こんにちは。大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。
歯科医療は専門性の高い分野であり、患者様にとって分かりにくい情報や誤解が生じやすい情報も少なくありません。診療時間内に患者様お一人おひとりに十分なご説明をすることが難しい場合もあるため、このブログを開設いたしました。
このブログでは患者様からよくいただく質問や、知っておいていただきたい歯科医療の知識を、分かりやすく解説することを目指しています。専門用語はできる限り避け、分かりやすい言葉で情報を提供いたします。皆様の疑問を解消し、安心して治療を受けていただけるよう最新の研究結果やエビデンスに基づいた情報も積極的に発信してまいります。
ぜひ最後までご覧いただければ幸いです。
「フッ素の効果と虫歯予防の関係」について全力回答!
「フッ素ってよく聞くけど、どんな効果があるの?」
「フッ素入り歯磨き粉を使えば、虫歯にならないの?」
「フッ素って、体に悪いって聞いたことがあるけど…」
歯の健康に関心のある方なら、一度は「フッ素」について疑問に思ったことがあるのではないでしょうか?
フッ素は虫歯予防に効果的な成分として知られていますが、その効果や安全性を正しく理解している方は意外と少ないかもしれません。
この記事ではフッ素の効果や虫歯予防との関係、安全性、そして家庭や歯科医院でできるフッ素を使った虫歯予防法について詳しく解説していきます。
フッ素に関する疑問が解消され、毎日の歯磨きや歯科医院でのケアをより効果的に行えるようになるはずです!
この記事を読めば分かること
フッ素ってなに?

フッ素は自然界に広く存在するミネラルの一種です。
私たちの体にも骨や歯などに微量ながら含まれています。
歯磨き粉や洗口液、一部の水道水にフッ素が添加されているのは、フッ素が持つ虫歯予防効果を期待してのことなのです。
フッ素は歯のエナメル質を強化し、虫歯菌の活動を抑制することで虫歯を防ぐ効果があります。
エナメル質は歯の表面を覆っている硬い組織で、虫歯菌から歯を守る、いわば「歯の鎧」のようなものです。
フッ素はエナメル質をより強くし、虫歯菌の攻撃から歯を守ってくれるのです。
また、フッ素には虫歯菌が出す酸の生成を抑える働きもあります。
虫歯菌は糖分を分解して酸を作り出し、この酸によって歯が溶かされることで虫歯ができてしまいます。
フッ素は虫歯菌の働きを弱めることで酸の生成を抑え、虫歯の発生を防いでくれるのです。
このように、フッ素は様々な働きによって私たちの歯の健康を守ってくれています。
フッ素の効果と虫歯予防の関係
「フッ素って、具体的にどんな風に虫歯を予防してくれるの?」
「フッ素入りの歯磨き粉を使っているけど、いまいち効果がわからない…」
そう思っている方もいるかもしれません。
実は、フッ素には虫歯を予防するための様々な効果があります。
ここではフッ素が虫歯予防にどのように貢献しているのか、そのメカニズムについて詳しく解説していきます。
フッ素の虫歯予防効果
フッ素は主に歯の表面のエナメル質に作用し、以下の3つの効果によって虫歯を予防します。
歯のエナメル質を強化し、再石灰化を促進

歯のエナメル質は体の中で最も硬い組織ですが、酸に弱く、虫歯菌が作り出す酸によって溶かされてしまいます(脱灰)。
フッ素は、このエナメル質に含まれるカルシウムやリン酸と結合し「フッ素アパタイト」と呼ばれる強固な結晶構造を作ります。
フッ素アパタイトは酸に溶けにくいため、虫歯菌が作り出す酸から歯を守り、虫歯の発生や進行を抑制する効果があります。
また、初期の虫歯ではエナメル質の表面が白く濁って見えることがありますが、これは歯の表面からカルシウムやリン酸が溶け出している状態(脱灰)です。
フッ素には溶け出したカルシウムやリン酸を再び歯に取り込む働き(再石灰化)を促進する効果があり、初期の虫歯であれば、自然に治癒することが期待できます。
虫歯菌の活動を抑制する
フッ素には虫歯菌の活動を抑制し、酸の生成を抑える効果もあります。 
虫歯菌は糖を分解して酸を産生します。
この酸が歯のエナメル質を溶かす(脱灰)ことで虫歯が進行します。
フッ素は虫歯菌の代謝を阻害することで、酸の生成を抑えて虫歯の進行を抑制します。
つまり、フッ素は虫歯菌の働きを弱めてくれるのです。
これらの効果により、フッ素は虫歯予防に大きく貢献しているのです。
フッ素は安全?
「フッ素って体に悪いんじゃないの?」
「フッ素入り歯磨き粉は、危険って聞いたことがあるけど…」
そう心配される方もいるかもしれません。
確かに、フッ素を過剰に摂取すると、歯のフッ素症や骨硬化症などの健康被害を引き起こす可能性があります。
歯のフッ素症は、歯の形成期に過剰なフッ素を摂取することで歯のエナメル質が白濁したり、斑点状に変色したりする症状です。
また、骨硬化症は長期間にわたって過剰なフッ素を摂取することで骨が硬くなり、痛みや変形を引き起こす病気です。
しかし、歯磨き粉や洗口液などに含まれるフッ素はごく微量であり、適切に使用すれば安全です。
厚生労働省は歯磨き粉に含まれるフッ素の濃度を1500ppm以下と定めています。
これは、通常の使用でフッ素中毒を起こす可能性は極めて低いと考えられる濃度です。
また、フッ素入り歯磨き粉を使用する際は以下の点に注意することで、より安全にフッ素を利用することができます。
年齢に応じた量を使用する

3~5歳
少量(5mm程度)のフッ素入り歯磨き粉を使用します。
この時期は少しずつ歯磨き粉を使えるようになりますが、まだ飲み込んでしまう可能性があります。
そのため少量の歯磨き粉を使用し、歯磨き後はしっかりと口をすすぐようにしましょう。
保護者の方が仕上げ磨きをしてあげると、より効果的です。
6~14歳
1cm程度のフッ素入り歯磨き粉を使用します。
この時期になると歯磨き粉を吐き出すことができるようになり、うがいもしっかりとできるようになります。
そのため1cm程度のフッ素入り歯磨き粉を使用することができます。
ただし、飲み込まないように注意して歯磨き後はしっかりと口をすすぐようにしましょう。
15歳以上
大人と同じように、適量(1.5〜2cm程度)のフッ素入り歯磨き粉を使用します。
ただしフッ素の過剰摂取は体に悪影響を及ぼす可能性がありますので、必要以上に多くの量を使用しないようにしましょう。
歯磨き後は、しっかりと口をすすぐ
口の中にフッ素が残らないように、しっかりと口をすすぎましょう。
うがいをしすぎるとフッ素の効果が薄れてしまうため、15ml程度の水で1回だけすすぐのがおすすめです。
うがい後は、30分ほど飲食を控えることで、フッ素がより効果的に歯に作用します。
飲み込まないようにする
特に小さなお子様は歯磨き粉を飲み込んでしまう可能性がありますので、注意が必要です。
歯磨き後はうがいをさせ、飲み込ませないようにしましょう。
これらのことに注意すれば、フッ素は安全・効果的に使うことができます。
「フッ素って、虫歯予防に良いのはわかったけど、他にどんな効果があるの?」
「フッ素を使う上で、注意すべきことはあるのかな?」
フッ素に関する疑問や不安はまだまだ尽きないかもしれません。
ここからはフッ素についてよくある疑問をQ&A形式でまとめ、詳しく解説していきます!
フッ素のよくある疑問
フッ素のよくある疑問
フッ素について、よくある疑問をQ&A形式でまとめました。
「フッ素って本当に安全なの?」
「フッ素入り歯磨き粉を使っているけど、正しい使い方がわからない…」
「フッ素塗布って、どんなことをするの?」
などなど、フッ素に関する疑問や不安をお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。
Q1. フッ素は虫歯予防に効果があるの?
A1. はい、フッ素には歯のエナメル質を強化し、虫歯菌の活動を抑制することで虫歯予防に効果があります。
多くの研究でフッ素が虫歯予防に効果的であることが証明されています。
例えば1945年にアメリカで行われた研究では、水道水にフッ素を添加した地域では虫歯の発生率が約60%減少したという結果が出ています。
また、フッ素入り歯磨き粉を使用することで虫歯の発生率が約20〜40%減少するという研究結果もあります。
Q2. フッ素は安全なの?
A2. はい、適切に使用すれば安全です。
歯磨き粉や洗口液などに含まれるフッ素はごく微量であり、通常の使用でフッ素中毒を起こす可能性は極めて低いと考えられています。
ただしフッ素を過剰に摂取すると、歯のフッ素症や骨硬化症などの健康被害を引き起こす可能性があります。
フッ素症は歯の形成期に過剰なフッ素を摂取することで、歯のエナメル質が白濁したり斑点状に変色したりする症状です。
骨硬化症は長期間にわたって過剰なフッ素を摂取することで骨が硬くなり、痛みや変形を引き起こす病気です。
これらの症状を防ぐためには、フッ素入り歯磨き粉の量やフッ素入り洗口液の使用回数などを守ることが大切です。
Q3. フッ素を摂取する方法は?
A3. フッ素を摂取する方法は、主に以下の3つです。
Q4. フッ素中毒になる可能性はあるの?
A4. フッ素を過剰に摂取するとフッ素中毒になる可能性があります。
しかし歯磨き粉や洗口液などに含まれるフッ素はごく微量であり、適切に使用すれば安全です。
フッ素中毒を防ぐためには、フッ素入り歯磨き粉の量やフッ素入り洗口液の使用回数を守ることが大切です。
小さなお子様の場合、歯磨き粉を飲み込んでしまう可能性がありますので注意が必要です。
Q5. フッ素は歯を白くするの?
A5. フッ素自体には歯を白くする効果はありません。
しかしフッ素によって歯のエナメル質が強化され、虫歯予防効果が期待できます。
虫歯予防は歯の白さを保つことにも繋がります。
歯を白くしたい場合は、ホワイトニング治療を受けることをおすすめします。
Q6. フッ素は歯周病予防にも効果があるの?
A6. はい、フッ素には歯周病菌の活動を抑制する効果もあるため、歯周病予防にも効果が期待できます。
歯周病菌は歯周病の原因となる細菌です。
フッ素は歯周病菌の増殖を抑え、歯周病を予防する効果があります。
Q7. フッ素塗布はどれくらいの頻度で受ければいいの?
A7. フッ素塗布の頻度は年齢や虫歯のリスクなどによって異なります。
一般的には3ヶ月から6ヶ月に1回程度の頻度でフッ素塗布を受けることをおすすめします。
虫歯リスクが高い方は、より頻繁にフッ素塗布を受ける方が良いでしょう。
Q8. フッ素塗布は子供でも受けられるの?
A8. はい、子供でもフッ素塗布を受けることができます。
むしろ、乳歯や生えたての永久歯は特に虫歯になりやすいため、フッ素塗布の効果が高いです。
お子様の虫歯予防のため、積極的にフッ素塗布を受けましょう。
Q9. フッ素塗布は痛いですか?
A9. いいえ、フッ素塗布は痛みを伴う処置ではありません。
歯の表面にフッ素を塗るだけなので、お子様でも安心して受けることができます。
Q10. フッ素塗布は保険適用ですか?
A10. フッ素塗布は保険適用外となる場合があります。
費用や保険適用範囲についての詳細は当院までご相談ください。
Q11. フッ素は歯磨き粉以外にどんなものから摂取できますか?
A11. フッ素は歯磨き粉以外にも、以下のようなものから摂取できます。
Q12. フッ素入り歯磨き粉は、どんな種類がありますか?
A12. フッ素入り歯磨き粉は様々な種類があります。
ご自身の好みに合わせてフッ素入り歯磨き粉を選びましょう。
これらの疑問を解消してフッ素を毎日の生活に取り入れていきましょう。
家庭でできるフッ素を使った虫歯予防

毎日の生活の中で、手軽にできるフッ素を使った虫歯予防をご紹介します。
「フッ素って歯医者さんで塗ってもらうものじゃないの?」
「家庭でもフッ素を使った虫歯予防ができるの?」
そう思っている方もいるかもしれませんが、毎日の歯磨きやちょっとした工夫で家庭でも手軽にフッ素を取り入れることができるんです。
ここでは、家庭でできるフッ素を使った虫歯予防法を4つご紹介します。
1. フッ素入り歯磨き粉を使用する
毎日の歯磨きでフッ素入り歯磨き粉を使用することで、手軽にフッ素を摂取することができます。
フッ素入り歯磨き粉はスーパーやドラッグストアなどで購入することができます。
フッ素の濃度や香味なども様々な種類がありますので、お好みに合わせて選びましょう。
2. フッ素入り水道水を飲む
一部の地域では水道水にフッ素が添加されています。
フッ素入り水道水を飲むことで、虫歯予防効果が期待できます。
ただしフッ素の過剰摂取を防ぐため、1日に飲む量には注意が必要です。
水道水にフッ素が添加されている地域にお住まいの方は、市町村のホームページなどで情報を確認するようにしましょう。
3. フッ素入り洗口液を使用する
フッ素入り洗口液は、歯磨き後に使用することで口の中全体にフッ素を行き渡らせることができます。
フッ素入り洗口液は歯磨き粉よりもフッ素濃度が低いものが多いため、毎日使用してもフッ素中毒の心配はありません。
うがいができない小さなお子様には、フッ素スプレーを使用するのも良いでしょう。
4. フッ素入り歯磨き粉を歯に塗布する
歯磨き後、少量のフッ素入り歯磨き粉を歯ブラシにつけ、歯の表面に塗布する方法です。
この方法では、歯磨き粉に含まれるフッ素を効果的に歯に作用させることができます。
これらの方法を組み合わせることで、さらに効果的にフッ素を取り入れることができます。
ご家庭でのケアに加えて歯科医院で専門的なケアを受けることで、さらなる虫歯予防効果が期待できます。
次では、歯科医院でできるフッ素を使った虫歯予防について解説します。
歯科医院でできるフッ素を使った虫歯予防

歯科医院では、高濃度のフッ素を使った処置や特別な機器を使った処置など、家庭ではできない専門的なフッ素塗布を受けることができます。
ここでは歯科医院でできる、3つのフッ素を使った虫歯予防法をご紹介します。
フッ素塗布
歯科医院で行うフッ素塗布は、歯磨き粉などに含まれるフッ素よりも高濃度のフッ素を使用します。
そのため、より高い虫歯予防効果が期待できます。
フッ素塗布は歯の表面をきれいにした後、フッ素ジェルやフッ素溶液を歯に塗布します。
処置時間は数分程度です。 痛みもなく、お子様でも安心して受けることができます。
フッ素洗口
フッ素洗口はフッ素が配合された洗口液を口に含み、うがいをする方法です。
歯磨き後に行うことで、口の中全体にフッ素を行き渡らせることができます。
フッ素洗口は家庭でも行うことができますが、歯科医院では高濃度のフッ素洗口液を使用することができます。
フッ素イオン導入
フッ素イオン導入は、微弱な電流を使ってフッ素を歯の内部まで浸透させる方法です。
フッ素塗布よりも高い虫歯予防効果が期待できます。
フッ素イオン導入は歯の表面にフッ素を塗布した後、専用の器具を使って電流を流します。
処置時間は10分程度です。 痛みもなく安心して受けることができます。
これらの処置はいずれも虫歯予防に効果的ですが、それぞれ特徴や効果が異なります。
どの処置が適しているかは年齢や虫歯のリスク、ライフスタイルなどによって異なります。
歯科医師に相談して適切な処置を受けるようにしましょう。
まとめ:フッ素を正しく理解して、虫歯予防!
この記事ではフッ素の効果や安全性、そして家庭や歯科医院でできるフッ素を使った虫歯予防法について解説しました。
「フッ素って虫歯予防に良いのはわかったけど、実際どんな風に作用しているの?」
「フッ素入り歯磨き粉は、毎日使っても大丈夫なのかな?」
「歯科医院でフッ素塗布を受けるメリットってなんだろう?」
このような疑問をお持ちだった方も、この記事を通してフッ素への理解を深めていただけたのではないでしょうか?
フッ素は虫歯予防に効果的な成分ですが、過剰摂取には注意が必要です。
歯磨き粉や洗口液などに含まれるフッ素は適切に使用すれば安全です。
ご家庭でのケアはもちろん、歯科医院で専門的なケアを受けることで効果的に虫歯を予防することができます。
もりかわ歯科医院では、フッ素塗布をはじめ、様々な虫歯予防のケアを提供していますので、虫歯予防について気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
フッ素を正しく活用して、健康な歯を保ちましょう!
大阪府八尾市の歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」
当院では日々の診療で患者様との対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を心がけています。
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