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乳歯の虫歯は放置してはいけない!永久歯に及ぼす影響とは?

2023年12月22日
虫歯の治療を受ける子供

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

乳歯は柔らかいこともあり、虫歯になりやすいといわれています。虫歯になった乳歯をそのまま放置すると、どのような影響があるのかご存じでしょうか。乳歯はいつか抜けるから問題ないと思う方がいるかもしれませんが、乳歯の虫歯は永久歯にも多大な影響を及ぼします。

今回は、乳歯の虫歯が永久歯に及ぼす影響について詳しく解説します。乳歯が虫歯になったときの対処法や、乳歯の虫歯の予防法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

乳歯の虫歯が永久歯に及ぼす4つの影響

4つのイメージ

乳歯の虫歯は、永久歯にも影響を及ぼします。

乳歯の虫歯が永久歯に及ぼす影響を確認しましょう。

歯並びが乱れる

乳歯が虫歯になって症状が進行した場合、抜歯しなければならないことがあります。

通常の生え変わりでは、乳歯の下で永久歯が成長することで、乳歯の根を溶かす細胞が作られます。乳歯の根の吸収が進んでグラグラと揺れ始め、自然と抜けて永久歯が生えてくるのです。

乳歯が抜けてあいたスペースにすぐに永久歯が生えてくるので、大きく歯並びが乱れることは少ないでしょう。

しかし、虫歯が原因で乳歯を抜いた場合は、すぐに永久歯が生えてきません。隣接する歯が倒れるなど、永久歯が生えるためのスペースが狭くなることがあります。

ほかの歯を避けるように永久歯が生えることで、歯並びが乱れる可能性があるのです。

いびつな形の永久歯が生える

乳歯の虫歯が神経にまで達すると、乳歯の根の先に膿が溜まることがあります。永久歯は乳歯の下で成長するので、永久歯にも影響を及ぼす場合があるのです。

例えば、永久歯が変色する場合や、いびつな形になる場合があるでしょう。

ほかの歯の虫歯リスクも高まる

虫歯の治療をしても、虫歯菌は口腔内に残るといわれています。そのため、次に生えてくる永久歯も虫歯になるリスクがあるでしょう。

永久歯だけでなく、隣接する乳歯にも虫歯菌が波及して虫歯になるリスクがあるのです。

適切な顎の使い方が身につかない

乳歯が虫歯になり、本来抜けるべきタイミングよりも早く乳歯を失うと、次の歯が生えてくるまでに時間がかかるケースがあります。永久歯が生えてくるまで、半年以上必要な場合もあるでしょう。

歯がない状態で半年以上食事をしていると、食事や会話の際に本来とは異なる顎の使い方をします。正しい食べ方や話し方が身につかない可能性が高いです。

乳歯の虫歯の特徴を知ろう!

乳歯

乳歯の虫歯には、永久歯とは異なるさまざまな特徴があります。

乳歯の虫歯を早期に発見できるように、乳歯の虫歯の特徴を確認しましょう。

虫歯になりやすい部位

上の前歯の外側や、奥歯の噛み合わせる部分、歯と歯の間の3か所が、特に虫歯になりやすいです。大人の虫歯は、歯の根元や以前治療した詰め物との間にできやすいため、大人と同じ感覚でこどもの歯の仕上げ磨きをしていると虫歯を防げないでしょう。

痛みの有無

大人の歯は、歯の痛みがきっかけで虫歯に気づくことが多いかもしれません。

しかし、乳歯の虫歯は重症化しなければ痛みを感じないといわれています。歯の痛みは、歯の神経圧が高まることで引き起こされます。

乳歯は柔らかいため、歯の神経圧が高まりづらく、痛みをなかなか感じられないのです。そのため、歯がボロボロになってから虫歯に気づくケースが少なくありません。

見た目

虫歯と聞くと、歯が黒くなるというイメージを持たれるかもしれません。

しかし、初期の乳歯の虫歯では、歯の一部が白く濁る、帯状に白く濁るなど、歯のツヤが失われた状態となります。しっかりと観察しなければ発見できないため、仕上げ磨きの際に確認していても見逃されることが非常に多いです。

歯の表面に穴があくこともありますが、重症化しているサインといえます。

進行速度

乳歯は柔らかく耐酸性が低いため、永久歯よりも虫歯の進行が早いといわれています。大人であれば数か月以上かけて徐々に進行していく場合でも、乳歯の虫歯は数か月で神経まで達することも珍しくありません。

進行が早く痛みが出ないので、早期に発見することが非常に難しいのです。

乳歯が虫歯になったときの対処法

虫歯の検査

乳歯が虫歯になっている場合は、早期に対処すべきです。

歯科医院を受診する

まずは、歯科医院を受診しましょう。痛みがないうえに見た目も大きく変わらないので、乳歯の虫歯に気づくことは難しいですが、気づいた場合は早急に歯科医院を受診してください。

早い段階で治療できれば、少し削るだけで治療を終えられるでしょう。適切に虫歯を取り除いて乳歯を温存できれば、上述した4つの影響を回避できます。

歯科医院を受診したときの治療方法は、進行度によって異なります。それぞれ確認しましょう。

軽度の虫歯

虫歯が軽度な場合は、虫歯部分を削ってレジンとよばれるプラスチックの詰め物を詰めます。治療は1回で終わるので、何度も通院する必要はありません。

中程度の虫歯

虫歯がエナメル質を溶かして象牙質まで進行しているものの、神経には達していない場合は、軽度の虫歯と同様に治療します。虫歯部分を削ってレジンを詰めます。

削ったあとの歯型を取って、銀歯などの詰め物を入れることもあるでしょう。

重症の虫歯

虫歯が神経にまで達している場合は、抜歯を選択することが多いです。虫歯が神経にまで達すると、歯を温存することは難しいのです。

こどもの場合は神経の再生能力が高いため、神経の一部と歯を残す生活歯髄切断法という治療を行うこともあります。抜歯をして放置すると、将来の歯並びに影響を及ぼす可能性があるため、永久歯の成長をサポートする目的で入れ歯を使用することもあるでしょう。

乳歯の虫歯を予防する方法

歯磨き指導

乳歯の虫歯を予防することは、永久歯のためにも非常に重要です。

乳歯の虫歯を予防する方法について解説します。

丁寧に歯のブラッシングを行う

虫歯予防のために最も重要なのが、歯のブラッシングです。こどもの場合、虫歯になりかけている初期段階であればブラッシングで改善できることもあるので、ブラッシングは非常に大切です。

しかし、すべての歯を1人で磨けるようになるのは6歳(就学後)頃といわれています。1人で磨けるようになるまでは、保護者による仕上げ磨きが必要です。

こどもが1人でも歯を磨けるように指導しながら、保護者はこどもの虫歯になりやすい部分を中心に全体的に仕上げ磨きをしてあげましょう。

特に、睡眠中は虫歯菌が活発になります。睡眠前には、デンタルフロスやデンタルリンスを活用して口の中を清潔に保ちましょう。

虫歯予防には、フッ素が配合された歯磨き粉を使うのも効果的です。

定期的に歯科検診を受ける

こどもの虫歯は、保護者では気づけないことが多いため、歯科医院で虫歯の有無をチェックしてもらってください。虫歯の早期発見・早期治療にもつながるでしょう。

ご家庭でどれだけしっかりと歯磨きをしていても、磨き残しは生じます。磨き残しによってできた歯垢には、1mgあたり2~3億個もの虫歯菌が潜んでいるとされています。歯科専用の機械を使って、口腔内をきれいにしてもらいましょう。

歯科医院では、虫歯を予防するフッ素の塗布や、シーラントという処置を行ってもらえます。シーラントは、プラスチック樹脂で虫歯になりやすい歯の溝を埋める処置のことです。

歯科医院では見慣れない器具が多いため、怖いことをされるのではないかと不安になるこどもが多いです。痛い処置がない定期検診を受けて歯科医院に慣れていれば、虫歯治療が必要なときもスムーズに進められるでしょう。

おやつの時間を決める

「甘いものを多く食べると虫歯になる」と思う方がいるかもしれません。

しかし、甘いものを食べる量ではなく、砂糖が口の中にどれくらいの時間停滞しているかが、虫歯の発生に関わります。飴やチョコなどをだらだらと食べていると、虫歯になるリスクが高まるのです。

おやつの時間を決め、だらだら食べさせないようにしましょう。また、食後は歯を磨き、口の中の砂糖をしっかりと洗い流してください。

ソフトキャンディーやキャラメル、チョコレートなどの歯にくっつきやすいものは、虫歯予防の観点からは控えたほうがよいでしょう。

まとめ

虫歯予防に歯磨きする子供

乳歯の虫歯を放置すると、永久歯の歯並びに悪影響を与える可能性や虫歯のリスクが高まる可能性があります。さまざまな影響を及ぼすため、早期に治療したほうがよいでしょう。

乳歯は虫歯になっても痛みを感じにくく、見た目でもわかりにくいです。そのため、予防することが非常に重要です。歯科医院を定期的に受診して、歯の状態をチェックしてもらいましょう。

ご自宅でのブラッシングや、おやつの食べ方を見直すことも虫歯予防につながります。親子で乳歯の虫歯に気をつけ、永久歯を守りましょう。

乳歯の虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

フッ素って虫歯予防にいいの?

2023年12月20日
フッ素って虫歯予防にいいの?

こんにちは!大阪府八尾市で60年!地域に根ざした歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康に関して気なることや、歯にまつわる体のお悩みなどは人それぞれ、千差万別です。歯科医師やスタッフが歯科知識として理解していることでも、患者さまにとっては疑問や不安になってしまうのだと、気づかされてはっとすることも度々あります。できるだけ多くの質問に詳しくお答えできればいいのですが、診療中に個々の患者さまに詳しくご説明する時間が限られていることが多いのが実状です。

そこで、「歯に関するご質問に全力回答!」ブログをスタート! 普段の診療中にご質問いただく内容について、この場で詳しく解説していくことを目的として掲げ、出発したブログです。このブログが、歯医者に対して患者さまが日頃抱えている疑問や不安の解消への近道になれば、と願ってやみません。

どんな些細な疑問や質問でも、お気軽にお寄せください! 患者さまの健康としあわせを支えることが私たちの役目です。どうぞよろしくお願いいたします。

フッ素って虫歯予防にいいの?

今回はフッ素のお話です。皆さまも「フッ素」というと、普段使われている歯磨き剤のパッケージに書かれていたり、CMなどで耳にしたりしたことがあると思います。最近では国内各地の河川や水道水などから高濃度の有機フッ素化合物が検出されたとか、WHOが発がん性の評価を引き上げたとか、ニュースでもお聞き及びかもしれません。そこで今回は、「フッ素配合?」「歯磨き剤に入ってるフッ素と有機フッ素化合物は違うものなの?」など、そんな疑問や不安にもお答えしていきたいと思います!

そもそもフッ素って何?

フッ素は周期表の17番目の元素で、化学記号はFです。無色・無臭の気体であり、高い電気陰性度を持っています。主に歯科の領域で、「歯のエナメル質を強化し虫歯の予防に役立つ」として知られています。歯磨き剤やマウスウォッシュにも配合されています。また、工業や医薬の分野でもさまざまな製造に関与するなど、総じて、フッ素は歯の保健や産業プロセスにおいて重要な役割を果たしています。

そもそもフッ素って何?

また、歯科の領域で使用されているフッ素は、主にフッ化ナトリウムなどで、「無機フッ素化合物」と呼ばれるもので、問題の「有機フッ素化合物」とはまったく別のものです。

フッ素はなぜ虫歯予防になるのですか?

フッ素が虫歯予防に効果がある主な理由は、以下の通りです。

エナメル質の強化

フッ素は歯のエナメル質を強化する作用があります。エナメル質は歯の表面を覆っている硬い層で、酸や細菌などから歯を守る役割を果たしています。フッ素がエナメル質に取り込まれることで、より強固な表面を維持できます。

歯の構造

歯の再石灰化

歯を構成するミネラル質を再び歯の表面に取り込むプロセスのことを再石灰化といい、これによって歯の硬さと強度が増します。

細菌の成長抑制

フッ素は歯の表面に付着した細菌の成長を抑制する効果があります。虫歯の主な原因は、口内の虫歯菌によって作られる酸によるものです。フッ素はこの虫歯菌の活動を抑え、虫歯の発生リスクを減らします。

歯石の形成阻止

フッ素は歯石の形成を阻止する効果もあります。歯石は歯の表面に細菌やプラークが堆積して硬くなったもので、歯ブラシなどで十分に取り除くことが難しくなります。フッ素はこの歯石の形成を妨げ、口の中の清潔を維持します。

このように、フッ素は虫歯の予防に効果的で、歯の健康を維持するのに役立つのです。

フッ素は虫歯になった歯にも効果があるの?

はい、初期の虫歯に効果があります。フッ素は初期虫歯の修復、つまり「再石灰化」と呼ばれる現象を効果的に促進します。初期虫歯は歯の表面が酸により傷ついている状態(脱灰)です。これが進行すると、表面が崩れて穴の開いたむし歯になる可能性があるのですが、フッ素によって再石灰化が活性化することにより、傷ついた歯の表面が修復され、虫歯の進行を防ぐこともできます。

フッ素のはたらき

フッ素で虫歯は治せますか?

前述の通り、フッ素は初期の虫歯を修復し、進行を抑制する効果があります。ですが、進行が進んでしまった虫歯に対しては、フッ素だけでは効果が限定的であり、歯科医の治療が必要となります。歯科医は、虫歯の進行具合に応じて適切な治療法を提案し、虫歯を治療するプロセスを進めます。フッ素の使用はあくまでも予防的な側面で重要で、歯の健康維持を助けるものです。

フッ素は歯のエナメル質を再生しますか?

フッ素は歯のエナメル質を再生するわけではなく、再石灰化と呼ばれるプロセスを促進し、エナメル質の表面を強化する役割を果たします。再石灰化は、歯の表面に微小な損傷が生じたとき、ミネラル成分を歯に戻すプロセスのことですが、つまりフッ素による再石灰化とは、フッ素イオンが歯のエナメル質の結晶構造に結合することなのです。こうして、歯のエナメル質が強固になるというわけです。

フッ素を使う時に気をつけなければいけないことはありますか?

このようにフッ素は歯科などで効果的に利用されていますが、注意が必要な点ももちろんあります。以下はフッ素の注意点です。

適切な濃度の使用

フッ素を過剰に摂取すると健康に悪影響を与える可能性があります。歯磨き剤やマウスウォッシュなどの製品に含まれるフッ素濃度は指定された使用量を守りましょう。

小児への摂取管理

特に小児は成長段階にあり、過剰なフッ素摂取は歯や骨の発育に悪影響を及ぼすことがあります。小児用の歯磨き剤などは、年齢に応じた適切な濃度を選ぶことが重要で、2023年1月に歯磨き剤のフッ素濃度の推奨基準が変更されたりもしました。

斑状歯

高濃度(適量の2〜3倍ほど)のフッ素を、成長期(あごの骨の中で歯がつくられる時期)に継続的に摂取することによって、エナメル質の色や形態に異常が起きることです。歯の表面に白斑や白濁、または縞模様が出たり、重症の場合は歯の一部が茶色くなったり穴が開いたりすることもあります。

適切な歯科ケア

フッ素の使用は歯科ケアの手段として適していますが、歯の清掃や歯医者の定期検診も重要です。フッ素だけでなく、総合的な口腔ケアが歯の健康に寄与します。

アレルギー反応

一部の人々はフッ素に対してアレルギー反応を示すことがあります。歯磨き剤やマウスウォッシュなどを使用する際に、異常な反応があれば医師に相談しましょう。

とはいうものの、フッ素の利用は総じて歯の健康維持に役立つもので、使用量や濃度などに十分注意して適量を使用するなら、いたずらに怖がる必要はありません。心配な場合は歯科医に相談して、適切な用量・用法を確認してくださいね。

 

フッ素は塗ったほうがいいのでしょうか?

フッ素の塗布は歯の表面にあるハイドロキシアパタイトと呼ばれるエナメル質の主成分に影響を与え、その結晶構造を強化・修復します。このプロセスにより、酸に対して強固で丈夫な歯になります。特に、乳歯や新しく生えた永久歯はフッ素を効果的に取り込みやすいので、小児期に定期的にフッ素を塗布することはたいへん有効です。これによって歯の健康を維持し、虫歯の発生を予防する効果が期待されます。

 

フッ素は何歳ぐらいまでに塗ると効果的なんですか?

フッ素の塗布が小児期に効果的なのは確かですが、具体的な適正年齢については、個々の子どもの歯の状態や成長によって異なります。一般的なガイドラインとしては、乳歯が生え始めた頃から永久歯が発育し終わるまでが、フッ素の塗布にとりわけ有益な時期とされています。

おおよそ6歳から16歳の間

歯科医師は子供が6歳から16歳の間にフッ素の塗布を勧めることがありますが、この期間がまさに永久歯の発育が進む時期で、フッ素によって歯のエナメル質が強化され、虫歯の予防に高い効果が見込めるからです。

具体的なスケジュールは歯科医や子どもの歯の状態により異なるため、子供の歯科健康に関する相談はぜひ歯科医になさってください。歯科医は子どもの歯の状態を評価し、最適な時期と頻度でフッ素の塗布を勧めることができます。

小児期のフッ素塗布

フッ素塗布は大人にも効果がありますか?

大人の歯においてもフッ素塗布が効果的な理由はいくつかあります

歯の再石灰化

歯が酸によって傷つく(脱灰)のは大人でも同じです。フッ素は歯のエナメル質に働きかけ、再石灰化を促進します。これにより、歯の表面の小さな損傷や脱灰を修復し、歯を強化します。

歯の耐久性向上

大人ならではの生活習慣や飲食習慣により、歯が酸や細菌の影響を受けることがあります。フッ素は歯の結晶構造を強化し、酸に対する耐性を向上させる効果があります。

歯周病の予防

フッ素は歯周病の予防にも寄与します。歯周病は歯の周囲の組織に影響を与えるため、歯を健康に保つためにもフッ素の利用が有益です。

歯石の防止

フッ素は歯石の形成を防ぎ、歯の表面を清潔な状態に保つことも期待されます。

大人の歯においても、歯科医の指導のもとでフッ素の塗布が行われることで、歯の健康維持が期待できます。歯の状態に合わせた適切なケアを、ぜひ歯科医にご相談ください。

どのぐらいの頻度で塗るのがいいんでしょうか

塗布したフッ素の効果はおおよそ3〜4カ月持続すると言われています。

フッ素塗布の頻度は、患者さまの歯の健康状態や抱えているリスクによって異なります。歯科医師が患者さまの状態を評価し、最適なスケジュールを提案しますが、一般的なガイドラインに基づいて以下のような頻度が考えられます。

子供(乳幼児から青年期)

通常は歯の発育が進む期間において、6ヶ月から1年に1回の頻度でフッ素塗布が行われます。

成人

 成人の場合は、通常は1年に1回のフッ素塗布が一般的です。

リスクが高い場合

虫歯のリスクが高い場合や特定の歯の状態に問題がある場合は、個別のケースとして、歯科医から最適なスケジュールを提案させていただきます。フッ素塗布も含めた予防歯科については、もりかわ歯科ホームページの診療メニュー「予防歯科」もぜひご覧ください。

フッ素を塗りすぎると歯が白くなるって本当ですか?

一般的に、適切に適量を使用していれば、歯が白くなりすぎたり、まだらになることは少ないです。また歯の表面に変色が生じる可能性があるのは、フッ素を過剰に使用した場合です。これは「フッローシス」と呼ばれ、以下のような症状が現れることがあります。

白斑症(White Spots)

 歯の表面に白い斑点が現れることがあります。これは歯のミネラル損失によって引き起こされます。

まだらな変色

過剰なフッ素使用により、歯の表面がまだらに変色することがあります。これはフッ素が歯の結晶構造に影響を与えた結果です。

これらの症状は通常、フッ素の過剰な摂取や長期間にわたる過度のフッ素使用が原因で引き起こされます。一般的な歯磨き粉やマウスウォッシュを通常の使用量で利用する限り、こういった症状を心配する必要はありません。フッ素製品の使用量や濃度に関しては、商品の取り扱い説明書や歯科医との相談が重要です。

歯磨き剤はフッ素入りがいいですか?

歯科用フッ化物配合歯磨剤(しまざい/歯磨き剤のこと)は、毎日の歯みがきでフッ化物を効果的に供給できるため、虫歯予防に重要な役割を果たします。世界保健機関(WHO)は、フッ化物配合歯磨剤の使用を、すべての人に推奨しています。

フッ化物配合歯磨き剤(子ども用)

多くの国々では、フッ化物配合歯磨剤が市場シェアの90%以上を占め、圧倒的な数の人々に活用されています。先進国では、この過去30年で虫歯の大幅な減少が見られており、その要因として「フッ化物配合歯磨剤が普及したこと」が挙げられています。

日本では、フッ化物配合歯磨剤は医薬部外品として規定されており、フッ化物の配合成分としてはフッ化ナトリウム(NaF)、フッ化スズ(SnF2)、モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)の3種類が認可されています。これらの成分は、濃度が1,000ppm(0.1%)以下に規制されています。

フッ素うがいもいいって聞いたけど?

正しくはフッ化物洗口(ふっかぶつせんこう)といいます。

学校などでの集団実施

フッ化物洗口は保育園、幼稚園、小中学校で集団で実施されてもいます。一定濃度のフッ化ナトリウム溶液(5~10ml)を使用し、1分間のブクブクうがいをする方法で行われていますが、永久歯の虫歯予防に効果的です。この方法は、第一大臼歯が生え始める就学前から始め、だいたい中学生まで継続します。

小児期のフッ化物洗口によるう蝕(虫歯)予防率

家庭での実施

歯科医院で購入できる洗口剤(同250ppm)や薬局で購入できるOTCフッ化物洗口剤(同225ppm)を用いて毎日1回行います。

フッ化物洗口は大人にもいいの?

はい、成人においても隣接面むし歯や根面むし歯の予防に効果的です。寝ている間は唾液の分泌量が減り、フッ素が長時間口内に留まることができるので、フッ化物洗口は就寝前がおすすめです。

就寝前のフッ化物洗口

フッ素洗口液って危なくないの?

適切な量の使用であれば危なくありません。フッ化物洗口に利用されるフッ化物の濃度は、体に影響が出ない程度に調整されています。また、万が一洗口液を飲み込んでしまっても、急性中毒の心配はありませんし、正しい容量・用法での継続使用ならば、副作用の心配もありません。

フッ素を塗った後やフッ素うがいの後、食事はしてもいいですか?

30分は飲食をひかえてください。これは、口の中にフッ素が残りやすい状態を維持することが目的です。そうすることで、フッ素が歯の表面に、より効果的に吸収され、再石灰化や虫歯の予防効果を最大限に引き出すことが期待されます。せっかくのフッ素を飲んだり食べたりすることで流してしまわないようにすることが大切なのです。

アメリカ人は虫歯にならないのはなぜ?

アメリカなど多くの国々では水道水にフッ素が添加されていて、これが虫歯予防につながっているとされています。この取り組みは公共衛生の一環として行われ、水道水中のフッ素が歯の健康に役立つことが確認されています。水道水中のフッ素濃度が適切であることにより、歯科保健の向上と虫歯の発生率の低下が期待されています。

フッ素はドイツで禁止されているのですか?

ドイツでは一般的には水道水にフッ素を添加してはいませんが、フッ素の使用に関する法的な禁止はありません。ドイツに限らず、各国の水道水へのフッ素の添加に関する方針は異なるため、国ごとに異なる取り決めや基準が存在しています。ちなみに日本では全国的に水道水にフッ素を添加する計画は今のところ存在していません。

フッ素の摂取で骨粗鬆症になるかもって聞きました

フッ素と骨粗鬆症については、適切な摂取量であれば一般的には関連性が低いとされています。むしろ、適切な量のフッ素摂取は骨にとってもプラスに働きます。骨粗鬆症のリスクにつながるとすれば、やはり過剰で不適切に摂取した場合です。

適切なフッ素摂取と骨の健康

フッ素はフッ素は、骨の形成に必要なカルシウムとリンの吸収を促進し、適切な量なら骨を強化する効果があります。歯科保健の一環として、水道水や歯磨き剤にフッ素を添加することで、歯や骨の健康を促進しています。

過剰なフッ素摂取と骨粗鬆症などのリスク

フッ素を過剰に摂取すると、骨の形成が促進されすぎ、骨が硬くなりすぎてもろくなる可能性があります。また、フッ素は骨の破骨細胞の働きを抑制します。破骨細胞は、骨の再構築を行う細胞です。フッ素を過剰に摂取すると、破骨細胞の働きが抑制され、骨の再構築が妨げられる可能性があります。

過剰にフッ素を摂取してしまう原因

フッ素の過剰摂取が生じる主な原因としては、地下水や井戸水など自然な水源からの高濃度のフッ素が摂取されることが考えられます。一般的に、通常の飲料水や歯科製品からのフッ素摂取では、このようなリスクはほとんどありません。

フッ素は癌になりますか?

一般的な水道水や歯磨き剤、歯科製品からのフッ素の摂取が適切な量である限り、がんのリスクが増加するという科学的なエビデンス(根拠やデータ)はありません。とはいえ、フッ素の過剰な摂取は健康に悪影響を与える可能性があります。

一部の地域では自然水源から高濃度のフッ素が含まれている場合があり、これが慢性フッ素中毒を引き起こすことが報告されています。しかし、通常の水道水や歯科用製品からのフッ素摂取では、健康に対する重篤な影響はほとんど見られません。

まとめ

いかがでしたか? おおまかに言って重要なのは、「フッ素は歯科の健康に効果がある」「適切に使用していればフッ素は危険ではない」の2点です。これだけ抑えておいていただければOKですので、患者さま個々の健康状態などに応じて「どう使用すれば効果的」で、「適量はどのぐらいなのか」などは、ぜひ大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科までご相談ください。もりかわ歯科では、予防歯科にも力を入れております。転ばぬ先の杖となり得るフッ素を上手に使って、お口の中の健康を守りましょう。

歯にまつわることならどんなことでもご質問にお答えしたいという熱い思いで書いているこのブログが、患者さまの不安を拭えたならばこんなに嬉しいことはありません。

親知らずが虫歯に!放置してはいけない理由と抜歯の必要性!

2023年12月15日
親知らずが虫歯

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「親知らずが虫歯になっているけど、放置していいかな」「親知らずの虫歯は抜歯するって本当?」など、親知らずの虫歯に関する疑問をお持ちの方もいるでしょう。

今回は、親知らずが虫歯になりやすい理由や、親知らずの虫歯を予防する方法について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

親知らずが虫歯になりやすい理由

親知らずが虫歯

親知らずが虫歯になりやすい最も大きな理由は、ブラッシングが難しいことでしょう。親知らずは最後に生える永久歯で、歯列の最も奥に生えてきます。口腔内は狭いため、奥に生える親知らずは磨きにくいのです。

また、最後に生えるため、まっすぐに生えるだけのスペースがない場合も多いです。斜めや横向きに生えてくる方が非常に多く、汚れが残りやすいといえます。

歯茎から一部分のみ露出している場合もあり、食べかすなどが残りやすいことも原因でしょう。

汚れや食べかすが溜まりやすくブラッシングが難しいことから、親知らずは虫歯になりやすいのです。

親知らずの虫歯を放置してはいけない理由

親知らずの虫歯を放置してはいけない

親知らずの虫歯を放置してはいけない理由は、主に5つです。それぞれ詳しく解説します。

腫れて痛むことがある

親知らずに限らず、虫歯を放置すると腫れて痛みが出ることが多いです。表面のエナメル質に限定されている虫歯は、痛むことはありません。

虫歯が象牙質や神経まで進行すると、痛みが出るでしょう。虫歯を放置しても、改善することはありません。

痛みや腫れが強くなり、眠れないほどになる方もいます。親知らずに限らず、虫歯は放置せずに早急に治療せねばなりません。

口臭が発生する

親知らずの虫歯を放置すると、口臭が発生することがあります。

親知らずが虫歯になっているということは、口内環境が整っていないということです。歯周病などの口臭の原因になる病気も発症している可能性が高いため、口臭が発生・悪化することがあるでしょう。

放置すると歯を失う可能性もあるので、早急に歯科医院を受診しましょう。

ほかの歯に悪影響を与える

虫歯を放置すると、虫歯菌が歯の神経にまで到達し神経が壊死します。神経が機能しなくなると、歯の色が変わってもろくなります。

神経に到達するほど虫歯を放置した場合、歯の根の先に細菌や膿が溜まることがあるでしょう。歯の根の炎症が進行すると、やがて顎の骨にも影響を及ぼします。

顎の骨に炎症が広がると、顎の骨が溶かされて歯がグラグラし始めることがあります。歯を支えられなくなり、自然と抜け落ちることもあるでしょう。

虫歯になった親知らずだけが抜ければよいかもしれませんが、顎の骨の炎症も治療しなければ進行します。健康な周囲の歯にも悪影響を与える可能性があるので、虫歯は放置せずに治療しましょう。

身体に悪影響を与える

親知らずの虫歯を放置すると、身体にも影響を与えます。例えば、虫歯菌が血液の中に入ると、心筋梗塞や脳梗塞の原因になり得るのです。

また、親知らずは鼻の近くにあるので、虫歯菌の影響で副鼻腔炎になることもあります。虫歯は、全身のさまざまな問題を引き起こす可能性があるのです。

親知らずが虫歯になったら抜歯をしなければならない?

親知らず抜歯のイメージ

親知らずが虫歯になったら、抜歯を選択することが多いでしょう。虫歯を治療してもブラッシングしにくいことは変わらないため、再び虫歯になる可能性が高いからです。

本来、親知らずはなくても問題のない歯です。もともと親知らずが1本もない方もいます。

また、親知らずは斜めや横向きに生えてくる方が多く、そもそも正常に機能していない場合が非常に多いです。そのため、抜いても特に問題はありません。

斜めに生えている親知らずを放置すると、隣の歯を押して歯並びに悪影響を与えることもあるでしょう。親知らずがよい影響を与えることは少ないので、虫歯になったのであれば抜歯するべきといえます。

親知らずを抜歯しないケース

親知らずが虫歯になっても、抜歯しないケースがあります。提供歯(ドナー歯)として利用できる場合は、抜歯せずに残すことがあるでしょう。

提供歯とは、移植に使う歯のことです。何らかの理由で奥歯を失った場合に、親知らずを移植して失った奥歯を補います。

患者さまご自身の歯を使うので拒絶反応が起きないことがメリットでしょう。入れ歯やブリッジよりも噛み心地がよく、自然に使えます。

親知らずがまっすぐに生えており、清潔に保つことが可能だと判断された場合は、提供歯として利用するために残すことがあるでしょう。

親知らずを抜歯しない治療法はある?

親知らずの治療に疑問があるイメージ

基本的には親知らずが虫歯になった場合、抜歯を選択します。

しかし、親知らずを残したいと思う方もいるでしょう。抜歯しない治療法や症例をご紹介します。

初期虫歯で治療が容易である

初期虫歯とは、まだ歯に穴があいていない虫歯です。溶け出したエナメル質の成分を再び取り込む現象を再石灰化とよびますが、再石灰化で修復が可能な虫歯の場合、特別な治療は必要ありません。

歯科医院でブラッシング指導を受け、親知らず周辺の正しい磨き方を習得しましょう。日常の口腔ケアの質を向上し、歯科医院でフッ素塗布などの処置を行えば、改善される可能性があります。

親知らずを露出させる

親知らずは歯茎に一部が埋まっていることも多く、部分的に露出している場合は非常にブラッシングが難しいです。歯茎の一部を除去して親知らずを露出させれば、ブラッシングしやすくなるでしょう。

虫歯のリスクを下げられる場合は、抜歯しなくてもよいかもしれません。

親知らずの虫歯を予防する方法

歯磨きをする女性

親知らずの虫歯を予防する方法は、以下のとおりです。

歯磨きを徹底する

親知らずに限らず、虫歯を予防するためには歯磨きが非常に重要といえます。親知らず周辺は磨きにくいですが、丁寧に磨きましょう。

一定の方向に歯ブラシを動かすだけでは、親知らずをきれいに磨けません。歯ブラシをさまざまな角度から当てて磨きましょう。

歯ブラシを優しい力で小刻みに動かすことも重要です。1本ずつ磨くイメージで、小刻みにブラッシングしましょう。

補助用具を使用する

歯ブラシだけでは、細かい部分に付着した汚れを落とせません。デンタルフロスや歯間ブラシを使用して、すき間に入った汚れもしっかり落としましょう。

タフトブラシも、親知らずを磨く際に役立つでしょう。タフトブラシとは、毛先が1束になった歯ブラシです。

通常の歯ブラシよりも細いので、細かい部分の汚れを除去するのに適しています。通常の歯ブラシでブラッシングを行ったあとに、使用するとよいでしょう。

特に、親知らずの後ろ側、奥歯と面していない部分を磨く際に便利です。

日常のケアにフッ素を取り入れる

親知らずの虫歯予防には、ほかの歯と同じようにフッ素が効果的です。フッ素は虫歯菌の活動を抑え、歯の再石灰化を促す効果があります。

歯科医院で定期的にフッ素を塗ってもらってもよいですが、セルフケアに取り入れると効率よく虫歯を予防できます。

手軽に使用できるフッ素入りのケア用品は、歯磨き粉とマウスウォッシュでしょう。市販されているので、使用を検討してください。

定期的なメンテナンスを欠かさない

セルフケアだけでは、すべての汚れを除去することは難しいです。親知らずの虫歯を予防するために、定期的に歯科医院を受診してプロにメンテナンスしてもらいましょう。

プロのメンテナンスでは歯石もしっかり落としてもらえるので、虫歯だけではなく歯周病も予防できます。

まとめ

歯の治療の器具

親知らずは最も奥に生えてくる永久歯です。汚れが溜まりやすくブラッシングしにくいため、虫歯になりやすいです。

虫歯になると抜歯することが多いので、抜歯を避けたい方は虫歯にならないように日々のセルフケアを丁寧に行いましょう。また、定期的に通院してプロのメンテナンスを受けると、口内を清潔に保てます。

親知らずが虫歯になった場合、放置することは避けてください。放置して悪化すると、腫れて激しい痛みが出る、膿が出て口臭が発生するなど、さまざまなトラブルにつながります。

親知らずに違和感がある場合は、痛みが出る前に歯科医院へ相談しましょう。

親知らずの虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

正しい歯磨きの方法は?

2023年12月13日
正しい歯磨きの方法は?

こんにちは!大阪府八尾市で60年!地域に根ざした歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康に関して気なることや、歯にまつわる体のお悩みなどは人それぞれ、千差万別です。歯科医師やスタッフが歯科知識として理解していることでも、患者さまにとっては疑問や不安になってしまうのだと、気づかされてはっとすることも度々あります。できるだけ多くの質問に詳しくお答えできればいいのですが、診療中に個々の患者さまに詳しくご説明する時間が限られていることが多いのが実状です。

そこで、「歯に関するご質問に全力回答!」ブログをスタート! 普段の診療中によく訊(き)かれる質問に対して、この場で詳しく解説していくことを目的として掲げ、出発したブログです。このブログが、歯医者に対して患者さまが日頃抱えている疑問や不安の解消への近道になれば、と願ってやみません。

どんな些細な疑問や質問でも、お気軽にお寄せください! 患者さまの健康としあわせを支えることが私たちの役目です。どうぞよろしくお願いいたします。

正しい歯の磨き方って?

毎日の習慣として行っている歯磨きですが、ふと「あれ?磨き残しがあるかも」「ちゃんと磨いてるつもりだけど、上手く磨けてるか自信がない」と不安に思ったり、定期検診で指摘されることがあったりなど、正しい磨き方を知りたい方は少なくないようです。そこで今回は、そんなお悩みを解決すべく、正しい歯の磨き方をレクチャーいたします。

歯磨きのタイミング

歯磨きのタイミング

朝・昼・晩? ご飯の前?後? 寝る前は? そこのところをちゃんと知りたい!にお答えします。

歯磨きは1日何回すべき?

一般的に理想的な回数は1日3回とされています。3回行うのが難しい場合は、少なくとも2回の歯磨きが推奨されています。なぜその回数なのかは、歯磨きをする目的を考えるとよく分かります。

歯磨きをする目的

歯磨きの主な目的は、食事後に付着した歯垢や食べカスを取り除き、口臭や歯周病、虫歯を予防し、口腔内を清潔で健康な状態に保つことです。つまり、「食事をしたら歯磨きをする」というのが、お口の中の清潔に直結するというわけです。

1日1回は少ないですか?

虫歯菌がつくるバイオフィルム(歯垢)は、唾液の働きを妨害し、歯の再石灰化を邪魔します。このバイオフィルムが生成されるのが約48時間なので、最低1日1回でも念入りに歯磨きをすれば虫歯菌の活動は抑制できるということにもなります。ですが、1日1回しか歯磨きをしない人に比べ、1日2回歯磨きをする人のほうが虫歯発生率が低いという研究結果もありますので、やはり歯磨きの回数は理想に近づけたほうがいいでしょう。

朝の歯磨きはいつがいいですか?

「朝ごはんの後」がいいのか「朝食前(起床時)」がいいのかについては、さまざまな意見がありますが、前述の歯磨きの目的を考えると、基本的には食後が推奨されます。ただ、寝ている間は唾液の分泌量が減っていることが原因で、寝起きの口の中は乾燥し、細菌が多くなっているのも事実です。このまま朝食を食べてしまうと、細菌を一緒に飲み込んでしまうことにもなります。結論からいうと、朝食前と朝食後の2回がもっとも効果的!ではありますが、忙しい朝にそれはなかなか難しいでしょうから、起床時にはうがいや軽くブラッシングすることで細菌を洗い流し、朝食後に歯磨きをして食べカスを取り除きましょう。

昼の歯磨きについて

1日3回磨くとすると、学校や仕事などで外出している昼の歯磨きが、いちばんやりづらいでしょう。無理な場合は、うがいだけでもするといいでしょう。特に、朝・晩しっかり磨いている場合はそれでOKです。お口の中のすみずみまで水が行き渡ることと、水の勢いを保つことで食べカスが取れやすくなるので、水はあまりたくさん含まず、少量の水でのぶくぶくうがいがおすすめです。

夜の歯磨き

夕食後の歯磨きも大切ですが、もっとも重要なのは寝る前の歯磨きです。寝ている間は唾液が減り、口の中が乾燥し、細菌が繁殖しやすい環境になってしまうため、虫歯や歯周病にとてもかかりやすい状態になります。これを防ぐための就寝前歯磨きです。就寝前の歯磨きを念入りに行なっている場合には、朝や昼の歯磨きが軽いものでも大丈夫とまで言われるほどですので、就寝前は特にしっかり歯磨きしましょう。

食後すぐの歯磨きはよくないって聞いたけど?

食後30分以内の歯磨きがおすすめできないのには理由があります。私たちが食べ物を噛むと唾液が出ますが、唾液の中の酵素が食べ物を分解する過程で酸がつくられます。つまり食後すぐは口の中が酸性になり、歯が酸にさらされている状態です。この状態では、実は歯のエナメル質が柔らかくなっていて、歯ブラシなどで削られやすくなっているため、食後すぐの歯磨きはおすすめできないのです。代わりに、食後30分以上経ってから歯磨きでは、口内の酸性が中和され、歯の表面が硬くなり、口の中の中性化が促進されます。

歯磨きと虫歯

歯磨きのいちばんの目的が虫歯予防ということを踏まえて、もう少しだけ歯磨きと虫歯の関係を知って、日々の歯磨きに役立ててください。

虫歯になりやすい部分(磨き残しやすい部分)

一般的に虫歯になりやすいと言われているのは、奥歯(臼歯)です。奥歯は食べ物をすりつぶす役割があるため、溝や窪みが多く、食べカスが残りやすいとされています。また、その他にも隣り合った歯と歯の間、歯と歯茎の境目などが虫歯になりやすい部分です。

虫歯になりやすい部分

歯磨きしているのに虫歯になるのはどうして?

自分ではちゃんと磨いている(磨けている)つもりでも、うまく歯ブラシが当たっていなかったりして食べカス(虫歯菌の栄養)が残ってしまっているケースが多くあります。また唾液の分泌量が少ないと、お口の中を中和する機能が損なわれ、虫歯になる可能性が高まります。唾液の分泌を促す水分の摂取量が少ない、または高齢、もしくは薬の副作用などで唾液量が減った方も、歯科医にご相談ください。

歯ブラシの選び方

正しい歯磨き(ブラッシング)のためには、ご自身に合った歯ブラシを選ぶことも大切です。「安かったから」や「家族の分をまとめ買いしてるから」などの理由もあるかも知れませんが、ご家族それぞれに合った歯ブラシを使うようにしましょう。

歯ブラシ選びのポイントは3つ!

  1. 使う目的:虫歯予防、歯周病予防、白い歯にしたい、などの目的をはっきりさせましょう。目的別にさまざまな商品がありますが、迷った時は歯科医に相談してください。
  2. 毛の硬さ:「メーカーの基準」と「JIS(日本産業規格)」によって若干の差異があることもありますが、メーカーは実際の使用感で決めているので、メーカーの基準を参考に、基本的には歯茎の状態に合わせて選びましょう。
  3. ヘッドの大きさ:お口の大きさに合わせて選びましょう。また磨き残しが気になる部分にも適したものがいいでしょう。

歯ブラシ選びのポイント

歯ブラシの硬さは「かたい」ほうがいいですか?

硬い歯ブラシは、確かに歯垢などの除去力はあるかもしれませんが、毛が硬ければそれだけ歯や歯茎の負担になってしまいます。エナメル質が傷つくと、知覚過敏などが発症しやすくなったり、着色(歯が黄ばむ)しやすくなってしまったりします。歯や歯茎が健康な方なら「ふつう」がおすすめです。

「ふつう」の歯ブラシのデメリットは?

汚れを落とす効果もちゃんとあり、歯と歯の間や、歯と歯茎の境目にも届きやすい「ふつう」の歯ブラシのデメリットは、適切な力加減で使用する限り、特に目立ったものはありません。

「やわらかい」歯ブラシはどうですか?

「やわらかい」歯ブラシは、優しく磨け、歯や歯茎を傷つけにくい反面、汚れを落とす力は弱いので、より丁寧に磨く必要があるでしょう。

毛先の形状や毛の太さについて教えてください

毛先の形はメーカーにより色々なものがありますが、おおまかにラウンド型とテーパード型の2つに分けられます。また毛の太い、細いにもそれぞれメリット・デメリットがありますので、下図を参考になさってください。

各種歯ブラシのメリット・デメリット

ヘッドは小さいほうがいいですか?

大きなヘッドは一気に磨けて便利!という意見もありますが、一般的にすみずみまできちんと磨くためにはヘッドは小さめがおすすめです。歯並びが気になる人も小さめがいいでしょう。

ヘッドの薄さはどうですか?

ヘッドが薄いと、お口の奥のほうまで入り込みやすく、また操作性も高まります。頬側にも届きやすいのがメリットです。

歯ブラシの持ち方

歯ブラシの基本的な持ち方には2通りあります。鉛筆を持つように持つ「ペングリップ」と、手のひらで握るように持つ「パームグリップ」です。磨く場所によっても持ちやすさが違いますので、いちばん磨きやすい方法で握りましょう。

歯ブラシの持ち方

パームグリップ

しっかりと持てるので力を入れやすい反面、力が加わりすぎて歯や歯茎を傷つけるおそれもあります。

ペングリップ

力が入りすぎず歯にも歯茎にも優しく磨け、また細かく動かしやすい握り方です。

歯ブラシの当て方(角度)

歯ブラシは、磨く場所によって最適な当て方があります。図を参考にしてみてください。

歯ブラシの当て方

歯ブラシの当て方のポイントは3つ!

  1. 毛先をケアしたい場所にきちんと当てる。
  2. 毛先が広がらない程度の力で当てる。
  3. 歯2本ぐらいを目安に、小刻みに動かす。

電動歯ブラシはどうですか?

基本的には手動か電動かの違いですので、当て方に違いはありません。製品の取り扱い説明書もよく読んでください。

矯正時の歯磨きはどうすればいいですか?

ワイヤー矯正の場合は、ワイヤーの上部/下部・ブラケット周りを歯ブラシを45度に傾けて丁寧に磨きます。またワイヤーと歯の隙間にも歯ブラシの毛が入り込むようにして磨くか、歯間ブラシを使用してもいいでしょう。

ワイヤー矯正時の歯磨き(歯間ブラシ)

マウスピース矯正の場合は、取り外しができるので通常と同じ歯磨きをしてください。マウスピースの洗浄は、指で全体をやさしくこすり、くぼんだ箇所などは歯ブラシで汚れを落とします。

ブラッシングの回数

1箇所(2本程度)20回を目安に動かしましょう。時間をかけても同じ箇所を磨いていては意味がなくなってしまうので、順番を決めて磨くのもいいでしょう。

歯磨き剤について

歯磨き「剤」と書きましたが、普段は歯磨き「粉」と言っている方が多いかと思います。これは昔歯磨き剤が「粉」だった時代の呼称の名残で、練り歯磨き(またはペースト状)になってからも通称として「歯磨き粉」が浸透しているせいなのです。

では、チューブに入ったお馴染みの歯磨き剤も含め、その種類を紹介していきます。

歯磨き剤の種類

ペースト状の歯磨き剤

ほとんどがチューブに入ったフッ素(フッ化合物)入の歯磨剤で、虫歯予防を目的として使用されるのが一般的です。発泡剤(口内に歯磨き剤を拡散させる)、清掃剤(汚れを落とす)、香味剤・清涼剤(爽快な使用感を与える)、湿潤剤、浸透剤、研磨剤などが配合されていることも。

ジェル状の歯磨き剤

フッ素配合で、研磨剤は入っていません。口内に拡がりやすいが、歯の付着物除去の効果を目的とはしていません。

フォーム(泡)状の歯磨き剤

空気が入っているために、ペーストより化合物の密度が低くなりますが、すすぎやすさに優れており、吐き出す力の弱い乳幼児や高齢者に適しています。

医薬品と医薬部外品の違いって?

歯磨き剤は、実はよく聞く「医薬品」と「医薬部外品」に加え「化粧品」の3つに分けられます。

医薬部外品:

薬用成分が入っているもので、処方箋が必要。また、歯科医院でのみ取り扱っているものもあり、「治療」が主な目的です。

医薬部外品:

有効成分が一定の濃度で配合されている、もっぱら「予防」を目的としたもの。「薬用」と表記されているものも医薬部外品です。

化粧品:

厚生労働省から認可されていないものです。「健やかさや清潔さを保つ」や「きれいにする」を目的にしていますが、その効果や効能についても認可はされていません。

歯磨き剤って使わないほうがいいの?

歯磨きの主目的は「汚れ(食べカス)や歯垢を除去する」ことですので、これが果たされるのであれば歯磨き剤は使用しなければならないものではありません。ですが、歯磨き剤には虫歯予防に有効な成分も含まれていて、歯磨き剤を使用したほうが歯垢の付着量が少なかったというレポートもあり、口臭の除去効果なども含め「歯磨き剤はサポート役」と考えるといいでしょう。

歯磨き剤とアレルギー

歯磨き剤には目的に合わせた様々な成分が含まれていますので、中にはアレルギーや口内炎、口内の痛みなどを引き起こす場合もあります。症状が出た場合は速やかに使用をやめ、医師に相談してください。

歯ブラシは濡らさないほうがいいって本当?

歯ブラシを濡らすと歯磨剤の泡立ちがよくなり、「よく磨けた気持ち」になってしまうのがマイナスです。また、有効成分が流れやすくなってしまうことも考えられるので、最近では歯ブラシを濡らさないほうがいいとされています。

歯磨き粉を混ぜて使ってもいいですか?

おすすめできません。それぞれの成分が拮抗(わかりやすく言い換えるなら「ケンカ」)してしまい、せっかくの効果が得られないことも考えられるからです。

歯間ブラシやフロスって必要ですか?

はい、ぜひ使ってください。歯ブラシでは取り除ききれない汚れでも、歯間ブラシやデンタルフロスを併用することにより、除去率がアップします。

デンタルフロスと歯間ブラシ

デンタルフロスや歯間ブラシはいつ使うのがいいの?

歯ブラシによるブラッシングの前がいいとされています。なぜなら、歯間ブラシやデンタルフロスでかき出した汚れを、ブラッシングで確実に排出させることができるからです。

歯磨きするときデンタルフロスや歯間ブラシは毎回使わないとだめですか?

もちろん理想は毎歯磨き後ですが、「最低1日1回でも念入りに歯磨きを」ということから考えると、就寝前の歯磨き時にでも1回は使用するといいでしょう。

歯磨きができないときどうすれば?

外出時、災害時、さまざまな理由で歯磨きができない時は、まずはうがいで口内を洗い流すことが大切です。また、マウスウォッシュ(洗口液)やキシリトールガムも完璧ではないものの代用になります。

マウスウォッシュ

マウスウォッシュ、と言っても正しくは液体タイプのオーラルケア製品。実はマウスウォッシュ(洗口液)とデンタルリンス(液体歯磨き)の2種類があります。どちらも液体ですが、マウスウォッシュは口に入れてすすいだ後吐き出すのに対して、デンタルリンスは口に入れた後歯ブラシでブラッシング、または口に含んだままでブラッシングすることで効果が発揮されます。

マウスウォッシュ

歯周病などで歯茎が弱っている場合は、アルコール配合のものは刺激が強すぎたりもしますので、目的や症状に合った配合成分の製品を選びましょう。

キシリトールガム

歯科専用のデンタルガム(キシリトール配合100%)がおすすめです。市販のものに比べてキシリトール配合の割合が高く、噛むことで唾液の分泌も促されるので、虫歯予防に効果があります。

キシリトールガム

まとめ

いかがでしたか? 正しい歯の磨き方のご参考になりましたでしょうか。実践で教えてほしい!など、ティーチングをご希望の方はぜひ、大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科までお越しください。もりかわ歯科ではTBI(ブラッシング指導)も行っております。1人として同じ口の中の方はいらっしゃいません。その人に合わせたブラッシングについてお伝えいたしますので、十分なセルフケアを目指しましょう。

歯にまつわることならどんなことでもご質問にお答えしたい。そんな思いで書いているこのブログが、患者さまの不安払拭の一助になれたなら幸いです。

歯周病予防に効果のある食べ物とは?食事以外に気をつけることも解説

2023年12月8日
食事をする女性

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

歯周病は予防できる病気です。歯周病が重度にまで進行すると、最悪の場合歯を失います。歯周病は重度になるまで気がつかないこともあるため、日頃から予防することが非常に重要です。

今回は、歯周病の原因や予防について、食事に焦点を当てて解説します。ぜひ参考にしてください。

歯周病の原因

歯周病の人

歯周病の原因は、歯周病菌です。歯周病菌は口腔内の細菌で、歯垢という細菌の集合体の中にいます。

歯周病菌は酸素の少ない場所を好むため、歯と歯茎の境目に生息しやすいです。歯周病菌が毒素を出し、歯茎や歯を支える骨などの歯周組織に炎症を起こすのが歯周病です。

歯茎に炎症が起こると、歯と歯茎の間に歯周ポケットという溝が出現します。歯周ポケットの内部は酸素が少ないため、歯周病菌がより繁殖するのです。

歯周病の間接的な原因

歯周病の原因である歯周病菌の存在に加えて、口腔内の環境や生活習慣、全身的な影響などの間接的な原因が加わり、歯周病を発症・悪化させることがあります。

具体的には、歯石が付着している場合や、歯並びが悪く汚れが溜まりやすい部分がある場合、不適合な被せ物がある場合などは、歯周病のリスクが高まるでしょう。全身的な要因としては、ストレスや睡眠不足、運動不足、食習慣などが影響します。

特に、喫煙する習慣がある方は、血管が収縮し歯茎に栄養が行き渡りません。歯周病菌に対する抵抗力が低下し、歯周病が重症化する傾向にあります。

また、女性ホルモンの影響で、妊娠中に特定の歯周病菌が増殖する場合や、生理中に歯茎が腫れる場合もあるでしょう。

歯周病は食事で予防できる?

歯周病は食事で予防できるか考える女性

歯周病菌の出す毒素に対する歯茎の抵抗力が弱いと、炎症を起こします。そのため、身体によい食べ物を食べて免疫力を高めることは、歯周病の予防につながります。

ただし、食事だけで完全に歯周病を予防することはできません。歯に付着している歯周病菌を歯磨きで物理的に取り除くことは、歯周病予防において非常に重要です。

歯磨きなどのケアに加えて、歯茎によい食事を取り入れると歯周病予防に効果的でしょう。

歯周病予防に効果のある食べ物とは?

歯周病予防に効果のある食べ物イメージ

歯周病予防に効果的な栄養素と、食べ物の例をご紹介します。

食物繊維が豊富な食べ物

食物繊維が豊富な食べ物をしっかり噛んで食べることで、唾液の分泌が促進されます。唾液は、人間が持っている抗菌作用のある物質です。

食物繊維が豊富な果物や野菜を食べて、唾液を多く分泌させれば、歯周病予防に効果があります。具体的には、人参やごぼう、レタスなどの野菜や、キノコ類などが挙げられるでしょう。

ビタミンエースを含んだ食べ物

ビタミンエースとは、ビタミンA・ビタミンC・ビタミンEのことを指します。身体の抵抗力を高める効果があるので、歯周病予防にも効果的でしょう。

ビタミンCは、歯茎のコラーゲン繊維を再生し、歯茎の健康を守る効果が期待できます。

それぞれのビタミンを多く含む食品は、以下のとおりです。

・ビタミンA:人参・ピーマン・ほうれん草などの緑黄色野菜
・ビタミンC:小松菜、ほうれん草、ブロッコリー、トマト、イチゴなど
・ビタミンE:ナッツ類、うなぎ、かぼちゃ、大豆製品など

炎症を抑える食べ物

歯周病の始まりは、歯茎の炎症です。歯茎の炎症を抑えることは、歯周病を予防することにつながります。

炎症を抑える効果がある食品は、根生姜やネギ、ニラ、ニンニク、ナッツ類が挙げられます。

特に根生姜は抗炎症作用があるため、歯茎の炎症そのものを防ぐ効果も期待できるでしょう。ネギ、ニラなどの香味野菜なども、炎症物質の産生を抑えるといわれています。

控えたほうがよい食べ物とは?

控えたほうがいい食べ物イメージ

歯周病予防に効果的な食べ物がある一方、控えたほうがよい食べ物も存在します。免疫力を下げる食べ物や、歯周病菌を増殖させる食べ物は、控えたほうがよいでしょう。

具体的に解説します。

免疫力を下げる食べ物

カップラーメンや冷凍食品などの加工食品ばかりを食べると、栄養のバランスが悪くなり、免疫力が低下します。免疫力が低下すると、歯周病菌に対する抵抗力が弱まり、歯周病が発症・進行しやすくなるでしょう。

免疫力を下げる食べ物を控えて身体の調子を整えることも、歯周病予防の観点では重要です。栄養バランスが悪い食事にならないように注意しながら、上述した食品を積極的に取り入れましょう。

歯周病菌を増殖させる食べ物

歯周病の原因である歯周病菌は、プラーク(歯垢)のなかに含まれます。プラークを作りやすい食べ物は、歯周病菌を増殖させやすい食べ物といえます。

菓子パンやクッキーなど、柔らかく唾液と混ざるとねばねばして口腔内に残りやすいものや、飴・チョコレートなど糖を多く含む食べ物は避けたほうがよいでしょう。清涼飲料水も、糖が含まれている場合があるため、ダラダラと飲むと歯垢ができる原因になります。

水分補給はお水かお茶で行ってください。抗菌作用のある緑茶も、歯周病予防に効果的です。

歯周病予防のために食事以外に気をつけること

歯磨きする女性

歯周病予防のために食事以外に気をつけることを確認しましょう。

歯磨きを丁寧に行う

歯周病を予防するには、丁寧な歯磨きが最も重要です。口腔内に汚れが溜まらないように毎日行いましょう。

歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスも使用して、口腔内の汚れをしっかり除去してください。

生活習慣を見直す

食事以外でも、免疫力を高める生活を心がけるとよいでしょう。歯周病菌への抵抗力を高められれば、歯周病を予防できます。

適度な運動を心がける、ストレスを溜めない、しっかりと睡眠を取るなど、生活習慣を見直すとよいでしょう。

喫煙習慣がある方は、非喫煙者と比較すると歯周病のリスクが高いことがわかっています。減塩・禁煙を意識すると、歯周病になるリスクを下げられるでしょう。

定期的にクリーニングを受ける

歯科医院のクリーニングを受けることも、歯周病予防に効果的です。どれだけ丁寧に歯磨きをしていても、セルフケアでは落とせない汚れが存在します。

磨き残しを放置すると歯周病の原因になるため、定期的に歯科医院のクリーニングを受けて、徹底的に汚れを落としてもらいましょう。

歯科医院でクリーニングを受ける場合、磨き残しの有無を確認してブラッシング指導を行うことが多いです。磨き方には癖があるので、磨けている部分と磨けていない部分が生じることがあります。

ブラッシング指導を受けて、ご自身に適した磨き方やツールの使い方を身につけましょう。セルフケアの質が向上するので、歯周病予防に効果があるでしょう。

また、定期的に歯科医院を受診していれば、自覚症状が出ていない初期の歯周病に気づいてもらえるかもしれません。早期に治療を開始できれば、歯を失うリスクを下げられます。

歯周病を予防するためだけでなく、ご自身の歯を守るためにも、定期的に歯科医院を受診しましょう。

まとめ

野菜が好きな女性

今回は、歯周病予防について、食事に焦点を当てて解説しました。

歯周病は、予防できる病気です。痛みなどの自覚症状が現れる頃には、症状が進行しているといえます。気づいたときには歯を残せない状態になっている可能性もあるので、歯周病は予防することが非常に重要です。

歯周病の予防の基本である歯磨きをしっかり行うことと並行して、歯周病予防に効果的な食べ物を積極的に摂取しましょう。唾液の分泌を促せる食べ物や、免疫力をアップさせる食べ物を選べば、歯周病を予防できる可能性があります。

歯周病は、日々の生活習慣とも深く関わりがある病気です。生活習慣も見直して、歯周病を予防しましょう。

歯周病予防に興味がある方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯のクラウンの寿命は?

2023年12月6日
歯のクラウンの寿命は?

こんにちは。大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。歯科医や診療所のスタッフにとっては当たり前の情報でも、患者さんは歯の専門家ではないため、さまざまな疑問や疑問が生じることは当然です。歯やそれに関連する体のことについて、患者さんが知りたいことを理解し、納得していただくことが重要だと考えています。

診療中にすべての疑問に答えることが理想的ですが、詳しく説明するには時間的な制約もあります。そこで、日々の診療でよく寄せられる質問に対して、このブログで順次お答えしていくことにしました!このブログを通じて、患者さんが歯医者に対して抱く疑問や不安を解消できるよう、お手伝いできればと願っています。最後までご覧いただければ幸いです。

歯のクラウンについてのご質問に全力回答!

今回は歯のクラウンについて、その用途や種類、寿命についてなど様々な質問に全力でお答えしていきます!

歯の”クラウン”とは何ですか?

歯の”クラウン”とは?

歯の「クラウン」は、歯の頂部にあたる部分で、歯冠(しかん)とも呼ばれます。歯のクラウンは、歯根と呼ばれる歯茎の下にある部分から生えている歯の部分です。歯冠は、エナメル質、象牙質、および歯髄(歯の中心にある神経組織)から構成されています。

歯のクラウンが損傷したり虫歯になったりした場合、歯を修復するために歯科治療が必要になることがあります。このとき、歯科医師は患者の歯の状態に応じて、クラウンを製作して歯を覆い、形状を修復します。このクラウンは通常、人工的に作られた材料でできており、天然の歯と同様の外観と機能を提供します。

クラウンは、歯を保護し、噛む力を分散させる役割を果たすだけでなく、歯の外観を美しく整える効果もあります。クラウンはさまざまな材料で製造され、患者の特定のニーズや好みに合わせて選択されます。クラウンは、単独の歯を補強するだけでなく、歯の形や色を改善し、審美的な修復を行うためにも使用されます。

クラウンとブリッジの違いは何ですか?

クラウンとブリッジは、歯の修復や置換に使用される歯科治療の手法ですが、それぞれ異なる役割を果たしています。

クラウンとブリッジの違い

クラウン(冠)

クラウンは、1本の歯を覆うキャップ状の装置です。損傷した、割れた、または虫歯になった歯を覆い、形状を修復し、機能を回復させます。クラウンは、歯を強化し、外観を美しくするために使用されます。患者の歯の上に合わせて作られ、接着剤で確実に固定されます。

ブリッジ(橋)

ブリッジは、欠損した歯を補うための装置で、周囲の健康な歯に支えられた人工の歯(ポンティック)で構成されます。ブリッジは、欠損した歯の箇所に固定され、両側の健康な歯に取り付けられたクラウン(アバットメント)が支えとなります。ブリッジは、歯の欠損を修復し、咬合力を分散させることで周囲の歯を保護します。

 

要するに、クラウンは1本の歯を覆うために使用され、損傷した歯を修復します。

一方、ブリッジは欠損した歯を置き換えるために使用され、周囲の健康な歯に支えられます。どちらも患者様の口腔健康を維持し、歯の損傷や欠損を修復するための重要な歯科治療オプションです。

クラウンとインレーの違いは?

クラウン(Crown)とインレー(Inlay)は、虫歯や他の理由により歯が欠けたり割れたりした際に、損失した部分を修復するための治療法です。インレーは部分的な詰め物であり、一方でクラウンは歯全体を覆う被せものです。このため、失われた範囲が比較的小さい場合にはインレーが適しており、歯の大部分が失われた場合にはクラウンが使用される傾向があります。

クラウンとインレーの違い

クラウン(冠)

  • クラウンは、1本の歯全体を覆うキャップ状の装置です。
  • 歯の大部分が損傷している、虫歯や割れが深い場合に使用されます。
  • クラウンは歯を強化し、外観を美しく修復するのに役立ちます。
  • 歯の表面全体を覆うため、歯を完全に包み込む形になります。

インレー(Inlay)

  • インレーは、歯のうち特定の部分のみを補強・修復する装置です。
  • 主に歯のうちのくぼみ(溝)や窪みに合わせて作られ、歯の中央部分に取り付けられます。
  • インレーは、歯の咬合面やう蝕(虫歯)の部分を修復するのに使用されます。
  • インレーは、クラウンよりも歯を温存するため、歯の構造を最小限に削ることができます。

 

クラウンが一本の歯を覆うために使用するものに対し、インレーは歯の一部分を補強し、くぼみや窪みに取り付けられ、歯の温存が可能な範囲で修復されます。どちらも患者様の特定の状況に合わせて選択され、歯科医との相談が重要です。

クラウンの種類

歯のクラウンは、患者様のニーズや歯科医の勧告に基づいて様々な材料で作られます。以下は一般的な歯のクラウンの種類です。

セラミッククラウン(陶磁器クラウン)

ポーセレン製で、天然の歯に近い外観と光沢を持っています。前歯や視認されやすい場所に適しています。

金属クラウン

金属(通常は合金)から作られ、丈夫で強力です。金属の色が天然の歯とは異なるため、見た目が気になるかもしれませんが、強度が求められる場合に選択されることがあります。

ポーセレンフュージョンメタルクラウン(PFMクラウン)

ポーセレンと金属を組み合わせたもので、金属の強度とポーセレンの天然な外観を組み合わせています。

ジルコニアクラウン

ジルコニアは非常に強力で、天然の歯に近い透明感があります。金属が不要なため、アレルギーがある患者様に適しています。

レジンクラウン

レジンはプラスチック製の歯のクラウンで、通常は一時的な修復に使用されます。他のクラウンよりも削り取りやすいため、長期的な使用には向いていません。

全金属クラウン

歯全体が金属でできており、主にバックティース(奥歯)で使用されることがあります。

オールセラミッククラウン

セラミックでできたクラウンで、金属を使用せずに自然な見た目を提供します。前歯や視認されやすい場所に適しています。

 

これらのクラウンの材料にはそれぞれメリット・デメリットがあり、患者様の個別の状況や好みによって最適な選択が異なります。歯科医とよく相談して、最適なクラウンの材料を選ぶことが重要です。

クラウン治療は何回くらいかかりますか?

通常、クラウンの治療にはおおよそ4〜5回の診療が必要です。ただし、虫歯がまったくない場合や仮歯を使用しない場合、治療回数は2〜3回で済むこともあります。虫歯や根の状態によっては、クラウンの前に神経の治療や根の再治療が必要な場合があり、その際は別途治療が必要となります。

クラウン治療の一般的な流れ

以下は一般的なケースの治療の流れですが、個々の状況によって変化する可能性がありますことをご了承ください。

1.初回の診断と治療計画

1.初回の診断と治療計画

初めて歯科医に相談する際に、歯の状態を評価し、治療計画を立てます。この段階では仮歯の取り付けや歯の調整が行われることがあります。

2.歯の削り準備

2.歯の削り準備

次に、クラウンを取り付けるために、対象となる歯を削ります。これにより、クラウンが適切にフィットするスペースが確保されます。

3.型取りと仮歯の取り付け

3.型取りと仮歯の取り付け

歯の削りが終わった後、歯の型を取り、これを基にクラウンが作成されます。同時に、仮歯が取り付けられることがあります。

4.クラウンの取り付け

4.クラウンの取り付け

クラウンが作成されたら、最終的な取り付けが行われます。歯科医はクラウンの適合性や咬み合わせを確認し、必要に応じて微調整を行います。

これらのステップは一般的な流れであり、特定の状況によっては追加の診療や調整が必要となることがあります。クラウン治療には患者様の個別の状態に基づいた計画が必要であり、歯科医との協力が重要です。

クラウンの寿命について

歯のクラウン(冠)の寿命は様々であり、いくつかの要因によって異なります。

クラウンの寿命に関する要因

以下は一般的なガイドラインですが、個々のケースによって異なる可能性がありますので、より詳しく知りたい方は歯科医へ問い合わせてください。

クラウンの素材

クラウンの素材によって寿命は異なります。金属合金やセラミックなどの素材は一般的に耐久性が高く、長寿命であることがあります。

メンテナンス

正しいケアとメンテナンスが行われれば、クラウンは長持ちします。適切な歯磨き、歯科検診、プロフェッショナルなクリーニングが寿命を延ばすのには重要です。

歯ぎしりや噛み合わせの問題

歯ぎしりや咬み合わせの不調和がある場合、クラウンへの負担が増加し、寿命が短くなる可能性があります。

 

歯ぎしりや噛み合わせに心配事がある方はインビザライン矯正のダイヤモンドプロバイダーである、もりかわ歯科の矯正無料相談へ一度お越しください。

クラウンの適合性

正確な歯科手術とクラウンの適切な合わせが行われると、寿命が向上します。

歯周病

歯周病が進行すると、クラウンの寿命が短くなる可能性があります。歯周病の管理が重要です。

 

もりかわ歯科の定期的なメンテナンスでクラウンも長持ちさせましょう。

個人の生活習慣

タバコの喫煙や過度なアルコール摂取など、生活習慣も寿命に影響を与える可能性があります。

 

通常、クラウンは数年から数十年にわたって持続することが期待されますが、個別の状況により異なります。歯のクラウンを長持ちさせるには歯科医との定期的な相談と検診がとても大切になってきます。

クラウン(主にセラミック)の寿命を伸ばす為に重要なこと

セラミック歯の寿命を短縮させる原因について

まずはセラミックの寿命を短縮させる原因について以下に4つご紹介いたします。セラミック歯は、メンテナンスを行いつつ適切に使用することで、長期間にわたり利用することが可能です。

歯ぎしり・食いしばりの習慣

歯ぎしりや食いしばりは、セラミック歯の寿命を縮める一因です。これにより、セラミック歯に不自然な圧力がかかり、摩耗、割れ、剥がれなどの問題が生じる可能性があります。歯科医院での定期的な検診を通じて、早期に問題を発見し対策することが重要です。

強い衝撃

セラミック歯は硬く耐久性がありますが、強い衝撃には弱いです。硬い食物を噛む、スポーツで口に強い衝撃を受けるなどが原因となり、セラミック歯に損傷を与え、寿命を短くします。

噛み合わせの不良

噛み合わせの悪さもセラミック歯の寿命を短くする要因となります。噛み合わせが悪い場合、セラミック歯に不必要な圧力がかかり、破損の可能性が高まります。噛み合わせの調整は専門的な技術が必要であり、歯科医院での治療が必要です。

 

噛み合せや歯並びでお悩みの方はインビザライン ダイヤモンドプロバイダーのもりかわ歯科で歯列矯正をしてみませんか?

興味のある方はもりかわ歯科の矯正ページをご覧ください。

矯正症例をはじめ矯正に関する様々な質問にお答えしています。

虫歯や歯周病

虫歯や歯周病もセラミック歯の寿命を短くします。セラミック歯は腐食に強いですが、周囲の天然歯や歯茎に問題があると影響を受けます。特に歯周病は歯肉や骨を侵し、セラミック歯の安定性を損ね、歯のぐらつきや抜け落ちの原因となります。毎日の適切な歯磨きで虫歯や歯周病を予防し、セラミック歯を含む全ての歯を注意深くケアしましょう。

セラミック歯の寿命を延ばすためのアドバイス

セラミック歯の寿命を向上させるために、以下に4つのヒントをご紹介いたします。

歯に強い衝撃を与えないこと

セラミック歯は非常に硬く耐久性がありますが、外部からの強い衝撃や上下歯のぶつかりなど、噛み合わせによる衝撃には弱いです。硬い食べ物を控え、奥歯を強く噛まないように心がけましょう。口元にダメージを受ける可能性のあるスポーツを行う際は、マウスガードを着用して歯を保護することが重要です。衝撃を最小限に抑えることが、セラミック歯の寿命を伸ばす一環となります。

歯ぎしり・食いしばりの癖を改善すること

歯ぎしりや食いしばりは、セラミック歯が割れる原因となります。これらの癖はストレスが原因となり、就寝時などに無意識に行われることが多いです。歯科医院で口腔ガードを処方してもらい、ストレスの軽減も心掛けましょう。心身がリラックスできる環境を整えることで、歯ぎしりや食いしばりの頻度を減少させることができます。

丁寧な歯磨きを実践すること

セラミック歯も日々のケアが不可欠です。歯磨きは歯に付着した細菌の除去や歯垢・歯石の予防に効果的です。歯周囲や天然歯にも注意深くケアを施し、毎食後と就寝前に歯磨きを行いましょう。フロスや歯間ブラシを使用して歯間の汚れも除去しましょう。清潔な歯と口内は、セラミック歯の寿命を延ばす要因となります。

定期的な歯科医院でのメンテナンス

セラミック歯の寿命を保つためには、信頼できる歯科医院での定期的なメンテナンスが必要です。歯科医師が口腔内の健康をチェックし、歯に付着した歯垢や歯石を除去します。定期的なメンテナンスは歯周病の早期発見や予防にもつながります。歯科医院でのプロのケアにより、自宅ケアでは難しい微細なダメージも確実にチェックできます。美しい口元と健康な歯を維持するために、歯科医院でのメンテナンスをお忘れなく。

 

クラウンの寿命を短くするも長くするのも歯医者での定期的なメンテナンスがとても重要です。もりかわ歯科のメンテナンスで口腔内の環境をより良くするお手伝いをさせてください。

もりかわ歯科のメンテナンスについて詳しくは当院ホームページの「予防歯科」ページをご覧ください。

まとめ

クラウンの寿命についてお話しましたが、そもそも虫歯にならないことが一番です。

そのためには歯医者に定期メンテナンスにお越しください。

予防歯科に通うことで歯に関する様々な悩みから解放されます。

万が一虫歯になってクラウンやその他の詰め物などの治療を受けた場合もやっぱりその後メンテナンスが大切です。

 

大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科では日々の診療で患者さまとの対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を行っております。

歯に関する心配事がございましたらいつでも大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科へお越しください。

 

歯列矯正をお考えの方も当院では矯正無料相談を実施していますので、お気軽にお問い合わせください。

詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページをご覧ください。

 

要注意乳歯とは?学校の歯科検診で指摘を受けたときの対処法を解説!

2023年12月1日

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

かわいい女の子

「学校の歯科検診で要注意乳歯があると指摘された」「要注意乳歯とは?」など、お子さまの歯に関してお悩みの保護者の方は多いでしょう。要注意乳歯を指摘されたら、早めに歯科医院を受診してください。要注意乳歯を放置すると、さまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。

今回は、要注意乳歯とは何かを解説します。要注意乳歯を放置するリスクや、要注意乳歯と指摘されたときの対処法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

要注意乳歯とは?

要注意乳歯のある子供

要注意乳歯とは、乳歯と永久歯の生え変わりの時期において、注意が必要な歯のことです。具体的には、以下の状態の歯は要注意乳歯とされます。

・乳歯があるのに永久歯が生えようとしている
・乳歯が抜けておらず、異常な位置から永久歯が生えてきている
・乳歯が大きく動揺しており抜けそうである
・乳歯が欠けている・割れている
・適切に生え変わりできず、乳歯の欠片や根が残っている

まとめると、要注意乳歯とは、乳歯と永久歯の生え変わりがうまく進まない可能性があるため注意が必要な歯といえます。きれいに生え変われば問題ありませんが、何らかのトラブルを引き起こす可能性もあるでしょう。

要注意乳歯と聞くと、虫歯になるリスクが高い歯と思う方がいるかもしれません。

しかし、要注意乳歯と虫歯は無関係です。上述しましたが要注意乳歯とは、乳歯と永久歯の生え変わりにトラブルが生じる可能性があり、注意が必要な状態といえます。

要注意乳歯を放置するリスク

要注意乳歯のリスク

要注意乳歯を放置するリスクは、以下のとおりです。

・歯並びが悪くなる
・虫歯になりやすい
・歯茎の痛みや腫れが生じる
・噛み合わせが悪くなる

それぞれ解説します。

歯並びが悪くなる

要注意乳歯を放置すると、歯並びが悪くなる可能性があるでしょう。

乳歯が抜けるべきタイミングで抜けなかった場合、残っている乳歯を避けながら永久歯が生えてきます。真っ直ぐ生えることができず、誤った位置に生える、捻れるなど、歯並びに悪影響を及ぼすかもしれません。

乳歯が本来抜けるべきタイミングより早く抜けた場合も、歯並びに悪影響を及ぼします。通常、乳歯が抜けるとすぐに永久歯が生えてくるので、乳歯が抜けたことで生まれたスペースは永久歯で塞がれます。

しかし、乳歯が早期に抜けた場合、すぐに永久歯が生えてきません。あいたスペースに隣接する歯が移動する・倒れるなどして、永久歯が生えるためのスペースが奪われることがあるのです。

真っ直ぐに生えるためのスペースがない場合は、歯並びが乱れる原因になります。

虫歯になりやすい

要注意乳歯を放置していると、虫歯になるリスクが上がります。歯並びが乱れることで、歯磨きが難しくなるからです。

特に、歯の生え変わりが起こる6〜12歳頃のこどもは、適切に歯磨きをできない場合が多いです。歯磨きの必要性を完全に理解することも難しいので「したくない」と拒否することもあるでしょう。

磨き残しが生じると、虫歯のリスクが高まります。

歯茎の痛みや腫れが生じる

要注意乳歯を放置すると、歯茎に痛みや腫れなどの症状が出ることがあります。乳歯の抜け方や永久歯の生え方に問題があると、歯茎が炎症を起こす場合があるのです。

例えば、本来の位置や角度からずれて永久歯が生えた場合、歯茎や口腔内の粘膜に触れて傷つける可能性があるでしょう。圧迫され続けると、歯茎が腫れる・痛むなどの症状が出ます。

乳歯が適切に抜けておらず、一部分が歯茎の中に取り残された場合なども、歯茎の炎症につながるでしょう。

噛み合わせが悪くなる

要注意乳歯を放置すると、永久歯の噛み合わせが悪くなる可能性があります。歯が生え変わる時期にトラブルが起こると歯並びが悪くなりやすく、適切な噛み合わせにならない場合があるからです。

噛み合わせが悪いと、食べ物を噛むときに一部の歯だけに過度な負担がかかります。歯の寿命を縮める場合があるでしょう。

噛み合わせが悪いと顎にも負担がかかるので、顎関節症のリスクも上がります。

要注意乳歯と指摘を受けたときの対処法

要注意乳歯の治療

要注意乳歯と指摘を受けたときの対処法を確認しましょう。

・歯科医院を受診する
・無理に乳歯を抜かない
・動揺している乳歯を触らない
・丁寧に歯磨きする
・ゆっくり食事を摂る

それぞれ詳しく解説します。

歯科医院を受診する

まずは、歯科医院を受診しましょう。正常に生え変われば特に処置は必要ないかもしれませんが、経過を観察する必要があります。

処置が必要な状態であれば、できるだけ早い段階で治療するべきでしょう。早期に適切に対処すれば、正常に生え変わる可能性を高められます。

治療が必要な状態であるにも関わらず、放置すると上述したリスクにつながるでしょう。口腔内の健康を保つために、歯科医院を受診して確認してもらうことが重要です。

無理に乳歯を抜かない

グラグラしていて抜けそうな乳歯があっても、無理に抜くことは避けてください。乳歯の根が歯茎内に取り残される場合や、出血が止まらなくなる場合があります。

永久歯が生えてきているのに乳歯が抜けそうにないときは、歯科医院で抜歯してもらうのが最も安全です。抜歯する際に痛みや出血はあるかもしれませんが、プロが適切に対処してくれます。

痛みが続く可能性が高ければ、痛み止めを処方してもらえます。日常生活の負担を和らげることが可能でしょう。

グラグラしている乳歯があっても無理に抜かず、必要であれば歯科医院で対処してもらってください。

動揺している乳歯を触らない

抜けそうでグラグラしている歯があると、気になって触りたくなるかもしれません。

しかし、必要以上に手で触ることは避けましょう。手に付着した細菌が、歯茎の炎症を引き起こす恐れがあるからです。

炎症が起こると歯茎が腫れて痛みが生じる、膿が出るなどの症状が出ます。感染が重症化すると、発熱など全身の不調につながることもあるでしょう。

丁寧に歯磨きする

要注意乳歯がある場合は、丁寧に歯磨きすることが大切です。歯が生え変わる時期は、グラグラしている乳歯がある場合や、乳歯が抜けてすき間がある場合が多いです。

歯並びが安定していない状態のため、磨き残しが生じやすいでしょう。しっかり歯磨きをして汚れを除去しなければ、虫歯になるかもしれません。

ゆっくり食事を摂る

要注意乳歯を指摘されたときは、ゆっくり落ち着いて食事を摂る必要があります。グラグラしている乳歯が食事中に抜けて、飲み込む可能性があるからです。

また、食べ物を噛むと痛みを生じる場合もあります。無理せずゆっくり噛むことで、抜けた乳歯の誤飲を防ぎ、歯に負担をかけずに食事できるでしょう。

まとめ

元気な子供

今回は、要注意乳歯とは何かを解説しました。要注意乳歯を放置するリスクや、要注意乳歯を指摘されたときの対処法もご紹介しています。

要注意乳歯を放置すると、永久歯の歯並びや噛み合わせに悪影響を及ぼすでしょう。虫歯や歯周病のリスクが上がるなど、さまざまな問題を引き起こします。

学校の歯科検診で要注意乳歯を指摘された場合は、できるだけ早く歯科医院を受診してください。処置を行わず経過観察する場合もありますが、放置しても大丈夫だろうと自己判断することは避けましょう。

ご自宅では、丁寧な歯磨きを心がけてください。グラグラしている乳歯を不必要に触ることや無理に抜くことは控え、適切に対処しましょう。

要注意乳歯の治療をご検討の方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯の痛みの原因はなんですか?

2023年11月29日
歯の痛みの原因は何ですか?

こんにちは!大阪府八尾市で60年!地域に根ざした歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康に関することや、歯にまつわる体のお悩みなどは、歯科医師やスタッフにとっては常識的なことでも、患者さまにとっては疑問や不安になり得るのだ、とあらためて気づかされることがよくあります。できるだけ多くの質問に詳しくお答えできればいいのですが、診療中に個々の患者さまに詳しくご説明する時間が限られていることが多いのが実状です。

そこで、「歯に関するご質問に全力回答!」ブログをスタート! 普段の診療中によく訊(き)かれる質問に対して、この場で詳しく解説していくことを大命題として出発したブログです。このブログが、歯医者に対して患者さまが日頃抱えている疑問や不安の解消への近道になれば、と願ってやみません。

どんな些細な疑問や質問でも、お気軽にお寄せください! 患者さまの健康と幸福を支えることが私たちの役目です。どうぞよろしくお願いいたします。

 歯の痛みの原因は?のご質問に全力回答!

歯が痛い!虫歯?それとも…?? 一気に気持ちがくもってしまいますよね。ああでもない、こうでもないと原因を考えてモヤモヤ、イライラ。どうにかして気のせいってことにならないかなぁ、とまで思ってみたり。今回はそんなお悩みを解消するために、歯の痛みの原因について、歯科医として詳しく解説していきたいと思います。

その痛みの原因は…

歯に原因のある痛み

虫歯と歯肉炎

歯そのものに痛みの原因がある場合は、皆さんご存知の通り、以下のような原因が考えられます。

・虫歯

・歯周病

・歯冠・歯根破折

・知覚過敏

・親知らず

・歯髄炎

非歯原性歯痛のことです。歯の問題ではなく、顎関節、筋肉、または頭部の他の部位から発生する痛みのことを指します。例えば、ストレス、顎関節症、または頭部の神経の問題などにより、歯に関係ない箇所から痛みが発生する状態です。

それぞれを詳しく見ていきましょう。

咀嚼(そしゃく)筋・筋膜性の歯痛

顎や頭部の筋肉や筋膜部分に原因のある痛みです。

噛み合わせの異常(咬合異常)や歯並びの問題が、筋肉や筋膜に過剰な負担をかけて痛みにつながる場合、ストレスによる筋肉の緊張に起因する場合、また最近ではスマートフォンやパソコンの画面を見る頻度と姿勢による首や肩の筋肉のこわばりが原因の場合など、さまざまなケースがあります。

関連痛

このように、痛みを感じる部位と、実際の痛みの原因が異なる場所にある場合に発生する痛みのことを「関連痛」といいます。特定の神経経路によって痛みが他の部位に伝達される現象です。

関連痛は奥歯で起こることが多く、上下の歯を間違えたり、隣の歯に痛みが現れたりします。一般的には鈍い痛みが特徴です。顎関節症などによる痛みも、これに含まれます。

関連痛例

神経障害性の歯痛

中枢神経から末梢神経まで、神経のどこかに障害が起きて感じる、いわゆる「神経痛」。

突然痛みが走る「突発性神経痛」と、鈍い痛みが1日中続く「持続性神経痛」の2種類に分けられます。

突発性神経痛

前者は三叉神経が原因で起こり、うずくまるほどの激痛を伴います。

持続性神経痛

ピリピリ、ジンジンといった痛みで、帯状疱疹の後遺症が代表的ですが、何らかの原因で神経が障害されると同様の症状が出ることがあります。

神経血管性歯痛

片頭痛や発作性片側頭痛など、神経血管性の頭痛に関連して生じる歯の痛みのことです。 中でも群発頭痛は「人間が経験する最悪の痛み」などと表現され、激烈な歯痛や顔面痛を呈するとされています。

上顎洞性歯痛

頬骨の奥に位置する上顎洞の粘膜が腫れ、膿や鼻水が溜まっている状態を上顎洞炎と呼びます。 上顎洞には奥歯の神経が通っており、それが粘膜の腫れなどで圧迫されることにより、奥歯だけに強い痛みを訴えます。

上顎洞歯痛

心臓性歯痛

狭心症や心筋梗塞など、虚血性心疾患の発作に伴って歯の痛みが生じることがあります。 その際、胸や顔面の痛みと同時に生じるのが一般的ですが、中には歯痛のみというケースもあり、いずれも圧迫痛や灼熱痛が数分〜20分程度続きます。

気圧性歯痛

歯の中心部には、歯髄腔という神経を収めた空間があり、普段は内部と外の気圧が同じになるように保たれています。しかし、台風などによって急激に外の気圧が下がると、その変化に対応できずに内部に圧がかかり歯痛が起こります。

飛行機に乗った際も同様の症状が起こり、「航空性歯痛」と呼ばれています。

気圧性歯痛

精神疾患または心理社会的要因による歯痛

ストレスや疲労よって免疫が落ちたりすることで、痛みを伝える神経系統のバランスが崩れ、血液中のホルモン量が変化するなど、さまざまな原因で歯が痛むことがあります。

歯の痛みの原因を見分けるには

このように、歯の痛みの原因には様々なものがありますが、最初に歯科医の診察を受けることが大切になってきます。歯の痛みについての鑑別(見分け)についてのフローチャート(下図)もぜひご参考になさってください。

歯の痛みに関する鑑別(見分け)フローチャート

それでは虫歯以外の歯の痛みのうち代表的なものについて、もう少し詳しく解説しましょう。

歯周病

歯周病は、歯やその周りの組織に影響を及ぼすお口の中の疾患の一つです。歯周病は、歯肉炎と歯周炎の2つに大まかに分けられます。

1. 歯肉炎

・歯肉炎は歯肉(歯ぐき)の炎症を指します。

・主な症状には歯ぐきの腫れ、出血、赤み、口臭などがあります。

・歯垢(歯の表面に形成される細菌の膜。プラークとも言います。)の蓄積によって引き起こされます。

・歯垢を適切に除去し、お口の中の衛生状態を改善することで進行を防ぐことができます。

2.歯周炎

・歯周炎は歯肉炎が進行し、歯周組織(歯槽骨や歯根膜)にまで及ぶ疾患です。

・歯周炎の症状には歯ぐきの後退、歯周ポケットの形成、歯のぐらつき、歯の脱落などが含まれます。

・歯周炎は進行性の疾患なので、放置すると歯を失う可能性があります。

歯肉炎から歯周炎への進行

歯周病の原因は、主に口腔内の細菌による感染です。歯垢(プラーク)が歯の周りの組織に蓄積し、細菌の繁殖を促進し、炎症を引き起こします。歯周病の進行を防ぐために、以下の予防策が重要です。

  • 定期的な歯科検診と歯のクリーニング
  • 歯みがきとフロスの適切な使用
  • 健康的な食事を心がける
  • できるだけタバコを控える、もしくは禁煙
  • ストレスの管理

歯周病は放置すると全身の健康にも悪影響を及ぼすことがあるので、決して軽視しないことが重要です。早期診断と治療のためにも、歯科医による診察やアドバイスを受けることをお勧めします。

知覚過敏

知覚過敏は、冷たさ(冷たい食べ物・飲み物や冷たい空気など)、熱さ(熱い食べ物・飲み物や湯気など熱い空気)、甘さ、酸味などの刺激に対して過敏に反応してしまう、歯の表面の知覚異常です。知覚過敏は一般的な歯の問題であり、以下は主な原因と予防および治療法です。

主な原因
  • 歯エナメルの薄化: 歯のエナメル質が薄くなると、神経に対する刺激が直接伝わりやすくなります。
  • 歯肉の後退: 歯肉の後退によって歯の神経部分が露出し、刺激に対する感受性(外部からの刺激に対する感度)が高まります。
  • 歯垢や歯石の蓄積: 歯垢や歯石の蓄積が歯の表面を侵すことで感受性が増します。
  • むし歯や歯周病: 歯の健康問題が知覚過敏の原因となることがあります。
治療法および予防策
  • 特別な歯磨き粉: 歯医者から勧められた特別な歯磨き粉を使用すると、エナメル質を強化し、感受性を軽減できます。
  • 歯科治療: 歯医者が歯のエナメル質を強化するための処置を行うことがあります。
  • 歯のクリーニング: 歯垢や歯石の除去により感受性を軽減できます。
  • 歯肉の治療: 歯肉の健康を維持することが大切です。歯周病などの問題があれば適切な治療を受ける必要があります。
  • 知覚過敏の仕組み

知覚過敏は一般的に軽度から中程度の症状であり、適切なケアと治療によって改善できます。患者さまの感受性もさまざまですので、ぜひ歯科医に相談し、適切な治療法を見つけ、また口腔内の健康維持に努めてください。

親知らず

親知らずは、一般的に第三大臼歯(第三奥歯)とも呼ばれ、口腔内にある四つの大臼歯のうちの最後に生える歯のことで、他の大臼歯と同じく通常成人になる前後ぐらいに、上下/左右それぞれ1本ずつ計4本生えることがあります。

親知らずが生えないこともある?

実は、なかには親知らずがまったく生えない人もおり、その割合は正確な統計データはないものの、4人に1人程度と言われています。

親知らずはそのままにしたらいけないの?

一般的に親知らずは正常に生えないことが多く、親知らずが問題なく生える人の割合は3割に満たないとも言われています。以下は、そんな親知らずの問題点と処置についてです。

親知らずの生える場所

  • 生える場所: お口の中のスペースは有限で、親知らずが他の歯や歯ぐきの下に埋まってしまうことがあります。
  • 生える方向: 親知らずが他の歯に向かって成長したり、斜めに生えたりすることがあります。これは、親知らずの周辺組織に対する圧力や歯ぎしりなどの習慣によって引き起こされることもあります。
  • 感染: 親知らずが歯肉の下に埋まっている場合、食べかすや細菌が歯の周りに蓄積し、感染症を引き起こす可能性があります。
  • 痛みや不快感: 親知らずの成長や生えてる場所、生え方によっては、痛みや不快感をおぼえることがあります。
  • 抜歯の必要性: 上記のような問題が生じている場合、抜歯することがあります。抜歯が必要な場合、歯科医は患者の具体的な状況を評価し、適切な治療計画を立てます。抜歯は外科的な手術で行われ、適切な麻酔の下で行われます。
  • 親知らず生え方

不適切な生え方をしている親知らずは、他の歯や口腔組織に悪影響を及ぼす可能性があるため、歯科医のアドバイスを受けることが重要です。

ストレス

ストレスと一口に言っても様々です。歯ぎしり、筋肉の緊張、免疫力の低下、食生活の変化、肩こりなど、お口の健康に関連するストレスと、そのストレスが引き起こす歯痛を挙げていきます。

歯ぎしり

ストレスは歯ぎしりや食いしばりを引き起こすことがあります。これらの習慣は歯に圧力をかけ、歯の摩耗や歯肉の問題を引き起こす原因となります。

筋肉の緊張

ストレスは顔の筋肉の緊張を増加させ、顎関節症などの症状を引き起こすことがあります。顎が痛くなったり、顎が自由に動かせなくなったりします。この痛みが前述の関連痛(痛みを感じる部位と、実際の痛みの原因が異なる場所にある場合に発生する痛みのこと)として歯の周辺の痛みにつながることがあります。

免疫力の低下

長期にわたるストレスは免疫機能に悪影響を与えることがあります。免疫機能とは、体が病原体や異物に対抗するために働く防御メカニズムのことです。免疫力が低下すると、これら防御メカニズムが正常に働かなくなり、結果、細菌による歯周病の進行や口内炎などのお口の中の健康問題に大きく影響してしまいます。

食習慣の変化

ストレスが原因で、いつも以上に甘い食べ物や硬い食べ物が食べたくなったりすることがあるため、虫歯や歯の周辺環境にとってのリスクが高まります。

肩こり

肩こりによる全身的な筋肉の緊張は、特に肩に近い顔や口腔周辺の筋肉に影響を及ぼす可能性があります。このような筋肉の過度な緊張は、咬筋(かむ筋)などにも影響を与え、歯に不要な圧力がかかるなどして歯痛を引き起こすことがあります。また肩こりの痛みが関連痛として歯痛につながることもあります。

夜、歯が痛くなる

夜間の歯痛

人には自分が意識的に制御できない機能を調整するための神経(自律神経)があります。この自律神経には、交感神経と副交感神経の2つがあり、ざっくり言うなら交感神経は興奮状態やストレスにさらされている時に優位に、副交感神経はリラックス状態や休息時に優位になることで知られています。

副交感神経が優位になるとどうなるの?

夜間、とくに就寝時などは一般的に副交感神経が優位になるのですが、そうすると体は心拍がゆっくりになったり、血管が膨張し血の流れが円滑になったりします。ところがこの血管の膨張が神経を圧迫し、痛みを引き起こすことがあるのです。例えば、偏頭痛のような血管性の頭痛は、頭部の血管の拡張に伴う痛みです。夜間の歯痛もこれと同じ原理ですが、とりわけ就寝時には横になることで頭に血流も集まりやすくなるので、それが歯痛の原因となってしまうことがあるのです。

1日の自律神経のリズム

まとめ

なんだか歯が痛い……そんな時のご参考になりましたでしょうか。いずれにしても歯痛の原因はさまざまですので、少しでも不安に思われたら、迷わず大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科までお越しください。適切な判断の後、しかるべき治療もしくはアドバイスをさせていただきます。

歯にまつわることならどんなことでもご質問にお答えしたい。そんな思いで書いているこのブログが、患者さまの不安払拭の一助になれたなら幸いです。

虫歯治療で歯の神経を抜くべきケースとは?神経を抜くメリットも解説

2023年11月24日
歯の模型

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

虫歯治療にはさまざまあり、歯を少し削って完了というケースもあれば、神経を抜くケースもあります。「神経を抜くのはあまりにリスクが大きいのでは?」と思う方も多いでしょう。

そこで今回は、虫歯治療で歯の神経を抜くメリットやデメリットなどについて解説します。神経を抜いた歯の寿命を長持ちさせる方法についても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

歯の神経とは?

歯のイラスト

「歯の神経って具体的に何のこと?」と疑問に感じる方も多いでしょう。そこで、ここでは歯の神経の特徴や役割について詳しく解説します。

まず、歯の神経とは、歯の中に存在する歯髄(しずい)という組織のことです。歯髄には神経と血管が通っており、歯に対するさまざまな役割を担っています。

具体的には、以下のとおりです。

歯に栄養を与える

歯髄の役割のひとつが栄養の供給です。具体的には、カルシウムやミネラルなどの栄養を、血管を通して象牙質に供給しています。

外からの刺激を感知する

歯髄は、外からの刺激を感知し、脳にシグナルを送る役割も担っているのです。通常、人間が刺激として感じるものには痛い・痒いなどがありますが、歯の神経はすべての刺激を「痛い」と感じるという特徴があります。そのため、冷たいものも熱いものも「痛い」という刺激として脳に伝えているのです。

免疫反応を起こす

歯髄には防御機能も備わっています。具体的には、歯髄にある免疫細胞が細菌に抵抗した場合や、象牙質といわれる部分に刺激が加わった場合に、第二象牙質という壁をつくって刺激を遮断するのです。

虫歯治療で歯の神経を抜くべきケース

スマホを手に持ち悩む女性

「歯の神経を抜かないといけないのはどんなとき?」と疑問に感じる方も多いでしょう。虫歯治療では、歯を少し削るだけでよいケースも多くある一方で、神経を抜くケースもあります。では、どのようなケースで歯の神経を抜かなければならないのでしょうか。

結論からいうと、虫歯の進行度合いによっては歯の神経を抜く必要があります。具体的には、虫歯が歯の神経に達するほどに進行した場合に、神経を抜く必要があるのです。

なぜなら、虫歯が歯の神経にまで達すると、常に歯の痛みが続くためです。歯に何の刺激も加わってない状態でも歯が痛む場合、痛みから解放されるには歯の神経を抜くしかありません。

虫歯治療で歯の神経を抜くメリット・デメリット

水色の背景の前に置かれた丸とバツの札

「歯の神経を抜くべきか悩む」という方は多いでしょう。

虫歯治療で歯の神経を抜くメリットとデメリットについて解説します。

メリット

虫歯治療で歯の神経を抜くメリットは、以下の2つです。

歯の痛みがなくなる

歯の神経を抜くことで、痛みがなくなることが大きなメリットです。虫歯が歯の神経にまで達すると、安静にしていても痛むようになります。感染した神経が自然に治ることはなく、歯髄を構成する細胞が死滅するまで痛みが持続するのです。

その点、歯の神経をきれいに抜き取ってしまえば痛みの原因を取り除くことになるため、痛みから解放されるのです。

虫歯の進行を止められる

歯の神経が虫歯菌によって汚染された場合、虫歯はさらに進行します。何もせず放置し、歯根までダメージを受けると抜歯しなければなりません。

その点、歯の神経を抜くことで虫歯の進行を止められるのです。また、歯の神経を抜くことで抜歯にいたらず、大切な歯を保存できることも大きなメリットといえるでしょう。

デメリット

虫歯治療で歯の神経を抜くデメリットは、以下の2つです。

歯が脆くなる

歯の神経を抜くと歯が脆くなります。歯の神経である歯髄は、歯に栄養を供給して健康を維持するという大切な役割を担っています。

しかし、歯の神経を抜くと栄養供給がストップするため、歯が脆くなるのです。歯が脆くなると、少しの刺激で歯が折れることや、ひびが入ることがあります。

歯の異常に気づきにくくなる

歯の神経を抜くと、歯に刺激が加わっても痛みを感じることがありません。痛みを感じないことは一見メリットのようですが、歯に異常が起きているにもかかわらず痛みを感じないのは問題です。気づかないうちに症状が進行する可能性があります。

虫歯治療で神経を抜く方法

歯の治療器具

「虫歯治療で神経を抜く場合、どのような方法で行われるの?」と疑問に感じる方は多いでしょう。

そこで、ここでは歯の神経を抜く場合の流れについて詳しく解説します。

1.麻酔をする

2.歯を削り、神経を抜く

3.歯の根っこ内の形を整える

4.歯の根っこ内を消毒する

5.薬を詰める

6.土台を立てて被せ物を装着する

以上で治療は完了です。

歯の神経を抜くとき・抜いたあとは痛い?

クエスチョンマークとびっくりマーク

「歯の神経を抜くって痛そう」と不安に感じる方も多いでしょう。では、歯の神経を抜くときに痛みは感じるのでしょうか。また、抜いたあとに痛みを感じることはあるのでしょうか。

結論からいうと、歯の神経を抜くときに痛みを感じることはありません。なぜなら、歯の神経を抜く前に麻酔をするからです。麻酔の際に多少の痛みが発生するケースはありますが、麻酔が効いている間は痛みを感じることはないでしょう。

また、歯の神経を抜いたあとは、刺激を感知して脳に伝える役割をもつ歯髄がなくなるため、痛みを感じることはありません。

ただし、歯の神経の治療が不十分だった場合は痛みが残る可能性があります。「歯の神経を抜いたのに痛い」という方は、歯周病の進行など、虫歯以外の理由で痛みが生じていることも考えられるでしょう。

歯周病の場合は、歯ではなく、歯茎に炎症が起こって腫れなどの症状を引き起こす病気であることから、痛みが発生するのです。

神経を抜いた歯の寿命と長持ちさせる方法

歯ブラシ・フロス・歯の模型・聴診器

神経を抜いた歯は虫歯になりやすいです。また、栄養供給がストップすることから脆くなります。そのため「すぐダメになってしまうのでは?」と不安に感じる方も多いでしょう。

たしかに、神経を抜いた歯は、健康な歯に比べて10年程度寿命が短くなるといわれています。寿命の目安は5~30年ですが、より長持ちさせる方法は存在します。

神経を抜いた歯を長持ちさせる方法は、以下のとおりです。

セルフケアをきちんと行う

神経を抜いた歯は、ただでさえ虫歯になりやすい状態です。虫歯になりやすい状態であるにもかかわらず、口内環境が悪い状態が続くと、虫歯のリスクが一段と高くなります。

虫歯を予防するために大事なことは、日々のセルフケアです。歯ブラシやフロスなどを使用し、歯の汚れを徹底的に除去しましょう。三日坊主で終わるのではなく、適切なセルフケアを継続していく姿勢が大切です。

定期的にメンテナンスを受ける

誰しもが虫歯や歯周病のリスクがあります。適切なセルフケアを行っているつもりでも、少しでも歯に汚れが残っていれば、虫歯や歯周病のリスクが高くなるのです。

そのため、定期的にメンテナンスを受けることが重要です。歯科医院を受診し、細かな汚れまで徹底的に除去してもらうことで、虫歯や歯周病を予防でき、歯を長持ちさせることができます。

また、歯科衛生士から歯磨きの基本などを指導してもらうことで、より適切なセルフケアができるようになるでしょう。

まとめ

女性の口元

今回は、虫歯治療で歯の神経を抜くメリットやデメリットなどについて解説しました。

虫歯治療にはさまざまなケースがあり、症状が相当に進行した場合には歯の神経を抜かなければなりません。

無理に神経を残そうとすると、症状がさらに進行する場合や痛みが続く場合があります。そのため、歯科医師と相談し、場合によっては歯の神経を抜くという決断をすることも大事です。

歯の神経を抜くことで、歯が脆くなる場合や歯の異常に気づきにくくなる場合がありますが、その一方で痛みから解放され、症状の進行を食い止められるというメリットがあります。また、神経を抜いた歯がすぐに折れることや、ひびが入ることはないでしょう。

虫歯になりやすいという側面はあるものの、日々のセルフケアや定期的にメンテナンスを受けることで、長持ちさせることができます。セルフケアやメンテナンスを重視することで、神経を抜いた歯だけでなく、ほかの健康な歯を長持ちさせることにもつながるため、ぜひ継続しましょう。

虫歯治療でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯が欠けた!割れた!どうすればいいの?

2023年11月22日
歯が欠けた!割れた!どうすればいいの?

こんにちは!大阪府八尾市で60年!地域に根ざした歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康に関することや、歯にまつわる体のお悩みなどは、歯科医師やスタッフにとっては常識的なことでも、患者さまにとっては疑問や不安になり得るのだ、とあらためて気づかされることがよくあります。診療中には、できるだけ多くの質問に詳しくお答えできればいいのですが、実際には個々の患者さまに詳細に説明する時間が限られていることが多いのが実状です。

そこで、普段の診療中によく聞かれる質問に対して、当院のブログで詳しく解説していく「歯に関するご質問に全力回答!」ブログをスタートしました。

このブログが、歯医者に対して患者さまが日頃抱えている疑問や不安の解消への近道になれば、それは私たちの大きな喜びです。

どんな些細な疑問や質問でも、お気軽にお寄せください! 患者さまの健康と幸福を支えることが私たちの役目です。どうぞよろしくお願いいたします。

 歯が欠けたり割れたりしたら?のご質問に全力回答!

突然歯が欠けた!割れた!となると、それはもう慌ててしまいますよね。歯医者さんに行かなくちゃ!でも、どんな治療をされるんだろう? 今回はそんな不安解消のために、歯が欠けたり割れたりした場合の治療について、歯科医として詳しく解説していきたいと思います。

歯が欠ける、割れるとはどういう状態ですか?

歯は通常、大きく2つに分けられます。歯の上部を歯冠(しかん)、歯の下部を歯根(しこん)と呼びます。(ただし、解剖学的な定義と臨床的な定義には微妙な違いがあります。)臨床的には、歯茎の上に露出していて見える部分を「歯冠」、一方で歯茎に隠れていて見えない部分を「歯根」と言います。

歯が欠ける、というのは歯の一部が破損、欠損してしまうことで、歯が割れる、というのは文字通り歯にひびが入る、または割れてしまうことを言い、目に見える歯冠部分の破折(破損)である「歯冠破折」と、目に見えない歯根部分の破損である「歯根破折」とに分けられます。

破折には下のような種類があります。

破折の種類1.単純性歯冠破折

エナメル質の部分に限られるか、エナメル質および象牙質を含む破折のことで、露髄(ろずい)を伴わないもの。無症状、もしくは冷たい水やお湯で軽くしみたりします。

※露髄とは、歯髄(しずい:歯の神経と血管の結合組織)が外部に露出してしまうことを言います。

破折の種類2.複雑性歯冠破折

エナメル質、象牙質、またはセメント質にまで及ぶ破折で、露髄を伴います。冷たい水やお湯でひどくしみたり、あるいは何もしていなくても強い痛みがあります。

・歯根破折

文字通り歯の根(象牙質、セメント質、歯髄)が破折することです。冷水痛・温水痛にくわえ、出血を伴うこともあります。

歯が欠けたり割れたりする原因はなんですか?

原因はさまざまですが、以下は主な原因です。

破折の種類3.外傷や事故

事故、スポーツ中の怪我、転倒などで、顔に強い衝撃を受けると、歯が欠けたり割れたりしてしまうことがあります。場合によっては、歯がすっぽりと抜けてしまうこともあります。こういった外傷では、口唇、舌、口の中の粘膜なども傷つくことがよくあります。

破折の種類4.虫歯による歯の脆弱化

虫歯が進行すると、細菌が作り出す酸によって歯の硬い部分(エナメル質や象牙質)が溶けて歯が脆くなり、軽い力や刺激によって欠けや割れが生じてしまいます。

破折の種類5.繰り返しの虫歯治療

虫歯の治療で歯の一部を削り取ったり、充填物を設置したりという処置は、本来の歯の構造を変えるということなので、歯の弱体化にもつながります。また、神経を抜くという処置は、歯髄ごと取り去るということなので、神経だけでなく酸素や栄養素を運んでいた血管もなくなってしまい、結果、歯が弱くなり、破損しやすくなるのです。

破折の種類6.歯ぎしりや噛み物の習慣

通常何かを食べる時は、歯と歯の間に食べ物があるため、噛む力が調節されているので、歯は損傷しません。が、歯ぎしりや食いしばりでは、歯同士が直接接触し、時にはその人の体重の2倍ほどの力がかかることもあり、それが歯の破損を引き起こす原因となります。

破折の種類7.噛み合わせの異常

噛み合わせの異常がある場合、歯に過度の圧力がかかることがあります。歯は垂直方面の力には強いのですが、横からの力やこすり合わせるようなねじれた力には弱いので、かかる圧力が均等でない場合、歯の特定の部分に不均等な負荷がかかり、それによって歯が割れる可能性が高まります。

破折の種類8.治療した部分の劣化

過去に治療した部分の充填物や被せ物が劣化し、弱くなってくると、それに伴い歯に余分な負荷がかかるようになって割れやすくなります。

破折の種類9.硬い物を好む食習慣

硬い物を噛むということは顎も鍛えられていいことのように思いますが、硬い物ばかりを噛むよりも噛む回数のほうが顎には重要だと言われています。よく噛んで食べることと、硬い物を食べることは似て非なるものです。硬い物は歯に大きな負担がかかります。

破折の種類10.加齢

老化に伴う摩耗により、破折が生じる場合があります。

欠けたり割れたりした歯は自然に治りますか?

歯が欠けたり割れたりした場合、残念ながら自然に治ることはありません。歯は体の他の組織とは異なり、自己修復の能力が限られているのです。

歯が欠けた!割れた!の応急処置は?

歯が欠けたり割れたりしたら、つい気になって指で触ったり、舌でなめたりしたくなってしまいますが、損傷したところから細菌が入ったり、舌を傷つけたりすることもあるので止めましょう。また、自分で消毒をしたり、何かを詰めたりすることも、そこから神経が感染してしまう危険性もあるので止めましょう。応急処置の後は、できるだけ早めに歯科医に見てもらいましょう。

欠けた歯は歯医者さんに持っていくの?

欠けた歯が手元にある場合は、水や消毒液につけるのではなく、牛乳または生理食塩水もしくは市販の保存液につけ、乾燥しないようにした上で、できるだけ早く歯科医にお持ちください。歯の状態によっては修復できる可能性もあります。また、歯がすっぽり抜けた(脱臼)ときも、基本的には再植(もう一度もとの位置に戻す)となることが多いので、欠けた時と同様の保管法で、歯科医にご持参ください。速さが勝負です。

どうして水だとだめなんですか?

歯を再び元の位置に戻すため重要なのは、抜けた歯の根周辺にある「歯根膜(しこんまく)」という細胞が生きていることなのです。 この歯根膜は乾燥により死んでしまいます。乾燥を防ぐためなら水でもいいように思いますが、細胞を生きた状態に保つためには、できるだけお口の中と同じ環境で保管しなければなりません。そのため、生理食塩水や、その成分に似た牛乳に漬けて、細胞の延命をはかるのです。

割れた歯は抜くしかないですか?

以前は、歯が割れた場合、抜歯が唯一の解決策でしたが、近年、歯科用接着剤や治療理論・技術の進歩により、抜歯せずに歯を修復できるケースが増えています。ただし、抜歯せずに済むかどうかは特定の条件があります。また、破折後の経過時間も非常に重要で、時間の経過に比例して成功率が低下することが報告されています。

ストレスで歯が欠けますか?

ストレスが直接原因ではありませんが、ストレスによって知らず知らずのうちに歯をくいしばっていたり、寝ている間に歯ぎしりをしていたりで、歯に大きな負荷がかかり、歯の破折につながってしまうことがあります。

欠けたり割れたりした歯の歯磨きは?

歯磨きをしても問題はありませんが、破損部分はやはりもろくなっているので、できるだけやさしく磨くよう心がけてください。触ると痛い場合は、なるべく触れないようにして、早めに歯科医に見せましょう。

痛くないなら放置しても大丈夫?

欠けた部分は歯の硬い部分(エナメル質)が損なわれ、細菌などが入り込みやすくなり、感染の危険度が上がっています。舌などを傷つけることもありますし、また破損部分からさらに破折が進行することも考えられますので、痛くないからと放置せず、ぜととも早めに受診してください。

どんな処置をするのですか?

破損度合いによって大まかには下記のように処置します。

小さな欠け

歯の欠けが少ない場合、コンポジットレジンと呼ばれる材料を使用して欠けた部分を修復します。歯を削る必要が少なくて済みます。

中程度の欠け

歯の前部が中程度に欠損している場合、欠けた部分をレジンで修復するだけでは取れやすいので、プラスチックの被せ物を装着します。

大きな欠け

歯が大きく欠損しているが、神経は残っている場合は中程度の欠けと同様の処置で間に合いますが、神経を取り除かなければならない場合は根管治療を行い、その後に金属製の土台を埋め込み、クラウンを被せることがあります。

歯が折れた場合

歯の冠部分や根部分が大きく折れた場合、歯を保存するのが難しいことがあり、抜歯が必要な場合があります。抜歯後、ブリッジ、入れ歯、インプラントなどで歯を補う治療を適宜行います。

脱臼した場合

すっぽりと抜けた場合、元の位置に戻せる可能性がありますが、早い段階での治療が成功の鍵です。

歯が割れた場合

歯根が割れた場合、破折箇所、破折の方向、破折の程度によって治療が異なります。程度が軽いときは歯を抜かずにすみますが、残っている根を歯茎の切開によって掘り起こしたり、歯牙挺出(しがていしゅつ)といって残った歯を引っ張り上げる処置などを施すことがあります。

保険治療ができるかできないかは、方法や使用する材料によっても変わりますので、ぜひ前回ブログ「歯科の保険適用範囲って?」をご参照ください。

歯を保存できない時の処置をもう少し知りたいです。

歯の根を残せるか残せないかで処置も変わりますが、下記のような方法があります。

差し歯

歯根が残っている場合の治療です。残った歯の一部を削り、その上に人工の歯を被せることで、歯の形状と機能を回復する方法です。完全に歯が抜けてしまった場合にはクラウン治療は適用できず、また、歯の根部が弱くなっている場合にも根が折れたりヒビが入る危険性があり、注意が必要です。前歯など、見た目に重要な役割を果たす歯は、金属製の材料を使うのか、自然な歯の色に近い材料を選ぶのか選択していただきます。

ブリッジ

ブリッジ(橋)治療は、失われた歯の両側にある歯を支えとして、文字通り橋のように一体型の人工歯を設置する治療法です。入れ歯のような不安定さが少ないといった特長があります。ただし、この治療には元々健康な歯を削る必要があり、それにより健康な歯の寿命が短くなる可能性もあります。また、ブリッジと歯肉の間に汚れがたまりやすく、虫歯や歯周病の原因とならないよう、歯間ブラシを使うなどこまめなケアが必要です。

ブリッジについては当院の「ブリッジ治療」ページをご覧ください!

義歯(入れ歯)

お馴染みの装具で、歯をすべて失った場合の「総入れ歯」と、一部歯が残っている場合の「部分入れ歯」の2つがあります。入れ歯は比較的リーズナブルですが、自前の歯と比べて噛む力が、部分入れ歯は約30~40%、総入れ歯では約10~20%と非常に弱いといった側面もあります。また、部分入れ歯の場合、入れ歯を支えるための保持具を自然の歯に引っ掛けますが、これが歯肉や歯に負担をかけることがあり、健康な歯を損傷したり痛めたりする可能性があります。総入れ歯の場合は、上顎部分は口の粘膜に密着し、下顎部分は歯茎の上に装着されるため、食べ物の味や温度を感じにくくなることもあるのです。

入れ歯について詳しく知りたい方は、当院の「入れ歯・義歯治療」のページをご覧ください。

インプラント治療

抜歯を行った箇所(歯根も残っていない箇所)に、チタン製の小さなピンやスクリューで人工の歯根を作って歯を再建する治療のことです。差し歯や入れ歯に比べて噛む力も元の歯とほぼ同じでしっかり噛めますし、入れ歯のように違和感があったり、歯茎に当たって痛いといったこともないのが特長です。反面、保険が適用されないため高額になったり、人工歯根が馴染むまでに時間がかかったり、また、そもそもインプラント治療が施せない全身疾患などもあるので、懇切丁寧なカウンセリングが必要です。

インプラント治療について詳しく知りたい方は、当院の「インプラント治療」のページをご覧ください。

子どもの歯が割れた時は?

大人と同様です。乳歯が欠けた場合も、どうせ抜ける歯だからと放置せず、欠けた部分から虫歯になる危険性もありますし、それがこれから生えてくる永久歯に悪影響を及ぼすこともあるので、早めに歯科医の診療を受けてください。

セラミックが欠けてしまった場合?

セラミックの歯が欠けた場合も、本来の歯の時と同様です。欠けた部分は洗って保管し、歯科医にお持ちください。自然歯を保管する時のように牛乳や生理食塩水に漬ける必要はありません。

歯ぎしりは予防できますか?

歯ぎしりの最も大きな原因は「ストレス」だと言われています。またアルコールやカフェインの接種が、交感神経を高ぶらせ、興奮状態が歯ぎしりを誘発することもあります。できるだけリラックスして入眠することを心がけ、寝る姿勢は歯や歯茎に圧力のかかりにくい仰向けで寝るようにしましょう。きちんと治療する場合は、マウスピース(ナイトガード)を作成し使用しましょう。市販のマウスピースは適合が甘いことが多いので、歯科医院で作成するのがおすすめです。

まとめ

歯が欠けたり割れたりするのは緊急事態です。破損の状況によって処置はさまざまですが、何はさておき、早めに大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科へお越しください。

もりかわ歯科なら安心の365日開院です!

欠けたり割れたりした歯が自然と再生することはありません。それ以上歯が悪くならないように、できるだけ早い処置を歯科医におまかせください。私たちは未来の歯を守ります。

診療スケジュール

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診療時間
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