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口呼吸はよくない?こどもの体や歯並びに及ぼす影響と改善方法!

2024年1月19日
勉強する子供

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

こどもの口が、ぽかんと開いたままになっていることはないでしょうか。人間は鼻で呼吸をするのが正常な状態であるため、口呼吸を日常的にしていると、口の周囲や全身にさまざまな影響を及ぼします。

特に、こどものうちから口呼吸が癖になってしまうと、歯並びにも影響することがわかっています。

この記事では、こどもの口呼吸が体や歯並びに及ぼす影響について、詳しく解説します。記事の後半では、こどもの口呼吸を改善する方法についてもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

口呼吸をしているこどもの特徴

遊ぶ子供

こどもが口呼吸かどうかは、テレビを見ている時や寝ている時に、口がぽかんと開いたままになっているかで見分けられます。それ以外にも、口呼吸をしているこどもには、以下のような日常生活上の特徴や行動がみられる場合があります。

・よく口をぽかんと開けている
・いびきをかいている
・鼻がつまっている
・音を立てて食べ物を食べる
・風邪をひきやすい
・猫背などの悪い姿勢をしている

また、口呼吸をしているこどもの口腔内の特徴として、以下が挙げられます。

・歯肉が赤く腫れている
・口臭が強い
・口内炎が頻繁にできる
・唇が乾燥して、上唇だけ白っぽくなっている
・唇が乾燥しているのが気になり、よく唇を舐める
・歯並びが悪い
・前歯に着色汚れがつきやすい
・発音が不明瞭、活舌が悪い

これらの特徴が複数該当する場合、口呼吸が癖になっている可能性が高いです。

ただし、これだけでは判断が難しいため、心配な場合は耳鼻科や小児歯科へ相談しましょう。

こどもが口呼吸になる原因

歯並びが悪い子

こどもが口呼吸になる主な原因は、以下の3つです。

歯並びが悪い

口呼吸は歯並びに影響を与えますが、逆に、歯並びが原因で口呼吸になるケースもあります。例えば、出っ歯や受け口は、口が閉じにくくなるため口呼吸になりやすいです。

また、上顎の骨が小さいと舌を上げるスペースがないため、口が自然と開いてしまうケースもあります。歯並びや顎の骨の発達に問題があると、口呼吸になりやすいのです。

口の周囲の筋力が低下している

口の周囲には、口輪筋や舌筋などの筋肉があります。これらの筋肉がしっかりと使われず、筋力が低下すると口呼吸になりやすいです。

口輪筋は口を開閉したりする時に使われる筋肉です。口輪筋の筋力が低下すると、口を閉じたままの状態にするのが難しくなります。

舌筋は舌を持ち上げる時に使われる筋肉です。舌の正しい位置は、上顎にぴったりくっついている状態です。舌筋の筋力が低下すると、舌が下がり、口が閉じにくくなります。

口周囲の筋力の低下は、生活習慣が大きく関わっています。柔らかいものを好んで食べ続けていると、噛む時に使う筋肉が衰えてしまうのです。

こどもの頃から噛む力を身につけ、口周囲の筋肉を鍛えて発達させることが大切です。

鼻の疾患がある

花粉症やアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などで鼻づまりの状態が続いている場合は、鼻呼吸がしづらいため口呼吸の癖がつきやすくなります。このような場合、まずは耳鼻科を受診して、原因となる疾患の治療をすることが重要です。

口呼吸がこどもの体や歯並びに及ぼす影響

虫歯

口呼吸は口の周囲だけでなく、全身にも悪影響を及ぼします。具体的には、以下のような悪影響を与えます。

虫歯や歯周病になりやすくなる

口呼吸が習慣化すると、口腔内が乾燥し、唾液の機能が十分に働きません。唾液には、以下のような働きがあります。

・口腔内に残った食べかすを洗い流す
・食事で酸性になった口腔内を中和する
・歯の表面を再石灰化する
・抗菌作用により、細菌の増殖を抑える

唾液には虫歯や歯周病を予防するためのさまざまな作用があります。

しかし、口呼吸により口腔内が乾燥すると、唾液の分泌量が減少します。虫歯や歯周病を引き起こす原因になるでしょう。

口臭が強くなる

こどもの口臭の原因で一番多いのは、口呼吸です。口呼吸により口腔内が乾燥すると、虫歯菌や歯周病菌が口腔内にとどまって繁殖します。

口腔内の細菌が、食べ物のカスや剥がれ落ちた粘膜のカスなどに含まれるたんぱく質を分解・発酵し、その過程で生じるガスが口臭の原因となります。

歯並びが悪くなる

成長期に口呼吸が癖になってしまうと、顎の骨の発育に影響を及ぼします。こどもの顎の骨は、内側から舌で押し広げ、顔の筋肉が外側に引っ張られることで横に広がります。

しかし、口呼吸をしていると顔の筋肉が緩み、外側へ広がる力が小さくなるのです。その結果、顎の骨は横ではなく、上下方向にのみ大きくなります。

このように、面長で口をぽかんと開けて顔の筋肉の緊張が緩んでいる顔つきを、アデノイド顔貌と呼びます。顎の骨が横に広がらないと歯が生えるスペースが十分に確保されず、狭いスペースに歯が押し合って生えてしまい、結果的に歯並びが悪くなります。

風邪をひきやすくなる

人間は、鼻で呼吸をするのが通常の状態です。鼻で息を吸うときに、粘膜や鼻毛によって空気中の埃や花粉、細菌、ウイルスなどの異物を除去します。同時に、乾燥した冷たい空気を加湿し、のどや肺への刺激を少なくする役割もあります。

しかし、口で呼吸をすると、これらの機能が働きません。乾いた空気が口から直接入り、のどの粘膜が乾燥します。空気と一緒に吸い込んだ細菌やウイルスが直接気道に入りやすくなることで、風邪をひきやすくなります。

いびきや睡眠時無呼吸症候群を生じやすくなる

睡眠時に口呼吸になると、舌が正常な位置よりも奥に下がり、気道に落ち込みやすくなります。気道が舌に塞がれて狭くなると、いびきや睡眠時無呼吸症候群を生じます。

特に、こどもの頃に口呼吸が癖になると、顎が十分に発育せず下顎は小さいままです。下顎が小さく後退していると、舌も同様に後退するでしょう。いびきや睡眠時無呼吸症候群を引き起こす要因となります。

集中力や注意力が低下しやすい

口呼吸は鼻呼吸と比べると、1回の呼吸で取り込む酸素の量が少ないです。そのため、脳に十分な酸素が供給されず、集中力と注意力が低下します。

こどもの頃から口呼吸が癖になっている場合、集中力や注意力の低下だけでなく、日中のさまざまな行動や精神活動にも大きな影響を与える恐れがあります。

こどもの口呼吸を改善する方法とは?

 

歯科検診を受ける女の子

鼻炎や副鼻腔炎などの鼻づまりが原因で口呼吸が生じている場合は、まず耳鼻科を受診しましょう。原因となる疾患の治療を優先して行います。

歯並びや噛み合わせが悪く口呼吸をしている場合は、小児歯科を受診しましょう。歯並びが原因で口呼吸となっている場合は、歯列矯正をすることで改善する場合もあります。

しかし、歯列矯正だけでなく、同時に口呼吸の習慣も改善する必要があるでしょう。口呼吸の改善には、MFT(口腔筋機能療法)が有効です。

MFTは歯並びに関係している舌や唇、頬などの口腔周囲筋の機能を改善する訓練方法で、顎の骨の発達を促します。

ここでは、こどもでもできる口呼吸の改善方法について解説します。

あいうべ体操

あいうべ体操とは、「あーいーうーべー」と口を大きく動かす体操です。口を上下や左右に大きく開けて動かすことで、舌の筋肉や口の周囲の筋肉が鍛えられ、口を閉じる筋力がつきます。

以下の①~④を10回1セットとして、1日3セットを目安に行いましょう。

①「あー」と口を大きく開ける
②「いー」と口を横に大きく広げる
③「うー」と口をすぼめて前に突き出す
④「べー」と舌を下に伸ばす

口が「あーいーうーべー」の形になっていれば、声を出す必要はありません。

口の周囲の筋肉を使った遊びをする

風船を膨らませたりシャボン玉を吹いたりする遊びは、口の周囲の筋肉を使って、息を吹き込まないとできない遊びです。このように遊びの中にトレーニングを取り入れることで、楽しみながら口の周囲の筋肉を鍛えられます。

寝るときに市販のテープを口に貼る

ドラッグストアでは、鼻呼吸へ移行させるための「鼻呼吸テープ」が販売されています。このテープは睡眠時に口に貼ることで、口呼吸から鼻呼吸への移行を促します。

また、鼻腔を広げる「鼻腔拡張テープ」も、鼻呼吸に移行するのに有効です。

鼻呼吸を意識的に行う

鼻呼吸を意識的にすることで口が閉じられ、口の周囲の筋肉を鍛えられます。歯並びに問題がなく、鼻づまりを引き起こす疾患がない場合は「口を閉じて鼻で呼吸をしようね」と時々声掛けをするだけで口呼吸が改善することもあります。

まとめ

親子

こどもの頃から口呼吸が癖になってしまうと、歯並びだけでなく、全身にさまざまな影響を及ぼします。そのため、早いうちに口呼吸から鼻呼吸に移行させるのが望ましいです。

しかし、こどもの努力だけでは、口呼吸を改善できないケースもあります。鼻づまりを引き起こす疾患や、歯並びが原因で口呼吸となっている場合は、耳鼻科や小児歯科を受診する必要があります。

こどもの口呼吸が治らない場合は、まずは診察をして必要な治療やアドバイスを受け、鼻呼吸ができるようにサポートをしてあげましょう。

お子様の口呼吸にお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯の矯正はやったほうがいい?

2024年1月17日
歯の矯正はやったほうがいい?

大阪府八尾市に60年、地域に根ざす歯科医院「医療法人甦歯会 もりかわ歯科」です。

当院は、患者さまの歯科に関する疑問や不安を解消できるよう、真摯に向き合い、丁寧な説明を心がけています。

また、歯科医師やスタッフとのコミュニケーションが不足しがちな中、このブログを通じて患者さんとの新たな対話の場を提供し、理解を深めるお手伝いができればと考えています。

日常生活での歯のお手入れや健康に関する知識は、自身の歯科状態を理解し、適切なケアを行う上で非常に重要です。

そこで、このブログでは、歯にまつわる基本的な情報から、診療に関する細かな疑問まで、幅広いトピックをカバーしています。

患者さまがより良い歯科ケアの選択ができるよう、専門的な情報を分かりやすくお届けします。

ご質問や疑問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

「歯の矯正はやったほうがいい?」の質問に全力回答!

今回は、歯の矯正について、一体どんな種類があるのか?よくいただく質問に対し全力でお答えしていきます!

歯の矯正とは

歯の矯正(歯列矯正)は、歯や顎の不正な配置や咬み合わせを改善するための治療です。歯の矯正は、美容的な観点だけでなく、噛み合わせや咬み合わせの不良を修正し、口腔機能を向上させるためにも行われます。

以下は、歯の矯正に関するいくつかの一般的なポイントです。

歯の不正な配置の修正

歯が過剰に突出していたり、逆に奥に隠れていたりする場合、それを適切な位置に移動させることが目的です。

咬み合わせの修正

上顎と下顎の咬み合わせが正しくない場合、それを調整して正確な咬み合わせを得ることが重要です。これにより、食べ物を噛むときや発音などの口腔機能が向上します。

美容的な見た目の向上

歯の矯正は、患者様の外観を改善するのにも寄与します。歯並びが整っていると、自信を持つことができ、口元の美しさが向上します。

歯の矯正にはさまざまな方法があります。従来のブラケット矯正やワイヤー矯正が一般的ですが、近年では透明なアライナー(Invisalignなど)や裏側から見えない裏側矯正など、目立たない方法も増えています。

歯の矯正は一般的に歯科医師または矯正歯科専門医によって行われ、患者様に合わせた個別の治療計画が立てられます。

治療期間は症状の程度により異なりますが、数ヶ月から数年にわたることがあります。

歯の矯正の種類について

歯の矯正にはいくつかの異なる種類があり、患者様の状態や希望によって選択肢が異なります。以下に、一般的な歯の矯正の種類を紹介します。

従来のブラケット矯正(Metal Braces)

従来のブラケット矯正(Metal Braces)

  • 金属製のブラケットとワイヤーを使用して歯を移動させる方法です。
  • 強力で効果的ながら、目立つことが欠点です。

セラミック製ブラケット矯正(Ceramic Braces)

セラミック製ブラケット矯正(Ceramic Braces)

  • 透明または歯の色に近いセラミック製のブラケットを使用して、見た目が従来のブラケットよりも目立ちにくくなっています。
  • 効果的で外見への影響を軽減できるため、大人や外見に敏感な患者に人気です。

裏側矯正(Lingual Braces)

裏側矯正(Lingual Braces)

  • ブラケットとワイヤーを歯の裏側に取り付ける方法です。外部からは見えません。
  • 見た目の配慮が必要な方に向いていますが、矯正の過程がやや複雑になることがあります。

透明アライナー矯正(Clear Aligners)インビザラインなど

透明アライナー矯正(Clear Aligners)インビザラインなど

  • 透明で取り外し可能なプラスチック製のマウスピースを使用して歯を移動させる方法です。
  • 取り外し可能で保守的な治療が可能で、見た目が目立ちにくいため、特に大人に人気があります。

これらの矯正法はそれぞれ異なるメリットやデメリットがあり、歯科医師は患者様の歯の状態や希望、ライフスタイルに基づいて最適な提案をします。治療の期間やコストも異なるので、矯正を考える際には歯科医師との相談が重要です。

 

もりかわ歯科ではインビザライン矯正を中心に矯正治療を行っております。
是非一度もりかわ歯科の矯正無料相談へお越しください。

歯の矯正をやった方がいい人は?

歯列矯正を行った方がいい人は、以下のとおりです

  • 歯並びが乱れている人
  • 虫歯や歯周病のリスクが高い人
  • 発音に影響が出ている人
  • 見た目にコンプレックスを感じている人

具体的には、以下のような歯並びや噛み合わせが適応症となります

  • 叢生(くっつき歯)
  • 開咬(すきっ歯)
  • 深咬み(受け口)
  • 反対咬合(出っ歯)
  • 不正咬合(噛み合わせが悪い)

また、顎の成長段階にある子供や若者は、歯列矯正による治療効果が高い傾向があります。

歯列矯正の治療期間は、一般的に1~3年程度です。治療中は、矯正装置の装着や取り外し、食事や歯磨きなどの生活習慣の注意など、自己管理が重要です。

歯列矯正は、歯並びや噛み合わせを改善し、健康や美容に役立つ治療です。歯並びに悩んでいる方は、一度もりかわ歯科の無料相談へお越しください。

もりかわ歯科の矯正無料相談はこちら

矯正した方がいい理由は何ですか?

歯の矯正が必要かどうかは、個々の歯や顎の状態により異なります。以下は、歯の矯正が検討される一般的な状況です。ただし、最終的な判断は歯科医師によるものでなければなりません。

歯並びの不正

  • 歯が過剰に突出していたり、収束していたり、他の歯との噛み合わせが不正確な場合、矯正が考慮されます。

咬み合わせの不良

  • 上顎と下顎の咬み合わせが合っていない場合、食事や発音の障害、または顎関節の問題が発生する可能性があります。

空隙や歯の間隔

  • 歯と歯の間に過剰な空隙がある場合、または歯と歯の間に適切な間隔がない場合、矯正が検討されます。

不正咬合(かみ合わせ)

  • クロスバイト(歯が適切に噛み合わない状態)やオーバーバイト(上顎の歯が下顎の歯よりも突出している状態)などの不正咬合がある場合、治療が必要です。

顎の成長期

  • 特に子供や思春期の成長期に、顎の成長に合わせて矯正を行うことがあります。

美容的な理由

  • 歯の見た目が気になり、外見を改善したいと考える場合、矯正が一つの選択肢となります。

歯の状態や口腔の機能に関する問題がある場合、歯科医師に相談して詳しい検査や評価を受けることが重要です。歯科医師は患者の個別の状態を考慮し、最適な治療プランを提案します。

そもそも歯並びがいい人は何割くらいいるの?

インビザライン・システムを提供するアライン・テクノロジー・ジャパン株式会社が行った調査によると、日本に住む外国人100名に日本人の歯並びに対する印象を尋ねたところ、「良い」と回答したのはわずか4%でした。一方、「悪い」と回答した人は76%に上りました。

日本に住む外国人100名に聞いた「日本人の歯並びに対する印象」

この結果は、日本人と外国人の歯並びに対する意識の違いを如実に表しています。欧米では、歯並びは美しさや健康の象徴として捉えられており、矯正治療を受けることで社会的な成功につながると考えられる人も多いようです。一方、日本では、歯並びに対する意識が欧米に比べて低い傾向があります。

もちろん、日本人の歯並びがすべて悪いわけではありません。しかし、欧米と比べると、叢生(デコボコ)や出っ歯、受け口などの歯並びの乱れが目立つ傾向にあることは事実です。

この結果を踏まえると、日本人の歯並びに対する意識を高めるとともに、矯正治療の普及を図ることが、日本人の歯並びの改善につながると考えられます。

矯正女子は男子にウケるの?

矯正女子は男子にウケるの?

矯正女子は、歯並びを改善しようとする姿勢や、美意識の高さから、男性から好印象を持たれるケースが多いようです。また、矯正中は歯並びがきれいになっていくため、男性から「これからが楽しみ」と思ってもらえることもあります。

歯の矯正をしないとどうなるか?

正常な噛み合わせでは、上顎と下顎の歯が適切に噛み合うことで、咀嚼時の力が分散され、歯の損傷を防ぎます。しかし、噛み合わせが悪いと、特定の歯に力が集中し、歯の摩耗や破折のリスクが高まります。また、歯の破折は、歯周病や虫歯のリスクを高めるため、歯を失う可能性も増加します。さらに、噛み合わせが悪いと、顎の関節に負担がかかり、顎関節症の原因となることもあります。

大人になってからの矯正のデメリットは?

大人が歯列矯正する際には、以下の4つのデメリットがあります。

1.痛み

歯列矯正は、歯に力をかけて移動させるため、治療中は痛みが生じることがあります。特に、治療開始直後やワイヤーの交換直後は、痛みが強くなることがあります。

2.見た目

歯列矯正には、矯正装置を装着する方法と、歯を削って被せる方法があります。矯正装置を装着する方法は、矯正期間中は装置が目立つため、見た目を気にされる方もいらっしゃいます。

3.虫歯や歯周病のリスク

歯列矯正中は、矯正装置に汚れが付きやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。そのため、丁寧な歯磨きや定期的な歯科検診が重要です。

4.歯肉退縮や歯根吸収のリスク

歯列矯正中は、歯を動かす際に歯根に負担がかかるため、歯肉退縮や歯根吸収のリスクがあります。歯肉退縮は、歯茎が下がって歯根が露出する症状です。歯根吸収は、歯根が溶けるように短くなる症状です。

これらのデメリットを理解した上で、歯列矯正を検討することが大切です。

大人の矯正は何歳までできますか?

大人の歯の矯正は、一般的に年齢に厳格な制限はありません。歯科矯正は基本的にどんな年齢でも行うことができますが、成長が完了していることが前提条件となります。通常、骨の成長が終わるのはおおよそ18歳から25歳までで、この時期までに歯科矯正を開始することが一般的です。

ただし、成人でも歯の動きを改善するために矯正治療が行われることがあります。成人の場合、歯の位置を変えるためには骨の再構築が難しくなることがあるため、治療期間が若干長くなることがあります。また、成人の場合は歯茎や顎の骨の問題も考慮する必要があります。

 

マウスピース矯正は取り外し可能で、ストレスが少ないため、虫歯や歯周病の予防など、口内の健康管理が容易になります。この治療法は歯周病のリスクが高いご高齢の方にもお勧めできます。

 

もりかわ歯科では歯並びを治して全身を正す「口腔内から全身へ」をテーマに歯列矯正に取り組んでおり、骨格の専門家とも連携しております。

大人の歯並びは自然に治りますか?

結論からいうと、悪い歯並びは自然に治ることがありません。 なぜなら、今の状態がその人の歯並びとして自然だからです。 もちろん、理想的な歯並びではありませんが、現状の顎の形・歯の本数・歯の大きさでは、そうした歯列にならざるを得ないのです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

「歯の矯正はやったほうがいい?」の質問に全力回答していきました!
このブログをご覧いただいても疑問が解決されない方は、お気軽にもりかわ歯科の無料矯正相談をご活用ください。

もりかわ歯科の矯正無料相談はこちら

大阪府八尾市にある歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科では日々の診療で患者さまとの対話を大切にし、お一人お一人に合わせた治療を行っております。

歯に関する心配事がございましたらいつでも大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科へお越しください。

 

歯列矯正をお考えの方へ。
当院では矯正無料相談を実施していますので、お気軽にお問い合わせください。

詳しくは当院ホームページにあるマウスピース矯正ページをご覧ください。

前歯の裏に虫歯ができた!原因や治療法、予防法を解説!

2024年1月12日
前歯の虫歯チェック

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「前歯の裏に虫歯ができたらどうしたらいいの?」「前歯の裏の虫歯を予防する方法はある?」など、疑問をおもちの方がいるのではないでしょうか。

前歯の裏の虫歯は、見つけにくく、治療も複雑になる可能性があります。前歯の裏は特に磨き残しが多い部分なので、注意しなければなりません。

今回は、前歯の裏に虫歯ができる原因や治療法、予防法について詳しく解説します。

前歯の裏が虫歯になる原因とは?

前歯の裏の虫歯

前歯の裏は歯ブラシが行き届きにくいため、磨き残しが発生しやすく、また唾液に触れにくいため乾燥しやすい部分です。磨き残しや乾燥によって虫歯になるリスクが高まります。

前歯の裏が虫歯になる原因について、以下に詳しく解説します。

磨き残しが生じやすい

前歯の裏はふだんの歯磨きで見落としやすい部分です。上の前歯の裏をしっかり確認するためには、小さなミラーを使って口の中を確認することが有効ですが、実際に使用する方はほとんどいないでしょう。

上の前歯の裏には「舌側面窩」というくぼみや、歯茎に近い部分には「基底結節」というふくらみができます。このくぼみやふくらみに汚れが付着しやすく、ブラッシングが不十分だと虫歯になる可能性があるのです。

また、前歯の裏に「舌盲孔」という溝がある方もおり、舌盲孔があるとさらに虫歯になるリスクが高くなります。

唾液にさらされにくい

前歯の裏が虫歯になる原因には、唾液の分布も関係しています。口の中は常に唾液で潤っていますが、唾液は主に舌や口唇周辺に溜まりやすく、上の前歯には比較的少ない状態です。

唾液には、さまざまな酵素が含まれており、自浄作用や抗菌作用があります。唾液によって虫歯を引き起こす菌の活動を抑制し、歯の表面に蓄積するプラークや歯石を減少させ、結果的に虫歯ができにくい環境になるのです。

しかし、上の前歯には唾液が届きにくく、乾燥しやすいため、虫歯になりやすいのです。また、口呼吸の習慣があると、口腔内がさらに乾燥しやすくなるでしょう。口を開けた状態でいると口内が乾燥するため、虫歯のリスクが高まります。

したがって、口呼吸の習慣を改善することも、前歯の裏の虫歯を予防するためには大切な対策といえるでしょう。

前歯の裏が虫歯になったときの治療法

前歯の裏の虫歯の治療

前歯の裏が虫歯になったときはどのように治療するのでしょうか。前歯の裏が虫歯になったときは虫歯部分を除去し、詰め物・被せ物をします。前歯の裏の虫歯を治療する方法には、保険適用のものと自費診療のものがあります。

以下にそれぞれ解説しましょう。

保険適用の場合

保険適用で前歯の裏の虫歯治療を行う場合は、以下の方法が用いられます。

コンポジットレジン

前歯の裏の比較的小さな虫歯であれば、虫歯部分を取り除いたあとにコンポジットレジンという素材を詰めるのが一般的です。コンポジットレジンは、天然の歯質に近い色合いと硬度をもち、見た目も自然な仕上がりになります。

しかし、コンポジットレジンには吸水性があるため、時間の経過とともに変色する可能性があるのです。また、歯と詰め物のすき間に虫歯菌が入り込み、再び虫歯になる可能性もあります。

レジン前装冠

虫歯が神経まで到達している場合、治療はより複雑になります。

虫歯が神経まで到達している場合は、虫歯菌に感染した神経を取り除く処置が必要です。神経を取り除いたあと、コアと呼ばれる土台を歯に合着させ、その上に被せ物(クラウンやブリッジ)をセットします。

保険が適用される被せ物が、レジン前装冠です。レジン前装冠は、土台は金属、表面はレジンで作られています。レジン前装冠は、数年間は違和感なく使えますが、経年変化により黄ばみが生じるという点はデメリットといえるでしょう。

さらに虫歯が進行し、歯の保存が不可能になると、虫歯になった前歯を抜歯することがあります。抜歯後の選択肢は、ブリッジ・入れ歯・インプラントなどです。

自費診療の場合

自費診療で前歯の裏の虫歯治療を行う場合、以下の方法が用いられます。

ダイレクトボンディング

前歯の裏が虫歯になった場合の治療法の一つにダイレクトボンディングがあります。ダイレクトボンディングのメリットは、歯の色彩をより自然に再現できることです。

歯は単一の色で表現することはできず、特にエナメル質の透明度に注目すると、歯の切縁から歯肉側にかけて色調や明度にグラデーションが存在します。

ダイレクトボンディングでは、複数のレジンを用いることでこのグラデーションを再現できるのです。セラミック粒子を含むハイブリッドレジンを用いるため、通常のレジンに比べて強度も高くなります。

セラミック

保険が適用されるレジン前装冠には、経年変化によって黄ばむという欠点があります

一方、セラミックは経年変化による変色がほとんどありません。また、レジンと比べて透明感やツヤをより自然に再現できます。さらに、セラミックは傷がつきにくく、レジンに比べてプラークも付着しにくいため、口腔衛生上も優れているのです。

このように、セラミックは美しさだけでなく、長期的な耐久性や口腔衛生の観点からも、前歯の裏の虫歯治療において有効な選択肢といえるでしょう。

前歯の裏の虫歯を予防する方法

前歯の裏の虫歯を予防するケア用品

上述のとおり、前歯の裏は虫歯になりやすいため、予防が非常に重要です。

ここでは、前歯の裏の虫歯を予防する方法について解説します。

しっかりと歯磨きを行う

前歯の裏の虫歯を予防するためには、歯磨きが非常に重要です。食後はしっかりと歯磨きをして、食べかすやプラークを除去しましょう。

また、一日のなかで最も重要なのは、就寝前の歯磨きです。夜間は唾液の分泌が減少し、虫歯菌が活動しやすくなるため、就寝前には特に丁寧に歯磨きを行いましょう。歯磨きをするときは、前歯の裏側もしっかり磨いてください。

歯間ブラシやデンタルフロスを使用する

歯ブラシだけでは歯と歯の間などの細かな部分に付着した汚れをきれいに除去できません。歯間ブラシやデンタルフロスを使用することで、細かな部分に付着した汚れも除去できます。

上述のとおり、前歯の裏のくぼみやふくらみには汚れが付着しやすいです。歯間ブラシやデンタルフロスを使用して、前歯の裏のくぼみやふくらみ、歯と歯の間に付着した汚れを除去しましょう。

フッ素入りの歯磨き粉・洗口液を使用する

フッ素には、虫歯菌の活動を抑制し、溶けた歯の修復を促進する効果があります。

また、フッ素は歯質を強化し、虫歯になりにくい状態を作り出します。日々のオーラルケアにフッ素入りの歯磨き粉を使用することで、歯の表面に保護層を形成し、虫歯菌から歯を守ることが可能です。

また、食後や就寝前にフッ素配合の洗口液を使用するとより効果があります。フッ素の効果を最大限に活かすためには、使用量を守り、定期的に使用することが重要です。

甘い物の摂取を控える

甘い物の摂取を控えることは、前歯の裏はもちろん、すべての歯の虫歯予防に有効です。

日常的にお菓子やジュースを頻繁に摂る習慣がある場合、これを減らすだけでも虫歯予防に効果があります。甘い物に含まれる糖分は、虫歯菌の栄養源となり、酸を生成して歯を溶かす原因となるためです。

また、食事やおやつをだらだらと長時間にわたって食べ続けることも避けましょう。長時間にわたる食事は口の中が酸性状態になりやすく、虫歯のリスクを高めます。食事をするときは一定の時間内で済ませ、食後はしっかりと口をすすぐか歯を磨いてください。

定期的に歯科医院でクリーニングを受ける

自宅でのセルフケアに加えて、歯科医院で定期的なクリーニングを受けることも非常に重要です。プロによるクリーニングを受けることで、自宅でのケアだけでは落としにくいプラークや歯石を除去でき、歯の健康状態を維持することができます。

3~6か月に1回は歯科医院を受診し、クリーニングを受けるとよいでしょう。定期的に歯科医師に口腔内の状態をチェックしてもらうことで、虫歯の早期発見にもつながります。特に、ご自身では見えにくい前歯の裏のような部分は、歯科医院でのチェックが重要です。

まとめ

前歯の虫歯の治療をした女性

今回は、前歯の裏に虫歯ができる原因や治療法、予防法について解説しました。

前歯の裏は磨き残しが発生しやすく、また乾燥しやすいため、虫歯になりやすいです。前歯の裏が虫歯になったときは、虫歯部分を除去したあとに詰め物や被せ物をします。

前歯の裏の虫歯を予防するためには、しっかりと歯磨きをすることが非常に重要です。歯磨きをする際は、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスも使用しましょう。フッ素入りの歯磨き粉や洗口液を使用するのも効果的です。

また、定期的に歯科医院でクリーニングを受けることも虫歯予防につながります。3~6か月に1回の頻度で歯科医院を受診し、クリーニングを受けましょう。

虫歯にお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯ぎしりの対策は?歯ぎしりをなくせばエラ張りも改善する? 

2024年1月10日
歯ぎしりの対策は?歯ぎしりをなくせばエラ張りも改善する?

こんにちは!八尾市で60年、地域密着でがんばる歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康に関する悩みや、歯にまつわる身体の問題は、それぞれ異なります。歯科医師やスタッフが知っている情報でも、患者さまにとっては疑問や不安になることがあります。診療中には個々の患者さまに詳しく説明する時間が限られていますが、どうにかしてできるだけ多くの質問に詳しくお答えできないだろうかと考えました。

そこで、「歯に関する全力回答!」ブログをスタート! 診療中に頻繁にいただく質問について、こちらで詳しく解説していきます。このブログが、歯にまつわる疑問や不安を解消する患者さまの手助けになれば嬉しいです。

歯ぎしりってどんなもの?

歯ぎしり(ブラキシズム)とは、上と下の歯を強くこすり合わせたり、ぎゅっと強くかみしめる悪習慣(習癖)のことを指します。この癖は無意識に行われているため、本人が気づかずしていることが多いです。

歯ぎしりは、その多くが就寝中に行われているのですが、日中、無意識のうちに歯を強くかみしめている場合も、歯ぎしりとして分類されます。

歯ぎしりする人って多いの?

年齢によっても違いますが、日本人では、だいたい10人に1人が歯ぎしりをしているとされています。20代よりも30代、30代よりも40代…と歯ぎしりをする人が増えていき、また男性と女性では男性のほうがより歯ぎしりをする傾向にあると言われています。

歯ぎしりの種類を教えて

歯ぎしりには、下のような種類があります。

歯ぎしりの種類

 グラインディング(磨耗型)

上下の歯をこすり合わせるタイプの歯ぎしりです。最も一般的で、歯ぎしりというと、このタイプをイメージすることが多いでしょう。ギリギリと音が出ることが多いため、睡眠中の歯ぎしりを家族に指摘されることもあります。

クレンチング(咬みしめ型)=食いしばり

上下の歯を強くかみしめる、つまり食いしばるタイプの歯ぎしりです。音が出ないことが多いため、本人も気づかずに行っていることが多いです。寝ている時だけでなく、日中に行っていることもあります。

タッピング(衝撃型)

上下の歯をぶつけ合うタイプの歯ぎしりです。カチカチ、カンカンといった音が出ることが多いため、家族に指摘されることもあります。

ナッシングタイプ(きしませ型)

特定の歯の場所で上下の歯をこすり合わせるタイプの歯ぎしりです。音は出ないか、もしくはキリキリといった、グラインディングよりも小さな音がします。

 

また、これらの種類を組み合わせて行う場合もあります。

 

歯ぎしりするとどうなるの?

歯ぎしりは、歯もちろん歯の周辺組織や顎にとってさまざまな悪影響があります。以下は歯ぎしりが引き起こす症状です。

歯の摩耗(すり減り)や変形

歯が強くこすり合わされることで、歯の表面が摩耗しやすくなります。これが進むと、歯の形状が変わり、歯の機能や寿命に影響を与える可能性があります。

歯ぎしりで摩耗した(すり減った)歯

歯の詰め物や被せが欠ける

歯ぎしりによって、歯に強い力が加わると、その力によって、歯の詰め物や被せが割れたり、欠けたり、取れたりすることがあります。また、上記のように歯の表面がすり減ったり、歯の形が変わったりすれば、歯の詰め物や被せがぴったりと合わなくなり、取れやすくなります。

歯周病が悪化する

歯ぎしりによる歯の強い圧力は歯周組織にも影響を与え、歯茎や顎の周りの組織に炎症などのダメージを引き起こすことがあります。

顎関節症の症状が出る

歯ぎしりが続くと、顎の関節に負担がかかり、顎関節症のリスクが高まります。顎関節症は、痛みが出たり、顎の開閉がしにくくなるなどの症状が出ます。

歯並びが悪くなる

歯ぎしりによって、歯に強い力が加わると、その力によって、歯の向きや位置が変化することがあります。

歯ぎしりってどのぐらいの力がかかるの?

普段食べ物を噛む力(咬合力)は、女性で40kg程度、男性で60kg程度とされています。つまり、だいたい自分の体重ぐらいと言えます。では、歯ぎしりの場合はというと、食事の時の約3倍以上の力が加わっているとされ、女性では約100〜200kg、男性では約200〜300kg、人によっては1tもの荷重がかかっていることもあると言われています。

噛む力と歯ぎしりでかかる力

歯ぎしりの原因は?

歯ぎしりの原因としては、大まかに下のようなものが挙げられます。

ストレスや緊張・不安など

歯ぎしりは、ストレスや緊張などの精神的な要因によって引き起こされることが多いと言われています。精神的なストレスや緊張によって、顎の筋肉が緊張し、歯を食いしばったり、強く噛みしめたりするようになるようです。

歯並びや噛み合わせ

噛み合わせ(咬合)が不安定な場合、歯が強く擦(こす)り合わされることがあります。

また歯並びや咬み合わせが悪いと、歯の接触面積が少なく、力が集中しやすいので、歯ぎしりによる影響を受けやすいと言われています。

歯並びや噛み合わせも歯ぎしりの原因のひとつ

遺伝的な要因

遺伝的要因によっても引き起こされる可能性があります。家族に歯ぎしりをする人がいると、自分も歯ぎしりをする可能性が高いと考えられています。

その他の要因

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(OSAS)などが原因の場合があります。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まったり、低下したりする睡眠障害ですが、睡眠中に酸素の供給が不足する(低酸素血症)ため眠りが浅くなり、眠りが浅くなると筋肉の緊張が解けにくくなり、結果、歯ぎしりを引き起こしやすくなるというわけです。

カフェインやアルコールの過剰摂取

カフェインやアルコール摂取自体が直接歯ぎしりに関係しているのではなく、カフェインが交感神経を刺激し、覚醒を促すと、筋肉の緊張が高まって歯ぎしりが引き起こされやすくなったり、アルコールを摂取することで、脳の働きが抑制され、睡眠の質が低下したことにより、筋肉の緊張が解けにくくなって、結果歯ぎしりにつながりやすくなると考えられています。

カフェイン・アルコールの過剰摂取も歯ぎしりに関係

また、歯ぎしりを起こしやすい要因(リスク因子)の確率比は下図が目安になるでしょう。

歯ぎしりの要因(リスク因子)確率比目安

歯ぎしりしやすい人ってどんな人?

上記のように、歯ぎしりの主な原因のひとつとしてストレスが挙げられていることから、次のような性格の人が歯ぎしりをしやすいと考えられています。

  • 真面目で責任感が強い人
  • 完璧主義な人
  • 競争心が強い人
  • 頑張りすぎる人
  • ストレス発散がうまくできない人
  • 緊張しやすい人
  • 不安を感じやすい人
  • イライラしやすい人

いずれも、ストレスを溜め込みやすい人が歯ぎしりをしやすい傾向にあると言えます。

ストレスを溜め込みやすい人は要注意

歯ぎしりするのは熟睡していない証拠ですか?

睡眠にはレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)があり、人は睡眠中これらを交互に繰り返しています。ノンレム睡眠はさらにその眠りの深さによって3または4段階に分けられますが、最近ではこの「浅いノンレム睡眠」時に歯ぎしりが起こりやすいとされています。歯ぎしりをするからと言って、「深いノンレム睡眠(熟睡)」に移行していないということにはなりません。

歯ぎしりの起きやすい睡眠状態

こどもの歯ぎしりの原因は?

こどもの歯ぎしりは、だいたい生後8か月頃から始まり、中学生ぐらいまで続くことがありますが、その原因のひとつは、実は、成長に伴うあごの位置や噛み合わせの調整です。永久歯が生えてくる際の歯のスペースを確保するために、歯ぎしりで顎の位置を決めたり、顎の筋肉の発達させたりしていると考えられています。つまり、こどもの歯ぎしりは成長にともない、やがて改善されるものとされています。

こどもの歯ぎしりは放っておいてもいいですか?

基本的には大丈夫です。ただ、ストレスなどが原因で歯ぎしりをしている場合もありますし、以下のような症状が出ている場合は早めに歯科医に相談してください。

  • 歯が減ったり、欠けたりしてしまった
  • 顎が痛い(顎関節症)や頭痛などの症状がある
  • 歯ぎしりの音が異常に大きい

エラ張りと歯ぎしりって関係ある?

はい、歯ぎしりとエラ張りには、密接な関係があります。

歯ぎしりは、睡眠中に歯を強く噛みしめたり、食いしばったりすることで起こります。歯ぎしりをすると、咬筋(こうきん)という顎の筋肉が過剰に働きます。咬筋は、歯を閉じるときに働く筋肉で、エラの部分に位置しています。

歯ぎしりを繰り返すと、咬筋が肥大し、エラが張ったように見えますから、歯ぎしりをしている人は、エラ張りにも注意が必要です。

気になるエラ張り

歯ぎしりしなくなればエラ張りはなくなりますか?

歯ぎしりを止めた直後は、咬筋がまだ肥大した状態のため、エラ張りが改善されにくい場合がありますが、歯ぎしりを止めれば、咬筋の過剰な働きがなくなり、徐々に肥大が解消され、エラ張りも改善していくと考えられます。一般的には、歯ぎしりを止めてから数ヶ月から1年程度で、エラ張りが改善されるといわれています。

また、最近ではエラボトックスといって、ボトックスの注入によって咬筋の緊張を緩ませ、歯ぎしりを改善させる治療を行っているところもあります。

歯ぎしりの対策は?

歯ぎしりの原因から導き出した対策としては、大きく3つに分けられます。

  • マウスピース療法

歯ぎしりを防止するための最も一般的な方法で、夜寝るときにマウスピースを口の中に装着することで、歯の摩耗(減り)や欠損(欠け)を防ぐ効果があります。

  • 生活習慣の改善

ストレスを溜め込まない生活を心がけましょう。

規則正しい生活をし、生活のリズムを整える。

規則正しい生活は、体のすべてに影響します。

十分な睡眠時間を確保する

睡眠が足りていないことも、体にはさまざまな悪影響を及ぼします。

寝室の環境(暗くする、静かにするなど)を整える

交感神経をできるだけ休ませるようにしましょう。

就寝前にカフェインやアルコールの摂取を控える

過剰な摂取は、眠りの深さにも関係しがちです。

 

またストレス自体を解消させるためには、以下のようなことも効果的でしょう。

・趣味やスポーツなど、自分に合ったストレス発散の方法を見つける

・マッサージなど、リラックスできる時間をつくる

・カウンセリングやセラピーなど、専門家に相談する

  • 原因治療

歯ぎしりの原因が、噛み合わせや、睡眠時無呼吸症候群などにある場合は、これらを改善することが必要です。歯科医や専門医などに相談するとよいでしょう。

歯ぎしり用のマウスピースについて教えてください

マウスピース(ナイトガード)は、就寝時に口の中に装着する器具で、マウスピースを使うことで、歯にかかる力が均等に分散され、歯や歯の被せ物が欠けたり割れたりするのを防げます。毎日使用することが大切です。歯科で作製するものと、市販のものがあり、またそれぞれソフトタイプとハードタイプがあります。

ナイトガード(マウスピース)

歯科作製(カスタムメイド)型

歯科医院で、患者さまの歯に合わせて作製するマウスピースです。歯の形状、噛み合わせに合わせ、最適な形状や硬さに調整することができるので、安心でおすすめです。

市販型

市販で買えるため、比較的安価で手軽ではありますが、その人の歯の形状、噛み合わせに合わせて調整することができず、使用感に差が出がちです。

ソフトタイプ

シリコーンなどの柔らかい素材でできています。

歯にやさしくフィットするので装着感に優れていますが、柔らかいのでハードタイプよりも早く摩耗するなど、耐久性にやや難があります。

ハードタイプ

プラスチックやアクリルなどの硬い素材でできています。硬いので、激しい歯ぎしりに対応でき、歯や被せ物の損傷を防ぐ効果が高いのが特長です。装着感はソフトタイプに比べるとやや違和感があることもあります。

まとめ

いかがでしたか? 歯ぎしり(食いしばり)は悪習慣(習癖)のひとつで、歯や歯の周りの組織に様々な悪影響を及ぼすものですので、マウスピースを適切に使ったり、生活習慣を改善したりなどして、できるだけなくしていきましょう。お顔のエラ張りが気になる方も、もしかしたらご自身で歯ぎしりに気づいていないかもしれませんから、気にかけてみてください。またおとなだけでなく、こどもの歯ぎしりについても、気になる場合はぜひ、大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科までご相談ください。

歯の摩耗(減り)や欠けをなくし、健康な歯を保ちましょう。

歯がぐらつくのは歯周病が原因?治療法や注意点を解説!

2024年1月9日
歯周病の人

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「歯が少しぐらぐらするけど問題ないのかな……」「歯がぐらつく原因は何?」など、悩みや疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

歯の健康は全身の健康にも影響を及ぼすため、歯がぐらつく場合は早期に対応したほうがよいでしょう。歯がぐらつく場合、歯周病の進行を示すサインかもしれません。

今回は、歯周病の基礎知識や、歯がぐらつく原因、治療法、注意点などを詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。

歯周病とは?

歯周病の歯

歯周病は、歯茎の腫れや出血などの症状が現れる疾患です。歯と歯茎のすき間である歯周ポケットから細菌が侵入し、歯を支える歯槽骨が溶かされると歯がぐらつくでしょう。

歯周病は、虫歯とともに歯科の2大疾患ともいわれています。大人が歯を失う原因にもなる恐ろしい病気です。

歯周病の原因

歯周病を引き起こす原因として、歯周病菌が挙げられます。歯磨きが不十分な場合、プラーク(歯垢)が増えます。特に、歯と歯茎の境目の歯周ポケットには細菌が停滞しやすく、炎症を起こす可能性が高いです。

1mgのプラークに1億個以上の細菌が含まれているともいわれているため、磨き残しがないようにブラッシングすることが重要です。プラークは粘着性があるため、うがい程度では除去できません。

歯周病は気づかないうちに進行するため、軽症のうちにしっかりとケアしましょう。

歯周病の進行度

次に、歯周病の進行度をご紹介します。歯周病は、軽度・中度・重度と3つの段階にわけられます。

また、歯の動揺度は以下のように分類されます。

<歯の動揺度>

0度 生理的な範囲内
1度 わずかに前後に動く(軽度歯周病)
2度 前後左右に動く(中度歯周病)
3度 前後左右上下に動く(重度歯周病)

 

歯科医院では、ピンセットで動揺度の検査を行って判断するのが一般的です。

軽度の状態では、歯茎の腫れが見られます。歯磨きの際に出血することもあるでしょう。

軽度の段階では、痛みなどの自覚症状がないため歯周病であることに気づきにくいです。歯槽骨への影響もないため、大きく歯がぐらつくことはありません。適切な対応によって、健康な状態に改善できる可能性があります。

中度の状態では、歯茎の腫れや炎症が悪化して歯周ポケットが深くなります。歯槽骨などの破壊も始まり、歯茎が下がり始めるでしょう。

重度の歯周病になると、歯周ポケットが非常に深くなります。歯の根まで汚れが付着し、歯がぐらつくでしょう。出血だけでなく、膿が出ることも多いです。食事にも支障をきたすほど痛む場合もあるでしょう。

歯がぐらつくのは歯周病が原因?

歯周病に対する疑問イメージ

歯周病が進行すると、歯がぐらつきます。歯周病によって歯周組織が破壊され、歯を支える組織が弱くなるためです。

歯がぐらつく場合、歯槽骨とよばれる歯を支える骨が吸収されている可能性が高いです。治療せずに放置すると、歯が抜け落ちるおそれがあります。

歯周病で歯がぐらつくときはどうしたらいい?

歯周病の治療の説明

歯周病で歯がぐらつく場合は、歯周病を治療しなければなりません。

歯周病が進行すると、細菌によって歯を支える歯槽骨が次第に溶かされます。歯周病が悪化して骨が溶け、歯をしっかり支えられなくなると、歯がぐらつくようになります。

歯周病で歯がぐらつくときの対処法は、以下のとおりです。

歯科医院を受診する

まずは、歯科医院を受診しましょう。歯周病の治療法は症状や進行度によって異なるため、歯科医師に適切に診断・対処してもらうことが重要です。

歯周病の治療法としては、プラークや歯石の除去、歯周ポケットのクリーニング、抗生物質の処方などが行われます。まずは口の中の状態を確認し、歯周ポケットの深さや歯茎からの出血の有無、歯のぐらつき具合などをチェックするでしょう。

歯磨きの仕方が適切でないと判断された場合は、歯磨き指導を行うこともあります。口の中をきれいにすることで、初期段階の歯周病であれば改善できるでしょう。

中度の歯周病の場合は、歯茎のなかにある歯の根に付着した歯石を除去しなければなりません。中度の歯周病でも、歯石を除去できれば改善されることが多いです。

上述した対応だけで改善されない重度の歯周病の場合は、必要に応じて外科的な処置が行われます。歯茎を切開して歯石を除去し、縫い合わせる手術です。

歯周組織の再生治療を同時に行う場合もあるでしょう。歯槽骨の状態などを考慮して、必要な治療を判断します。

食事内容に気をつける

ご自宅ですぐにできる対処法としては、食事内容を改善することが挙げられるでしょう。

硬いものや粘着性のあるものは、歯が抜ける可能性があるため控えてください。歯茎が腫れて痛む場合や歯がぐらつく場合などは、柔らかい食べ物を選択するとよいでしょう。

歯周病で歯がぐらつくときの注意点

歯周病で歯がぐらつくときの注意点イメージ

歯がぐらつく場合、適切なケアを行い、生活習慣を見直すことが重要です。歯磨きをしっかりと行うことはもちろん、歯間ブラシやデンタルフロスを用いるなど、日々のケアを徹底しましょう。

歯ぎしりなどの癖や、喫煙習慣なども歯周病の進行を助長する要因となります。歯周病の進行を助長する習慣がある場合は、改善しましょう。

歯周病で歯がぐらつく場合、セルフケアだけで治すのは困難です。歯がぐらぐらしている時点で、症状が進行していると考えられるためです。

また、歯がぐらつく原因は歯周病だけではありません。虫歯が進行した場合や、歯の根の先に膿が溜まって炎症を起こした場合にも、歯がぐらつくことがあるのです。

原因を明らかにするためにも、速やかに歯科医院を受診しましょう。

歯周病以外にも歯がぐらつく原因がある?

歯が痛くて頬を押さえる女性

歯がぐらつく原因として、歯ぎしりや虫歯、外部からの衝撃など、歯周病以外にもさまざまなことが考えられます。歯がぐらつくときは、歯科医院を受診して適切な治療を受け、歯の健康を守りましょう。

歯周病以外の歯がぐらつく原因をご紹介します。

歯根破折

歯根破折は、歯の根が割れた状態です。神経を除去した歯に見られることがあります。

神経のない歯には栄養が供給されないため、脆くなるのです。外傷や歯ぎしりなど、強い衝撃が加わることで歯の根が割れ、歯がぐらつくことがあります。

根尖性歯周炎

根尖性歯周炎とは、歯の根の部分に膿が溜まった状態です。歯の根に膿が溜まると、歯の根が膿の袋に接することで、歯が浮いたような感覚を覚えるでしょう。

歯の根が不安定になるため、歯がぐらつくこともあります。

外傷

転倒や事故などで強い衝撃を受けた場合、歯がぐらつくことがあります。歯が完全に抜けずにぐらぐらする場合や位置がずれた場合、亜脱臼といいますが、亜脱臼した歯はぐらつくでしょう。

歯ぎしり

歯ぎしりは、歯を強く噛みしめることです。歯茎や歯槽骨などに大きな負担をかけるので、長期間続くと歯がぐらつく原因になり得ます。

被せ物の不具合

被せ物が劣化して不具合が生じると、歯がぐらつくことがあります。被せ物の不具合を放置すると、歯が割れる原因にもなるでしょう。

まとめ

歯の模型

歯の健康を守るためには、定期的な歯科検診と適切なケアが重要です。歯がぐらつく場合は、速やかに歯科医師に相談しましょう。

歯がぐらつく場合、歯周病が原因であることが多いです。

しかし、ほかにもさまざまな原因が考えられます。歯周病の治療法や対応は、歯科医師が適切に判断します。自己判断で対応せず、歯科医師の指示に従って適切なケアを行いましょう。

定期的な歯科検診や適切なケアを心がけることで、歯の健康を維持し歯周病を予防することが可能です。

歯周病による歯のぐらつきにお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

歯茎の出血って何が原因なの?

2023年12月27日
歯茎の出血って何が原因なの?

みなさまこんにちは!

大阪府八尾市に60年にわたり、地域に根ざす歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。


当院では患者さまが抱える歯科に関するさまざまな疑問や不安に真摯に向き合い、
解消できるよう尽力しています。歯科医師やスタッフとのコミュニケーションが不足しがちな中、このブログを通じて患者さんとの対話の場を提供し、理解を深めるお手伝いができればと考えています。

日常生活での歯のお手入れや健康に関する知識は、自身の歯科状態を理解し、適切なケアを行う上で非常に重要です。そこで、このブログでは歯にまつわる基本的な情報から、診療に関する細かな疑問まで、幅広いトピックをカバーしています。患者さまがより良い歯科ケアの選択ができるよう、専門的な情報を分かりやすくお届けしています。

お気軽にご質問や疑問をお寄せいただき、私たちが提供する情報を通じて患者さまの歯科に関する理解を深めていただければ幸いです。何かお困りのことがあれば、お気軽にお問い合わせください。ご協力をお願い申し上げます。

歯茎の出血って何が原因なの?のご質問に全力回答!

歯茎からの出血は、歯周病の初期症状の一つであり、主な原因は歯垢(プラーク)に関連しています。以下に、歯茎からの出血の主な原因とその詳細をいくつか挙げてみましょう。

出血の主な原因は?

出血の主な原因は?

1. 歯垢(プラーク)の蓄積

歯垢(プラーク)は口内の細菌や食物のかすなどが混ざった薄い膜で、歯の表面や歯と歯の間に付着します。歯垢が適切に取り除かれないと、細菌が増殖し、歯茎の炎症を引き起こしてしまいます。

2. 歯周病[歯槽膿漏(しそうのうろう)]

歯垢が長期間放置され続けると、歯周ポケットと呼ばれる歯茎と歯の間のスペースができ、そこに細菌が蓄積します。これが進行すると歯周病が発症し、歯茎が炎症を起こし、出血します。

歯周病[歯槽膿漏(しそうのうろう)]

歯周病になりやすい生活習慣とは?
1.栄養摂取の偏り

バランスのとれていない食事は免疫機能の低下を引き起こし、歯周病の発症リスクを高めます。また、頻繁な食事摂取は口内の細菌の繁殖を促し、歯周病だけでなく虫歯のリスクも増大させます。

2.過度な飲酒と喫煙習慣

過度な飲酒は肝機能の障害から免疫機能の低下や、寝落ちなどによる歯磨きの怠りを招く可能性があり、これは歯周病のリスク因子となります。また、喫煙は血液循環の障害を引き起こし、歯周病の発症と進行を促進します。喫煙はリスクが2倍から9倍とされています。

3.日々の運動不足

近年の研究では、運動不足が歯周病の進行を促進し、脂肪組織由来の物質が歯周病の発症と進行を容易にすることが示されています。

4.ストレスと睡眠不足

ストレスや十分な睡眠の不足は免疫機能を低下させ、感染症だけでなく歯周病の発症リスクを高める可能性があります。

3. 歯石の形成

歯垢が時間とともに硬化して歯石(歯石質)となると、これは歯茎に対して刺激を与え、炎症を引き起こす可能性があります。歯石は歯科医によって専門的に除去する必要がございますので、もりかわ歯科の「歯周病予防ページ」をご覧いただき、当院にご相談くださいませ。

4. 歯磨き不足や不適切な歯磨き

小さいヘッドを選びましょう。通常、縦に3列の毛と横に2~2.5cm程度のサイズが適切です。大きなヘッドは奥歯や細かい箇所に十分にアクセスしにくく、磨き残しが生じやすくなります。

歯ブラシの選び方についてより詳しく知りたい方は、当院のブログで紹介しております「歯ブラシや歯間ブラシの選び方は?」もご覧ください。

5. 健康状態や生活習慣

喫煙、ストレス、不健康な食生活など、全体的な健康状態や生活習慣も歯茎の状態に影響を与えます。これらの要因が組み合わさると、歯茎の状態が悪化しやすくなり、出血の原因になります。

歯茎から出血したときの対処法は?

歯茎からの出血が起きた場合、簡単な対処法を以下にまとめてみました。ただし、これらは一時的なものであり、頻繁に起こる場合は、もりかわ歯科にご相談していただき適切な治療をお受けください。

1. 優しく歯を磨く

垢や歯石のために歯茎が腫れている場合、歯を優しく、円を描くように磨くことが重要です。歯磨きの際に過度な圧力をかけないように心掛けましょう。

2. 歯間ブラシや糸(フロス)を使用する

歯と歯の間や歯茎の隙間に歯垢が溜まりやすいです。歯間ブラシや歯間糸(フロス)を使って、これらの領域を丁寧に清潔に保つことが重要です。

3. 塩水で口をゆすぐ

口内の細菌を減少させ、歯茎の炎症を緩和するために、温かい塩水を使ってうがいすることが効果的です。塩水には血管を収縮させる作用があり、これにより出血を和らげることができます。ただし、明らかに出血が多く、歯茎からの出血がなかなか止まらない場合は、別の対処法が必要です。

歯茎から出血したときにやってはいけないことは?

歯茎からの出血がある場合、以下は避けるべき行動です。これらの行動は症状を悪化させる可能性がありますので注意が必要です。

1. 自己治療薬の無制限使用

歯茎からの出血が見られた場合、その症状を見かけ上緩和させるために市販の薬やうがい薬を無制限に使用するのは控えましょう。なぜなら、適切な診断が必要であり、歯科医の指導に基づいた正確な治療が望ましいからです。歯茎の出血は様々な原因が考えられ、それぞれに応じた適切なアプローチが求められます。自己判断や一般的な薬の使用では、症状の根本的な原因を見過ごす可能性があります。そのため、歯科医の診察やアドバイスを受けることで、適切な治療が行われ、再発や悪化を防ぐことが期待できます。自己処置に頼らず、プロの意見を求めることで、歯茎の健康を維持し、症状を根本的に改善する手助けとなります。

2. 喫煙

歯茎の血行を悪化させ、歯周病の進行を促進する可能性があるのが喫煙です。歯周病は歯茎の炎症から始まり、進行すると歯を支える組織にも影響を及ぼす重篤な状態となります。喫煙によって引き起こされる血行不良は、歯茎の組織に適切な酸素や栄養分が行き届かなくなり、免疫力の低下も招きます。これにより、歯周病が進行しやすくなります。

歯茎の健康を真剣に考えるなら、禁煙を検討することが非常に重要です。禁煙によって歯茎の血行が改善され、充分な栄養や酸素が供給され、自然治癒力が高まります。また、歯周病の進行リスクが低減し、歯茎の状態が維持されやすくなります。喫煙が歯茎に及ぼす悪影響を減少させることで、歯の健康を維持し、将来的な歯周病のリスクを軽減する一環として禁煙を検討することは、口腔健康全体に良い影響をもたらすでしょう。

喫煙は歯周病を進行させます!

3. 自己診断や自己治療

歯茎の出血が続く場合、自己診断や自己治療を行うのではなく、専門の歯科医に相談することが重要です。歯茎の出血は様々な原因による可能性があり、正確な診断が必要です。自己判断や市販の治療方法では、症状の根本的な原因を見逃す可能性が高まります。歯科医による専門的な診察によって、出血の具体的な原因を特定し、それに基づいた適切な治療プランを立てることができます。

歯茎の出血が続く場合、それは歯周病や他の歯科疾患の兆候である可能性があります。歯科医に相談することで、症状の進行や悪化を防ぐだけでなく、早期の治療で問題を解決することが期待できます。歯科医の専門的な知識と経験に基づくアドバイスは、症状の管理や再発予防に有益です。健康な歯茎を維持し、口腔全体の健康を促進するためには、歯科医との連携が不可欠です。

歯磨き時に歯茎からの出血リスクを抑えるためには?

歯磨き時に歯茎からの出血リスク

歯茎からの出血を予防するために、

以下は日常の歯磨き時に実践可能なシンプルな6つの方法をご紹介します。

1.歯磨きは1日に2~3回、各2分間行う

歯磨きは1日に2~3回、それぞれ2分間行います。歯磨きによってお口の中のプラーク細菌や食べかすを取り除きます。これらが残っていると、歯の表面や周辺、歯と歯の間に蓄積し、歯茎が炎症を起こし、歯肉炎などのトラブルにつながる可能性があります。フッ素配合のハミガキを使用して、1日2~3回、2分間ずつブラッシングを心がけましょう。

2.歯のすみずみまで注意深く磨く

歯のすみずみまで注意深く磨くことも大切です。歯と歯の間など、届きにくい部分を含め、お口の中のすべての箇所を丁寧にブラッシングしましょう。歯磨き残しがないように、全ての歯の内側と外側の面、咬み合わせの面を1本ずつ丁寧に磨くようにします。歯科医に相談して、自分に最適な歯磨き法について指導を受けることもおすすめです。

3.歯磨きは優しく行う

歯磨きは優しく行うことが大切です。力を入れすぎたり、歯を磨き過ぎたり、使い古したハブラシで磨くことは避け、常にていねいなブラッシングを心がけましょう。月に1回はハブラシを新しいものに交換することも忘れずに行いましょう。

4.ハブラシは歯に対して45度の角度で使う

ハブラシは歯茎に対して45度の角度で使います。歯茎に向けてハブラシを45度の角度で当て、弱い力で細かく振動させるように動かします。これにより、歯肉線(歯と歯茎の境目)を効果的に清掃できます。前歯の内側の面を磨く際は、ハブラシを垂直に当て、ヘッドの前方部分を使って磨くことがポイントです。

ハブラシは歯茎に対して45度の角度で使う

5.歯と歯の隙間(歯周ポケット)のブラッシングを忘れずに

歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)のブラッシングも忘れずに行います。歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)はプラーク細菌の影響を受けやすい部分です。歯磨きの際には、特にこの歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)を意識して歯垢を取り除きましょう。適切なブラッシングに加え、フロスまたは歯間ブラシを併用することで、歯垢(プラーク)の蓄積を抑えることができます。

歯と歯茎の隙間(歯周ポケット)のブラッシングを忘れずに

6.舌も優しくブラッシングする

舌も優しくブラッシングしましょう。適切な口腔衛生には歯と歯茎だけでなく、舌も含まれます。舌を優しくブラッシングすることで、細菌を取り除き、口の中を清潔に保ちつつ、爽やかな息を保つことができます。

これらのステップを実践することで、歯茎からの出血のリスクを軽減できます。

特に歯周病の予防として、

もりかわ歯科までご相談いただき、適切なケアを行ってください。

まとめ

歯茎からの出血は、歯周病、強い歯みがき、日常の習慣、喫煙などさまざまな要因によって引き起こされます。これを放置すると、深刻な問題を見逃し、状況を悪化させる可能性があります。出血が見られた場合は、もりかわ歯科で早急に検査を受け、その原因を特定することが極めて重要です。

 

当院では、症状の緩和だけでなく、根本的な改善を目指した治療を提供しています。歯茎からの出血に悩む方や、将来の問題を予防したい方は、お気軽にご相談ください。歯のトラブルに時間を費やすことなく、人生をより楽しむためにも、歯科治療を検討してみてください。きっと、あなたの人生が豊かになるでしょう。歯の健康は、心身の健康にも密接に結びついています。

 

それでは、また次回のブログでお会いしましょう。

 

乳歯の虫歯は放置してはいけない!永久歯に及ぼす影響とは?

2023年12月22日
虫歯の治療を受ける子供

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

乳歯は柔らかいこともあり、虫歯になりやすいといわれています。虫歯になった乳歯をそのまま放置すると、どのような影響があるのかご存じでしょうか。乳歯はいつか抜けるから問題ないと思う方がいるかもしれませんが、乳歯の虫歯は永久歯にも多大な影響を及ぼします。

今回は、乳歯の虫歯が永久歯に及ぼす影響について詳しく解説します。乳歯が虫歯になったときの対処法や、乳歯の虫歯の予防法もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

乳歯の虫歯が永久歯に及ぼす4つの影響

4つのイメージ

乳歯の虫歯は、永久歯にも影響を及ぼします。

乳歯の虫歯が永久歯に及ぼす影響を確認しましょう。

歯並びが乱れる

乳歯が虫歯になって症状が進行した場合、抜歯しなければならないことがあります。

通常の生え変わりでは、乳歯の下で永久歯が成長することで、乳歯の根を溶かす細胞が作られます。乳歯の根の吸収が進んでグラグラと揺れ始め、自然と抜けて永久歯が生えてくるのです。

乳歯が抜けてあいたスペースにすぐに永久歯が生えてくるので、大きく歯並びが乱れることは少ないでしょう。

しかし、虫歯が原因で乳歯を抜いた場合は、すぐに永久歯が生えてきません。隣接する歯が倒れるなど、永久歯が生えるためのスペースが狭くなることがあります。

ほかの歯を避けるように永久歯が生えることで、歯並びが乱れる可能性があるのです。

いびつな形の永久歯が生える

乳歯の虫歯が神経にまで達すると、乳歯の根の先に膿が溜まることがあります。永久歯は乳歯の下で成長するので、永久歯にも影響を及ぼす場合があるのです。

例えば、永久歯が変色する場合や、いびつな形になる場合があるでしょう。

ほかの歯の虫歯リスクも高まる

虫歯の治療をしても、虫歯菌は口腔内に残るといわれています。そのため、次に生えてくる永久歯も虫歯になるリスクがあるでしょう。

永久歯だけでなく、隣接する乳歯にも虫歯菌が波及して虫歯になるリスクがあるのです。

適切な顎の使い方が身につかない

乳歯が虫歯になり、本来抜けるべきタイミングよりも早く乳歯を失うと、次の歯が生えてくるまでに時間がかかるケースがあります。永久歯が生えてくるまで、半年以上必要な場合もあるでしょう。

歯がない状態で半年以上食事をしていると、食事や会話の際に本来とは異なる顎の使い方をします。正しい食べ方や話し方が身につかない可能性が高いです。

乳歯の虫歯の特徴を知ろう!

乳歯

乳歯の虫歯には、永久歯とは異なるさまざまな特徴があります。

乳歯の虫歯を早期に発見できるように、乳歯の虫歯の特徴を確認しましょう。

虫歯になりやすい部位

上の前歯の外側や、奥歯の噛み合わせる部分、歯と歯の間の3か所が、特に虫歯になりやすいです。大人の虫歯は、歯の根元や以前治療した詰め物との間にできやすいため、大人と同じ感覚でこどもの歯の仕上げ磨きをしていると虫歯を防げないでしょう。

痛みの有無

大人の歯は、歯の痛みがきっかけで虫歯に気づくことが多いかもしれません。

しかし、乳歯の虫歯は重症化しなければ痛みを感じないといわれています。歯の痛みは、歯の神経圧が高まることで引き起こされます。

乳歯は柔らかいため、歯の神経圧が高まりづらく、痛みをなかなか感じられないのです。そのため、歯がボロボロになってから虫歯に気づくケースが少なくありません。

見た目

虫歯と聞くと、歯が黒くなるというイメージを持たれるかもしれません。

しかし、初期の乳歯の虫歯では、歯の一部が白く濁る、帯状に白く濁るなど、歯のツヤが失われた状態となります。しっかりと観察しなければ発見できないため、仕上げ磨きの際に確認していても見逃されることが非常に多いです。

歯の表面に穴があくこともありますが、重症化しているサインといえます。

進行速度

乳歯は柔らかく耐酸性が低いため、永久歯よりも虫歯の進行が早いといわれています。大人であれば数か月以上かけて徐々に進行していく場合でも、乳歯の虫歯は数か月で神経まで達することも珍しくありません。

進行が早く痛みが出ないので、早期に発見することが非常に難しいのです。

乳歯が虫歯になったときの対処法

虫歯の検査

乳歯が虫歯になっている場合は、早期に対処すべきです。

歯科医院を受診する

まずは、歯科医院を受診しましょう。痛みがないうえに見た目も大きく変わらないので、乳歯の虫歯に気づくことは難しいですが、気づいた場合は早急に歯科医院を受診してください。

早い段階で治療できれば、少し削るだけで治療を終えられるでしょう。適切に虫歯を取り除いて乳歯を温存できれば、上述した4つの影響を回避できます。

歯科医院を受診したときの治療方法は、進行度によって異なります。それぞれ確認しましょう。

軽度の虫歯

虫歯が軽度な場合は、虫歯部分を削ってレジンとよばれるプラスチックの詰め物を詰めます。治療は1回で終わるので、何度も通院する必要はありません。

中程度の虫歯

虫歯がエナメル質を溶かして象牙質まで進行しているものの、神経には達していない場合は、軽度の虫歯と同様に治療します。虫歯部分を削ってレジンを詰めます。

削ったあとの歯型を取って、銀歯などの詰め物を入れることもあるでしょう。

重症の虫歯

虫歯が神経にまで達している場合は、抜歯を選択することが多いです。虫歯が神経にまで達すると、歯を温存することは難しいのです。

こどもの場合は神経の再生能力が高いため、神経の一部と歯を残す生活歯髄切断法という治療を行うこともあります。抜歯をして放置すると、将来の歯並びに影響を及ぼす可能性があるため、永久歯の成長をサポートする目的で入れ歯を使用することもあるでしょう。

乳歯の虫歯を予防する方法

歯磨き指導

乳歯の虫歯を予防することは、永久歯のためにも非常に重要です。

乳歯の虫歯を予防する方法について解説します。

丁寧に歯のブラッシングを行う

虫歯予防のために最も重要なのが、歯のブラッシングです。こどもの場合、虫歯になりかけている初期段階であればブラッシングで改善できることもあるので、ブラッシングは非常に大切です。

しかし、すべての歯を1人で磨けるようになるのは6歳(就学後)頃といわれています。1人で磨けるようになるまでは、保護者による仕上げ磨きが必要です。

こどもが1人でも歯を磨けるように指導しながら、保護者はこどもの虫歯になりやすい部分を中心に全体的に仕上げ磨きをしてあげましょう。

特に、睡眠中は虫歯菌が活発になります。睡眠前には、デンタルフロスやデンタルリンスを活用して口の中を清潔に保ちましょう。

虫歯予防には、フッ素が配合された歯磨き粉を使うのも効果的です。

定期的に歯科検診を受ける

こどもの虫歯は、保護者では気づけないことが多いため、歯科医院で虫歯の有無をチェックしてもらってください。虫歯の早期発見・早期治療にもつながるでしょう。

ご家庭でどれだけしっかりと歯磨きをしていても、磨き残しは生じます。磨き残しによってできた歯垢には、1mgあたり2~3億個もの虫歯菌が潜んでいるとされています。歯科専用の機械を使って、口腔内をきれいにしてもらいましょう。

歯科医院では、虫歯を予防するフッ素の塗布や、シーラントという処置を行ってもらえます。シーラントは、プラスチック樹脂で虫歯になりやすい歯の溝を埋める処置のことです。

歯科医院では見慣れない器具が多いため、怖いことをされるのではないかと不安になるこどもが多いです。痛い処置がない定期検診を受けて歯科医院に慣れていれば、虫歯治療が必要なときもスムーズに進められるでしょう。

おやつの時間を決める

「甘いものを多く食べると虫歯になる」と思う方がいるかもしれません。

しかし、甘いものを食べる量ではなく、砂糖が口の中にどれくらいの時間停滞しているかが、虫歯の発生に関わります。飴やチョコなどをだらだらと食べていると、虫歯になるリスクが高まるのです。

おやつの時間を決め、だらだら食べさせないようにしましょう。また、食後は歯を磨き、口の中の砂糖をしっかりと洗い流してください。

ソフトキャンディーやキャラメル、チョコレートなどの歯にくっつきやすいものは、虫歯予防の観点からは控えたほうがよいでしょう。

まとめ

虫歯予防に歯磨きする子供

乳歯の虫歯を放置すると、永久歯の歯並びに悪影響を与える可能性や虫歯のリスクが高まる可能性があります。さまざまな影響を及ぼすため、早期に治療したほうがよいでしょう。

乳歯は虫歯になっても痛みを感じにくく、見た目でもわかりにくいです。そのため、予防することが非常に重要です。歯科医院を定期的に受診して、歯の状態をチェックしてもらいましょう。

ご自宅でのブラッシングや、おやつの食べ方を見直すことも虫歯予防につながります。親子で乳歯の虫歯に気をつけ、永久歯を守りましょう。

乳歯の虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

フッ素って虫歯予防にいいの?

2023年12月20日
フッ素って虫歯予防にいいの?

こんにちは!大阪府八尾市で60年!地域に根ざした歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康に関して気なることや、歯にまつわる体のお悩みなどは人それぞれ、千差万別です。歯科医師やスタッフが歯科知識として理解していることでも、患者さまにとっては疑問や不安になってしまうのだと、気づかされてはっとすることも度々あります。できるだけ多くの質問に詳しくお答えできればいいのですが、診療中に個々の患者さまに詳しくご説明する時間が限られていることが多いのが実状です。

そこで、「歯に関するご質問に全力回答!」ブログをスタート! 普段の診療中にご質問いただく内容について、この場で詳しく解説していくことを目的として掲げ、出発したブログです。このブログが、歯医者に対して患者さまが日頃抱えている疑問や不安の解消への近道になれば、と願ってやみません。

どんな些細な疑問や質問でも、お気軽にお寄せください! 患者さまの健康としあわせを支えることが私たちの役目です。どうぞよろしくお願いいたします。

フッ素って虫歯予防にいいの?

今回はフッ素のお話です。皆さまも「フッ素」というと、普段使われている歯磨き剤のパッケージに書かれていたり、CMなどで耳にしたりしたことがあると思います。最近では国内各地の河川や水道水などから高濃度の有機フッ素化合物が検出されたとか、WHOが発がん性の評価を引き上げたとか、ニュースでもお聞き及びかもしれません。そこで今回は、「フッ素配合?」「歯磨き剤に入ってるフッ素と有機フッ素化合物は違うものなの?」など、そんな疑問や不安にもお答えしていきたいと思います!

そもそもフッ素って何?

フッ素は周期表の17番目の元素で、化学記号はFです。無色・無臭の気体であり、高い電気陰性度を持っています。主に歯科の領域で、「歯のエナメル質を強化し虫歯の予防に役立つ」として知られています。歯磨き剤やマウスウォッシュにも配合されています。また、工業や医薬の分野でもさまざまな製造に関与するなど、総じて、フッ素は歯の保健や産業プロセスにおいて重要な役割を果たしています。

そもそもフッ素って何?

また、歯科の領域で使用されているフッ素は、主にフッ化ナトリウムなどで、「無機フッ素化合物」と呼ばれるもので、問題の「有機フッ素化合物」とはまったく別のものです。

フッ素はなぜ虫歯予防になるのですか?

フッ素が虫歯予防に効果がある主な理由は、以下の通りです。

エナメル質の強化

フッ素は歯のエナメル質を強化する作用があります。エナメル質は歯の表面を覆っている硬い層で、酸や細菌などから歯を守る役割を果たしています。フッ素がエナメル質に取り込まれることで、より強固な表面を維持できます。

歯の構造

歯の再石灰化

歯を構成するミネラル質を再び歯の表面に取り込むプロセスのことを再石灰化といい、これによって歯の硬さと強度が増します。

細菌の成長抑制

フッ素は歯の表面に付着した細菌の成長を抑制する効果があります。虫歯の主な原因は、口内の虫歯菌によって作られる酸によるものです。フッ素はこの虫歯菌の活動を抑え、虫歯の発生リスクを減らします。

歯石の形成阻止

フッ素は歯石の形成を阻止する効果もあります。歯石は歯の表面に細菌やプラークが堆積して硬くなったもので、歯ブラシなどで十分に取り除くことが難しくなります。フッ素はこの歯石の形成を妨げ、口の中の清潔を維持します。

このように、フッ素は虫歯の予防に効果的で、歯の健康を維持するのに役立つのです。

フッ素は虫歯になった歯にも効果があるの?

はい、初期の虫歯に効果があります。フッ素は初期虫歯の修復、つまり「再石灰化」と呼ばれる現象を効果的に促進します。初期虫歯は歯の表面が酸により傷ついている状態(脱灰)です。これが進行すると、表面が崩れて穴の開いたむし歯になる可能性があるのですが、フッ素によって再石灰化が活性化することにより、傷ついた歯の表面が修復され、虫歯の進行を防ぐこともできます。

フッ素のはたらき

フッ素で虫歯は治せますか?

前述の通り、フッ素は初期の虫歯を修復し、進行を抑制する効果があります。ですが、進行が進んでしまった虫歯に対しては、フッ素だけでは効果が限定的であり、歯科医の治療が必要となります。歯科医は、虫歯の進行具合に応じて適切な治療法を提案し、虫歯を治療するプロセスを進めます。フッ素の使用はあくまでも予防的な側面で重要で、歯の健康維持を助けるものです。

フッ素は歯のエナメル質を再生しますか?

フッ素は歯のエナメル質を再生するわけではなく、再石灰化と呼ばれるプロセスを促進し、エナメル質の表面を強化する役割を果たします。再石灰化は、歯の表面に微小な損傷が生じたとき、ミネラル成分を歯に戻すプロセスのことですが、つまりフッ素による再石灰化とは、フッ素イオンが歯のエナメル質の結晶構造に結合することなのです。こうして、歯のエナメル質が強固になるというわけです。

フッ素を使う時に気をつけなければいけないことはありますか?

このようにフッ素は歯科などで効果的に利用されていますが、注意が必要な点ももちろんあります。以下はフッ素の注意点です。

適切な濃度の使用

フッ素を過剰に摂取すると健康に悪影響を与える可能性があります。歯磨き剤やマウスウォッシュなどの製品に含まれるフッ素濃度は指定された使用量を守りましょう。

小児への摂取管理

特に小児は成長段階にあり、過剰なフッ素摂取は歯や骨の発育に悪影響を及ぼすことがあります。小児用の歯磨き剤などは、年齢に応じた適切な濃度を選ぶことが重要で、2023年1月に歯磨き剤のフッ素濃度の推奨基準が変更されたりもしました。

斑状歯

高濃度(適量の2〜3倍ほど)のフッ素を、成長期(あごの骨の中で歯がつくられる時期)に継続的に摂取することによって、エナメル質の色や形態に異常が起きることです。歯の表面に白斑や白濁、または縞模様が出たり、重症の場合は歯の一部が茶色くなったり穴が開いたりすることもあります。

適切な歯科ケア

フッ素の使用は歯科ケアの手段として適していますが、歯の清掃や歯医者の定期検診も重要です。フッ素だけでなく、総合的な口腔ケアが歯の健康に寄与します。

アレルギー反応

一部の人々はフッ素に対してアレルギー反応を示すことがあります。歯磨き剤やマウスウォッシュなどを使用する際に、異常な反応があれば医師に相談しましょう。

とはいうものの、フッ素の利用は総じて歯の健康維持に役立つもので、使用量や濃度などに十分注意して適量を使用するなら、いたずらに怖がる必要はありません。心配な場合は歯科医に相談して、適切な用量・用法を確認してくださいね。

 

フッ素は塗ったほうがいいのでしょうか?

フッ素の塗布は歯の表面にあるハイドロキシアパタイトと呼ばれるエナメル質の主成分に影響を与え、その結晶構造を強化・修復します。このプロセスにより、酸に対して強固で丈夫な歯になります。特に、乳歯や新しく生えた永久歯はフッ素を効果的に取り込みやすいので、小児期に定期的にフッ素を塗布することはたいへん有効です。これによって歯の健康を維持し、虫歯の発生を予防する効果が期待されます。

 

フッ素は何歳ぐらいまでに塗ると効果的なんですか?

フッ素の塗布が小児期に効果的なのは確かですが、具体的な適正年齢については、個々の子どもの歯の状態や成長によって異なります。一般的なガイドラインとしては、乳歯が生え始めた頃から永久歯が発育し終わるまでが、フッ素の塗布にとりわけ有益な時期とされています。

おおよそ6歳から16歳の間

歯科医師は子供が6歳から16歳の間にフッ素の塗布を勧めることがありますが、この期間がまさに永久歯の発育が進む時期で、フッ素によって歯のエナメル質が強化され、虫歯の予防に高い効果が見込めるからです。

具体的なスケジュールは歯科医や子どもの歯の状態により異なるため、子供の歯科健康に関する相談はぜひ歯科医になさってください。歯科医は子どもの歯の状態を評価し、最適な時期と頻度でフッ素の塗布を勧めることができます。

小児期のフッ素塗布

フッ素塗布は大人にも効果がありますか?

大人の歯においてもフッ素塗布が効果的な理由はいくつかあります

歯の再石灰化

歯が酸によって傷つく(脱灰)のは大人でも同じです。フッ素は歯のエナメル質に働きかけ、再石灰化を促進します。これにより、歯の表面の小さな損傷や脱灰を修復し、歯を強化します。

歯の耐久性向上

大人ならではの生活習慣や飲食習慣により、歯が酸や細菌の影響を受けることがあります。フッ素は歯の結晶構造を強化し、酸に対する耐性を向上させる効果があります。

歯周病の予防

フッ素は歯周病の予防にも寄与します。歯周病は歯の周囲の組織に影響を与えるため、歯を健康に保つためにもフッ素の利用が有益です。

歯石の防止

フッ素は歯石の形成を防ぎ、歯の表面を清潔な状態に保つことも期待されます。

大人の歯においても、歯科医の指導のもとでフッ素の塗布が行われることで、歯の健康維持が期待できます。歯の状態に合わせた適切なケアを、ぜひ歯科医にご相談ください。

どのぐらいの頻度で塗るのがいいんでしょうか

塗布したフッ素の効果はおおよそ3〜4カ月持続すると言われています。

フッ素塗布の頻度は、患者さまの歯の健康状態や抱えているリスクによって異なります。歯科医師が患者さまの状態を評価し、最適なスケジュールを提案しますが、一般的なガイドラインに基づいて以下のような頻度が考えられます。

子供(乳幼児から青年期)

通常は歯の発育が進む期間において、6ヶ月から1年に1回の頻度でフッ素塗布が行われます。

成人

 成人の場合は、通常は1年に1回のフッ素塗布が一般的です。

リスクが高い場合

虫歯のリスクが高い場合や特定の歯の状態に問題がある場合は、個別のケースとして、歯科医から最適なスケジュールを提案させていただきます。フッ素塗布も含めた予防歯科については、もりかわ歯科ホームページの診療メニュー「予防歯科」もぜひご覧ください。

フッ素を塗りすぎると歯が白くなるって本当ですか?

一般的に、適切に適量を使用していれば、歯が白くなりすぎたり、まだらになることは少ないです。また歯の表面に変色が生じる可能性があるのは、フッ素を過剰に使用した場合です。これは「フッローシス」と呼ばれ、以下のような症状が現れることがあります。

白斑症(White Spots)

 歯の表面に白い斑点が現れることがあります。これは歯のミネラル損失によって引き起こされます。

まだらな変色

過剰なフッ素使用により、歯の表面がまだらに変色することがあります。これはフッ素が歯の結晶構造に影響を与えた結果です。

これらの症状は通常、フッ素の過剰な摂取や長期間にわたる過度のフッ素使用が原因で引き起こされます。一般的な歯磨き粉やマウスウォッシュを通常の使用量で利用する限り、こういった症状を心配する必要はありません。フッ素製品の使用量や濃度に関しては、商品の取り扱い説明書や歯科医との相談が重要です。

歯磨き剤はフッ素入りがいいですか?

歯科用フッ化物配合歯磨剤(しまざい/歯磨き剤のこと)は、毎日の歯みがきでフッ化物を効果的に供給できるため、虫歯予防に重要な役割を果たします。世界保健機関(WHO)は、フッ化物配合歯磨剤の使用を、すべての人に推奨しています。

フッ化物配合歯磨き剤(子ども用)

多くの国々では、フッ化物配合歯磨剤が市場シェアの90%以上を占め、圧倒的な数の人々に活用されています。先進国では、この過去30年で虫歯の大幅な減少が見られており、その要因として「フッ化物配合歯磨剤が普及したこと」が挙げられています。

日本では、フッ化物配合歯磨剤は医薬部外品として規定されており、フッ化物の配合成分としてはフッ化ナトリウム(NaF)、フッ化スズ(SnF2)、モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)の3種類が認可されています。これらの成分は、濃度が1,000ppm(0.1%)以下に規制されています。

フッ素うがいもいいって聞いたけど?

正しくはフッ化物洗口(ふっかぶつせんこう)といいます。

学校などでの集団実施

フッ化物洗口は保育園、幼稚園、小中学校で集団で実施されてもいます。一定濃度のフッ化ナトリウム溶液(5~10ml)を使用し、1分間のブクブクうがいをする方法で行われていますが、永久歯の虫歯予防に効果的です。この方法は、第一大臼歯が生え始める就学前から始め、だいたい中学生まで継続します。

小児期のフッ化物洗口によるう蝕(虫歯)予防率

家庭での実施

歯科医院で購入できる洗口剤(同250ppm)や薬局で購入できるOTCフッ化物洗口剤(同225ppm)を用いて毎日1回行います。

フッ化物洗口は大人にもいいの?

はい、成人においても隣接面むし歯や根面むし歯の予防に効果的です。寝ている間は唾液の分泌量が減り、フッ素が長時間口内に留まることができるので、フッ化物洗口は就寝前がおすすめです。

就寝前のフッ化物洗口

フッ素洗口液って危なくないの?

適切な量の使用であれば危なくありません。フッ化物洗口に利用されるフッ化物の濃度は、体に影響が出ない程度に調整されています。また、万が一洗口液を飲み込んでしまっても、急性中毒の心配はありませんし、正しい容量・用法での継続使用ならば、副作用の心配もありません。

フッ素を塗った後やフッ素うがいの後、食事はしてもいいですか?

30分は飲食をひかえてください。これは、口の中にフッ素が残りやすい状態を維持することが目的です。そうすることで、フッ素が歯の表面に、より効果的に吸収され、再石灰化や虫歯の予防効果を最大限に引き出すことが期待されます。せっかくのフッ素を飲んだり食べたりすることで流してしまわないようにすることが大切なのです。

アメリカ人は虫歯にならないのはなぜ?

アメリカなど多くの国々では水道水にフッ素が添加されていて、これが虫歯予防につながっているとされています。この取り組みは公共衛生の一環として行われ、水道水中のフッ素が歯の健康に役立つことが確認されています。水道水中のフッ素濃度が適切であることにより、歯科保健の向上と虫歯の発生率の低下が期待されています。

フッ素はドイツで禁止されているのですか?

ドイツでは一般的には水道水にフッ素を添加してはいませんが、フッ素の使用に関する法的な禁止はありません。ドイツに限らず、各国の水道水へのフッ素の添加に関する方針は異なるため、国ごとに異なる取り決めや基準が存在しています。ちなみに日本では全国的に水道水にフッ素を添加する計画は今のところ存在していません。

フッ素の摂取で骨粗鬆症になるかもって聞きました

フッ素と骨粗鬆症については、適切な摂取量であれば一般的には関連性が低いとされています。むしろ、適切な量のフッ素摂取は骨にとってもプラスに働きます。骨粗鬆症のリスクにつながるとすれば、やはり過剰で不適切に摂取した場合です。

適切なフッ素摂取と骨の健康

フッ素はフッ素は、骨の形成に必要なカルシウムとリンの吸収を促進し、適切な量なら骨を強化する効果があります。歯科保健の一環として、水道水や歯磨き剤にフッ素を添加することで、歯や骨の健康を促進しています。

過剰なフッ素摂取と骨粗鬆症などのリスク

フッ素を過剰に摂取すると、骨の形成が促進されすぎ、骨が硬くなりすぎてもろくなる可能性があります。また、フッ素は骨の破骨細胞の働きを抑制します。破骨細胞は、骨の再構築を行う細胞です。フッ素を過剰に摂取すると、破骨細胞の働きが抑制され、骨の再構築が妨げられる可能性があります。

過剰にフッ素を摂取してしまう原因

フッ素の過剰摂取が生じる主な原因としては、地下水や井戸水など自然な水源からの高濃度のフッ素が摂取されることが考えられます。一般的に、通常の飲料水や歯科製品からのフッ素摂取では、このようなリスクはほとんどありません。

フッ素は癌になりますか?

一般的な水道水や歯磨き剤、歯科製品からのフッ素の摂取が適切な量である限り、がんのリスクが増加するという科学的なエビデンス(根拠やデータ)はありません。とはいえ、フッ素の過剰な摂取は健康に悪影響を与える可能性があります。

一部の地域では自然水源から高濃度のフッ素が含まれている場合があり、これが慢性フッ素中毒を引き起こすことが報告されています。しかし、通常の水道水や歯科用製品からのフッ素摂取では、健康に対する重篤な影響はほとんど見られません。

まとめ

いかがでしたか? おおまかに言って重要なのは、「フッ素は歯科の健康に効果がある」「適切に使用していればフッ素は危険ではない」の2点です。これだけ抑えておいていただければOKですので、患者さま個々の健康状態などに応じて「どう使用すれば効果的」で、「適量はどのぐらいなのか」などは、ぜひ大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科までご相談ください。もりかわ歯科では、予防歯科にも力を入れております。転ばぬ先の杖となり得るフッ素を上手に使って、お口の中の健康を守りましょう。

歯にまつわることならどんなことでもご質問にお答えしたいという熱い思いで書いているこのブログが、患者さまの不安を拭えたならばこんなに嬉しいことはありません。

親知らずが虫歯に!放置してはいけない理由と抜歯の必要性!

2023年12月15日
親知らずが虫歯

こんにちは。大阪府八尾市にある医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所です。

「親知らずが虫歯になっているけど、放置していいかな」「親知らずの虫歯は抜歯するって本当?」など、親知らずの虫歯に関する疑問をお持ちの方もいるでしょう。

今回は、親知らずが虫歯になりやすい理由や、親知らずの虫歯を予防する方法について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

親知らずが虫歯になりやすい理由

親知らずが虫歯

親知らずが虫歯になりやすい最も大きな理由は、ブラッシングが難しいことでしょう。親知らずは最後に生える永久歯で、歯列の最も奥に生えてきます。口腔内は狭いため、奥に生える親知らずは磨きにくいのです。

また、最後に生えるため、まっすぐに生えるだけのスペースがない場合も多いです。斜めや横向きに生えてくる方が非常に多く、汚れが残りやすいといえます。

歯茎から一部分のみ露出している場合もあり、食べかすなどが残りやすいことも原因でしょう。

汚れや食べかすが溜まりやすくブラッシングが難しいことから、親知らずは虫歯になりやすいのです。

親知らずの虫歯を放置してはいけない理由

親知らずの虫歯を放置してはいけない

親知らずの虫歯を放置してはいけない理由は、主に5つです。それぞれ詳しく解説します。

腫れて痛むことがある

親知らずに限らず、虫歯を放置すると腫れて痛みが出ることが多いです。表面のエナメル質に限定されている虫歯は、痛むことはありません。

虫歯が象牙質や神経まで進行すると、痛みが出るでしょう。虫歯を放置しても、改善することはありません。

痛みや腫れが強くなり、眠れないほどになる方もいます。親知らずに限らず、虫歯は放置せずに早急に治療せねばなりません。

口臭が発生する

親知らずの虫歯を放置すると、口臭が発生することがあります。

親知らずが虫歯になっているということは、口内環境が整っていないということです。歯周病などの口臭の原因になる病気も発症している可能性が高いため、口臭が発生・悪化することがあるでしょう。

放置すると歯を失う可能性もあるので、早急に歯科医院を受診しましょう。

ほかの歯に悪影響を与える

虫歯を放置すると、虫歯菌が歯の神経にまで到達し神経が壊死します。神経が機能しなくなると、歯の色が変わってもろくなります。

神経に到達するほど虫歯を放置した場合、歯の根の先に細菌や膿が溜まることがあるでしょう。歯の根の炎症が進行すると、やがて顎の骨にも影響を及ぼします。

顎の骨に炎症が広がると、顎の骨が溶かされて歯がグラグラし始めることがあります。歯を支えられなくなり、自然と抜け落ちることもあるでしょう。

虫歯になった親知らずだけが抜ければよいかもしれませんが、顎の骨の炎症も治療しなければ進行します。健康な周囲の歯にも悪影響を与える可能性があるので、虫歯は放置せずに治療しましょう。

身体に悪影響を与える

親知らずの虫歯を放置すると、身体にも影響を与えます。例えば、虫歯菌が血液の中に入ると、心筋梗塞や脳梗塞の原因になり得るのです。

また、親知らずは鼻の近くにあるので、虫歯菌の影響で副鼻腔炎になることもあります。虫歯は、全身のさまざまな問題を引き起こす可能性があるのです。

親知らずが虫歯になったら抜歯をしなければならない?

親知らず抜歯のイメージ

親知らずが虫歯になったら、抜歯を選択することが多いでしょう。虫歯を治療してもブラッシングしにくいことは変わらないため、再び虫歯になる可能性が高いからです。

本来、親知らずはなくても問題のない歯です。もともと親知らずが1本もない方もいます。

また、親知らずは斜めや横向きに生えてくる方が多く、そもそも正常に機能していない場合が非常に多いです。そのため、抜いても特に問題はありません。

斜めに生えている親知らずを放置すると、隣の歯を押して歯並びに悪影響を与えることもあるでしょう。親知らずがよい影響を与えることは少ないので、虫歯になったのであれば抜歯するべきといえます。

親知らずを抜歯しないケース

親知らずが虫歯になっても、抜歯しないケースがあります。提供歯(ドナー歯)として利用できる場合は、抜歯せずに残すことがあるでしょう。

提供歯とは、移植に使う歯のことです。何らかの理由で奥歯を失った場合に、親知らずを移植して失った奥歯を補います。

患者さまご自身の歯を使うので拒絶反応が起きないことがメリットでしょう。入れ歯やブリッジよりも噛み心地がよく、自然に使えます。

親知らずがまっすぐに生えており、清潔に保つことが可能だと判断された場合は、提供歯として利用するために残すことがあるでしょう。

親知らずを抜歯しない治療法はある?

親知らずの治療に疑問があるイメージ

基本的には親知らずが虫歯になった場合、抜歯を選択します。

しかし、親知らずを残したいと思う方もいるでしょう。抜歯しない治療法や症例をご紹介します。

初期虫歯で治療が容易である

初期虫歯とは、まだ歯に穴があいていない虫歯です。溶け出したエナメル質の成分を再び取り込む現象を再石灰化とよびますが、再石灰化で修復が可能な虫歯の場合、特別な治療は必要ありません。

歯科医院でブラッシング指導を受け、親知らず周辺の正しい磨き方を習得しましょう。日常の口腔ケアの質を向上し、歯科医院でフッ素塗布などの処置を行えば、改善される可能性があります。

親知らずを露出させる

親知らずは歯茎に一部が埋まっていることも多く、部分的に露出している場合は非常にブラッシングが難しいです。歯茎の一部を除去して親知らずを露出させれば、ブラッシングしやすくなるでしょう。

虫歯のリスクを下げられる場合は、抜歯しなくてもよいかもしれません。

親知らずの虫歯を予防する方法

歯磨きをする女性

親知らずの虫歯を予防する方法は、以下のとおりです。

歯磨きを徹底する

親知らずに限らず、虫歯を予防するためには歯磨きが非常に重要といえます。親知らず周辺は磨きにくいですが、丁寧に磨きましょう。

一定の方向に歯ブラシを動かすだけでは、親知らずをきれいに磨けません。歯ブラシをさまざまな角度から当てて磨きましょう。

歯ブラシを優しい力で小刻みに動かすことも重要です。1本ずつ磨くイメージで、小刻みにブラッシングしましょう。

補助用具を使用する

歯ブラシだけでは、細かい部分に付着した汚れを落とせません。デンタルフロスや歯間ブラシを使用して、すき間に入った汚れもしっかり落としましょう。

タフトブラシも、親知らずを磨く際に役立つでしょう。タフトブラシとは、毛先が1束になった歯ブラシです。

通常の歯ブラシよりも細いので、細かい部分の汚れを除去するのに適しています。通常の歯ブラシでブラッシングを行ったあとに、使用するとよいでしょう。

特に、親知らずの後ろ側、奥歯と面していない部分を磨く際に便利です。

日常のケアにフッ素を取り入れる

親知らずの虫歯予防には、ほかの歯と同じようにフッ素が効果的です。フッ素は虫歯菌の活動を抑え、歯の再石灰化を促す効果があります。

歯科医院で定期的にフッ素を塗ってもらってもよいですが、セルフケアに取り入れると効率よく虫歯を予防できます。

手軽に使用できるフッ素入りのケア用品は、歯磨き粉とマウスウォッシュでしょう。市販されているので、使用を検討してください。

定期的なメンテナンスを欠かさない

セルフケアだけでは、すべての汚れを除去することは難しいです。親知らずの虫歯を予防するために、定期的に歯科医院を受診してプロにメンテナンスしてもらいましょう。

プロのメンテナンスでは歯石もしっかり落としてもらえるので、虫歯だけではなく歯周病も予防できます。

まとめ

歯の治療の器具

親知らずは最も奥に生えてくる永久歯です。汚れが溜まりやすくブラッシングしにくいため、虫歯になりやすいです。

虫歯になると抜歯することが多いので、抜歯を避けたい方は虫歯にならないように日々のセルフケアを丁寧に行いましょう。また、定期的に通院してプロのメンテナンスを受けると、口内を清潔に保てます。

親知らずが虫歯になった場合、放置することは避けてください。放置して悪化すると、腫れて激しい痛みが出る、膿が出て口臭が発生するなど、さまざまなトラブルにつながります。

親知らずに違和感がある場合は、痛みが出る前に歯科医院へ相談しましょう。

親知らずの虫歯でお悩みの方は、大阪府八尾市にある歯医者「医療法人甦歯会 もりかわ歯科志紀診療所」にお気軽にご相談ください。

正しい歯磨きの方法は?

2023年12月13日
正しい歯磨きの方法は?

こんにちは!大阪府八尾市で60年!地域に根ざした歯医者、医療法人甦歯会 もりかわ歯科です。

歯の健康に関して気なることや、歯にまつわる体のお悩みなどは人それぞれ、千差万別です。歯科医師やスタッフが歯科知識として理解していることでも、患者さまにとっては疑問や不安になってしまうのだと、気づかされてはっとすることも度々あります。できるだけ多くの質問に詳しくお答えできればいいのですが、診療中に個々の患者さまに詳しくご説明する時間が限られていることが多いのが実状です。

そこで、「歯に関するご質問に全力回答!」ブログをスタート! 普段の診療中によく訊(き)かれる質問に対して、この場で詳しく解説していくことを目的として掲げ、出発したブログです。このブログが、歯医者に対して患者さまが日頃抱えている疑問や不安の解消への近道になれば、と願ってやみません。

どんな些細な疑問や質問でも、お気軽にお寄せください! 患者さまの健康としあわせを支えることが私たちの役目です。どうぞよろしくお願いいたします。

正しい歯の磨き方って?

毎日の習慣として行っている歯磨きですが、ふと「あれ?磨き残しがあるかも」「ちゃんと磨いてるつもりだけど、上手く磨けてるか自信がない」と不安に思ったり、定期検診で指摘されることがあったりなど、正しい磨き方を知りたい方は少なくないようです。そこで今回は、そんなお悩みを解決すべく、正しい歯の磨き方をレクチャーいたします。

歯磨きのタイミング

歯磨きのタイミング

朝・昼・晩? ご飯の前?後? 寝る前は? そこのところをちゃんと知りたい!にお答えします。

歯磨きは1日何回すべき?

一般的に理想的な回数は1日3回とされています。3回行うのが難しい場合は、少なくとも2回の歯磨きが推奨されています。なぜその回数なのかは、歯磨きをする目的を考えるとよく分かります。

歯磨きをする目的

歯磨きの主な目的は、食事後に付着した歯垢や食べカスを取り除き、口臭や歯周病、虫歯を予防し、口腔内を清潔で健康な状態に保つことです。つまり、「食事をしたら歯磨きをする」というのが、お口の中の清潔に直結するというわけです。

1日1回は少ないですか?

虫歯菌がつくるバイオフィルム(歯垢)は、唾液の働きを妨害し、歯の再石灰化を邪魔します。このバイオフィルムが生成されるのが約48時間なので、最低1日1回でも念入りに歯磨きをすれば虫歯菌の活動は抑制できるということにもなります。ですが、1日1回しか歯磨きをしない人に比べ、1日2回歯磨きをする人のほうが虫歯発生率が低いという研究結果もありますので、やはり歯磨きの回数は理想に近づけたほうがいいでしょう。

朝の歯磨きはいつがいいですか?

「朝ごはんの後」がいいのか「朝食前(起床時)」がいいのかについては、さまざまな意見がありますが、前述の歯磨きの目的を考えると、基本的には食後が推奨されます。ただ、寝ている間は唾液の分泌量が減っていることが原因で、寝起きの口の中は乾燥し、細菌が多くなっているのも事実です。このまま朝食を食べてしまうと、細菌を一緒に飲み込んでしまうことにもなります。結論からいうと、朝食前と朝食後の2回がもっとも効果的!ではありますが、忙しい朝にそれはなかなか難しいでしょうから、起床時にはうがいや軽くブラッシングすることで細菌を洗い流し、朝食後に歯磨きをして食べカスを取り除きましょう。

昼の歯磨きについて

1日3回磨くとすると、学校や仕事などで外出している昼の歯磨きが、いちばんやりづらいでしょう。無理な場合は、うがいだけでもするといいでしょう。特に、朝・晩しっかり磨いている場合はそれでOKです。お口の中のすみずみまで水が行き渡ることと、水の勢いを保つことで食べカスが取れやすくなるので、水はあまりたくさん含まず、少量の水でのぶくぶくうがいがおすすめです。

夜の歯磨き

夕食後の歯磨きも大切ですが、もっとも重要なのは寝る前の歯磨きです。寝ている間は唾液が減り、口の中が乾燥し、細菌が繁殖しやすい環境になってしまうため、虫歯や歯周病にとてもかかりやすい状態になります。これを防ぐための就寝前歯磨きです。就寝前の歯磨きを念入りに行なっている場合には、朝や昼の歯磨きが軽いものでも大丈夫とまで言われるほどですので、就寝前は特にしっかり歯磨きしましょう。

食後すぐの歯磨きはよくないって聞いたけど?

食後30分以内の歯磨きがおすすめできないのには理由があります。私たちが食べ物を噛むと唾液が出ますが、唾液の中の酵素が食べ物を分解する過程で酸がつくられます。つまり食後すぐは口の中が酸性になり、歯が酸にさらされている状態です。この状態では、実は歯のエナメル質が柔らかくなっていて、歯ブラシなどで削られやすくなっているため、食後すぐの歯磨きはおすすめできないのです。代わりに、食後30分以上経ってから歯磨きでは、口内の酸性が中和され、歯の表面が硬くなり、口の中の中性化が促進されます。

歯磨きと虫歯

歯磨きのいちばんの目的が虫歯予防ということを踏まえて、もう少しだけ歯磨きと虫歯の関係を知って、日々の歯磨きに役立ててください。

虫歯になりやすい部分(磨き残しやすい部分)

一般的に虫歯になりやすいと言われているのは、奥歯(臼歯)です。奥歯は食べ物をすりつぶす役割があるため、溝や窪みが多く、食べカスが残りやすいとされています。また、その他にも隣り合った歯と歯の間、歯と歯茎の境目などが虫歯になりやすい部分です。

虫歯になりやすい部分

歯磨きしているのに虫歯になるのはどうして?

自分ではちゃんと磨いている(磨けている)つもりでも、うまく歯ブラシが当たっていなかったりして食べカス(虫歯菌の栄養)が残ってしまっているケースが多くあります。また唾液の分泌量が少ないと、お口の中を中和する機能が損なわれ、虫歯になる可能性が高まります。唾液の分泌を促す水分の摂取量が少ない、または高齢、もしくは薬の副作用などで唾液量が減った方も、歯科医にご相談ください。

歯ブラシの選び方

正しい歯磨き(ブラッシング)のためには、ご自身に合った歯ブラシを選ぶことも大切です。「安かったから」や「家族の分をまとめ買いしてるから」などの理由もあるかも知れませんが、ご家族それぞれに合った歯ブラシを使うようにしましょう。

歯ブラシ選びのポイントは3つ!

  1. 使う目的:虫歯予防、歯周病予防、白い歯にしたい、などの目的をはっきりさせましょう。目的別にさまざまな商品がありますが、迷った時は歯科医に相談してください。
  2. 毛の硬さ:「メーカーの基準」と「JIS(日本産業規格)」によって若干の差異があることもありますが、メーカーは実際の使用感で決めているので、メーカーの基準を参考に、基本的には歯茎の状態に合わせて選びましょう。
  3. ヘッドの大きさ:お口の大きさに合わせて選びましょう。また磨き残しが気になる部分にも適したものがいいでしょう。

歯ブラシ選びのポイント

歯ブラシの硬さは「かたい」ほうがいいですか?

硬い歯ブラシは、確かに歯垢などの除去力はあるかもしれませんが、毛が硬ければそれだけ歯や歯茎の負担になってしまいます。エナメル質が傷つくと、知覚過敏などが発症しやすくなったり、着色(歯が黄ばむ)しやすくなってしまったりします。歯や歯茎が健康な方なら「ふつう」がおすすめです。

「ふつう」の歯ブラシのデメリットは?

汚れを落とす効果もちゃんとあり、歯と歯の間や、歯と歯茎の境目にも届きやすい「ふつう」の歯ブラシのデメリットは、適切な力加減で使用する限り、特に目立ったものはありません。

「やわらかい」歯ブラシはどうですか?

「やわらかい」歯ブラシは、優しく磨け、歯や歯茎を傷つけにくい反面、汚れを落とす力は弱いので、より丁寧に磨く必要があるでしょう。

毛先の形状や毛の太さについて教えてください

毛先の形はメーカーにより色々なものがありますが、おおまかにラウンド型とテーパード型の2つに分けられます。また毛の太い、細いにもそれぞれメリット・デメリットがありますので、下図を参考になさってください。

各種歯ブラシのメリット・デメリット

ヘッドは小さいほうがいいですか?

大きなヘッドは一気に磨けて便利!という意見もありますが、一般的にすみずみまできちんと磨くためにはヘッドは小さめがおすすめです。歯並びが気になる人も小さめがいいでしょう。

ヘッドの薄さはどうですか?

ヘッドが薄いと、お口の奥のほうまで入り込みやすく、また操作性も高まります。頬側にも届きやすいのがメリットです。

歯ブラシの持ち方

歯ブラシの基本的な持ち方には2通りあります。鉛筆を持つように持つ「ペングリップ」と、手のひらで握るように持つ「パームグリップ」です。磨く場所によっても持ちやすさが違いますので、いちばん磨きやすい方法で握りましょう。

歯ブラシの持ち方

パームグリップ

しっかりと持てるので力を入れやすい反面、力が加わりすぎて歯や歯茎を傷つけるおそれもあります。

ペングリップ

力が入りすぎず歯にも歯茎にも優しく磨け、また細かく動かしやすい握り方です。

歯ブラシの当て方(角度)

歯ブラシは、磨く場所によって最適な当て方があります。図を参考にしてみてください。

歯ブラシの当て方

歯ブラシの当て方のポイントは3つ!

  1. 毛先をケアしたい場所にきちんと当てる。
  2. 毛先が広がらない程度の力で当てる。
  3. 歯2本ぐらいを目安に、小刻みに動かす。

電動歯ブラシはどうですか?

基本的には手動か電動かの違いですので、当て方に違いはありません。製品の取り扱い説明書もよく読んでください。

矯正時の歯磨きはどうすればいいですか?

ワイヤー矯正の場合は、ワイヤーの上部/下部・ブラケット周りを歯ブラシを45度に傾けて丁寧に磨きます。またワイヤーと歯の隙間にも歯ブラシの毛が入り込むようにして磨くか、歯間ブラシを使用してもいいでしょう。

ワイヤー矯正時の歯磨き(歯間ブラシ)

マウスピース矯正の場合は、取り外しができるので通常と同じ歯磨きをしてください。マウスピースの洗浄は、指で全体をやさしくこすり、くぼんだ箇所などは歯ブラシで汚れを落とします。

ブラッシングの回数

1箇所(2本程度)20回を目安に動かしましょう。時間をかけても同じ箇所を磨いていては意味がなくなってしまうので、順番を決めて磨くのもいいでしょう。

歯磨き剤について

歯磨き「剤」と書きましたが、普段は歯磨き「粉」と言っている方が多いかと思います。これは昔歯磨き剤が「粉」だった時代の呼称の名残で、練り歯磨き(またはペースト状)になってからも通称として「歯磨き粉」が浸透しているせいなのです。

では、チューブに入ったお馴染みの歯磨き剤も含め、その種類を紹介していきます。

歯磨き剤の種類

ペースト状の歯磨き剤

ほとんどがチューブに入ったフッ素(フッ化合物)入の歯磨剤で、虫歯予防を目的として使用されるのが一般的です。発泡剤(口内に歯磨き剤を拡散させる)、清掃剤(汚れを落とす)、香味剤・清涼剤(爽快な使用感を与える)、湿潤剤、浸透剤、研磨剤などが配合されていることも。

ジェル状の歯磨き剤

フッ素配合で、研磨剤は入っていません。口内に拡がりやすいが、歯の付着物除去の効果を目的とはしていません。

フォーム(泡)状の歯磨き剤

空気が入っているために、ペーストより化合物の密度が低くなりますが、すすぎやすさに優れており、吐き出す力の弱い乳幼児や高齢者に適しています。

医薬品と医薬部外品の違いって?

歯磨き剤は、実はよく聞く「医薬品」と「医薬部外品」に加え「化粧品」の3つに分けられます。

医薬部外品:

薬用成分が入っているもので、処方箋が必要。また、歯科医院でのみ取り扱っているものもあり、「治療」が主な目的です。

医薬部外品:

有効成分が一定の濃度で配合されている、もっぱら「予防」を目的としたもの。「薬用」と表記されているものも医薬部外品です。

化粧品:

厚生労働省から認可されていないものです。「健やかさや清潔さを保つ」や「きれいにする」を目的にしていますが、その効果や効能についても認可はされていません。

歯磨き剤って使わないほうがいいの?

歯磨きの主目的は「汚れ(食べカス)や歯垢を除去する」ことですので、これが果たされるのであれば歯磨き剤は使用しなければならないものではありません。ですが、歯磨き剤には虫歯予防に有効な成分も含まれていて、歯磨き剤を使用したほうが歯垢の付着量が少なかったというレポートもあり、口臭の除去効果なども含め「歯磨き剤はサポート役」と考えるといいでしょう。

歯磨き剤とアレルギー

歯磨き剤には目的に合わせた様々な成分が含まれていますので、中にはアレルギーや口内炎、口内の痛みなどを引き起こす場合もあります。症状が出た場合は速やかに使用をやめ、医師に相談してください。

歯ブラシは濡らさないほうがいいって本当?

歯ブラシを濡らすと歯磨剤の泡立ちがよくなり、「よく磨けた気持ち」になってしまうのがマイナスです。また、有効成分が流れやすくなってしまうことも考えられるので、最近では歯ブラシを濡らさないほうがいいとされています。

歯磨き粉を混ぜて使ってもいいですか?

おすすめできません。それぞれの成分が拮抗(わかりやすく言い換えるなら「ケンカ」)してしまい、せっかくの効果が得られないことも考えられるからです。

歯間ブラシやフロスって必要ですか?

はい、ぜひ使ってください。歯ブラシでは取り除ききれない汚れでも、歯間ブラシやデンタルフロスを併用することにより、除去率がアップします。

デンタルフロスと歯間ブラシ

デンタルフロスや歯間ブラシはいつ使うのがいいの?

歯ブラシによるブラッシングの前がいいとされています。なぜなら、歯間ブラシやデンタルフロスでかき出した汚れを、ブラッシングで確実に排出させることができるからです。

歯磨きするときデンタルフロスや歯間ブラシは毎回使わないとだめですか?

もちろん理想は毎歯磨き後ですが、「最低1日1回でも念入りに歯磨きを」ということから考えると、就寝前の歯磨き時にでも1回は使用するといいでしょう。

歯磨きができないときどうすれば?

外出時、災害時、さまざまな理由で歯磨きができない時は、まずはうがいで口内を洗い流すことが大切です。また、マウスウォッシュ(洗口液)やキシリトールガムも完璧ではないものの代用になります。

マウスウォッシュ

マウスウォッシュ、と言っても正しくは液体タイプのオーラルケア製品。実はマウスウォッシュ(洗口液)とデンタルリンス(液体歯磨き)の2種類があります。どちらも液体ですが、マウスウォッシュは口に入れてすすいだ後吐き出すのに対して、デンタルリンスは口に入れた後歯ブラシでブラッシング、または口に含んだままでブラッシングすることで効果が発揮されます。

マウスウォッシュ

歯周病などで歯茎が弱っている場合は、アルコール配合のものは刺激が強すぎたりもしますので、目的や症状に合った配合成分の製品を選びましょう。

キシリトールガム

歯科専用のデンタルガム(キシリトール配合100%)がおすすめです。市販のものに比べてキシリトール配合の割合が高く、噛むことで唾液の分泌も促されるので、虫歯予防に効果があります。

キシリトールガム

まとめ

いかがでしたか? 正しい歯の磨き方のご参考になりましたでしょうか。実践で教えてほしい!など、ティーチングをご希望の方はぜひ、大阪府八尾市にある歯医者、もりかわ歯科までお越しください。もりかわ歯科ではTBI(ブラッシング指導)も行っております。1人として同じ口の中の方はいらっしゃいません。その人に合わせたブラッシングについてお伝えいたしますので、十分なセルフケアを目指しましょう。

歯にまつわることならどんなことでもご質問にお答えしたい。そんな思いで書いているこのブログが、患者さまの不安払拭の一助になれたなら幸いです。