行う際のポイントは、以下のとおりです。

歯垢が溜まりやすい部分を意識して磨く

歯垢が溜まりやすい歯周ポケット・歯と歯の間・奥歯の溝を意識して磨きましょう。歯周ポケットの歯垢を除去するためには、歯ブラシの毛先を歯と歯茎の境目に45度の角度で当て、小刻みに動かして磨くと効果的です。

歯磨き粉は歯茎の腫れや出血を抑える成分や、歯周病菌を殺菌する作用がある薬用成分が配合された製品を選ぶとよいでしょう。

歯周病のケアに適した歯ブラシを使用する

歯周病のケアに適した歯ブラシを使用し、歯周ポケットに蓄積した歯垢を除去しましょう。歯周ポケットに届きやすい超極細毛の歯ブラシを使用すると効果的に歯垢を除去できます。

また、奥歯や歯並びが悪い部分はタフトブラシで磨くと磨き残しが少なくなるでしょう。

デンタルフロスや歯間ブラシを使用する

歯垢は歯ブラシだけでは落とせません。歯と歯の間の歯垢をしっかり落とすために、デンタルフロスや歯間ブラシを使用しましょう。

デンタルリンスでうがいをする

歯磨きのあとは、デンタルリンス(洗口剤)で仕上げうがいをすると細菌の繁殖を抑制できます。

就寝中は唾液の分泌量が減少し、細菌が増殖しやすくなるため、就寝前にデンタルリンスでうがいをすると効果的です。就寝前に殺菌作用のあるデンタルリンスでうがいをすることで、細菌の数が減少するでしょう。

定期的にメンテナンスを受ける

歯周病は自覚症状なく進行します。歯周病の進行を止めるためにも歯科医院でのメンテナンスを受けましょう。

歯科医院では、専用の器械を使用して歯磨きでは落としきれない歯周ポケット内の歯垢・歯石を除去します。また、定期的にメンテナンスを受けることで歯科医師に歯茎の状態をチェックしてもらえるため、歯周病の早期発見・早期治療ができるでしょう。

また、歯科衛生士によるクリーニングやブラッシング指導を受け、自宅でのプラークコントロールを継続することが大切です。少なくとも1年に2~3回は歯科医院を受診してメンテナンスを受けましょう。

生活習慣を改善する

歯周病は生活習慣病です。生活習慣を見直すことで歯周病の進行を止められます。

・栄養バランスのとれた食生活を心がける

・糖分を摂りすぎない

・アルコールは控える

・禁煙する

・十分な睡眠をとる

・ストレスをためない

・適度な運動を習慣にする

喫煙や飲酒、ストレス、乱れた食生活は免疫力を低下させて歯周病の進行を早めます。

歯周病の進行を止めるためには、生活習慣を見直し、規則正しい生活を心がけて免疫力を高めることが大切です。免疫力が高まると、感染症などさまざまな病気を予防できます。全身の健康のためにも生活習慣を見直し、改善しましょう。

まとめ

歯ブラシと歯の模型を持っている女性歯科医師

歯周病は歯を失う原因の中で最も大きい割合を占める病気で、さまざまな病気との関連も明らかになっています。

歯周病になっても初期の段階であれば治療できるため、セルフケアを徹底し、歯科医院でのメンテナンスを受けることが大切です。また、喫煙や睡眠不足、乱れた食生活などの歯周病を進行させる生活習慣も改善しましょう。

歯周病は進行するまで症状がほとんどありません。重症化すると治療が困難になるため、歯周病にならないことが何より大切です。大切な歯と全身の健康を守るためにも、歯周病になる前に予防しましょう。

歯周病にお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

小児歯科で行うシーラント処置とは?メリットや注意点を解説!

2023年10月20日
水色の背景の前に置かれた歯の模型

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

小児歯科で行うシーラント処置とは、虫歯予防に効果的な歯科処置の一つです。こどもの虫歯予防法として聞いたことはあるけれど、実際にはどのような処置なのかわからないという方も多いでしょう。

シーラント処置は、一般的に虫歯への抵抗力がまだ高くないこどもが対象の虫歯予防法です。虫歯予防に非常に効果的であり、痛みもないことから、こどもの虫歯予防におすすめといえるでしょう。

シーラント処置では、奥歯の咬合面にある溝やくぼみをシーラントで埋めて、虫歯菌の侵入を防ぎます。虫歯菌の侵入を防ぐことで虫歯を予防するのです。では、小児歯科でのシーラント処置はどのような流れで行われるのでしょうか。

今回は、小児歯科で行うシーラント処置のメリットや処置の流れ、注意点について解説します。こどもの虫歯予防としてシーラント処置を検討されている保護者の方は、ぜひ参考にしてください。

小児歯科で行うシーラント処置とは?

クエスチョンが書いてある紙を持っている女の子

シーラント処置とは、こどもの虫歯を予防するための処置です。

特にこどもの成長期に生えてくる歯は成人の歯とは形状が異なり、咬合面、つまり歯が上下で噛み合う面に深い溝があります。この溝に食べかすや汚れが溜まると、虫歯の発生源になるのです。

この虫歯の発生源になりやすい歯の溝をシーラントで覆うことで、食べかすや汚れ、細菌の侵入を効果的に防ぎ、虫歯を予防します。

新しく生え揃った永久歯は、まだ完全に発育していません。虫歯になりやすく、また虫歯の進行速度も速いのです。そのため、こどものうちにしっかりと虫歯を予防することが重要といえます。

シーラントのメリット・デメリット

スマイリーの顔が描かれた積み木

シーラントにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

以下に詳しく解説します。

シーラントのメリット

シーラントのメリットは、以下のとおりです。

虫歯予防に効果がある

前述のとおり、シーラントは虫歯予防に非常に効果的です。虫歯の発生源である歯の溝を埋めて食べかすや汚れ、細菌の侵入を防ぐことで、虫歯になるリスクを減らせるでしょう。

歯の再石灰化をサポートする

さらにシーラントには、フッ化物が含まれているものもあります。フッ素は歯の表面を再生し、虫歯から歯を守るために重要な歯の再石灰化をサポートするため、より虫歯予防に効果的といえるでしょう。

保険が適用される

シーラントの処置は、適切な条件下であれば保険が適用されます。

シーラントのデメリット

次に、シーラントのデメリットについて解説します。

シーラントのデメリットは、以下のとおりです。

外れやすい

シーラント処置は、歯の溝にシーラントを流し込み、硬化します。

しかし、一般的な詰め物よりも外れやすいです。一般的な詰め物は、歯の一部を削り取って形を調整し、詰め物と歯がしっかりと固定されます。

しかし、シーラントは歯の溝に流し込んで硬化させるだけのため、接着力が弱いのです。シーラントが外れた場合は、再処置が必要です。

定期検診を受ける必要がある

シーラント処置後は、数か月ごとに定期検診を受けることが推奨されています。

生えたばかりの永久歯は虫歯になりやすいです。万が一虫歯になった場合は急速に進行します。特にシーラントで覆われた歯は、虫歯になっても気づきにくいです。気づかないうちに虫歯が進行していたということもあります。

定期的に検診を受けることで、早期に虫歯を発見できるでしょう。さらに、シーラントの持続性も確認し、必要であれば再処置を行います。

小児歯科で行うシーラント処置の流れ

歯の治療を受ける女の子

シーラント処置は、歯の溝にシーラントを流し込み硬化させるだけなので、痛みはありません。そのため、麻酔も不要です。比較的短時間で処置が終わるでしょう。では、どのような流れでシーラント処置を行うのでしょうか。

シーラント処置の流れは、以下のとおりです。

歯面を清掃する

はじめに歯の清掃を行います。

歯科医師や歯科衛生士が、歯の噛み合わせ部分の細かな溝を、専用の器具を用いて慎重にクリーニングし、歯のすき間に詰まった食べ物の残りかすや細菌などの不純物を除去します。シーラントの効果を発揮するためにも、クリーニングは非常に重要な工程です。

歯を乾燥させ、接着剤を塗布する

クリーニングが終わったら、歯を乾燥させます。十分に乾燥したら、歯科専用の接着剤を塗布します。

歯の溝にシーラントを流し込む

歯の溝にシーラントを流し込みます。

シーラントは液体なので、歯の形に沿って細かなすき間までしっかりと広がります。細かなすき間までしっかりと埋めることで、歯を均等にカバーし、外部から虫歯の原因となる細菌の侵入を防ぐのです。

シーラントを硬化する

シーラントを均一に流し終えたら、特別な光を用いて硬化します。この工程によって、シーラントは歯に強固に結合し、持続性が向上するのです。

シーラント処置後の注意点

水色の背景の前にあるびっくりマーク

シーラント処置は麻酔を使用しないため、処置後は基本的に食事などの制限はありません。

しかし、シーラント処置後に注意すべきことがいくつかあるのです。

以下にシーラント処置後の注意点について解説します。

虫歯を完全に予防できるわけではない

シーラントは虫歯予防に効果的ですが、それに頼り切って安心してはいけません。

シーラントは歯の咬合面にできる溝やくぼみの虫歯予防に効果を発揮しますが、歯と歯のすき間部分は虫歯のリスクが残ります。シーラント処置をしていない部分の口腔ケアを怠ると虫歯になるでしょう。

歯と歯のすき間のケアには、歯間ブラシやデンタルフロスを使用すると細かな部分の汚れも除去できます。

シーラントの保護効果を最大限に活かすためには、日々の歯磨きが大切です。歯磨きは、虫歯だけでなく、歯周病などの口腔トラブルの予防にもつながります。特に、食後や寝る前に歯磨きをすることは、口腔内の健康を維持するうえで非常に重要です。

シーラント処置を終えたあとも、しっかりと歯磨きをしましょう。

再度処置が必要になることがある

シーラントの効果はいつまでも持続するわけではありません。シーラントの効果持続期間は、一般的に2〜5年といわれていますが、毎日の食事や噛みしめなどによって、効果は次第に弱まります。

そのため、シーラントの状態によっては、再度処置が必要になることもあるのです。

シーラントは非常に効果的な虫歯予防法ですが、その効果は長期間持続するわけではありません。一度の処置だけで安心せず、定期検診を受けるようにしましょう。

まとめ

両手で天井を指差す女の子

奥歯の溝は磨きにくいため食べかすや汚れが溜まりやすく、虫歯リスクが高い部分です。奥歯の咬合面にある溝やくぼみにシーラント処置を施すことで、虫歯の原因になる食べかすや汚れ、細菌の侵入を防ぎます。

特にこどもの歯はまだ未熟であるため、虫歯菌など細菌への抵抗力が弱いです。生えて間もない永久歯が虫歯になると、急速に進行し、結果的に歯を削って治療することもあるでしょう。

シーラントの効果は、一般的に2〜5年ほど持続するといわれています。また、シーラント処置は麻酔が不要で工程もシンプルです。痛みがなく、こどもへの負担も比較的少ないため、奥歯が生え始めたら、シーラント処置を検討してみてください。

シーラント処置を検討されている方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

口臭の原因と対策は?

2023年10月20日
口臭の原因と対策は?

こんにちは!大阪府八尾市に60年間にわたり、地域に根付いた歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康はもちろん、歯にまつわる体のお悩みに対して、歯科医やスタッフからすると当たり前の知識でも、実は患者さんにとっては疑問に感じられることが多いことに気づかされます。診療中に全ての質問に詳しくお答えできればいいのですが、現実的にはお一人お一人に詳細に説明する時間が限られていることが多いのが現状です。

そこで、普段の診療中によく聞かれる質問に対して、当院のブログで詳しく解説していく「歯に関するご質問に全力回答!」ブログをスタートしました。

患者さまがこのブログを通じて、歯医者に対して日常から抱えている疑問や不安を解消していただければ、それが私たちの大きな喜びです。

どんな些細な疑問や質問でも、お気軽にお寄せいただければと思います。私たちは患者さまの健康と幸福を支えるためにここにいます。どうぞよろしくお願いいたします。

口臭の原因と対策は?のご質問に全力回答!

今回は口臭の原因と対策について、歯医者としてのアドバイスや口臭予防・口臭対策にはどういった方法があるのかについて詳しく解説していきたいと思います。

口臭が臭い人の主な原因は何ですか?

強い口臭の主要な原因は、口内の問題です。虫歯や歯周病の場合、特有の嫌な臭いが発生します。さらに、虫歯や歯周病に至らない場合でも、プラーク(歯垢)が多く付着していると口臭の原因になります。また、入れ歯の適切なケアの不足、金属の詰め物や被せ物の腐食、口腔がんなども口臭の原因となります。

口臭の三大原因物質

口臭の三大原因物質

硫化水素(Hydrogen Sulfide)

硫化水素は口臭の主要な原因物質の一つであり、腐敗したタンパク質から生じます。口腔内に存在する細菌がタンパク質を分解し、その過程で硫化水素を生成します。硫化水素は腐った卵のような不快な匂いを持っています。

メチルメルカプタン(Methyl Mercaptan)

メチルメルカプタンも硫化水素と同様に腐敗したタンパク質から生成される物質で、口臭の原因となります。メチルメルカプタンはガーリック(ニンニク)のような匂いを持ち、口臭の特徴的な臭いの一つです。

ジメチルスルフィド(Dimethyl Sulfide)

ジメチルスルフィドも硫化水素とメチルメルカプタンと同様に、口臭の原因となる硫黄化合物です。ジメチルスルフィドは腐敗した食品や細菌による歯垢の分解に関与し、口臭の原因となります。

 

これらの物質は口腔内の細菌の活動によって生成され、口臭の主要な原因となります。定期的な歯科検診、適切な口腔衛生、バランスの取れた食事、そして十分な水分摂取は口臭を軽減するのに役立ちます。

また、口臭で持続的にお悩みの場合は速やかに歯科医師に相談してください。

口臭は病気のサインですか?

口臭は病気のサインですか?

口臭自体は病気ではないですが、口臭が持続的で強烈な場合、潜在的な健康問題を示唆することがあります。口臭は通常、口腔内の問題に関連していますが、以下のような疾患や状態と関連があることがあります。

歯周病(歯槽周囲疾患)

歯周病は歯肉の炎症や感染を伴う口内の疾患で、口臭の一般的な原因です。持続的な口臭がある場合、歯周病が関与している可能性が高いです。

歯周病以外の口腔疾患

口内の潰瘍、口内炎、歯の腐敗など、他の口腔内の問題も口臭を引き起こす原因となります。

食道疾患

胃食道逆流症(GERD)や胃潰瘍などの食道関連の疾患が口臭の原因になることがあります。

呼吸器疾患

呼吸器の感染症、肺疾患、副鼻腔炎などは、口臭を引き起こす可能性があります。

代謝性疾患

一部の代謝性疾患(糖尿病、腎臓疾患など)は口臭の原因になることがあります。

口腔外の疾患

口臭は口腔外の疾患や健康問題の兆候として現れることがあります。口臭が持続的で不明瞭な場合、医療専門家に相談することが重要です。

 

口臭は日常的な口腔ケアと適切な歯科検診を通じて管理できることが多いですが、持続的な口臭がある場合、潜在的な健康問題がある可能性があるため、医師や歯科医に相談することが重要です。

歯磨きしても口が臭いのはどうして?

歯磨きしても口が臭いのはどうして?歯磨きしても口臭が続くことがあるのは、口臭の原因が歯磨きだけでは解決できない場合があるからです。以下は歯磨きだけでは口臭が改善しない理由と、それを改善するための対策です。

歯周病や歯垢の不十分な除去

歯磨きが不十分で歯垢が残ると、歯周病や歯茎の炎症が引き起こされ、口臭の原因となります。歯間ブラシやデンタルフロスを使って歯の間の歯垢を除去することが重要です。定期的な歯科検診も歯垢や歯周病の管理に役立ちます。

舌の清掃の不足

舌の表面には細菌や食べかすが蓄積し、口臭の原因となります。舌ブラシやスクレーパーを使って舌の清掃を行いましょう。

口腔外の原因

口臭は口腔内だけでなく、胃腸の問題や代謝性疾患など体内の要因によることもあります。医師や歯科医に相談し、潜在的な問題を排除するための診察を受けることが重要です。

食事や飲み物

強い香りの食べ物(にんにく、玉ねぎなど)や飲み物(コーヒーやアルコール)の摂取は、口臭の原因となります。これらを控えるか、食後に歯磨きを行うことが役立ちます。

唾液不足

唾液は口腔内の細菌の成長を抑制し、食べかすを洗い流す役割を果たします。唾液不足がある場合、口臭が悪化することがあります。十分な水分摂取と、必要に応じて口腔洗浄薬を使用することが役立ちます。

 

口臭がしやすい人の特徴は?

口臭がしやすい人の特徴は?

口臭がしやすい人には、以下のような特徴があります。ただし、これらの特徴が全て当てはまるわけではありませんし、個人差があります。口臭の原因は複合的で、一人ひとり異なります。

不適切な口腔衛生

歯磨きやフロッシングなどの口腔衛生習慣が不十分な場合、食べかすや歯垢が歯に残り、口臭の原因となります。

歯周病

歯周病は歯茎の炎症と感染を伴う疾患で、口臭の主要な原因となります。

食生活

強い香りを持つ食べ物(にんにく、玉ねぎ、香辛料など)の摂取が多いと、口臭が発生しやすくなります。

喫煙

タバコを吸うことは口臭の原因となり、また、歯周病のリスクを高めることがあります。

口腔乾燥

口腔内が乾燥していると、唾液の量が減少し、口臭が発生しやすくなります。

特定の医薬品

一部の医薬品は口臭を引き起こす可能性があります。これらの薬物を服用している場合、口臭が発生しやすいことがあります。

代謝性疾患

代謝性疾患(糖尿病、腎臓疾患など)は口臭の原因になることがあります。

ストレス

ストレスは唾液の分泌を減少させ、口臭を悪化させることがあります。

口腔外の健康状態

口臭は口腔内だけでなく、体内の疾患によっても引き起こされることがあります。

 

口臭と歯並びの関係

口臭と歯並びには密接な関係があります。

以下に、その関係と両者の影響について説明いたします。

歯の隙間と歯垢

歯の間や歯並びの乱れにより、歯ブラシやフロスが効率的に歯の隙間に到達しづらくなることがあります。これにより、歯垢(プラーク)が蓄積し、口臭の原因となります。歯垢は口腔内で細菌の繁殖を促進し、口臭の主要な要因です。

歯周病

歯並びの乱れがあると、歯周病のリスクが増加します。歯周病は歯肉の炎症や感染を引き起こす疾患で、これも口臭の原因となります。歯並びの悪さにより、歯周ポケットと呼ばれる歯茎と歯の間の隙間ができ、そこに歯垢がたまり、感染の温床となります。

歯石

歯並びの悪さや歯間の隙間により、歯石がたまりやすくなります。歯石は歯垢の硬化物で、歯の表面に付着し、口臭を引き起こす一因となります。

噛み合わせの問題

歯並びの悪さや歯の不正咬合は、正しく噛むことが難しくなることがあります。これにより、食べかすが歯の間に詰まりやすくなり、歯垢や食べかすが腐敗し、口臭を引き起こします。

口臭を改善し、歯並びを改善するための方法には以下のようなものがあります

正しい歯磨きとフロスの継続的な使用

歯垢を除去し、口臭を軽減するのに役立ちます。

歯医者の定期的な診察

歯周病や歯石の除去のために歯科医による専門的なケアが重要です。

歯の矯正治療

歯並びを改善するための矯正治療が必要な場合、歯科医に相談しましょう。

健康的な食生活

バランスの取れた食事と適切な水分摂取が口臭を軽減するのに役立ちます。

口臭や歯の健康に関する具体的なアドバイスや治療については、歯科医に相談することが最善です。歯科医は個々の状態に合わせた適切なケアプランを提供してくれます。

口臭の治し方は?

以下は口臭を軽減するために簡単に実践できる対策方法

口臭を軽減するための簡単な対策方法

歯の適切なブラッシング

歯のブラッシングは日常的な口臭予防に最も効果的な方法の一つです。朝、夜、食後に歯ブラシを使って歯垢や食べかすをしっかりと除去しましょう。舌の裏側もブラッシングすることが重要です。

フロッシング

歯間ブラシやフロスを使って歯の間の食べかすや歯垢を取り除きましょう。これはブラッシングだけでは届かない部分を清潔に保つのに役立ちます。

舌の清掃

舌の表面にも細菌や食べかすが蓄積し、口臭の原因となります。舌ブラシやスクレーパーを使って舌の表面を清掃しましょう。

口腔洗浄薬の使用

口臭を軽減するために、口腔洗浄薬を使うことができます。ただし、過度の使用は口のバランスを乱す可能性があるため、適切な使用方法を尋ねて歯科医に相談しましょう。

水分摂取

十分な水分を摂ることは口臭の軽減に役立ちます。水は口腔内の細菌の増殖を抑制し、口臭を和らげる助けとなります。

定期的な歯科検診

歯科医による定期的な歯科検診とクリーニングを受けることが重要です。歯周病や歯の問題が早期に発見され、治療されることで口臭を軽減できます。

バランスの取れた食事

食事内容に気を付けて、香辛料や強い香りの食べ物を控え、野菜やフルーツを摂ることで口臭を和らげることができます。

 

口臭が気になる方は、まずは上記の内容に気をつけていただき、対策・改善を目指してください。

口臭に関する意識調査

口臭に関する意識調査

歯科医療総合商社などによる意識調査によると、口腔内の懸念に関する回答の90.6%が「口臭について気になったことがある」というものでした。ただし、男性と女性の間に差異が見られ、男性の場合、「口臭がある」が27.9%で最も多く、「歯の黄ばみ」が27.8%でそれに続きました。一方、女性では、「歯の黄ばみ」が44.9%で最も一般的であり、「口臭がある」は26.6%で5番目に位置していました。

自分の口臭はチェックできますか?

自分の口臭はチェックできますか?

自分の口臭をチェックする方法はいくつかあります。

手首や手の甲をかいてにおいをかぐ

手首や手の甲を舌でなめ、その後ににおいをかいてみることで、自分の口臭をチェックできます。ただし、これは口臭を正確に評価する方法としてはあまり信頼性がありません。

スプーンを使った舌の検査

スプーンの背で舌の表面をこするか、スクレーパーを使用して舌の表面をこすり、その後に匂いをかぐことができます。舌の白い舌苔(舌の汚れ)や異常な匂いがあるかどうかをチェックします。

別の人に聞いてみる

友人や家族に率直な意見を求めることもできます。他人が自分の口臭を感じる可能性があります。

臭いを感じるテスト

手で息を鼻に持っていき、息がどのように臭うかを評価できます。この方法は、口臭の一般的な特徴を知るのに役立つことがあります。

 

ただし、これらの方法はあくまで自己診断であり、正確な評価が難しいことがあります。口臭が持続的な問題となる場合、歯科医や医師に相談することをおすすめします。専門家は正確な診断を行い、適切な対策や治療を提供することができます。また、定期的な歯科検診を受けることも、口臭の早期発見と対策に効果があります。

どうしたら口が臭いのは治りますか?

口臭の治療において、まず最初に原因を特定することが重要です。もし口臭の原因が歯周病である場合、歯科医で適切な治療を受けながら、歯垢をしっかりと除去するために適切な歯磨きを行います。歯間ブラシやデンタルフロスの使用も効果的です。

一方、唾液の減少が口臭の原因となっている場合、しっかりと食事を噛んで唾液をよく出すことを心がけることが大切です。

まとめ

口臭の原因は様々ですが、最も多い原因がお口(口腔内)のトラブルです。

虫歯や歯周病にならないよう日頃からのケアがとても大切です。

医療法人甦歯 もりかわ歯科志紀診療所では定期的なメンテナンスに通っていただくことをおすすめしております。

予防歯科について詳しくは、もりかわ歯科志紀診療所の予防歯科ページをご覧ください。

 

また、歯並びが悪いことも口臭の原因になってしまいます。

歯並びや噛み合せを正すことで、口臭だけでなく全身の健康を手に入れることができます。

詳しくは当院ホームページの矯正歯科ページをご覧いただくか、直接診療所へ矯正無料相談にお越しくださいませ。

 

重度の歯周病とはどのような状態?放置するリスクと治療法

2023年10月13日
歯茎を確認している男性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯茎からの出血や、歯のぐらつきがある場合、重度の歯周病になっているかもしれません。重度の歯周病を放置すると、食事など日常生活に影響を及ぼし、最終的に歯が抜け落ちる可能性があります。重度になると治療の難易度も高くなるため、早期に対処することが大切です。

今回は、重度の歯周病の症状や放置するリスク、歯周病の予防法を解説します。

重度の歯周病とはどのような状態?

口に人差し指を当て、悩んでいる表情の女性

歯周病とは、歯と歯茎の間にあるすき間(歯周ポケット)が細菌に感染し、炎症を起こす病気です。歯周病の進行度合いは、歯周ポケットの深さで診断します。

・軽度の歯周病:1〜3mm

・中等度の歯周病:4~5mm

・重度の歯周病:6mm以上

歯周ポケットの深さが6mm以上の場合、重度の歯周病と診断されます。重度の歯周病で現れる症状は、以下のとおりです。

・歯が動揺する

・歯茎が赤く腫れて膿が出る

・歯茎から出血なる

・歯茎が下がる

・口内がネバネバする

・口臭が強くなる

重度の歯周病では、歯周病ポケットが非常に深くなるので、歯がグラグラと動揺する場合が多いです。咀嚼に支障をきたすこともあるでしょう。

軽度の歯周病では痛みなどの自覚症状はないのが一般的ですが、重度になると上記の症状が現れます。歯茎が下がったことで、歯が長く見えることも多いです。

症状が現れてから歯周病に気づく方も少なくありません。

重度の歯周病を放置すると

黒いドミノを指で倒している

重度の歯周病を放置すると、歯だけではなく全身に影響を及ぼす恐れがあります。

歯が抜け落ちる

歯周病は、歯周ポケット内に歯石や歯垢が溜まることで細菌に感染して引き起こされます。重度の歯周病を放置すれば、歯周ポケット内で活発化した細菌感染が顎の骨にまで拡大するでしょう。

歯を支える顎の骨が溶けて、歯がグラグラと揺れ始めます。最終的には歯が抜け落ちる可能性があるのです。

歯が自然と抜け落ちることは少ないですが、抜歯で歯を失うことが多いでしょう。自然に歯が抜け落ちるまで歯周病が進行した場合、膿の塊や痛みなどの自覚症状が現れて受診する方が多いためです。

全身疾患や妊娠のトラブルにつながる

歯周病を放置すると、歯周病菌が血液を介して全身に運ばれます。歯周病菌は毒性物質や炎症物質を持っているため、さまざまな疾患やトラブルを引き起こす可能性があるでしょう。

歯周病を放置することで起きる可能性のある病気は、以下のとおりです。

糖尿病

歯周病菌が産出する炎症物質が、血糖値をコントロールするインスリンの働きを低下させて糖尿病を引き起こします。

糖尿病と歯周病は関係が深く、どちらか一方が悪化すれば、もう片方の病気も悪化する可能性が高いです。そのため、糖尿病の方や糖尿病リスクの高い方は、歯周病が重症化しないように注意しなくてはなりません。

動脈硬化

歯周病菌の持つ炎症物質や毒性物質によって血管の壁が炎症を起こすと、血管が狭まります。歯周病菌が血管に炎症を起こして血管を硬化させることで、動脈硬化を引き起こすと考えられています。

動脈硬化が引き起こされると、脳梗塞・狭心症・心筋梗塞などのリスクが高まるでしょう。

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)

食事の際に、飲食物が食道ではなく気管に入ることがあります。飲食物と一緒に歯周病菌が肺に入り込むと、肺炎を引き起こすかもしれません。

妊娠のトラブル

血液を通して歯周病菌が胎盤へ届いて刺激することや、歯周病菌の持つ炎症物質によって陣痛が誘発されることなどが原因で、妊娠に関するトラブルを引き起こすことがあるでしょう。

歯周病がある方は、早産や低出生体重児のリスクが高いとされています。妊娠中は体調がよくない方が多く、つわりの影響で歯磨きをできない方もいます。

妊娠前から歯周病を予防し、口内を清潔に保つことが重要です。

重度の歯周病の治療法

歯の模型を使って説明している歯科医師

重度の歯周病の場合、治療が複雑化します。歯や口内の状況に応じて、適切な治療が選択されるでしょう。

重度の歯周病の治療方法は、以下のとおりです。

FMD

FMD(フルマウスディスインフェクション)は、歯周病菌を口腔内と身体の両方から除去する治療法です。

歯周病菌はスケーリングやルートプレーニングなど、機器によるクリーニングで除去しますが、重度の歯周病の場合はクリーニングだけでは除去できません。除去に時間がかかると通院回数が多くなるため、早急に歯周病を改善するためにFMDが選択されます。

FMDでは抗生物質を内服し、体内の歯周病菌を一度で除去します。

歯周外科治療(フラップ手術)

重度の歯周病の場合、歯周ポケットに形成された歯石をクリーニングで除去することは困難です。歯茎を切開し、歯根に付着している歯石・歯垢・毒素を除去することが多いです。

麻酔を使用するので、手術中の痛みはありません。外科手術なので負担は大きいですが、重度の歯周病を改善するために必要な治療です。

歯周病組織再生療法

歯周病組織再生療法は、歯周病によって失われた骨などの組織を回復するための治療です。歯周病菌は、顎の骨や歯茎などの歯の周辺組織を破壊します。

周辺組織が破壊されると歯を支えられなくなり、自然に抜け落ちるかもしれません。抜歯が必要になることもあるでしょう。

しかし、歯を支えている組織を歯周病組織再生療法で回復すれば、歯を残せる可能性が高まります。歯周病組織再生療法では、歯周組織を回復するための場所を作り、組織の回復を促す薬剤を注入します。

歯周補填治療

重度の歯周病では歯を支える骨が溶け、歯がグラグラと動揺する場合が多いです。歯が動揺していると、食べ物を噛むことが困難になります。

歯周補填治療では、動揺している歯を被せ物で固定して安定させます。食べにくさを改善するだけでなく、噛み合わせも改善されるでしょう。

抜歯

重度の歯周病でも、まずは歯を残すことを考えて治療を進めます。

しかし、歯を残すことでほかの歯や身体に悪影響がある場合は、抜歯を選択するでしょう。

歯周病の予防法

歯ブラシ・マウスウォッシュ・デンタルフロスが置かれている

歯周病が重症化してから治療するのではなく、日頃から予防することが大切です。歯周病は自覚がないまま進行し、気づいたときには重度になっているケースも珍しくありません。

歯周病の予防法は、以下のとおりです。

毎日の正しい歯磨き

毎日の正しい歯磨きでプラークを取り除くことは、歯周病の予防につながります。歯ブラシだけでなくフロスなどを使用し、歯と歯の間に付着した歯垢を除去しましょう。

歯と歯茎の溝に45度の角度で歯ブラシを当てることで、歯周ポケットの歯垢や歯石を除去できます。奥歯や歯の裏側など、磨きにくい部分もしっかり磨きましょう。

生活習慣の見直し

免疫力が低下すると、歯周病菌の働きが強まって細菌に感染しやすくなります。栄養バランスのよい食事を心がけ、十分な睡眠や適度な運動で免疫力を高めましょう。

ストレスや疲労を溜め込まないことも大切です。リラックスできる音楽を聴く、趣味の時間を設けるなど、ストレスを解消することも心がけてください。

歯科医院での定期的なケア

歯科医院で定期的に歯周病ケアを行うことも重要です。歯茎の炎症状態や歯周ポケットの深さを定期的に確認すれば、歯周病が重症化する前に気づくことができます。

歯科医師や歯科衛生士によるクリーニングを受けることで、歯垢や歯石を徹底的に除去できます。定期的にクリーニングを受けていれば歯垢が蓄積されないため、歯周病予防につながるでしょう。

まとめ

歯ブラシを片手に持っている女性

重度の歯周病は、食べ物を噛めない、歯茎から出血するなど、日常生活にも影響を及ぼします。進行すると、自然と歯が抜け落ちることもあるでしょう。

身体全体の健康にも悪影響を及ぼすため、歯周病は早期治療・予防することが大切です。歯周病は、進行しなければ気づけないケースも多いです。歯科医院のケアを定期的に受けて口内の状態を確認してもらいましょう。日常のケアもしっかりと行い、歯周病を予防してください。

歯周病でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

診療スケジュール

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